JP2020049882A - ゴム部材及びゴム部材を製造する方法 - Google Patents

ゴム部材及びゴム部材を製造する方法 Download PDF

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Yusuke Kanemaru
祐輔 金丸
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Toshiharu Shibano
寿治 芝野
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Abstract

【課題】タイヤ構成部材として使用される環状のゴム部材3において、接合部35の引張強度を十分に確保し、外力が加わった際の局所的な応力集中を抑えられるよう、接合面の接合面積を大きくする。【解決手段】環状のゴム部材3は、厚み方向一方側に配置された貼り始め端部31と厚み方向他方側に配置された貼り終わり端部33とを互いに積層してなる接合部35と、貼り始め端部31と貼り終わり端部33との間で周方向に一定の厚みで延びる定常部32とを有し、貼り始め端部31は、貼り始め端縁311と第1の境界312との間に形成された傾斜面315を有し、第1の境界312は、ゴム部材3の厚み方向他方側における貼り始め端部31と定常部32との境界であり、貼り始め端縁311を起点とした周方向における単位長さ当たりの貼り始め端部31の厚みの増加量が不定値をとるように傾斜面315が湾曲している。【選択図】図2

Description

本発明は、ゴム部材及びゴム部材を製造する方法に関する。
一般的に、タイヤは、インナーライナー、サイドウォール、ビード、チェーファー、パッド、トレッドなどの各タイヤ構成部材を予め形成し、これらのタイヤ構成部材を未加硫の状態で貼り合わせて生タイヤを形成し、この生タイヤを加硫成型して製造される。
これらのタイヤ構成部材の製造方法の中には、下記特許文献1−2のように、押出機により混練したゴムを口金から吐出してゴムを成型し、成型したゴムの貼り始め端部と貼り終わり端部とを接合して、環状ゴム部材を形成する工程がある。
図8は、従来の、回転支持体200の上に形成された環状ゴム部材の側面図である。環状ゴム部材は、接合部350と定常部320から構成される。接合部350は、貼り始め端部310の傾斜面340の外周に貼り終わり端部330を積層することで形成されている。貼り始め端部310は、貼り始め端縁3101から離れるにしたがい、厚みが増加する部分である。定常部320は、厚みが一定である部分である。貼り終わり端部330は、貼り終わり端縁3301に近づくにしたがい、厚みが減少する部分である。
貼り始め端部310の傾斜面340は、口金の開口部より吐出したゴムを貼り付ける前に、超音波カッター等の切断具を用いてゴムを斜めにカットすることで得ていた。具体的には、回転支持体200に貼り付けられるゴム底面に対して角度θ1をなすように、切断具を用いて直線的にカットする。このカットは、切断具の機構上、直線的なカットに限られる。また、角度θ1は90度未満であるが、30度未満にすることが困難であった。ゆえに、超音波カッター等の切断具を用いて傾斜面340を形成した場合、傾斜面340の面積が小さくなる。
ところで、貼り始め端部310の傾斜面340の面積が小さいと、貼り終わり端部330との接合面の面積が小さくなるため、引張強度が確保できないという問題がある。また、接合面の面積の小さな接合部350に外力が加わると、接合部350の一部分に局所的な応力集中が発生し、当該一部分が損傷しやすいという問題がある。
特開2018−047561号公報 特開2013−220569号公報
本発明は、上述の問題点に鑑みて案出されたものであり、タイヤ構成部材として使用される環状のゴム部材に関して、接合部の引張強度を十分に確保するとともに、外力が加わった際の局所的な応力集中を抑えられるよう、接合面の接合面積を大きくすることを目的とする。
本発明のゴム部材は、タイヤ構成部材として使用される環状のゴム部材であって、
厚み方向一方側に配置された貼り始め端部と厚み方向他方側に配置された貼り終わり端部とを互いに積層してなる接合部と、前記貼り始め端部と前記貼り終わり端部との間で周方向に一定の厚みで延びる定常部とを有し、
前記貼り始め端部は、貼り始め端縁と第1の境界との間に形成された傾斜面を有し、前記第1の境界は、前記ゴム部材の厚み方向他方側における前記貼り始め端部と前記定常部との境界であり、
前記貼り始め端縁を起点とした周方向における単位長さ当たりの前記貼り始め端部の厚みの増加量が不定値をとるように前記傾斜面が湾曲している。
かかる構成により、貼り始め端部の傾斜面の面積を大きくすることができ、斯くして、接合面の接合面積を大きくすることを可能にする。
前記ゴム部材の、前記傾斜面は、前記貼り始め端縁を起点とした周方向における単位長さ当たりの前記貼り始め端部の厚みの増加量が一定値をとる仮想面に対して、厚み方向における厚みギャップを有し、
前記貼り始め端部における前記厚みギャップの最大値は、前記定常部の厚みの10%以上であるとよい。
かかる構成により、貼り始め端部の傾斜面の面積をより大きくすることができ、斯くして、接合面の接合面積をより大きくすることを可能にする。
前記貼り始め端縁と第2の境界との周方向に沿う間隔が10mm以上であり、前記第2の境界は、前記ゴム部材の厚み方向一方側における前記貼り始め端部と前記定常部の境界であるとよい。
かかる構成により、貼り始め端部の傾斜面の面積をより大きくすることができ、斯くして、接合面の接合面積をより大きくすることを可能にする。
タイヤは、前記ゴム部材をインナーライナーとして含んでもよい。
前記ゴム部材を、押出装置を使用して製造する方法であって、
前記押出装置は、押出機、ギアポンプ、口金及び回転支持体を備え、
前記押出機は、ゴム材料を混錬して前記ギアポンプ側に送り出すスクリューを備え、
前記スクリューと前記ギアポンプを動作させて前記口金からゴムを吐出させつつ、前記回転支持体を回転させるとともに、前記口金を前記回転支持体から離間させて、前記貼り始め端部を形成し、
前記スクリューと前記ギアポンプを動作させて前記口金からゴムを吐出させつつ、前記回転支持体を回転させて、前記定常部及び前記貼り終わり端部を形成し、
前記貼り終わり端部を形成するとき、前記接合部の厚みが一定となるように、前記貼り始め端部の前記厚みに応じて前記ギアポンプと前記スクリューを動作させるとよい。
前記貼り終わり端部を形成するとき、
(a)前記スクリューの動作を、前記ギアポンプの動作に対して遅延させること、
(b)前記ギアポンプの回転加速度を二段階以上に分けて設定し、前記ギアポンプを動作させること、
上記(a)及び(b)のどちらか一方又は両方を行ってもよい。
前記貼り始め端部を形成するとき、
(c)前記スクリューの動作を、前記ギアポンプの動作に対して遅延させること、
(d)前記ギアポンプの回転加速度を二段階以上に分けて設定し、前記ギアポンプを動作させること、
上記(c)及び(d)のどちらか一方又は両方を行ってもよい。
押出装置の一例を説明する図 環状ゴム部材の接合部付近の側面図 各ステップにおける、押出装置構成部材の動作内容を示す図 各ステップにおける、押出装置構成部材の位置及び動作の様子を示す図 各ステップにおける、押出装置構成部材の位置及び動作の様子を示す図 ギアポンプの回転数とギアポンプの入口側の圧力との関係を示したグラフ 押出装置の他の例を説明する図 従来の環状ゴム部材の接合部付近の側面図
図1を参照して、タイヤ構成部材として使用される環状ゴム部材の押出装置の一例を説明する。図1(a)は、ゴム30を押出す押出装置4を模式的に示した斜視図である。押出装置4は、ゴムの押出機1と、ギアポンプ10と、金型13と、口金11と、回転支持体20とを有する。ギアポンプ10は、押出機1の押出方向先端側に接続されている。口金11は、ギアポンプ10の先端側に接続された金型13の先端側に接続され、ゴムを吐出する。回転支持体20には、吐出したゴム30が貼り付けられる。回転支持体20は、本実施形態では、回転ドラム形状である。押出装置4は、回転支持体20を回転させながらゴムを口金11から吐出させることで、ゴム30を回転支持体20の表面に貼り付けて成型していく。最初に貼り付けたゴム30の先端部分は貼り始め端部31であり、詳細は後述する。貼り始め端部31を成型した後は、周方向に一定の厚みで延びる定常部を成型し、回転支持体が一周すると、貼り始め端部31に貼り終わり端部を積層し互いに接合するように形成する。その後、回転支持体20を縮径し、形成した環状ゴム部材を回転支持体20から取り外す。斯くして、環状ゴム部材は、貼り始め端部31に貼り終わり端部を積層し、互いに接合してなる接合部と、前記貼り始め端部と前記貼り終わり端部との間で周方向に一定の厚みで延びる定常部とを有する。
口金11の開口部におけるy方向の長さは、ゴムの吐出幅を決定する。ゴムの吐出幅が大きくなるとシート状のゴムが成型される。ゴムの吐出幅が小さくなると帯状のゴムが成型され、ゴムの吐出幅の大小にかかわらず、貼り始め端部31と貼り終わり端部を接合した後には環状ゴムが形成される。
図1(b)は、押出装置4を構成する、押出機1、ギアポンプ10、口金11、金型13、前後駆動部14、回転支持体20、及び各駆動制御部が示されている。押出機1は、円筒形のバレル1aと、バレル1aの供給口に接続されたホッパー1bと、ゴム材料を混練してギアポンプ10側に送り出すスクリュー1cと、スクリュー1cを回転駆動させるスクリュー用駆動部1dを備えている。スクリュー用駆動部1dは、スクリュー用駆動制御部12cによって制御される。押出機1は、前後駆動部14により、押出機1の位置を回転支持体20に対して接近させたり離間させたり前後に駆動調整できる。前後駆動部14は、前後駆動制御部12bによって制御される。ただし、これに限定されず、回転支持体20に前後駆動部とその制御部を設け、押出機1に対し、回転支持体20を接近させたり離間させたり前後に駆動調整してもよい。
ギアポンプ10は、一対のギア10aを有しており、口金11に向けてゴムを送り出す機能を有する。ギア10aはそれぞれギア用駆動部10bによって回転駆動され、ゴムを押し出す力は、ギア用駆動制御部12aによるギアの回転制御により決定される。図1(b)において、一対のギア10aは図1のx軸方向に配置しているが、これに限定されず、例えばy軸方向(ギア10aの回転軸が図1のx軸と平行になる方向)に配置してもよい。
回転支持体20は、回転支持体用駆動部20bにより回転させる。回転支持体用駆動部20bは、回転支持体用駆動制御部12dにより制御される。
図2には、押出装置4により形成した環状のゴム部材3における接合部35付近の側面図を示している。貼り始め端部31は、最初に回転支持体20に貼り付けた部分であり、定常部32の厚みt1よりも薄い部分である。定常部32は、貼り始め端部31を成型した後に成型される、周方向に厚みt1で延びる部分である。貼り終わり端部33は、定常部32を成型した後に、貼り始め端部31に積層して成型されるゴムの貼り終わり部分であり、定常部の厚みt1よりも薄い部分である。
環状のゴム部材3は、厚み方向一方側に配置された貼り始め端部31と厚み方向他方側に配置された貼り終わり端部33とを互いに積層してなる接合部35と、貼り始め端部31と貼り終わり端部33との間で周方向に厚みt1で延びる定常部32とを有する。図2のようにドラム状の回転支持体20を成型体に用いて形成したゴム部材3の場合、上記厚み方向一方側はゴム部材の内周側に位置し、上記厚み方向他方側はゴム部材の外周側に位置する。
ゴム部材3は、貼り始め端縁311、貼り終わり端縁331、第1の境界312、第2の境界313、第3の境界332、及び第4の境界333を有する。第1の境界312は、ゴム部材3の外周側における貼り始め端部31と定常部32との境界である。第2の境界313は、ゴム部材3の内周側における貼り始め端部31と定常部32との境界である。第3の境界332は、ゴム部材3の外周側における貼り終わり端部33と定常部32の境界である。第4の境界333は、ゴム部材3の内周側における、貼り終わり端部33と定常部32の境界である。貼り始め端縁311と第4の境界333は略一致しており、貼り終わり端縁331と第1の境界312は略一致している。貼り始め端縁311、貼り終わり端縁331、第1の境界312、第2の境界313、第3の境界332、及び第4の境界333は、いずれも、略y方向に延びている。貼り始め端縁311と第2の境界313との周方向における間隔は、回転支持体20の加速度、ゴムの吐出量の増減、離間する押出機1の距離・速度によって決定される回転支持体20の回転角R1によって決まる。
貼り始め端部31は、貼り始め端縁311と第1の境界312との間に形成された傾斜面315を有する。貼り終わり端部33は、貼り終わり端縁331と第4の境界333との間に形成された傾斜面335を有する。貼り終わり端部33の傾斜面335が、貼り始め端部31の傾斜面315と接するように互いに積層されて、接合部35を形成する。
貼り始め端部31の傾斜面315について、貼り始め端縁311を起点とした周方向における単位長さ当たりの貼り始め端部31の厚みが増加するように、傾斜面315が湾曲している。貼り終わり端部33の傾斜面335について、第3の境界332を起点とした周方向における単位長さ当たりの貼り終わり端部33の厚みが減少するように、傾斜面335が湾曲している。
図2には、貼り始め端縁311から第1の境界312へ向かって延びる面として、傾斜面315と異なる仮想面39が示されている。当実施形態における仮想面39について、貼り始め端縁311を起点とした周方向における単位長さ当たりの貼り始め端部31の厚みが増加するように、仮想面39が湾曲している。
仮想面39と傾斜面315との違いについて説明する。仮想面39は、貼り始め端縁311を起点とする周方向における単位長さ当たりの厚みの増加量が一定値をとる面である。図2において、貼り始め端部31の底面314(傾斜面315の反対側の面)は、ドラム状の回転支持体20の周方向に沿うように曲面を構成しているが、仮に、底面314が平面を構成する場合、仮想面39は、貼り始め端縁311と第1の境界312とを含む平面として表される面であり、貼り始め端部の傾斜面が平面を有する点においてゴムの直線的な斜めカットにより生じる面と同じ面であるといえる。
他方、傾斜面315の場合、貼り始め端縁311を起点とする周方向における単位長さ当たりの厚みの増加量が不定値をとるように、傾斜面315が湾曲している。貼り始め端縁311を起点とする周方向における単位長さ当たりの厚みの増加量が不定値をとるということは、貼り始め端縁311を起点とする周方向における単位長さ当たりの厚みの増加量が一定ではなく、仮想面39との間にゴム部材3の厚み方向のギャップを生じることを意味する。ゴム部材3の厚み方向の仮想面39と傾斜面315との間隔を厚みギャップΔtとすると、傾斜面315は、仮想面39よりも厚みギャップΔt分だけ、貼り始め端部31の厚みが小さくなる方向(底面314に近づく方向)に湾曲している。
貼り始め端部31と貼り終わり端部33の接合面の面積を考える。まず、接合面は、上述のとおり、傾斜面315と傾斜面335とを互いに接合した面であるから、接合面の面積は、傾斜面315又は傾斜面335の面積と略一致する。そして、仮想面39は、貼り始め端縁311を起点とする周方向における単位長さ当たりの厚みの増加量が一定値となる面であり、傾斜面315は、前記貼り始め端縁を起点とする周方向における単位長さ当たりの厚みの増加量が不定値をとるように、仮想面39に対して厚みギャップΔt分湾曲している面であることを踏まえると、傾斜面315の面積は、仮想面39の面積よりも大きい。そうすると、貼り始め端部31と貼り終わり端部33の接合面の面積は、仮想面39の面積よりも大きくなる。
ここで、仮想面39は、上述のとおり、従来の超音波カッター等の切断具を用いたときに生じる面と同じであるから、仮想面39に対して厚みギャップΔt分湾曲している接合面を有する接合部35は、従来の切断具を用いて形成された接合部に比べて、ゴムの引張強度を大きくすることができる。厚みギャップΔt分の湾曲は、厚みギャップΔt分だけ、貼り始め端部31の厚みが小さくなる方向(底面314に近づく方向)への湾曲の他、貼り始め端部31の厚みが大きくなる方向(傾斜面315に近づく方向)への湾曲でもよい。
貼り始め端部31における厚みギャップΔtの大きさは主に周方向位置によって異なるが、貼り始め端部31における厚みギャップΔtの最大値は、定常部32におけるゴム部材3の厚みt1の10%以上であると好ましい。さらに、15%以上であるとより好ましく、20%以上であるとより好ましい。貼り始め端部31における厚みギャップΔtを大きくするほど、接合面積を大きくすることができる。
貼り始め端縁311と第2の境界313との周方向に沿う間隔を大きくするほど、接合面積を大きくすることができる。ここで、「周方向に沿う間隔」とは、両者(貼り始め端縁311と第2の境界313)を周方向に沿って結んだ間隔であり、直線的に結んだ間隔(直線距離)ではない。貼り始め端縁311と第2の境界313との周方向に沿う間隔は、10mm以上であるとよい。さらに、50mm以上、100mm以上、150mm以上、200mm以上でもよい。間隔の上限は、環状のゴム部材の一周長さ未満であるとよい。
貼り始め端縁311を起点とする周方向における単位長さ当たりの厚みの増加量が不定値をとる傾斜面315を有するゴム部材を、押出装置4を使用して製造する方法を説明する。図3は、ゴム部材形成工程の各ステップにおける、押出装置構成部材の動作内容を示しており、図4及び図5は、ゴム部材形成工程の各ステップにおける、押出装置構成部材の位置及び動作の様子を示している。
ステップS0は初期状態にあり、当該ステップにおける押出装置が図4(a)に示されている。押出機1を前後に駆動させる前後駆動部14(図4において不図示)は駆動しておらず、押出機1は回転支持体20から離間した位置(口金11の先端が原点位置Bとなる位置)に静止している。押出機1、ギアポンプ10、金型13及び口金11の内部は、ゴムが充填された状態にある。ギアポンプ10のギア用駆動部10bとスクリュー用駆動部1dは、それぞれ、回転停止状態にある。回転支持体20は、貼り始め端部31をこれから貼り付けようとする領域を口金11に対向させる位置まで回転移動させた後、回転停止している。
ステップS1は成型準備ステップであり、当該ステップにおける押出装置が図4(b)に示されている。前後駆動部14を使用して押出機1を前進させる。ステップS1を詳説する。
前後駆動制御部12bが前後駆動部14を駆動させて、押出機1を−z方向に口金11の先端が回転支持体20に近接する近接位置Pまで移動させる。近接位置Pは、例えば、0.1mm以下であるとよい。ギア用駆動部10b、スクリュー用駆動部1d及び回転支持体20は、回転が停止したままである。
ステップS2は押出開始ステップであり、当該ステップにおける押出装置が図4(c)に示されている。押出機1のスクリュー用駆動部1dと、ギアポンプ10のギア用駆動部10bの回転を開始し、口金11の先端からゴムを吐出させる。ステップS2を詳説する。
はじめに、スクリュー用駆動部1dの回転を開始させ、ギアポンプの入口10i側の圧力を十分に上昇させる。ギアポンプの入口10i側の圧力が十分に上昇した後に、ギア用駆動部10bの回転を開始させる。ギア用駆動部10bは、二つのギアの噛み合い部分がスクリュー1c側に進行するように回転させる。ギアポンプ入口10i側にあるゴムは、二つのギアとギアポンプ内壁とに挟まれた領域を通り、ギアポンプ出口10o側に向かう。ギア用駆動部10bの回転開始に先立ってスクリュー用駆動部1dを回転開始させる理由は、ギアポンプの入口10iにおけるゴムの圧力を高め、ギアの歯と歯の隙間にゴムを隙間なく充填させるためである。ギア用駆動部10bの回転を開始させるタイミングは、ギアポンプの入口10i付近のギアポンプ内壁に圧力センサを配置し、該圧力センサで検出されたゴムの圧力に基づいてもよい。また、ギアポンプの入口10i側の圧力は、スクリュー用駆動部1dの回転速度によって変更できる。ギアポンプ10の動作後は、ギアポンプ入口10i側にゴムを供給するため、ギアポンプ10の動作に連動してスクリュー1cを動作させる。
ギアポンプ10を動作させると、ギアポンプの出口10o側の圧力が上昇する。そして、ギアポンプの出口10o側の圧力上昇が口金11付近のゴムに伝わると、口金11からゴムが吐出される。ゴムは粘弾性的性質を有するから、ギアポンプの出口10o側の圧力が上昇した後、直ちにゴムが吐出されるとは限らない。ゴムの粘弾性的性質や金型13の大きさ等にもよるが、ギア用駆動部10bの回転開始からゴムが口金11から吐出されるまで、数秒遅れることもある。
ステップS3は貼り始め端部31の形成ステップであり、当該ステップにおける押出装置が図4(d)に示されている。ゴムを吐出させながら、回転支持体20の回転を開始させるとともに、押出機1を後退させる。ステップS3を詳説する。
口金11から吐出されたゴムは、口金11の開口部中央付近のゴムを最先端として丸みを帯びた状態で回転支持体20に押圧される。押圧されたゴムは、口金11の開口部中央付近のゴムから回転支持体20に貼り付けられていく。ゴムが貼り付いた後に、回転支持体用駆動制御部12dが、回転支持体20を回転開始させる。ここで、ゴムが十分に貼り付いたか否かの判断は、回転支持体20の成型面に歪みゲージ等の圧力センサを設け、制御部が、該圧力センサで検出された圧力に基づいて行ってもよく、ゴムが回転支持体20に貼り付く様子を撮像し、制御部が、撮像結果に基づいて行ってもよく、作業者が視覚を通じて行ってもよい。また、ギアポンプ10の動作開始から所定時間経過したことをもって、ゴムが回転支持体20に十分に貼り付いたと判断してもよい。回転支持体20を回転させる際は、加速度も制御される。
回転支持体20の回転を開始させると同時に、前後駆動制御部12bが前後駆動部14を駆動させて、押出機1を+z方向に定常部形成位置Tまで移動、すなわち、後退させる。ゴムを吐出させながら回転支持体20を回転させるとともに、押出機1を後退させることで、傾斜面315を有する貼り始め端部31を形成することができる。定常部形成位置Tは、口金11の先端が回転支持体20の表面から定常部32の厚みt1分だけ離間した位置である。定常部形成位置Tまで移動したら押出機1の移動を停止する。そして、押出機1の+z方向への移動時間の間に回転支持体20が回転する回転角R1が大きいほど、貼り始め端部の傾斜面が長くなって、接合面積が大きくなり好ましい。例えば、回転角R1を10度以上にしてもよく、20度以上にしてもよく、30度以上にしてもよい。
貼り始め端部31を形成するとき、回転支持体20の回転速度と押出機1の移動速度が変化する。これらの変化は、吐出されたゴムが存在可能な空間体積が経時的に変化することを意味する。吐出されたゴム量に対して存在可能な空間体積が小さすぎると、吐出されたゴムを回転支持体20が引取りきれず、ゴムが所望の貼り付け位置からはみ出してしまう。逆に、吐出されたゴム量に対して存在可能な空間体積が大きすぎると、ゴムが不足して、所望の厚みを形成できない。所望の傾斜面315を有する貼り始め端部31を形成するには、回転支持体20の回転速度、押出機1の移動速度及びゴムの吐出量を精密に制御することが求められる。
貼り始め端部31の傾斜面315は、貼り始め端縁311を起点とし周方向における単位長さ当たりの厚みの増加量が一定値をとる仮想面39よりも、厚みギャップΔtだけ厚みを小さくしなければならない。このような複雑な形状を有する傾斜面315を製造するためのゴムの吐出量の制御には、主に、以下の二つの方法を使用するとよい。
第1の方法は、スクリュー1cの動作をギアポンプ10の動作に連動させるとき、スクリュー1cの動作制御に、ギアポンプの入口10i側圧力に基づくフィードバック制御を利用するものである。
図6は、ギアポンプ10の回転数とギアポンプ入口10i側の圧力の関係を示したグラフである。ギアポンプ入口10i側の圧力は、ギアポンプ入口10iに圧力センサを設けることで検出できる。横軸は時間、縦軸は回転数と圧力を表す。グラフ中、実線は、ギアポンプ入口10i側の圧力の時間変化を表し、破線は、ギアポンプ10の回転数を表す。ギアポンプ10の回転数の時間変化について説明する。上述したように、ゴムの粘弾性的性質により、ギアポンプ10の回転開始と実際のゴムの吐出開始との間にはタイムラグを生じるため、精確には一致しないが、ギアポンプ10の回転を加速させる領域は、概ね、押出開始ステップS2と貼り始め端部31の形成ステップS3に対応する。ギアポンプ10の回転数一定領域は、概ね、定常部32の形成ステップS4に対応し、ギアポンプ10の回転を減速させる領域は、概ね、貼り終わり端部33の形成ステップS5である。
ギアポンプ入口10i側の圧力の時間変化について説明する。ギアポンプ10が回転を始めると、ギアポンプ入口10i側のゴムの量が減って、ギアポンプの入口10i側圧力は低下する。ギアポンプ入口10i側圧力が低下すると、スクリュー1cの回転を加速させて、ギアポンプ入口10i側の圧力を回復させるというフィードバック制御を行う。ここで、図6のグラフに示されているように、このようなフィードバック制御では、ギアポンプ10の動作(具体的には回転開始タイミング及び回転加速度)に対して、スクリュー1cの動作(具体的には回転開始タイミング及び回転加速度)が遅延し、ギアポンプ入口10i側のゴムの量が低下する。その結果、ギアポンプ入口10i側圧力が一時的に低下する。その後、ギアポンプ入口10i側のゴムが口金11から吐出されるとき、ゴム吐出量が一時的に低下することになる。
このゴム吐出量の低下領域を貼り始め端部31の傾斜面315の形成に対応させると、仮想面39よりも厚みギャップΔt分だけ厚みが小さくなるように湾曲した傾斜面315を形成できる。
以上のように、スクリュー1cの動作制御に、ギアポンプの入口10i側圧力に基づくフィードバック制御を利用することにより、スクリュー1cの動作を、ギアポンプ10の動作に対して遅延させる。この遅延を利用し、貼り始め端部31において、貼り始め端縁311を起点とする周方向における単位長さ当たりの厚みの増加量が一定値をとる仮想面39よりも、厚みギャップΔtだけ厚みが小さくなる傾斜面315を形成することができる。
また、ギアポンプ10の回転加速に対するスクリュー1cの回転加速の遅延時間が大きくなるように意図的に調節することで厚みギャップΔtを大きくしてもよく、ギアポンプ10の回転加速に対するスクリュー1cの回転加速の遅延時間が小さくなるよう意図的に調節することで、厚みギャップΔtを小さくしてもよい。
第2の方法を説明する。貼り始め端部31を形成するとき、ギアポンプ10の回転加速度を二段階以上に分けて設定し、動作させる。例えば、貼り始め端部31形成の前半において、一段階目としてギアポンプの回転加速度を小さく設定し、貼り始め端部31形成の後半において、二段階目としてギアポンプの回転加速度を大きく設定すると、仮想面39よりも、厚みギャップΔtだけ厚みが小さくなる傾斜面315を得ることができる。逆に、貼り始め端部31形成の前半において、一段階目としてギアポンプの回転加速度を大きく設定し、貼り始め端部31形成の後半において、二段階目としてギアポンプの回転加速度を小さく設定すると、仮想面39よりも、厚みギャップΔtだけ厚みが大きくなる傾斜面315を得ることができる。制御段階は、二段階、三段階、四段階、・・・と段階を増やすほど、所望の厚みギャップΔtを有する傾斜面315を形成しやすくなる。無限段階に設定してもよい。また、上記第1の方法と上記第2の方法とを組み合わせて、所望の厚みギャップΔtを有する傾斜面315を形成してもよい。
ステップS4は定常部32の形成ステップであり、当該ステップにおける押出装置が図5(e)に示されている。定常部32では、口金11の先端が定常部形成位置Tを維持するように押出機1の前後位置を保ち、ギアポンプ10と回転支持体20をそれぞれ一定速度で回転させる。ゴムの吐出量も一定である。定常部32の形成開始時点から回転支持体20が(360−R1)度回転した時点で定常部32の形成を終了する。
ステップS5は貼り終わり端部33の形成ステップであり、当該ステップにおける押出装置が図5(f)に示されている。回転支持体20が360度回転した時点で、ギアポンプ10と押出機1のスクリュー1cの減速を開始させる。ステップS5を詳説する。
回転支持体20が360度回転し、貼り始め端縁311が口金11の−z方向に位置したとき、ギアポンプ10のギア用駆動部10bの減速を開始させる。回転支持体20は回転を続ける。ただし、回転支持体20の回転数は維持しても、減速させてもよい。貼り終わり終端331が口金11に接したとき、ギアポンプ10のギア用駆動部10bの回転は停止しており、吐出が終了となる。貼り終わり端部33は湾曲した傾斜面335を有し、第3の境界332を起点として周方向に沿って貼り終わり端縁331へ向かうにしたがい、厚みが減少するように傾斜面335が湾曲している。傾斜面335が貼り始め端部31の傾斜面315に重なるように、貼り終わり端部33を貼り始め端部31上に積層し、貼り始め端部31と貼り終わり端部33とを接合する。
ところで、貼り始め端部31と貼り終わり端部33が積層された接合部35の厚みは、定常部32の厚みと略同一にすることを要する。そうすると、貼り終わり端部33の傾斜面335が貼り始め端部31の傾斜面315に対応する形状にするように、貼り始め端部の傾斜面315が、仮想面39よりも厚みギャップΔtだけ厚みが小さくなる形状を有するのに対して、貼り終わり端部33の傾斜面335が、仮想面39よりも厚みギャップΔtだけ厚みが大きくなる形状を形成することを要する。傾斜面335の製造方法には、主に、以下に述べる二つの方法がある。
第1の方法は、貼り始め端部31の形成時と同様に、スクリュー1cの動作制御に、ギアポンプの入口10i側圧力に基づくフィードバック制御を利用するものである。
図6のグラフを参照して、ギアポンプ入口10i側の圧力の時間変化について説明する。ギアポンプ10の入口10i側圧力は、貼り終わり端部33形成時に一時的に上昇する。これは、ギアポンプ10が減速を始めると、ギアポンプ入口10i側のゴムの量が増えて、ギアポンプの入口10i側圧力は上昇する。ギアポンプ入口10i側圧力が上昇すると、スクリュー1cの回転を減速させて、ギアポンプ入口10i側の圧力を元の水準に戻すというフィードバック制御を行う。ここで、図6のグラフに示されているように、このようなフィードバック制御では、ギアポンプ10の動作(具体的には減速開始タイミング及び回転加速度)に対して、スクリュー1cの動作(具体的には減速開始タイミング及び回転加速度)が遅延し、ギアポンプ入口10i側圧力が一時的に上昇する時間がある。これは、この時間において、ギアポンプ入口10i側のゴムの量が増加していることに起因する。ギアポンプ入口10i側の増量したゴムが口金11から吐出されるとき、ゴム吐出量が増加することになる。このゴム吐出量の増加領域を、仮想面39よりも、厚みギャップΔtだけ厚みが大きくなる傾斜面315の形成に対応させる。
以上のように、スクリュー1cの動作制御に、ギアポンプの入口10i側圧力に基づくフィードバック制御を利用することにより、スクリュー1cの動作を、ギアポンプ10の動作に対して遅延させることができる。これにより、仮想面39よりも、厚みギャップΔtだけ厚みが大きくなる傾斜面335を形成することができる。
また、ギアポンプ10の回転加速に対するスクリュー1cの回転加速の遅延時間が大きくなるように意図的に調節することで厚みギャップΔtを大きくしてもよく、ギアポンプ10の回転加速に対するスクリュー1cの回転加速の遅延時間が小さくなるよう意図的に調節することで、厚みギャップΔtを小さくしてもよい。
第2の方法を説明する。第2の方法は、貼り始め端部31の形成時と同様に、貼り終わり端部33を形成するとき、ギアポンプ10の回転加速度を二段階以上に分けて設定し、動作させる。制御の詳細は、貼り始め端部31の形成時と同様である。貼り始め端部31の傾斜面315の形状に対応するように、ギアポンプ10の回転加速度を二段階以上に設定し、接合部35の厚みを定常部32の厚みと略同一にするようにする。
ステップS6は原点復帰ステップであり、当該ステップにおける押出装置が図5(g)に示されている。回転支持体20を停止させ、押出機1を原点位置Bまで後退させる。ギアポンプ10の動作は停止状態にある。金型13は、ゴムが充填された状態を保っている。この後、図では示していないが、回転支持体20を縮径させ、環状に形成されたゴム部材を回転支持体20から取り外す。
また、環状のゴム部材における接合部35の厚みを、回転支持体20から取り外す前にレーザ変位計で測定してもよい。そして、測定結果に基づいて、貼り始め端部31及び貼り終わり端部33のうち少なくとも一方の形成における、ギアポンプ10及びスクリュー1cの動作、回転支持体20の動作並びに前後駆動部14の動作を変更してもよい。
<実施例>
上記ゴム部材形成工程により環状ゴムを形成した。使用した回転支持体の半径r、貼り始め端部形成時の回転支持体の回転角R1、ゴムの定常部の厚みt1、ゴムの吐出幅w(口金11の開口部のy方向長さ)は以下のとおりである。

回転支持体の半径r: 210mm
貼り始め端部形成時の回転支持体回転角R1:35度
ゴムの定常部の厚みt1:1.3mm
ゴムの吐出幅w: 150mm

レーザ変位計を用いて、貼り始め端部の周方向の厚み変化を測定した。測定結果を、周方向における単位長さ当たりの厚みの増加量が一定値をとる仮想面39と比較し、厚みギャップΔtの最大値を求めた。

厚みギャップΔtの最大値:0.262mm

厚みギャップΔtの最大値0.262mmは、ゴムの定常部の厚みt1(1.3mm)の約20%に相当する大きな値となる。ゆえに、厚みギャップΔtを有することによる接合面の伸張は大きな値となる。よって、上記ゴム形成工程により得られたゴム部材の接合部の接合面積は、直線的にカットしたゴムの接合面の接合面積よりも、大きく増加する。
さらに、上記ゴム部材形成工程により環状ゴムを形成した場合、接合部35におけるゴム部材内周側(ゴム部材の回転支持体20に接する側)の周方向の長さL2は、以下の式で求められる。

L2=[2r×円周率×(R1/360)] ・・・式(1)

上記条件から、rとR1の値を式(1)に代入すると、接合部35におけるゴム部材内周側の周方向の長さL2は、約128(mm)となる。
比較のため、図8を参照しつつ従来の超音波カッター等の切断具を用いた場合を想定する。上述したように、超音波カッター等の切断具を用いた場合、回転支持体200に貼り付けられるゴム底面に対してなすカットの角度θ1を30度未満にすることは困難であったから、カット面積を最大限稼ぐことのできるように、角度θ1=30度で直線的にカットすることを想定する。そうすると、厚みt1のときの接合部350におけるゴム部材内周側(ゴム部材の回転支持体200に接する側)の周方向の長さL1は、以下の式で求められる。

L1=√3×t1 ・・・式(2)

上記条件から、厚みt1の値を式(2)に代入すると、接合部350における第2の面の周方向の長さL1は、2.3(mm)となる。つまり、切断具を用いて1.3mm厚のゴムを直線的にカットした場合、できるだけ長くカットした場合でも、2.3mmしか、接合部350における第2の面の周方向の長さを得ることができない。それに対し、上述の実施形態に記載のゴム部材形成工程で環状ゴムを形成した場合、接合部35における第2の面の周方向の長さL2は、約128(mm)である。ゆえに、従来手法に比べて接合面積を大きくすることができる。
上記ゴム部材形成工程は、図7に示されるような、回転円盤状の回転支持体21に帯状のゴムを吐出する押出装置42にも適用可能である。この押出装置42を使用した場合、貼り始め端部と貼り終わり端部とを接合して環状ゴム部材が形成される。回転円盤状の回転支持体21を成型体に用いて形成したゴム部材の場合、貼り始め端部、貼り終わり端部及び定常部のそれぞれが、ゴム部材の内周側と外周側を構成することになる。さらに、この場合、貼り始め端縁と第2の境界との周方向に沿う間隔は、環状ゴム部材の径方向によって異なり、ある数値範囲をとる。そこで、「周方向に沿う間隔」を、当該数値範囲の最小値である内周側に沿って結んだ間隔と定める。
本質的には、貼り始め端部と貼り終わり端部とを接合して形成されたゴム部材であれば上記ゴム部材形成工程を適用できるため、上記以外の押出装置でも構わない。例えば、成型体は、回転支持体に限られず、コンベア状のものでもかまわない。
本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
4…押出装置
10…ギアポンプ
11…口金
13…金型
14…前後駆動部
20…回転支持体
31…貼り始め端部
32…定常部
33…貼り終わり端部
35…接合部
39…仮想面
311…貼り始め端縁
312…第1の境界
313…第2の境界
315…傾斜面
331…貼り終わり端縁
332…第3の境界
333…第4の境界
335…傾斜面

Claims (8)

  1. タイヤ構成部材として使用される環状のゴム部材であって、
    厚み方向一方側に配置された貼り始め端部と厚み方向他方側に配置された貼り終わり端部とを互いに積層してなる接合部と、前記貼り始め端部と前記貼り終わり端部との間で周方向に一定の厚みで延びる定常部とを有し、
    前記貼り始め端部は、貼り始め端縁と第1の境界との間に形成された傾斜面を有し、前記第1の境界は、前記ゴム部材の厚み方向他方側における前記貼り始め端部と前記定常部との境界であり、
    前記貼り始め端縁を起点とした周方向における単位長さ当たりの前記貼り始め端部の厚みの増加量が不定値をとるように前記傾斜面が湾曲している、ことを特徴とするゴム部材。
  2. 前記傾斜面は、前記貼り始め端縁を起点とした周方向における単位長さ当たりの前記貼り始め端部の厚みの増加量が一定値をとる仮想面に対して、厚み方向における厚みギャップを有し、
    前記厚みギャップの最大値は、前記定常部の厚みの10%以上である、請求項1に記載のゴム部材。
  3. 前記貼り始め端縁と第2の境界との周方向に沿う間隔が10mm以上であり、前記第2の境界は、前記ゴム部材の厚み方向一方側における前記貼り始め端部と前記定常部の境界である請求項1又は2に記載のゴム部材。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のゴム部材を含むタイヤ。
  5. 前記ゴム部材をインナーライナーとして含む、請求項4に記載のタイヤ。
  6. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のゴム部材を、押出装置を使用して製造する方法であって、
    前記押出装置は、押出機、ギアポンプ、口金及び回転支持体を備え、
    前記押出機は、ゴム材料を混錬して前記ギアポンプ側に送り出すスクリューを備え、
    前記スクリューと前記ギアポンプを動作させて前記口金からゴムを吐出させつつ、前記回転支持体を回転させるとともに、前記口金を前記回転支持体から離間させて、前記貼り始め端部を形成し、
    前記スクリューと前記ギアポンプを動作させて前記口金からゴムを吐出させつつ、前記回転支持体を回転させて、前記定常部及び前記貼り終わり端部を形成し、
    前記貼り終わり端部を形成するとき、前記接合部の厚みが一定となるように、前記貼り始め端部の前記厚みに応じて前記ギアポンプと前記スクリューを動作させる、方法。
  7. 前記貼り終わり端部を形成するとき、
    (a)前記スクリューの動作を、前記ギアポンプの動作に対して遅延させること、
    (b)前記ギアポンプの回転加速度を二段階以上に分けて設定し、前記ギアポンプを動作させること、
    上記(a)及び(b)のどちらか一方又は両方を行う、請求項6に記載の方法。
  8. 前記貼り始め端部を形成するとき、
    (c)前記スクリューの動作を、前記ギアポンプの動作に対して遅延させること、
    (d)前記ギアポンプの回転加速度を二段階以上に分けて設定し、前記ギアポンプを動作させること、
    上記(c)及び(d)のどちらか一方又は両方を行う、請求項6又は7に記載の方法。
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