JP2020048480A - ルテイン含有組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】カロテノイド色素の一つであるルテインは、熱、光、酸素、pH等で分解、退色することや別の化合物に変化することはよく知られ、ルテインの化学構造を変化させることなく長期間安定に飲食品中で維持させることは困難である。ルテイン含有組成物中のルテインの吸収スペクトルをコントロールすることで長期間ルテインを飲食品中で安定的に維持することを可能とし、更に飲食品の外観や風味を損ねることなく飲食品中での分散性に優れたルテイン含有組成物を得ることを目的とする。【解決手段】ルテインとモノエステル含量80質量%以上のショ糖脂肪酸エステルを含有し、水系溶媒に分散可能なルテイン含有組成物であって、水にルテイン濃度が0.5mg/100mlとなるように分散させたときの吸収スペクトルを測定した場合に、350nm〜380nmの間に極大吸収波長(λmax)を有するルテイン含有組成物を用いることで上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、カロテノイドの一種であるルテインを水に容易に分散し、かつ低温や高温の過酷な条件や低いpH条件下でも長期間の安定性を保持し、沈殿や凝集を起こすことなく、長期間の分散安定性とルテイン自体の化学構造の安定性を有するルテイン含有組成物及びルテイン含有組成物を含む飲食品に関する。
飲食品には色素が使用される例が多く、食品を特徴付けるものであるが、加工、流通及び保存中において経時劣化しやすいという欠点があった。色素の経時劣化の原因としては様々なものがあり、製造加工時の殺菌などの熱履歴や、飲食品の流通、保存、販売などの各段階において光、熱、酸素、pH等の影響を受け、著しく退色し、品質の低下を引き起こす可能性がある。色素の一つであるマリーゴールド色素(ルテイン)は着色目的だけでなく、機能性素材としても利用されるものであり、その需要は今後更に多くなることが予想される。特に飲料での使用においてルテインは、熱、光、酸素等により化学構造が変化することで経時的に減衰することが確認されており、長期間の化学構造の安定性の向上が求められていた。
また、ルテインは強い抗酸化能を持つカロテノイドの一つで、ケールやほうれん草といった緑黄色野菜に多く含まれている。ルテインは生体内で網膜の黄班部に局在することで、目に進入するエネルギーの高い光を吸収し、光によって生じる活性酸素を除去することで光に対する目の保護に有益な成分として知られている。このことから近年サプリメントや多様な飲食品へ配合されている(例えば、特許文献1参照。)。
カロテノイドのような高結晶性の物質を水系溶媒中に安定に分散できる組成物として、特定の多糖類の存在下で安定化させる方法(例えば、特許文献2参照。)や、高圧乳化機等の強分散性の乳化装置や微細加工のための粉砕装置を使用して処理をされた組成物(例えば、特許文献3〜5参照。)、カロテノイドを加熱により溶剤に溶解させて乳化させた組成物(例えば、特許文献6参照。)などがある。しかし、これらは色素としての見た目の安定化又は飲食品中の均一安定化等の分散安定性についてのみの記載であり、色素中の特定有用成分の長期間の安定性向上について詳細な記載は含まれておらず、実際の有用成分の安定作用については不明瞭であった。
色素の一つであるカロテノイドは、熱、光、酸素、pH等で化学構造が変化することで退色することはよく知られている。それ以外にも異性化反応で別の化合物に変化することも知られている。これらの変化では外観の色は変化しないので、色素としての使用であれば問題にならないが、機能性素材含有食品として用いる場合は、有効成分は失われてしまう。それゆえ長期間の化学構造の安定性と分散安定性が必要とされ、様々な保存条件下に置かれやすい飲食品に応用する場合は、大きな問題となっていた。
特に、ルテインを含むキサントフィル類(アスタキサンチン、βクリプトキサンチン、フコキサンチン、ゼアキサンチン、カンタキサンチン、カプサンチンなど)は酸と反応することで、化学構造が変化し、別の化合物になることが報告されている。この化学構造の変化は自身のイソプレノイド構造を維持したままであるので、自身の色は変化しない。(例えば、非特許文献1と非特許文献2参照。)それゆえ、飲食品中での保存によるキサントフィル類の化学構造の変化は、吸光度のような色価管理では正確に確認できない可能性があるため、HPLCを用いた定量的な分析が必要となっていた。
有機物質(特に顔料や色素)の極大吸収波長のピークシフトや吸収スペクトルの変化は分子間相互作用、形成粒子の形状、結晶状態の変化などによって起こることが知られている(例えば、非特許文献3と非特許文献4参照。)。しかし、極大吸収波長のピークシフトは温度や濃度によって変化しやすく、安定化は困難であった。また、極大吸収波長と化学構造の安定性の関係についての知見は知られていなかった。
特開2005−65525号公報 特開2013−240337号公報 特許第4673273号公報 特開平7−90188号公報 特許第5459939号公報 特開平6−172170号公報
Bioorganic & Medicina Chemistry Letters,14(4),925−928,2004 Journal of Agricultural and Food Chemistry, 53(24),9512−9518,2005 色材,58(2),89−101,1985 Agricultural and Biological Chemistry,51(6),1561−1566,1987
本発明は前記従来技術に鑑みてなされたものであり、高結晶性物質であるルテインを水系溶媒に容易に均一分散でき、かつ低温や高温、低いpH等の過酷な条件下で長期間保存しても分離や凝集を生じることなく高い分散安定性を有する、耐熱性、耐酸性に優れたルテイン含有組成物、並びに、有効成分であるルテインの長期間の化学構造の安定性が向上した、前記ルテイン含有組成物を含有する飲食品を提供することにある。
発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、モノエステル含量80質量%以上のショ糖脂肪酸エステルを用いて種々の加工方法によって処理し、水分散時のルテインの吸収スペクトル及び極大吸収波長(λmax)を変化させることで、組成物中のルテインの水系溶媒への分散安定性とルテインの長期間の化学構造の安定性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(3)に関する。
(1)ルテインとモノエステル含量80質量%以上のショ糖脂肪酸エステルを含有するルテイン含有組成物であって、ルテイン濃度が0.5mg/100mlとなる水溶液の吸収スペクトルを測定した場合に、350nm〜380nmの間に極大吸収波長(λmax)を有するルテイン含有組成物。
(2)ルテイン濃度が0.5mg/100mlとなる水溶液の吸光度を測定した場合に、測定波長450nmと370nmの吸光度の比率(Abs370nm/Abs450nm)が1.6以上である前記(1)記載のルテイン含有組成物。
(3)前記(1)又は(2)記載のルテイン含有組成物を含む飲食品。
本発明のルテイン含有組成物は製剤中及び飲食品中で長期間の分散安定性を示し、飲食品の加工又は保存における熱、酸素、pHなどの影響による、ルテインの化学構造の変化で生じる減衰を顕著に抑制しうる組成物である。
図1は水溶液での評価結果の図である。 図2はヘキサン溶液での評価結果の図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明におけるルテインは、天然物であるホウレンソウやケールなどの緑黄色野菜、果物、花(マリーゴールド)などの抽出物を使用しても良いし、周知の入手可能な市販の食品グレードのルテイン(マリーゴールド色素)を使用しても良い。このルテインは粉末品でも良いし、オイル懸濁品でも良い。ルテインはフリー体又はエステル体として存在することができ、本発明の組成物はフリー体以外にエステル体のルテインを含んでいても良いし、含まなくても良いが、生体吸収性やハンドリングの点からフリー体のルテインの方が好ましい。
一般的なルテインの溶解時の吸収スペクトルは400nm〜550nmの間で出現し、極大吸収波長(λmax)は400〜500nmの範囲内に存在しており、これがルテインの色素としての性質を反映しており、ルテインは通常橙から黄色の色として現れる。本発明品は、モノエステル含量80質量%以上のショ糖脂肪酸エステルを使用し、本来の色には影響を与えない領域である吸光波長350〜380nmの間に極大吸収波長(λmax)を有することで、ルテインの水系溶媒への分散性と化学構造の安定性が顕著に向上したルテイン含有組成物である。
本発明のルテイン含有組成物は、色の指標となる測定波長450nmの吸光度をAbs450nmとしたとき、本発明品のλmax中心付近の波長である、測定波長370nmの吸光度、Abs370nmとの比率(Abs370nm/Abs450nm)が大きくなると、色味として変化することなく、水系溶媒への分散性とルテインの機能性素材としての化学構造の安定性が顕著に向上したものである。本発明品の飲食品中での分散安定性向上や長期間保存後の沈殿やネックリング発生抑制の理由から、ルテイン濃度が0.5mg/100mlとなる水溶液において、この比率(Abs370nm/Abs450nm)は、好ましくは1.6以上であり、より好ましくは1.7以上であり、最も好ましくは1.8以上である。
本発明におけるルテインを水系溶媒に分散させる方法は、界面活性剤や乳化性の高い多糖類などの分散剤を加えて乳化物にさせる方法や、分散装置を用いて微細化する方法などの公知の方法を用いれば良い。分散装置として、特に限定するものではないが、例えば、プロペラ型、アンカー型、パドル型の攪拌機、より強力なせん断力を付与できるローター・ステーター型の乳化機、磨砕機能を備えたミル型乳化分散機、メディアを用いて粉砕を行うビーズミル型分散機、高圧下でキャビテ−ションを発生させる高圧ノズル型乳化機、高圧下で液同士を衝突させ、衝撃力、乱流によるせん断力及びキャビテーションにより乳化、微細化を行う高圧衝突型乳化機、超音波でキャビテーションを発生させる超音波型乳化機、細孔を通して均一乳化を行う膜乳化機、エレメント内に液の分散集合を繰り返して均一混合するスタティックミキサー等からなる群より選択される少なくとも1種以上を使用しても良いし、繰り返し使用しても良い。
本発明のルテイン含有組成物中のルテインの含有量は、ルテイン含有組成物100質量%に対して0.05〜20質量%であり、好ましくは0.05〜15質量%であり、より好ましくは0.05〜10質量%である。20質量%を超えて配合すると水系溶媒への分散安定性が低下するとともに、製剤化しても350nm〜380nmの間に極大吸収波長(λmax)を有さなくなる可能性がある。0.05質量%未満で配合するとルテイン含有組成物としての性能を十分に発揮しなくなる可能性がある。
本発明におけるショ糖脂肪酸エステルは、特に限定するものではないが、例えば、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等からなる群より選択される少なくとも1種以上であり、好ましくはショ糖ステアリン酸エステル、又はショ糖パルミチン酸エステルである。モノエステル含量については80質量%以上であることが必要であり、好ましくはモノエステル含量が85質量%以上であり、更に好ましくは90質量%以上である。モノエステル含量が80質量%未満では350nm〜380nmの間に極大吸収波長(λmax)を有さなくなり、更に透明性のあるものや酸性の飲食品に使用した場合、長期保存において沈殿や濁りを生じる可能性がある。本発明のルテイン含有組成物中のショ糖脂肪酸エステルの含有量は、好ましくは0.1〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜2質量%である。0.1質量%未満では十分な性能を発揮することが出来ず、また5質量%より多くなると風味やハンドリングが悪くなることに加えて、350nm〜380nmの間に極大吸収波長(λmax)を有さなくなる可能性がある。ショ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸組成については、構成する脂肪酸又はその誘導体をGC分析して求めることができる。また、全エステルにおけるモノエステル純度は、THFなどを溶離液としてGPC分析したときのクロマトグラムの面積比により求めることができる。
本発明のルテイン含有組成物に使用される特定のショ糖脂肪酸エステルと併用可能な界面活性剤は、特に限定するものではないが、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、酵素分解レシチン、有機酸モノグリセリド、ポリソルベート等からなる群より選択される少なくとも1種以上であり、好ましくは、ポリグリセリン脂肪酸エステル、酵素分解レシチン、有機酸モノグリセリドである。本発明のルテイン含有組成物及びその組成物を含有する飲食品の長期間の分散安定性を高めるため、複数の界面活性剤を併用することが効果的である。本発明のルテイン含有組成物中の界面活性剤の含有量は、好ましくは0.1〜20質量%であり、より好ましくは0.1〜15質量%である。上記範囲未満では、界面活性剤が十分に効果を発揮しない可能性がある。また上記範囲より大きいと、ルテイン含有組成物のハンドリングが悪くなるとともに350nm〜380nmの間に極大吸収波長(λmax)を有さなくなる可能性がある。
本発明におけるポリグリセリン脂肪酸エステルの構成成分として、脂肪酸とポリグリセリンが挙げられる。構成成分の脂肪酸としては、好ましくは炭素数12以上の脂肪酸であり、より好ましくは炭素数12〜18の脂肪酸である。炭素数12〜18の脂肪酸としては、特に限定するものではないが、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられ、好ましくはミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸である。一方、炭素数が12に満たないものや18を超える脂肪酸で構成されたポリグリセリン脂肪酸エステルは、ルテインの水系溶媒への分散安定化に十分な効果が得られない可能性がある。
本発明におけるポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンとしては、平均重合度が5以上、及び水酸基価が770以上1200以下であり、かつ全ての水酸基に対する1級水酸基の割合が50質量%以上であるポリグリセリンで構成されていることが好ましい。
ポリグリセリンの平均重合度とは、末端基分析法による水酸基価から算出されるポリグリセリンの平均重合度である。詳しくは、(式1)及び(式2)から算出した平均重合度である。
(式1)平均重合度=(112.2×10−18×水酸基価)/(74×水酸基価−56.1×10
(式2)水酸基価=(a−b)×28.05/試料の採取量(g)
a:空試験による0.5N水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:本試験による0.5N水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
上記(式1)中の水酸基価は社団法人日本油化学会編「日本油化学会制定 基準油脂分析試験法(I)1996年度版」に準じて(式2)で算出される。
ポリグリセリンの全ての水酸基に対する1級水酸基の割合は、炭素分子に対する核磁気共鳴スペクトル(NMR)を測定する方法を用いて測定される。また水酸基価は当該分野で公知の方法により測定が可能である。
具体的にはポリグリセリン500mgを重水2.8mlに溶解し、ろ過後ゲートつきデカップリングにより13C−NMR(125MHz)スペクトルを得る。1級水酸基と2級水酸基の存在を示す13C化学シフトはそれぞれメチレン炭素(CHOH)が63ppm付近、メチン炭素(CHOH)が71ppm付近であり、2種それぞれのシグナル強度の分析により、1級水酸基と2級水酸基の存在比を算出する。但し、2級水酸基を示すメチン炭素(CHOH)は、1級水酸基を示すメチレン炭素に結合するメチン炭素に更に隣接するメチレン炭素ピークと重なり、それ自体の積分値を得られないため、メチン炭素(CHOH)と隣り合うメチレン炭素(CH)の74ppm付近のシグナル強度により積分値を算出する。
本発明における有機酸モノグリセリドの構成成分として、有機酸、脂肪酸、グリセリンが挙げられる。構成成分の有機酸としては、好ましくはクエン酸、コハク酸、ジアセチル酒石酸である。構成成分の脂肪酸としては、好ましくは炭素数12以上の脂肪酸であり、より好ましくは炭素数12〜18の脂肪酸である。炭素数12〜18の脂肪酸としては、特に限定するものではないが、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられ、好ましくはステアリン酸である。
本発明におけるルテイン含有組成物中の分散溶媒は、特に限定するものではないが、例えば、水、グリセリン、プロピレングリコール、液糖、還元水あめ、糖アルコール等からなる群より選択される少なくとも1種以上であり、好ましくは水、グリセリンである。これらの分散溶媒は単体で用いても良いし、混合して用いても良い。
本発明のルテイン含有組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、トコフェロール類(ビタミンE類)、トコトリエノール、アスコルビン酸(ビタミンC)類、カテキン(チャ抽出物)類、ルチン、酵素処理ルチン、ルチン酵素分解物、フェルラ酸、エンジュ抽出物、ローズマリー抽出物、ブドウ種子抽出物、没食子酸、コーヒー豆抽出物、ヤマモモ抽出物等の酸化防止剤を含んでも良い。
本発明のルテイン含有組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、食品に添加可能な糖類、多糖類、増粘安定剤類、タンパク質類、塩類、クエン酸やリン酸などの酸類、アミノ酸類、香料、色素等の添加剤を含んでも良い。
本発明のルテイン含有組成物の水中及び飲料中の平均粒子径の測定法としては、レーザー回折散乱法であり、市販の粒度分布計等で計測することができ、例えば、BECKMAN COULTER社製の湿式粒度分布測定装置(LS 13 320)を用いることで容易に測定することができる。
本発明のルテイン含有組成物の飲食品に対する添加量は、ルテイン含有組成物の成分の純度、配合割合や、添加する飲食品の種類等により変動し、特に限定するものではないが、例えば、機能性素材としての使用を考慮する場合、好ましくは飲食品の0.005〜5質量%の範囲であり、より好ましくは0.05〜5質量%の範囲である。0.005質量%未満の添加では、有効成分であるルテインを十分な量で添加できず、5質量%を超える添加では飲食品の性状や風味に影響を及ぼす可能性がある。
以下、本発明の態様を実施例により更に記載し、開示する。この実施例は、単なる本発明の例示であり、何ら限定を意味するものではない。
実施例1
表1に示す組成にて原材料を80℃で混合後、ホモミキサー(プライミクス社 TKホモミクサー)を用いて回転数7000rpmにて10分間攪拌した。その後湿式粉砕装置(シンマルエンタープライゼス社 ダイノミル)を用いて1時間処理し、本発明品1を調製した。
実施例2
表1に示す組成にて原材料を80℃で混合後、ホモミキサー(プライミクス社 TKホモミクサー)を用いて回転数7000rpmにて10分間攪拌した。その後湿式粉砕装置(シンマルエンタープライゼス社 ダイノミル)を用いて1時間処理し、本発明品2を調製した。
比較例1
表1に記す組成にて原材料を95℃で混合後、ホモミキサー(プライミクス社 TKホモミクサー)を用いて回転数7000rpmにて10分間攪拌した。その後高圧ホモジナイザー(株式会社エスエムテー LAB1000)にて圧力250kg/cmにて微細化工程を行い、比較品1を調製した。
比較例2
表1に示す組成にて原材料を80℃で混合後、ホモミキサー(プライミクス社 TKホモミクサー)を用いて回転数7000rpmにて10分間攪拌した。その後湿式粉砕装置(シンマルエンタープライゼス社 ダイノミル)を用いて1時間処理し、比較品2を調製した。
比較例3(ルテイン無添加品)
表1に示す組成にて原材料を80℃で混合後、ホモミキサー(プライミクス社 TKホモミクサー)を用いて回転数7000rpmにて10分間攪拌し、比較品3を調製した。
Figure 2020048480
試験例1
吸収スペクトル、吸光度測定
水又はヘキサンを溶媒とし、本発明品1、2、比較品1〜3をルテイン濃度として0.5mg/100mlとなるように添加して溶液を調製した。水での吸収スペクトル測定はそれらの分散状態での物性確認のために実施し、ヘキサンでの吸収スペクトル測定はそれらのルテインの化学構造の確認のために実施した。得られたそれぞれの溶液を紫外可視分光光度計(アジレント・テクノロジー株式会社製 Cary60 UV−Vis)を用い、測定温度25℃にて、波長300〜700nmにおける吸収スペクトルを測定し、極大吸収波長(λmax)を算出した。また測定波長370nmと450nmでの吸光度(Abs370nmとAbs450nm)を測定し、下記の(式3)より吸光度の比率(Abs370nm/Abs450nm)を算出した。
(式3)(Abs370nm/Abs450nm)=(Abs370nm)/(Abs450nm)
本発明品1、比較品1、3の吸収スペクトルは、図1(水溶液での評価結果。)と図2(ヘキサン溶液での評価結果。)に示し、極大吸収波長(λmax)及び吸光度の比率(Abs370nm/Abs450nm)の結果を表2に示した。
図1より、本発明品1は、水溶液中で350〜380nmの間に極大吸収波長(λmax)を示し、同一のルテインを用いた比較品1は、430nm〜480nmの間に極大吸収波長(λmax)を示した。また、ルテイン無添加品である比較品3では極大吸収波長(λmax)を検出しなかったことから、本発明品1と比較品1で検出される極大吸収波長(λmax)がルテイン由来であることが確認できた。更に、図2より、ヘキサン液中では本発明品1は比較品1と同様の430〜480nmの間に極大吸収波長(λmax)を示すことから、本発明品1のルテインの分子構造自体は変化していないことが確認できた。有機物質(特に顔料や色素)の極大吸収波長のピークシフトや吸収スペクトル変化は分子間相互作用、形成粒子の形状、結晶状態の変化などによって起こることが知られており(例えば、非特許文献3と非特許文献4参照。)、図1の、同一のルテインを用いた本発明品1と比較品1の間で確認されたピークシフトはルテインの粒子状態又はルテインが形成する高次構造や結晶状態の変化に起因していると考えられ、モノエステル含量80質量%以上のショ糖脂肪酸エステルがこの変化に関与していると推測された。
試験例2
平均粒子径測定
調製直後の本発明品1、2、比較品1、2の平均粒子径を、湿式粒度分布測定装置(レーザー回折散乱法、BECKMAN COULTER社製、機種名:LS 13 320)で測定した。湿式粒度分布測定装置の測定条件は、分散媒を水、ポンプ速度を31%循環、超音波分散レベルを8で30秒間処理、測定時間を90秒とした。粒度の算出条件は、分散媒屈折率の実数部を1.333、サンプル屈折率の実数部を1.6、虚数部を0とし、自動的に平均粒子径を算出した。その結果を表2に示した。
Figure 2020048480
試験例3
ルテイン含有組成物の分散安定性評価
本発明品1、2、比較品1、2を30mlの透明瓶に20ml充填後、密栓し、5℃、25℃、40℃の暗所にて2ヶ月保存した。保存後の各試料の状態を目視で観察し、以下の評価基準により分散安定性を評価した。その結果を表3に示した。
分散安定性の評価基準
− 分離や沈殿を認めず、均一状態を維持している。
+ 表面にわずかにリングが認められる。
++ 表面にはっきりとしたリングや、底に沈殿が見られる。
+++ 水相と油相が完全に分離している。
試験例4
ルテイン含有組成物の平均粒子径測定
試験例3の保存前後の本発明品1、2、比較品1、2について、試験例2と同様の測定方法で平均粒子径を測定した。その結果を表3に示した。
試験例5
ルテイン含有組成物の極大吸収波長、吸光度測定
試験例3の保存前後の本発明品1、2、比較品1、2について、ルテイン濃度として0.5mg/100mlとなるように水に希釈し、試験例1と同様の測定方法で波長300〜700nmにおける吸収スペクトルを測定し、極大吸収波長(λmax)を算出した。また、試験例1と同様の測定方法でAbs370nm及びAbs450nmを測定し、式3より吸光度の比率(Abs370nm/Abs450nm)を算出した。その結果を表3に示した。
試験例6
ルテイン含有組成物のルテイン残存率評価
試験例3の保存前後の本発明品1、2、比較品1、2のルテイン含量について、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による定量分析を行った。分析はすべてフリー体のルテインを測定した。ルテインの抽出方法は満田らの方法(日本食品科学工学会誌,49(7),500−506,2002)に従い、試料にアセトン、硫酸ナトリウム、石油エーテルを加えて行った。HPLCの測定条件はHartmannらの方法(The American Journal of Clinical Nutrition,79(3),410−417,2004)を参考に下記条件にて実施した。
HPLC条件
装置:Waters alliance
カラム:Silica 3μ(Φ4.6mm×150mm)
試料注入量:20μl
流量:1.0ml/min
カラムオーブン温度:30℃
測定波長:450nm
移動相:ヘキサン:アセトン=81:19
下記の(式4)よりルテイン残存率(質量%)を算出した。
(式4)(ルテイン残存率(質量%))=(保存後のルテイン含量/保存前のルテイン含量×100)その結果を表3に示した。
試験例7
試験例3〜6の評価結果から以下の評価基準より、本発明品1、2、比較品1、2の総合評価を行った。その結果を表3に示した。
総合評価基準
○ 合格
× 不合格
Figure 2020048480
表2と表3の結果より本発明品1、2は比較品1、2と比べて、平均粒子径、分散安定性、ルテイン残存率のいずれも、保存前後でほとんど変化が無く、長期間の分散安定性とルテインの化学構造の安定性について良好な結果を示した。本結果から、350〜380nmの間に極大吸収波長(λmax)を有することによって、本発明品であるルテイン含有組成物は、高い分散安定性とルテインの化学構造の安定性を有することが確認できた。
実施例3、4、比較例4、5(酸性飲料)
果糖ブドウ糖液糖80g、クエン酸1.6g、クエン酸三ナトリウム0.8g、アスコルビン酸0.15gを混合しイオン交換水を加えて合計1000gとなるよう調製し、pHが3.5となる酸性飲料を得た。pHはpHメーター(堀場製作所製 D−51)を使用して測定を行った。この酸性飲料にルテインを2mg/100mlとなるよう本発明品1、2及び比較品1、2を添加し、それらの飲料を93℃達温にて無色透明の300mlペットボトルに280mlホットパック充填し、冷却して、本発明品3、4及び比較品4、5の飲料を得た。
試験例8
酸性飲料中の分散安定性評価
本発明品3、4及び比較品4、5の飲料を40℃にて4週間及び55℃にて2週間保存し、保存前後の各試料の状態を目視で確認し、以下の評価基準により分散安定性を評価した。その結果を表4に示した。
分散安定性の評価基準
− ネックリングや沈殿は見られない。
+ わずかにネックリングが見られる。
++ 明確なネックリングや沈殿が見られる。
+++ 著しいネックリングや沈殿が見られる。
試験例9
酸性飲料中の平均粒子径測定
試験例8の保存前後の本発明品3、4及び比較品4、5の飲料について、試験例2と同様の測定方法で平均粒子径を測定した。その結果を表4に示した。
試験例10
酸性飲料の極大吸収波長、吸光度測定
試験例8の保存前後の本発明品3、4及び比較品4、5の飲料についてイオン交換水で4倍希釈した後、試験例1と同様の測定方法で、波長300〜700nmにおける吸収スペクトルを測定し、極大吸収波長(λmax)を算出した。また、試験例1と同様の測定方法でAbs370nm及びAbs450nmを測定し、(式3)より吸光度の比率(Abs370nm/Abs450nm)を算出した。その結果を表4に示した。
試験例11
酸性飲料中のルテイン残存率測定
試験例8の保存前後の本発明品3、4及び比較品4、5の飲料について、試験例6と同様の測定方法でルテイン残存率を測定した。その結果を表4に示した。
試験例12
ルテイン含有酸性飲料の風味確認
本発明品3、4及び比較品4、5の飲料中の風味について、優秀なパネラー10名にて以下の評価基準による官能評価を行った。その結果を表4に示した。
− 異味異臭を感じない
+ わずかな異味異臭を感じる
++ 明確な異味異臭を感じる
+++ 非常に強い異味異臭を感じる
Figure 2020048480
表4の結果より、本発明品3、4は比較品4、5と比べて、平均粒子径、分散安定性、ルテイン残存率のいずれも、保存前後でほとんど変化が無く、分散安定性とルテインの化学構造の安定性について良好な結果を示した。また本発明品3、4は比較品4、5と比べて、吸光度の比率が保存前後でも変わらず1.6以上の値を示した。
本結果より、本発明品であるルテイン含有組成物は、飲料中で風味を損なうことなく、長期間の分散安定性と有効成分であるルテインの化学構造の安定性を有することが確認できた。
実施例5〜15、比較例6〜10
表5、6に示す組成にて原材料をビーカーへ入れて、80℃に加熱後、ホモミキサー(プライミクス社 TKホモミクサー)を用いて回転数6000rpmで攪拌させ、予備分散させた後、ペイントシェーカー(株式会社セイワ技研 RS05−W)にて微細化処理を1時間実施し、本発明品5〜14と比較品6〜10を得た。
試験例13
ルテイン含有組成物の吸収スペクトル、吸光度測定
本発明品5〜15、比較品6〜10をルテイン濃度として0.5mg/100mlとなるように水に希釈し、試験例1と同様の測定方法で波長300〜700nmにおける吸収スペクトルを測定し、極大吸収波長(λmax)を算出した。また、試験例1と同様の測定方法でAbs370nm及びAbs450nmを測定し、式3より吸光度の比率(Abs370nm/Abs450nm)を算出した。その結果を表5、6に示した。
試験例14
ルテイン含有組成物の分散安定性評価
本発明品5〜15、比較品6〜10を30mlの透明瓶に20ml充填後、密栓し、5℃、25℃、40℃の暗所にて2ヶ月保存した。保存後の各試料の状態を目視で観察し、試験例3と同様の評価基準にて分散安定性を評価した。その結果を表5、6に示した。
試験例15
水溶液中での分散安定性評価
本発明品5〜15と比較品6〜10を、ルテイン濃度が0.05質量%となるように水にて希釈液を調製した。得られた希釈液100mlを100mlのガラス瓶に充填後、密栓し、25℃で1週間暗所にて保存した。保存後の各試料の状態を目視で確認し、試験例8と同様の評価基準にて分散安定性を評価した。その結果を表5、6に示した。
Figure 2020048480
Figure 2020048480
表5と表6により、本発明品5〜15は比較品6〜10に比べ、組成物中の分散安定性、希釈された水溶液での分散安定性は良好であった。また、吸光度の測定結果より、本発明品5〜15で350〜380nmの間に極大吸収波長(λmax)を有することが確認された。本結果から350〜380nmの間に極大吸収波長(λmax)を有することによって組成物の分散安定性を向上できると考えられた。
実施例16〜20(pHの異なる酸性飲料)
果糖ブドウ糖液糖80g、クエン酸1.6g、アスコルビン酸0.15gを混合しイオン交換水を500g加えて混合後、クエン酸三ナトリウムを添加してpHを2.5、3.0、4.0、4.5、5.0にそれぞれ調整し、合計1000gとなるようイオン交換水を添加し、pHの異なる5種類の酸性飲料を得た。pHはpHメーター(堀場製作所製 D−51)を使用して調整を行った。上記で作成したこれらの飲料に、ルテインを2mg/100mlとなるよう本発明品1を添加し、93℃達温にて無色透明の300mlペットボトルに280mlホットパック充填し、冷却して、pH2.5の飲料である本発明品16、pH3.0の飲料である本発明品17、pH4.0の飲料である本発明品18、pH4.5の飲料である本発明品19、pH5.0の飲料である本発明品20を得た。
試験例16
酸性飲料中の分散安定性評価
本発明品16〜20の飲料を40℃にて4週間保存し、保存前後の各試料の状態を目視で確認し、試験例8と同様の評価基準により酸性飲料中での分散安定性を評価した。その結果を表7に示した。
試験例17
酸性飲料中のルテイン残存率測定
試験例16の保存前後の本発明品16〜20の飲料について、試験例6と同様の測定方法でルテイン残存率を測定した。その結果を表7に示した。
Figure 2020048480
表7より本発明品16〜20の飲料は、分散安定性とルテイン残存率のいずれも保存前後でほとんど変化が無く、pHの影響を受けずに、長期間の分散安定性とルテインの化学構造の安定性について良好な結果を示した。本結果から本発明品の高い酸耐性が確認できた。
実施例21(コーヒー飲料)
コーヒー豆(L値27)200gに約10質量倍の沸騰水を加えてBrix2.6のコーヒー抽出液2000gを得た。この抽出液を重曹にてpHを5.5に調整し、2000gの水を加水してコーヒー飲料を得た。このコーヒー飲料に本発明品1をルテイン濃度2mg/100mlとなるように添加した後、180ml容缶に175ml充填し、殺菌(121℃、30分)して、本発明品21を得た。
試験例18
コーヒー飲料中の分散安定性評価
本発明品21のコーヒー飲料を40℃にて4週間及び55℃にて2週間保存し、保存前後の各試料の状態を目視で確認し、試験例8と同様の評価基準によりコーヒー飲料中での分散安定性を評価した。その結果を表8に示した。
試験例19
コーヒー飲料中のルテイン残存率測定
試験例18の保存前後の本発明品21について、試験例6と同様の測定方法でルテイン残存率を測定した。その結果を表8に示した。
Figure 2020048480
表8の結果より、本発明品21のコーヒー飲料は、分散安定性とルテイン残存率のいずれも保存前後でほとんど変化が無く、長期間の分散安定性とルテインの化学構造の安定性について良好な結果を示した。
実施例22、23(果汁飲料)
市販のオレンジ果汁(果汁20質量%)に本発明品1をルテイン含量2mg/100mlとなるよう添加し、93℃達温の殺菌後、無色透明の300mlペットボトルに280ml充填し、本発明品22を得た。また市販のリンゴ果汁飲料(果汁20質量%)を用いて同様の処方にて、本発明品23を得た。本発明品22、23の飲料を40℃にて4週間保存したところ、分散安定性とルテイン残存率のいずれも保存前後でほとんど変化が無く、長期間の分散安定性とルテインの化学構造の安定性について良好な結果を示した。
実施例24(スポーツドリンク飲料)
果糖ブドウ糖液糖93g、クエン酸1g、クエン酸三ナトリウム0.5g、塩化カリウム0.5g、塩化マグネシウム0.2g、塩化カルシウム0.3g乳酸カルシウム0.6gとイオン交換水903.9gを混合し、pH3.4のスポーツドリンク飲料ベース1000gを得た。pHはpHメーター(堀場製作所製 D−51)を使用して調整を行った。本発明品2をルテイン濃度が2mg/100mlとなるよう飲料ベースで希釈し、93℃達温にて加熱殺菌後、無色透明の500mlペットボトルに490mlホットパック充填し、冷却して本発明品23を得た。本発明品24の飲料を40℃にて4週間保存したところ、分散安定性とルテイン残存率のいずれも保存前後でほとんど変化が無く、長期間の分散安定性とルテインの化学構造の安定性について良好な結果を示した。
実施例25(ヨーグルト)
牛乳1665gに砂糖167g、寒天1.8gを加え、煮沸し寒天を溶解し、35〜40℃ に冷却後乳酸菌培養液(Lactobacillus bulgaricus、Streptococcus thermophilus)を45g加え良く混合し、ヨーグルトベースを調製した。本発明品2をルテイン濃度2mg/100mlとなるよう添加した後、100ml容のプラスチック容器に注入し、30℃で20時間発酵させ、本発明品25を得た。本発明品25を5℃で4週間保存したところ、分散安定性は保存前後でほとんど変化が無く、長期間の分散安定性について良好な結果を示した。
これまでの結果から、本発明品と比較品を比べて、350〜380nmの間に極大吸収波長(λmax)を有すると、多様な飲食品中での分散安定性及びルテイン残存率が保存前後でほとんど変化することなく、良好な分散安定性とルテインの化学構造の安定性を示すことが確認できた。そのため、本発明のルテイン含有組成物は、分散安定性及びルテイン自身の化学構造の安定性を、製剤中でも飲食品中でも長期間維持できることは明らかである。
本発明のルテイン含有組成物を用いることにより、熱、光、酸素、pH等により経時的に減衰するルテインを、低温や高温、低いpH等の過酷な条件下でも長期間の分散安定性を有し、かつ有用成分であるルテインの化学構造の安定性を有することを可能とした。これにより幅広い飲食品への添加が可能となり、低温や高温、低いpH等の過酷な条件下での飲食品保存時においても良好な安定性を持つルテイン含有飲食品の提供が可能となり、産業上貢献大である。

Claims (3)

  1. ルテインとモノエステル含量80質量%以上のショ糖脂肪酸エステルを含有するルテイン含有組成物であって、ルテイン濃度が0.5mg/100mlとなる水溶液の吸収スペクトルを測定した場合に、350nm〜380nmの間に極大吸収波長(λmax)を有するルテイン含有組成物。
  2. ルテイン濃度が0.5mg/100mlとなる水溶液の吸光度を測定した場合に、測定波長450nmと370nmの吸光度の比率(Abs370nm/Abs450nm)が1.6以上である請求項1記載のルテイン含有組成物。
  3. 請求項1又は2記載のルテイン含有組成物を含む飲食品。
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