JP2020045450A - オレフィン系ゴム接着用2液エポキシ接着剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】EPDMのようなオレフィン系ゴムに対して、コロナ放電やプライマー塗布などの特別な処理を施さなくても、十分な接着強度を発揮する反応性の接着剤を提供すること。【解決手段】(A)エポキシ化合物を含む主剤と、(B)アミン化合物を含む硬化剤と、からなるオレフィン系ゴム接着用2液エポキシ接着剤であって、(A)成分は、(A1)水添ビスフェノールエポキシ化合物を含有しており、(B)成分は、(B1)2以上のアミノ基を有するポリジエン、(B2)ポリエーテルポリアミン及び(B3)エステル骨格を有する脂肪族ポリアミンの少なくとも2種、又は(B2)成分の1種からなる、接着剤。【選択図】なし
Description
本発明は、オレフィン系ゴム接着用2液エポキシ接着剤に関する。
ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンは、表面エネルギーが低く接着が困難な素材である。このような低表面エネルギーの素材に対して、所定の強度を発揮する接着剤が求められる。このような接着剤に関連して、例えば、特許文献1には、水酸基を持たないカチオン重合性化合物、少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物および活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤を含有する接着剤組成物が開示されている。
エチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)のようなオレフィン系ゴムは、低表面エネルギーであることに加え、伸縮性があり変形が容易であるため、接着剤層が変形に追随するのが困難であり、接着が非常に困難な素材である。強度や耐熱性の向上のため、硬化反応を導入した反応性接着剤に関しては、感圧接着剤のような柔軟な接合材とは異なり、硬化による弾性率上昇が生じることから、オレフィン系ゴムを接着するのは更に困難となる。
そこで、本発明の目的は、EPDMのようなオレフィン系ゴムに対して、コロナ放電やプライマー塗布などの特別な処理を施さなくても、十分な接着強度を発揮する反応性の接着剤を提供することにある。
本発明は、1つの態様において、(A)エポキシ化合物を含む主剤と、(B)アミン化合物を含む硬化剤と、からなるオレフィン系ゴム接着用2液エポキシ接着剤であって、
(A)成分は、(A1)水添ビスフェノールエポキシ化合物を含有しており、
(B)成分は、(B1)2以上のアミノ基を有するポリジエン、(B2)ポリエーテルポリアミン及び(B3)エステル骨格を有する脂肪族ポリアミンの少なくとも2種、又は(B2)成分の1種、を含有し、
(B)成分が、(B1)、(B2)及び(B3)成分の3種を含有する場合は、(B1)、(B2)及び(B3)成分全体に対する(B1)成分が、当量比で95%以下、(B2)成分/(B3)成分が当量比で10/90〜85/15であり、
(B)成分が、(B1)及び(B2)成分の2種を含有する場合は、(B1)及び(B2)成分全体に対する(B1)成分が、当量比で45%以下もしくは75%以上であり、
(B)成分が、(B1)及び(B3)成分の2種を含有する場合は、(B1)及び(B3)成分全体に対する(B1)成分が、当量比で15%以上70%以下であり、
(B)成分が、(B2)及び(B3)成分の2種を含有する場合は、(B2)及び(B3)成分全体に対する(B2)成分が、当量比で55%以上である、接着剤を提供する。
(A)成分は、(A1)水添ビスフェノールエポキシ化合物を含有しており、
(B)成分は、(B1)2以上のアミノ基を有するポリジエン、(B2)ポリエーテルポリアミン及び(B3)エステル骨格を有する脂肪族ポリアミンの少なくとも2種、又は(B2)成分の1種、を含有し、
(B)成分が、(B1)、(B2)及び(B3)成分の3種を含有する場合は、(B1)、(B2)及び(B3)成分全体に対する(B1)成分が、当量比で95%以下、(B2)成分/(B3)成分が当量比で10/90〜85/15であり、
(B)成分が、(B1)及び(B2)成分の2種を含有する場合は、(B1)及び(B2)成分全体に対する(B1)成分が、当量比で45%以下もしくは75%以上であり、
(B)成分が、(B1)及び(B3)成分の2種を含有する場合は、(B1)及び(B3)成分全体に対する(B1)成分が、当量比で15%以上70%以下であり、
(B)成分が、(B2)及び(B3)成分の2種を含有する場合は、(B2)及び(B3)成分全体に対する(B2)成分が、当量比で55%以上である、接着剤を提供する。
上記組成の接着剤は、2液硬化タイプであるにもかかわらず、コロナ放電やプライマー塗布などの特別な処理を施さなくても、EPDMのようなオレフィン系ゴムに対して高い接着強度を発揮する。また、硬化系でありながら優れた柔軟性を付与可能なため、硬化後もオレフィン系ゴムの変形に十分に追随し、例えば、T型剥離試験でも高い剥離強度を示す。
本発明によれば、EPDMのようなオレフィン系ゴムに対して、コロナ放電やプライマー塗布などの特別な処理を施さなくても、十分な接着強度を発揮する反応性の接着剤が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明する。
実施形態に係るオレフィン系ゴム接着用2液エポキシ接着剤は、(A)エポキシ化合物を含む主剤(以下、「(A)成分」と呼ぶ場合がある。)と、(B)アミン化合物を含む硬化剤(以下、「(B)成分」と呼ぶ場合がある。)と、を含有する。実施形態にかかるオレフィン系ゴム接着用2液エポキシ接着剤は、被着体として一方がオレフィン系ゴムであればよい。例えば、オレフィン系ゴム上に形成された穴に対してスプレー等で塗布し硬化させることで穴を塞ぐ用途にも好適に用いることが出来る。また、オレフィン系ゴムとオレフィン系ゴムとを接着する用途にも好適である。
(A)成分は、(A1)水添ビスフェノールエポキシ化合物(以下、「(A1)成分」と呼ぶ場合がある。)を含有しており、(A1)成分以外のエポキシ化合物や、その他の添加成分を含有していてもよい。
(A1)成分以外のエポキシ化合物としては、(A2)ビスフェノールエポキシ化合物(以下、「(A2)成分」と呼ぶ場合がある。)が好ましい。
(A2)成分である、ビスフェノールエポキシ化合物は、ビスフェノール骨格とエポキシ基を有する化合物であり、典型的にはビスフェノールとエピクロルヒドリンの縮合物(ビスフェノールグリシジルエーテル)である。ビスフェノールエポキシ化合物としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールAPジグリシジルエーテル、ビスフェノールAFジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールBPジグリシジルエーテル、ビスフェノールCジグリシジルエーテル、ビスフェノールEジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールGジグリシジルエーテル、ビスフェノールMジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ビスフェノールPジグリシジルエーテル、ビスフェノールPHジグリシジルエーテル、ビスフェノールTMCジグリシジルエーテル、ビスフェノールZジグリシジルエーテル、これらの混合物が挙げられる。反応性や硬化物の物性を考慮すると、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル又はこれらの混合物が好ましく、特にビスフェノールAジグリシジルエーテルが好ましい。
(A2)成分である、ビスフェノールエポキシ化合物は室温(25℃)で、液状であっても固形であってもよいが、オレフィン系ゴム接着用2液エポキシ接着剤全体の粘度を低減させるため、液状のものが好ましい。また、ビスフェノールエポキシ化合物としては、エポキシ当量(g/eq)が、100〜400のものを用いることができ、好ましくは130〜300、より好ましくは150〜250である。なお、ビスフェノールエポキシ化合物が混合物である場合は、上記好ましいエポキシ当量は、混合物全体としてのエポキシ当量である。
エポキシ当量を上記の下限値以上にすることで、架橋密度が大きくなりすぎて脆くなってしまうことを防止でき、エポキシ当量を上記の上限値以下にすることで、オレフィン系ゴム接着用2液エポキシ接着剤の粘度が高くなりすぎることを防止できる。
(A1)成分は、水添ビスフェノールエポキシ化合物であり、水添は水素添加を意味する。これは、上述した(A2)成分の水素添加物として得ることができ、完全水添物であっても、部分水添物であってもよい。
すなわち、(A1)成分としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールAPジグリシジルエーテル、ビスフェノールAFジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールBPジグリシジルエーテル、ビスフェノールCジグリシジルエーテル、ビスフェノールEジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールGジグリシジルエーテル、ビスフェノールMジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ビスフェノールPジグリシジルエーテル、ビスフェノールPHジグリシジルエーテル、ビスフェノールTMCジグリシジルエーテル及びビスフェノールZジグリシジルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の完全水添物又は部分水添物が例示できる。
(A1)成分である、水添ビスフェノールエポキシ化合物は室温(25℃)で、液状であっても固形であってもよいが、オレフィン系ゴム接着用2液エポキシ接着剤全体の粘度を低減させるため、液状のものが好ましい。また、水添ビスフェノールエポキシ化合物としては、エポキシ当量(g/eq)が、100〜400のものを用いることができ、好ましくは130〜300、より好ましくは150〜250である。なお、水添ビスフェノールエポキシ化合物が混合物である場合は、上記好ましいエポキシ当量は、混合物全体としてのエポキシ当量である。
エポキシ当量を上記の下限値以上にすることで、架橋密度が大きくなりすぎて脆くなってしまうことを防止でき、エポキシ当量を上記の上限値以下にすることで、オレフィン系ゴム接着用2液エポキシ接着剤の粘度が高くなりすぎることを防止できる。
(A)成分は、上記成分に加え、ビスフェノールアルキレンオキシド付加物のグリシジルエーテルを更に含有していてもよい。また、これ以外にも、反応性希釈剤、可塑剤、カップリング剤、フィラー(無機粒子又は無機粒子以外のフィラー)、促進剤、防錆剤、着色剤などを含有していてもよい。
(A)成分として用いることのできる反応性希釈剤としてはエポキシ系反応性希釈剤が好ましく、モノエポキシ化合物、2官能性エポキシ化合物、多官能性エポキシ化合物が使用され得る。反応性希釈剤を含有させることで、粘度の低減や濡れ性の改善が可能になる。
エポキシ系反応性希釈剤としては、p−t−ブチルグリシジルフェノール、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジビニルベンゼンジオキシド、モノビニルシクロヘキサンオキシド、エポキシペンチルエーテル、エポキシ化シクロヘキセニル化合物、リモネンジエポキシド、ビス(2,3−エポキシ−2−メチルプロピル)エーテル、アルキレングリコールの2,3−エポキシ−2−メチルプロピルエーテル、1,2−ビス(エポキシアルキル)シクロブタン、グリシジルグリシデート、3,4−エポキシヘキサヒドロベンジルグリシジルエーテル、C7〜C9アルコールのグリシジルエーテル、オキシメチル−1,3−ジオザラングリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、スチレンオキシド、オクチレンオキシド、シクロヘキサンジアルカノールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
反応性希釈剤としては、シクロヘキサンジアルカノールジグリシジルエーテル(シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル等)が有用である。この反応性希釈剤を含有させることで、ガラス転移温度(Tg)の低下を防止しつつ低粘度化が可能になる。
反応性希釈剤は室温(25℃)で、典型的には液状である。また、反応性希釈剤がエポキシ系反応性希釈剤である場合、エポキシ当量(g/eq)が、100〜500のものを用いることができ、好ましくは130〜400、より好ましくは140〜350である。なお、エポキシ系反応性希釈剤が混合物である場合は、上記好ましいエポキシ当量は、混合物全体としてのエポキシ当量である。
(A)成分として用いることのできる可塑剤としては、フタル酸系可塑剤(フタル酸エステル等)、アジピン酸系可塑剤、リン酸系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、塩素化パラフィン、フェニルキシリルエタン等が挙げられる。相溶性や硬化物の性能を考慮して、フェニルキシリルエタンを用いることが好ましい。可塑剤を含有させることで柔軟性を付与でき、また粘度を調整することも可能になる。
(A)成分として用いることのできるカップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤が挙げられ、使用の容易性や性能の点からシランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤としては、エポキシ基含有シラン、(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン等が挙げられ、硬化反応に組み入れることが可能であることから、エポキシ基含有シランが好ましい。
エポキシ基含有シランとしては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が例示でき、(メタ)アクリロイルオキシ基含有シランとしては、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等が例示できる。
なお、シランカップリング剤としては、アミノ基含有シラン、メルカプト基含有シラン、カルボキシル基含有シランも使用可能である。
アミノ基含有シランとしては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシ、ラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−(N−ビニルベンジル−2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アニリノプロピルトリメトキシシラン等が例示できる。
メルカプト基含有シランとしては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等が例示でき、カルボキシル基含有シランとしては、2−カルボキシエチルトリエトキシシラン、2−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(N−カルボキシルメチル−2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が例示できる。
(A)成分として用いることのできるフィラーとしては、ケイ砂、結晶シリカ粉、溶融シリカ粉及びコロイド状微粉シリカなどのシリカ粉、珪砂、カーボンブラック、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム粉、マイカ、水酸化アルミニウム、アルミニウム粉、ステンレス粉、チタン粉、炭化珪素粉、窒化珪素粉、窒化ホウ素粉、タルク粉、ガラスビーズなどの無機粒子、ポリエチレン粉、シリコーン樹脂粉などの有機粒子が挙げられる。上述のフィラーは中実粒子であっても中空粒子であってもよい。
(A)成分として用いることのできる促進剤としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリス(2,4,6−ジメチルアミノメチル)フェノールなどが挙げられる。促進剤を含有することで、硬化反応の速度を調整することができる。
(A)成分として用いることのできる防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、2,2’−[[(メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ]ビスエタノールなどのトリアゾール類、亜硝酸塩、スルホン酸塩、ホウ酸塩、カルボン酸塩などが挙げられる。
接着した箇所を色で識別するために、(A)成分として着色剤を含有させることも可能である。着色剤としては顔料又は染料が挙げられる。
(B)成分は、(B1)2以上のアミノ基を有するポリジエン(以下、「(B1)成分」と呼ぶ場合がある。)、(B2)ポリエーテルポリアミン(以下、「(B2)成分」と呼ぶ場合がある。)及び(B3)エステル骨格を有する脂肪族ポリアミン(以下、「(B3)成分」と呼ぶ場合がある。)の少なくとも2種、又は(B2)成分の1種、を含有する。
(B1)成分を構成するポリジエンとしては、ポリブタジエン、アクリロニトリル・ブタジエンゴムが挙げられる。アクリロニトリル・ブタジエンゴムとしては、アクリロニトリルの含有量が、5〜30%のものが好ましく、10〜30%のものがより好ましい。(B1)成分はこのようなポリブタジエンを骨格として有しており、この骨格にアミノ基が少なくとも2つ結合している。結合形式は、末端のみ、側鎖のみ、末端及び側鎖など任意であるが、両末端にアミノ基が結合したもの(Amine−TerminatedButadiene Nitrile Rubber:ATBN)が好ましい。
(B1)成分のアミン価は、30〜150KOHmg/gであることが好ましく、25〜125KOHmg/gがより好ましい。
市販のATBNとしては、CVC Thermoset Specialties社製、1300X16(アクリロニトリル%:18%、アミン価:62)、1300X21(アクリロニトリル%:10%、アミン価:47)、1300X35(アクリロニトリル%:26%、アミン価:80)、1300X42(アクリロニトリル%:18%、アミン価:125)、1300X45(アクリロニトリル%:18%、アミン価:30)が例示できる。
(B2)成分は、ポリエーテルポリアミンであるが、ポリエーテルジアミンを用いることが好ましい。このようなポリエーテルアミンとしては、以下の一般式(I)〜(III)
で表されるものが挙げられる。
H2N−C3H6−O−[C2H4−O−]nC3H6−NH2 …(I)
H2N−C3H6−O−[C3H6−O−]nC3H6−NH2 …(II)
H2N−C(CH3)H−CH2−[O−CH2−C(CH3)H]n−O−CH2−CH(CH)−NH …(III)
に対応するものが挙げられるが、これらに限定されない。
で表されるものが挙げられる。
H2N−C3H6−O−[C2H4−O−]nC3H6−NH2 …(I)
H2N−C3H6−O−[C3H6−O−]nC3H6−NH2 …(II)
H2N−C(CH3)H−CH2−[O−CH2−C(CH3)H]n−O−CH2−CH(CH)−NH …(III)
に対応するものが挙げられるが、これらに限定されない。
式中、nは1〜34の範囲であり、例えば1、2、3、4、5、又は1〜2(例えば、1.5又は1.7)、2〜3(例えば、2.5又は2.7)、3〜4(例えば、3.5又は3.7)、4〜5(例えば、4.5又は4.7)、又はnは31、32、33、若しくは31〜33である。
(B2)成分のアミン価は、20〜500KOHmg/gであることが好ましく、50〜500KOHmg/gがより好ましい。
上記ポリエーテルポリアミンは、商品名「PC AMINE DA」としてNitroil社から、又は商品名「JEFFAMINE」としてHuntsman社から入手可能である。なお、式(I)、(II)及び(III)の硬化剤は組み合わせて用いてもよい。
(B3)成分は、エステル骨格を有する脂肪族ポリアミンである。(B3)成分としては、例えば、以下の一般式(IV)で表されるアミンが挙げられる。
R1R2N−R3−NR4H …(IV)
R1R2N−R3−NR4H …(IV)
式中、R1、R2及びR4は、互いに独立して水素原子、直鎖若しくは分枝のアルキル基、又はポリオキシアルキレン骨格を含む直鎖若しくは分枝の1価の基を示す。ポリオキシアルキレン骨格を含む直鎖若しくは分枝の1価の基としては、ポリオキシアルキレンアルキル基(アルキル基の水素原子の少なくとも1つがポリオキシアルキレンで置換された構造を有する基)が挙げられる。
R1、R2、R4は、1〜25個の炭素原子を含有する炭化水素又は3〜25個の炭素原子を含有するポリエーテルを含有してもよい。R1、R2及びR4のうち、好ましくはその1つ、より好ましくはその2つ、最も好ましくはその全てが水素原子である。
R3は、エステル結合を有する直鎖若しくは分枝の2価の有機基である。R3はエステル結合の他、アミド結合、エーテル結合、イミド結合などを有していてもよい。R3の一例として、ポリエステルから誘導される2価の基が挙げられる。なお、(B3)成分はジアミンであることが好ましい。
(B3)成分のアミン価は、200〜400KOHmg/gであることが好ましく、250〜400KOHmg/gがより好ましい。
市販の(B3)成分としては、三菱ケミカル社製、FL052が例示できる。
(B)成分としては、(B1)〜(B3)以外の硬化剤を含有していてもよい。このような硬化剤としては、アミン系硬化剤、ポリアミド系硬化剤、イミタゾール系硬化剤、メルカプタン系硬化剤、酸無水物硬化剤、潜在性硬化剤(三フッ化ホウ素−アミン錯体、ジシアンジアミド、有機酸ヒドラジド等)が例示できる。
(B)成分としては、硬化剤以外の成分を含んでいてもよい。すなわち、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリス(2,4,6−ジメチルアミノメチル)フェノール等の促進剤を含有していてもよい。
さらには、(B)成分は、可塑剤、カップリング剤、フィラー(無機粒子又は無機粒子以外)、溶剤、防錆剤、遅延剤、着色剤などを含有できる。これらの意義及び好適例は、(A)成分におけるのと同様である。なお、シランカップリング剤として、エポキシ基含有シランを用いる場合は、硬化剤との反応が考えられるため、含有量を調整することが好ましい。
なお、(B)成分が、(B1)、(B2)及び(B3)成分の3種を含有する場合は、(B1)、(B2)及び(B3)成分全体に対する(B1)成分が、当量比で95%以下、(B2)成分/(B3)成分が当量比で10/90〜85/15である。(B1)成分は、当量比で40%以下であることが好ましい。
(B)成分が、(B1)及び(B2)成分の2種を含有する場合は、(B1)及び(B2)成分全体に対する(B1)成分が、当量比で45%以下又は75%以上である。(B1)成分は、当量比で15%以上45%以下、又は、75%以上85%以下であることが好ましい。
(B)成分が、(B1)及び(B3)成分の2種を含有する場合は、(B1)及び(B3)成分全体に対する(B1)成分が、当量比で15%以上70%以下である。
(A)成分と(B)成分は、前者を1当量とした場合、後者を0.8〜1.2当量で組み合わせることが好ましく、0.9〜1.1で組み合わせることがより好ましい。なお、(A)成分と(B)成分は混合後、20〜80℃で、18〜72時間で硬化させることが可能である。また、硬化物の弾性率は、例えば、10〜30MPaである。接着対象のオレフィン系ゴムとしては、典型的な難接着素材であるEPDMを含めることが可能である。オレフィン系ゴム接着用2液エポキシ接着剤は、EPDM同士を接着した試験片に関し、例えば25℃で1.4N/mm以上という優れたT−剥離強度を示す。
以下、本発明の実施例および比較例により、本発明について説明するが、本発明は下記例に制限されない。
(実施例1〜4、比較例1〜7)
(A1)成分である、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(新日本理化社製、商品名:リカレジンHBE−100、エポキシ当量210〜220、粘度1800〜2500(cps、25℃))と、(A2)成分である、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(Nan Ya Plastic社製、製品名:NPEL128、粘度12000〜15000(cps、25℃))とを主剤として用い、(B1)成分である、両末端に第二級アミノ基を有するアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(CVC Thermoset Specialties社製、製品名:ATBN1300X16)、(B2)成分である、ポリエーテル骨格を有する脂肪族ジアミン(Huntsman社製、製品名:ジェファミンD230)、及び(B3)成分である、エステル骨格を有する脂肪族ポリアミン(三菱ケミカル社製、製品名:FL052)を硬化剤として用い、以下の表1の当量比で、2液エポキシ接着剤を得た。
(A1)成分である、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(新日本理化社製、商品名:リカレジンHBE−100、エポキシ当量210〜220、粘度1800〜2500(cps、25℃))と、(A2)成分である、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(Nan Ya Plastic社製、製品名:NPEL128、粘度12000〜15000(cps、25℃))とを主剤として用い、(B1)成分である、両末端に第二級アミノ基を有するアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(CVC Thermoset Specialties社製、製品名:ATBN1300X16)、(B2)成分である、ポリエーテル骨格を有する脂肪族ジアミン(Huntsman社製、製品名:ジェファミンD230)、及び(B3)成分である、エステル骨格を有する脂肪族ポリアミン(三菱ケミカル社製、製品名:FL052)を硬化剤として用い、以下の表1の当量比で、2液エポキシ接着剤を得た。
スリーエム社製EPDM(製品名:エアタイトテープ)の試験片(10cm×2.8cm×2mm)2つを、表1に示す2液エポキシ接着剤で貼り付けて、80℃、18時間で硬化させT−剥離強度の試験片とした。硬化後、剥離速度200mm/分で25℃にてT型剥離を行い、剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
(実施例1、5〜10、比較例5)
各成分の当量比を、以下の表2のとおりにした他は、上記実施例及び比較例と同様に2液エポキシ接着剤を得、同様にT−剥離強度を測定した。剥離強度の結果を表2に示す。
各成分の当量比を、以下の表2のとおりにした他は、上記実施例及び比較例と同様に2液エポキシ接着剤を得、同様にT−剥離強度を測定した。剥離強度の結果を表2に示す。
(実施例1、11〜14、比較例8〜9)
各成分の当量比を、以下の表3のとおりにした他は、上記実施例及び比較例と同様に2液エポキシ接着剤を得、同様にT−剥離強度を測定した。剥離強度の結果を表3に示す。
各成分の当量比を、以下の表3のとおりにした他は、上記実施例及び比較例と同様に2液エポキシ接着剤を得、同様にT−剥離強度を測定した。剥離強度の結果を表3に示す。
(実施例3、15〜17、比較例6、7、10〜13)
各成分の当量比を、以下の表4のとおりにした他は、上記実施例及び比較例と同様に2液エポキシ接着剤を得、同様にT−剥離強度を測定した。剥離強度の結果を表4に示す。
各成分の当量比を、以下の表4のとおりにした他は、上記実施例及び比較例と同様に2液エポキシ接着剤を得、同様にT−剥離強度を測定した。剥離強度の結果を表4に示す。
(実施例18〜21、比較例14〜16)
各成分の当量比を、以下の表5のとおりにした他は、上記実施例及び比較例と同様に2液エポキシ接着剤を得、同様にT−剥離強度を測定した。剥離強度の結果を表5に示す。
各成分の当量比を、以下の表5のとおりにした他は、上記実施例及び比較例と同様に2液エポキシ接着剤を得、同様にT−剥離強度を測定した。剥離強度の結果を表5に示す。
Claims (7)
- (A)エポキシ化合物を含む主剤と、(B)アミン化合物を含む硬化剤と、からなるオレフィン系ゴム接着用2液エポキシ接着剤であって、
(A)成分は、(A1)水添ビスフェノールエポキシ化合物を含有しており、
(B)成分は、(B1)2以上のアミノ基を有するポリジエン、(B2)ポリエーテルポリアミン及び(B3)エステル骨格を有する脂肪族ポリアミンの少なくとも2種、又は(B2)成分の1種、を含有し、
(B)成分が、(B1)、(B2)及び(B3)成分の3種を含有する場合は、(B1)、(B2)及び(B3)成分全体に対する(B1)成分が、当量比で95%以下、(B2)成分/(B3)成分が当量比で10/90〜85/15であり、
(B)成分が、(B1)及び(B2)成分の2種を含有する場合は、(B1)及び(B2)成分全体に対する(B1)成分が、当量比で45%以下又は75%以上であり、
(B)成分が、(B1)及び(B3)成分の2種を含有する場合は、(B1)及び(B3)成分全体に対する(B1)成分が、当量比で15%以上70%以下であり、
(B)成分が、(B2)及び(B3)成分の2種を含有する場合は、(B2)及び(B3)成分全体に対する(B2)成分が、当量比で55%以上である、接着剤。 - (B)成分が、(B1)、(B2)及び(B3)成分の3種を含有し、(B1)、(B2)及び(B3)成分全体に対する(B1)成分が、当量比で40%以下である、請求項1に記載の接着剤。
- (B1)成分のアミン価は、30〜150KOHmg/gである、請求項1又は2に記載の接着剤。
- (B2)成分のアミン価は、20〜500KOHmg/gである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤。
- (B3)成分のアミン価は、200〜400KOHmg/gである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着剤。
- 前記主剤が、(A2)ビスフェノールエポキシ化合物を更に含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の接着剤。
- 前記オレフィン系ゴムは、EPDMである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の接着剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018176234A JP2020045450A (ja) | 2018-09-20 | 2018-09-20 | オレフィン系ゴム接着用2液エポキシ接着剤 |
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JP2018176234A JP2020045450A (ja) | 2018-09-20 | 2018-09-20 | オレフィン系ゴム接着用2液エポキシ接着剤 |
Publications (1)
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ID=69899378
Family Applications (1)
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JP2018176234A Pending JP2020045450A (ja) | 2018-09-20 | 2018-09-20 | オレフィン系ゴム接着用2液エポキシ接着剤 |
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JP (1) | JP2020045450A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023153196A1 (ja) * | 2022-02-09 | 2023-08-17 | サンスター技研株式会社 | エポキシ樹脂用の硬化剤及び接着剤 |
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2018
- 2018-09-20 JP JP2018176234A patent/JP2020045450A/ja active Pending
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WO2023153196A1 (ja) * | 2022-02-09 | 2023-08-17 | サンスター技研株式会社 | エポキシ樹脂用の硬化剤及び接着剤 |
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