JP2020043882A - X線ct装置及び撮影計画装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークフローを改善し、スループットを向上させる。【解決手段】本実施形態に係るX線CT装置は、X線管と、検出器と、取得部と、決定部とを含む。X線管は、X線を照射する。検出器は、前記X線管から照射されて被検者を透過したX線を検出する。取得部は、前記被検者の息止め可能時間及び撮影条件を取得する。決定部は、前記息止め可能時間と前記撮影条件とに基づき、撮影中の息止めと呼吸との制御に関する撮影モードを決定する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、X線CT装置及び撮影計画装置に関する。
X線CT(Computed Tomography)装置では、呼吸の影響を受ける部位を含む撮影を行うとき被検者に息止めをさせる。被検者に息を止めてもらうことで、画像のブレを低減し、モーションアーチファクトの少ない画像を得る。
しかし、被検者の中には息止めが難しい被検者も存在する。そのような被検者に対しては、呼吸による撮影の影響が少ない範囲や息止めが必要な範囲を技師が判断し、技師主導で息止めの開始、中止を制御する手法がある。また、被検者の息止め可能時間内に撮影が終了するように撮影条件を変更する手法もある。さらに、息止め可能時間内で複数の撮影に分割して撮影する手法がある。
但し、上述した技師主導で息止めを制御する手法では、技師の技術如何によって撮影精度にばらつきがあり、オペレーションミスなどで息止めの指示が失念された場合は、被検者に多大な負担及び苦痛を強いることになる。また、撮影条件を変更する手法についても、装置の仕様によっては撮影自体が高速化できない場合も考えられる。さらに、複数の撮影に分割する場合は、息止めの実施回数が増加することで撮影時間が長くなり、かつ画像間の空間及び時相の連続性が失われるという問題がある。
特開2001−346773号公報 特開2004−49532号公報
本発明が解決しようとする課題は、被検者の負担を軽減しつつ、ワークフローを改善することである。
本実施形態に係るX線CT装置は、X線管と、検出器と、取得部と、決定部とを含む。X線管は、X線を照射する。検出器は、前記X線管から照射されて被検者を透過したX線を検出する。取得部は、前記被検者の息止め可能時間及び撮影条件を取得する。決定部は、前記息止め可能時間と前記撮影条件とに基づき、撮影中の息止めと呼吸との制御に関する撮影モードを決定する。
図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置の構成を示すブロック図である。 図2は、第1の実施形態に係るX線CT装置の動作を示すフローチャートである。 図3は、第1の実施形態に係る第3撮影モードと判定された場合の再取得処理を示すフローチャートである。 図4は、第1の実施形態に係る第4撮影モードと判定された場合の再取得処理を示すフローチャートである。 図5は、第1の実施形態に係る撮影モードについてのグラデーション表示例を示す概念図。 図6は、第2の実施形態に係る撮影計画装置を示すブロック図である。
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わるX線CT装置及び撮影計画装置について説明する。以下の実施形態では、同一の参照符号を付した部分は同様の動作をおこなうものとして、重複する説明を適宜省略する。以下、一実施形態について図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
以下、X線CT(Computed Tomography)装置の構成の一例について図1のブロック図を参照して説明する。
図1に示すX線CT装置1は、架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とを有する。図1では説明の都合上、架台装置10を複数描画している旨を記載する。なお、本実施形態では、非チルト状態での回転フレーム13の回転軸又は寝台装置30の天板33の長手方向をZ軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対し水平である軸方向をX軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対し垂直である軸方向をY軸方向とそれぞれ定義するものとする。
例えば、架台装置10及び寝台装置30はCT検査室に設置され、コンソール装置40はCT検査室に隣接する制御室に設置される。なお、コンソール装置40は、必ずしも制御室に設置されなくてもよい。例えば、コンソール装置40は、架台装置10及び寝台装置30とともに同一の部屋に設置されてもよい。いずれにしても架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とは互いに通信可能に有線または無線で接続されている。
架台装置10は、被検者PをX線CT撮影するための構成を有するスキャン装置である。架台装置10は、X線管11と、X線検出器12と、回転フレーム13と、X線高電圧装置14と、制御装置15と、ウェッジ16と、コリメータ17と、データ収集装置18(DAS(Data Acquisition System)18ともいう)とを含む。
X線管11は、X線高電圧装置14からの高電圧の印加及びフィラメント電流の供給により、陰極(フィラメント)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子を照射することでX線を発生する真空管である。具体的には、熱電子がターゲットに衝突することによりX線が発生される。X線管11で発生したX線は、例えばコリメータ17を介してコーンビーム形に成形され、被検者Pに照射される。
X線検出器12は、X線管11から照射され、被検者Pを通過したX線を検出し、当該X線量に対応した電気信号をDAS18へと出力する。X線検出器12は、例えば、X線管11の焦点を中心として1つの円弧に沿ってチャネル方向に複数のX線検出素子が配列された複数のX線検出素子列を有する。X線検出器12は、例えば、チャネル方向に複数のX線検出素子が配列されたX線検出素子列がスライス方向(列方向、row方向)に複数配列された列構造を有する。
X線検出器12は、具体的には、例えば、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとを有する間接変換型の検出器である。X線検出器12は、検出部の一例である。
シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有する。シンチレータは、入射X線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶を有する。
グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収する機能を有するX線遮蔽板を有する。なお、グリッドはコリメータ(1次元コリメータまたは2次元コリメータ)と呼ばれる場合もある。
光センサアレイは、シンチレータからの受けた光を増幅して電気信号に変換する機能を有し、例えば、光電子増倍管(フォトマルチプライヤー:PMT)等の光センサを有する。
なお、X線検出器12は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であっても構わない。
回転フレーム13は、X線発生部とX線検出器12とを回転軸回りに回転可能に支持する。具体的には、回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを対向支持し、後述する制御装置15によってX線管11とX線検出器12とを回転させる円環状のフレームである。回転フレーム13は、アルミニウム等の金属により形成された固定フレーム(図示せず)に回転可能に支持される。詳しくは、回転フレーム13は、ベアリングを介して固定フレームの縁部に接続されている。回転フレーム13は、制御装置15の駆動機構からの動力を受けて回転軸Z回りに一定の角速度で回転する。
なお、回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12に加えて、X線高電圧装置14やDAS18を更に備えて支持する。このような回転フレーム13は、撮影空間をなす開口(ボア)19が形成された略円筒形状の筐体に収容されている。開口はFOVに略一致する。開口の中心軸は、回転フレーム13の回転軸Zに一致する。なお、DAS18が生成した検出データは、例えば発光ダイオード(LED)を有する送信機から光通信によって架台装置の非回転部分(例えば固定フレーム。図1での図示は省略する。)に設けられた、フォトダイオードを有する受信機(図示せず)に送信され、コンソール装置40へと転送される。なお、回転フレームから架台装置の非回転部分への検出データの送信方法は、前述の光通信に限らず、非接触型のデータ伝送であれば如何なる方式を採用しても構わない。
X線高電圧装置14は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管11に印加する高電圧及びX線管11に供給するフィラメント電流を発生する機能を有する高電圧発生装置と、X線管11が照射するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置とを有する。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であっても構わない。なお、X線高電圧装置14は、後述する回転フレーム13に設けられてもよいし、架台装置10の固定フレーム(図示しない)側に設けられても構わない。
制御装置15は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理回路と、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構とを有する。処理回路は、ハードウェア資源として、CPUやMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサとROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリとを有する。また、制御装置15は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)やフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)により実現されてもよい。制御装置15は、コンソール装置40からの指令に従い、X線高電圧装置14及びDAS18等を制御する。当該プロセッサは、当該メモリに保存されたプログラムを読み出して実現することで上記制御を実現する。
また、制御装置15は、コンソール装置40若しくは架台装置10に取り付けられた、後述する入力インターフェース43からの入力信号を受けて、架台装置10及び寝台装置30の動作制御を行う機能を有する。例えば、制御装置15は、入力信号を受けて回転フレーム13を回転させる制御や、架台装置10をチルトさせる制御、及び寝台装置30及び天板33を動作させる制御を行う。なお、架台装置10をチルトさせる制御は、架台装置10に取り付けられた入力インターフェース43によって入力される傾斜角度(チルト角度)情報により、制御装置15がX軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム13を回転させることによって実現される。また、制御装置15は架台装置10に設けられてもよいし、コンソール装置40に設けられても構わない。なお、制御装置15は、当該メモリにプログラムを保存する代わりに、当該プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、当該プロセッサは、当該回路内に組み込まれたプログラムを読み出して実行することで上記制御を実現する。
ウェッジ16は、X線管11から照射されたX線量を調節するためのフィルタである。具体的には、ウェッジ16は、X線管11から被検者Pへ照射されるX線が、予め定められた分布になるように、X線管11から照射されたX線を透過して減衰するフィルタである。例えば、ウェッジ16(ウェッジフィルタ(wedge filter)、ボウタイフィルタ(bow-tie filter))は、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウムを加工したフィルタである。
コリメータ17は、ウェッジ16を透過したX線の照射範囲を絞り込むための鉛板等であり、複数の鉛板等の組み合わせによってスリットを形成する。なお、コリメータ17は、X線絞りと呼ばれる場合もある。
DAS18は、X線検出器12から電気信号を読み出し、読み出した電気信号に基づいて、X線検出器12により検出されたX線の線量に関するデジタルデータ(以下、生データともいう)を生成する。生データは、生成元のX線検出素子のチャンネル番号、列番号、収集されたビュー(投影角度ともいう)を示すビュー番号、及び検出されたX線の線量の積分値を示すデータのセットである。DAS18は、例えば、生データを生成可能な回路素子を搭載したASIC(Application Specific Integrated Circuit)により実現される。生データは、コンソール装置40へと転送される。
例えば、DAS18は、検出器画素各々について前置増幅器、可変増幅器、積分回路及びA/D変換器を含む。前置増幅器は、接続元のX線検出素子からの電気信号を所定のゲインで増幅する。可変増幅器は、前置増幅器からの電気信号を可変のゲインで増幅する。積分回路は、前置増幅器からの電気信号を、1ビュー期間に亘り積分して積分信号を生成する。積分信号の波高値は、1ビュー期間に亘り接続元のX線検出素子により検出されたX線の線量値に対応する。A/D変換器は、積分回路からの積分信号をアナログデジタル変換して生データを生成する。
寝台装置30は、スキャン対象の被検者Pを載置、移動させる装置であり、基台31と、寝台駆動装置32と、天板33と、支持フレーム34とを備えている。
基台31は、支持フレーム34を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。
寝台駆動装置32は、被検者Pが載置された天板33を天板33の長軸方向に移動するモータあるいはアクチュエータである。寝台駆動装置32は、コンソール装置40による制御、または制御装置15による制御に従い、天板33を移動する。例えば、寝台駆動装置32は、天板33に載置された被検者Pの体軸が回転フレーム13の開口の中心軸に一致するよう、天板33を被検者Pに対して直交方向に移動する。また、寝台駆動装置32は、架台装置10を用いて実行されるX線CT撮影に応じて、天板33を被検者Pの体軸方向に沿って移動してもよい。寝台駆動装置32は、制御装置15からの駆動信号のデューティ比等に応じた回転速度で駆動することにより動力を発生する。寝台駆動装置32は、例えば、ダイレクトドライブモータやサーボモータ等のモータにより実現される。
支持フレーム34の上面に設けられた天板33は、被検者Pが載置される板である。なお、寝台駆動装置32は、天板33に加え、支持フレーム34を天板33の長軸方向に移動してもよい。
コンソール装置40は、メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、処理回路44とを有する。メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、処理回路44との間のデータ通信は、バス(BUS)を介して行われる。なお、コンソール装置40は架台装置10とは別体として説明するが、架台装置10にコンソール装置40またはコンソール装置40の各構成要素の一部が含まれてもよい。
メモリ41は、種々の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。メモリ41は、例えば、投影データや再構成画像データを記憶する。メモリ41は、HDDやSSD等以外にも、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体や、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置であってもよい。また、メモリ41の保存領域は、X線CT装置1内にあってもよいし、ネットワークで接続された外部記憶装置内にあってもよい。例えば、メモリ41は、CT画像や表示画像のデータを記憶する。また、メモリ41は、本実施形態に係る制御プログラムを記憶する。
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路44によって生成された医用画像(CT画像)や、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。例えば、ディスプレイ42としては、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)、プラズマディスプレイ又は他の任意のディスプレイが、適宜、使用可能となっている。また、ディスプレイ42は、架台装置10に設けられてもよい。また、ディスプレイ42は、デスクトップ型でもよいし、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末などで構成されることにしても構わない。
入力インターフェース43は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路44に出力する。例えば、入力インターフェース43は、投影データを収集する際の収集条件や、CT画像を再構成する際の再構成条件、CT画像から後処理画像を生成する際の画像処理条件等を操作者から受け付ける。入力インターフェース43としては、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等が適宜、使用可能となっている。なお、本実施形態において、入力インターフェース43は、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等の物理的な操作部品を備えるものに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路44へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース43の例に含まれる。入力インターフェース43は、架台装置10に設けられてもよい。又、入力インターフェース43は、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末などで構成されることにしても構わない。
処理回路44は、入力インターフェース43から出力される入力操作の電気信号に応じてX線CT装置1全体の動作を制御する。例えば、処理回路44は、ハードウェア資源として、CPUやMPU、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。処理回路44は、メモリに展開されたプログラムを実行するプロセッサにより、システム制御機能441、前処理機能442、再構成処理機能443、取得機能444、決定機能445および表示制御機能446を実行する。なお、各機能(システム制御機能441、前処理機能442、再構成処理機能443、取得機能444、決定機能445および表示制御機能446)は単一の処理回路で実現される場合に限らない。複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより各機能を実現するものとしても構わない。
システム制御機能441は、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、処理回路44の各機能を制御する。具体的には、システム制御機能441は、メモリ41に記憶されている制御プログラムを読み出して処理回路44内のメモリ上に展開し、展開された制御プログラムに従ってX線CT装置1の各部を制御する。例えば、処理回路44は、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、処理回路44の各機能を制御する。例えば、システム制御機能441は、スキャン範囲、撮影条件等を決定するための被検者Pの2次元の位置決め画像を取得する。なお、位置決め画像は、スキャノ画像またはスカウト画像とも呼ばれる。システム制御機能441は、第1の実施形態では、決定された後述の撮影モードに応じて撮影を制御する。システム制御機能441は、撮影制御部の一例である。
前処理機能442は、DAS18から出力された検出データに対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施したデータを生成する。なお、前処理前の生データ(検出データ)及び前処理後のデータを総称して投影データと称する場合もある。
再構成処理機能443は、前処理機能442にて生成された投影データに対して、フィルタ補正逆投影法(FBP法:Filtered Back Projection)や逐次近似再構成法等を用いた再構成処理を行ってCT画像データを生成する。
取得機能444は、デフォルトで設定された撮影条件または技師などの操作者により設定された撮影条件と、被検者Pの息止め可能時間とを取得する。息止め可能時間は、被検者Pが無理なく息止め状態を維持できる時間である。言い換えれば、息止め可能時間は、被検者Pが閾値以上の息止めの質を維持できる時間である。取得機能444は、取得部の一例である。
決定機能445は、息止め可能時間と撮影条件とに基づき、撮影中の息止めと呼吸との制御に関する撮影モードを決定する。撮影モードには、被検者Pの息止めレベルに応じた撮影制御手法が規定される。撮影モードの詳細については後述する。決定機能445は、決定部の一例である。
表示制御機能446は、処理回路44の各機能または処理における処理途中又は処理結果の情報を表示するようにディスプレイ42を制御する処理である。例えば、表示制御機能446は、決定された撮影モードをディスプレイ42に表示する。表示制御機能446は、表示制御部の一例である。
なお、処理回路44は、スキャン制御処理および画像処理も行う。
スキャン制御処理は、X線高電圧装置14に高電圧を供給させて、X線管11にX線を照射させるなど、X線スキャンに関する各種動作を制御する処理である。
画像処理は、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、再構成処理機能443によって生成されたCT画像データを公知の方法により、任意断面の断層画像データや3次元画像データに変換する処理である。
処理回路44は、コンソール装置40に含まれる場合に限らず、複数の医用画像診断装置にて取得された検出データに対する処理を一括して行う統合サーバに含まれてもよい。
なお、コンソール装置40は、単一のコンソールにて複数の機能を実行するものとして説明したが、複数の機能を別々のコンソールが実行することにしても構わない。例えば、前処理機能442、再構成処理機能443等の処理回路44の機能を分散して有しても構わない。
次に、第1の実施形態に係るX線CT装置1の動作について図2のフローチャートを参照して説明する。
本実施形態では、息止めが必要な撮影対象部位について撮影することを想定するが、撮影対象部位について、息止めが必要であるか否かの呼吸影響度を決定してもよい。システム制御機能441を実行することで処理回路44が、撮影対象部位の呼吸影響度が閾値以上である場合、息止めが必要な撮影対象部位であると判定し、図2のフローチャートに従って処理が進められればよい。
撮影対象部位の呼吸影響度の決定方法は、例えば、以下の通りである。まず、メモリ41に記憶される模擬人体に対して、模擬人体の頭部から脚部までの各解剖学的基準点に呼吸影響度を関連付ける。処理回路44は、被検者Pの位置決め画像に含まれる解剖学的基準点を、模擬人体の各部に設定された解剖学的基準点を利用して設定し、位置決め画像の解剖学的基準点と模擬人体の解剖学的基準点とを位置合わせする。処理回路44は、被検者Pの撮影対象の解剖学的基準点を指定し、指定された解剖学的基準点に関連付けられた呼吸影響度を特定する。これにより、撮影対象部位の呼吸影響度が決定される。
ステップS201では、取得機能444を実行することで処理回路44が、被検者Pの息止め可能時間及び撮影条件を取得する。息止め可能時間の取得手法としては、例えば、操作者またはX線CT装置1からの音声ガイドの指示により、最大の撮影時間を想定して、被検者Pに息止め練習をしてもらう。被検者Pの息止め練習の際、操作者が目視により息止め可能時間を測定する。具体的には、例えば、息止め練習の開始のタイミングで呼吸練習用のボタンが押下されてから、息止めが困難な状態であると操作者が判断し、操作者により呼吸練習用のボタンが再度押下されるまでの時間を息止め可能時間として測定すればよい。なお、ボタンはハードウェア的に実装されたボタンでもよいし、ソフトウェア的に実装されたボタン(例えばタッチパネル上のボタン)であってもよい。なお、操作者が目視によりカウントした値またはタイマーにより計測した値を直接入力してもよい。
なお、「息止めが困難な状態」とは、息漏れが発生していたり、体動が発生している状態を示す。体動が発生すると撮像画像にアーチファクトが発生することになるため、息止め自体はできていても体動が発生している場合は、息止めが困難な状態と判定される。
また、息止めが困難な状態の度合いを「息止めの質」として判定してもよい。例えば、息止めの質は、操作者またはX線CT装置1が被検者Pの息漏れの度合い及び体動の度合いにより判定し、例えば「良好」「不良」の2段階で判定すればよい。練習時に明らかに息漏れが発生していたり、息止めによる体動が発生しているなど息止めの質が確保できない場合は、息止めの質が「不良」と判定され、息止めの質が「不良」であることを示す情報が息止め可能時間の付加情報として追加されてもよい。
さらに、センサ50が息止め可能時間および息止めの質を計測してもよい。例えば、センサ50として3次元カメラを用い、3次元カメラが呼吸練習中の被検者Pの胸腹部の動きを撮影する。例えば、決定機能445を実行することで処理回路44が、撮影された映像において動きベクトルを算出し、動きベクトルが閾値以上の大きさであれば、体動が発生しており、息止めを続行することが不可能であると判定する。また、処理回路44は、息止めを続行することが不可能であると判定されるまでの時間を息止め可能時間として決定し、体動が大きいほど質が悪いといった体動の大きさに応じた息止めの質も併せて決定すればよい。
また、センサ50として赤外線センサまたは高速度カメラなどを用いて、被検者の呼気が鼻または口から出ていないかを計測することで、息止め可能時間および息止めの質を決定してもよい。
以降のステップでは、決定機能445を実行することで処理回路44が、息止め可能時間と撮影条件とに基づいて、被検者Pの撮影における撮影モードを決定する。本実施形態では、4段階の撮影モードの中から1つの撮影モードを決定する場合を想定する。なお、撮影モードは、4段階よりも多段階の撮影モードの中から決定されてもよいし、第1撮影モードと第4撮影モードとに判定するなど4段階よりも少ない段階、つまり2段階または3段階に判定する処理が行われてもよい。
ステップS202では、決定機能445を実行することで処理回路44が、撮影範囲全体を撮影する際の撮影時間よりも、息止め可能時間のほうが長いか否かを判定する。撮影時間は、撮影条件のうちの撮影範囲、ヘリカルピッチ、スライス厚などにより計算される。なお、撮影時間は一般的な手法を用いて計算されればよいため、ここでの詳細な説明は省略する。撮影時間よりも息止め可能時間の方が長い場合(ステップS202:YES)、ステップS203に進み、息止め可能時間が撮影時間以下である場合(ステップS202:NO)、ステップS204に進む。なお、撮影時間よりも息止め可能時間の方が長い場合でも、差分が小さければ、ステップS204に進むように判定されてもよい。
ステップS203では、決定機能445を実行することで処理回路44が、撮影方法を第1撮影モードに決定する。例えば、第1撮影モードは、被検者Pには撮影範囲全体を撮影中に息止め能力が十分にあり、撮影時間が息止め可能時間を十分に下回る場合に判定されるモードである。言い換えれば、第1撮影モードは、4段階のモードの中で1番理想的なモードであり、画像の連続性および品質が確保できるモードである。
ステップS204では、決定機能445を実行することで処理回路44が、息止め要求時間よりも息止め可能時間の方が長いか否かを判定する。息止め要求時間よりも息止め可能時間の方が長い場合(ステップS204:YES)、ステップS205に進み、息止め可能時間が息止め要求時間以下である場合(ステップS204:NO)、ステップS206に進む。なお、息止め要求時間よりも息止め可能時間の方が長い場合でも、差分が小さければ、ステップS206に進むように判定されてもよい。
ここで、息止め要求時間とは、呼吸の影響を受ける範囲を撮影する場合に要する時間である。呼吸の影響を受ける範囲は、呼吸による体動の影響が大きい部分を指定した範囲を想定する。呼吸の影響を受ける範囲の決定手法としては、例えば、模擬人体において、肺野、横隔膜など呼吸による体動の影響が大きい部分(胸腹部)を指定したデフォルト範囲を、予めメモリ41などに格納する。処理回路44は、模擬人体のデフォルト範囲と被検者の位置決め画像に基づいて指定された胸腹部の範囲とを対応付ける。これにより、被検者Pにおける呼吸の影響を受ける範囲が決定されればよい。
また、併せて、呼吸の影響による体動が閾値以下となる範囲が呼吸の影響が少ない範囲として決定されてもよい。
なお、肺活量が多い人ほど呼吸による体動も大きいと考えられるため、被検者Pの肺活量を要素として被検者Pの呼吸の影響を受ける範囲を決定してもよい。例えば、肺活量の大きさに応じて呼吸による体動が発生する範囲を予め統計処理などで計算しておき、処理回路44が、被検者の肺活量に応じて統計的に求められた範囲を、呼吸の影響を受ける範囲として決定すればよい。
また、被検者Pの肺の状態に応じて呼吸の影響を受ける範囲を決定してもよい。例えば、被検者Pが気胸、肺気腫などに罹患しており、呼吸による肺の膨張および収縮が小さいと想定される場合は、呼吸による体動が生じる範囲が狭くなると想定される。よって、被検者Pの疾患が所定の疾患に該当する場合は、呼吸の影響を受ける範囲を狭く設定してもよい。具体的には、被検者の疾患情報の中に、上述したような疾患名が存在する、または被検者の直近の画像から該当する疾患の所見を得られれば、処理回路44が、設定された呼吸の影響を受ける範囲を所定サイズ狭めるようにしてもよい。
ステップS205では、決定機能445を実行することで処理回路44が、撮影方法を第2撮影モードに決定する。第2撮影モードにおいても、画像の連続性および品質が確保される。
ステップS206では、決定機能445を実行することで処理回路44が、息止め要求時間と息止め可能時間とが略同じ時間であるか否かを判定する。言い換えれば、息止め要求時間と息止め可能時間との差分が閾値未満であるか否かを判定する。差分が閾値未満である場合(ステップS206:YES)、ステップS207に進み、差分が閾値未満ではない、すなわち、息止め可能時間が息止め要求時間よりも短い場合(ステップS206:NO)、ステップS208に進む。
ステップS207では、決定機能445を実行することで処理回路44が、撮影方法を第3撮影モードに決定する。第3撮影モードは、息止め要求時間の前後において被検者Pに呼吸指示をするモードである。具体的には、息止め可能時間の最大時間の前から少しずつゆっくりと息を吐かせることにより、被検者Pの負担を軽減しながら撮影に呼吸の影響が大きく出ないように、呼吸を制御するモードである。第3撮影モードは、呼吸の影響を受ける範囲での撮影に対する画像の連続性を担保するモードである。
ステップS208では、決定機能445を実行することで処理回路44が、撮影方法を第4撮影モードに決定する。第4撮影モードは、被検者Pに息止めをさせずに呼吸を継続させるが、X線CT装置1側から積極的に呼吸タイミングを指示するモードである。第4撮影モードは、ある程度の画像間の連続性を保ちつつ、被検者Pの負担軽減を図り、心電同期撮影と比較して撮影時間の短縮を図ることが可能なモードである。
ステップS203、ステップS205、ステップS207又はステップS208が行われるとステップS209が行われる。ステップS209では、例えばシステム制御機能441を実行することにより処理回路44が、決定された撮影モードに応じて、息止めおよび呼吸に関するガイドの種類および方法、被検者Pへのガイドの提示タイミング、および、画像再構成処理における補正処理などを制御して、本スキャンであるCTスキャンを実行する。以上でX線CT装置1の動作を終了する。
なお、決定された各撮影モードは、操作者が撮影条件の変更を行った際に自動的に切り替えられてもよい。例えば、撮影範囲が狭く変更される、または、回転速度、寝台移動ピッチの値を変更するなど撮影時間に影響する項目が変更された場合には、システム制御機能441を実行することで処理回路44が、撮影時間を再計算する。決定機能445を実行することで処理回路44が、図2のフローチャートに基づいて息止め可能時間と再計算された撮影時間とを比較し、適応的に撮影モードを変更すればよい。
次に、撮影モードの決定処理の変形例について図3及び図4のフローチャートを参照して説明する。
例えば、撮影方法が第1撮影モードまたは第2撮影モードと判定された場合、検査に必要な画質が担保されているため、息止め可能時間の再取得の必要は無いと判断できる。
一方、撮影方法が第3撮影モードまたは第4撮影モードと判定された場合、取得機能444を実行することで処理回路44が、新たに息止め可能時間を取得する。具体的には、処理回路44が、息止め可能時間の再取得を操作者に促す旨を通知するか、音声ガイドを通じて被検者Pに息止めの再練習させることで、息止め可能時間を再取得する。
息止め可能時間を再取得するのは、一般に、息止め練習実施前の呼吸量などにより息止め可能時間が変動すると考えらえる。また、一度呼吸止めを実施することで被検者Pは要求される息止め時間を体感しているため、被検者Pは比較的容易に息止め可能時間を延長できる可能性があるからである。
図3は、ステップS207において第3撮影モードに決定された場合の再取得処理を示すフローチャートである。
図3に示すステップS301では、取得機能444を実行することで処理回路44が、息止め可能時間を再取得する。例えば、ディスプレイ42などに、操作者または被検者Pに対して息止め可能時間の再計測を促す旨を通知すればよい。
ステップS302では、決定機能445を実行することで処理回路44が、息止め要求時間よりも息止め可能時間が長いか否かを判定する。息止め要求時間よりも息止め可能時間が長い場合(ステップS302:YES)、ステップS303に進み、息止め可能時間が息止め要求時間以下である場合(ステップS302:NO)、ステップS304に進む。
ステップS303では、決定機能445を実行することで処理回路44が、現在の第3撮影モードから1段階モードを上げ、撮影方法を第2撮影モードに決定する。
ステップS304では、第3撮影モードのまま撮影方法の変更は無しとする。
次に、図4は、ステップS208において第4撮影モードと判定された場合の再取得処理を示すフローチャートである。
ステップ401では、決定機能445を実行することで処理回路44が、息止め状態の維持が著しく難しいか否かを判定する。例えば、処理回路44は、被検者Pの患者の年齢や想定病名、既往歴等を含む患者基本情報や検査情報、電子カルテ、所見等に基づいて息止め状態の維持が著しく難しいか否かを判定する。息止め状態の維持が著しく難しくはない、つまり息止めの維持時間が閾値以上である場合(ステップS401:NO)には、息止め可能時間の改善の可能性があると判定し、ステップS402に進む。息止め状態の維持が著しく難しい場合、つまり息止めの維持時間が閾値未満である場合(ステップS401:YES)には、改善は見込めないと判定し、ステップS405に進む。
ステップS402では、取得機能444を実行することで処理回路44が、息止め可能時間を再取得する。
ステップS403では、ステップS206と同様に、決定機能445を実行することで処理回路44が、息止め要求時間と息止め可能時間とが略同じ時間であるか否かを判定する。息止め要求時間と息止め可能時間とが略同じ時間である場合(ステップS403:YES)、呼吸のコントロールが可能であると判定し、ステップS404に進み、息止め要求時間と息止め可能時間とが略同じ時間でない場合(ステップS405:NO)、ステップS405に進む。
ステップS404では、決定機能445を実行することで処理回路44が、現在の第4撮影モードから1段階モードを上げ、撮影方法を第3撮影モードに決定する。
ステップS405では、被検者Pの負担も考慮し、第4撮影モードのまま撮影方法の変更は無しとする。
なお、息止め可能時間に加え、息止めの質を加えた評価指標により、撮影モード判定を実行してもよい。例えば、決定機能445を実行することで処理回路44は、第1撮影モードに決定された場合でも、息止めの質が「不良」である場合、撮影モードを1段階下げ、第2撮影モードに決定してもよい。また、操作者が撮影条件の変更を行ない、撮影モードが変更された場合、処理回路44は、息止め可能時間を再取得するか否かの問い合わせを操作者に提示してもよい。
さらに、決定された撮影モードでCTスキャンを実行するか否かを操作者に確認および判断させ表示制御機能446を実行することで処理回路44が、ディスプレイ42を介して決定された撮影モードを操作者に提示してもよい。各撮影モードがアイコンで区別して画面上に表示されてもよいし、モード名が表示されてもよい。各撮影モードの情報は、操作室内のモニターに表示されてもよいし、検査室のX線CT装置上またはモニター上に表示されてもよい。
また、表示制御機能446を実行することで処理回路44が、決定された撮影モードの他の撮影モードも併せて操作者に提示してもよい。システム制御機能441を実行することで処理回路44は、操作者により選択された撮影モードに応じてCTスキャンを実行してもよい。
次に、決定された撮影モードを位置決め画像上にグラデーション表示する一例について図5の概念図を参照して説明する。
具体的には、位置決め画像60におけるROI(Region of Interest)上に、例えば呼吸の影響を受ける範囲601を赤で、呼吸の影響が少ない範囲602を青で表示するといったように、色で区別して表示する。
さらに、決定された撮影モードにおける被検者Pの呼吸の有無(許否)を示す範囲が表示されるようにしてもよい。例えば、表示制御機能446を実行することで処理回路44が、第1撮影モードでは、撮影範囲全体に亘り息止めが可能であるので、呼吸の影響を受けるか否かを問わず、範囲601と範囲602とを「呼吸無し」の配色とすればよい。
第2撮影モードでは、範囲601では息止めが可能であるので、範囲601では「呼吸無し」の配色とし、範囲602では「呼吸有り」の配色としてもよい。
第3撮影モードでは、体軸方向において「呼吸無し」の範囲601と「呼吸有り」の範囲602との境界領域に、別の呼吸有り領域を表示してもよい。つまり、第3撮影モードでは、呼吸の影響を受ける範囲内でもゆっくりとした呼吸が発生する可能性があるため、当該領域を明示的に表示してもよい。
第4モードでは、第1撮影モードと反対に、範囲601と範囲602とが「呼吸有り」の配色とされればよい。
なお、システム制御機能441を実行することで処理回路44が、下肢領域など呼吸の影響が少ない範囲602では、被検者に呼吸を許容する指示、つまり呼吸を促す音声ガイダンスを通知してもよい。例えば、CTスキャン中に範囲601を通過した場合、被検者Pをリラックスさせる音声またはBGMを流し、呼吸ガイドを被検者Pに視聴させてもよい。このように、呼吸の影響が少ない範囲で被検者Pに積極的に呼吸を促すことで、患者負担を軽減できる。
なお、色分けに限らず、斜線や点線で領域を区別するなど、各撮影モードの領域と呼吸の影響が少ない領域とが区別できる態様で表示されれば、どのような表示方法でもよい。
次に、撮影モード決定後の本スキャンにおける息止めガイドまたは呼吸ガイドの提示例について説明する。
第1撮影モードまたは第2撮影モードに決定された場合、既存の息止めガイド処理を実行すればよい。一方、第3撮影モードまたは第4撮影モードに決定された場合、ガイドの提示タイミング、ガイド内容(種類)および再構成処理の条件を切り換える。
第3撮影モードの場合、例えばシステム制御機能441を実行することで処理回路44が、被検者Pにゆっくり呼吸を行わせるため、ゆっくり息を吐くまたはゆっくり息をすってもらうような動作を実行してもらうように、音声または映像によるガイドを、被検者Pに提示する。開始タイミングについては、処理回路44が、息止め可能時間の少し前からゆっくりとした呼吸をさせる旨のガイドを提示し、息止め可能時間経過後、つまり呼吸の影響が少ない範囲では、通常の呼吸をさせる旨のガイドを提示すればよい。
一方、再構成処理に関しては、息止め状態の解除指示周辺の撮影範囲のデータについては体動によるアーチファクトが発生する可能性がある。よって、再構成処理機能443を実行することで処理回路44が、当該アーチファクトが発生すると想定される撮影範囲についてのみ、動き補正やレジストレーション処理などの補正処理を実行すればよい。
つまり、動きによる画像ブレを最小限に抑制できることに加え、アーチファクトが存在すると推定される領域を予め把握することができるため、再構成処理において全体に亘り補正処理を適用することなく、補正処理の適用範囲を限定できる。結果として、再構成処理時間の短縮も可能となる。
第4撮影モードの場合、生成される画像に影響しないように、システム制御機能441を実行することで処理回路44が、収集条件に応じて適切な周期でなるべく体動を抑制しつつ呼吸させる旨の指示を被検者Pに提示する。処理回路44は、例えば、撮影時の寝台移動ピッチや回転速度などにより、被検者Pの呼吸において許容範囲内となる周期を算出し、当該周期に応じて、小さくゆっくりと息をすって、小さくゆっくりと吐くといった指示を行う。状態としては簡易的な呼吸同期撮影と類似した撮影となるが、呼吸同期撮影のように特定時相の画像を得るといった目的ではないため、最もブレの少ない時相が計算され、画像を生成するように再構成処理が実施される。なお、第4撮影モードの場合も、画像再構成処理において、動き補正などの補正処理を追加してもよい。
以上に示した第1の実施形態によれば、被検者の息止め可能時間を取得し、息止め可能時間および撮影条件に基づいて、撮影方法を制御する撮影モードを決定する。これにより、どのような状態の被検者に対しても操作者の経験によらず、また被検者に対してワークフローを変更することなく、簡便に息止め撮影または息止め撮影と同等の撮影を行うことができる。
結果として、患者負担が大きく軽減されると共に、検査時間の短縮が可能となり、総じてワークフローを大幅に改善することができる。
(第2の実施形態)
上述の実施形態に係る撮影モード決定処理は、X線CT装置1のコンソール装置40で行われることに限らず、例えば、ワークステーションに含まれるような、撮影計画装置において実行されてもよい。
第2の実施形態に係る、撮影モード決定処理を実行する撮影計画装置70を図6のブロック図を参照して説明する。
撮影計画装置70は、処理回路72と、記憶回路74と、通信インターフェース76とを含む。また、信号のやりとりは、バス78を介して行われる。
処理回路72は、取得機能722と、決定機能724と、表示制御機能726とを含む。取得機能722と、決定機能724と、表示制御機能726とは、上述の実施形態と同様の処理を行うため、ここでの詳細な説明は省略する。
記憶回路74は、例えばメモリであり、選択または決定された撮影モードなどを記憶する。
通信インターフェース76は、操作者により選択された撮影モードをX線CT装置1に送信する。
以上に示した第2の実施形態によれば、撮影計画装置が撮影モード決定処理を実行することで、操作者がX線CT装置のコンソール画面を見ながら操作する代わりに、X線CT装置と別室でスキャン条件またはスキャンプランの変更を行うこともできる。
なお、X線CT装置には、X線管と検出器とが一体として被検者Pの周囲を回転するRotate/Rotate−Type(第3世代CT)、リング状にアレイされた多数のX線検出素子が固定され、X線管のみが被検者Pの周囲を回転するStationary/Rotate−Type(第4世代CT)等様々なタイプがあり、いずれのタイプでも本実施形態へ適用可能である。
なお、X線を発生させるハードウェアはX線管11に限られない。例えば、X線管11に替えて、電子銃から発生した電子ビームを集束させるフォーカスコイルと、電磁偏向させる偏向コイルと、被検者Pの半周を囲い偏向した電子ビームが衝突することによってX線を発生させるターゲットリングとを含む第5世代方式を用いてX線を発生させることにしても構わない。
さらに、本実施形態においては、一管球型のX線CT装置にも、X線管と検出器との複数のペアを回転リングに搭載した、いわゆる多管球型のX線CT装置にも適用可能である。
加えて、実施形態に係る各機能は、当該処理を実行するプログラムをワークステーション等のコンピュータにインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても実現することができる。このとき、コンピュータに当該手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することも可能である。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、ワークフローを改善し、スループットを向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 X線CT装置
10 架台装置
11 X線管
12 X線検出器
13 回転フレーム
14 X線高電圧装置
15 制御装置
16 ウェッジ
17 コリメータ
18 データ収集装置
19 開口
30 寝台装置
31 基台
32 寝台駆動装置
33 天板
34 支持フレーム
40 コンソール装置
41 メモリ
42 ディスプレイ
43 入力インターフェース
44,72 処理回路
50 センサ
60 位置決め画像
70 撮影計画装置
74 記憶回路
76 通信インターフェース
78 バス
441 システム制御機能
442 前処理機能
443 再構成処理機能
444,722 取得機能
445,724 決定機能
446,726 表示制御機能
601,602 範囲

Claims (12)

  1. X線を照射するX線管と、
    前記X線管から照射されて被検者を透過したX線を検出する検出器と、
    前記被検者の息止め可能時間および撮影条件を取得する取得部と、
    前記息止め可能時間と前記撮影条件とに基づき、撮影中の息止めと呼吸との制御に関する撮影モードを決定する決定部と、
    を具備するX線CT装置。
  2. 前記決定された撮影モードに応じて撮影を制御する撮影制御部をさらに具備する請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記撮影モードを操作者に提示する表示制御部をさらに具備する請求項1に記載のX線CT装置。
  4. 前記表示制御部は、位置決め画像上に呼吸の許否を示す範囲を表示させる請求項3に記載のX線CT装置。
  5. 前記操作者により選択された撮影モードに応じて撮影を制御する撮影制御部をさらに具備する請求項3または請求項4に記載のX線CT装置。
  6. 前記撮影制御部は、前記決定された撮影モードに応じて、息止め及び呼吸に関するガイドの種類、前記被検者への当該ガイドの提示タイミング、および、画像再構成処理における補正処理について制御する請求項2または請求項5に記載のX線CT装置。
  7. 前記息止め可能時間は、前記被検者が閾値以上の息止めの質を維持できる時間である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  8. 前記息止めの質は、前記被検者の息漏れの度合い及び体動の度合いにより判定される請求項7に記載のX線CT装置。
  9. 前記決定部は、撮影中にわたり前記被検者に息止めを実施させる第1撮影モード、撮影範囲のうち、画像再構成処理において呼吸による影響が想定される息止め要求時間は前記被検者に息止めを実施させる第2撮影モード、前記息止め要求時間前後の撮影において前記被検者に呼吸タイミングを指示する第3撮影モード、および、撮影中において前記被検者に呼吸タイミングを指示する第4撮影モードのうちのいずれかを決定する請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  10. 前記取得部は、撮影モードが前記第3撮影モードまたは前記第4撮影モードに決定された場合、新たに息止め可能時間を取得し、
    前記決定部は、新たに取得した息止め可能時間に基づいて撮影モードを決定する請求項9に記載のX線CT装置。
  11. 前記撮影制御部は、呼吸の影響による体動が閾値以下である範囲では、前記被検者に呼吸を許容する指示を通知する請求項2または請求項5に記載のX線CT装置。
  12. 被検者の息止め可能時間および撮影条件を取得する取得部と、
    前記息止め可能時間と前記撮影条件とに基づき、撮影中の息止めと呼吸との制御に関する撮影モードを決定する決定部と、
    を具備する撮影計画装置。
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