JP2020042956A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部入力時の発熱を抑制すること。【解決手段】非水電解質二次電池は正極10、負極および電解質を少なくとも含む。正極10は正極集電体11、中間層13および正極活物質層12を含む。中間層13は正極集電体11と正極活物質層12との間に配置されている。中間層13はカルボキシメチルセルロース、導電材および無機フィラーを少なくとも含む。【選択図】図3

Description

本開示は非水電解質二次電池に関する。
特開2014−075335号公報(特許文献1)は、正極集電体と正極活物質層との間に、アンダーコート層を配置することを開示している。アンダーコート層の電気抵抗は正極集電体の電気抵抗よりも大きいとされている。
特開2014−075335号公報
非水電解質二次電池(以下「電池」と略記され得る)の異常モードのひとつとして、外部入力による短絡が考えられる。すなわち導電性の鋭利物が、ケース(電池の外装)を貫通することにより、鋭利物が電池内部に侵入することが考えられる。さらに電池内部に侵入した鋭利物により、正極と負極とが短絡することが考えられる。外部入力による短絡は、例えば釘刺し試験等により模擬されている。
一般に正極は正極集電体および正極活物質層を含む。正極活物質層は正極集電体の表面を覆っている。しかし外部入力時の衝撃により、正極活物質層が脱落し、正極集電体が正極活物質層から露出することがある。露出した正極集電体と負極とが接触した場合、短絡電流が大きくなると考えられる。正極集電体が小さい電気抵抗を有するためと考えられる。短絡電流が大きくなることにより、電池の発熱が大きくなると考えられる。
正極集電体の露出を抑制するため、中間層を設けることが考えられる。中間層は正極集電体と正極活物質層との間に配置される。中間層があることにより、正極活物質層が脱落しても、正極集電体と負極との接触が抑制されることが期待される。
中間層の電気抵抗は、正極集電体の電気抵抗よりも大きいことが求められる。ただし中間層の電気抵抗が過度に大きくなると、通常使用時、正極集電体と正極活物質層との間の電流のやりとりが阻害される可能性がある。すなわち電池性能が低下する可能性がある。
中間層の電気抵抗は中間層の組成により調整され得る。例えば中間層は無機フィラー、導電材およびバインダを含む。無機フィラーは絶縁成分である。無機フィラーが多い程、中間層の電気抵抗が大きくなると考えられる。導電材は導電成分である。導電材が多い程、中間層の電気抵抗が小さくなると考えられる。
バインダは粘着性の高分子化合物である。バインダは中間層の固定のために必要とされる。バインダは例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)等であり得る。一般にバインダも絶縁成分に属すると考えられる。
本開示の新知見によると、バインダは外部入力時に発生する熱によって炭化し得る。炭化したバインダは導電性を有し得る。バインダの炭化により、新たな導電経路が形成されることになる。その結果、外部入力時に中間層の電気抵抗が小さくなり、短絡電流が大きくなる可能性がある。すなわちバインダの炭化により、外部入力時の発熱が促進されている可能性がある。
本開示の目的は外部入力時の発熱を抑制することである。
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により特許請求の範囲が限定されるべきではない。
〔1〕非水電解質二次電池は正極、負極および電解質を少なくとも含む。正極は正極集電体、中間層および正極活物質層を含む。中間層は正極集電体と正極活物質層との間に配置されている。中間層はカルボキシメチルセルロース、導電材および無機フィラーを少なくとも含む。
無機フィラーは絶縁成分である。導電材は導電成分である。無機フィラーおよび導電材は、中間層が所定の電気抵抗を有するために必要とされる。
カルボキシメチルセルロース(CMC)はバインダとして機能し得る。CMC単体が加熱された場合、PVdF等と同様に、CMCは炭化する。炭化したCMCは導電経路を形成し得る。
本開示の新知見によれば、CMCと無機フィラーとの混合物が加熱された場合、CMCは炭化せずに、焼失し得る。PVdF等と無機フィラーとの混合物が加熱された場合、PVdF等は炭化し得る。CMCの焼失は、CMCと無機フィラーとの混合物において発現する特異な現象であると考えられる。
本開示の中間層は、CMCと無機フィラーとの混合物を含む。本開示の中間層では、外部入力時、CMCが焼失し得るため、炭化したCMCによる導電経路が実質的に生じないことが期待される。さらにCMCの焼失により、中間層における無機フィラーの構成比率が高くなると考えられる。これにより中間層の電気抵抗が大きくなり、短絡電流が抑制されることが期待される。
またCMCは酸素と反応しながら焼失すると考えられる。すなわちCMCの焼失により酸素が消費されると考えられる。外部入力時、正極から酸素が放出されると考えられる。酸素は電解質等の燃焼反応に関与すると考えられる。CMCの焼失に伴って酸素が消費されることにより、電解質等の燃焼反応が抑制されることが期待される。燃焼反応が抑制されることにより、外部入力時の発熱が小さくなることが期待される。
以上の作用の相乗により、本開示の電池では外部入力時の発熱が抑制されることが期待される。
〔2〕カルボキシメチルセルロースは中間層に0.5質量%以上40質量%以下含まれていてもよい。
CMCが多い程、CMCの焼失に伴う酸素の消費量が多くなると考えられる。中間層のCMC含量が0.5質量%以上であることにより、外部入力時の発熱が小さくなることが期待される。
CMCは中間層におけるイオン伝導を阻害すると考えられる。よってCMCが少ない程、中間層におけるイオン伝導が活発になると考えられる。中間層のCMC含量が40質量%以下であることにより、イオン伝導が活発になることが期待される。その結果、通常使用時の抵抗増加率が低下することが期待される。
〔3〕カルボキシメチルセルロースは25万以上50万以下の重量平均分子量を有していてもよい。
CMCの重量平均分子量(Mw)が25万以上であることにより、外部入力時の発熱が小さくなることが期待される。CMCのMwが大きい程、CMCの焼失に伴う酸素の消費量が多くなるためと考えられる。CMCのMwが50万以下であることにより、通常使用時の抵抗増加率が低下することが期待される。CMCのMwの小さい程、イオンの移動に対して、CMCが障害物となり難いためと考えられる。
〔4〕中間層は、カルボキシメチルセルロース以外の高分子化合物を実質的に含まなくてもよい。
上記〔1〕の構成においては、中間層にCMC以外の高分子化合物(バインダ等)がさらに含まれていてもよいと考えられる。高分子化合物の少なくとも一部がCMCであることにより、外部入力時、炭化物による導電経路が低減され得ると考えられるためである。
中間層にCMC以外の高分子化合物が実質的に含まれていないことにより、外部入力時、炭化物による導電経路がさらに低減され得ると考えられる。これにより外部入力時の発熱が小さくなることが期待される。
なお「実質的に含まない」とは、高分子化合物の含量が、該高分子化合物が炭化したとしても、その影響を無視できる程度の量であることを示す。CMC以外の高分子化合物の含量は、例えば0質量%以上0.1質量%以下であってもよい。
図1は本実施形態の非水電解質二次電池の構成の一例を示す概略図である。 図2は本実施形態の電極群の構成の一例を示す概略図である。 図3は本実施形態の正極の構成の一例を示す概略断面図である。 図4は本実施形態の正極の製造方法の概略を示すフローチャートである。
以下、本開示の実施形態(本明細書では「本実施形態」と記される)が説明される。ただし以下の説明は、特許請求の範囲を限定するものではない。
<非水電解質二次電池>
図1は本実施形態の非水電解質二次電池の構成の一例を示す概略図である。
電池100は非水電解質二次電池である。電池100はケース80を含む。ケース80は例えばアルミニウム(Al)合金製であってもよい。ケース80は角形(扁平直方体)の容器である。ただしケース80の形状は特に限定されるべきではない。ケース80は例えば円筒形の容器であってもよい。ケース80は例えばAlラミネートフィルム製のパウチ等であってもよい。
ケース80は端子81を有する。ケース80は、例えばCID(current interrupt device)、ガス排出弁、注液孔等をさらに有していてもよい。ケース80は電極群50および電解質(不図示)を収納している。電極群50は端子81と電気的に接続されている。
図2は本実施形態の電極群の構成の一例を示す概略図である。
電極群50は巻回型である。電極群50は、正極10、セパレータ30、負極20およびセパレータ30がこの順序で積層され、さらにこれらが渦巻状に巻回されることにより形成されている。すなわち電池100は正極10、負極20および電解質(不図示)を少なくとも含む。電極群50は扁平状に成形されていてもよい。
電極群50はスタック型であってもよい。すなわち電極群50は、正極10と負極20とが交互にそれぞれ1枚以上積層されることにより形成されていてもよい。正極10と負極20との各間にはセパレータ30がそれぞれ配置される。
なお電池100はセパレータ30を含まないこともあり得る。例えば電池100が全固体電池である場合、電池100はセパレータ30を含まなくてもよい。
<正極>
図3は本実施形態の正極の構成の一例を示す概略断面図である。
正極10はシートである。正極10は正極集電体11、中間層13および正極活物質層12を含む。中間層13は正極集電体11と正極活物質層12との間に配置されている。中間層13および正極活物質層12は、正極集電体11の片面のみに配置されていてもよい。中間層13および正極活物質層12は、正極集電体11の表裏両面に配置されていてもよい。
《正極集電体》
正極集電体11は導電性のシートである。正極集電体11は例えば1μm以上17μm以下の厚さを有していてもよい。正極集電体11は例えばAl箔であってもよい。Al箔は例えば5μm以上17μm以下の厚さを有していてもよい。正極集電体11は例えばチタン(Ti)箔であってもよい。Ti箔は例えば1μm以上15μm以下の厚さを有していてもよい。
本実施形態において各構成の厚さは例えばマイクロメータ等により測定され得る。各構成の厚さは、例えば断面顕微鏡画像(例えば走査型電子顕微鏡画像)等において測定されてもよい。厚さは少なくとも3箇所で測定される。少なくとも3箇所の算術平均が採用される。
《中間層》
中間層13は正極集電体11と正極活物質層12との間に配置されている。中間層13は例えば0.5μm以上10μm以下の厚さを有していてもよい。中間層13は例えば0.5μm以上5μm以下の厚さを有していてもよい。中間層13はCMC、導電材および無機フィラーを少なくとも含む。
(CMC)
CMCはバインダとして機能する。メカニズムの詳細は明らかではないが、CMCと無機フィラーとが共存することにより、CMCが加熱によって焼失し得る。CMCが炭化せずに焼失することにより、外部入力時の発熱が小さくなることが期待される。
CMCは、例えば酸型CMC(CMC−H)であってもよい。CMCは、例えばナトリウム塩(CMC−Na)、リチウム塩(CMC−Li)、アンモニウム塩(CMC−NH4)等であってもよい。CMCのエーテル化度は特に限定されるべきではない。エーテル化度は例えば0.5以上1以下であってもよい。
(CMC含量)
中間層13にCMCは例えば0.2質量%以上45質量%以下含まれていてもよい。中間層13にCMCは例えば0.5質量%以上40質量%以下含まれていてもよい。中間層13のCMC含量が0.5質量%以上であることにより、外部入力時の発熱が小さくなることが期待される。CMC含量が40質量%以下であることにより、通常使用時の抵抗増加率が低下することが期待される。
中間層13のCMC含量は例えば2質量%以上であってもよい。中間層13のCMC含量は例えば10質量%以上であってもよい。中間層13のCMC含量は例えば30質量%以下であってもよい。中間層13のCMC含量は例えば20質量%以下であってもよい。
(CMCの重量平均分子量)
CMCは例えば20万以上52万以下の重量平均分子量(Mw)を有していてもよい。CMCは例えば25万以上50万以下のMwを有していてもよい。CMCのMwが25万以上であることにより、外部入力時の発熱が小さくなることが期待される。CMCのMwが50万以下であることにより、通常使用時の抵抗増加率が低下することが期待される。CMCのMwは例えば33万以上であってもよい。CMCのMwは40万以下であってもよい。
CMCのMwはGPC法(gel permeation chromatography)によって測定される。
標準試料の較正曲線と、CMCの溶出時間とから、CMCのMwが求められる。標準試料はプルランである。Mwは少なくとも3回測定される。少なくとも3回の算術平均が採用される。
(導電材)
導電材は導電成分である。導電材は典型的には粒子群である。中間層13に導電材は例えば0.5質量%以上5質量%以下含まれていてもよい。導電材は特に限定されるべきではない。導電材は例えば炭素材料であってもよい。導電材は、例えばカーボンブラック、黒鉛、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ(CNT)およびグラフェンからなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。カーボンブラックは、例えばアセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(登録商標,KB)、ファーネスブラック(FB)、チャンネルブラック(CB)、およびサーマルブラック(TB)からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
(無機フィラー)
無機フィラーは絶縁成分である。無機フィラーは、中間層13においてCMCおよび導電材を除いた残部を構成し得る。中間層13に無機フィラーは例えば45質量%以上99.3質量%以下含まれていてもよい。中間層13に無機フィラーは例えば52質量%以上96.8質量%以下含まれていてもよい。中間層13に無機フィラーは例えば57質量%以上96.5質量%以下含まれていてもよい。
無機フィラーは粒子群である。無機フィラーは例えば0.1μm以上3μm以下のD50を有していてもよい。「D50」は、レーザ回折法によって測定される体積基準の粒度分布において、微粒側からの積算粒子体積が全粒子体積の50%になる粒径を示す。無機フィラーの形状も特に限定されるべきではない。無機フィラーは例えば球状、塊状、針状、フレーク状等であってもよい。
無機フィラーは絶縁性の無機化合物からなる。無機フィラーは特に限定されるべきではない。ただし無機フィラーは耐熱性を有することが望ましい。無機フィラーは、例えばベーマイト、αアルミナ、チタニア、マグネシア、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、および水酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。チタニアはルチル型であってもよい。チタニアはアナターゼ型であってもよい。これらの無機化合物は好適な耐熱性を有し得る。
無機フィラーは、例えば、ルチル型のチタニア、アナターゼ型のチタニア、アルミナ、ベーマイト、および水酸化マグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
(その他の成分)
中間層13はCMC、導電材および無機フィラーを含む限り、これらに加えて、その他の成分をさらに含んでいてもよい。その他の成分の含量は例えば0.1質量%以上10質量%以下であってもよい。その他の成分としては例えば固体電解質等が考えられる。
その他の成分として例えばCMC以外の高分子化合物も考えられる。CMC以外の高分子化合物は、例えば有機フィラーであってもよい。CMC以外の高分子化合物は、例えばバインダであってもよい。バインダは、例えばアクリル樹脂およびPVdFからなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。アクリル樹脂は、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルおよびアクリロニトリルからなる群より選択される少なくとも1種の単量体が重合することにより形成された高分子化合物を示す。
ただしCMC以外の高分子化合物は、外部入力時に炭化する可能性がある。中間層13がCMC以外の高分子化合物を実質的に含まないことにより、外部入力時の発熱が小さくなることが期待される。中間層13は実質的にCMC、導電材および無機フィラーのみからなっていてもよい。
《正極活物質層》
正極活物質層12は中間層13の表面に形成されている。正極活物質層12は50μm以上100μm以下の厚さを有していてもよい。正極活物質層12は正極活物質を少なくとも含む。例えば正極活物質層12は、0.1質量%以上10質量%以下の導電材、0.1質量%以上10質量%以下のバインダ、および残部の正極活物質を含んでいてもよい。
正極活物質は典型的には粒子群である。正極活物質は例えば1μm以上30μm以下のD50を有していてもよい。正極活物質は特に限定されるべきではない。正極活物質は、例えばコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウム、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム、およびリン酸鉄リチウムからなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
ニッケルコバルトアルミン酸リチウムは例えば下記式(1):
LiNix1Coy1Alz12 …(1)
〔ただし式中、x1、y1およびz1は、0.82≦x1≦0.95、0.01≦y1≦0.15、0.01≦z1≦0.15、x1+y1+z1=1を満たす。〕
で表される化合物を示す。x1は例えば0.88であってもよい。
ニッケルコバルトマンガン酸リチウムは例えば下記式(2):
LiNix2Coy2Mnz22 …(2)
〔ただし式中、x2、y2およびz2は、0.35≦x2≦0.95、0.01≦y2≦0.60、0.01≦z2≦0.60、x2+y2+z2=1を満たす。〕
で表される化合物を示す。
正極活物質は添加物を含んでいてもよい。添加物は例えばアルカリ土類金属、遷移金属、卑金属、半金属等であってもよい。添加物は化合物(例えば金属酸化物等)であってもよい。添加物は、例えば母材元素(例えばLiCoO2におけるCo等)の一部を置換していてもよい。添加物は、母材粒子の表面に付着していてもよい。正極活物質に1種の添加物が単独で含まれていてもよい。正極活物質に2種以上の添加物が含まれていてもよい。添加物の含量は、例えば合計で5mоl%以下であってもよい。
正極活物質層12に含まれる導電材は、特に限定されるべきではない。導電材は、例えばカーボンブラック、黒鉛、ソフトカーボン、ハードカーボン、VGCF、CNT、およびグラフェンからなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
正極活物質層12に含まれるバインダは、特に限定されるべきではない。バインダは、例えばPVdF、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP)、アクリル樹脂、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
《正極の製造方法》
図4は本実施形態の正極の製造方法の概略を示すフローチャートである。
本実施形態によれば、非水電解質二次電池用の正極の製造方法も提供される。本実施形態の正極の製造方法は、「a.第1分散液の調製」、「b.第2分散液の調製」、「c.中間層の形成」および「d.正極活物質層の形成」を少なくとも含む。
(a.第1分散液の調製)
本実施形態の正極の製造方法は、少なくともCMCと無機フィラーと水とを混合することにより、第1分散液を調製することを含む。
CMCおよび無機フィラーの詳細は前述のとおりである。混合操作には一般的な混合装置が使用され得る。例えばホモディスパ、プラネタリミキサ等が使用されてもよい。混合時の固形分比率は、例えば30質量%以上60質量%以下であってもよい。「固形分比率」は、溶媒(水)以外の成分の比率を示す。
予めCMCと水とが混合されることにより、CMC水溶液が調製されてもよい。その後CMC水溶液に無機フィラーが混合されてもよい。
CMCと無機フィラーとが十分混合された後、第1分散液に水が追加される。水の追加後、第1分散液が攪拌される。第1分散液の最終的な固形分比率は、例えば25質量%以上45質量%以下であってもよい。
(b.第2分散液の調製)
本実施形態の正極の製造方法は、少なくとも第1分散液と導電材とを混合することにより、第2分散液を調製することを含む。
導電材の詳細は前述のとおりである。混合操作には一般的な混合装置が使用され得る。第2分散液の最終的な固形分比率は、例えば30質量%以上45質量%以下であってもよい。固形分比率の調整のため、適宜、水が追加され得る。
予め導電材、分散剤および水が混合されることにより、導電材分散液(導電ペースト)が調製されてもよい。導電材分散液の固形分比率は、例えば30質量%以上45質量%以下であってもよい。導電材分散液と第1分散液とが混合されることにより、第2分散液が調製されてもよい。
(c.中間層の形成)
本実施形態の正極の製造方法は、第2分散液を正極集電体11の表面に塗布し、乾燥することにより、中間層13を形成することを含む。
正極集電体の詳細は前述のとおりである。塗布操作には一般的な塗布装置が使用され得る。例えばグラビアコータ、ナイフコータ、マルチコータ、ダイコータ、ドクターブレード、インクジェットコータ等が使用され得る。乾燥操作には一般的な乾燥装置が使用され得る。例えば熱風乾燥炉等が使用され得る。乾燥温度は例えば60℃以上110℃以下であってもよい。乾燥時間は例えば乾燥温度等に応じて調整され得る。例えば乾燥温度が100℃程度である時、乾燥時間は10分程度であってもよい。
(d.正極活物質層の形成)
本実施形態の正極の製造方法は、中間層13の表面に正極活物質層12を形成することにより、正極10を製造することを含む。
例えば、正極活物質、導電材、バインダおよび溶媒が混合されることにより、活物質ペーストが調製される。正極活物質、導電材およびバインダの詳細は前述のとおりである。溶媒はバインダの種類に応じて選択される。溶媒は例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等であってもよい。
活物質ペーストが中間層13の表面に塗布され、乾燥されることにより、正極活物質層12が形成され得る。塗布操作には一般的な塗布装置が使用され得る。正極活物質層12の乾燥後、正極活物質層12が圧縮されてもよい。正極活物質層12の形成により、正極10が製造される。正極10は電池100の仕様に合わせて、所定形状に切断されてもよい。
以上より正極10が製造される。
以上のとおり本実施形態の正極の製造方法は以下の(a)〜(d)を少なくとも含む。
(a)少なくともCMCと無機フィラーと水とを混合することにより、第1分散液を調製する。
(b)少なくとも第1分散液と導電材とを混合することにより、第2分散液を調製する。
(c)第2分散液を正極集電体11の表面に塗布し、乾燥することにより、中間層13を形成する。
(d)中間層13の表面に正極活物質層12を形成することにより、正極10を製造する。
本実施形態の正極の製造方法によれば、中間層13においてCMCと無機フィラーとが接触しやすいと考えられる。その結果CMCが焼失しやすくなることが期待される。
本実施形態の正極の製造方法は以下の(a)〜(d)を少なくとも含むものであってもよい。
(a)少なくともバインダと無機フィラーと水とを混合することにより、第1分散液を調製する。
(b)少なくとも第1分散液と導電材とを混合することにより、第2分散液を調製する。
(c)第2分散液を正極集電体11の表面に塗布し、乾燥することにより、中間層13を形成する。
(d)中間層13の表面に正極活物質層12を形成することにより、正極10を製造する。
バインダは、無機フィラーの共存下450℃に加熱されると、焼失する高分子化合物である。
ここで「焼失する」とは「加熱後質量残存率」が0質量%以上1質量%以下であることを示す。加熱後質量残存率は下記式(3):
加熱後質量残存率=M1÷M0×100 …(3)
〔ただし式中、M0は加熱試験前の高分子化合物の質量を示し、M1は加熱試験後の高分子化合物の質量を示す。〕
により求められる。加熱試験の手順は後述の実施例において示される。
<負極>
負極20はシートである。負極20は負極集電体21および負極活物質層22を含む。負極集電体21と負極活物質層22との間に、前述の中間層13が配置されていてもよい。負極20にも中間層13が含まれることにより、外部入力時の発熱が小さくなることが期待される。
負極集電体21は導電性のシートである。負極集電体21は例えば1μm以上15μm以下の厚さを有していてもよい。負極集電体21は例えば銅(Cu)箔であってもよい。Cu箔は5μm以上12μm以下の厚さを有していてもよい。Cu箔は5μm以上8μm以下の厚さを有していてもよい。負極集電体21は例えばTi箔であってもよい。Ti箔は例えば1μm以上15μm以下の厚さを有していてもよい。
負極活物質層22は負極集電体21の表面に形成されている。負極活物質層22は負極集電体21の片面のみに形成されていてもよい。負極活物質層22は負極集電体21の表裏両面に形成されていてもよい。負極活物質層22は40μm以上125μm以下の厚さを有していてもよい。負極活物質層22は負極活物質を少なくとも含む。例えば負極活物質層22は、0.1質量%以上10質量%以下の導電材、0.1質量%以上10質量%以下のバインダ、および残部の負極活物質からなっていてもよい。
負極活物質は典型的には粒子群である。負極活物質は例えば1μm以上30μm以下のD50を有していてもよい。負極活物質は特に限定されるべきではない。負極活物質は、例えば黒鉛、ソフトカーボン、ハードカーボン、アモルファス炭素、および酸化珪素からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。負極活物質は、例えば黒鉛の表面がアモルファス炭素で被覆されたものであってもよい。
負極活物質に酸化珪素が含まれる場合、酸化珪素の含量は負極活物質全体に対して4質量%以上70質量%以下であってもよい。酸化珪素は予めリチウム(Li)がドープされていてもよい。Liドープ後の酸化珪素(LiSiO)に珪素(Si)は10mоl%以上80mоl%以下含まれていてもよい。
本実施形態において、容量比(正極容量に対する負極容量の比)は、例えば1.05以上2.2以下であってもよい。容量比は負極容量が正極容量で除されることにより求められる。負極容量は、負極20に含まれる負極活物質の合計質量と、該負極活物質の比容量との乗算により求められる。正極容量は、正極10に含まれる正極活物質の合計質量と、該正極活物質の比容量との乗算により求められる。
負極活物質層22に含まれる導電材は、特に限定されるべきではない。導電材は、例えばカーボンブラック、CNT、およびグラフェンからなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
負極活物質層22に含まれるバインダは、特に限定されるべきではない。バインダは、例えばCMCおよびスチレンブタジエンゴム(SBR)からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
<セパレータ>
セパレータ30は多孔質膜である。セパレータ30は電気絶縁性である。セパレータ30は単層構造を有していてもよい。セパレータ30は例えばポリエチレン(PE)製の多孔質膜のみからなっていてもよい。単層構造のセパレータ30は例えば5μm以上30μm以下の厚さを有していてもよい。
セパレータ30は多層構造を有していてもよい。セパレータ30は例えばポリプロピレン(PP)製の多孔質膜、PE製の多孔質膜およびPP製の多孔質膜がこの順序で積層されることにより形成されていてもよい。多層構造のセパレータ30は例えば10μm以上30μm以下の厚さを有していてもよい。多層構造のセパレータ30において、PP製の多孔質膜およびPE製の多孔質膜の各々は、例えば3μm以上10μm以下の厚さを有していてもよい。
セパレータ30の表面に耐熱膜が形成されていてもよい。耐熱膜は2μm以上12μm以下の厚さを有していてもよい。耐熱膜は耐熱材料を含む。例えば耐熱膜は、2質量%以上30質量%以下のバインダ、および残部の無機フィラーからなっていてもよい。バインダは特に限定されるべきではない。バインダは、例えばアクリル樹脂、PVdF、PVdF−HFP、アラミド、SBR、およびPTFEからなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。無機フィラーも特に限定されるべきではない。無機フィラーは、例えばベーマイト、αアルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、および水酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
なお耐熱膜は正極活物質層12の表面にも形成されていてもよい。耐熱膜は負極活物質層22の表面にも形成されていてもよい。
<電解質>
電解質はLiイオン伝導体である。電解質は、液体電解質、ゲル電解質、固体電解質のいずれであってもよい。液体電解質は、例えば電解液、イオン液体等であってもよい。本明細書では電解質の一例として電解液が説明される。
電解液は溶媒および支持塩を含む。支持塩は溶媒に溶解している。支持塩の濃度は例えば0.5mоl/L以上2mоl/L以下(0.5M以上2M以下)であってもよい。支持塩は、例えばLiPF6、LiBF4、LiN(FSO22、およびLiN(CF3SO22からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
溶媒は非プロトン性である。溶媒は、例えば環状カーボネートおよび鎖状カーボネートを含んでいてもよい。環状カーボネートおよび鎖状カーボネートの混合比は、例えば「環状カーボネート:鎖状カーボネート=1:9〜5:5(体積比)」であってもよい。環状カーボネートは、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、およびフルオロエチレンカーボネート(FEC)からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
鎖状カーボネートは、例えばジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、およびジエチルカーボネート(DEC)からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
溶媒は、例えばラクトン、環状エーテル、鎖状エーテル、カルボン酸エステル等を含んでいてもよい。ラクトンは、例えばγ−ブチロラクトン(GBL)、δ−バレロラクトン(DVL)等であってもよい。環状エーテルは、例えばテトラヒドロフラン(THF)、1,3−ジオキソラン(DOL)、1,4−ジオキサン(DX)等であってもよい。鎖状エーテルは、1,2−ジメトキシエタン(DME)等であってもよい。カルボン酸エステルは、例えばメチルホルメート(MF)、メチルアセテート(MA)、メチルプロピオネート(MP)等であってもよい。
電解液は、溶媒および支持塩に加えて、各種の添加剤をさらに含んでいてもよい。添加剤の濃度は、例えば0.005mоl/L以上0.5mоl/L以下であってもよい。添加剤としては、例えばガス発生剤(いわゆる「過充電添加剤」)、SEI(solid electrolyte interface)膜形成剤、難燃剤等が考えられる。
ガス発生剤は、例えばシクロヘキシルベンゼン(CHB)、ビフェニル(BP)等であってもよい。SEI膜形成剤は、例えばビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、LiB(C242、LiBF2(C24)、LiPF2(C242、LiPO22、プロパンサルトン(PS)、エチレンサルファイト(ES)等であってもよい。難燃剤は例えばホスファゼン等であってもよい。電解液に1種の添加剤が単独で含まれていてもよい。電解液に2種以上の添加剤が含まれていてもよい。
以下、本開示の実施例が説明される。ただし以下の説明は特許請求の範囲を限定するものではない。
<実験1:CMC含量>
《電池の製造》
実施例1〜8および比較例1の電池100がそれぞれ製造された。各電池100は下記表1の中間層13を含む。中間層13は2μmの厚さを有する。下記表1に示されるように、実施例1〜8および比較例1は、中間層13におけるCMC含量が互いに異なる。各電池100における中間層13以外の構成は以下のとおりである。
(電池構成)
1.正極10
正極集電体11:Al箔(厚さ 15μm)
正極活物質層12:片面厚さ 75μm(両面で150μm)
2.負極20
負極集電体21:Cu箔(厚さ 10μm)
負極活物質層22:片面厚さ 80μm(両面で160μm)
3.容量比(負極容量/正極容量):1.9
4.セパレータ30
PE製の多孔質膜(厚さ 16μm)
耐熱膜(厚さ 5μm)
耐熱膜の組成:「ベーマイト:アクリル樹脂=96:4(質量比)」
5.電解質(電解液)
溶媒:[EC:EMC:DMC=3:3:4(体積比)]
支持塩:LiPF6(1.1mоl/L)
6.電極群50
幅寸法(図1のx軸方向の寸法):130mm
高さ寸法(図1のz軸方向の寸法):50mm
巻回テンション:0.35N/mm2以上4.3N/mm2以下
なお「巻回テンション」は巻回時にセパレータ30に加わる張力がセパレータ30の断面積で除された値を示す。
《評価》
(高負荷充放電試験)
高負荷充放電試験により通常使用時の抵抗増加率が評価された。高負荷充放電試験は、抵抗増加を促進する加速試験である。
充放電が1000サイクル実施された。1サイクルは以下の「充電」、「第1レスト」、「放電」および「第2レスト」の一巡を示す。1サイクル後および1000サイクル後に電池抵抗がそれぞれ測定された。1000サイクル後の電池抵抗が1サイクル後の電池抵抗で除されることにより、抵抗増加率が算出された。抵抗増加率は下記表1に示される。
充電:電流レート=2.5C、時間=240秒
第1レスト:120秒
放電:電流レート=30C、時間=20秒
第2レスト:120秒
なお「1C」の電流レートでは、電池100の定格容量が1時間で放電される。2.5Cは1Cの2.5倍の電流レートである。30Cは1Cの30倍の電流レートである。
(釘刺し試験)
釘刺し試験により外部入力時の発熱が評価された。
釘が準備された。釘は3mmの胴部径を有する。電池100が充電された。充電後の電池100が60℃に加温された。充電状態かつ加温状態の電池100に、釘が刺し込まれた。釘の刺し込み位置から1cm離れた位置において、ケース80の表面温度が測定された。下記表1の最高温度は、釘が刺し込まれた後の表面温度の最高値である。最高温度が低い程、外部入力時の発熱が抑制されていると考えられる。
Figure 2020042956
《結果》
上記表1に示されるように、実施例1〜8は比較例1に比して釘刺し試験の最高温度が低い。すなわち実施例1〜8は比較例1に比して外部入力時の発熱が抑制されていると考えられる。実施例1〜8では中間層13がCMCおよび無機フィラーの両方を含んでいる。比較例1では中間層13がCMCを含んでいない。
CMC含量が0.5質量%以上である実施例では、釘刺し試験の最高温度が低い傾向が認められる。CMC含量が40質量%以下である実施例では、高負荷充放電試験の抵抗増加率が低い傾向が認められる。
<実験2:加熱試験>
中間層13の構成要素の加熱試験が実施された。すなわち下記表2の参考例1〜4の試料が大気中で加熱され、加熱後の残存物の組成が確認された。
《試料》
参考例1はCMCのみからなる。
参考例2はPVdFのみからなる。
参考例3はCMCと無機フィラーとの混合物である。
参考例4はPVdFと無機フィラーとの混合物である。
《手順》
試験手順は次のとおりである。
大気中において所定量の試料が耐熱容器に入れられる。所定量は1〜5g程度である。耐熱容器はAl製である。耐熱容器に熱電対が取り付けられる。熱電対は例えばポリイミドテープ等により耐熱容器に固定されてもよい。熱電対により耐熱容器の温度が測定される。加熱炉内に耐熱容器が配置される。加熱炉は例えばマッフル炉等であってもよい。ただし以下の加熱条件が実現できる限り、加熱炉はマッフル炉に限定されるべきではない。
5℃/minの速度で、耐熱容器が室温(25℃程度)から450℃まで昇温される。耐熱容器の温度が450℃に到達した後、耐熱容器の温度が450℃で1時間維持される。その後、7.5℃/minの速度で、耐熱容器の温度が室温まで降温される。
各試料において、加熱試験前後の質量変化(すなわち加熱後質量残存率)、色変化および組成変化が確認された。組成変化はXRD(x−ray diffraction)により確認された。結果は下記表2に示される。
Figure 2020042956
上記表2に示されるように参考例3(CMCと無機フィラーとの混合物)では、CMCの加熱後質量残存率が実質的に0質量%であった。すなわち参考例3では、CMCが焼失していると考えられる。その他の参考例では、バインダ(CMCおよびPVdF)の炭化物が残存していた。
実験2の結果から、実験1(上記表1)の実施例1〜8において、釘刺し試験の最高温度が低い理由は、CMCが焼失しているためであると考えられる。実験1の比較例1において、釘刺し試験時の最高温度が高い理由は、PVdFが炭化しているためであると考えられる。
<実験3:CMCの重量平均分子量(Mw)>
《電池の製造》
実施例9〜14の電池100がそれぞれ製造された。各電池100は下記表3の中間層13を含む。実施例9〜14の相違点はCMCのMwにある。
《評価》
実験1と同様に高負荷充放電試験および釘刺し試験が実施された。結果は下記表3に示される。
Figure 2020042956
《結果》
上記表3に示されるように、CMCのMwが25万以上である実施例では、釘刺し試験の最高温度が低い傾向が認められる。CMCのMwが50万以下である実施例では、高負荷充放電試験の抵抗増加率が低い傾向が認められる。
<実験4:CMC以外の高分子化合物>
《電池の製造》
実施例15および16の電池100がそれぞれ製造された。各電池100は下記表4の中間層13を含む。下記表4に示されるように、実施例15および16の相違点は、CMC以外の高分子化合物(アクリル樹脂)の有無にある。
《評価》
実験1と同様に高負荷充放電試験および釘刺し試験が実施された。結果は下記表4に示される。
Figure 2020042956
《結果》
上記表4に示されるように、中間層13がCMC以外の高分子化合物を実質的に含まない実施例では、釘刺し試験の最高温度が低く、なおかつ高負荷充放電試験の抵抗増加率が低い傾向が認められる。
本開示の実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。特許請求の範囲の記載によって確定される技術的範囲は特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。
10 正極、11 正極集電体、12 正極活物質層、13 中間層、20 負極、21 負極集電体、22 負極活物質層、30 セパレータ、50 電極群、80 ケース、81 端子、100 電池(非水電解質二次電池)。

Claims (4)

  1. 正極、負極および電解質を少なくとも含み、
    前記正極は正極集電体、中間層および正極活物質層を含み、
    前記中間層は前記正極集電体と前記正極活物質層との間に配置されており、
    前記中間層はカルボキシメチルセルロース、導電材および無機フィラーを少なくとも含む、
    非水電解質二次電池。
  2. 前記カルボキシメチルセルロースは前記中間層に0.5質量%以上40質量%以下含まれている、
    請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記カルボキシメチルセルロースは25万以上50万以下の重量平均分子量を有する、
    請求項1または請求項2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記中間層は、前記カルボキシメチルセルロース以外の高分子化合物を実質的に含まない、
    請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
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