JP2020042190A - めっきレジスト用感光性樹脂組成物、ドライフィルムおよびプリント配線板の製造方法 - Google Patents

めっきレジスト用感光性樹脂組成物、ドライフィルムおよびプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】めっきレジストのニッケルめっき液への溶出やめっき析出速度低下についての抑止効果が十分であり、かつ、めっき処理後の剥離性が十分であり生産性の高いめっきレジスト用感光性樹脂組成物を提供する。【解決手段】ソルダーレジスト膜の形成後に導体パッド表面に無電解めっきにより下地めっき層を形成する構成のプリント配線板の、めっきレジスト形成に用いるめっきレジスト用感光性樹脂組成物であって、(A)アルカリ可溶性樹脂と、(B)光重合性モノマーと、(C)チタノセン系光重合開始剤とを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、めっきレジスト用感光性樹脂組成物、ドライフィルムおよびプリント配線板の製造方法に関する。
近年、モバイル機器などに代表される携帯情報通信端末は、その使用用途から軽量でコンパクトな商品が好まれている。そのため、このような携帯情報通信端末の内部に使用されているプリント配線板では、部品実装数の増加や多品種化が進行し、一枚のプリント配線板の中で多様な部品接続ができることが求められている。
これに対し従来、部品が接続される導体パッドにおいて、はんだめっき処理やニッケル/金めっき処理などの表面処理を部分的に施す方法が提案されている(特許文献1参照)。この特許文献によれば、めっきレジストを部分的に形成することにより、ニッケル/金めっき処理をする箇所と、しない箇所とを任意に選択することができ、多様な部品接続が可能となる。
一方で、部分的にニッケル/金めっき処理を行う技術では、主に露光・現像タイプのめっきレジストが用いられ、かかるめっきレジストでは、生産性の問題や剥離性の問題、さらにはニッケルめっき液への溶出の問題がある旨が、特許文献1に記載されている。
これに対し、この特許文献では、熱硬化型または紫外線硬化型のめっきレジストを使用し、短い工程数かつ製造時間で処理する方法を提案し、かかる問題を解決している。
特開2007−12735号公報
そこで本発明は、露光・現像タイプのめっきレジストであっても、ニッケルめっき液への溶出やめっき析出速度低下についての抑止効果が十分であり、かつ、めっき処理後の剥離性が十分であり生産性の高いめっきレジスト用感光性樹脂組成物を提供することを主たる目的とする。
また、本発明の他の目的は、上記めっきレジスト用感光性樹脂組成物を用いたドライフィルムおよびプリント配線板の製造方法を提供することにある。
発明者らは、ニッケルめっき液への溶出成分がめっきレジスト中の光重合開始剤であることを突き止め、上記目的実現に向け鋭意検討を行った。その結果、光重合開始剤としてチタノセン系光重合開始剤を用いることで、めっきレジスト成分のニッケルめっき液への溶出やめっき析出速度低下についての十分な抑止効果と、めっき処理後の十分な剥離性の両立が図れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のめっきレジスト用感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性樹脂と、(B)光重合性モノマーと、(C)チタノセン系光重合開始剤と、を含むことを特徴とするものである。
本発明のめっきレジスト用感光性樹脂組成物は、さらに、(D)チタノセン系光重合開始剤(C)を除く光重合開始剤を含むことが望ましく、また、その配合量が、前記(B)光重合性モノマーに対し、2質量%以下であることが望ましく、さらにまた、前記(D)チタノセン系光重合開始剤(C)を除く光重合開始剤が、オキシムエステル系光重合開始剤であることが望ましい。
本発明のドライフィルムは、フィルム上に前記めっきレジスト用感光性樹脂組成物からなる樹脂層を形成してなるものである。
本発明のプリント配線板の製造方法は、導体回路または導体回路上にソルダーレジストを有するプリント配線基板上に、前記めっきレジスト用感光性樹脂組成物または前記ドライフィルムの樹脂層からなる被膜を形成する工程、前記被膜に光照射部と光未照射部を設ける工程、現像液により前記被膜の光未照射部を除去して導体回路を露出する工程、前記露出した導体回路にめっき処理を施した後、剥離液により前記被膜の光照射部を除去する工程、を有するものである。
本発明によれば、露光・現像タイプのめっきレジストであっても、めっきレジスト成分のニッケルめっき液への溶出やめっき析出速度低下についての抑止効果が高く、かつ、めっき処理後の剥離性が高い、生産性の高いめっきレジスト用感光性樹脂組成物を提供することができる。
本発明のめっきレジスト用感光性樹脂組成物は、光重合開始剤としてチタノセン系光重合開始剤を用いた点に最大の特徴を有する。
発明者らは、めっき浴汚染の原因成分が光重合開始剤であることを突き止め、分子量が影響していること、特に自己開裂型の光重合開始剤では、光照射によって低分子量化することで、めっき液への溶出が促進されると推察し、光重合開始剤としてチタノセン系光重合開始剤を用いることを見出した。すなわち、分子量が比較的大きく、非自己開裂型(フォトブリーチング型)の光重合開始剤であるチタノセン系光重合開始剤を用いることで、露光・現像タイプのめっきレジストであっても、ニッケルめっき液への溶出やめっき析出速度低下についての抑止効果と、めっき処理後の十分な剥離性との両立を図ることが可能となる。
また、本発明においては、少量でも光硬化性が得られるオキシムエステル系光重合開始剤をさらに特定量組合せて配合することで、塗膜表面の光硬化性の観点からチタノセン系光重合開始剤の機能を補うことができ、上述した効果をさらに優れたものにすることができる。
次に、本発明のめっきレジスト用感光性樹脂組成物の各成分について説明する。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物を総称する用語であり、他の類似の表現についても同様である。
[(A)アルカリ可溶性樹脂]
(A)アルカリ可溶性樹脂としては、分子中にカルボキシル基を有している従来公知の 各種カルボキシル基含有樹脂を使用できる。めっきレジスト用感光性樹脂組成物が、(A)アルカリ可溶性樹脂を含むことにより、めっきレジスト用感光性樹脂組成物のアルカリ剥離性を向上することができる。また、(A)アルカリ可溶性樹脂は、分子中にエチレン性不飽和二重結合を有してもよく、エチレン性不飽和二重結合を有することにより、めっきレジスト用感光性樹脂組成物の光硬化性が向上し、めっき耐性を向上することができる。
(A)アルカリ可溶性樹脂の具体例としては、以下のような化合物(オリゴマー及びポリマーのいずれでもよい)を挙げることができる。
(1)(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、低級アルキル(メタ)アクリレート、イソブチレン等の不飽和基含有化合物との共重合により得られるカルボキシル基含有樹脂。
(2)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のカルボキシル基含有ジアルコール化合物及びポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基及びアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(3)ジイソシアネートと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートもしくはその部分酸無水物変性物、カルボキシル基含有ジアルコール化合物及びジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂。
(4)前記(2)又は(3)の樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子内に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂。
(5)前記(2)又は(3)の樹脂の合成中に、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物など、分子内に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂。
(6)2官能又はそれ以上の多官能(固形)エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂。
(7)2官能(固形)エポキシ樹脂の水酸基をさらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂。
(8)2官能オキセタン樹脂にアジピン酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等のジカルボン酸を反応させ、生じた1級の水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有ポリエステル樹脂。
(9)1分子中に複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物に、p−ヒドロキシフェネチルアルコール等の1分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と1個のフェノール性水酸基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸等の不飽和基含有モノカルボン酸とを反応させ、得られた反応生成物のアルコール性水酸基に対して、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、アジピン酸等の多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(10)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドとを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(11)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート化合物とを反応させて得られる反応生物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(12)前記(1)〜(11)の樹脂にさらに1分子内に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(A)アルカリ可溶性樹脂の酸価は、20〜400mgKOH/gであることが好ましい。(A)アルカリ可溶性樹脂の酸価が20mgKOH/g以上とすることにより、アルカリ現像性と剥離性が向上する。また、酸価を400mgKOH/gを以下とすることで、めっき液の被膜への浸透を抑制することができる。より好ましくは80〜300mgKOH/g、さらにより好ましくは100〜250mgKOH/gである。
(A)アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、一般的に5000〜150000であることが好ましい。重量平均分子量が5000以上とすることにより、被膜強度を向上させることができる。また、重量平均分子量が150000以下とすることで、アルカリ現像性や剥離性を向上させることができる。より好ましくは10000〜120000、さらにより好ましくは、20000〜100000である。
(A)アルカリ可溶性樹脂の配合量は、感光性樹脂組成物中において、固形分換算で、10〜90質量%であることが好ましい。10質量%以上とすることにより塗布性や被膜強度、アルカリ現像性や剥離性を向上させることができる。また90質量%以下とすることでめっき耐性が向上する。より好ましくは20〜80質量%、さらにより好ましくは、30〜70質量%である。
これら(A)アルカリ可溶性樹脂は、前記列挙したものに限らず使用することができ、1種類を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよいが、めっき処理中における密着性やめっき処理後の剥離性のバランスの観点から(1)の化合物を含むことが好ましい。
[(B)光重合性モノマー]
本発明のめっきレジスト用感光性樹脂組成物は光重合性モノマーを含む。光重合性モノマーは、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物である。このような光重合性モノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のアルキレンオキシド誘導体のモノまたはジ(メタ)アクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート等の多価アルコールまたはこれらのエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の多価(メタ)アクリレート類;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのポリエトキシジ(メタ)アクリレート等のフェノール類のエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリジジルエーテルの(メタ)アクリレート類;およびメラミン(メタ)アクリレートが挙げられる。
光重合性モノマーは、前記列挙したものに限らず公知慣用のものをいずれも使用することができ、1種類を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよいが、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートのいずれか1種以上を含むことが好ましく、これら3種類すべてを含むことがより好ましい。エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートおよびポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを含むことで金めっき処理における密着性と剥離性が、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートを含むことで金めっき処理への耐性が向上する。
光重合性モノマーの含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜60質量部の割合である。配合量が、1質量部以上の場合、光硬化性が良好であり、活性エネルギー線照射後のアルカリ現像において、パターン形成がしやすい。一方、60質量部以下の場合、ハレーションが生じにくく良好な解像性が得られる。より好ましくは10〜50質量部の割合である。
[(C)チタノセン系光重合開始剤]
本発明のめっきレジスト用感光性樹脂組成物は、(C)チタノセン系光重合開始剤を含有する。チタノセン系光重合開始剤(C) としては、ビス( シクロペンタジエニル)−ジ−クロロ−チタニウム、ビス( シクロペンタジエニル)−ジ−フェニル−チタニウム、ビス( シクロペンタジエニル)−ビス( 2,3,4,5,6ペンタフルオロフェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6ジフルオロフェニル)チタニウム、ビス( η5−シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムなどが挙げられ、これらの中で、下記式( 1 )
Figure 2020042190
で示されるビス(η5−シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムが光硬化性、供給体制の面から好ましい。チタノセン系光重合開始剤は、前記列挙したものに限らず公知慣用のものをいずれも使用することができ、1種類を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらチタノセン系光重合開始剤(C)の配合量は、(B)光重合性モノマー100質量部に対して、好ましくは0.1〜2.0質量部の割合である。配合量が、0.1質量部以上の場合、光硬化性が向上し、形状が良好である。一方、2.0質量部以下の場合、形状と剥離性のバランスが良好である。より好ましくは0.2〜1.0質量部の割合である。
[(D)チタノセン系光重合開始剤(C)を除く光重合開始剤]
本発明のめっきレジスト用感光性樹脂組成物は(C)チタノセン系光重合開始剤とともに、(D)チタノセン系光重合開始剤(C)を除く光重合開始剤を併用することができる。(D)チタノセン系光重合開始剤(C)を除く光重合開始剤は、公知慣用のものをいずれも使用することができ、1種類を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよいが、少量でも、チタノセン系光重合開始剤を塗膜表面の光硬化性の観点から補うことができるとの理由からオキシム系光重合開始剤が好ましい。
オキシムエステル系光重合開始剤としては、(B)光重合開始剤としては、具体的には例えば、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイド類;2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィン酸メチルエステル、2−メチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のモノアシルフォスフィンオキサイド類;フェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィン酸エチル、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のヒドロキシアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾインアルキルエーテル類;ベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類;チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アントラキノン、クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、p−ジメチル安息香酸エチルエステル等の安息香酸エステル類;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル類;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(2−(1−ピル−1−イル)エチル)フェニル]チタニウム等のチタノセン類;フェニルジスルフィド2−ニトロフルオレン、ブチロイン、アニソインエチルエーテル、アゾビスイソブチロニトリル、テトラメチルチウラムジスルフィド等を挙げることができる。オキシムエステル系光重合開始剤は、前記列挙したものに限らず公知慣用のものをいずれも使用することができ、1種類を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(D)チタノセン系光重合開始剤(C)を除く光重合開始剤の配合量は、(B)光重合性モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部であることが好ましい。0.1質量部以上の場合、樹脂組成物の光硬化性が良好となり、めっき液等の耐薬品性が向上する。一方、15質量部以下の場合、めっき液の汚染やアウトガスの低減効果が得られ、さらにめっきレジスト塗膜表面での光吸収が良好となり、深部硬化性が低下しにくい。より好ましくは0.2〜10質量部、さらにより好ましくは0.3〜5質量部である。中でも、オキシムエステル系光重合開始剤は少量で、上記効果を得ることができるため好ましく、オキシムエステル系光重合開始剤の配合量は、(B)光重合性モノマー100質量部に対して、0.3〜2.0質量部とすることが好ましい。
[その他の添加成分]
本発明のめっきレジスト用感光性樹脂組成物には、本発明の効果が阻害されない範囲においてさらに、光開始助剤、増感剤、熱硬化成分、熱硬化触媒、シアネート化合物、エラストマー、メルカプト化合物、ウレタン化触媒、チキソ化剤、密着促進剤、ブロック共重合体、連鎖移動剤、重合禁止剤、銅害防止剤、酸化防止剤、防錆剤、硫酸バリウム、シリカ、タルク、酸化チタン、金属酸化物、金属水酸化物等の無機充填剤、顔料、染料等の着色剤、微粉シリカ、有機ベントナイト、モンモリロナイト等の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤および/またはレベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系等のシランカップリング剤、ホスフィン酸塩、燐酸エステル誘導体、フォスファゼン化合物等のリン化合物等の難燃剤などの成分を配合することができる。これらは、電子材料の分野において公知の物を使用することができる。
感光性樹脂組成物における着色剤の含有量は特に限定されるものではないが、固形分換算で、(A)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、0.1〜5.0質量部とすることができる。
本発明のめっきレジスト用感光性樹脂組成物には、組成物の調製や、基板やフィルムに塗布する際の粘度調整等の目的で、有機溶剤を含有させることができる。有機溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン等のエステル類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤など、公知慣用の有機溶剤が使用できる。これらの有機溶剤は、1種類を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
有機溶剤の揮発乾燥は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブン等(蒸気による空気加熱方式の熱源を備えたものを用い乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方法およびノズルより支持体に吹き付ける方式)を用いて行うことができる。
感光性樹脂組成物における有機溶剤の含有量は、感光性樹脂組成物を構成する材料に応じ適宜変更することが好ましいが、例えば、固形分換算で、(A)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して50〜300質量部とすることができる。
本発明のめっきレジスト用感光性樹脂組成物は、ドライフィルム化して用いても液状として用いてもよい。また、液状として用いる場合は、1液性でも2液性以上でもよい。
(ドライフィルム)
本発明のめっきレジスト用感光性樹脂組成物は、支持(キャリア)フィルムと、この支持フィルム上に形成された上記めっきレジスト用感光性樹脂組成物からなる樹脂層とを備えたドライフィルムの形態とすることもできる。ドライフィルム化に際しては、本発明のめっきレジスト用感光性樹脂組成物を上記有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整し、コンマコーター、ブレードコーター、リップコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、リバースコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、スプレーコーター等でキャリアフィルム上に均一な厚さに塗布し、通常、50〜130℃の温度で1〜30分間乾燥して膜を得ることができる。塗布膜厚については特に制限はないが、一般に、乾燥後の膜厚で、1〜150μm、好ましくは10〜60μmの範囲で適宜選択される。
支持フィルムとしては、プラスチックフィルムが用いられ、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等のプラスチックフィルムを用いることが好ましい。支持フィルムの厚さについては特に制限はないが、一般に、10〜150μmの範囲で適宜選択される。
支持フィルムとしては、公知のものであれば特に制限なく使用することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等の熱可塑性樹脂からなるフィルムを好適に使用することができる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度、取扱性等の観点から、ポリエステルフィルムが好ましい。また、これらフィルムの積層体を支持フィルムとして使用することもできる。
また、上記したような熱可塑性樹脂フィルムは、機械的強度向上の観点から、一軸方向または二軸方向に延伸されたフィルムであることが好ましい。
支持フィルムの厚さは、特に制限されるものではないが、例えば、10μm〜150μmとすることができる。
支持フィルム上に本発明のめっきレジスト用感光性樹脂組成物の樹脂層を形成した後、さらに、樹脂層の表面に塵が付着するのを防ぐなどの目的で、樹脂層の表面に剥離可能な保護(カバー)フィルムを積層することが好ましい。剥離可能な保護フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、表面処理した紙等を用いることができ、保護フィルムを剥離するときに樹脂層と支持フィルムとの接着力よりも樹脂層と保護フィルムとの接着力がより小さいものであればよい。
保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、10μm〜150μmとすることができる。
なお、本発明においては、上記保護フィルム上に本発明のめっきレジスト用感光性樹脂組成物を塗布、乾燥させることにより樹脂層を形成して、その表面に支持フィルムを積層するものであってもよい。すなわち、本発明においてドライフィルムを製造する際に本発明のめっきレジスト用感光性樹脂組成物を塗布するフィルムとしては、支持フィルムおよび保護フィルムのいずれを用いてもよい。
(硬化物)
本発明の硬化物は、上記本発明のめっきレジスト用感光性樹脂組成物、または、上記本発明のドライフィルムの樹脂層を硬化して得られるものであり、めっきレジストのニッケルめっき液への溶出やめっき析出速度低下についての抑止効果が高く、かつ、めっき処理後の剥離性が高いとの特性を有する。
(プリント配線板)
本発明のプリント配線板は、本発明のめっきレジスト用感光性樹脂組成物またはドライフィルムの樹脂層から得られる硬化物を有するものである。本発明のプリント配線板の製造方法としては、例えば、本発明のめっきレジスト用感光性樹脂組成物を、上記有機溶剤を用いて塗布方法に適した粘度に調整して、基材上に、ディップコート法、フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法、カーテンコート法等の方法により塗布した後、60〜100℃の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥(仮乾燥)させることで、タックフリーの樹脂層を形成する。また、ドライフィルムの場合、ラミネーター等により樹脂層が基材と接触するように基材上に貼り合わせた後、キャリアフィルムを剥がすことにより、基材上に樹脂層を形成する。
上記基材としては、あらかじめ銅等の回路や回路上にソルダーレジスト等の保護膜が形成されたプリント配線板やフレキシブルプリント配線板の他、紙フェノール、紙エポキシ、ガラス布エポキシ、ガラスポリイミド、ガラス布/不繊布エポキシ、ガラス布/紙エポキシ、合成繊維エポキシ等の材質からなる銅張積層板、フッ素樹脂・ポリエチレン・ポリフェニレンエーテル,ポリフェニレンオキシド・シアネート等の高周波回路用の材質からなる銅張積層板、その他、金属基板、ポリイミドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ガラス基板、セラミック基板、ウエハ板等を挙げることができる。
ドライフィルムの基材上への貼合は、真空ラミネーター等を用いて、加圧および加熱下で行うことが好ましい。このような真空ラミネーターを使用することにより、回路形成された基板を用いた場合に、回路基板表面に凹凸があっても、ドライフィルムが回路基板に密着するため、気泡の混入がなく、また、基板表面の凹部の穴埋め性も向上する。加圧条件は、0.1〜2.0MPa程度であることが好ましく、また、加熱条件は、40〜140℃であることが好ましい。
本発明のめっきレジスト用感光性樹脂組成物を塗布した後に行う揮発乾燥は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブン等(蒸気による空気加熱方式の熱源を備えたものを用いて乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方法およびノズルより支持体に吹き付ける方式)を用いて行うことができる。
基材上に樹脂層を形成後、所定のパターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光し、未露光部を希アルカリ水溶液(例えば、0.3〜3質量%炭酸ソーダ水溶液)により現像して硬化物のパターンを形成する。ドライフィルムの場合には、露光後、ドライフィルムから支持フィルムを剥離して現像を行うことにより、基材上にパターニングされた硬化物を形成する。なお、特性を損なわない範囲であれば、露光前にドライフィルムから支持フィルムを剥離して、露出した樹脂層を露光および現像しても良い。
上記活性エネルギー線照射に用いられる露光機としては、高圧水銀灯ランプ、超高圧水銀灯ランプ、メタルハライドランプ、水銀ショートアークランプ等を搭載し、350〜450nmの範囲で紫外線を照射する装置であればよく、さらに、直接描画装置(例えば、コンピューターからのCADデータにより直接レーザーで画像を描くレーザーダイレクトイメージング装置)も用いることができる。直描機のランプ光源またはレーザー光源としては、最大波長が350〜450nmの範囲にあるものでよい。画像形成のための露光量は膜厚等によって異なるが、一般には10〜1000mJ/cm、好ましくは20〜800mJ/cmの範囲内とすることができる。
上記現像方法としては、ディッピング法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法等によることができ、現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類等のアルカリ水溶液が使用できる。
次いで、めっき処理を行う。ここでのめっき処理は、無電解ニッケル/ 金めっき処理、無電解ニッケル/パラジウム/金めっき処理、電解ニッケル/ 金めっき処理、無電解銅めっきおよび電解銅めっきの何れも使用できるが、特に多品種の部品を高密度に実装するプリント配線板にニッケル/ 金めっき処理する際には、無電解ニッケル/ 金めっき処理や無電解ニッケル/パラジウム/金めっき処理が好適に使用される。
無電解ニッケル/ 金めっき処理は、例えば次のような条件の下に行なわれる。始めに、前記めっきレジスト の硬化が終了したプリント配線板を主に洗浄する目的で、脱脂、水洗、酸洗、ソフトエッチング、水洗を順に行なう。次いで、触媒を表面に処理した後に、90℃のニッケルめっき液の浴槽に投入し、1μmあたり3〜5分のめっき速度にて5 μm程度の無電解ニッケルめっきを付着させる。次いで、水洗後に90 ℃程度の金めっき液の浴槽に投入し、0.03μm程度の無電解金めっきを3〜5 分のめっき速度にて付着させる。ここで、本発明のめっきレジストは、ニッケルめっき液への溶出やめっき析出速度低下についての抑止効果が高く、めっき液を汚染することはない。
次いで、めっきレジストを、例えば約3%の水酸化ナトリウム水溶液を使用して剥離する。ここでも、本発明のめっきレジストは、めっき処理後の剥離性が高く、剥離作業が容易となる。
以下に実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。尚、以下において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
((A)アルカリ可溶性樹脂A−1の合成)
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた2リットル容セパラブルフラスコに、ジエチレングリコールジメチルエーテル900g、およびt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(日本油脂(株)製パーブチルO)21.4gを仕込み、90℃に昇温後、メタクリル酸309.9g、メタクリル酸メチル116.4g、及び一般式(I)で示されるラクトン変性2−ヒドロキシエチルメタクリレート(ダイセル化学工業(株)製プラクセルFM1)109.8gをビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(日本油脂(株)製パーロイルTCP)21.4gと共にジエチレングリコールジメチルエーテル中に3時間かけて滴下し、さらに6時間熟成することによってカルボキシル基含有共重合樹脂溶液を得た。反応は、窒素雰囲気下で行った。
次に上記カルボキシル基含有共重合樹脂溶液に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート(ダイセル化学(株)製サイクロマーA200)363.9g、ジメチルベンジルアミン3.6g、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.80gを加え、100℃に昇温し、撹拌することによってエポキシの開環付加反応を行った。16時間後、固形分酸価=108.9mgKOH/g、重量平均分子量=25,000(スチレン換算)のカルボキシル基含有共重合樹脂を、53.8%(不揮発分)含む溶液を得た。
(実施例1〜4および比較例1〜3)
上記で合成した(A)末端不飽和基を有するアルカリ可溶性樹脂A−1 100質量部に対して、(B)光重合性モノマー、(C)チタノセン系光重合開始剤、(D)チタノセン系光重合開始剤(C)を除く光重合開始剤、青色顔料および染料を表1に記載の配合量に従い配合して、実施例1〜4および比較例1〜3の感光性樹脂組成物を調整した。なお、表1中の配合量はすべて固形物換算の数値である。
このようにして調製した実施例1〜4および比較例1〜3の感光性樹脂組成物について、感度評価、解像性評価および無電解金めっき耐性評価により光硬化性の評価を、ニッケル液への溶出量評価およびリーチング評価によりニッケルめっき液への溶出やめっき析出速度の評価を、剥離性評価によって剥離性の評価を行った。これらの評価結果を表1に併せて示す。
(感度評価)
各実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を、銅べた基板上に、乾燥膜厚が10μmになるようにスクリーン印刷で全面塗布し、80℃の熱風循環乾燥炉内で30分乾燥した。乾燥後の塗膜にStouffer社製T4105Cのステップタブレットをのせて、オーク製作所社製メタルハライドランプで70mJ/cmの露光を行い、30℃で1質量%の炭酸ナトリウム水溶液を90秒間スプレーすることにより未露光部分を除去することで感度評価基板を作製した。感光性樹脂組成物の光感度は、感度評価基板上に形成された光硬化膜のステップタブレットの段数を測定することにより評価した。(このステップタブレットの段数が高いほど光感度が高いことを示している。)
(解像性評価)
各実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を、パターン形成された銅箔基板上に、乾燥膜厚が10μmになるようにスクリーン印刷で全面塗布し、80℃の熱風循環乾燥炉内で30分乾燥した。乾燥後、所定のフォトマスク(ライン30μm〜100μmのもの)を介して、オーク製作所社製メタルハライドランプ40mJ/cmの露光を行い、30℃で1質量%の炭酸ナトリウム水溶液を90秒間スプレーすることにより未露光部分を除去することで解像性評価基板を作製した。感光性樹脂組成物の解像性は、解像性評価基板の露光部のラインの残存の状態を目視にて判定した。評価基準は以下の通りとした。
○:すべてのラインが残存した。
△:40μm〜100μmのラインが残存した。
×:ラインが残存しなかった。
(無電解金めっき耐性評価)
上述の解像性評価基板と同じ条件で作製した各基板を市販の無電解ニッケルめっき浴及び無電解金めっき浴を用いて、ニッケル0.5μm、金0.03μmの条件でめっき処理を行い、金めっき耐性評価基板を作製した。感光性樹脂組成物の金めっき耐性は、金めっき耐性評価基板の感光性樹脂組成物をテープピーリングし、硬化塗膜の剥がれの有無やめっきのしみ込みの有無を評価した。評価基準は以下の通りとした。
○:剥がれやしみ込みが全くない。
△:ほんの僅かに剥がれやしみ込みがある。
×:硬化塗膜に剥がれやしみ込みがある。
(ニッケル液への溶出量評価)
各実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を、銅板上に、乾燥膜厚が10μmになるようにスクリーン印刷で全面塗布し、80℃の熱風循環乾燥炉内で30分乾燥した。乾燥後、オーク製作所社製メタルハライドランプで40mJ/cmの全面露光を行い、30℃で1質量%の炭酸ナトリウム水溶液を90秒間スプレーすることで溶出量評価用基板を作製した。各溶出量評価用基板をニッケルめっき液に0.3m/l、90℃の条件で6時間浸漬させ、塗膜から溶出成分を溶出させることで、溶出評価用めっき液を作製した。各溶出評価用めっき液をクロロホルムで抽出し、GC−MSにて溶出成分の定量を行った。溶出量が多いほど、めっきの析出スピードが低下することになる。
(リーチング評価)
上述の各溶出評価用めっき液を用いて、銅べた基板に80℃時間30分間の処理条件でニッケルめっきを行い、めっきの厚みを測定する。めっきの厚みが厚いほどめっき析出スピードが低下していないことになる。評価基準は以下の通りとした。
◎:めっき厚み6μm以上。
〇:めっき厚み4μm以上。
×:めっき厚み4μm未満。
(剥離性評価)
上述の解像性評価基板と同じ条件で作製した各基板を50℃の3%の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、各試料の基板から塗膜が完全に剥離するまでの時間を測定した。評価基準は以下の通りとした。
◎:120秒以内。
○:180秒以内。
△:240秒以内。
×:240秒超。
Figure 2020042190
(*1):前記方法で合成したアルカリ可溶性樹脂A−1
(*2):新中村化学工業株式会社製 BPE−1300N
(*3):新中村化学工業株式会社製 TMPT
(*4):新中村化学工業株式会社製 4G
(*5):BASFジャパン株式会社製 Irgacure 784
(*6):BASFジャパン株式会社製 Irgacure OXE02
(*7):黒金化成株式会社製 ビイミダゾール(2,2’−ビス(o−クロロフェニ ル)−4,5,4’,5’,−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール)
(*8):BASFジャパン株式会社製 Irgacure 369
(*9):BASFジャパン株式会社製 Irgacure TPO
(*10):B5380
(*11):ロイコクリスタルバイオレッド
本発明によれば、めっきレジストのニッケルめっき液への溶出やめっき析出速度低下についての抑止効果が高く、かつ、めっき処理後の剥離性が高い、生産性の高いめっきレジスト用感光性樹脂組成物、ドライフィルムおよびプリント配線板の製造方法を提供することができる。

Claims (6)

  1. (A)アルカリ可溶性樹脂と、
    (B)光重合性モノマーと、
    (C)チタノセン系光重合開始剤と、
    を含むことを特徴とするめっきレジスト用感光性樹脂組成物。
  2. さらに、(D)チタノセン系光重合開始剤(C)を除く光重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1に記載のめっきレジスト用感光性樹脂組成物。
  3. 前記(D)チタノセン系光重合開始剤(C)を除く光重合開始剤の配合量が、前記(B)光重合性モノマーに対し、2質量%以下である請求項2に記載のめっきレジスト用感光性樹脂組成物。
  4. 前記(D)チタノセン系光重合開始剤(C)を除く光重合開始剤が、オキシムエステル系光重合開始剤であることを特徴とする請求項2または3に記載のめっきレジスト用感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のめっきレジスト用感光性樹脂組成物を、フィルム上に塗布、乾燥させてなる樹脂層を有するドライフィルム。
  6. 導体回路または導体回路上にソルダーレジストを有するプリント配線基板上に請求項1〜5のいずれか一項に記載のめっきレジスト用感光性樹脂組成物またはドライフィルムの樹脂層からなる被膜を形成する工程、
    前記被膜に光照射部と光未照射部を設ける工程、
    現像液により前記被膜の光未照射部を除去して導体回路を露出する工程、
    前記露出した導体回路にめっき処理を施した後、剥離液により前記被膜の光照射部を除去する工程、
    を有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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