JP2020042178A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
一般式(1):
(一般式(1)中、R1、R2は同一または異なって、置換基を有してもよい1価の炭化水素基を示す。)
一般式(2):
(一般式(2)中、R3、R4は同一または異なって、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基またはニトロ基を示す。nは0〜3の整数を表わす。)
一般式(3):
(一般式(3)中、R5、R6は同一または異なって、置換基を有してもよい1価の炭化水素基を示す。)
一般式(4):
(一般式(4)中、R7、R8、R9、R10は同一または異なって、水素原子、あるいは置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基、アミノ基を示す。)
<1> 導電性基体、及び、前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層を有し、前記感光層が、下記式(1)で表される樹脂及び下記式(2)で表される樹脂を含む結着樹脂と、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料よりなる群から選択される少なくとも1種の電荷発生材料と、正孔輸送材料と、電子輸送材料とを含有する電子写真感光体。
<4> 前記感光層のヤング率が、3.5GPa以上4.6GPa以下である<1>又は<3>に記載の電子写真感光体。
<5> 前記電子輸送材料が、下記式(3)で表される化合物である<1>乃至<4>のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
<7> 前記式(3)で表される化合物が、下記式(3−1)で表される化合物である<5>又は<6>に記載の電子写真感光体。
<10> 前記正孔輸送材料が、下記式(B−1)で表される化合物を含む<1>乃至<9>のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
<12> <1>乃至<10>のいずれか1つに記載の電子写真感光体を少なくとも備える画像形成装置。
<13> <1>乃至<10>のいずれか1つに記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤を収納し、前記現像剤によって、前記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナー像に現像する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、を備える画像形成装置。
請求項2に係る発明によれば、前記結着樹脂の含有量Rが、45質量%未満である場合に比べて、点欠陥のより少ない画像が得られる画像形成装置が提供される。
<3>に係る発明によれば、前記感光層における前記式(1)で表される樹脂及び前記式(2)で表される樹脂の総含有量に対する前記式(1)で表される樹脂の含有量が、質量比で、0.45未満であるか、又は、0.60を超える場合に比べて、色点発生の抑制性により優れる電子写真感光体が提供される。
<4>に係る発明によれば、前記感光層のヤング率が、3.5GPa未満であるか、又は、4.6GPaを超える場合に比べて、色点発生の抑制性により優れる電子写真感光体が提供される。
<5>に係る発明によれば、前記電子輸送材料が、フルオレノン化合物である場合に比べて、より高感度であり、色点発生の抑制性により優れる電子写真感光体が提供される。
<6>又は<7>に係る発明によれば、Rt1乃至Rt4が同じ基である場合に比べて、より高感度であり、色点発生の抑制性により優れる電子写真感光体が提供される。
<8>に係る発明によれば、前記感光層が、前記結着樹脂、前記電荷発生材料、正孔輸送材料及び電子輸送材料のみを含有する場合に比べて、色点発生の抑制性により優れる電子写真感光体が提供される。
<9>に係る発明によれば、前記電荷発生材料が、クロロガリウムフタロシアニン顔料である場合に比べて、より高感度である電子写真感光体が提供される。
<10>に係る発明によれば、前記正孔輸送材料が、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、又は、ヒドラゾン系化合物である場合に比べて、より高感度である電子写真感光体が提供される。
<11>、<12>又は<13>に係る発明によれば、前記感光層の結着樹脂として1種類の樹脂のみを含むか、又は、前記感光層の電荷発生材料として、チタニルフタロシアニンのみを含む場合に比べ、高感度であり、色点発生の抑制性に優れる電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジ又は画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る電子写真感光体の第一の実施態様は、導電性基体、及び、前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層を有し、前記感光層が、下記式(1)で表される樹脂及び下記式(2)で表される樹脂を含む結着樹脂と、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料よりなる群から選択される少なくとも1種の電荷発生材料と、正孔輸送材料と、電子輸送材料とを含有する。
また、本実施形態において、「電子写真感光体」を単に「感光体」ともいう。
電荷発生材料の分散状態は結着樹脂との相互作用で大きく変化するため、結着樹脂の種類によっては、電荷発生材料の分散状態を良化させるが、機械物性が強固になり、感光体表面上に付着する放電生成物や紙紛が十分除去されず、付着物とトナーが吸着することに由来する色点発生が引き起こされる場合がある。
式(1)で表される樹脂及び式(2)で表される樹脂と組み合わせる、又は、式(2)で表される樹脂を含む2種以上の樹脂を結着樹脂として用い、かつ感光層のヤング率が、3.5GPa以上4.6GPa以下とすることにより、上記特定の電荷発生材料の分散状態と感光層の機械物性とが制御される。
電荷発生材料の分散状態が向上すると、電荷発生材料の比表面積が向上するため、感光層の吸光度が向上する。すると波長780nmの光の感光層への侵入深さが浅くなる。感光体において、この進入深さは光により感光層中で発生した電子の移動距離に相当する(即ち電子の輸送特性に相当する。)。よって、感光層中の電荷発生領域が浅くなって、感光層の表層側で電荷が発生し易くなり、電子輸送能が高まると考えられる。これにより、光除電後、帯電までの間に、光除電により感光層中で発生した電子が移動しきって、残留電荷となることが抑制され、感度に優れるとともに、色点発生が抑制されると推定される。
図1は、本実施形態に係る感光体7の一部の断面を概略的に示している。図1に示した感光体7は、導電性基体1を備え、導電性基体1上に単層型感光層2が配置されている。感光体7は、必要に応じてその他の層を備えていてもよく、例えば、導電性基体1と単層型感光層2との間に下引層が配置されていてもよい。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1×1013Ωcm未満であることをいう。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
本実施形態において単層型感光層は、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、電子輸送材料とを含有する。
本実施形態に係る電子写真感光体の第一の実施態様は、前記感光層が、下記式(1)で表される樹脂及び下記式(2)で表される樹脂を含む結着樹脂を含有する。
また、本実施形態に係る電子写真感光体の第二の実施態様は、前記感光層が、2種以上の樹脂を含む結着樹脂を含有し、前記結着樹脂が、下記式(2)で表される樹脂を含み、前記感光層のヤング率が、3.5GPa以上4.6GPa以下である。
前記L1及びL2における二価の炭化水素基は、直鎖状であっても、分岐を有していても、環構造を有していてもよく、炭素数1以上18以下の二価の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1以上13以下の二価の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数3以上9以下の二価の炭化水素基であることが特に好ましい。
また、前記L1及びL2における二価の炭化水素基は、置換基を有していてもよい。前記置換基としては、ハロゲン原子が好ましく挙げられ、フッ素原子、又は、塩素原子がより好ましく挙げられる。
更に、前記L1及びL2における二価の炭化水素基は、芳香環を有していてもよいし、有していなくともよいが、芳香環を有していないこと、すなわち、二価の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
前記L1及びL2における二価の炭化水素基として、具体的には、2,2−プロパンジイル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロパンジイル基、1−フェニル−1,1−エタンジイル基、2,2−ブタンジイル基、ジフェニルメチレン基、2,2−ジクロロ−1,1−エテンジイル基、1,1−エタンジイル基、メチレン基、−C(CH3)2−(1,3−フェニレン基)−C(CH3)2−、−C(CH3)2−(1,4−フェニレン基)−C(CH3)2−、3,3,5−トリメチル−1,1−シクロヘキサンジイル基、1,1−シクロヘキサンジイル基が好ましく挙げられる。
式(1)におけるL1はそれぞれ独立に、色点発生抑制の観点から、2,2−プロパンジイル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロパンジイル基、1−フェニル−1,1−エタンジイル基、2,2−ブタンジイル基、ジフェニルメチレン基、2,2−ジクロロ−1,1−エテンジイル基、1,1−エタンジイル基、メチレン基、−C(CH3)2−(1,3−フェニレン基)−C(CH3)2−、−C(CH3)2−(1,4−フェニレン基)−C(CH3)2−、3,3,5−トリメチル−1,1−シクロヘキサンジイル基、1,1−シクロヘキサンジイル基、又は、スルホニル基(−SO2−)であることが好ましく、2,2−プロパンジイル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロパンジイル基、1−フェニル−1,1−エタンジイル基、2,2−ブタンジイル基、ジフェニルメチレン基、2,2−ジクロロ−1,1−エテンジイル基、1,1−エタンジイル基、メチレン基、3,3,5−トリメチル−1,1−シクロヘキサンジイル基、1,1−シクロヘキサンジイル基、又は、スルホニル基(−SO2−)であることがより好ましく、2,2−プロパンジイル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロパンジイル基、2,2−ブタンジイル基、又は、1−エタンジイル基であることが更に好ましく、2,2−プロパンジイル基であることが特に好ましい。
式(2)におけるL2はそれぞれ独立に、色点発生抑制の観点から、2,2−プロパンジイル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロパンジイル基、1−フェニル−1,1−エタンジイル基、2,2−ブタンジイル基、ジフェニルメチレン基、2,2−ジクロロ−1,1−エテンジイル基、1,1−エタンジイル基、メチレン基、−C(CH3)2−(1,3−フェニレン基)−C(CH3)2−、−C(CH3)2−(1,4−フェニレン基)−C(CH3)2−、3,3,5−トリメチル−1,1−シクロヘキサンジイル基、1,1−シクロヘキサンジイル基、又は、スルホニル基(−SO2−)であることが好ましく、2,2−プロパンジイル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロパンジイル基、1−フェニル−1,1−エタンジイル基、2,2−ブタンジイル基、ジフェニルメチレン基、2,2−ジクロロ−1,1−エテンジイル基、1,1−エタンジイル基、メチレン基、3,3,5−トリメチル−1,1−シクロヘキサンジイル基、1,1−シクロヘキサンジイル基、又は、スルホニル基(−SO2−)であることがより好ましく、3,3,5−トリメチル−1,1−シクロヘキサンジイル基、又は、1,1−シクロヘキサンジイル基であることが更に好ましく、1,1−シクロヘキサンジイル基であることが特に好ましい。
また、式(2)におけるm及びnはそれぞれ独立に、m+n=100を満たす数であり、mは、12以上28以下であることが好ましく、15以上25以下であることがより好ましい。
本実施形態に係る電子写真感光体の第二の実施態様は、色点発生抑制の観点から、前記感光層は、結着樹脂として、前記式(1)で表される樹脂を更に含むことが好ましい。
本実施形態に係る電子写真感光体において、色点発生抑制の観点から、前記感光層における前記式(1)で表される樹脂及び前記式(2)で表される樹脂の総含有量に対する前記式(1)で表される樹脂の含有量は、質量比で、0.30以上0.85以下であることが好ましく、0.40以上0.83以下であることがより好ましく、0.45以上0.65以下であることが特に好ましい。
本実施形態に係る電子写真感光体の第一の実施態様は、色点発生抑制の観点から、前記感光層のヤング率が、3.5GPa以上4.6GPa以下であることが好ましく、4.0GPa以上4.6GPa以下であることがより好ましく、4.2GPa以上4.6GPa以下であることが更に好ましく、4.45GPa以上4.55Pa以下であることが特に好ましい。
(株)フィッシャー・インストルメンツ製、PICODENTOR HM500、及び、Berkovich型ダイヤモンド圧子を用い、25℃において、押込み深さ−荷重曲線を測定し、負荷を最大押込み深さ500nmで与え、続いて除荷をした場合の除荷曲線の傾きをヤング率として求める。
前記感光層における式(1)で表される樹脂、及び、式(2)で表される樹脂の含有量は、色点発生抑制の観点から、前記感光層における結着樹脂の全質量に対し、50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、80質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、90質量%以上100質量%以下であることが更に好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが特に好ましい。
本実施形態における樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、一点測定法により測定する。具体的には、まず樹脂1gをメチレンクロライド100cm3に溶解し、25℃の測定環境下においてウベローデ粘度計を用いて、その比粘度ηspを測定する。次に、「ηsp/c=〔η〕+0.45〔η〕2c」の関係式(ただしcは濃度(g/cm3)により極限粘度〔η〕(cm3/g)を求める。そして更に、H.Schnellによって与えられている式「〔η〕=1.23×10−4Mv0.83」により粘度平均分子量Mvを求める。
その他の樹脂としては、例えば、結着樹脂として、式(1)で表される樹脂及び式(2)で表される樹脂以外のポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの結着樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
その他の樹脂としては、感光層の機械的強度の観点から、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が好ましい。
また、その他の樹脂としては、感光層の成膜性の観点から、粘度平均分子量30,000以上80,000以下のポリカーボネート樹脂、又は、粘度平均分子量30,000以上80,000以下のポリアリレート樹脂が好ましい。
本実施形態に係る電子写真感光体における感光層は、電荷発生材料として、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料よりなる群から選択される少なくとも1種の電荷発生材料である。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料としては、具体的には、例えば、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料;特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン顔料が挙げられる。
電荷発生材料としては、電荷発生効率及び感度の観点から、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましく、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニンがより好ましい。
正孔輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等が挙げられる。正孔輸送材料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
電子輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物;などが挙げられる。電子輸送材料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、Rt1は、Rt2乃至Rt4の少なくともいずれかと異なる基であることが好ましい。
また、感度、及び、色点発生抑制の観点から、Rt1及びRt3は同じ基であることが好ましい。
また、感度、及び、色点発生抑制の観点から、Rt2及びRt4は同じ基であることが好ましい。
更に、感度、及び、色点発生抑制の観点から、Rt1とRt2とは、異なる基であることが好ましく、また、Rt3とRt4とは異なる基であることが好ましい。
なお、電子輸送材料は、感度、及び、色点発生抑制の観点から、下記例示化合物1乃至6を含むことが好ましく、下記例示化合物1を含むことがより好ましく、下記例示化合物1であることが特に好ましい。
・t−C4H9:t−ブチル基
・CH3O:メトキシ基
・t−C4H9O:t−ブトキシ基
・c−C6H11:シクロヘキシル基
・C6H5:フェニル基
・C6H5CH2:ベンジル基
電子輸送材料の含有量は、感光層の全質量に対し、5質量部以上20質量部以下が好ましく、10質量部以上25質量部以下がより好ましく、15質量部以上20質量部以下が更に好ましい。
本実施形態に係る電子写真感光体における感光層は、色点発生抑制の観点から、ターフェニル化合物を更に含むことが好ましい。
ターフェニル化合物は、ターフェニル骨格を有する化合物であれば特に限定されるものではなく、ターフェニルでもよく、ターフェニルの水素が置換基で置換されたターフェニル誘導体であってもよい。
なお、ターフェニル化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
感光層全体に対するターフェニル化合物の含有量が前記範囲であることにより、前記範囲よりも少ない場合に比べて耐油性が向上し、前記範囲よりも多い場合に比べて高い感度を示すという利点がある。
感光層全体に対するターフェニル化合物の含有量が前記範囲であることにより、前記範囲よりも少ない場合に比べて耐油性が向上し、前記範囲よりも多い場合に比べて高い感度を示すという利点がある。
単層型の感光層には、界面活性剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の周知のその他添加剤が含まれていてもよい。また、単層型の感光層が表面層となる場合、単層型の感光層には、フッ素樹脂粒子、シリコーンポリマー等の離型剤が含まれていてもよい。
単層型感光層は、結着樹脂と、電荷発生材料と、電子輸送材料と、正孔輸送材料とを含む感光層形成用塗布液を準備し、この感光層形成用塗布液を導電性基体上に塗布し、塗布膜を乾燥させて形成することが好ましい。
導電性基体と感光層との間には、下引層を設けてもよい。下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2,000nm以下が好ましく、60nm以上1,000nm以下がより好ましい。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤としてさらに下引層に添加してもよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層と感光層との間には、中間層を設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
本実施形態に係る画像形成装置は、感光体と、感光体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電した感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、感光体として、本実施形態に係る感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば紙)に転写する二次転写装置も有している。中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
露光装置9としては、例えば、感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの感光体が使用される構成となっている。画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
<感光層形成用塗布液の作製>
表6に記載の各成分を表6に記載の量と、テトラヒドロフラン400質量部との混合物を高圧ホモジナイザーにて分散し、感光層形成用塗布液を得た。
導電性基体として、直径30mm、長さ244.5mm、肉厚1mmのアルミニウム基材を用意した。感光層形成用塗布液を浸漬塗布法にてアルミニウム基材上に塗布し、温度135℃において35分間の乾燥硬化を行い、厚さ22μmの単層型感光層をアルミニウム基材上に形成した。こうして、実施例1乃至実施例11、及び、比較例1乃至比較例5の電子写真感光体をそれぞれ得た。
得られた各電子写真感光体について、以下の評価を行った。その結果を表6に示す。
感光体の感度の評価は、+800Vに帯電させたときの半減露光量として評価した。具体的には、静電複写紙試験装置(エレクトロスタティックアナライザーEPA−8100、川口電気(株)製)を用いて、温度20℃/相対湿度40%の環境下、+800Vに帯電させた後、タングステンランプの光を、モノクロメーターを用いて800nmの単色光にし、感光体表面上で1μW/cm2になるように調整して照射した。帯電直後における感光体表面電位Vo(V)が、光照射により2分の1となる半減露光量(μJ/cm2)を測定し、下記のとおり分類した。
A:半減露光量が0.10μJ/cm2以下であった。
B:半減露光量が0.10μJ/cm2を超え0.15μJ/cm2以下であった。
C:半減露光量が0.15μJ/cm2を超え0.18μJ/cm2以下であった。
D:半減露光量が0.18μJ/cm2を超えていた。
感光体の外周面に、オレイン酸1質量%ヘキサン溶液を0.5mL噴霧し、室温(25℃)で2週間放置した。その後、室温28℃、湿度85%の環境下で、Brother社製HL5340Dを用い、50%ハーフトーン画像を形成し、画像の色点発生の有無を以下の基準で評価した。
A:色点発生なし(目視で黒点が確認されない)
B:目視で1個以上3個未満の色点が確認されるが、画質上問題なし
C:目視で3個以上10個未満の色点が確認され、実用上問題となる
D:目視で10個以上の色点が観測され、問題となる
電子写真感光体の電気特性は、表面電位計(トレック社製、トレック334)を用いて、電子写真感光体の表面から1mm離れた位置に測定対象の領域に表面電位プローブを設け、帯電後の表面電位を−720Vに設定した後、15,000枚出力後の表面電位を測定した。その後、以下の基準で評価した。帯電電位の降下を評価した。
A:電位降下が15V以下であり、問題なし。
B:電位降下が15V超え25V未満であり、調整可能な範囲のため、問題なし。
C:電位降下が25V以上あり、調整不可能な範囲である。
また、表6に記載の略号の詳細は、以下の通りである。
・結着樹脂1:前記式(1)で表される樹脂におけるR1=H、R2=H、L1=C6H10である樹脂、Mv:40,000
・結着樹脂2:前記式(2)で表される樹脂におけるR1=H、R2=H、L2=C6H10、m=25である樹脂、Mv:45,000
・結着樹脂3:ビフェニル−4,4’−ジオール・2,2’−ジメチル−4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ジフェノール・ホスゲン重縮合物
・結着樹脂4:前記式(1)で表される樹脂におけるR1=H、R2=H、L2=C3H6である樹脂、Mv:40,000
・CGM1:クロロガリウムフタロシアニン
・CGM2:V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン
・CGM3:チタニルフタロシアニン
・ETM1:下記化合物
・HTM1:N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン
・HTM2:前記式(5)で表される化合物
・Add1:m−ターフェニル
Claims (13)
- 導電性基体、及び、
前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層を有し、
前記感光層が、下記式(1)で表される樹脂及び下記式(2)で表される樹脂を含む結着樹脂と、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料よりなる群から選択される少なくとも1種の電荷発生材料と、正孔輸送材料と、電子輸送材料とを含有する
電子写真感光体。
式(1)及び式(2)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は、エチル基を表し、L1はそれぞれ独立に、二価の炭化水素基、又は、スルホニル基を表し、L2はそれぞれ独立に、二価の炭化水素基、又は、スルホニル基を表し、m及びnはそれぞれ独立に、m+n=100を満たす数であり、mは、10以上30以下を表す。 - 導電性基体、及び、
前記導電性基体上に設けられた単層型の感光層を有し、
前記感光層が、2種以上の樹脂を含む結着樹脂と、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料よりなる群から選択される少なくとも1種の電荷発生材料と、正孔輸送材料と、電子輸送材料とを含有し、
前記結着樹脂が、下記式(2)で表される樹脂を含み、
前記感光層のヤング率が、3.5GPa以上4.6GPa以下である
電子写真感光体。
式(2)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は、エチル基を表し、L2はそれぞれ独立に、二価の炭化水素基、又は、スルホニル基を表し、m及びnはそれぞれ独立に、m+n=100を満たす数であり、mは、10以上30以下を表す。 - 前記感光層における前記式(1)で表される樹脂及び前記式(2)で表される樹脂の総含有量に対する前記式(1)で表される樹脂の含有量が、質量比で、0.45以上0.65以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層のヤング率が、3.5GPa以上4.6GPa以下である請求項1又は請求項3に記載の電子写真感光体。
- 前記電子輸送材料が、下記式(3)で表される化合物である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
式(3)中、Rt1乃至Rt4はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表す。 - 前記式(3)で表される化合物において、Rt1は、Rt2乃至Rt4の少なくともいずれかと異なる基である請求項5に記載の電子写真感光体。
- 前記式(3)で表される化合物が、下記式(3−1)で表される化合物である請求項5又は請求項6に記載の電子写真感光体。
式(3−1)中、Rt5乃至Rt8はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数1以上12以下のアルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表し、また、Rt5は、Rt6乃至Rt8の少なくともいずれかと異なる基である。 - 前記感光層が、下記式(4)で表される化合物を含む請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
式(4)中、Re1乃至Re3はそれぞれ独立に、水素原子、塩素原子、臭素原子、又は、メチル基を表す。 - 前記電荷発生材料が、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料である請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記正孔輸送材料が、下記式(B−1)で表される化合物を含む請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
式(B−1)中、RB1はメチル基を表し、n11は0以上2以下の整数を表し、ArB1及びArB2はそれぞれ独立に、置換若しくは無置換のアリール基、−C6H4−C(RB3)=C(RB4)(RB5)、又は、−C6H4−CH=CH−CH=C(RB6)(RB7)を表し、RB3乃至RB7はそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は、置換若しくは無置換のアリール基を表す。 - 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の電子写真感光体を少なくとも備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。 - 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の電子写真感光体を少なくとも備える画像形成装置。
- 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤を収納し、前記現像剤によって、前記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナー像に現像する現像手段と、
前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、を備える
画像形成装置。
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