JP2020041655A - Hmt構造 - Google Patents

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智幸 海老原
Tomoyuki Ebihara
智幸 海老原
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Abstract

【課題】前進側及び後進側の双方向の回転動力を出力でき且つ出力ゼロ状態を確実に現出させ得るHMT構造を提供する。【解決手段】本発明のHMT構造において、遊星歯車機構の第1及び第2要素はそれぞれ駆動源及びHSTから動力を入力し、第3要素が合成動力を出力する。本発明のHMT構造は、第3要素を出力ゼロ状態とさせる速度の動力をHSTを介さずに第2要素へ入力可能な機械回転付与機構と、HSTから第2要素への伝動を係脱するHST側クラッチ機構と、機械回転付与機構を介した第2要素への伝動を係脱する機械伝動側クラッチ機構とを有する。変速操作レバーがHSTを変速操作する第1操作方向とは異なる第2操作方向に沿ってパーキング位置へ操作されると、HST側クラッチ機構が係合状態から遮断状態に切り替わり且つ機械伝動側クラッチ機構が遮断状態から係合状態に切り替わることで、第3要素の出力ゼロ状態が確実に現出される。【選択図】図4

Description

本発明は、静油圧式無段変速機構(HST)及び遊星歯車機構を有する静油圧・機械式無段変速構造(HMT構造)に関する。
HST及び遊星歯車機構を組み合わせてなるHMT構造は、例えば、コンバインやトラクタ等の作業車輌の走行系伝動経路に好適に利用される。
下記特許文献1には、HSTが逆転側最高速及び中立速の間の設定中間速に変速されることにより遊星歯車機構の出力回転動力がゼロ速とされ、前記HSTが設定中間速から逆転側最高速へ変速されるに従って前記遊星歯車機構の出力回転動力が後進側に増速され且つ前記HSTが設定中間速から中立速を介して正転側最高速へ変速されるに従って前記遊星歯車機構の出力が前進側に増速されるように構成されたHMT構造が走行系伝動経路に適用されてなる作業車輌が開示されている。
前記特許文献1に記載のHMT構造は、適用される作業車輌に別途に前後進切換機構を備えることなく前記HSTの変速操作によって前記作業車輌を前後進双方向に走行駆動させることができ、さらに、前進側の変速範囲が後進側よりも広くされている点において有用である。
特許第5822761号公報
しかしながら、前記従来のHMT構造は、出力をゼロ速状態(前記遊星歯車機構の出力回転動力がゼロ速状態)を現出させることが困難であり、走行系伝動経路に適用された場合には作業車輌の走行停止状態を現出させることが困難であるという問題があった。
即ち、前記従来のHMT構造の出力をゼロ速状態とする為には、前記HSTを変速操作する為の変速操作レバーを、前記HSTの設定中間速に対応した設定中間速位置に位置させた際に、前記HSTの出力回転動力が正確に設定中間速となるように、前記HST並びに前記HST及び前記変速操作レバーのリンク機構を製造する必要がある。
また、HSTの作動油の脈動等によってHSTの出力回転動力が設定中間速から意に反して変動するおそれがあり、前記HMT構造の出力ゼロ速状態を維持し難いという面もある。
さらに、前記HMT構造を走行系伝動経路に備えた作業車輌においては、故障時等において前記作業車輌を牽引することが困難であるという問題もあった。
即ち、前記HMT構造を走行系伝動経路に備えた作業車輌を牽引すると、前記走行部材の回転によって前記走行部材に作動連結されている前記HSTの油圧モータが強制的に回転される。ここで、前記油圧モータが一対の作動油ラインを介して流体接続されている前記HSTの油圧ポンプは、エンジン等の駆動源に作動連結されており、自由には回転できない状態となっている。
従って、前記作業車輌の牽引時に前記走行部材の回転に伴って前記油圧モータが強制回転されると、前記駆動源との作動連結によって前記油圧ポンプが回転不能とされている状態で、前記一対の作動油ラインの一方に前記油圧モータからの吐出油が流れ込むことになり、前記一方の作動油ラインの油圧によって前記油圧モータの回転が阻害されることになる。
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、HST及び遊星歯車機構を含むHMT構造であって、前進側及び後進側の双方向の回転動力を出力でき且つ出力ゼロ状態を確実に現出させ得るHMT構造の提供を目的とする。
前記目的を達成する為に、本発明の第1態様は、駆動源からポンプ軸に作動的に入力される回転動力を無段変速してモータ軸から出力するHSTと、前記駆動源から作動伝達される基準速度の回転動力を入力する第1要素、前記モータ軸の回転動力を入力可能とされた第2要素並びに前記第1及び第2回転動力の合成回転動力を出力する第3要素を含む遊星歯車機構と、前記第3要素に作動連結されたHMT出力軸と、ゼロ速位置を挟んで前進側及び後進側へ第1操作方向に沿って変速操作可能とされ、第1操作方向の操作位置に応じて前記モータ軸の回転速度が変化するように前記HSTの出力調整部材に作動連結された変速操作レバーと、前記駆動源からの回転動力を前記HSTの油圧伝動経路を介さずに前記第2要素へ入力可能な機械回転付与機構であって、前記第3要素の合成回転動力をゼロ速とさせるような回転速度の回転動力を前記第2要素に入力可能とされた機械回転付与機構と、前記モータ軸から前記第2要素への動力伝達を係脱させるHST側クラッチ機構と、前記機械回転付与機構を介した前記駆動源から前記第2要素への動力伝達を係脱させる機械伝動側クラッチ機構とを備え、前記HST及び前記遊星歯車機構は、前記変速操作レバーがゼロ速位置の際に前記第3要素の合成回転動力がゼロ速となり、前記変速操作レバーがゼロ速位置から前進側及び後進側へ操作されるに従って前記第3要素の合成回転動力が前進側及び後進側へそれぞれ増速されるように、構成されており、前記変速操作レバーは、ゼロ速位置から第1操作方向とは異なる第2操作方向に沿ってパーキング位置へ操作可能とされており、前記変速操作レバーのパーキング位置への操作に応じて、前記HST側クラッチ機構が係合状態から遮断状態に切り替わり且つ前記機械伝動側クラッチ機構が遮断状態から係合状態に切り替わるHMT構造を提供する。
前記第1態様において、好ましくは、前記変速操作レバーは、軸線回り回転自在に支持された第1操作軸と、前記第1操作軸に直交状態で支持された第2操作軸と、人為操作されるレバー本体と、前記レバー本体の基端部を前記第2操作軸に連結させる接続部材と、前記レバー本体を案内するガイド溝が設けられたレバーガイドとを有するものとされ、前記レバー本体、前記接続部材、前記第2操作軸及び前記第1操作軸が一体的に前記第1操作軸の軸線回りに回動可能とされることで前記第1操作方向に沿った操作が現出され、前記レバー本体及び前記接続部材が前記第2操作軸の軸線回りに回動可能とされることで前記第2操作方向に沿った操作が現出される。
前記ガイド溝は、前記第1操作方向に沿って前記レバー本体を案内する第1溝と、前記第1操作方向に関し前記レバー本体がゼロ速位置に位置された際にのみ前記レバー本体の第2操作方向への移動を許容する第2溝とを有するものとされる。
より好ましくは、前記変速操作レバーは、前記レバー本体及び前記接続部材を前記第2操作軸の軸線回りにパーキング位置へ向けて付勢する付勢部材を有し得る。
前記目的を達成する為に、本発明の第2態様は、駆動源からポンプ軸に作動的に入力される回転動力を無段変速してモータ軸から出力するHSTと、前記駆動源から作動伝達される基準速度の回転動力を入力する第1要素、前記モータ軸の回転動力を入力可能とされた第2要素並びに前記第1及び第2回転動力の合成回転動力を出力する第3要素を含む遊星歯車機構と、前記第3要素に作動連結されたHMT出力軸と、ゼロ速位置を挟んで前進側及び後進側へ第1操作方向に沿って変速操作可能とされ、第1操作方向の操作位置に応じて前記モータ軸の回転速度が変化するように前記HSTの出力調整部材に作動連結された変速操作レバーと、前記駆動源からの回転動力を前記HSTの油圧伝動経路を介さずに前記第2要素へ入力可能な機械回転付与機構であって、前記第3要素の合成回転動力をゼロ速とさせるような回転速度の回転動力を前記第2要素に入力可能とされた機械回転付与機構と、前記モータ軸から前記第2要素への動力伝達を係脱させるHST側クラッチ機構と、前記機械回転付与機構を介した前記駆動源から前記第2要素への動力伝達を係脱させる機械伝動側クラッチ機構とを備え、前記HST及び前記遊星歯車機構は、前記変速操作レバーがゼロ速位置の際に前記第3要素の合成回転動力がゼロ速となり、前記変速操作レバーがゼロ速位置から前進側及び後進側へ操作されるに従って前記第3要素の合成回転動力が前進側及び後進側へそれぞれ増速されるように、構成されており、前記変速操作レバーは、ゼロ速位置から第1操作方向とは異なる第2操作方向に沿ってフリーホイール位置へ操作可能とされ、且つ、フリーホイール位置から第2操作方向とは異なる第3操作方向に沿ってパーキング位置へ操作可能とされており、前記変速操作レバーのフリーホイール位置への操作に応じて前記HST側クラッチ機構が係合状態から遮断状態に切り替わり、前記変速操作レバーのパーキング位置への操作に応じて前記HST側クラッチ機構が遮断状態のままで前記機械伝動側クラッチ機構が遮断状態から係合状態に切り替わるHMT構造を提供する。
前記第2態様において、好ましくは、前記変速操作レバーは、軸線回り回転自在に支持された第1操作軸と、前記第1操作軸に直交状態で支持された第2操作軸と、人為操作されるレバー本体と、前記レバー本体の基端部を前記第2操作軸に連結させる接続部材と、前記レバー本体を案内するガイド溝が設けられたレバーガイドとを有するものとされ、前記レバー本体、前記接続部材、前記第2操作軸及び前記第1操作軸が一体的に前記第1操作軸の軸線回りに回動可能とされることで前記第1及び第3操作方向に沿った操作が現出され、前記レバー本体及び前記接続部材が前記第2操作軸の軸線回りに回動可能とされることで前記第2操作方向に沿った操作が現出される。
前記ガイド溝は、前記第1操作方向に沿って前記レバー本体を案内する第1溝と、前記レバー本体が前記第1操作方向に関しゼロ速位置に位置された際にのみ、前記第2操作方向に沿ってフリーホイール位置へ移動することを許容する第2溝と、前記レバー本体が前記第2操作方向に関しフリーホイール位置に位置された際にのみ、前記第3操作方向に沿ってパーキング位置へ移動することを許容する第3溝とを有するものとされる。
より好ましくは、前記変速操作レバーは、前記レバー本体及び前記接続部材を前記第2操作軸の軸線回りにフリーホイール位置とは反対側へ付勢する付勢部材を有し得る。
前記目的を達成する為に、本発明の第3態様は、駆動源からポンプ軸に作動的に入力される回転動力を無段変速してモータ軸から出力するHSTと、前記駆動源から作動伝達される基準速度の回転動力を入力する第1要素、前記モータ軸の回転動力を入力可能とされた第2要素並びに前記第1及び第2回転動力の合成回転動力を出力する第3要素を含む遊星歯車機構と、前記第3要素に作動連結されたHMT出力軸と、ゼロ速位置を挟んで前進側及び後進側へ第1操作方向に沿って変速操作可能とされ、第1操作方向の操作位置に応じて前記モータ軸の回転速度が変化するように前記HSTの出力調整部材に作動連結された変速操作レバーと、前記駆動源からの回転動力を前記HSTの油圧伝動経路を介さずに前記第2要素へ入力可能な機械回転付与機構であって、前記第3要素の合成回転動力をゼロ速とさせるような回転速度の回転動力を前記第2要素に入力可能とされた機械回転付与機構と、前記モータ軸から前記第2要素への動力伝達を係脱させるHST側クラッチ機構と、前記機械回転付与機構を介した前記駆動源から前記第2要素への動力伝達を係脱させる機械伝動側クラッチ機構とを備え、前記HST及び前記遊星歯車機構は、前記変速操作レバーがゼロ速位置の際に前記第3要素の合成回転動力がゼロ速となり、前記変速操作レバーがゼロ速位置から前進側及び後進側へ操作されるに従って前記第3要素の合成回転動力が前進側及び後進側へそれぞれ増速されるように、構成されており、前記変速操作レバーがゼロ速位置に位置されると、前記HST側クラッチ機構が係合状態から遮断状態に切り替わり且つ前記機械伝動側クラッチ機構が遮断状態から係合状態に切り替わるHMT構造を提供する。
本発明に係るHMT構造の種々の構成において、好ましくは、前記HST側クラッチ機構は、前記HSTにおける一対の作動油ラインの間の遮断及び連通を切替可能なバイパス弁を有し得る。
本発明に係るHMT構造は、前記HST及び前記遊星歯車機構を収容するHMTハウジングを備え得る。
前記HSTは、軸線方向一方側に位置し、駆動源からの回転動力を作動的に入力する第1端部及び軸線方向他方側の第2端部を有する前記ポンプ軸と、前記ポンプ軸の第1及び第2端部の間の中間部に相対回転不能に支持された油圧ポンプと、前記ポンプ軸と平行に配置された前記モータ軸であって、軸線方向一方側の第1端部及び他方側の第2端部を有し、第1端部を介して前記第2要素へ向けて回転動力を出力する前記モータ軸と、前記モータ軸の第1及び第2端部の間の中間部に相対回転不能に支持され、前記一対の作動油ラインを介して前記油圧ポンプに流体接続された油圧モータと、前記油圧ポンプ及び前記油圧モータの少なくとも一方の容積を変更可能とされた前記出力調整部材とを有するものとされ、前記HMTハウジングは、前記油圧ポンプ及び前記油圧モータを収容するHST空間と、前記遊星歯車機構を収容する遊星空間とを有するものとされる。
前記遊星歯車機構は、前記モータ軸の第1端部に相対回転不能とされ、前記第2要素として作用するサンギヤと、前記サンギヤと噛合する遊星ギヤと、前記遊星ギヤと噛合し、前記第1要素として作用するインターナルギヤと、前記遊星ギヤを軸線回り回転自在に支持し且つ前記遊星ギヤの前記サンギヤ回りの公転に連動して前記サンギヤの軸線回りに回転し、前記第3要素として作用するキャリヤとを有するものとされ、前記インターナルギヤは、前記遊星空間内において前記ポンプ軸又は前記ポンプ軸に作動連結されHMT入力軸を介して前記駆動源からの回転動力を入力するように構成される。
第1の構成においては、前記機械回転付与機構は、前記ポンプ軸の第2端部に支持された駆動ギヤと、前記駆動ギヤに直接又は間接的に噛合された状態で前記モータ軸の第2端部に支持された従動ギヤとを有し、前記駆動ギヤ及び前記従動ギヤの一方が対応する軸に相対回転自在とされ且つ他方が対応する軸に相対回転不能とされる。
前記機械伝動側クラッチ機構は、前記駆動ギヤ及び前記従動ギヤの一方を対応する軸に係脱切替可能とされる。
この第1の構成においては、前記機械回転付与機構及び前記機械伝動側クラッチ機構は、前記HMTハウジングに連結される機械伝動用ハウジングに収容される。
第2の構成においては、前記機械回転付与機構は、前記ポンプ軸の第1端部に相対回転不能に支持された第1駆動ギヤと、前記遊星空間内に配設されたアイドル軸に支持され且つ前記第1駆動ギヤに直接又は間接的に噛合された第1従動ギヤと、前記アイドル軸に支持された第2駆動ギヤと、前記第2駆動ギヤに直接又は間接的に噛合された状態で前記モータ軸の第1端部に直接又は間接的に支持された第2従動ギヤとを有し、前記第1従動ギヤ、前記第2駆動ギヤ及び前記第2従動ギヤのうちの一のギヤは対応する軸に相対回転自在とされ且つ残りの2つのギヤは対応する軸に相対回転不能とされる。
前記機械伝動側クラッチ機構は、前記一のギヤを対応する軸に係脱切替可能とされる。
第3の構成においては、前記機械回転付与機構は、前記駆動源及び前記モータ軸を作動連結するベルト伝動機構とされ、前記機械伝動側クラッチ機構は、前記ベルト伝動機構の動力伝達を係脱切替可能なテンションプーリーを有するものとされる。
本発明に係るHMT構造の種々の構成において、好ましくは、前記HSTは、前記変速操作レバーがゼロ速位置に位置された際に前記モータ軸の回転動力が中立速及び逆転側最高速の間の逆転側所定回転速となり、前記変速操作レバーがゼロ速位置から前進側最高速位置へ操作されるに従って、前記モータ軸の回転動力が逆転側所定回転速から中立速を介して正転側最高速に変化し、且つ、前記変速操作レバーがゼロ速位置から後進側最高速位置へ操作されるに従って、前記モータ軸の回転動力が逆転側所定回転速から逆転側最高速に変化するように構成され、前記遊星歯車機構は、前記第2要素に逆転側所定回転速の回転動力が入力された際に前記第3要素の合成回転動力がゼロ速となるように構成される。
本発明の第1〜第3態様に係るHMT構造によれば、HMT出力軸から前進側及び後進側の双方向の回転動力の出力を可能としつつ、HSTによる油圧伝動経路を介さずに機械回転付与機構を介して伝達される回転動力を用いた状態で前記HMT出力軸の出力ゼロ状態を得ることができ、前記HMT出力軸の出力ゼロ状態を確実に現出させることができる。
従って、前記HMT構造を作業車輌の走行系伝動経路に適用すると、前記作業車輌に別途に前後進切換機構を備えること無く車輌前進及び車輌後進を行うことができ、さらに、前記作業車輌が操縦者の意に反してクリープ速で移動することを確実に防止することができる。
また、本発明の第2態様に係るHMT構造によれば、前記変速操作レバーの変速操作に応じて前記HMT出力軸の回転速度を変化させる通常の変速出力状態と、前記HMT出力軸の出力ゼロ状態と、前記HMT出力軸及び前記駆動源の間を分断し、前記HMT出力軸を前記HSTに対して回転自在とするフリーホイール状態とを選択的に現出させることができる。
従って、前記HMT構造を作業車輌の走行系伝動経路に適用した場合には、フリーホイール状態を現出させることによって、前記作業車輌の走行部材を前記HSTに対して回転自在なフリー状態とすることができ、前記作業車輌を容易に強制牽引することができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係るHMT構造が適用された作業車輌の伝動模式図である。 図2は、前記実施の形態1に係るHMT構造の断面図である。 図3は、図2におけるIII-III線に沿った断面図である。 図4は、前記実施の形態1に係るHMT構造の油圧回路図である。 図5は、前記実施の形態1に係るHMT構造における変速操作レバーの平面図である。 図6(a)及び(b)は、それぞれ、図5におけるVI(a)-VI(a)線及びVI(b)-VI(b)線に沿った前記変速操作レバーの側面図及び背面図である。 図7は、前記実施の形態1に係るHMT構造におけるHST出力とHMT出力との関係を表すグラフである。 図8は、前記実施の形態1の変形例に係るHMT構造における変速操作レバーの平面図である。 図9は、本発明の実施の形態2に係るHMT構造の油圧回路図である。 図10は、前記実施の形態2に係るHMT構造における変速操作レバーの平面図である。 図11(a)及び(b)は、それぞれ、図10におけるXI(a)-XI(a)線及びXI(b)-XI(b)線に沿った前記変速操作レバーの側面図及び背面図である。 図12は、本発明の実施の形態3に係るHMT構造の断面図である。 図13は、図12におけるXIII-XIII線に沿った断面図である。 図14は、本発明の実施の形態4に係るHMT構造が適用された作業車輌の伝動模式図である。
実施の形態1
以下、本発明に係るHMT構造の一実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施の形態に係るHMT構造(静油圧・機械式無段変速構造)200Aが適用された作業車輌1の伝動模式図を示す。
図1に示すように、前記作業車輌1は、駆動源5と、走行部材6と、前記駆動源5から前記走行部材6へ至る走行系伝動経路に介挿された前記HMT構造200Aとを備えている。
前記HMT構造200Aは、前記駆動源5から入力される回転動力を無段変速して出力するHST(静油圧式無段変速機構)10と、前記駆動源5及び前記HST10から作動的に入力される回転動力を合成し、合成回転動力を出力する遊星歯車機構100と、前記遊星歯車機構100から合成回転動力を作動的に入力して、被駆動部材(本実施の形態においては前記走行部材6)に向けて出力するHMT出力軸350とを有している。
図2に、前記HMT構造200Aの断面図を示す。
また、図3に、図2におけるIII-III線に沿った断面図を示す。
さらに、図4に、前記HMT構造200Aの油圧回路図を示す。
図1〜図4に示すように、前記HST10は、前記駆動源5によって作動的に回転駆動されるポンプ軸20と、前記ポンプ軸20に相対回転不能に支持された油圧ポンプ25と、前記油圧ポンプ25に一対の作動油ライン601、602を介して流体接続されて前記油圧ポンプ25によって油圧的に回転駆動される油圧モータ35と、前記油圧モータ35を相対回転不能に支持するモータ軸30と、前記油圧ポンプ25及び前記油圧モータ35の少なくとも一方の容積を変更させて、前記ポンプ軸20に入力される回転動力の回転速度に対する、前記モータ軸30から出力されるHST出力の回転速度の割合(即ち、HST10の変速比)を無段変化させる出力調整部材40とを有している。
図2に示すように、前記ポンプ軸20は、軸線方向一方側及び他方側にそれぞれ位置する第1端部21及び第2端部22を有しており、前記第1端部21が前記駆動源5に作動連結される入力端部とされ、前記第1及び第2端部21、22の間の中間部に前記油圧ポンプ25を支持している。
図2に示すように、本実施の形態においては、前記モータ軸30は前記ポンプ軸20と平行に配置されており、前記ポンプ軸20の第1及び第2端部21、22に対応した第1及び第2端部31、32を有している。
前記出力調整部材40は、前記HMT構造200Aに人為操作可能に備えられる変速操作レバー700A(図4参照)への人為操作に応じて、前記モータ軸30から出力されるHST出力を正逆双方向に亘る変速範囲内にて無段変速させるように構成されている。
本実施の形態においては、前記HST10は、前記出力調整部材40として、揺動軸回りに揺動されることで前記油圧ポンプ25の容積を変更する可動斜板であって、前記油圧ポンプ25から吐出される吐出量をゼロとする中立位置を挟んで揺動軸回り一方側及び他方側へ揺動可能とされた可動斜板を有している。
前記可動斜板が中立位置に位置されると、前記油圧ポンプ25からの圧油の吐出が無くなり、前記HST10は、前記油圧モータ35の出力がゼロの中立状態となる。
そして、前記可動斜板が中立位置から揺動軸回り一方側の正転側へ揺動されると、前記油圧ポンプ25から前記一対の作動油ライン601、602のうちの対応する作動油ライン(例えば、作動油ライン601)へ圧油が供給され、当該対応する作動油ライン601が高圧側となり、他方の作動ライン602が低圧側となる。
これにより、前記油圧モータ35が正転側へ回転駆動されて、前記HST10は正転出力状態となる。
逆に、前記可動斜板が中立位置から揺動軸回り他方側の逆転側へ揺動されると、前記油圧ポンプ25から前記一対の作動油ライン601、602のうちの対応する作動油ライン(例えば、作動油ライン602)へ圧油が供給され、当該対応する作動油ライン602が高圧側となり、他方の作動油ライン601が低圧側となる。
これにより、前記油圧モータ35が逆転側へ回転駆動されて、前記HST10は逆転出力状態となる。
なお、前記HST10においては、前記油圧モータ35は固定斜板によって容積が固定されている。
本実施の形態においては、前記HST10は、油圧源から供給される圧油を前記一対の作動油ライン601、602に供給するチャージ機構610を有している。
詳しくは、前記作業車輌1は、前記油圧源として、前記駆動源5によって作動的に駆動される補助ポンプ80を有している。
図4に示すように、前記補助ポンプ80は、油タンク(図示せず)から吸入ライン(図示せず)を介して油を吸引し且つ圧油供給ライン605に圧油を吐出する。
前記圧油供給ライン605は、リリーフ弁606によって所定油圧に設定されている。
図4に示すように、前記チャージ機構610は、上流側が前記圧油供給ライン605に流体接続され且つ下流側が前記一対の作動油ライン601、602にそれぞれ流体接続された一対のチャージライン611、612と、前記圧油供給ライン605から前記作動油ライン601、602への圧油の流入を許容しつつ逆向きの流れを防止するように前記一対のチャージライン611、612にそれぞれ介挿された一対のチェック弁615、616とを有している。
図4に示すように、前記HMT構造200Aは、さらに、前記変速操作レバー700Aへの人為操作に応じて前記出力調整部材40を作動させるHST変速作動機構750を有している。
本実施の形態においては、図4に示すように、前記HST変速作動機構750は、前記補助ポンプ80からの圧油を作動油として用い、前記出力調整部材40を作動させる油圧サーボ機構760を有している。
前記油圧サーボ機構760は、シリンダ761と、前記シリンダ761の内部空間を正転室761F及び逆転室761Rに液密に画しつつ前記シリンダ761の内部空間に摺動自在に収容されたピストン763と、前記正転室761F及び前記逆転室761Rに対する圧油の給排を切り替える切替弁765とを有している。
前記切替弁765は、前記圧油供給ライン605を前記正転室761Fに流体接続させ且つ前記逆転室761Rをドレンライン609に流体接続させる正転位置と、前記正転室761F及び前記逆転室761Rをそれぞれ閉塞する保持位置と、前記圧油供給ライン605を前記逆転室761Rに流体接続させ且つ前記正転室761Fを前記ドレンライン609に流体接続させる逆転位置とを選択的に取り得るようになっている。
前記ピストン763は前記出力調整部材40に作動連結されている。
詳しくは、前記正転室761Fに圧油が供給され且つ前記逆転室761Rから圧油が排出されると、前記ピストン763は前記正転室761Fを拡張する方向へ移動される。逆に、前記逆転室761Rに圧油が供給され且つ前記正転室761Fから圧油が排出されると、前記ピストン763は前記逆転室761Rを拡張する方向へ移動される。そして、前記正転室761F及び前記逆転室761Rが閉塞されると、前記ピストン763はその時点での位置に保持される。
ここで、前記ピストン763は、前記正転室761Fを拡張させる方向へ移動される際には前記出力調整部材40を正転側へ移動させ、前記逆転室761Rを拡張させる方向へ移動される際には前記出力調整部材40を逆転側へ移動させ、その時点での位置に保持される場合には前記出力調整部材40をその時点での位置に保持するように、前記出力調整部材40に作動連結されている。
なお、前記出力調整部材40が正転側へ移動されると、前記HST10の出力は正転側に増速され、前記出力調整部材40が逆転側へ移動されると、前記HST10の出力は逆転側に増速される。
前記切替弁765は、前記変速操作レバー700Aへの人為操作に応じて、位置制御されるようになっている。
図5に、前記変速操作レバー700Aの平面図を示す。
また、図6(a)及び(b)に、それぞれ、図5におけるVI(a)-VI(a)線及びVI(b)-VI(b)線に沿った前記変速操作レバー700Aの側面図及び背面図を示す。
図4及び図6(a)に示すように、前記変速作動機構750には、前記切替弁765を移動させるように前記切替弁765に連結されたHST変速アーム770が備えられており、前記HST変速アーム770は前記変速操作レバー700Aへの人為操作に応じて作動されるようになっている。
図4及び図6(a)に示すように、本実施の形態においては、前記変速操作レバー700Aは、機械リンク780を介して前記HST変速アーム770に作動連結されている。
これに代えて、前記HST変速作動機構750に、前記HST変速アーム770を作動させる電動モータ等のHSTシフトモータを備え、前記変速操作レバー700Aへの人為操作に応じて前記HST変速アーム770が作動されるように、前記HSTシフトモータの作動制御を行うことも可能である。
図5及び図6(a)に示すように、前記変速操作レバー700Aは、ゼロ速位置0を挟んで前進側F及び後進側Rへ第1操作方向D1に沿って変速操作可能とされている。
本実施の形態においては、図6(a)及び(b)に示すように、前記変速操作レバー700Aは、操作ボックス等の支持体705に軸線回り回転可能に支持された第1操作軸710と、前記第1操作軸710に対して軸線回り相対回転不能となるように基端部が前記第1操作軸710に直接又は間接的に支持されたレバー本体730とを備え、前記レバー本体730を前記第1操作軸710の軸線回りに揺動させることによって第1操作方向D1に沿って操作可能とされている。
本実施の形態においては、前記変速操作レバー700Aは、さらに、前記レバー本体730の先端部に設けられた把持部735を有している。
本実施の形態に係る前記HMT構造200Aは、前記変速操作レバー700Aを第1操作方向D1に関し所望操作位置に係止する操作位置保持機構790を有している。
図6(b)に示すように、前記操作位置保持機構790は、前記第1操作軸710に軸線回り相対回転不能に支持されたディスク792と、前記ディスク792を挟んで対向配置された一対のパッド794と、前記一対のパッド794を挟圧方向に付勢するコイルスプリング等の付勢部材796とを有している。
前記操作位置保持機構790は、前記付勢部材796の付勢力によって前記第1操作軸710を任意の軸線回り位置に係止する一方で、前記付勢部材796の付勢力を越える操作力が前記変速操作レバー700に付加されると前記第1操作軸710の軸線回りの回転を許容する。
図7に、前記HST10の出力(前記モータ軸30の回転動力)の回転速度と前記HMT構造200Aの出力(前記遊星歯車機構100の合成回転動力)の回転速度との関係を表すグラフを示す。
本実施の形態に係る前記HMT構造200Aにおいては、前記HST10の出力が中立速HST(N)及び逆転側最高速HST(Rmax)の間の逆転側所定回転速HST(Rs)とされた際に、前記HMT構造200Aの出力がゼロ速0となり、前記HST10の出力が逆転側所定回転速HST(Rs)から中立速HST(N)を介して正転側最高速HST(Fmax)へ変速されるに従って、前記HMT構造200Aの出力がゼロ速から前進側最高速Fmaxへ変速され、前記HST10の出力が逆転側所定回転速HST(Rs)から逆転側最高速HST(Rmax)へ変速されるに従って、前記HMT構造200Aの出力がゼロ速0から後進側最高速Rmaxへ変速されるようになっている。
図5に示すように、前記変速操作レバー700Aは、前記第1操作方向D1に沿って、ゼロ速0を挟んで前記HMT構造200Aの出力の速度変化範囲に対応したRmax位置及びFmax位置の間で操作可能とされている。
即ち、前記変速操作レバー700Aが第1操作方向D1に関しゼロ速0に位置されると、前記HST10の出力が逆転側所定回転速HST(Rs)とされ、これにより、前記HMT構造200Aの出力はゼロ速0となる。
前記変速操作レバー700Aがゼロ速0から第1操作方向D1に沿って前進側最高速位置Fmaxへ操作されるに従って、前記HST10の出力が逆転側所定回転速HST(Rs)から中立速HST(N)を介して正転側最高速HST(Fmax)に変速し、これに応じて、前記HMT構造200Aの出力がゼロ速0から前進側最高速Fmaxに変速する。
また、前記変速操作レバー700Aがゼロ速0から第1操作方向D1に沿って後進側最高速位置Rmaxへ操作されるに従って、前記HST10の出力が逆転側所定回転速HST(Rs)から逆転側最高速HST(Rmax)に変速し、これに応じて、前記HMT構造200Aの出力がゼロ速から後進側最高速Rmaxに変速する。
斯かる構成により、前記HMT構造200Aの出力を正逆切替可能としつつ、前進側最高速Fmaxの絶対値を後進側最高速Rmaxよりも大きくして、使用頻度の高い前進側出力の変速可能範囲を後進側出力に比して広げることが可能となっている。
本実施の形態においては、図5及び図6(b)に示すように、前記変速操作レバー700Aは、第1操作方向D1に沿った変速操作に加えて、ゼロ速位置0から第1操作方向D1とは異なる第2操作方向D2に沿って操作を行えるように構成されている。
この点については後述する。
前記遊星歯車機構100は、図2及び図4に示すように、サンギヤ110と、前記サンギヤ110と噛合する遊星ギヤ120と、前記遊星ギヤ120と噛合するインターナルギヤ130と、前記遊星ギヤ120を軸線回り回転自在に支持し且つ前記遊星ギヤ120の前記サンギヤ110回りの公転に連動して前記サンギヤ110の軸線回りに回転するキャリヤ150とを有している。
前記遊星歯車機構100は、前記サンギヤ110、前記キャリヤ150及び前記インターナルギヤ130によって形成される遊星3要素のうちの第1要素に前記駆動源5から作動伝達される基準速度の回転動力を入力し且つ第2要素に前記HST10の回転動力(前記モータ軸30の回転動力)を入力し、これらの回転動力を合成して第3要素から出力するように構成されている。
本実施の形態においては、前記インターナルギヤ130及び前記サンギヤ110がそれぞれ前記第1及び第2要素として作用し、前記キャリヤ150が前記第3要素として作用している。
前記サンギヤ110は、前記モータ軸30に相対回転不能に連結されている。
図2に示すように、本実施の形態においては、前記サンギヤ110は、前記モータ軸30と同軸上において前記モータ軸30に軸線回り相対回転不能に支持されている。
前記キャリヤ150は、前記遊星ギヤ120を軸線回り回転自在に支持するキャリヤピン160と、前記遊星ギヤ120の前記サンギヤ110回りの公転と共に前記サンギヤ110の軸線回りに回転するように前記キャリヤピン160を支持するキャリヤ本体170とを有している。
本実施の形態においては、前記キャリヤ本体170は、互いに対して分離可能に連結された第1及び第2キャリヤ本体171、172を有している。
前記第1及び第2キャリヤ本体171、172は、連結状態において、前記サンギヤ110を囲繞する空間を画しつつ、前記キャリヤピン160の軸線方向一方側の端部及び軸線方向他方側の端部をそれぞれ支持している。
詳しくは、前記HST10に近接する側の前記第1キャリヤ本体171は、下記HMTハウジング210Aに設けられた隔壁235に軸受部材を介して相対回転自在に支持され、且つ、前記モータ軸30が挿通される軸線孔が設けられた基端部と、前記基端部から径方向外方へ延び、前記キャリヤピン160の軸線方向一端側を支持する支持孔が設けられた径方向延在部とを有している。
前記HST10とは反対側の前記第2キャリヤ本体172は、前記HMT出力軸350に相対回転不能に作動連結されている。
本実施の形態においては、前記第2キャリヤ本体172は、基端部と、前記基端部から径方向外方へ延び、前記キャリヤピン160の軸線方向他端側を支持する支持孔が設けられた径方向延在部とを有している。
本実施の形態においては、前記駆動源5から前記ポンプ軸20への伝動経路から取り出した回転動力を前記インターナルギヤ130に伝達している。
詳しくは、図1及び図2に示すように、前記HMT構造200Aは、前記ポンプ軸20と同軸上に配置され、伝動方向上流側が前記駆動源5に作動連結され且つ伝動方向下流側が前記ポンプ軸20に相対回転不能に連結されたHMT入力軸310を有している。
本実施の形態においては、前記HMT入力軸310は中空軸とされており、伝動方向上流側には前記駆動源5に作動連結された入力側伝動軸305がスプライン連結され、且つ、伝動方向下流側には前記ポンプ軸20がスプライン連結されている。
前記HMT入力軸310は、さらに、伝動方向上流側及び下流側の間の中間に駆動側伝動ギヤ312が相対回転不能に設けられている。
なお、本実施の形態においては、前記駆動側伝動ギヤ312は前記HMT入力軸310に一体形成されているが、当然ながら、前記駆動側伝動ギヤ312を前記HMT入力軸310とは別体とし、前記HMT入力軸310の軸線方向中間に相対回転不能に支持させることも可能である。
前記インターナルギヤ130は、前記駆動側伝動ギヤ312と噛合する従動側伝動ギヤ135を有しており、前記HMT入力軸310、前記駆動側伝動ギヤ312及び前記従動側伝動ギヤ135を介して、前記駆動源5からの回転動力が前記インターナルギヤ130に入力されるようになっている。
本実施の形態においては、前記インターナルギヤ130は、前記第2キャリヤ本体171の基端部の外周面に軸受部材を介して相対回転自在に支持される基端部と、前記基端部から径方向外方へ延在する延在部と、前記延在部から延び、前記遊星ギヤ120に噛合するギヤ及び前記従動側伝動ギヤ135が設けられた外端部とを有している。
本実施の形態においては、前記HMT出力軸350は、前記遊星歯車機構100と同軸上に配置されている。
図2及び図4に示すように、本実施の形態に係る前記HMT構造200Aは、さらに、前記駆動源5からの回転動力を前記HST10による油圧伝動経路を介さずに前記第2要素へ入力可能な機械回転付与機構400Aと、前記モータ軸30から前記第2要素への動力伝達を係脱させるHST側クラッチ機構850と、前記機械回転付与機構400Aを介した前記駆動源5から前記第2要素への動力伝達を係脱させる機械伝動側クラッチ機構450とを備えている。
本実施の形態においては、図3及び図4に示すように、前記HST側クラッチ機構850は、前記一対の作動油ライン601、602の間の遮断及び連通を切替可能なバイパス弁860を有しており、前記バイパス弁860が前記一対の作動油ライン601、602の間を遮断することによって前記モータ軸30から前記第2要素への動力伝達が係合され、且つ、前記バイパス弁860が前記一対の作動油ライン601、602の間を連通することによって前記モータ軸30から前記第2要素への動力伝達が遮断されるように構成されている。
本実施の形態においては、図4に示すように、前記HST側クラッチ機構850は、前記一対の作動油ライン601、602を連通するバイパスライン870を有している。
前記バイパス弁860は、前記バイパスライン870を連通状態とさせて前記一対の作動油ライン601、602の間を流体接続させて前記HST10から前記第2要素への動力伝達を遮断するバイパス位置と、前記バイパスライン870を遮断状態とさせて前記一対の作動油ライン601、602の間を分断させて前記HST10から前記第2要素への動力伝達を係合する遮断位置とを選択的に取り得るように構成されている。
本実施の形態においては、前記バイパス弁860は、付勢部材862によって遮断位置へ向けて付勢された状態で前記HMT構造200Aに備えられる制御装置900によって位置制御される電磁弁とされている。
即ち、前記バイパス弁860は、初期状態(通常状態)においては前記付勢部材862によって初期位置となる遮断位置に位置されており、前記制御装置900から制御信号が入力されると前記付勢部材862の付勢力に抗して作動位置となるバイパス位置に位置されるようになっている。
なお、図4中の符号890は、前記一対の作動油ライン601、602の間を連通する連通ライン865に介挿された双方向高圧リリーフ弁であり、一方の作動油ラインの油圧が所定しきい値を超えると、一方の作動油ラインの圧油を他方の作動油ラインにリリーフするように構成されている。
前記機械回転付与機構400Aは、前記第3要素の合成回転動力をゼロ速とさせるような回転速度(以下、ゼロ速用所定回転速という)の回転動力を、前記第2要素に入力するように、変速比が設定されている。
本実施の形態においては、前記機械回転付与機構400Aは、前記ポンプ軸20の第2端部22に支持された駆動ギヤ410と、前記駆動ギヤ410に直接又は間接的に噛合された状態で前記モータ軸30の第2端部32に支持された従動ギヤ415とを有するものとされ、前記駆動ギヤ410及び前記従動ギヤ415の一方が対応する軸に相対回転自在とされ且つ他方が対応する軸に相対回転不能とされる。
本実施の形態においては、図2に示すように、前記駆動ギヤ410は、対応する前記ポンプ軸20に相対回転自在に支持されており、前記従動ギヤ415は、対応する前記モータ軸30に相対回転不能に支持されている。
なお、図3に示すように、本実施の形態においては、前記駆動ギヤ410及び前記従動ギヤ415は、アイドル軸412に支持されたアイドルギヤ413を介して噛合されている。
前記機械伝動側クラッチ機構450は、前記駆動ギヤ410及び前記従動ギヤ415のうち対応する軸に相対回転自在に支持されたギヤを、当該対応する軸に係脱切替可能とされている。
前述の通り、本実施の形態においては、前記駆動ギヤ410が対応する前記ポンプ軸20に相対回転自在に支持されている。
従って、前記機械伝動側クラッチ機構450は、前記駆動ギヤ410を前記ポンプ軸20に係脱切替可能とされている。
具体的には、図2及び図4に示すように、前記機械伝動側クラッチ機構450は、前記ポンプ軸20の第2端部22に相対回転不能に支持されたクラッチハウジング460と、前記クラッチハウジング460に相対回転不能且つ軸線方向移動可能に支持された駆動側摩擦板及び前記駆動ギヤ410に相対回転不能且つ軸線方向移動可能に支持された状態で前記駆動側摩擦板に対向配置された従動側摩擦板を含む摩擦板群465と、前記摩擦板群465の摩擦係合及び解除を切り替えるピストン470とを有している。
本実施の形態においては、前記機械伝動側クラッチ機構450は、油圧の作用を利用して、前記ピストン470を作動させるように構成されている。
詳しくは、前記ピストン470は、クラッチ室462を液密に画しつつ摺動可能に前記クラッチハウジング460に収容されている。
図4に示すように、前記機械伝動側クラッチ機構450には、さらに、下流側が前記クラッチ室462に流体接続されたクラッチ給排ライン480と、前記クラッチ給排ライン480の上流側に流体接続されたクラッチ切替弁485とを有している。
前記クラッチ切替弁485は、油圧源からの圧油を前記クラッチ給排ライン480に供給するクラッチ係合位置と前記クラッチ給排ライン480をドレンライン482に流体接続させるクラッチ解除位置とを選択的に取り得るように構成されている。
本実施の形態においては、前記油圧源として前記圧油供給ライン605の圧油を利用している。
本実施の形態においては、前記クラッチ切替弁485は、付勢部材487によってクラッチ解除位置へ向けて付勢された状態で前記制御装置900によって位置制御される電磁弁とされている。
即ち、前記クラッチ切替弁485は、初期状態(通常状態)においては前記付勢部材487によって初期位置となるクラッチ解除位置に位置されており、前記制御装置900から制御信号が入力されると前記付勢部材487の付勢力に抗して作動位置となるクラッチ係合位置に位置されるようになっている。
前記クラッチ切替弁485がクラッチ係合位置に位置されて、前記クラッチ給排ライン480を介して前記クラッチ室462に圧油が供給されると、前記ピストン470は前記摩擦板群465を摩擦係合させる。
これにより、前記ポンプ軸20から前記駆動ギヤ410への動力伝達が係合される。
なお、本実施の形態においては、図2に示すように、前記機械伝動クラッチ機構450は、前記ピストン470を前記摩擦板群465から離間させる方向へ押動する戻しばね472を有しており、前記クラッチ切替弁485がクラッチ解除位置に位置されて、前記クラッチ室462の圧油が前記クラッチ給排ライン480及び前記ドレンライン482を介してドレンされると、前記摩擦板群465の摩擦係合が確実に解除されるようになっている。
前記HST側クラッチ機構850のバイバス弁860及び前記機械伝動側クラッチ機構450のクラッチ切替弁485は、前記変速操作レバー700Aがゼロ速位置0から第2操作方向D2に沿ってパーキング位置Pへ操作されることに応じて、前記制御装置900によってそれぞれの作動位置へ位置されるようになっている。
まず、前記変速操作レバー700Aの第2操作方向D2に沿った操作について説明する。
本実施の形態においては、図5、図6(a)及び図6(b)に示すように、前記変速操作レバー700Aは、前記第1操作軸710及び前記レバー本体730に加えて、前記第1操作軸710に略直交姿勢で支持された第2操作軸720と、前記第2操作軸720に支持された接続部材740とを有している。
前記接続部材740は、前記レバー本体730、前記接続部材740、前記第2操作軸720及び前記第1操作軸710が一体的に前記第1操作軸710の軸線回りに揺動し、且つ、前記レバー本体730及び前記接続部材740が前記第2操作軸720の軸線回りに揺動するように、前記レバー本体730の基端部と前記第2操作軸720とを連結している。
斯かる構成によって、前記レバー本体730、前記接続部材740、前記第2操作軸720及び前記第1操作軸710が一体的に前記第1操作軸710の軸線回りに揺動することで前記変速操作レバー700の第1操作方向D1に沿った変速操作を可能としつつ、前記レバー本体730及び前記接続部材740が一体的に前記第2操作軸720の軸線回りに揺動することで前記変速操作レバー700の第2操作方向D2に沿った操作を可能としている。
図6(a)に示すように、本実施の形態においては、前記第2操作軸720は、一端部及び他端部が外方へ延在するように前記第1操作軸710を貫通した状態で前記第1操作軸710に支持されている。
前記接続部材740は、前記第2操作軸720の一端部及び他端部にそれぞれ支持される一対の支持片742と、前記第1操作軸710との間に間隙を存しつつ、前記一対の支持片742を連結する連結片744とを有しており、前記レバー本体730の基端部が前記連結片744に連結されている。
前記第1操作軸710が軸線回り回転自在に前記支持体705に支持されており、前記レバー本体730、前記接続部材740、前記第2操作軸720及び前記第1操作軸710が一体的に前記第1操作軸710の軸線回りに回動可能となっている。
さらに、前記第2操作軸720が前記第1操作軸710に軸線回り回転自在、及び/又は、前記一対の支持片742が前記第2操作軸720に軸線回り回転自在とされており、前記間隙が存する範囲内で前記レバー本体730及び前記接続部材740が前記第2操作軸720の軸線回りに揺動可能となっている。
本実施の形態においては、前記変速操作レバー700Aは、第1操作方向D1に関しゼロ速位置0に位置された際にのみ第2操作方向D2に沿ったパーキング位置Pへの操作が可能とされている。
具体的には、図5に示すように、前記変速操作レバー700Aは、さらに、前記レバー本体730が挿通されるガイド溝810Aを有するレバーガイド800Aを有している。
前記ガイド溝810Aは、第1操作方向D1に沿って前記レバー本体730を案内する第1溝811と、第1操作方向D1に関し前記変速操作レバー700Aがゼロ速位置0に位置された際にのみ前記変速操作レバー700Aの第2操作方向D2への操作を許容する第2溝812とを有している。
前記第2溝812における前記第1溝811とは反対側の端部位置がパーキング位置Pとされており、位置検出センサ820によって前記変速操作レバー700Aがパーキング位置Pに位置されたことを検出し得るようになっている。
前記制御装置900は、前記変速操作レバー700Aがパーキング位置Pに位置されていない通常状態においては、前記バイパス弁860を遮断位置に位置させて前記HST10から前記第2要素への動力伝達を係合させ且つ前記クラッチ切替弁485をクラッチ解除位置に位置させて前記駆動源5から前記機械回転付与機構400Aを介して前記第2要素へ動力が伝達される機械伝動経路を遮断させるHST伝動状態を現出させる。
このHST伝動状態においては、前記変速操作レバー700Aの第1操作方向D1に関する操作位置に応じた速度の回転動力が前記HMT出力軸350から出力される。
一方、前記変速操作レバー700Aがパーキング位置Pに位置されると、前記制御装置900は、前記バイパス弁860を連通位置に位置させて前記HST10から前記第2要素への動力伝達を遮断させ且つ前記クラッチ切替弁485をクラッチ係合位置に位置させて前記駆動源5から前記機械回転付与機構400Aを介して前記第2要素へ動力が伝達される機械伝動経路を連通させる機械伝動状態を現出させる。
前述の通り、前記機械回転付与機構400Aは、ゼロ速用所定回転速の回転動力を前記第2要素に入力するように構成されており、従って、前記機械伝動状態においては、前記HMT出力軸350は強制的な停止状態となる。
斯かる構成を備えた前記HMT構造200Aによれば下記効果を得ることができる。
即ち、前記変速操作レバー700Aを第1操作方向D1に沿ってゼロ速位置0から前進側最高速Fmax及び後進側最高速Rmaxへ向けて操作することによって、前記HMT出力軸350から前進側回転動力及び後進側回転動力をそれぞれ出力することができる。
従って、別途に前後進切替機構を備えることなく前進走行及び後進走行を行うことを可能とする。
また、前記遊星歯車機構100は、前記第2要素に逆転側所定回転速HST(Rs)の回転動力が入力された際に合成回転動力がゼロ速となるように構成されており、前記変速操作レバー700Aがゼロ速位置0に位置された際に前記HST10の出力が逆転側所定回転速HST(Rs)となるように設定されている。
斯かる構成によれば、前記HMT出力軸350から前進側回転動力及び後進側回転動力の双方向の回転動力を出力可能としつつ、使用頻度の高い前進側回転動力の変速範囲を広げることができる。
さらに、前記変速操作レバー700Aをゼロ速位置0から第2操作方向D2に沿ってパーキング位置Pへ操作することによって、前記HST10による油圧伝動経路を介さずに前記駆動源5から前記第2要素へ前記機械回転付与機構400Aを介してゼロ速用所定回転速の回転動力が入力されるので、前記遊星歯車機構100の第3要素が確実に出力ゼロ状態となる。
従って、本実施の形態におけるように、前記HMT構造200Aを作業車輌1の走行系伝動経路に適用した場合には、前記変速操作レバー700Aをパーキング位置Pへ位置させることにより、操縦者の意に反して作業車輌1がクリープ速で移動することを確実に防止することができる。
即ち、前記変速操作レバー700Aをゼロ速位置0に位置させることにより、前記HST10は、前記遊星歯車機構100の第3要素の合成回転動力をゼロ速とさせる逆転側所定回転速HST(Rs)の回転動力を出力するように設定されている。
従って、理論上においては、前記機械回転付与機構400Aを介して前記駆動源5から前記第2要素へゼロ速用所定回転速の回転動力を入力させることなく、第3要素の合成回転動力をゼロ速とさせることができる。
しかしながら、前記HST10の出力を厳密に逆転側所定回転速HST(Rs)に維持することは困難であり、前記HST10の製造誤差や作動油の脈動等によって前記HST10の出力が意に反して逆転側所定回転速HST(Rs)から変動することが生じ易い。
HST出力が逆転側所定回転速HST(Rs)から変動すると、前記遊星歯車機構100の第3要素から意に反した回転速の動力が出力されることになり、作業車輌1がクリープ速で移動する虞がある。
これに対し、本実施の形態に係る前記HMT構造200Aにおいては、前述の通り、前記変速操作レバー700Aをパーキング位置Pに位置させると、前記HST10から前記第2要素への動力伝達は解除された状態で前記機械回転付与機構400Aを介してゼロ速用所定回転速の回転動力が前記第2要素に安定して入力される。
従って、前記遊星歯車機構100の第3要素を確実に出力ゼロ状態とさせることができる。
図6(b)に示すように、本実施の形態においては、前記変速操作レバー700Aは、さらに、前記レバー本体730及び前記接続部材740を前記第2操作軸720の軸線回りにパーキング位置Pへ向けて付勢する付勢部材840を有している。
前記付勢部材840を備えることにより、前記変速操作レバー700Aを第1操作方向D1に関しゼロ速位置0に位置させた状態で操作力を解除すると、前記変速操作レバー700Aを自動的にパーキング位置Pに位置させることができる。
図2等に示すように、本実施の形態に係る前記HMT構造200Aは、さらに、前記HST10及び前記遊星歯車機構100を収容し、前記HMT出力軸350を支持するHMTハウジング210Aを有している。
前記HMTハウジング210Aは、取付箇所(本実施の形態においてはトランスミッション500)に着脱自在に連結される。
図2に示すように、前記HMTハウジング210Aは、前記油圧ポンプ25及び前記油圧モータ35を収容するHST空間211と、前記遊星歯車機構100を収容する遊星空間212とを有している。
本実施の形態においては、前記HMTハウジング210Aは、ハウジング本体220Aと、前記ハウジング本体220Aに着脱自在に連結される第1蓋部材240及び第2蓋部材260とを有している。
前記ハウジング本体220Aは、軸線方向一方側及び他方側がそれぞれ第1及び第2開口231、232とされた中空の周壁230Aと、前記周壁230Aの軸線中間位置において前記周壁230Aの内部空間を前記HST空間211及び前記遊星空間222に仕切る隔壁235とを有している。
前記第2蓋部材260は、前記第2開口232を閉塞するように前記ハウジング本体220Aに着脱自在に連結される。
図2及び図3に示すように、前記第2蓋部材260は、前記一対の作動油ライン601、602が形成されたポートブロックとしても作用する。
前記第1蓋部材240は、前記第1開口231を閉塞するように前記ハウジング本体220Aに着脱自在に連結される。
前記第1蓋部材240は、前記HMTハウジング210Aの取付箇所(本実施の形態においては前記トランスミッション500のミッションケース510)に対する装着面としても作用する。
本実施の形態においては、前記HMTハウジング210Aは前記HMT入力軸310を支持するように構成されている。
詳しくは、前記HMT入力軸310は、前記遊星空間212内において前記第1蓋部材240及び前記隔壁235によって軸線回り回転自在に支持されている。
前記HMT入力軸310の伝動方向上流側は、前記第1蓋部材240に形成されたアクセス孔を介して前記入力側伝動軸305に連結されている。
前記ポンプ軸20は、第1端部21が前記隔壁235を貫通して前記HMT入力軸310の伝動方向下流側に連結されている。
本実施の形態においては、図2に示すように、前記ポンプ軸20の第2端部22は前記第2蓋部材260を貫通して外方へ延在されており、この外方延在部に前記機械回転付与機構400Aの駆動ギヤ410及び前記機械伝動側クラッチ機構450が支持されている。
前記第2蓋部材260の外表面には、機械伝動用ハウジング280が着脱自在に装着されている。
前記機械伝動用ハウジング280は、前記第2蓋部材260の側に開く開口282を有しており、前記開口282が前記第2蓋部材260によって閉塞されるように前記第2蓋部材260に装着されている。
前記機械回転付与機構400A及び前記機械伝動側クラッチ機構450は、前記機械伝動用ハウジング280及び前記第2蓋部材260によって画される機械伝動空間に収容されている。
前記モータ軸30は、第1端部31が前記隔壁235を貫通して前記遊星空間212に突入され且つ第2端部32が前記第2蓋部材260を貫通して前記機械伝動空間に突入された状態で、前記第2蓋部材260及び前記隔壁235によって軸線回り回転自在に支持されている。
前記機械回転付与機構400Aの従動ギヤ413は、前記機械伝動空間内において前記モータ軸30の第2端部32に支持されている。
前記遊星歯車機構100は、前記モータ軸30と同軸上で前記遊星空間212内に収容されている。
前記HMT出力軸350は、伝動方向上流側が前記キャリヤ150に連結され且つ伝動方向下流側が前記第1蓋部材240に形成されたアクセス孔を介して外部からアクセス可能な状態で、前記第1蓋部材240によって軸線回り回転自在に支持されている。
本実施の形態においては、前記HMT出力軸350は、前記遊星歯車機構100と同軸上に配置されている。
図1に示すように、本実施の形態に係る前記HMT構造200Aが適用された前記作業車輌1は、前記HMT構造200Aからの回転動力を変速して、前記走行部材6に向けて出力する前記トランスミッション500を有している。
前記トランスミッション500は、前記ミッションケース510と、前記ミッションケース510に支持されたトランスミッション入力軸515、副変速駆動軸520及び副変速従動軸530と、前記副変速駆動軸520及び前記副変速従動軸530の間で多段変速を行う副変速機構525とを有している。
前記HMTハウジング210Aは、前記入力側伝動軸305及び前記HMT出力軸350がそれぞれ前記トランスミッション入力軸515及び前記副変速駆動軸520に連結されるように、前記ミッションケース510に装着される。
前記作業車輌1においては、前記走行部材6は、左右一対とされている。
従って、前記トランスミッション500は、さらに、前記一対の走行部材6、6に向けてそれぞれ駆動力を出力する一対の駆動車軸545、545と、前記副変速従動軸530の回転動力を前記一対の駆動車軸545、545に差動伝達するディファレンシャル機構540とを有している。
なお、図1中の符号535は前記副変速従動軸530に選択的に制動力を付加するパーキングブレーキ機構であり、符号550は前記一対の駆動車軸545、545にそれぞれ選択的に制動力を付加する一対の走行ブレーキ機構である。
前述の通り、本実施の形態においては、前記変速操作レバー700Aは第1操作方向D1に沿った操作に加えて、第1操作方向D1に関しゼロ速に位置された際には第2操作方向D2に沿ってパーキング位置Pへ操作可能とされている。
これに代えて、第1操作方向D1に沿ってのみ操作可能とされた変速操作レバー700A’を用いることも可能である。
図8に、前記変速操作レバー700A’の平面図を示す。
前記変速操作レバー700A’は、前記第1操作軸710及び前記レバー本体730を有するものとされ、前記第1操作軸710の軸線回りに揺動されることで第1操作方向D1に沿って操作可能とされ得る。
前記変速操作レバー700A’は、前記変速操作レバー700Aに比して、前記レバーガイド800Aの代わりに、ガイド溝810A’が設けられたレバーガイド800A’を有している。
前記ガイド溝810A’は第1溝811を有している。
前記変速レバー700A’を備えた変形例においては、前記変速操作レバー700A’がゼロ速位置以外に位置されている際には、前記HST側クラッチ機構850を係合状態且つ前記機械伝動側クラッチ機構450を遮断状態として、前記変速操作レバー700A’の第1操作方向D1に関する操作位置に応じた回転速の出力を前記モータ軸30から前記第2要素に入力するものとしつつ、前記変速操作レバー700A’がゼロ速位置(パーキング位置P)に位置されると、前記HST側クラッチ機構850を係合状態から遮断状態に切り替え且つ前記機械伝動側クラッチ機構450を遮断状態から係合状態に切り替えることで、機械伝動経路を介して伝達される回転動力を前記第2要素に入力して前記第3要素が強制的に回転停止状態とされる。
実施の形態2
以下、本発明に係るHMT構造の他の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図9に、本実施の形態に係るHMT構造200Bの油圧回路図を示す。
なお、本実施の形態における図中、前記実施の形態1におけると同一部材には同一符号を付して、その説明を適宜省略する。
前記実施の形態1に係るHMT構造200Aは、前記HST10から前記遊星歯車機構100の第2要素への動力伝達の係合状態から遮断状態への切替と、前記機械回転付与機構400Aを介した前記駆動源5から前記第2要素への動力伝達の遮断状態から係合状態への切替とを同時に行うように構成されている。
これに対し、本実施の形態に係るHMT構造200Bは、前記HST10から前記第2要素への動力伝達が係合され且つ前記機械回転付与機構400Aを介した前記駆動源5から前記第2要素への動力伝達が遮断されたHST伝動状態と、前記HST10から前記第2要素への動力伝達及び前記機械回転付与機構400Aを介した前記駆動源5から前記第2要素への動力伝達の双方が遮断されたフリーホイール状態と、前記HST10から前記第2要素への動力伝達が遮断され且つ前記機械回転付与機構400Aを介した前記駆動源5から前記第2要素への動力伝達が係合された機械伝動状態とを選択的に現出させ得るように構成されている。
具体的には、前記HMT構造200Bは、前記実施の形態1に係るHMT構造200Aに比して、前記変速操作レバー700Aの代わりに変速操作レバー700Bを有している。
図10に、前記変速操作レバー700Bの平面図を示す。
また、図11(a)及び(b)に、それぞれ、図10におけるXI(a)-XI(a)線及びXI(b)-XI(b)線に沿った前記変速操作レバー700Bの側面図及び背面図を示す。
前記変速操作レバー700Bは、ゼロ速位置0から第1操作方向D1とは異なる第2操作方向D2に沿ってフリーホイール位置Fへ操作可能とされ、且つ、フリーホイール位置Fから第2操作方向D2とは異なる第3操作方向D3に沿ってパーキング位置Pへ操作可能とされている。
前記変速操作レバー700Bは、前記変速操作レバー700Aに比して、前記レバーガイド800Aの代わりにレバーガイド800Bを有している。
図10に示すように、前記レバーガイド800Bにはガイド溝810Bが設けられている。
前記ガイド溝810Bは、前記第1及び第2溝811、812を有し、さらに、第3溝813を有している。
前記第2溝812における前記第1溝811とは反対側の端部位置がフリーホイール位置Fとされており、位置検出センサ830によって前記変速操作レバー700Bがフリーホイール位置Fに位置されたことを検出し得るようになっている。
前記第3溝813は、第2操作方向D2に関し前記変速操作レバー700Bがフリーホイール位置Fに位置された際にのみ前記変速操作レバー700Bの第3操作方向D3への操作を許容するように構成されている。
前記第3溝813における前記第2溝812とは反対側の端部位置がパーキング位置Pとされており、位置検出センサ835によって前記変速操作レバー700Bがパーキング位置Pに位置されたことを検出し得るようになっている。
前記制御装置900は、前記変速操作レバー700Bが前記第1溝811に係入されている通常状態(即ち、前記位置検出センサ830、835の双方が非検出状態)においては、前記バイパス弁860を遮断位置に位置させて前記HST10から前記第2要素への動力伝達を係合させ且つ前記クラッチ切替弁485をクラッチ解除位置に位置させて前記駆動源5から前記機械回転付与機構400Aを介して前記第2要素への動力伝達を遮断させるHST伝動状態を現出させる。
前記変速操作レバー700Bがフリーホイール位置Fに位置されると、前記制御装置900は、前記バイパス弁850を遮断位置から連通位置に移動させて前記HST10から前記第2要素への動力伝達を係合状態から遮断状態へ切り替えつつ、前記クラッチ切替弁485をクラッチ解除位置に位置させたままとして前記駆動源5から前記機械回転付与機構400Aを介して前記第2要素への動力伝達を遮断状態のまま維持するフリーホイール状態を現出させる。
このフリーホイール状態においては、前記走行部材6と前記駆動源5に作動連結されている前記遊星歯車機構100とが前記HST側クラッチ機構850及び前記機械伝動側クラッチ機構450によって分断されることになり、前記走行部材6は回転自在なフリー状態となる。従って、前記作業車輌1の強制牽引を容易に行うことが可能となる。
そして、前記変速操作レバー700Bがパーキング位置Pに位置されると、前記制御装置900は、前記バイパス弁860を連通位置に位置させたままとして前記HST10から前記第2要素への動力伝達を遮断状態に維持しつつ、前記クラッチ切替弁485をクラッチ解除位置からクラッチ係合位置に移動させて前記駆動源5から前記機械回転付与機構400Aを介して前記第2要素への動力伝達を係合させる機械伝動状態を現出させる。
本実施の形態に係るHMT構造200Bによれば、前記実施の形態1におけると同様の効果を得つつ、フリーホイール状態を選択的に現出させることができる。
実施の形態3
以下、本発明に係るHMT構造のさらに他の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図12に、本実施の形態に係るHMT構造200Cの断面図を示す。
また、図13に、図12におけるXIII-XIII線に沿った断面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態におけると同一部材には同一符号を付して、その説明を適宜省略する。
前記実施の形態1に係るHMT構造200Aは、前記機械回転付与機構400A及び前記機械伝動側クラッチ機構450が前記HMTハウジング210Aに付設される機械伝動用ハウジング280に収容されている。
これに対し、本実施の形態に係るHMT構造200Cにおいては、機械回転付与機構400C及び前記機械伝動側クラッチ機構450がHMTハウジング200Cの遊星空間212に収容されている。
具体的には、前記HMT構造200Cは、前記実施の形態1に係るHMT構造200Aに比して、前記HMTハウジング210Aに代えて前記HMTハウジング210Cを有し、前記機械回転付与機構400Aに代えて前記機械回転付与機構400Cを有している。
図12及び図13に示すように、前記機械回転付与機構400Cは、前記遊星空間212内に収容されており、前記駆動源5から前記ポンプ軸20へ伝動経路から回転動力を取り出すように構成されている。
詳しくは、図12及び図13に示すように、前記機械回転付与機構400Cは、前記ポンプ軸20の第1端部21に相対回転不能に支持された第1駆動ギヤ420と、前記遊星空間212内に配設されたアイドル軸422に支持され且つ前記第1駆動ギヤ420に直接又は間接的に噛合された第1従動ギヤ425と、前記アイドル軸422に支持された第2駆動ギヤ430と、前記第2駆動ギヤ430に直接又は間接的に噛合された状態で前記モータ軸30の第1端部31に直接又は間接的に支持された第2従動ギヤ435とを有しており、前記第1従動ギヤ425、前記第2駆動ギヤ430及び前記第2従動ギヤ435のうちの一のギヤが対応する軸に相対回転自在とされ且つ残りの2つのギヤは対応する軸に相対回転不能とされている。
本実施の形態においては、図12に示すように、前記第2駆動ギヤ430が対応する前記アイドル軸422に相対回転自在に支持されており、残りの前記第1従動ギヤ425及び前記第2従動ギヤ434は、それぞれ、対応する前記アイドル軸422及び前記モータ軸30に直接又は間接的に相対回転不能に支持されている。
なお、本実施の形態においては、図12に示すように、前記モータ軸30の第1端部31にはHST伝動軸320が相対回転不能に外挿されており、前記第2従動ギヤ435は前記HST伝動軸320に支持されている。
そして、前記第2要素として作用する前記サンギヤ110は前記HST伝動軸320に相対回転不能に支持されている。
図12に示すように、前記HMTハウジング210Cは、ハウジング本体220Cと、前記ハウジング本体220Cに着脱自在に連結される前記第1蓋部材240及び前記第2蓋部材260とを有している。
前記ハウジング本体220Cは、前記第1及び第2開口231、232を有する中空の周壁230C及び前記隔壁235を有している。
前記周壁230Cは、軸線方向中間領域の周方向の一部に径方向外方へ膨出された膨出壁237を有しており、前記膨出壁237によって、前記遊星空間212には、前記遊星歯車機構100を収容する領域から径方向外方へ拡張されたクラッチ収容領域213が設けられている。
前記ハウジング本体220Cは、さらに、前記膨出壁237と対向するように前記遊星空間212内に配設された軸受板239を有しており、前記アイドル軸422は一端側が軸受部材を介して前記軸受板239によって支持され且つ他端側が軸受部材を介して前記膨出壁237に支持されている。
なお、本実施の形態においては、前記入力側伝動軸305は削除されており、前記HMT入力軸310の伝動方向上流側が外部部材(例えば、前記トランスミッション入力軸515)に連結されるようになっている。
前記機械伝動側クラッチ機構450は、前記機械回転付与機構400Cに備えられた前記第1駆動ギヤ420、前記第1従動ギヤ425、前記第2駆動ギヤ430及び前記第2従動ギヤ435のうち、対応する軸に相対回転自在に支持されたギヤを、当該対応する軸に係脱切替可能とされている。
前述の通り、本実施の形態においては、前記第2駆動ギヤ430が対応する前記アイドル軸422に相対回転自在に支持されている。
従って、前記機械伝動側クラッチ機構450は、前記第2駆動ギヤ430を前記アイドル軸422に係脱切替可能とされている。
具体的には、図12に示すように、前記クラッチハウジング460は、前記遊星空間212のクラッチ収容領域213内において前記アイドル軸422に相対回転不能に支持されている。
前記摩擦板群465の駆動側摩擦板は前記クラッチハウジング460に相対回転不能且つ軸線方向移動可能に支持され、従動側摩擦板は前記第2駆動ギヤ430に相対回転不能且つ軸線方向移動可能に支持された状態で前記駆動側摩擦板に対向配置されている。
斯かる構成を備えた前記HMT構造200Cによれば、前記実施の形態1におけると同様の効果を得つつ、軸線方向に関する長尺化を有効に防止することができる。
また、前記機械回転付与機構400Cが、前記第1駆動ギヤ420及び前記第1従動ギヤ425を含む第1減速ギヤ列と、前記第2駆動ギヤ430及び前記第2従動ギヤ435を含む第2ギヤ列とを有しており、前記駆動源5から前記ポンプ軸20に伝達される回転動力を2段階減速して前記第2要素に伝達可能とされている為、前記機械回転付与機構400Cの減速比設定の自由度を向上させることができる。
実施の形態4
以下、本発明に係るHMT構造のさらに他の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図14に、本実施の形態に係るHMT構造200Dが適用された作業車輌1の伝動模式図を示す。
なお、図中、前記実施の形態におけると同一部材には同一符号を付して、その説明を適宜省略する。
本実施の形態に係るHMT構造200Dは、前記実施の形態1に係るHMT構造200Aに比して、前記機械回転付与機構400A及び前記機械伝動側クラッチ機構450に代えて、機械回転付与機構400D及び機械伝動側クラッチ機構450Dを有している。
図14に示すように、前記機械回転付与機構400Dは、前記駆動源5及び前記モータ軸30を作動連結するベルト伝動機構とされている。
本実施の形態においては、前記機械回転付与機構400Dは、前記駆動源5に作動連結された第1駆動プーリー441aと、アイドル軸445に作動連結された第1従動プーリー442aと、前記第1駆動プーリー441a及び前記第1従動プーリー442aに巻き回された第1ベルト443aと、前記アイドル軸445に作動連結された第2駆動プーリー441bと、前記モータ軸30に作動連結された第2従動プーリー442bと、前記第2駆動プーリー441b及び前記第2従動プーリー442bに巻き回された第2ベルト443bとを有している。
前記機械伝動側クラッチ機構450Dは、前記機械回転付与機構400Dにおけるベルトに対する張力付与を選択的に係脱可能なテンションプーリー490を有している。
本実施の形態においては、図14に示すように、前記テンションプーリー490は、前記第2ベルト443bに対して作用するように配置されている。
前記機械伝動側クラッチ機構450Dは、例えば、前記テンションプーリー490を作動させる油圧アクチュエータ(図示せず)と、前記油圧アクチュエータに対する作動油の給排を切り替える電磁弁(図示せず)であって、前記制御装置900によって位置制御される電磁弁とを有することができる。
斯かる構成の前記HMT構造200Dにおいても、前記実施の形態1におけると同様の効果を得ることができる。
5 駆動源
10 HST
20 ポンプ軸
21 ポンプ軸第1端部
22 ポンプ軸第2端部
25 油圧ポンプ
30 モータ軸
31 モータ軸第1端部
32 モータ軸第2端部
35 油圧モータ
40 出力調整部材
100 遊星歯車機構
110 サンギヤ(第2要素)
130 インターナルギヤ(第1要素)
150 キャリヤ(第3要素)
200A〜200D HMT構造
211 HST空間
212 遊星空間
210A〜210C HMTハウジング
280 機械伝動用ハウジング
310 HMT入力軸
350 HMT出力軸
400A〜400D 機械回転付与機構
410 駆動ギヤ
415 従動ギヤ
420 第1駆動ギヤ
422 アイドル軸
425 第1従動ギヤ
430 第2駆動ギヤ
435 第2従動ギヤ
450、450D 機械伝動側クラッチ機構
490 テンションプーリー
601、602 作動油ライン
700A〜700B 変速操作レバー
710 第1操作軸
720 第2操作軸
730 レバー本体
740 接続部材
800A〜800B レバーガイド
810A〜810B ガイド溝
811 第1溝
812 第2溝
813 第3溝
840 付勢部材
850 HST側クラッチ機構
860 バイパス弁
D1 第1操作方向
D2 第2操作方向
D3 第3操作方向

Claims (12)

  1. 駆動源からポンプ軸に作動的に入力される回転動力を無段変速してモータ軸から出力するHSTと、
    前記駆動源から作動伝達される基準速度の回転動力を入力する第1要素、前記モータ軸の回転動力を入力可能とされた第2要素並びに前記第1及び第2回転動力の合成回転動力を出力する第3要素を含む遊星歯車機構と、
    前記第3要素に作動連結されたHMT出力軸と、
    ゼロ速位置を挟んで前進側及び後進側へ第1操作方向に沿って変速操作可能とされ、第1操作方向の操作位置に応じて前記モータ軸の回転速度が変化するように前記HSTの出力調整部材に作動連結された変速操作レバーと、
    前記駆動源からの回転動力を前記HSTの油圧伝動経路を介さずに前記第2要素へ入力可能な機械回転付与機構であって、前記第3要素の合成回転動力をゼロ速とさせるような回転速度の回転動力を前記第2要素に入力可能とされた機械回転付与機構と、
    前記モータ軸から前記第2要素への動力伝達を係脱させるHST側クラッチ機構と、
    前記機械回転付与機構を介した前記駆動源から前記第2要素への動力伝達を係脱させる機械伝動側クラッチ機構とを備え、
    前記HST及び前記遊星歯車機構は、前記変速操作レバーがゼロ速位置の際に前記第3要素の合成回転動力がゼロ速となり、前記変速操作レバーがゼロ速位置から前進側及び後進側へ操作されるに従って前記第3要素の合成回転動力が前進側及び後進側へそれぞれ増速されるように、構成されており、
    前記変速操作レバーは、ゼロ速位置から第1操作方向とは異なる第2操作方向に沿ってパーキング位置へ操作可能とされており、
    前記変速操作レバーのパーキング位置への操作に応じて、前記HST側クラッチ機構が係合状態から遮断状態に切り替わり且つ前記機械伝動側クラッチ機構が遮断状態から係合状態に切り替わることを特徴とするHMT構造。
  2. 前記変速操作レバーは、軸線回り回転自在に支持された第1操作軸と、前記第1操作軸に直交状態で支持された第2操作軸と、人為操作されるレバー本体と、前記レバー本体の基端部を前記第2操作軸に連結させる接続部材と、前記レバー本体を案内するガイド溝が設けられたレバーガイドとを有し、
    前記レバー本体、前記接続部材、前記第2操作軸及び前記第1操作軸が一体的に前記第1操作軸の軸線回りに回動可能とされることで前記第1操作方向に沿った操作が現出され、前記レバー本体及び前記接続部材が前記第2操作軸の軸線回りに回動可能とされることで前記第2操作方向に沿った操作が現出され、
    前記ガイド溝は、前記第1操作方向に沿って前記レバー本体を案内する第1溝と、前記第1操作方向に関し前記レバー本体がゼロ速位置に位置された際にのみ前記レバー本体の第2操作方向への移動を許容する第2溝とを有していることを特徴とする請求項1に記載のHMT構造。
  3. 前記変速操作レバーは、前記レバー本体及び前記接続部材を前記第2操作軸の軸線回りにパーキング位置へ向けて付勢する付勢部材を有していることを特徴とする請求項2に記載のHMT構造。
  4. 駆動源からポンプ軸に作動的に入力される回転動力を無段変速してモータ軸から出力するHSTと、
    前記駆動源から作動伝達される基準速度の回転動力を入力する第1要素、前記モータ軸の回転動力を入力可能とされた第2要素並びに前記第1及び第2回転動力の合成回転動力を出力する第3要素を含む遊星歯車機構と、
    前記第3要素に作動連結されたHMT出力軸と、
    ゼロ速位置を挟んで前進側及び後進側へ第1操作方向に沿って変速操作可能とされ、第1操作方向の操作位置に応じて前記モータ軸の回転速度が変化するように前記HSTの出力調整部材に作動連結された変速操作レバーと、
    前記駆動源からの回転動力を前記HSTの油圧伝動経路を介さずに前記第2要素へ入力可能な機械回転付与機構であって、前記第3要素の合成回転動力をゼロ速とさせるような回転速度の回転動力を前記第2要素に入力可能とされた機械回転付与機構と、
    前記モータ軸から前記第2要素への動力伝達を係脱させるHST側クラッチ機構と、
    前記機械回転付与機構を介した前記駆動源から前記第2要素への動力伝達を係脱させる機械伝動側クラッチ機構とを備え、
    前記HST及び前記遊星歯車機構は、前記変速操作レバーがゼロ速位置の際に前記第3要素の合成回転動力がゼロ速となり、前記変速操作レバーがゼロ速位置から前進側及び後進側へ操作されるに従って前記第3要素の合成回転動力が前進側及び後進側へそれぞれ増速されるように、構成されており、
    前記変速操作レバーは、ゼロ速位置から第1操作方向とは異なる第2操作方向に沿ってフリーホイール位置へ操作可能とされ、且つ、フリーホイール位置から第2操作方向とは異なる第3操作方向に沿ってパーキング位置へ操作可能とされており、
    前記変速操作レバーのフリーホイール位置への操作に応じて前記HST側クラッチ機構が係合状態から遮断状態に切り替わり、前記変速操作レバーのパーキング位置への操作に応じて前記HST側クラッチ機構が遮断状態のままで前記機械伝動側クラッチ機構が遮断状態から係合状態に切り替わることを特徴とするHMT構造。
  5. 前記変速操作レバーは、軸線回り回転自在に支持された第1操作軸と、前記第1操作軸に直交状態で支持された第2操作軸と、人為操作されるレバー本体と、前記レバー本体の基端部を前記第2操作軸に連結させる接続部材と、前記レバー本体を案内するガイド溝が設けられたレバーガイドとを有し、
    前記レバー本体、前記接続部材、前記第2操作軸及び前記第1操作軸が一体的に前記第1操作軸の軸線回りに回動可能とされることで前記第1及び第3操作方向に沿った操作が現出され、前記レバー本体及び前記接続部材が前記第2操作軸の軸線回りに回動可能とされることで前記第2操作方向に沿った操作が現出され、
    前記ガイド溝は、前記第1操作方向に沿って前記レバー本体を案内する第1溝と、前記レバー本体が前記第1操作方向に関しゼロ速位置に位置された際にのみ、前記第2操作方向に沿ってフリーホイール位置へ移動することを許容する第2溝と、前記レバー本体が前記第2操作方向に関しフリーホイール位置に位置された際にのみ、前記第3操作方向に沿ってパーキング位置へ移動することを許容する第3溝とを有していることを特徴とする請求項4に記載のHMT構造。
  6. 前記変速操作レバーは、前記レバー本体及び前記接続部材を前記第2操作軸の軸線回りにフリーホイール位置とは反対側へ付勢する付勢部材を備えることを特徴とする請求項5に記載のHMT構造。
  7. 駆動源からポンプ軸に作動的に入力される回転動力を無段変速してモータ軸から出力するHSTと、
    前記駆動源から作動伝達される基準速度の回転動力を入力する第1要素、前記モータ軸の回転動力を入力可能とされた第2要素並びに前記第1及び第2回転動力の合成回転動力を出力する第3要素を含む遊星歯車機構と、
    前記第3要素に作動連結されたHMT出力軸と、
    ゼロ速位置を挟んで前進側及び後進側へ第1操作方向に沿って変速操作可能とされ、第1操作方向の操作位置に応じて前記モータ軸の回転速度が変化するように前記HSTの出力調整部材に作動連結された変速操作レバーと、
    前記駆動源からの回転動力を前記HSTの油圧伝動経路を介さずに前記第2要素へ入力可能な機械回転付与機構であって、前記第3要素の合成回転動力をゼロ速とさせるような回転速度の回転動力を前記第2要素に入力可能とされた機械回転付与機構と、
    前記モータ軸から前記第2要素への動力伝達を係脱させるHST側クラッチ機構と、
    前記機械回転付与機構を介した前記駆動源から前記第2要素への動力伝達を係脱させる機械伝動側クラッチ機構とを備え、
    前記HST及び前記遊星歯車機構は、前記変速操作レバーがゼロ速位置の際に前記第3要素の合成回転動力がゼロ速となり、前記変速操作レバーがゼロ速位置から前進側及び後進側へ操作されるに従って前記第3要素の合成回転動力が前進側及び後進側へそれぞれ増速されるように、構成されており、
    前記変速操作レバーがゼロ速位置に位置されると、前記HST側クラッチ機構が係合状態から遮断状態に切り替わり且つ前記機械伝動側クラッチ機構が遮断状態から係合状態に切り替わることを特徴とするHMT構造。
  8. 前記HST側クラッチ機構は、前記HSTにおける一対の作動油ラインの間の遮断及び連通を切替可能なバイパス弁を有していることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載のHMT構造。
  9. 前記HST及び前記遊星歯車機構を収容するHMTハウジングを備え、
    前記HSTは、軸線方向一方側に位置し、駆動源からの回転動力を作動的に入力する第1端部及び軸線方向他方側の第2端部を有する前記ポンプ軸と、前記ポンプ軸の第1及び第2端部の間の中間部に相対回転不能に支持された油圧ポンプと、前記ポンプ軸と平行に配置された前記モータ軸であって、軸線方向一方側の第1端部及び他方側の第2端部を有し、第1端部を介して前記第2要素へ向けて回転動力を出力する前記モータ軸と、前記モータ軸の第1及び第2端部の間の中間部に相対回転不能に支持され、前記一対の作動油ラインを介して前記油圧ポンプに流体接続された油圧モータと、前記油圧ポンプ及び前記油圧モータの少なくとも一方の容積を変更可能とされた前記出力調整部材とを有し、
    前記HMTハウジングは、前記油圧ポンプ及び前記油圧モータを収容するHST空間と、前記遊星歯車機構を収容する遊星空間とを有しており、
    前記遊星歯車機構は、前記モータ軸の第1端部に相対回転不能とされ、前記第2要素として作用するサンギヤと、前記サンギヤと噛合する遊星ギヤと、前記遊星ギヤと噛合し、前記第1要素として作用するインターナルギヤと、前記遊星ギヤを軸線回り回転自在に支持し且つ前記遊星ギヤの前記サンギヤ回りの公転に連動して前記サンギヤの軸線回りに回転し、前記第3要素として作用するキャリヤとを有し、
    前記インターナルギヤは、前記遊星空間内において前記ポンプ軸又は前記ポンプ軸に作動連結されHMT入力軸を介して前記駆動源からの回転動力を入力し、
    前記機械回転付与機構は、前記ポンプ軸の第2端部に支持された駆動ギヤと、前記駆動ギヤに直接又は間接的に噛合された状態で前記モータ軸の第2端部に支持された従動ギヤとを有し、前記駆動ギヤ及び前記従動ギヤの一方が対応する軸に相対回転自在とされ且つ他方が対応する軸に相対回転不能とされており、
    前記機械伝動側クラッチ機構は、前記駆動ギヤ及び前記従動ギヤの一方を対応する軸に係脱切替可能とされており、
    前記機械回転付与機構及び前記機械伝動側クラッチ機構は、前記HMTハウジングに連結される機械伝動用ハウジングに収容されていることを特徴とする請求項1から8の何れかに記載のHMT構造。
  10. 前記HST及び前記遊星歯車機構を収容するHMTハウジングを備え、
    前記HSTは、軸線方向一方側に位置し、駆動源からの回転動力を作動的に入力する第1端部及び軸線方向他方側の第2端部を有する前記ポンプ軸と、前記ポンプ軸の第1及び第2端部の間の中間部に相対回転不能に支持された油圧ポンプと、前記ポンプ軸と平行に配置された前記モータ軸であって、軸線方向一方側の第1端部及び他方側の第2端部を有し、第1端部を介して前記第2要素へ向けて回転動力を出力する前記モータ軸と、前記モータ軸の第1及び第2端部の間の中間部に相対回転不能に支持され、前記一対の作動油ラインを介して前記油圧ポンプに流体接続された油圧モータと、前記油圧ポンプ及び前記油圧モータの少なくとも一方の容積を変更可能とされた前記出力調整部材とを有し、
    前記HMTハウジングは、前記油圧ポンプ及び前記油圧モータを収容するHST空間と、前記遊星歯車機構を収容する遊星空間とを有しており、
    前記遊星歯車機構は、前記モータ軸の第1端部に相対回転不能とされ、前記第2要素として作用するサンギヤと、前記サンギヤと噛合する遊星ギヤと、前記遊星ギヤと噛合し、前記第1要素として作用するインターナルギヤと、前記遊星ギヤを軸線回り回転自在に支持し且つ前記遊星ギヤの前記サンギヤ回りの公転に連動して前記サンギヤの軸線回りに回転し、前記第3要素として作用するキャリヤとを有し、
    前記インターナルギヤは、前記遊星空間内において前記ポンプ軸又は前記ポンプ軸に作動連結されHMT入力軸を介して前記駆動源からの回転動力を入力し、
    前記機械回転付与機構は、前記ポンプ軸の第1端部に相対回転不能に支持された第1駆動ギヤと、前記遊星空間内に配設されたアイドル軸に支持され且つ前記第1駆動ギヤに直接又は間接的に噛合された第1従動ギヤと、前記アイドル軸に支持された第2駆動ギヤと、前記第2駆動ギヤに直接又は間接的に噛合された状態で前記モータ軸の第1端部に直接又は間接的に支持された第2従動ギヤとを有し、前記第1従動ギヤ、前記第2駆動ギヤ及び前記第2従動ギヤのうちの一のギヤは対応する軸に相対回転自在とされ且つ残りの2つのギヤは対応する軸に相対回転不能とされており、
    前記機械伝動側クラッチ機構は、前記一のギヤを対応する軸に係脱切替可能とされていることを特徴とする請求項1から8の何れかに記載のHMT構造。
  11. 前記機械回転付与機構は、前記駆動源及び前記モータ軸を作動連結するベルト伝動機構とされており、
    前記機械伝動側クラッチ機構は、前記ベルト伝動機構の動力伝達を係脱切替可能なテンションプーリーを有していることを特徴とする請求項1から8の何れかに記載のHMT構造。
  12. 前記HSTは、前記変速操作レバーがゼロ速位置に位置された際に前記モータ軸の回転動力が中立速及び逆転側最高速の間の逆転側所定回転速となり、前記変速操作レバーがゼロ速位置から前進側最高速位置へ操作されるに従って、前記モータ軸の回転動力が逆転側所定回転速から中立速を介して正転側最高速に変化し、且つ、前記変速操作レバーがゼロ速位置から後進側最高速位置へ操作されるに従って、前記モータ軸の回転動力が逆転側所定回転速から逆転側最高速に変化するように構成され、
    前記遊星歯車機構は、前記第2要素に逆転側所定回転速の回転動力が入力された際に前記第3要素の合成回転動力がゼロ速となるように構成されていることを特徴とする請求項1から11の何れかに記載のHMT構造。
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