JP2000142143A - 作業機の伝動装置 - Google Patents

作業機の伝動装置

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JP2000142143A
JP2000142143A JP10327869A JP32786998A JP2000142143A JP 2000142143 A JP2000142143 A JP 2000142143A JP 10327869 A JP10327869 A JP 10327869A JP 32786998 A JP32786998 A JP 32786998A JP 2000142143 A JP2000142143 A JP 2000142143A
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speed
clutch
main clutch
continuously variable
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JP10327869A
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Kenichiro Tsuji
賢一朗 辻
Seiichi Takahashi
清一 高橋
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主クラッチとCVTとが各別に操作自在な作
業機の伝動装置を、前述した不都合なく良好に操作でき
るように、又、高速状態で誤ってクラッチ入り操作して
も急発進しないようにして、操作性や操縦性の向上を図
る。 【解決手段】 主クラッチ6の伝動下手側にCVTを配
置し、主クラッチ6の入り切りを検出するクラッチ検出
手段Dと、変速レバー38を摩擦保持することでCVT
の変速作動を不能とする変速牽制手段Eとを設けるとと
もに、主クラッチ6が切り操作されるに伴ってCVTの
変速作動が不能となるように、クラッチ検出手段Dと変
速牽制手段Eとを連係する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行用の変速機構
としてベルト無段変速装置(以下、CVTと略称する)
を備えた作業機の伝動装置に係り、詳しくは、主クラッ
チ操作とCVTの変速操作とが不都合なく行えるように
する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】走行伝動系にCVTを備えた作業機とし
ては、実公平3−1295号公報に示されたトラクタ
や、特開平10−114234号公報に示されたコンバ
イン等が知られている。これらのものでは、CVTの伝
動上手側に主クラッチを備えてあるのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】走行用にCVTを搭載
した自動車では、基本的にはアクセルアップされるとC
VTを高速側に変速し、アクセルダウンでCVTを低速
側に操作するように連係されるとともに、クラッチの入
り切りは車速に応じて自動制御されている。一方、トラ
クタ等の作業機では、エンジン回転数を一定に維持した
状態で作業を行う使い方が一般的であり、アクセル操作
とCVTの変速操作とは別々に行われるものである。そ
して、主クラッチの入り切りは人為的に操作されるもの
である点で、前述した自動車とは使い方が大きく異な
り、当然ながらアクセルとCVTとの連係構造も相違し
ている。
【0004】つまり、作業機においてはCVTが高速の
状態であっても主クラッチを切ること、及び入れること
ができるので、その高速状態を意識しながら主クラッチ
を再入り操作すれば良いが、高速であることを忘れる
等、意識せずに通常のクラッチ繋ぎ操作を行うと急発進
するとともにその伝動ショックも大きいので、高速発進
には注意が必要である。又、主クラッチ切りの状態で変
速レバーを操作すると、CVTは目標の変速比まで変速
しようとするが、基本的にCVTは割りプーリが回転し
ていないと変速できない。
【0005】従って、主クラッチ切り時では、人為操作
力でメカ的に割りプーリを動かす構造では変速しようと
しても変速レバーが動かないので、無理に動かそうとす
るとレバーやその連動操作系が損傷するおそれがあると
ともに、電動シリンダ等のアクチュエータで変速させる
駆動変速構造では、その駆動系に損傷を来すおそれがあ
るので、何らかの対策が必要であるように思える。本発
明の目的は、主クラッチとCVTとが各別に操作自在な
作業機の伝動装置を、前述した不都合なく良好に操作で
きるように、又、高速状態で誤ってクラッチ入り操作し
ても急発進しないようにして、操作性や操縦性の向上を
図る点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】〔構成〕第1発明は、作
業機の伝動装置において、主クラッチの伝動下手側にベ
ルト無段変速装置を配置し、主クラッチの入切りを検出
するクラッチ検出手段と、ベルト無段変速装置の変速作
動を不能とする変速牽制手段とを設けるとともに、主ク
ラッチが切り操作されるに伴ってベルト無段変速装置の
変速作動が不能となるように、クラッチ検出手段と変速
牽制手段とを連係してあることを特徴とする。
【0007】第2発明は、作業機の伝動装置において、
主クラッチの伝動下手側にベルト無段変速装置を配置
し、主クラッチの入り切りを検出するクラッチ検出手段
と、ベルト無段変速装置を低速側に操作する低速操作手
段とを設けるとともに、主クラッチが切り操作されるに
伴ってベルト無段変速装置を低速側に強制操作するよう
に、クラッチ検出手段と低速操作手段とを連係してある
ことを特徴とする。
【0008】第3発明は、第2発明において、ベルト無
段変速装置を減速側に付勢する弾性機構と、その弾性機
構の付勢力に打ち勝って該ベルト無段変速装置を増速側
に操作可能な油圧機構とを備えるとともに、油圧機構へ
の圧油給排によってベルト無段変速装置の変速を行う油
圧変速制御手段を設け、低速操作手段は、油圧機構から
排油させるものであることを特徴とする。
【0009】第4発明は、作業機の伝動装置において、
主クラッチの伝動下手側に配置されたベルト無段変速装
置を駆動変速操作可能な変速操作機構と、ベルト無段変
速装置で現出されている変速位置を検出する変速位置検
出手段と、主クラッチが入りか切りかを検出するクラッ
チ検出手段とを設け、主クラッチが切り操作されるとベ
ルト無段変速装置を低速側に操作し、その低速操作され
た状態で主クラッチを再入り操作すると、そのときに変
速操作具で決定されている変速比に徐々に戻るように、
変速操作機構と変速位置検出手段とクラッチ検出手段と
を連係させる漸次増速手段を備えてあることを特徴とす
る。
【0010】〔作用〕請求項1の構成によれば、主クラ
ッチを切りにするとCVTの変速作動ができないように
連係されるので、主クラッチ操作の前後において変速位
置が変わるおそれが解消され、低速状態でクラッチを切
ったにも拘わらずに高速状態で再発進することが無くな
る。例えば、主クラッチの切りに伴って変速レバーをロ
ックさせる等、無理に変速レバーが動かされて操作系が
損傷するとか、割りプーリが強制移動されて伝動系が損
傷するといったおそれを防止することが可能になる。
【0011】請求項2の構成によれば、主クラッチを切
りにするとCVTが自動的に低速操作されるので、次の
クラッチ入り時に意図するしないに拘わらずに高速状態
での急発進が生じないようになる。故に、主クラッチを
切りに操作した後に、高速状態のCVTを次の発進に備
えて一旦低速状態に操作することが不要であり、変速に
気を使わないで済む分、他の操作に神経を集中させるこ
とが可能になる。
【0012】請求項3の構成によれば、CVTを減速側
(低速側)に付勢する弾性機構と、これに抗して増速操
作可能な油圧機構とを設けて、圧油供給で増速が、か
つ、圧油排出で減速が行える油圧変速制御手段を装備し
てあり、この構成では主クラッチ切りに伴ってCVTを
強制的に低速にする低速操作手段(請求項2で規定)
を、例えば制御弁の切換え等で油圧機構から排油するだ
けの簡単なものとすることができる。
【0013】請求項4の構成によれば、漸次増速手段の
機能により、主クラッチを切りにすれば、それ以前に現
出されている変速状態から低速側に操作され、次に主ク
ラッチを入りにすると、その減速された低速状態で発進
してから徐々に増速操作して主クラッチ切り前の元の変
速状態に戻すように作動するので、急発進なく穏やかで
操縦し易い発進挙動が得られるとともに、例えば、低速
操作するだけのものに比べて、元の変速状態に確実に戻
せて、主クラッチ操作に拘わらずに耕耘等の作業走行速
度を一定に維持できるようになる。又、主クラッチ操作
に伴って走行変速操作を行うに関する意識を持たなくて
済む分、作業装置等の他の操作に集中できるようにな
る。
【0014】〔効果〕請求項1に記載の作業機では、主
クラッチの切りに伴ってCVTの変速作動が不能となる
ように連係することにより、低速で停止した後に意図し
ない急発進になるとか、変速操作系や伝動系の損傷おそ
れが防止され、変速操作性の改善された伝動装置を提供
することができた。
【0015】請求項2に記載の作業機では、(イ)主ク
ラッチ切りでCVTが自動低速操作されるので、高速状
態での急発進が生じないようになるとともに、発進時に
は必ず低速発進となり、作業装置等の操縦に専念し易い
便利な伝動装置を提供することができた。
【0016】請求項3に記載の作業機では、上記効果
(イ)を備えるとともに、制御弁をドレン位置に切換え
る等の油圧機構から排油させる簡単な構造及び操作とし
ながら、主クラッチ切りでCVTを低速操作させる手段
を構成できる有用な伝動装置が得られた。
【0017】請求項4に記載の作業機では、低速操作を
忘れて主クラッチを入り操作しても穏やかで操縦し易い
低速発進状態と、その発進後に増速して元の変速状態に
戻ることとが自動的に現出され、主クラッチ操作に拘わ
らずに走行速度を一定に維持できるとともに、変速以外
の操作に集中す易い利点を生む伝動装置を提供できた。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1に作業機の一例であるトラ
クタの伝動装置が示され、1は機体前部に搭載されるエ
ンジン、2はエンジン1の後面に連結され、かつ、後車
軸3を支承するモノボディ構造のミッションケース、4
は作業装置昇降用の油圧シリンダ、5は運転部のフロア
ステップである。
【0019】図2、図3に示すように、ミッションケー
ス2は、前から主クラッチ6を備えたクラッチハウジン
グ部2A、CVT7を備えた第1ケース部2B、副変速
機構13等の各種歯車変速機構を備えた第2ケース部2
Cに区分されている。又、第2ケース部2Cは、前から
走行変速用の油圧クラッチ(変速クラッチの一例)8や
前後進切換機構9等を備えた前側ケース部2a、走行用
の超減速機構10や前輪変速機構11等を備えた中間ケ
ース部2b、及びデフ機構12を備えたデフケース部2
cから構成されている。尚、cy1は前後進切換機構9
を駆動操作する変速シリンダである。
【0020】走行用の動力は、主クラッチ6、CVT
7、前後進切換機構9、副変速機構13、超減速機構1
0、及びデフ機構12を介して左右の後車軸3,3に伝
達されるとともに、前後向きの回転軸13aを備えた副
変速機構13から前輪変速機構11を経て、前輪駆動軸
14に伝達可能にも構成されている。又、PTO用の動
力は、CVT7の駆動プーリ軸15j、PTO変速機構
16を介してデフケース部2cから後方突出するPTO
軸17に伝達される。尚、cy2は副変速機構13を駆
動操作する変速シリンダである。
【0021】図3〜図5に示すように、CVT7は、固
定プーリ片15aと可動プーリ片15bとを備えた割り
プーリ構造の駆動プーリ15と、同じく固定プーリ片1
8aと可動プーリ片18bとを備えた割りプーリ構造の
従動プーリ18とに亘って、スチール製のベルト19を
巻回して成る湿式に構成されている。駆動プーリ15の
駆動軸15jと従動プーリの従動軸18jとは、共に前
後向きでほぼ同じ高さレベル(駆動軸15jが若干高
い)として第1ケース部2Bの左右に振り分けて配置す
るとともに、両プーリ軸15j,18jの左右間で若干
上側の位置に、主クラッチ6を経た入力軸20が配置さ
れている。
【0022】多板摩擦湿式構造の走行変速用の油圧クラ
ッチ8は、CVT7の出力軸である従動軸18j上に配
置されており、その伝動方向下手側に配置される前後進
切換機構9と、高低2段の副変速機構13とは共に同期
噛み合い式(シンクロ式)に構成されている。そして、
図3、図13に示すように、レバーやスイッチ等の変速
操作具49による電気信号やパイロット圧等の操作指令
に基づいて、各変速機構9,13のシフト回転体9g,
13gを動かして変速操作を行う油圧シリンダ(アクチ
ュエータの一例)cy1,cy2 をミッションケース2に
外装(内装でも良い)し、これら油圧シリンダcy1,c
y2 による変速操作が開始されると、それに連動して油
圧クラッチ8を伝動遮断側に操作する遮断制御手段47
と、油圧シリンダcy1,cy2 による変速操作終了に連
動して、油圧クラッチ8を伝動側に操作する伝動制御手
段48とを備えてある。
【0023】この油圧シリンダcy1,cy2 と油圧クラ
ッチ8とを組み合わせてのノークラッチ変速構造は、前
述した後者の公報(特開平4−362429号)や、特
開平9−242858号公報等において既に開示されて
いる周知技術に付き、これ以上の説明は省略する。尚、
高低3段のPTO変速機構16と、超減速機構10は、
夫々PTO変速レバー50、及びクリープレバー51で
各シフト回転体16g,10gを直接操作するようにし
てある。
【0024】駆動軸15jにスプライン外嵌された駆動
側の可動プーリ片15bには板金製の内筒26が一体連
結され、駆動軸15jに軸方向移動不能に装備された外
筒27に軸方向スライド自在に内筒26を内嵌すること
で、可動プーリ片15bを固定プーリ片15aに近づけ
る方向に強制移動可能な駆動側油圧シリンダ28を構成
してある。この駆動側油圧シリンダ28への圧油給排
は、可動プーリ片15b、及び駆動軸15j内部に形成
された給排油路33を介して行う。
【0025】同様に、従動軸18jにスプライン外嵌さ
れた可動プーリ片18bに一体連結された外筒30と、
従動軸18jに軸方向移動不能に装備された外筒31と
の嵌合により、可動プーリ片18bを固定プーリ片18
aに近づける方向に強制移動可能な従動側油圧シリンダ
29を構成してあり、これへの圧油給排は、可動プーリ
片18b、及び従動軸18j内部に形成された給排油路
34を介して行う。又、この従動側油圧シリンダ29内
には、可動プーリ片18bを固定プーリ片18aに近づ
ける方向に押圧付勢する巻きバネ32を備えてある。
【0026】デフケース部2cの上部に一体形成される
油圧シリンダ4は、圧油供給でリフトアーム4aが上昇
作動し、排油によってリフトアーム4aが下降作動する
単動型に構成され、そこからの排油はデフケース部2c
又は中間ケース部2b、すなわち第2ケース部2Cに戻
るように油路構成するとともに、エンジン1の横に配置
され、かつ、エンジン駆動される油圧ポンプ21に対す
るミッションケース2の潤滑油吸込み口22は第1ケー
ス部2Bの下部に設けてある。
【0027】そして、第1ケース部2Bと第2ケース部
2Cとを仕切るとともに、軸支承用のベアリングを支持
する仕切り壁23に多数の孔23aを形成して、両ケー
ス部2B,2C夫々の内部は潤滑油の行き来が自在であ
り、デフケース部2c内部と後述の吸込み口22とはミ
ッションケース2内部において油路連通されている。従
って、油圧ポンプ21から吐出された圧油は外部配管等
の供給油路24を通ってコントロールバルブVから油圧
シリンダ4に供給され、その排油がミッションケース2
内部を後から前に向かって流れてから、吸込み口22に
接続された外部配管等の戻り油路25を通って油圧ポン
プ21に戻るという循環経路になる。
【0028】油圧クラッチ8が同軸上に配置される従動
プーリ軸18jを、駆動プーリ軸15jよりも若干下方
に位置させてあるので、ミッションケース2内のオイル
レベルLに油圧クラッチ8が十分に漬かるとともに、各
プーリ15,18も常に潤滑油に漬かっており、ベルト
19との良好な潤滑及び冷却機能が発揮できるようにな
っている。
【0029】次に、CVT7の変速操作構造について詳
述する。図9〜図11に示すように、駆動側油圧シリン
ダ28への圧油給排を司る制御弁35と、油圧ポンプ3
6と、ライン圧設定用の可変リリーフ弁37等から変速
用油圧回路を構成するとともに、制御弁35のスプール
35sに連動連結される変速レバー38を設けて油圧変
速制御手段Iを構成してある。制御弁35には、ポンプ
ポート35aと、駆動側の給排油路33に連通されるシ
リンダポート35bと、シフトホールドバルブ(図外)
に向けて排油するドレンポート35cとがこの順に並べ
て形成されている。
【0030】制御弁35にはスプール操作によって、駆
動側油圧シリンダ28に圧油を供給する供給位置pと、
駆動側油圧シリンダ28から排油させる排出位置dと、
これら両位置の間の中立位置nとの3位置が存在してい
る。スプール35sの一端には第1バネ39を介して変
速レバー38を連動連結し、他端には第1バネ39と同
一部品である第2バネ40を介して駆動側の可動プーリ
片15bが、これのスライド移動方向とスプール35s
の移動方向とを揃えた状態で連動連結されている。
【0031】変速レバー38の操作に伴う第1バネ39
の伸縮で生じる弾性力と、レバー操作に伴う可動プーリ
片15bの遠近移動による第2バネ40の伸縮で生じる
弾性力との相殺により、切換操作された制御弁35が自
動的に中立復帰するフィードバック制御手段Aを構成し
てある。つまり、スプール35sは、両バネ39,40
による付勢力が相殺しての釣り合い位置で停止するよう
になっている。
【0032】フィードバック制御手段Aの作用を説明す
ると、先ず、変速レバー38を中立位置Nから高速側H
iに操作すると、図10に示すように、第1バネ39が
伸ばされてスプール35sを第2バネ40側に押す力が
弱まり、相対的に第2バネ40がスプール35sを第1
バネ39側に押す力が強くなってスプール35sが第1
バネ39側に移動する。すると、制御弁35が供給位置
pに切換えられてポンプポート35aとシリンダポート
35bとが連通し、駆動側油圧シリンダ28に圧油を供
給して可動プーリ片15bを固定プーリ片15aに接近
移動させ、ベルト19の巻回半径を強制的に大きくして
変速比が増速側に変更される。
【0033】その可動プーリ片15bの接近移動によ
り、そこにロッド連結された第2バネ40が引き伸ばさ
れることになってスプール35sを第1バネ39側に押
す力が弱まるので、高速側へのレバー操作によって伸ば
された第1バネ39との押圧付勢力が釣り合う点、すな
わち、制御弁35が中立位置nに戻るまで可動プーリ片
15bが動いた後、自動的に停止するのである。つま
り、変速レバー38を高速側に動かした分だけ変速比も
高速側に変更されて増速されるのである。
【0034】次に、変速レバー38を低速Lo側に操作
すると、図11に示すように、第1バネ39が圧縮され
てスプール35sを第2バネ40側に移動させ、制御弁
35が排出位置dに切換えられて駆動側油圧シリンダ2
8から排油される。すると、後述するライン圧とバネ3
2との双方の押圧力によって可動プーリ片18bが固定
プーリ片18aに接近移動し、従動プーリ18のベルト
19巻回半径が大きくなる方向に操作されるので、その
ベルト張力によって駆動側の可動プーリ片15bが固定
プーリ片15aから遠ざかる方向に移動し、減速操作さ
れる。
【0035】その減速操作によって駆動側の可動プーリ
片15bの遠ざかり移動により、第2バネ40が圧縮さ
れてスプール35sを第1バネ39に押す力が強まるの
で、低速側へのレバー操作によって圧縮された第1バネ
39との押圧付勢力が釣り合う点、すなわち、制御弁3
5が中立位置nに戻るまで可動プーリ片15bが動いた
後、自動的に停止するのである。つまり、変速レバー3
8を低速側に動かした分だけ変速比も低速側に変更され
て減速されるのである。
【0036】可変リリーフ弁37は、弁体42と、これ
の内部で摺動自在なスプール43と、弁体42に摺動自
在に内嵌されたバネ受け部材44と、スプール43とバ
ネ受け部材44との間に介装された圧縮型の巻きバネ4
5とを備えて構成されるとともに、ポンプポート35a
と従動側給排油路34とを連通するポンプ油路41に連
通した第1ポート37aと、ドレンポート37bとが形
成されている。
【0037】バネ受け部材44は、駆動側可動プーリ片
15bと一体的に移動するように連結部材46を介して
連結されており、駆動側可動プーリ片15bによって位
置決めされるものである。図9において、高速操作によ
ってバネ受け部材44が左側(反スプール43側)に動
かされると、図10に示すように、その伸ばされた分だ
け巻きバネ45のスプール43を押し付ける力が弱ま
り、その結果、その弱められたバネ力とライン圧とが釣
り合うようにドレンポート37bが僅かに開いての絞り
作用によってリリーフ圧、すなわちライン圧が下がる。
【0038】そして、変速レバー38の低速操作によっ
てバネ受け部材44が右側(スプール43側)に動かさ
れると、その圧縮された分だけ巻きバネ45のスプール
43を押しつける力が強まり、その結果リリーフ圧、即
ちライン圧が上がる。但し、減速比が最大の最低速状態
からの減速が不能であるのは言うまでもない。
【0039】ライン圧とは、バネ32と協動して従動側
の可動プーリ片18bを固定プーリ片18a側に常時押
圧付勢するものであり、それによってベルト19の緊張
機能、及び圧が抜けて制御不能になった場合には変速比
が自動的に減速側に操作されるフェールセーフ機能を現
出させている。
【0040】つまり、駆動側可動プーリ片15bとバネ
受け部材44との連結により、変速比が増速側に変更さ
れるとライン圧が下がり、変速比が減速側に変更される
とライン圧が上がるように制御されるのである。具体的
には、図12に示すグラフのように、減速比が最小の0.
5 (2倍速)のときにはライン圧は16kgf/cm2 で、減
速比が最大の2.5 のときにはライン圧は28kgf/cm2
あり、かつ、これらの間の減速比では線型にライン圧が
変化する。
【0041】このライン圧の自動変更制御により、走行
負荷が大きくなってベルト張力がある値を越えると、駆
動プーリ15でのベルト食い込みによる可動プーリ片1
5bを押し広げる力がライン圧による駆動側油圧シリン
ダ28の押し付け力に勝り、可動プーリ片15bが固定
プーリ片15aから遠ざかる方向に移動して、自動的に
減速してトルクアップするように機能する。つまり、湿
田での旋回といった具合の走行負荷が著しく増大する場
合にはCVT7が自動的に減速され、駆動力不足やエン
スト等の不都合が回避されるのである。
【0042】図6は、前側ケース部2aにおけるPTO
変速機構16と前後進切換機構9との前後間に配置され
る第1支持壁59部分(矢視B−B部分)を示し、この
第1支持壁59は、前後進切換機構9を形成する一対の
変速軸9a,9b、及び副変速機構13の変速軸13a
をベアリング支持するものであり、前側ケース部2aの
内向きリブ部にボルト止めによって後付けするものに構
成されている。
【0043】図7は、デフケース部2c前端部から中間
ケース部2bを見た部分(矢視C−C部分)における軸
配置構造を示し、16jは駆動プーリ軸15jに直結さ
れたPTO入力軸であり、16aはPTO変速軸、16
bはPTO逆転軸である。又、図8は、前側ケース部2
a後端部にボルト止めされた第2支持壁60部分を中間
ケース部2bから見た部分(矢視D−D部分)を示し、
超減速機構10を構成する一対の変速軸10a,10
b、前輪変速機構11における駆動軸11aと、前輪駆
動軸14に直結される従動軸11b等をベアリング支持
してある。
【0044】次に、主クラッチ6とCVT7と関係につ
いて説明する。図14に示すように、主クラッチペダル
52の踏み込みで作動するペダルスイッチ(クラッチ検
出手段の一例)53を設けて、主クラッチ6の入切りを
検出するクラッチ検出手段Dと、CVT7の変速作動を
不能とする変速牽制手段Eとを設けるとともに、主クラ
ッチ6が切り操作されるに伴ってCVT7の変速作動が
不能となるように、クラッチ検出手段Dと変速牽制手段
Eとを連係する制御装置54を設けてある。
【0045】変速牽制手段Eは、例えば、変速レバー圧
接保持可能な多板摩擦クラッチ61と、それの入切りを
行う電動シリンダ(油圧シリンダ等のアクチュエータで
良い)62とで構成する。又、制御弁35のスプール3
5sにおける作用部分以外の箇所に孔又は周溝を形成し
ておき、通電によってソレノイドのピストンが伸長して
スプール35sの孔又は周溝に係合する電気式構造と
か、変速レバー38を側方から作用する櫛状のストッパ
ーや直線セレーション噛合い構造等で移動操作不能にロ
ックさせるといった機械式構造等、種々のものが可能で
ある。
【0046】〔別実施形態〕 図15に示すように、主クラッチ6の入り切りを検
出するクラッチ検出手段Dと、CVT7を低速側に操作
する低速操作手段Fとを設けるとともに、主クラッチ6
が切り操作されるに伴ってCVT7を低速側に強制操作
するように、クラッチ検出手段Dと低速操作手段Fとを
連係しても良い。
【0047】すなわち、ペダルスイッチ53と、制御弁
35と駆動プーリ側の油圧シリンダ28との接続油路5
6に、この接続油路を接続するa位置と、接続油路56
の油圧シリンダ(油圧機構の一例)28側はドレンさ
せ、かつ、接続油路56の制御弁35側は遮断するb位
置とを備えた電磁式のアンロード弁(低速操作手段Fの
一例)55を備える。
【0048】主クラッチペダル52が踏み込まれないと
きにはアンロード弁55がa位置にあり、主クラッチペ
ダル52を踏み込むとアンロード弁55がb位置に切換
わり、駆動側油圧シリンダ28から排油されるので、従
動プーリ18のバネ(弾性機構の一例)32及びライン
圧とによって従動プーリ18でのベルト巻回半径が大き
くなる方向に操作され、その反力によって駆動プーリ1
5におけるベルト巻回半径が小径側に変更されるのであ
り、それによって低速操作手段Fが構成されている。
【0049】例えば、駆動及び従動割りプーリのベルト
巻回半径を背反的に拡縮連動操作する電動シリンダを備
え、主クラッチの切りに伴って、ベルト巻回半径を駆動
割りプーリは縮小され、従動割りプーリは拡大される方
向に電動シリンダを駆動させる構造でも良い。
【0050】 主クラッチ6の伝動下手側に配置され
たCVT7を駆動変速操作可能な変速操作機構Gと、C
VT7で現出されている変速位置を検出する変速位置検
出手段57と、主クラッチ6が入りか切りかを検出する
クラッチ検出手段Dとを設け、主クラッチ6が切り操作
されるとCVT7を低速側に操作し、その低速操作され
た状態で主クラッチ6を再入り操作すると、そのときに
変速レバー38で決定されている変速比に徐々に戻るよ
うに、変速操作機構Gと変速位置検出手段57とクラッ
チ検出手段Dとを連係させる漸次増速手段Hを備えても
良い。
【0051】例えば、図16に示すように、変速レバー
38の操作で変速できる本実施形態のバランスバネ式の
制御弁35と、駆動側可動プーリ片15bの位置を検出
する直線ポテンショメータで構成された変速位置検出手
段57と、変速レバー38を任意の変速操作位置で摩擦
保持可能なソレノイド等のシリンダ手段58とを備える
とともに、制御弁35のスプール35sを駆動操作可能
な電動シリンダ等のアクチュエータ63で構成される変
速操作機構Gを設ける。
【0052】つまり、主クラッチペダル52を踏み込む
と、ペダルスイッチ53が作動してそのときの直線ポテ
ンショメータ57の位置を読み取って記憶し、かつ、シ
リンダ手段58を伸長させて変速レバー38をそのとき
の位置に圧接ロックし、それから変速操作機構Gを作動
させて制御弁35が低速操作する方向にスプール35s
を強制移動させ、目標とする低速位置が直線ポテンショ
メータ57で検出されると停止させるように機能する。
【0053】次いで、主クラッチペダル52の踏み込み
が解除されてペダルスイッチ53が非作動状態になる
と、変速操作機構Gを逆転作動させてスプール35sを
逆方向に移動させ、直線ポテンショメータ57の検出値
が直前に記憶された値になるまで駆動されて止まり、そ
れからシリンダ手段58を短縮させて変速レバー38の
圧接ロックを解除されるのであり、変速操作機構Gの逆
転作動を比較的緩慢に行われるように設定することで漸
次増速手段Hを構成してある。
【0054】その他、前述した駆動及び従動割りプーリ
のベルト巻回半径を背反的に拡縮連動操作する電動シリ
ンダを備えた構成において、主クラッチ6の切り時に記
憶された位置まで電動シリンダを緩速駆動して戻すよう
にした漸次増速手段Hや、油圧制御構造のものにおい
て、低圧から高圧にモジュレーティングさせる回路を備
えて漸次増速手段Hを構成するものでも良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタの側面図
【図2】ミッションケースの一部切欠き側面図
【図3】ミッションケース内の伝動構造を示す線図
【図4】CVT部分におけるミッションケースの断面平
面図
【図5】図2におけるA−A線断面図
【図6】図2におけるB−B線断面図
【図7】図2におけるC−C線断面図
【図8】図2におけるD−D線断面図
【図9】CVTの変速操作構造を示す系統図
【図10】高速操作されたときのCVTの変速操作構造
を示す系統図
【図11】低速操作されたときのCVTの変速操作構造
を示す系統図
【図12】CVTの変速比とライン圧との関係グラフを
示す図
【図13】ノークラッチ変速制御の構造を示すブロック
【図14】主クラッチペダルと変速牽制手段との連係構
造を示す系統図
【図15】主クラッチ切りで最低速操作する制御装置の
系統図
【図16】主クラッチ入りで低速発進して漸次増速する
制御装置の系統図
【符号の説明】
6 主クラッチ 7 ベルト無段変速装置 28 油圧機構 32 弾性機構 38 変速操作具 57 変速位置検出手段 D クラッチ検出手段 E 変速牽制手段 F 低速操作手段 G 変速操作機構 H 漸次増速手段 I 油圧変速制御手段
フロントページの続き Fターム(参考) 3D039 AA02 AA04 AA07 AA09 AB13 AC02 AC34 AC37 AC54 AC65 AD02 AD24 AD53 3D040 AA05 AA14 AA18 AA34 AA37 AA38 AB04 AC14 AC24 AC28 AC34 AC43 AC45 AC46 AC49 AC51 AC55 AD09 AD14 AE10 AE12 AF07 AF16 AF19 AF24 3D041 AA07 AA11 AA30 AA68 AA72 AA74 AB04 AC07 AC20 AC23 AC30 AD18 AD31 AD53 AE36 AE39

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主クラッチの伝動下手側にベルト無段変
    速装置を配置し、前記主クラッチの入り切りを検出する
    クラッチ検出手段と、前記ベルト無段変速装置の変速作
    動を不能とする変速牽制手段とを設けるとともに、前記
    主クラッチが切り操作されるに伴って前記ベルト無段変
    速装置の変速作動が不能となるように、前記クラッチ検
    出手段と前記変速牽制手段とを連係してある作業機の伝
    動装置。
  2. 【請求項2】 主クラッチの伝動下手側にベルト無段変
    速装置を配置し、前記主クラッチの入り切りを検出する
    クラッチ検出手段と、前記ベルト無段変速装置を低速側
    に操作する低速操作手段とを設けるとともに、前記主ク
    ラッチが切り操作されるに伴って前記ベルト無段変速装
    置を低速側に強制操作するように、前記クラッチ検出手
    段と前記低速操作手段とを連係してある作業機の伝動装
    置。
  3. 【請求項3】 前記ベルト無段変速装置を減速側に付勢
    する弾性機構と、その弾性機構の付勢力に打ち勝って該
    ベルト無段変速装置を増速側に操作可能な油圧機構とを
    備えるとともに、前記油圧機構への圧油給排によって前
    記ベルト無段変速装置の変速を行う油圧変速制御手段を
    設け、前記低速操作手段は、前記油圧機構から排油させ
    るものである請求項2に記載の作業機の伝動装置。
  4. 【請求項4】 主クラッチの伝動下手側に配置されたベ
    ルト無段変速装置を駆動変速操作可能な変速操作機構
    と、前記ベルト無段変速装置で現出されている変速位置
    を検出する変速位置検出手段と、前記主クラッチが入り
    か切りかを検出するクラッチ検出手段とを設け、 前記主クラッチが切り操作されると前記ベルト無段変速
    装置を低速側に操作し、その低速操作された状態で前記
    主クラッチを再入り操作すると、そのときに変速操作具
    で決定されている変速比に徐々に戻るように、前記変速
    操作機構と前記変速位置検出手段と前記クラッチ検出手
    段とを連係させる漸次増速手段を備えてある作業機の伝
    動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2006030783A1 (ja) * 2004-09-15 2008-05-15 株式会社小松製作所 作業車両の入力クラッチの制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2006030783A1 (ja) * 2004-09-15 2008-05-15 株式会社小松製作所 作業車両の入力クラッチの制御装置
JP2009107621A (ja) * 2004-09-15 2009-05-21 Komatsu Ltd 作業車両の入力クラッチの制御装置
US7549522B2 (en) 2004-09-15 2009-06-23 Komatsu Ltd. Control device for input clutch of work vehicle

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