JP2020040452A - 車両の車線変更支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】適切な車線変更実行条件判定を行うことができる車両の車線変更支援装置を提供する。【解決手段】本発明の車線変更支援装置は、車線変更支援制御の実行を自車両の運転者が要求したときに車線変更支援制御によって自車両を隣接車線に移動させる間に立体物に自車両を接触させることなく自車両を隣接車線に移動させることができるとの車線変更実行条件が満たされている場合、車線変更支援制御を実行する。本発明の装置は、存在しない立体物が認識されている場合、車線変更実行条件が満たされていないと判定する。【選択図】図14

Description

本発明は、自車両が走行している車線に隣接する車線であって車両の運転者が希望する車線に自車両を移動させる車両の車線変更支援装置に関する。
自車両が走行している車線(自車両走行車線)に隣接する車線であって車両の運転者が希望する車線(目標隣接車線)に自車両を移動させる車線変更支援制御を行う車両の車線変更支援装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。この車線変更支援装置は、運転者によって車線変更支援制御の実行が要求された場合、自車両の周囲の状況が車線変更支援制御を実行してもよい状況であるか否か、特に、自車両の周囲の状況が自車両を他車両に接触させることなく自車両を目標隣接車線に移動させることができるか否かを判定する。
自車両の周囲の状況が自車両を他車両に接触させることなく自車両を目標隣接車線に移動させることができるか否かを判定するためには、他車両に関する情報(他車両情報)を取得する必要がある。車線変更支援装置を備えた車両には、自車両の周囲の他車両を検出するために複数のレーダセンサが取り付けられている。各レーダセンサは、自車両の周囲の他車両を検出し、その検出した他車両に関する情報を出力する。車線変更支援装置は、その情報に基づいて自車両の周囲の状況が自車両を他車両に接触させることなく自車両を目標隣接車線に移動させることができるか否かの判定(車線変更実行条件判定)を行う。
特開2009−274594号公報
ところで、従来の車線変更支援装置は、レーダセンサが送信した電波が自車両の周囲に存在する立体物で反射し、その反射した電波(反射波)をレーダセンサによって受信し、そのレーダセンサが受信した反射波に関する情報を用いてレーダセンサが送信した電波が反射した立体物の箇所を反射点として取得し、その反射点に関する情報を用いて立体物を認識するようになっている。
しかしながら、レーダセンサによる反射波の受信精度が低いことがある。この場合、存在しない立体物の箇所が反射点として取得されてしまい、結果として、存在しない立体物が認識されてしまうことがある。存在しない立体物について車線変更実行条件判定が行われた場合、適切な車線変更実行条件判定が行われたとは言えない。
本発明は、上述した課題に対処するためになされたものである。即ち、本発明の目的の1つは、自車両が走行している車線に隣接する車線であって車両の運転者が希望する車線に自車両を移動させる車両の車線変更支援装置であって、適切な車線変更実行条件判定を行うことができる車両の車線変更支援装置を提供することにある。
本発明に係る車両の車線変更支援装置は、自車両(100)の周囲に存在する立体物を検出し、該検出した立体物に関する情報を出力する検出手段(16a)と、前記検出手段から出力された前記立体物に関する情報を処理することにより前記立体物を認識し、該認識した立体物を認識立体物として取得する処理手段(90)と、を備える。
前記処理手段(90)は、前記自車両(100)が走行する自車両走行車線に隣接する車線である隣接車線に前記自車両を移動させる車線変更支援制御の実行が前記自車両の運転者により要求されたとき(図14のステップ1410にて「Yes」と判定される場合を参照。)に前記車線変更支援制御によって前記自車両を前記隣接車線に移動させる間に前記認識立体物に前記自車両を接触させることなく前記自車両を前記隣接車線に移動させることができるとの車線変更実行条件が満たされている場合(図14のステップ1430にて「Yes」と判定される場合を参照。)、前記車線変更支援制御を実行する(図14のステップ1440の処理を参照。)ように構成されている。
本発明に係る車両の車線変更支援装置においては、前記処理手段(90)は、存在しない立体物である不存在立体物が前記認識立体物として取得されている場合、前記車線変更実行条件が満たされていないと判定する(図14のステップ1430にて「No」と判定される場合を参照。)ように構成されている。
存在していない立体物について車線変更実行条件が満たされていると判定されても、車線変更支援制御によって自車両を隣接車線に移動させている間に立体物に自車両を接触させることなく自車両を隣接車線に移動させることができるとは限らない。従って、存在していない立体物が取得されている場合、車線変更実行条件が満たされていると判定しないことが好ましい。本発明に係る車両の車線変更支援装置によれば、存在していない立体物が認識立体物として取得されている場合、車線変更実行条件が満たされていないと判定される。このため、適切な車線変更実行条件判定が行われる。
本発明に係る車両の車線変更支援装置において、前記処理手段(90)は、前記不存在立体物に関する情報が前記検出手段(16a)から出力されるときの該情報のパターンに前記検出手段が出力した前記情報のパターンが一致する場合、前記不存在立体物が前記認識立体物として取得されていると判定する(図14のステップ1430にて「No」と判定される場合を参照。)ように構成され得る。
これによれば、存在しない立体物に関する情報が検出手段から出力されるときのその情報のパターンと検出手段が出力する情報のパターンとを比較するという簡便な処理により、存在していない立体物が認識立体物として取得されているか否かを判定することができる。
更に、前記処理手段(90)は、前記不存在立体物に関する情報が前記検出手段(16a)から出力されるときの該情報のパターンとして、少なくとも2つの存在する立体物の間に存在しない立体物を検出したときに前記検出手段が出力する前記情報のパターンを用いるように構成され得る。
実際に存在する2つの立体物の間に実際には存在していない立体物が認識立体物として取得されているときに車線変更支援制御が行われると、車線変更支援制御が行われている間に実際に存在する2つの立体物の何れかに自車両が接触する可能性が比較的大きい。このため、実際に存在する2つの立体物の間に実際には存在していない立体物が認識立体物として取得されている場合、適切な車線変更実行条件判定が行われない可能性が比較的大きい。従って、存在しない立体物に関する情報が検出手段から出力されるときのその情報のパターンとして、少なくとも2つの存在する立体物の間に存在しない立体物を検出したときに検出手段が出力する情報のパターンを用いることにより、実際に存在する2つの立体物の間に実際には存在していない立体物が認識立体物として取得されることを防止することができる。このため、より適切な車線変更実行条件判定を行うことができる。
更に、本発明に係る車両の車線変更支援装置は、前記検出手段(16a)を少なくとも2つ備えるように構成され得る。この場合、前記処理手段(90)は、前記検出手段の一方が出力する前記情報を前記検出手段の他方が出力していない場合、前記不存在立体物が前記認識立体物として取得されていると判定する(図14のステップ1430にて「No」と判定される場合を参照。)ように構成され得る。
2つの検出手段が設けられている場合、実際に立体物が存在すれば、各検出手段が同一の立体物に関する情報を出力する可能性が高い。従って、一方の検出手段が立体物に関する情報を出力しているときにその立体物に関する情報を他方の検出手段が出力していない場合、一方の検出手段が検出している立体物は、存在していない立体物である可能性が大きい。従って、検出手段の一方が出力する立体物に関する情報を他方の検出手段が出力していない場合に不存在立体物が認識立体物として取得されていると判定することにより、適切な車線変更実行条件判定を行うことができる。
更に、本発明に係る車両の車線変更支援装置は、前記検出手段(16a)として第1検出手段及び第2検出手段を備えるように構成され得る。この場合、前記第1検出手段が前記立体物を検出する範囲である立体物検出範囲と前記第2検出手段が前記立体物を検出する範囲である立体物検出範囲とが一部で互いに重なっている。この場合において、前記処理手段(90)は、前記第1検出手段が前記第2検出手段の前記立体物検出範囲に重なる範囲で立体物を検出しており且つ該立体物を前記第2検出手段が検出していない場合、前記不存在立体物が前記認識立体物として取得されていると判定する(図14のステップ1430にて「No」と判定される場合を参照。)ように構成され得る。
立体物の検出範囲の一部が互いに重なる2つの検出手段が設けられている場合において、一方の検出手段が他方の検出手段の立体物検出範囲に重なる範囲で実際に存在する立体物を検出していれば、その立体物を他方の検出手段も検出するはずである。従って、一方の検出手段が他方の検出手段の立体物検出範囲に重なる範囲で立体物を検出しているがその立体物を他方の検出手段が検出していない場合、一方の検出手段が検出している立体物は、存在しない立体物である可能性が大きい。従って、第1検出手段が第2検出手段の立体物検出範囲に重なる範囲で立体物を検出しており且つその立体物を第2検出手段が検出していない場合に不存在立体物が認識立体物として取得されていると判定することにより、適切な車線変更実行条件判定を行うことができる。
更に、前記処理手段(90)は、第1条件を満たす前記認識立体物を第1の所定数を限度として判定対象候補立体物として選択する(図15のステップ1530の処理を参照。)ように構成され得る。
この場合において、前記処理手段(90)は、前記車線変更支援制御の実行が前記自車両(100)の運転者により要求されたとき(図14のステップ1410にて「Yes」と判定される場合を参照。)に第2条件を満たす前記判定対象候補立体物を前記第1の所定数以下の第2の所定数を限度として判定対象立体物として選択する(図14のステップ1420の処理を参照。)ように構成され得る。
更に、この場合において、前記処理手段(90)は、前記車線変更実行条件として前記車線変更支援制御によって前記自車両(100)を前記隣接車線に移動させている間に前記判定対象立体物に前記自車両を接触させることなく前記自車両を前記隣接車線に移動させることができるとの条件を用いるように構成され得る。
車線変更実行条件判定の対象となる立体物の数が多いほど、車線変更実行条件判定に係る処理負荷が大きくなる。従って、車線変更実行条件判定に用いられる立体物として一定数に制限された判定対象立体物を用いることにより、車線変更実行条件判定に係る処理負荷を小さくすることができる。
上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成要素は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係る車両の車線変更支援装置の概略構成図である。 図2は、図1に示した周辺レーダセンサの配設位置を示した自車両の平面図である。 図3は、図1に示した周辺レーダセンサの検出範囲を示した模式図である。 図4は、4つの周辺レーダセンサの取付位置及び検出角度範囲を示した平面図である。 図5は、カメラセンサの機能を説明するための図である。 図6は、フュージョン処理を説明するための図である。 図7は、フュージョン処理を説明するための図である。 図8は、フュージョン物標の長さ及び幅を説明するための図である。 図9は、取得対象立体物の設定を説明するための図である。 図10は、存在しない立体物が検出される場合の1つを説明するための図である。 図11は、存在しない立体物が検出される場合の1つを説明するための図である。 図12は、図1に示したECUのCPUが実行するルーチンを表すフローチャートを示した図である。 図13は、図1に示したECUのCPUが実行するルーチンを表すフローチャートを示した図である。 図14は、図1に示したECUのCPUが実行するルーチンを表すフローチャートを示した図である。 図15は、図1に示したECUのCPUが実行するルーチンを表すフローチャートを示した図である。 図16は、図1に示したECUのCPUが実行するルーチンを表すフローチャートを示した図である。 図17は、取得対象立体物の設定を説明するための図である。
以下、本発明の各実施形態に係る車線変更支援装置について図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態に係る車線変更支援装置(以下、「実施装置」と称呼する。)は、図1に示したECU90を備え、車両(以下、他の車両と区別するために「自車両」と称呼する。)に適用される。
ECUは、エレクトロニックコントロールユニットの略称である。ECU90は、マイクロコンピュータを主要部として備える。マイクロコンピュータは、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ及びインターフェース等を含む。CPUは、ROMに格納されたインストラクション(プログラム、ルーチン)を実行することにより各種機能を実現するようになっている。
アクセルペダル操作量センサ11は、ECU90に接続されている。アクセルペダル操作量センサ11は、アクセルペダル11aの操作量APを検出し、その操作量APを表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいて操作量APを取得する。
ブレーキペダル操作量センサ12は、ECU90に接続されている。ブレーキペダル操作量センサ12は、ブレーキペダル12aの操作量BPを検出し、その操作量BPを表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいて操作量BPを取得する。
操舵角センサ13は、ECU90に接続されている。操舵角センサ13は、操舵ハンドル200の操舵角θを検出し、その操舵角θを表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいて操舵角θを取得する。
操舵トルクセンサ14は、ECU90に接続されている。操舵トルクセンサ14は、操舵ハンドル200の操作により自車両のステアリングシャフト201に加わる操舵トルクTraを検出し、その操舵トルクTraを表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいて操舵トルクTraを取得する。
車速センサ15は、ECU90に接続されている。車速センサ15は、自車両の走行速度V(自車両の前後方向の速度(即ち、縦速度))を検出し、その走行速度Vを表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいて走行速度V(以下、「車速V」と称呼する。)を取得する。
周辺レーダセンサ16a及びカメラセンサ16bを含む周辺センサ16は、ECU90に接続されている。周辺レーダセンサ16a及びカメラセンサ16bそれぞれの配置及び機能については後述する。
操作スイッチ17は、ECU90に接続されている。操作スイッチ17は、何れも後述する「追従車間距離制御及び車線維持制御」それぞれを実行するか否かについての選択を行うために運転者により操作される操作器である。従って、操作スイッチ17は、運転者の操作に応じて追従車間距離制御及び車線維持制御の実行が選択されたか否かを表す信号をECU90に送信する。加えて、操作スイッチ17は、追従車間距離制御及び車線維持制御を実行する際の運転者の好みを反映するためのパラメータを運転者に入力又は選択させる機能も備えている。
ヨーレートセンサ18は、ECU90に接続されている。ヨーレートセンサ18は、自車両100のヨーレートYRtを検出し、そのヨーレートYRtを表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいてヨーレートYRtを取得する。
前後加速度センサ19は、ECU90に接続されている。前後加速度センサ19は、自車両100の前後方向の加速度Gxを検出し、その加速度Gxを表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいて加速度Gxを取得する。
横加速度センサ20は、ECU90に接続されている。横加速度センサ20は、自車両100の横(車幅)方向(自車両100の中心軸線に直交する方向)の加速度Gyを検出し、その加速度Gyを表す信号を送信する。ECU90は、その信号に基づいて加速度Gyを取得する。
<周辺レーダセンサ>
周辺レーダセンサ16aは、図2に示したように、中央前方周辺センサ16FC、右前方周辺センサ16FR、左前方周辺センサ16FL、右後方周辺センサ16RR及び左後方周辺センサ16RLを備えている。これらセンサ16FC,16FR,16FL,16RR及び16RLは、実質的に互いに同一の構成を有する。以下の説明において、これらセンサ16FC,16FR,16FL,16RR及び16RLを個々に区別する必要がない場合、それらセンサをまとめて周辺レーダセンサ16aと称呼する。
各周辺レーダセンサ16aは、レーダ送受信部(図示略)及び信号処理部(図示略)を備える。
図3に示したように、レーダ送受信部は、ミリ波帯の電波であるレーダ波(以下、「ミリ波」と称呼する。)を、放射中心軸線Csに対して左右に所定の角度幅(|α|°)の範囲に放射する。更に、周辺レーダセンサ16aは、放射範囲内に存在する立体物(例えば、他車両、歩行者、自転車及び建造物等)によって反射されたミリ波(反射波)を受信する。以下、ミリ波を反射する立体物の点を「反射点」と称呼する。
信号処理部は、送信したミリ波と受信した反射波との位相差、それらの周波数差、反射波の減衰レベル及びミリ波を送信してから反射波を受信するまでに要した時間等に基づいて、自車両100と反射点との距離、自車両100と反射点との相対速度及び自車両100に対する反射点の方位を検出する。自車両100に対する反射点の方位は、反射点と自車両100の前端部の幅方向中心位置とを結んだ直線と、自車両100の中心軸線と、のなす角度である。この方位は、反射点が自車両100の中心軸線の左側にある場合、正の値となり、反射点が自車両100の中心軸線の右側にある場合、負の値となるように定められている。
尚、周辺レーダセンサ16aは、ミリ波帯以外の周波数帯の電波(レーダ波)を用いるレーダセンサでもよい。
中央前方周辺センサ16FCは、自車両100のフロント中央部に設けられている。中央前方周辺センサ16FCは、自車両100の前方領域に存在する反射点を検出する。より具体的に述べると、中央前方周辺センサ16FCは、自車両100のフロント中央部から前方に延びる線を中心軸として±75度の範囲を反射点の検出エリアAFCとし、この検出エリアAFCにミリ波を送信し、送信したミリ波の反射波に基づいて検出エリアAFC内に存在する反射点を検出する。
右前方周辺センサ16FRは、自車両100の右前コーナー部に設けられている。右前方周辺センサ16FRは、主に自車両100の右前方領域に存在する反射点を検出する。より具体的に述べると、右前方周辺センサ16FRは、自車両100の右前コーナー部から右斜め前方に延びる線を中心軸として±75度の範囲を反射点の検出エリアAFRとし、この検出エリアAFRにミリ波を送信し、送信したミリ波の反射波に基づいて検出エリアAFR内に存在する反射点を検出する。
右前方周辺センサ16FRの検出エリアAFRの一部は、中央前方周辺センサ16FCの検出エリアAFCの一部と重複している。即ち、右前方周辺センサ16FR及び中央前方周辺センサ16FCは、重複検出領域を有している。
左前方周辺センサ16FLは、自車両100の左前コーナー部に設けられている。左前方周辺センサ16FLは、主に自車両100の左前方領域に存在する反射点を検出する。より具体的に述べると、左前方周辺センサ16FLは、自車両100の左前コーナー部から左斜め前方に向けた中心軸に対して±75度の範囲を反射点の検出エリアAFLとし、この検出エリアAFLにミリ波を送信し、送信したミリ波の反射波に基づいて検出エリアAFL内に存在する反射点を検出する。
左前方周辺センサ16FLの検出エリアAFLの一部は、中央前方周辺センサ16FCの検出エリアAFCの一部と重複している。即ち、左前方周辺センサ16FL及び中央前方周辺センサ16FCは、重複検出領域を有している。
右前方周辺センサ16FRの検出エリアAFRと左前方周辺センサ16FLの検出エリアAFLとは、自車両100の前後方向に延びる中心軸線を対称軸として左右対称になっている。右前方周辺センサ16FRの検出エリアAFRと左前方周辺センサ16FLの検出エリアAFLとは、自車両100の後方中央側で互いにオーバーラップしている。即ち、右前方周辺センサ16FR及び左前方周辺センサ16FLは、重複検出エリア(図4においてグレーに着色されたエリア)を有している。
右後方周辺センサ16RRは、自車両100の右後コーナー部に設けられている。右後方周辺センサ16RRは、主に自車両100の右後方領域ARRに存在する反射点を検出する。より具体的に述べると、右後方周辺センサ16RRは、自車両100の右後コーナー部から右斜め後方に延びる線を中心軸として±75度の範囲を反射点の検出エリアARRとし、この検出エリアARRにミリ波を送信し、送信したミリ波の反射波に基づいて検出エリアARR内に存在する反射点を検出する。
左後方周辺センサ16RLは、自車両100の左後コーナー部に設けられている。左後方周辺センサ16RLは、主に自車両100の左後方領域ARLに存在する反射点を検出する。より具体的に述べると、左後方周辺センサ16RLは、自車両100の左後コーナー部から左斜め後方に延びる線を中心軸として±75度の範囲を反射点の検出エリアARLとし、この検出エリアARLにミリ波を送信し、送信したミリ波の反射波に基づいて検出エリアARL内に存在する反射点を検出する。
右後方周辺センサ16RRの検出エリアARRと左後方周辺センサ16RLの検出エリアARLとは、自車両100の前後方向に延びる中心軸線を対称軸として左右対称になっている。右後方周辺センサ16RRの検出エリアARRと左後方周辺センサ16RLの検出エリアARLとは、自車両100の後方中央側で互いにオーバーラップしている。即ち、右後方周辺センサ16RR及び左後方周辺センサ16RLは、重複検出エリア(図4においてグレーに着色されたエリア)を有している。
同様に、右前方周辺センサ16FRの検出エリアAFRと右後方周辺センサ16RRの検出エリアARRとは、自車両100の右方向中央側で互いにオーバーラップしている。即ち、右前方周辺センサ16FR及び右後方周辺センサ16RRは、重複検出エリア(図4においてグレーに着色されたエリア)を有している。
同様に、左前方周辺センサ16FLの検出エリアAFLと左後方周辺センサ16RLの検出エリアARLとは、自車両100の左方向中央側で互いにオーバーラップしている。即ち、左前方周辺センサ16FL及び左後方周辺センサ16RLは、重複検出エリア(図4においてグレーに着色されたエリア)を有している。
周辺レーダセンサ16aは、自車両100からの距離が100メートル程度の範囲に入る反射点を検出する。尚、図4は、右前方周辺センサ16FR、左前方周辺センサ16FL、右後方周辺センサ16RR、左後方周辺センサ16RLの検出角度範囲を表しており、各周辺レーダセンサ16aの検出距離を表しているわけではない。検出距離は、その用途に応じて適宜定められる(例えば、数十メートル)。
ECU90は、図2に示したように、X−Y座標を規定している。X軸は、自車両100の前後方向に沿って自車両100の前端部の幅方向中心位置を通るように延び、前方を正の値とする座標軸である。Y軸は、X軸と直交し、自車両100の左方向を正の値とする座標軸である。X軸の原点及びY軸の原点は、自車両100の前端部の幅方向中心位置である。
各周辺レーダセンサ16aは、反射点のX座標位置Px、反射点のY座標位置Py、自車両100に対する反射点の縦相対速度Vx、自車両100に対する反射点の横相対速度Vy、反射点を表す反射波の強度等の反射波に関する物理量及び反射点の識別情報IDを検出し、それらを表す信号(立体物情報、反射点情報)をECU90に送信する。
反射点のX座標位置Pxは、自車両100と反射点とのX軸方向の符号付き距離である。反射点のY座標位置Pyは、自車両100と反射点とのY軸方向の符号付き距離である。縦相対速度Vxは、自車両100に対する反射点のX軸方向の速度である。尚、後に言及する縦絶対速度Vx_absは、縦相対速度Vxに自車両100の車速Vが加えられた値である(Vx_abs=Vx+V)。横相対速度Vyは、自車両100に対する反射点のY軸方向の速度である。後に言及する横絶対速度Vy_absは、横相対速度Vyと等しい速度である(Vy_abs=Vy)。反射点の識別情報IDは、反射点を識別又は特定するための情報である。
ECU90は、周辺レーダセンサ16aから送信される信号に基づいて反射点に関する情報(反射点情報)を取得する。
<カメラセンサ>
カメラセンサ16bは、カメラ部(図示略)及びレーン認識部(図示略)を備えている。カメラ部は、ステレオカメラから構成されている。レーン認識部は、カメラ部によって撮影して得られた画像データを解析して道路の白線を認識する。カメラセンサ16bのカメラ部は、自車両100の前方の風景を撮影する。カメラセンサ16bのレーン認識部は、所定の角度範囲(自車両100前方に広がる範囲)を有する画像処理領域の画像データを解析することにより、自車両100の前方の道路に設けられた白線(区画線)を認識(検出)する。
カメラセンサ16bは、認識した白線に関する情報をECU90に送信する。ECU90は、その情報に基づいて、図5に示したように、自車両100の走行している車線(以下、「走行車線」と称呼する。)における左右の白線WLの幅方向の中心位置となる車線中心ラインCLを特定する。この車線中心ラインCLは、後述する車線維持支援制御における目標走行ラインとして利用される。更に、ECU90は、車線中心ラインCLのカーブの曲率Cuを演算する。尚、曲率Cuは、車線中心ラインCLが右にカーブしているとき正の値となり、車線中心ラインCLが左にカーブしているとき負の値となるように定義されている。
加えて、ECU90は、左白線及び右白線で区画される車線における自車両100の位置及び向きを演算する。例えば、ECU90は、図5に示したように、自車両100の基準点P(例えば、重心位置)と車線中心ラインCLとの道路幅方向の符号付き距離Dyを演算する。符号付き距離Dyの大きさは、自車両100が車線中心ラインCLに対して道路幅方向に偏移している距離を示す。符号付き距離Dyは、自車両100の基準点Pが車線中心ラインCLに対して道路幅方向の右側に偏移しているとき正の値となり、自車両100の基準点Pが車線中心ラインCLに対して道路幅方向の左側に偏移しているとき負の値となるように定義されている。以下、距離Dyを「横偏差Dy」と称呼する。
ECU90は、車線中心ラインCLの方向と自車両100の向いている方向(自車両100の前後軸の方向)とのなす角度θyを演算する。以下、角度θyを「ヨー角θy」と称呼する。ヨー角θyは、自車両100の向いている方向が車線中心ラインCLの方向に対して右回り側であるときに正の値となり、自車両100の向いている方向が車線中心ラインCLの方向に対して左回り側であるときに負の値となるように定義されている。以下、曲率Cu、横偏差Dy及びヨー角θyを表す情報(Cu、Dy、θy)を「車線関連車両情報」と称呼する。
カメラセンサ16bは、自車線の左白線及び右白線の種類(例えば、実線であるか破線であるか等)及び白線の形状等に関する情報をECU90に送信する。更に、カメラセンサ16bは、自車線に隣接する車線の左白線及び右白線の種類及び白線の形状等に関する情報もECU90に送信する。即ち、カメラセンサ16bは、「白線に関する情報」をECU90に送信する。白線が実線である場合、車両がその白線を跨いで車線を変更することは禁止されている。一方、白線が破線(一定の間隔で断続的に形成されている白線)である場合、車両がその白線を跨いで車線を変更することは許可されている。
ECU90は、エンジンアクチュエータ31に接続されている。エンジンアクチュエータ31は、内燃機関32の運転状態を変更するためのアクチュエータである。本例において、内燃機関32は、ガソリン燃料噴射・火花点火式・多気筒エンジンであり、吸入空気量を調整するためのスロットル弁を備えている。エンジンアクチュエータ31は、少なくとも、スロットル弁の開度を変更するスロットル弁アクチュエータを含む。ECU90は、エンジンアクチュエータ31を駆動することにより、内燃機関32が発生するトルクを変更することができる。内燃機関32が発生するトルクは、変速機(図示略)を介して駆動輪(図示略)に伝達されるようになっている。従って、ECU90は、エンジンアクチュエータ31を制御することにより、自車両の駆動力を制御し、それにより、加速状態(加速度)を変更することができる。
ECU90は、ブレーキアクチュエータ41に接続されている。ブレーキアクチュエータ41は、ECU90からの指示に応じて摩擦ブレーキ機構42のブレーキキャリパ42bに内蔵されたホイールシリンダに供給する油圧を調整し、その油圧によってブレーキパッドをブレーキディスク42aに押し付けて摩擦制動力を発生させる。従って、ECU90は、ブレーキアクチュエータ41を制御することにより、自車両100の制動力を制御し、それにより、加速状態(減速度)を変更することができる。
ECU90は、周知の電動パワーステアリングシステムの制御装置であるモータドライバ51に接続されている。モータドライバ51は、転舵モータ52に接続されている。転舵モータ52は、車両の「操舵ハンドル、操舵ハンドルに連結されたステアリングシャフト及び操舵用ギア機構等を含むステアリング機構」に組み込まれている。転舵モータ52は、モータドライバ51から供給される電力によってトルクを発生し、このトルクによって操舵アシストトルクを加えたり、左右の操舵輪を転舵したりすることができる。即ち、転舵モータ52は、自車両100の舵角(転舵輪の転舵角度)を変更することができる。
ECU90は、ウインカーレバースイッチ53に接続されている。ウインカーレバースイッチ53は、ウインカーレバー(図示略)の操作位置を検出する検出スイッチである。ウインカーレバーは、ターンシグナルランプ61を作動させて点滅させるために運転者によって操作されるレバーである。
ウインカーレバーは、ステアリングコラムに設けられている。ウインカーレバーは、初期位置から右回り操作方向に所定角度回転された第1段階位置と、第1段階位置よりも更に所定回転角度だけ右回り操作方向に回転された第2段階位置と、の2つの位置に操作できるようになっている。ウインカーレバーは、右回り操作方向の第1段階位置に運転者によって維持されている限りその位置を維持するが、運転者がウインカーレバーから手を離すと初期位置に自動的に戻るようになっている。ウインカーレバースイッチ53は、ウインカーレバーが右回り操作方向の第1段階位置にある場合、ウインカーレバーが右回り操作方向の第1段階位置に維持されていることを表す信号をECU90に送信する。
同様に、ウインカーレバーは、初期位置から左回り操作方向に所定角度回転された第1段階位置と、第1段階位置よりも更に所定回転角度だけ左回り操作方向に回転された第2段階位置と、の2つの位置に操作できるようになっている。ウインカーレバーは、左回り操作方向の第1段階位置に運転者によって維持されている限りその位置を維持するが、運転者がウインカーレバーから手を離すと初期位置に自動的に戻るようになっている。ウインカーレバースイッチ53は、ウインカーレバーが左回り操作方向の第1段階位置にある場合、ウインカーレバーが左回り操作方向の第1段階位置に維持されていることを表す信号をECU90に送信する。
ウインカーレバーについては、例えば、特開2005−138647号公報に開示されている。
ECU90は、ウインカーレバースイッチ53から送信された信号に基づいて、ウインカーレバーが右回り操作方向の第1段階位置に保持されている継続時間を計測するようになっている。ECU90は、その計測した継続時間が予め設定した支援要求確定時間(例えば、0.8秒)以上となった場合、運転者が右側車線への車線変更を行うために後述する車線変更支援制御の実行を要求していると判定する。
更に、ECU90は、ウインカーレバースイッチ53から送信された信号に基づいて、ウインカーレバーが左回り操作方向の第1段階位置に保持されている継続時間を計測するようになっている。ECU90は、その計測した継続時間が予め設定した支援要求確定時間以上となった場合、運転者が左側車線への車線変更を行うために後述する車線変更支援制御の実行を要求していると判定する。
ECU90は、左右のターンシグナルランプ61(ウインカーランプ)と接続されている。ECU90は、ウインカー駆動回路(図示略)を介して、ウインカーレバースイッチ53から送信された信号及びECU90からの指示等に応じて左又は右のターンシグナルランプ61を点滅させるようになっている。例えば、ECU90は、ウインカーレバーが左回り操作方向の第1段階位置に維持されていることを表す信号をウインカーレバースイッチ53が出力している場合、左のターンシグナルランプ61を点滅させる。一方、ECU90は、ウインカーレバーが右回り操作方向の第1段階位置に維持されていることを表す信号をウインカーレバースイッチ53が出力している場合、右のターンシグナルランプ61を点滅させる。
ECU90は、情報ディスプレイ62に接続されている。情報ディスプレイ62は、運転席の正面に設けられたマルチインフォメーションディスプレイである。情報ディスプレイ62は、車速及び機関回転速度等の計測値に加えて、各種の情報を表示する。ECU90は、例えば、運転支援状態に応じた画面を情報ディスプレイ62に表示させる。
ECU90は、ブザー71及び表示器72に接続されている。ECU90は、ブザー71を鳴動させて運転者への注意喚起を行うことができる。更に、ECU90は、表示器72に注意喚起マーク(例えば、ウォーニングランプ)を点灯させたり、警報画像を表示したり、警告メッセージを表示したり、運転支援制御の作動状況を表示したりすることができる。表示器72は、ヘッドアップディスプレイであるが、他のタイプのディプレイでもよい。
<実施装置の作動の概要>
次に、実施装置が行う作動の概要について説明する。実施装置は、車両の運転者の要求に応じて追従車間距離制御、車線維持制御及び車線変更支援制御を実行するようになっている。
<追従車間距離制御>
追従車間距離制御は、自車両100の直前を走行している先行車(即ち、追従対象車両)と自車両100との車間距離を所定の距離に維持しつつ自車両100を先行車に追従させる制御である。追従車間距離制御は周知である(例えば、特開2014−148293号公報、特開2006−315491号公報、特許第4172434号明細書、及び、特許第4929777号明細書等を参照。)。本例においては、実施装置は、運転者による操作スイッチ17の操作によって追従車間距離制御の実行が要求された場合、追従車間距離制御を実行するようになっている。
<車線維持制御>
車線維持制御は、自車両100の位置が「自車両100が走行している車線(走行車線)」内の目標走行ライン(例えば、走行車線の中央ライン)付近に維持されるように、操舵トルクをステアリング機構に付与して自車両100の舵角を変更し、それにより、運転者の操舵操作を支援する制御である。車線維持制御は周知である(例えば、特開2008−195402号公報、特開2009−190464号公報、特開2010−6279号公報、及び、特許第4349210号明細書、等を参照。)。本例においては、実施装置は、追従車間距離制御が実行されているときに運転者による操作スイッチ17の操作によって車線維持制御の実行が要求された場合、車線維持制御を実行するようになっている。
<車線変更支援制御>
車線変更支援制御は、自車両100が走行している車線(走行車線)から「運転者が希望する、走行車線に隣接する車線(目標隣接車線)」に自車両100が移動するように操舵トルクをステアリング機構に付与することにより自車両100の舵角を変更し、それにより、運転者の操舵操作(車線を走行車線から目標隣接車線に変更するためのハンドル操作)を支援する制御である。車線変更支援制御は周知である(例えば、特開2016−207060号公報及び特開2017−74823号公報、等を参照。)。
本例においては、実施装置は、車線維持制御が実行されており且つ自車両100の周囲の状況が車線変更支援制御を実行してもよい状況であるときに運転者によるウインカーレバーの操作によって車線変更支援制御の実行が要求された場合、車線変更支援制御を実行するようになっている。一方、自車両100の周囲の状況が車線変更支援制御を実行してもよい状況ではない場合、実施装置は、車線変更支援制御の実行が要求されても、車線変更支援制御を実行しない(即ち、車線変更支援制御の実行を禁止する)。
本例において、車線変更支援制御を実行してもよい状況とは、車線変更支援制御によって自車両100を目標隣接車線に移動させる間に自車両100が接触する可能性がある他車両等の立体物が存在していない状況である。
実施装置は、自車両100の周囲の状況が車線変更支援制御を実行してもよい状況であるか否かを判定する判定(車線変更実行条件判定)を、自車両100の周囲に存在する立体物に関する情報(立体物情報)を用いて行う。そこで、実施装置は、以下に述べるようにして立体物情報を取得する。
尚、車線変更実行条件判定は、車線変更支援制御の実行が要求されたときに行われてもよいし、車線変更支援制御の実行が要求される前から行われていてもよい。
<立体物情報の取得>
先に述べたように、実施装置は、各周辺レーダセンサ16aから出力される信号に基づいて反射点情報を取得する。1つの立体物が1つの反射点のみを有する場合もあるが、1つの立体物が2つ以上の反射点を有する場合もあり、その場合、各周辺レーダセンサ16aは、1つの立体物に対して複数の反射点を検出する。更に、2つ以上の周辺レーダセンサ16aが1つの立体物に対して複数組の反射点を検出する場合もある。
そこで、実施装置は、1つの立体物の複数の反射点をグルーピング又は統合するフュージョン処理を行い、それにより、複数の反射点が示すフュージョン物標を取得する。実施装置は、1つのフュージョン物標を1つの立体物として認識し、各フュージョン物標に関する情報を1つの立体物に関する情報として取得する。
フュージョン処理は、以下に述べるようにして行われる。フュージョン処理には、既に生成されているフュージョン物標FSに1つ又はそれ以上の反射点Prefを統合することにより、そのフュージョン物標FSを更新する物標更新処理と、複数の反射点Prefを統合して1つのフュージョン物標FSを新たに生成する物標生成処理と、が含まれる。
実施装置が物標更新処理を行う場合、実施装置は、まず、図6の(A)に示したように、前回行ったフュージョン処理により生成又は更新されたフュージョン物標FS(前回物標FSlast)に関する情報に基づいて現時点での前回物標FSlastに関する情報を推定し、現時点での前回物標FSlastを推定し、その前回物標FSlastを推定物標FSestとして認識する。
より具体的に述べると、実施装置は、下式1により、前回物標FSlastのX座標位置Px_last、縦相対速度Vx_last及び演算周期に相当する所定時間Δtに基づいて現時点での前回物標FSlastのX座標位置Px_estを算出する。このときに算出されるX座標位置Px_estは、前回のフュージョン処理の実行時における前回物標FSlastに対するX−Y座標(前回座標)におけるX座標位置である。
Px_est=Px_last+Δt・Vx_last …(1)
更に、実施装置は、下式2により、前回物標FSlastのY座標位置Py_last、横相対速度Vy_last及び所定時間Δtに基づいて現時点での前回物標FSlastのY座標位置Py_estを算出する。このときに算出されるY座標位置Py_estは、前回座標におけるY座標位置である。
Py_est=Py_last+Δt・Vy_last …(2)
実施装置は、算出した「X座標位置Px_est及びY座標位置Py_est」を「現時点での前回物標FSlastに対するX−Y座標(今回座標)におけるX座標位置Px_con及びY座標位置Py_con」にそれぞれ変換(座標変換)する。実施装置は、これら変換して得たX座標位置Px_con及びY座標位置Py_conをそれぞれ今回座標における推定物標FSestのX座標位置Px_new及びY座標位置Py_newとして設定する。
更に、実施装置は、前回座標における「前回物標FSlastの縦相対速度Vx_last及び横相対速度Vy_last」を今回座標における「縦相対速度Vx_con及び横相対速度Vy_con」にそれぞれ変換(座標変換)する。実施装置は、これら変換した縦相対速度Vx_con及び横相対速度Vy_conをそれぞれ今回座標における推定物標FSestの縦相対速度Vx_new及び横相対速度Vy_newとして設定する。
尚、実施装置は、前回座標と今回座標との関係を「自車両100の車速V、横偏差Dy及びヨー角θy」と所定時間Δtとから認識し、この関係から上記座標変換を行う。
更に、実施装置は、推定物標FSestの「長さLest及び幅West」をそれぞれ前回物標FSlastの「長さLlast及び幅Wlast」と同じ値に設定する。
実施装置は、これらX座標位置Px_new、Y座標位置Py_new、縦相対速度Vx_new、横相対速度Vy_new、長さLest及び幅Westによって規定される物標を推定物標FSestとして認識する。
そして、実施装置は、推定物標FSestを基準物標FSbaseとして選択すると共に、その基準物標FSbaseに統合される候補となる反射点Prefを候補反射点Pcanとして選択する。この選択は、基準物標FSbaseの位置に基づいて行われる。より具体的に述べると、実施装置は、基準物標FSbaseの位置に基づいて定められるグルーピング対象領域にある反射点Prefを候補反射点Pcanとして選択する。
図7の(A)に示した例において、基準物標FSbaseに対する候補反射点Pcanは、点線R1で囲まれたグルーピング対象領域に存在する反射点Pref_1乃至Pref_5である。
実施装置は、基準物標FSbaseに対して候補反射点Pcanが以下に述べる条件G1及び条件G2を満たしているか否かを判定する。条件G1で用いられる所定縦距離ΔDx_thは、「L1×0.5+α」に設定されており、条件G2で用いられる所定横距離ΔDy_thは、「W1×0.5+β」に設定されている。「L1」及び「W1」は、それぞれ、基準物標FSbaseの「物標長さ及び物標幅」である。「α」及び「β」は、判定に適した任意の固定値である。
<条件G1>
条件G1は、「候補反射点PcanのX座標位置Px(=Px_can)」と「基準物標FSbaseのX座標位置Px(=Px_base)」との差分の絶対値ΔDx(=|Px_can−Px_base|)が所定縦距離ΔDx_th以下であり、且つ、「候補反射点PcanのY座標位置Py(=Py_can)」と「基準物標FSbaseのY座標位置Py(=Py_base)」との差分の絶対値ΔDy(=|Py_can−Py_base|)が所定横距離ΔDy_th以下であるとの条件である。
<条件G2>
条件G2は、「候補反射点Pcanの縦相対速度Vx(=Vx_can)」と「基準物標FSbaseの縦相対速度Vx(=Vx_base)」との差分の絶対値ΔVx(=|Vx_can−Vx_base|)が所定縦速度差ΔVx_th以下であり、且つ、「候補反射点Pcanの横相対速度Vy(=Vy_can)」と「基準物標FSbaseの横相対速度Vy(=Vy_base)」との差分の絶対値ΔVy(=|Vy_can−Vy_base|)が所定横速度差ΔVy_th以下であるとの条件である。
尚、条件G2が成立しているか否かは、候補反射点Pcanの絶対速度を用いて判定されてもよい。より具体的には、条件G2は、「候補反射点Pcanの縦絶対速度Vx_abs_can」と「基準物標FSbaseの縦絶対速度Vx_abs_base」との差分の絶対値ΔVx_abs(=|Vx_abs_can−Vx_abs_base|)が所定縦速度差ΔVx_abs_th以下であり、且つ、「候補反射点Pcanの横絶対速度Vy_abs_can」と「基準物標FSbaseの横絶対速度Vy_abs_base」との差分の絶対値ΔVy_abs(=|Vy_abs_can−Vy_abs_base|)が所定横速度差ΔVy_abs_th以下であるとの条件でもよい。
条件G1及び条件G2を満たす候補反射点Pcanが存在する場合、実施装置は、その候補反射点Pcan又はそれら候補反射点Pcanを基準物標FSbaseに統合して新たなフュージョン物標FSnewを生成することにより、フュージョン物標FSlastを更新する。
図6に示した例において、条件G1及び条件G2を満たす候補反射点Pcanが反射点Pref_1及び反射点Pref_2である場合、実施装置は、それら反射点Pref_1及び反射点Pref_2を基準物標FSbaseに統合して新たなフュージョン物標FSnewを生成することにより、前回物標FSlastを更新する。
実施装置は、上述した物標更新処理を総ての前回物標FSlastに対して行った結果、何れの基準物標FSbaseにも統合されなかった反射点Prefが存在する場合、物標生成処理を行う。
実施装置が物標生成処理を行う場合、実施装置は、何れの基準物標FSbaseにも統合されなかった反射点Pref(残余反射点Pref_rem)の中から任意の1つを基準反射点Pref_baseとして選択すると共に、基準反射点Pref_baseに統合させる候補となる他の反射点Pref(候補反射点Pcan)を選択する。
図7は、反射点Pref_3乃至反射点Pref_5が残余反射点Pref_remであり、反射点Pref_3が基準反射点Pref_baseとして選択され、反射点Pref_4及び反射点Pref_5が候補反射点Pcanとして選択された例を示している。
実施装置は、基準反射点Pref_baseに対して候補反射点Pcanが以下に述べる条件G3及び条件G4を満たしているか否かを判定する。条件G3で用いられる所定縦距離ΔDx_thは、「L0×0.5+α」に設定されており、条件G4で用いられる所定横距離ΔDy_thは、「W0×0.5+β」に設定されている。「L0」及び「W0」は、判定に適した任意の固定値であり、例えば、「L0」は、自動四輪車両の標準的長さに設定され、「W0」は、自動四輪車両の標準的車幅に設定される。「α」及び「β」は、判定に適した任意の固定値である。
<条件G3>
条件G3は、「候補反射点PcanのX座標位置Px(=Px_can)」と「基準反射点Pref_baseのX座標位置Px(=Px_base)」との差分の絶対値ΔDx(=|Px_can−Px_base|)が所定縦距離ΔDx_th以下であり、且つ、「候補反射点PcanのY座標位置Py(=Py_can)」と「基準反射点Pref_baseのY座標位置Py(=Py_base)」との差分の絶対値ΔDy(=|Py_can−Py_base|)が所定横距離ΔDy_th以下であるとの条件である。
<条件G4>
条件G4は、「候補反射点Pcanの縦相対速度Vx(=Vx_can)」と「基準反射点Pref_baseの縦相対速度Vx(=Vx_base)」との差分の絶対値ΔVx(=|Vx_can−Vx_base|)が所定縦速度差ΔVx_th以下であり、且つ、「候補反射点Pcanの横相対速度Vy(=Vy_can)」と「基準反射点Pref_baseの横相対速度Vy(=Vy_base)」との差分の絶対値ΔVy(=|Vy_can−Vy_base|)が所定横速度差ΔVy_th以下であるとの条件である。
尚、条件G4が成立しているか否かは、候補反射点Pcanの絶対速度を用いて判定されてもよい。より具体的には、条件G4は、「候補反射点Pcanの縦絶対速度Vx_abs_can」と「基準反射点Pref_baseの縦絶対速度Vx_abs_base」との差分の絶対値ΔVx_abs(=|Vx_abs_can−Vx_abs_base|)が所定縦速度差ΔVx_abs_th以下であり、且つ、「候補反射点Pcanの横絶対速度Vy_abs_can」と「基準反射点Pref_baseの横絶対速度Vy_abs_base」との差分の絶対値ΔVy_abs(=|Vy_abs_can−Vy_abs_base|)が所定横速度差ΔVy_abs_th以下であるとの条件でもよい。
条件G3及び条件G4を満たしている候補反射点Pcanが存在する場合、実施装置は、その候補反射点Pcan又はそれら候補反射点Pcanを基準反射点Pref_baseに統合して新たにフュージョン物標FSnewを生成する。
図7に示した例において、条件G3及び条件G4を満たす候補反射点Pcanが反射点Pref_4である場合、実施装置は、その反射点Pref_4を基準反射点Pref_baseに統合して新たなフュージョン物標FSnewを生成する。
実施装置は、上述した物標生成処理を総ての残余反射点Pref_remに対して行った結果、何れの候補反射点Pcanとも統合されなかった基準反射点Pref_baseが存在する場合、その基準反射点Pref_baseを新たなフュージョン物標FSnewとして生成し、物標生成処理を終了する。
実施装置は、上記物標更新処理及び上記物標生成処理を所定の演算周期で繰り返し行い、フュージョン物標FSの更新及び生成を行う。
実施装置は、更新又は生成したフュージョン物標FSに関する情報(フュージョン物標情報)、即ち、フュージョン物標FSの「X座標位置Px_fs、Y座標位置Py_fs、縦相対速度Vx_fs、横相対速度Vy_fs、長さL及び幅W」を立体物に関する情報(立体物情報)としてRAMに記憶する。
フュージョン物標FSのX座標位置Px_fsは、自車両100とフュージョン物標FSとの間のX軸方向の符号付き距離に相当する。本例において、X座標位置Px_fsは、フュージョン物標FSの中心点のX座標位置である。又、フュージョン物標FSのY座標位置Py_fsは、自車両100とフュージョン物標FSとの間のY軸方向の符号付き距離に相当する。本例において、Y座標位置Py_fsは、フュージョン物標FSの中心点のY座標位置である。
又、実施装置は、最大縦位置Px_maxと最小縦位置Px_minとの差の大きさをフュージョン物標FSの長さL(=|Px_max−Px_min|)として演算する。フュージョン物標FSの長さLは、フュージョン物標FSのX軸方向の長さである。最大縦位置Px_maxは、「フュージョン物標FSに属する反射点PrefのX座標位置Pxの中の最大値」である。最小縦位置Px_minは、「フュージョン物標FSに属する反射点PrefのX座標位置Pxの中の最小値」である。
図8は、反射点Pref_1と反射点Pref_2とが統合されて生成されたフュージョン物標FSを示しており、図8に示した例においては、反射点Pref_2のX座標位置Pxが最大縦位置Px_maxであり、反射点Pref_1のX座標位置Pxが最小縦位置Px_minである。
更に、実施装置は、最大横位置Py_maxと最小横位置Py_minとの差の大きさをフュージョン物標FSの幅W(=|Py_max−Py_min|)として演算する。フュージョン物標FSの幅Wは、フュージョン物標FSのY軸方向の長さである。最大横位置Py_maxは、「フュージョン物標FSに属する反射点PrefのY座標位置Pyの中の最大値」である。最小横位置Py_minは、「フュージョン物標FSに属する高AGE物標のY座標位置Pyの中の最小値」である。
図8に示した例においては、反射点Pref_2のY座標位置Pyが最大横位置Py_maxは、であり、反射点Pref_1のY座標位置Pyが最小横位置Py_minである。
更に、実施装置は、フュージョン物標FSに属する反射点Prefの縦相対速度Vx_fsの平均値をフュージョン物標FSの縦相対速度Vx_fsとして取得し、フュージョン物標FSに属する反射点Prefの横相対速度Vy_fsの平均値をフュージョン物標FSの横相対速度Vy_fsとして取得する。フュージョン物標FSの縦相対速度Vx_fsは、フュージョン物標FSの自車両100に対するX軸方向の速度である。フュージョン物標FSの横相対速度Vy_fsは、フュージョン物標FSの自車両100に対するY軸方向の速度である。
ところで、実施装置は、車線維持制御が実行されているときに車線変更支援制御の実行が要求された場合、車線変更実行条件判定を行う。車線変更実行条件判定は、立体物情報を用いて行われる。先に述べたように、立体物情報は、フュージョン処理により取得される。
車線変更支援制御の実行が要求されたときにフュージョン処理を開始して立体物情報を取得するようになっていると、車線変更実行条件判定を完了させるのに要する時間が長くなり、その結果、車線変更支援制御の開始が遅くなる可能性がある。従って、車線変更支援制御の実行が要求される前からフュージョン処理を行って立体物情報を取得し続けておくことが好ましい。
しかしながら、情報を取得し続ける立体物の数が多いと、フュージョン処理を行うための演算負荷が大きくなる。その演算負荷がECU90の演算能力を超えてしまうと、立体物を精度良く探索できない可能性がある。従って、フュージョン処理を行う対象とする立体物の数を制限することが好ましい。
そこで、実施装置は、取得したフュージョン物標FS(認識立体物)の中から、フュージョン処理を行って情報を取得し続ける対象とするフュージョン物標FSを第1の所定数(本例においては、12個)を限度に取得対象立体物(又は判定対象候補立体物)として設定する。そして、実施装置は、車線変更支援制御の実行が要求された場合、それら取得対象立体物の中から、車線変更実行条件判定の対象とする立体物を第2の所定数(本例においては、6個)を限度に判定対象立体物として設定する。そして、実施装置は、それら判定対象立体物について車線変更実行条件判定を行う。
尚、本例において、第1の所定数は「12」であり、第2の所定数は「6」であるので、第2の所定数は、第1の所定数よりも少ないが、第2の所定数は、第1の所定数と等しくてもよい。即ち、第2の所定数は、第1の所定数以上であればよい。
自車両100を目標隣接車線に移動させる場合、自車両100と接触する可能性が高い立体物は、自車両100に近い立体物である。
そこで、実施装置は、以下に述べるようにして取得対象立体物を設定する取得対象立体物設定処理を行う。即ち、図9に示したように、実施装置は、エリアA1に存在する立体物の中から、自車両100に対する距離がより短い立体物から順に立体物を選択し、その立体物を取得対象立体物として設定する一次設定処理を行う。
本例において、エリアA1は、前方ラインL11と、後方ラインL12と、左側ラインL13と、右側ラインL14と、により画成される領域である。前方ラインL11は、自車両100の前後方向に延びる中心ラインLC(自車両中心ラインLC)上で自車両100の基準点Pから所定距離D11だけ前方の点を通るように自車両中心ラインLCに対して垂直に延びるラインである。後方ラインL12は、自車両100の後端部を通るように自車両中心ラインLCに対して垂直に延びるラインである。左側ラインL13は、自車両中心ラインLCと平行に延びるラインであって自車両中心ラインLCよりも左側で自車両中心ラインLCから所定距離D13をあけて延びるラインである。右側ラインL14は、自車両中心ラインLCと平行に延びるラインであって自車両中心ラインLCよりも右側で自車両中心ラインLCから所定距離D14をあけて延びるラインである。本例において、所定距離D14は、所定距離D13と等しい値に設定されている。
実施装置は、一次設定処理を行っている間に設定した取得対象立体物の数が「12」に達した時点で一次設定処理を終了する。図9に示した例においては、3つの立体物101乃至103がエリアA1に存在するので、これら3つの立体物101乃至103の総てが取得対象立体物として設定される。その結果、この時点で設定されている取得対象立体物の数は「3」である。
一次設定処理更を行った結果、取得対象立体物の数が「12」に達していない場合、実施装置は、エリアA2に存在する立体物の中から、自車両100に対する距離がより短い立体物から順に立体物を選択し、その立体物を取得対象立体物として設定する二次設定処理を行う。
本例において、エリアA2は、前方ラインL11と、左側ラインL13と、右側ラインL14と、前方ラインL15と、により画成される領域、及び、後方ラインL12と、左側ラインL13と、右側ラインL14と、後方ラインL16と、により画成される領域である。前方ラインL15は、自車両中心ラインLC上で自車両100の基準点Pから所定距離D15だけ前方の点を通るように自車両中心ラインLCに対して垂直に延びるラインである。本例において、所定距離D15は、所定距離D11よりも大きい値に設定されている。又、後方ラインL16は、自車両中心ラインLC上で自車両100の基準点Pから所定距離D16だけ後方の点を通るように自車両中心ラインLCに対して垂直に延びるラインである。本例において、所定距離D16は、所定距離D15と等しい値に設定されている。
実施装置は、二次設定処理を行っている間に一次設定処理によって設定した取得対象立体物を含めてトータルの取得対象立体物の数が「12」に達した時点で二次設定処理を終了する。図9に示した例においては、6つの立体物104乃至109がエリアA2に存在する。二次設定処理の開始時点で既に設定されている取得対象立体物の数は「3」であるので、これら6つの立体物104乃至109の総てが取得対象立体物として設定される。その結果、この時点で設定されている取得対象立体物の数は「9」となる。
二次設定処理を行った結果、取得対象立体物の数が「12」に達していない場合、実施装置は、エリアA3に存在する立体物の中から、自車両100に対する距離がより短い立体物から順に立体物を選択し、その立体物を取得対象立体物として設定する三次設定処理を行う。
本例において、エリアA3は、前方ラインL15と、後方ラインL16と、左側ラインL13と、左側ラインL17と、により画成される領域、及び、前方ラインL15と、後方ラインL16と、右側ラインL14と、右側ラインL18と、により画成される領域である。左側ラインL17は、自車両中心ラインLCと平行に延びるラインであって自車両中心ラインLCよりも左側で自車両中心ラインLCから所定距離D17をあけて延びるラインである。本例において、所定距離D17は、所定距離D13よりも大きい値に設定されている。又、右側ラインL18は、自車両中心ラインLCと平行に延びるラインであって自車両中心ラインLCよりも右側で自車両中心ラインLCから所定距離D18をあけて延びるラインである。本例において、所定距離D18は、所定距離D14よりも大きい値であって所定距離D17と等しい値に設定されている。
実施装置は、三次設定処理を行っている間に一次設定処理及び二次設定処理によって設定した取得対象立体物を含めてトータルの取得対象立体物の数が「12」に達した時点で三次設定処理を終了する。図9に示した例においては、3の立体物110乃至112がエリアA3に存在する。三次設定処理の開始時点で既に設定されている取得対象立体物の数は「9」であるので、これら3つの立体物110乃至112が取得対象立体物として設定される。その結果、この時点で設定されている取得対象立体物の数は「12」となる。
<判定対象立体物の設定>
実施装置は、車線維持制御が実行されているときに車線変更支援制御の実行が要求された場合、取得対象立体物として設定されている立体物の中から、自車両100に近い立体物を順に選択し、車線変更実行条件判定の対象とする立体物(判定対象立体物)として設定する判定対象立体物設定処理を行う。
実施装置は、取得対象立体物の数が「6」以下である場合、総ての取得対象立体物を判定対象立体物として設定して判定対象設定処理を終了する。一方、取得対象立体物の数が「6」よりも多い場合、判定対象設定処理を行っている間に設定した判定対象立体物の数が「6」に達した時点で判定対象設定処理を終了する。
実施装置は、総ての判定対象立体物について以下に述べる条件G5及び条件G6を含む車線変更実行条件が成立しているか否かを判定することにより車線変更実行条件判定を行う。
条件G5:判定対象立体物の到達予測時間TTC(その判定対象立体物の縦距離をその判定対象立体物の縦相対速度で除した値)が所定到達予測時間TTCth_2以上である。
条件G6:判定対象立体物が自車両100の目標隣接車線側の真横(自車両100の前端及び後端それぞれのX軸座標位置の範囲内)に存在していない。
総ての判定対象立体物について車線変更実行条件が成立している場合、実施装置は、車線変更支援制御を開始する。
これによれば、取得対象立体物として設定される立体物の数が一定数以下に制限されるので、フュージョン処理に係る演算負荷を小さくすることができる。その結果、フュージョン処理を迅速且つ精度良く行うことができる。
ところで、周辺レーダセンサ16aの検出精度に起因して、例えば、図10に示したように、自車両100の後方の左側隣接車線に立体物113が存在し且つ自車両100の後方の走行車線に立体物114が存在するときに、これら立体物113と立体物114との間に反射点Prefが検出されることがある。即ち、実際に存在する2つの立体物113及び114の間に反射点Prefが検出されることがある。
このとき、その反射点Prefを用いて立体物を認識する処理(即ち、フュージョン処理)を行った場合、立体物が正確に認識されず、実際に存在する2つの立体物113及び114の間に実際には存在しない立体物が認識(検出)されることがある。この場合、認識された立体物が車線変更実行条件を満たしているとしても、自車両100の周囲の状況が車線変更支援制御を実行してもよい状況ではない可能性がある。
実際には存在しない立体物の反射点に関する情報が周辺レーダセンサ16aから出力されるときのその情報のパターンには、或る特定のパターンがある。実施装置は、実際に存在する複数の立体物の間に検出される実際には存在しない立体物の反射点に関する情報が周辺レーダセンサ16aから出力されるときのその情報のパターンを予め記憶している。そして、認識された立体物に含まれる反射点に関する情報がそのパターンに一致するときにその立体物が判定対象立体物として設定された場合、実施装置は、車線変更実行条件が満たされていないと判定する。この場合、実施装置は、車線変更支援制御を実行しない。
尚、実施装置は、実際に存在する複数の立体物の間の実際には存在しない立体物以外の実際には存在しない立体物の反射点に関する情報が周辺レーダセンサ16aによって出力されるときのその情報のパターンを予め記憶しておき、認識された立体物に含まれる反射点に関する情報がそのパターンに一致するときにその立体物が判定対象立体物として設定された場合、車線変更実行条件が満たされていないと判定するように構成されてもよい。
更に、図11に示したように、立体物が存在しない箇所に反射点Prefが検出されることもある。このとき、その反射点Prefを用いて立体物を認識する処理(即ち、フュージョン処理)を行った場合、立体物が正確に認識されず、実際には存在しない立体物が認識(検出)されることがある。この場合、認識された立体物が車線変更実行条件を満たしているとしても、自車両100の周囲の状況が車線変更支援制御を実行してもよい状況ではない可能性がある。
一方、立体物が存在しない箇所に検出される反射点Prefは、周辺レーダセンサ16aの検出範囲の左右境界付近で検出されることが多い。先に述べたように、周辺レーダセンサ16aの検出範囲の一部(左右境界付近の部分)は、互いにオーバーラップしている。従って、周辺レーダセンサ16aの1つがその検出範囲の左右境界付近の部分(特に、他の周辺レーダセンサ16aの検出範囲とオーバーラップしている部分)で検出している反射点Prefを他の周辺レーダセンサ16aが検出していない場合、その反射点Prefは、立体物が存在しない箇所に検出された反射点Prefであると判断することができる。
そこで、実施装置は、周辺レーダセンサ16aの何れか1つの検出範囲の左右境界付近の部分で検出されているが他の周辺レーダセンサ16aによって検出されていない反射点Prefが存在する場合、車線変更実行条件が満たされていないと判定する。この場合、実施装置は、車線変更支援制御を実行しない。
これによれば、適切な車線変更実行条件判定を行うことができ、その結果、自車両100をより安全に目標隣接車線に移動させることができる。
<実施装置の具体的な作動>
次に、実施装置の具体的な作動について説明する。実施装置のECU90のCPU(以下、単に「CPU」と称呼する。)は、所定時間Δtの経過毎に図12にフローチャートにより示したルーチンを実行するようになっている。
従って、CPUは、所定のタイミングになると、図12のステップ1200から処理を開始してステップ1210に進み、追従車間距離制御の実行が要求されているか否かを判定する。追従車間距離制御の実行が要求されている場合、CPUは、ステップ1210にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ1220の処理を行う。その後、CPUは、ステップ1295に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1220:CPUは、追従車間距離制御を実行する。このとき、CPUは、既に追従車間距離制御を実行している場合には、その追従車間距離制御の実行を継続し、追従車間距離制御を実行していない場合には、追従車間距離制御を開始する。
一方、追従車間距離制御の実行が要求されていない場合、CPUは、ステップ1210にて「No」と判定し、以下に述べるステップ1230の処理を行う。その後、CPUは、ステップ1295に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1230:CPUは、追従車間距離制御の実行を停止する。尚、このとき、追従車間距離制御が実行されていない場合には、CPUは、追従車間距離制御を停止した状態を維持する。
更に、CPUは、所定時間Δtの経過毎に図13にフローチャートにより示したルーチンを実行するようになっている。
従って、CPUは、所定のタイミングになると、図13のステップ1300から処理を開始してステップ1310に進み、追従車間距離制御が実行されており且つ車線維持制御の実行が要求されているか否かを判定する。追従車間距離制御が実行されており且つ車線維持制御の実行が要求されている場合、CPUは、ステップ1310にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ1320の処理を行う。その後、CPUは、ステップ1395に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1320:CPUは、車線維持制御を実行する。このとき、CPUは、既に車線維持制御を実行している場合には、その車線維持制御の実行を継続し、車線維持制御を実行していない場合には、車線維持制御を開始する。
一方、追従車間距離制御が実行されていない場合又は車線維持制御の実行が要求されていない場合、CPUは、ステップ1310にて「No」と判定し、以下に述べるステップ1330の処理を行う。その後、CPUは、ステップ1395に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1330:CPUは、車線維持制御の実行を停止する。尚、このとき、車線維持制御が実行されていない場合には、CPUは、車線維持制御を停止した状態を維持する。
更に、CPUは、所定時間Δtの経過毎に図14にフローチャートにより示したルーチンを実行するようになっている。
従って、CPUは、所定のタイミングになると、図14のステップ1400から処理を開始してステップ1410に進み、車線維持制御が実行されており且つ車線変更支援制御の実行が要求されているか否かを判定する。車線維持制御が実行されており且つ車線変更支援制御の実行が要求されている場合、CPUは、ステップ1410にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ1420の処理を行う。その後、CPUは、ステップ1430に進む。
ステップ1420:CPUは、先に述べた判定対象立体物設定処理を実行することにより、取得対象立体物の中から判定対象立体物を設定する。
CPUは、ステップ1430に進むと、ステップ1420にて設定した判定対象立体物について先に述べた車線変更実行条件が成立しているか否かを判定する。車線変更実行条件が成立している場合、CPUは、ステップ1430にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ1440の処理を行う。その後、CPUは、ステップ1495に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1440:CPUは、車線変更支援制御を実行する。このとき、CPUは、既に車線変更支援制御を実行している場合には、その車線変更支援制御の実行を継続し、車線変更支援制御を実行していない場合には、車線変更支援制御を開始する。
一方、車線変更実行条件が成立していない場合、CPUは、ステップ1430にて「No」と判定し、以下に述べるステップ1450の処理を行う。その後、CPUは、ステップ1495に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1450:CPUは、車線変更支援制御の実行を停止する。尚、このとき、車線変更支援制御が実行されていない場合には、CPUは、車線変更支援制御を停止した状態を維持する。
更に、CPUがステップ1410の処理を実行する時点において車線維持制御が実行されていない場合又は車線変更支援制御の実行が要求されていない場合、CPUは、ステップ1410にて「No」と判定し、先に述べたステップ1450の処理を行う。その後、CPUは、ステップ1495に進み、本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPUは、所定時間Δtの経過毎に図15にフローチャートにより示したルーチンを実行するようになっている。
従って、CPUは、所定のタイミングになると、図15のステップ1500から処理を開始し、以下に述べるステップ1510及びステップ1520の処理を順に行う。その後、CPUは、ステップ1530に進む。
ステップ1510:CPUは、反射点情報を取得する。
ステップ1520:CPUは、ステップ1510にて取得した反射点情報を用いて先に述べたフュージョン処理を実行する。
CPUは、ステップ1530に進むと、図16にフローチャートにより示したルーチンを実行することにより、先に述べた取得対象立体物設定処理を行う。従って、CPUは、ステップ1550に進むと、図16のステップ1600から処理を開始し、以下に述べるステップ1610の処理を行う。その後、CPUは、ステップ1620に進む。
ステップ1610:CPUは、立体物情報を用いて先に述べた一次設定処理を実行する。
CPUは、ステップ1620に進むと、ステップ1610の処理を実行した結果、取得対象立体物として設定された立体物の数が「12」よりも少ないか否かを判定する。取得対象立体物として設定された立体物の数が「12」よりも少ない場合、CPUは、ステップ1620にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ1630の処理を行う。その後、CPUは、ステップ1640に進む。
ステップ1630:CPUは、立体物情報を用いて先に述べた二次設定処理を実行する。
CPUは、ステップ1640に進むと、ステップ1610及びステップ1630の処理を実行した結果、取得対象立体物として設定された立体物の数が「12」よりも少ないか否かを判定する。取得対象立体物として設定された立体物の数が「12」よりも少ない場合、CPUは、ステップ1640にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ1650の処理を行う。その後、CPUは、ステップ1695を経由して図15のステップ1595に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1650:CPUは、立体物情報を用いて先に述べた三次設定処理を実行する。
一方、CPUがステップ1620及びステップ1640の処理を実行する時点において取得対象立体物として設定された立体物の数が「12」である場合、CPUは、ステップ1620及びステップ1640にて「No」と判定し、ステップ1695を経由して図15のステップ1595に進み、本ルーチンを一旦終了する。
実施装置が図12乃至図16に示したルーチンを実行することにより、フュージョン処理に係る演算負荷を小さい負荷に維持しつつ、より安全に自車両を目標隣接車線に移動させることができる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
例えば、実施装置は、車線維持制御が実行されているか否かにかかわらず、車線変更支援制御の実行が要求され且つ車線変更実行条件が成立している場合、車線変更支援制御を実行するように構成されてもよい。
更に、実施装置は、車線維持制御が実行されているか否かにかかわらず、車間距離維持制御が実行されているときに車線変更支援制御の実行が要求され且つ車線変更実行条件が成立している場合、車線変更支援制御を実行するように構成されてもよい。
更に、実施装置は、先に述べた一次設定処理乃至三次設定処理に代えて、図17に示したエリアA4に存在する立体物の中から、自車両100に近い立体物を順に選択し、その立体物を取得対象立体物として設定する設定処理を行うように構成されてもよい。
図17に示した例において、エリアA4は、前方ラインL21と、後方ラインL22と、左側ラインL23と、右側ラインL24と、により画成される領域である。前方ラインL21は、自車両中心ラインLC上で自車両100の前端部から所定距離D21だけ前方の点を通るように自車両中心ラインLCに対して垂直に延びるラインである。後方ラインL22は、自車両中心ラインLC上で自車両100の後端部から所定距離D22だけ後方の点を通るように自車両中心ラインLCに対して垂直に延びるラインである。左側ラインL23は、自車両中心ラインLCと平行に延びるラインであって自車両中心ラインLCよりも左側で自車両中心ラインLCから所定距離D23をあけて延びるラインである。右側ラインL24は、自車両中心ラインLCと平行に延びるラインであって自車両中心ラインLCよりも右側で自車両中心ラインLCから所定距離D24をあけて延びるラインである。本例において、所定距離D21、所定距離D22、所定距離D23及び所定距離D24は、互いに等しい値に設定されている。
更に、実施装置は、自車両100の周囲に存在する立体物を示す判定対象立体物として、フュージョン物標を使用しているが、当該フュージョン物標に代えて、単独の反射点に基づいて特定した「立体物を示す物標」を、判定対象物標(車線変更支援制御を安全に行えるか否かの判定の対象となる物標)として使用してもよい。更に、例えば、実施装置は、1又は複数の反射点に基づいて、当該フュージョン物標の生成方法とは異なる他の方法により生成した立体物を示す物標を判定対象物標として使用してもよい。
16a…周辺レーダセンサ、16FC…中央前方周辺センサ、16FR…右前方周辺センサ、16FL…左前方周辺センサ、16RR…右後方周辺センサ16、16RL…左後方周辺センサ16RL、90…ECU、100…車両

Claims (6)

  1. 自車両の周囲に存在する立体物を検出し、該検出した立体物に関する情報を出力する検出手段と、
    前記検出手段から出力された前記立体物に関する情報を処理することにより前記立体物を認識し、該認識した立体物を認識立体物として取得する処理手段と、
    を備え、
    前記処理手段は、前記自車両が走行する自車両走行車線に隣接する車線である隣接車線に前記自車両を移動させる車線変更支援制御の実行が前記自車両の運転者により要求されたときに前記車線変更支援制御によって前記自車両を前記隣接車線に移動させる間に前記認識立体物に前記自車両を接触させることなく前記自車両を前記隣接車線に移動させることができるとの車線変更実行条件が満たされている場合、前記車線変更支援制御を実行するように構成されている、
    車両の車線変更支援装置において、
    前記処理手段は、存在しない立体物である不存在立体物が前記認識立体物として取得されている場合、前記車線変更実行条件が満たされていないと判定するように構成されている、
    車両の車線変更支援装置。
  2. 請求項1に記載の車両の車線変更支援装置において、
    前記処理手段は、前記不存在立体物に関する情報が前記検出手段から出力されるときの該情報のパターンに前記検出手段が出力した前記情報のパターンが一致する場合、前記不存在立体物が前記認識立体物として取得されていると判定するように構成されている、
    車両の車線変更支援装置。
  3. 請求項2に記載の車両の車線変更支援装置において、
    前記処理手段は、前記不存在立体物に関する情報が前記検出手段から出力されるときの該情報のパターンとして、少なくとも2つの存在する立体物の間に存在しない立体物を検出したときに前記検出手段が出力する前記情報のパターンを用いるように構成されている、
    車両の車線変更支援装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の車両の車線変更支援装置において、
    前記検出手段を少なくとも2つ備え、
    前記処理手段は、前記検出手段の一方が出力する前記情報を前記検出手段の他方が出力していない場合、前記不存在立体物が前記認識立体物として取得されていると判定するように構成されている、
    車両の車線変更支援装置。
  5. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の車両の車線変更支援装置において、
    前記検出手段として第1検出手段及び第2検出手段を備え、
    前記第1検出手段が前記立体物を検出する範囲である立体物検出範囲と前記第2検出手段が前記立体物を検出する範囲である立体物検出範囲とが一部で互いに重なっており、
    前記処理手段は、前記第1検出手段が前記第2検出手段の前記立体物検出範囲に重なる範囲で立体物を検出しており且つ該立体物を前記第2検出手段が検出していない場合、前記不存在立体物が前記認識立体物として取得されていると判定するように構成されている、
    車両の車線変更支援装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の車両の車線変更支援装置において、
    前記処理手段は、
    第1条件を満たす前記認識立体物を第1の所定数を限度として判定対象候補立体物として選択し、
    前記車線変更支援制御の実行が前記自車両の運転者により要求されたときに第2条件を満たす前記判定対象候補立体物を前記第1の所定数以下の第2の所定数を限度として判定対象立体物として選択し、
    前記車線変更実行条件として前記車線変更支援制御によって前記自車両を前記隣接車線に移動させている間に前記判定対象立体物に前記自車両を接触させることなく前記自車両を前記隣接車線に移動させることができるとの条件を用いる、
    ように構成されている、
    車両の車線変更支援装置。
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