JP2020039816A - 穿刺補助具及び止血器具 - Google Patents

穿刺補助具及び止血器具 Download PDF

Info

Publication number
JP2020039816A
JP2020039816A JP2018171819A JP2018171819A JP2020039816A JP 2020039816 A JP2020039816 A JP 2020039816A JP 2018171819 A JP2018171819 A JP 2018171819A JP 2018171819 A JP2018171819 A JP 2018171819A JP 2020039816 A JP2020039816 A JP 2020039816A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hand
covering
patient
region
puncture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018171819A
Other languages
English (en)
Inventor
真純 岡村
Masumi Okamura
真純 岡村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP2018171819A priority Critical patent/JP2020039816A/ja
Publication of JP2020039816A publication Critical patent/JP2020039816A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】患者の手に形成した穿刺部位を介して手掌動脈内に医療器具を挿入する手技において、患者に掛かる負担を軽減することができるとともに、術者が手技を円滑に進めることを可能にする穿刺補助具、及び当該穿刺補助具を備える止血器具を提供する。【解決手段】穿刺補助具100は、患者の手Hの外表面を被覆する被覆部材110と、被覆部材の一部に配置された接続部材150と、を備えており、被覆部材は、患者の親指f1に配置される装着部120と、患者の手の少なくとも一部を覆う被覆部130と、被覆部に位置し、患者の手の外表面の一部を露出させる第1孔部131a及び第2孔部131bと、を有しており、接続部材は、第1孔部又は第2孔部が穿刺が行われる手の外表面の一部を露出させた状態で、装着部と被覆部とを接続する。【選択図】図3

Description

本発明は、穿刺補助具及び止血器具に関する。
カテーテル手技の1つとして、患者の腕の血管(例えば、橈骨動脈)を穿刺し、患者の腕の血管に形成した穿刺部位を介して各種の医療用長尺体を血管内に挿入し、病変部位に対する処置や治療を行う手技が知られている(下記特許文献1を参照)。橈骨動脈を利用するカテーテル手技は、経橈骨動脈アプローチと呼ばれており、例えば、冠動脈アクセスや下肢動脈アクセスのための有用な技術として考えられている。
人体の腕に位置する橈骨動脈は、手側を迂回する手掌動脈とつながっている。そのため、現在、経橈骨動脈アプローチの新しい手法として、手の甲側に位置する解剖学上のスナッフボックス、又は、スナッフボックス周辺の位置から手掌動脈(遠位橈骨動脈を含む)にアクセスし、その血管アクセス部位を介して治療を行うdTRA(distal transradial approach)によるカテーテル手技が試みられている。
特開2008−119517号公報
医師等の術者(以下、「術者」とする)は、患者の手に穿刺部位を形成する際及び穿刺部位を介してイントロデューサー等の医療器具を手掌動脈内へ挿入する際、患者の手の形状を、親指が掌側に握り込まれたような形状に整えることがある。術者は、患者の手の形状を上記のように整えることにより、手掌動脈を手の外表面に浮き上がらせることができる。それにより、術者は、手に穿刺部位を形成する際、手掌動脈の位置を容易に確認することが可能になる。また、術者は、患者の手の形状を上記のように整えることにより、患者の手に位置する手掌動脈を真っ直ぐに延ばすことができる。それにより、術者は、穿刺部位を介して、手掌動脈内へ医療器具を容易に挿入することができる。
しかしながら、手掌動脈を真っ直ぐに延ばした際の手の形状は、患者が自然な状態でとる手の形状ではない。そのため、患者は、手技の間、手掌動脈を真っ直ぐに延ばした状態を維持するために、自身で手に力を加え続けなければならない。したがって、手技が行われている間、患者には過度な負担やストレスが掛かる。また、患者によっては、自身の意思で手の形状を自由に変形させたり、変形させた状態を維持したりすることが困難な者もいる。手技の最中に、患者が手の形状を不用意に変形させてしまうと、術者が意図せずに医療器具が動いてしまうことがある。それにより、術者が手技を円滑に進めることができなくなってしまうといった課題が生じる。
そこで本発明は、患者の手に形成した穿刺部位を介して手掌動脈内に医療器具を挿入する手技において、患者に掛かる負担を軽減することができるとともに、術者が手技を円滑に進めることを可能にする穿刺補助具、及び当該穿刺補助具を備える止血器具を提供することを目的とする。
本発明に係る穿刺補助具は、患者の手の外表面を被覆する被覆部材と、前記被覆部材の一部に配置された接続部材と、を備え、前記被覆部材は、前記患者の指に配置される装着部と、前記患者の前記手の少なくとも一部を覆う被覆部と、前記被覆部に位置し、前記患者の前記手の外表面の一部を露出させる孔部と、を有し、前記接続部材は、前記孔部が穿刺が行われる前記手の外表面の一部を露出させた状態で、前記装着部と前記被覆部とを接続する。
本発明に係る穿刺補助具によれば、接続部材は、被覆部材が患者の手に装着された状態において装着部と被覆部とを接続することにより、患者の手が所定の形状に変形した状態を維持することができる。そのため、患者は、手の形状を維持するために自身で手に力を加え続ける必要がない。したがって、上記の穿刺補助具は、手技の間に患者が受ける負担を軽減することができる。また、上記の穿刺補助具は、装着部と被覆部とが接続されている間、患者の手が所定の形状に変形した状態に維持されるため、患者が手を不用意に動かすことを防止できる。そのため、上記の穿刺補助具は、手技の間、患者が不用意に手を動かすことに起因して手掌動脈に挿入した医療器具が動いてしまうことを防止できる。また、上記の穿刺補助具は、患者の手を所定の形状に維持することにより、患者の手に位置する手掌動脈を真っ直ぐに延ばしつつ、手掌動脈を手の外表面に浮き上がらせることができる。そのため、術者は、上記の穿刺補助具を使用することにより、手掌動脈にアクセス可能な穿刺部位を形成する処置及び手掌動脈内へ医療器具を挿入する処置を円滑に行うことができる。また、上記の穿刺補助具は、被覆部材を患者の手に装着した状態で、被覆部材に位置する孔部が患者の手の外表面の一部を露出させる。そのため、術者は、被覆部材を患者の手に装着した状態においても、孔部を介して患者の手に穿刺部位を容易に形成することができる。
第1実施形態に係る穿刺補助具の被覆部材を患者の手に装着した際の様子を示す斜視図である。 第1実施形態に係る穿刺補助具が装着された患者の手を掌側から見た平面図である。 第1実施形態に係る穿刺補助具が装着された患者の手を掌側から見た平面図であって、装着部と被覆部とが接続部材により接続された状態を示す図である。 第1実施形態に係る穿刺補助具の被覆部材を患者の手に装着した際の様子を示す斜視図であって、装着部と被覆部とが接続部材により接続された状態を示す図である。 第2実施形態に係る穿刺補助具が装着された患者の手を掌側から見た平面図である。 第2実施形態に係る穿刺補助具の被覆部材を患者の手に装着した際の様子を示す斜視図であって、被覆部材の被覆領域から被覆部材の第2接続領域が位置する領域を分離した際の様子を示す図である。 第3実施形態に係る穿刺補助具が装着された患者の手を掌側から見た平面図である。 第4実施形態に係る止血器具の穿刺補助具を患者の手に装着した際の様子を示す斜視図である。 第4実施形態に係る止血器具の押圧部材と固定部を拡大して示す斜視図である。 押圧部材により圧迫止血を行っている際の様子を示す部分断面図であり、図9に示す矢印10−10線に対応する断面図である。 第4実施形態に係る止血器具の穿刺補助具を使用して患者の手の形状を所定の形状に維持した状態を示す斜視図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(第1実施形態)
図1〜図4は、第1実施形態に係る穿刺補助具100の各部の構成とともに、穿刺補助具100の使用例を示す図である。具体的には、図1〜図3は、穿刺補助具100を患者の手Hに装着した状態を示す斜視図であり、図4は、穿刺補助具100を装着した患者の手Hに形成した穿刺部位(「止血すべき部位」に相当する)tにイントロデューサー500のシースチューブ510を挿入した際の様子を示す斜視図である。
穿刺補助具100は、例えば、図4に示すように、患者の前腕部Aよりも手指側に位置する手H(例えば、左手)の甲Hb側を走行する手掌動脈B(深掌動脈に相当する。図10を参照)の橈骨動脈側(例えば、解剖学上のスナッフボックス周辺の動脈又はスナッフボックスよりも指先側を走行する遠位橈骨動脈)に穿刺部位tを形成する際、穿刺作業を補助するために使用することができる。なお、解剖学上のスナッフボックスは、患者が手Hの親指f1を広げた際に前腕部Aの橈骨側に位置する手の空洞である。
穿刺補助具100は、概説すると、図1〜図3に示すように、患者の手Hの外表面を被覆する被覆部材110と、被覆部材110の一部に配置された接続部材150と、を有している。接続部材150は、患者の親指f1に配置される装着部120と、患者の手Hの少なくとも一部を覆う被覆部130と、を着脱可能に構成している。
本明細書の説明において、被覆部材110の先端側とは、穿刺補助具100を患者の手Hに装着した際、各指f1〜f5の指先が配置される側を意味する。また、被覆部材110の基端側とは、穿刺補助具100を患者の手Hに装着した際、前腕部A及び手首が配置される側を意味する。なお、図2において被覆部材110の先端側は図中の上側であり、被覆部材110の基端側は図中の下側である。
本明細書の各図面では、患者の手Hの親指は符号f1で示し、患者の手Hの人差し指は符号f2で示し、患者の手Hの中指は符号f3で示し、患者の手Hの薬指は符号f4で示し、患者の手Hの小指は符号f5で示す。また、親指f1と人差し指f2との間に位置する指間部(指間みずかき部)は符号fbで示す。
<被覆部材>
図1、図2に示すように、被覆部材110は、患者の親指f1に配置される装着部120と、患者の手Hの少なくとも一部を覆う被覆部130と、被覆部130に位置し、患者の手Hの外表面の一部を露出させる複数の孔部131a、131bと、を有している。
装着部120は、被覆部材110を患者の手Hに装着した状態(以下、「装着状態」とも記載する)において、親指f1の根本付近から親指f1の指先までを覆う袋体で形成している。装着部120は、被覆部材110において、被覆部130と一体的に繋がっている。
装着部120には、接続部材150の第1接続領域151が配置されている。第1接続領域151は、図1、図2に示す装着状態において、親指f1と人差し指f2の間の指間部fb側に位置する装着部120の外表面の一部に配置されている。
装着部120は、各指f1〜f5のうちの任意の指の少なくとも一部を覆うように構成されている限り、具体的な形状や大きさは限定されない。例えば、装着部120は、親指f1の根本付近から指先の間の一部を覆うような構造を有していてもよいし、親指f1以外の任意の指の一部もしくは全体を覆うような構造を有していてもよい。
被覆部130は、図1、図2に示すように、装着状態において、患者の手Hの甲Hbの一部、患者の手Hの掌Hpの一部、及び患者の手首を包む袋体で形成している。
被覆部130は、装着状態において、被覆部材110の先端側へ人差し指f2、中指f3、薬指f4、小指f5を突出させる先端開口部130aと、被覆部材110の基端側へ前腕部Aを突出させる基端開口部130bと、を有している。
図3に示すように、被覆部130には、接続部材150の第1接続領域151が接続可能な第2接続領域152が配置されている。第2接続領域152は、図2に示す装着状態において、手Hの掌Hp側に位置する被覆部130の外表面の一部に配置されている。
各孔部131a、131bは、被覆部130に位置し、被覆部130の接続部材150の第2接続領域152が位置する領域と異なる領域に位置する。すなわち、各孔部131a、131bは、被覆部130の接続部材150の第2接続領域152が配置さていない領域に位置する。各孔部131a、131bが位置する領域及びその周囲の領域は、手Hの甲Hbの一部及び手の掌Hpの一部を手Hの外周に沿って包み込む被覆領域135を形成する。図1に示すように、被覆領域135は、被覆部130の基端開口部130bが形成された基端部と被覆部130の第2接続領域152が配置された先端部との間に配置されている。
図1に示すように、被覆部材110は、各孔部131a、131bが位置し、患者の手Hの全周を囲む締付部136を有する。締付部136は、弾性を有する材料で形成され、患者の手Hに被覆部材110を装着した状態で患者の手Hの周方向に締め付け力を付与する。本実施形態では、被覆領域135は、締付部136により構成されている。
被覆領域135は、被覆領域135を手Hの外表面に対して密着させることが可能な柔軟性を有する材料で形成している。また、被覆領域135の手Hが挿入される内部空間(内腔)は、手Hに対して被覆領域135の内表面が密着するような大きさ及び断面形状を有している。そのため、被覆領域135は、装着状態において、被覆領域135の内表面が手Hの外表面に密着し、手Hに対する穿刺補助具100の固定力を高めることができる。
なお、本実施形態では、被覆部材110の被覆領域135は、被覆部材110の他の領域(部分)と同一の材料で形成している。ただし、被覆部材110は、被覆領域135のみに締付部136としての機能を備えさせるようにするために、被覆領域135と被覆部材110の他の領域とが異なる部材により別体で形成されてもよい。
装着部120は、図1に示すように、装着状態において、被覆部130とは独立して親指f1に配置される。また、被覆部130は、装着状態において、被覆部130に形成された先端開口部130aを介して各指f2、f3、f4、f5を被覆部材110の先端側へ突出させる。そのため、患者は、穿刺補助具100の装着状態においても、各指f1、f2、f3、f4、f5の各々を独立して可動させることができる。それにより、患者は、手技の間に各指f1、f2、f3、f4、f5を可動させることができないことにより生じるストレスを軽減することができる。
被覆部材110は、図1、図2に示すように、装着状態において、親指f1と人差し指f2の間の指間部fbを覆うように配置される引掛部140を有している。引掛部140は、装着部120及び被覆部130と一体的に繋がっている。
被覆部材110は、装着状態において、装着部120が親指f1を覆うように配置され、被覆部130が手Hの外周に沿って甲Hbの一部及び掌Hpの一部を覆うように配置される。そして、引掛部140が手Hの指間部fbを覆うように配置される。このようにして、被覆部材110は、装着状態において、装着部120、被覆部130、引掛部140を介して手Hに対して固定(保持)される。
被覆部材110が備える被覆部130は、装着状態において、手Hの掌Hpの少なくとも一部を覆うように構成されていることが好ましい。このように被覆部130が形成されていることにより、接続部材150を介して被覆部130の手Hの掌Hp側に装着部120を接続することが可能になる。なお、被覆部130は、被覆部材110の手Hに対する固定力を向上させる観点より、手Hの掌Hpの少なくとも一部とともに、手の甲Hb、手根部の周辺部及び手首の一部を覆うことが可能な形状及び大きさで形成されていることが好ましい。
図1、図4に示すように、被覆部130に位置する各孔部131a、131bは、装着状態において、患者の手Hの甲Hbの外表面の一部を露出させるように構成している。なお、以下の説明では、孔部131aを第1孔部とし、孔部131bを第2孔部とする。また、第1孔部131aと第2孔部131bは実質的に同一の構成を有する。そのため、第2孔部131bの説明において第1孔部131aと重複する内容については、その説明を省略する。
第1孔部131aは、親指f1の指先側へ延びる短母伸筋腱を基準にして、スナッフボックスが位置する手Hの甲Hbの外側と反対側の手Hの甲Hbの中心側に配置している。また、第1孔部131aは、第2孔部131bよりも手Hの先端側に配置している。第2孔部131bは、スナッフボックスに配置している。
第1孔部131a及び第2孔部131bは、円形の平面形状(平面視した際の形状)を有する。第1孔部131a及び第2孔部131bは、装着状態において、図1に示すように手Hの甲Hbの外表面の一部を囲む。そのため、第1孔部131a及び第2孔部131bは、被覆部材110の外部に、手Hの甲Hbの外表面の一部を露出させる。各図では、各孔部131a、131bにより被覆部材110の外部に露出された手Hの甲Hbの外表面の一部を符号Sで示す。
なお、被覆部材110に設けられる孔部の個数、平面形状、孔部が露出する手の外表面の面積等は特に限定されない。
被覆部材110(被覆部材110の装着部120及び被覆部130)を形成する材料は特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)等の樹脂材料が挙げられる。また、被覆部材110を形成する材料は、織布、編布又は不織布等の布帛を使用してもよい。例えば、布帛は、天然繊維や樹脂材料を加工した化学繊維、又は、これらの繊維からなるフィラメント糸、紡績糸、混紡糸、撚糸、加工糸より構成することができる。化学繊維には、例えば、ポリアミド系合成樹脂、ポリエステル系合成樹脂、ポリウレタン系合成樹脂、ポリアクリルニトリル系合成樹脂、ポリオレフィン系合成樹脂、セルロース系繊維等を採用することができる。また、被覆部材110の被覆領域135(締付部136)は、前述したように患者の手Hに対する固定力を高めるために、患者の手Hの外表面に密着するように変形することが可能な樹脂材料で形成することが好ましい。そのような材料としては、例えば、シリコーンやウレタン等を用いることができる。なお、被覆部材110は、被覆領域135のみに締付部136としての機能を備えさせるようにするために被覆領域135と被覆部材110の他の領域とが異なる部材により別体で形成される場合、被覆領域135以外の他の領域を、例えば、織布、編布又は不織布等の布帛等により形成することができる。
<接続部材>
図3、図4に示すように、接続部材150は、装着部120に配置された第1接続領域151と、被覆部130の掌Hp側に配置され、第1接続領域151が接続可能な第2接続領域152と、を有している。
第1接続領域151は、例えば、装着部120の外表面の一部に取り付けた面ファスナーの雄側で構成することができる。また、第2接続領域152は、例えば、被覆領域135の外表面の一部に取り付けた面ファスナーの雌側で構成することができる。面ファスナーは、面的に着脱可能なファスナーであり、例えば、Magic Tape(登録商標)やVelcro(登録商標)である。
第1接続領域151は、手Hの掌Hpに対する親指f1の固定力(接続力)を所定の大きさ以上に確保する観点より、装着部120の全長の3/4以上の長さで形成されいていることが好ましい。ただし、各接続領域151、152の形状や大きさ(被覆部材110において占める面積)、被覆部材110において各接続領域151、152を配置する位置等は、装着部120を被覆部130に対して接続することが可能な限り、特に限定されない。
各接続領域151、152が面ファスナーで構成される場合、面ファスナーの雄側と雌側は入れ替えた構成としてもよい。また、各接続領域151、152は、両者が互いに接続可能な構成を有する限り、具体的な構造は特に限定されない。各接続領域151、152は、例えば、スナップ、ボタン、クリップ、孔部が形成された枠部材及び孔部に挿通されるベルト部材等により構成することができる。
次に、穿刺補助具100の使用例を説明する。以下では、患者の手(左手)Hへの穿刺補助具100の装着手順及び穿刺補助具100の使用手順を説明する。
図1、図2に示すように、術者は、患者の手Hの甲Hbに穿刺部位tを形成する前に、患者の手Hに被覆部材110を装着させる。具体的には、術者は、被覆部130の基端開口部130bを介して各指f1〜f5を被覆部材110の内部に挿入する。この際、術者は、被覆部130の先端開口部130aを介して患者の各指f2〜f5を被覆部材110の先端側へ突出させる。また、術者は、装着部120内に患者の手Hの親指f1を挿入しつつ、患者の手Hの親指f1と人差し指f2の間の指間部fbに引掛部140を配置する。
次に、術者は、図3に示すように、親指f1が掌Hpを握り込む形状(親指f1が掌Hp側に屈曲した形状)となるように患者の手Hの形状を変形させつつ、被覆部130の掌Hp側に配置された第2接続領域152に対して装着部120に配置された第1接続領域151を接触させる。術者は、第2接続領域152に第1接続領域151を接触させることにより、各接続領域151、152を介して、被覆部130の外表面の掌Hp側と装着部120とを接続する。患者の手Hは、各接続領域151、152同士の接続が維持されている間、親指f1が掌Hpを握り込む形状に維持される。
患者の手Hが図3に示す形状に変形すると、患者の親指f1の手Hの掌Hp側への屈曲に追従して、手掌動脈Bの短母伸筋腱よりも手Hの先端側に位置する部分と、手掌動脈Bの短母伸筋腱よりも手Hの基端側に位置する部分とが、手H内で真っ直ぐに延びるように変形する。また、患者の手Hが図3に示す形状に変形すると、親指f1が手Hの掌Hp側に屈曲されることにより、手Hの甲Hbの外表面に手掌動脈Bが浮き上がる。
次に、術者は、親指f1が掌Hpを握り込む形状に患者の手Hを変形さたせた状態を接続部材150により維持しつつ、第1孔部131aを介して被覆部材110の外部に露出する手Hの甲Hbの外表面に穿刺部位tを形成する。術者は、図4に示すように、穿刺部位tを形成した後、穿刺部位tを介して手掌動脈Bにイントロデューサー500のシースチューブ510を挿入する。なお、本実施形態では、第1孔部131aを介して被覆部材110の外部に露出する手Hの甲Hbの外表面に穿刺部位tを形成しているが、術者は、第2孔部131bを介して被覆部材110の外部に露出する手Hの甲Hbの外表面に穿刺部位tを形成してもよい。
術者は、患者の手Hの甲Hbに浮き上がった手掌動脈Bの位置を確認することにより、手掌動脈Bへのアクセスを可能にする穿刺部位tを患者の手Hに容易に形成することができる。また、術者は、手掌動脈Bが真っ直ぐに延びた状態となっていることにより、イントロデューサー500のシースチューブ510を手掌動脈B内へ円滑に挿入することができる。
穿刺補助具100は、各接続領域151、152同士の接続が解除されるまで、患者の手Hを、親指f1が掌Hpを握り込んだ形状に維持することができる。そのため、患者は、各接続領域151、152同士の接続が維持されている間、手Hの形状を維持するために自身で手Hに力を加える必要がない。また、患者の手Hは、患者が各接続領域151、152同士の接続を解除するような力を付与して意図的に手Hの形状を変形させない限り、親指f1が掌Hpを握り込んだ形状を維持する。そのため、術者は、穿刺補助具100を使用することにより、手技の間、患者の手Hが不用意に変形することを防止できる。
穿刺補助具100は、患者の手Hに被覆部材110が装着された状態において、装着部120が親指f1に引っ掛けられた状態で保持される。そのため、穿刺補助具100は、患者の手Hへの被覆部材110の固定力を高めることができ、穿刺補助具100の患者の手Hに対する位置ずれを防止できる。また、穿刺補助具100は、患者の手Hの指間部fbに配置された引掛部140により、患者の手Hへの被覆部材110の固定力をより一層高めることができる。
術者は、イントロデューサー500を使用して治療デバイス(例えば、バルーンカテーテル等のカテーテルデバイス)を患者の処置対象部位まで送達し、各種の処置を実施する。術者は、治療デバイスを使用した処置を実施した後、治療デバイスを生体外へ抜去する。術者は、治療デバイスを生体外へ抜去した後、イントロデューサー500のシースチューブ510の一部又は全部を手掌動脈Bから引き抜く。術者は、イントロデューサー500のシースチューブ510を手掌動脈Bから引き抜いた後、穿刺部位tを止血する。
術者は、第1孔部131a(又は第2孔部131b)を介して被覆部材110から露出した穿刺部位tを覆うように所定の押圧部材を配置して圧迫止血を行うことができる。なお、術者は、穿刺補助具100を患者の手Hから取り外した状態で穿刺部位tを圧迫止血してもよい。
以下、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態に係る穿刺補助具100は、患者の手Hの外表面を被覆する被覆部材110と、被覆部材110の一部に配置された接続部材150と、を備えている。被覆部材110は、患者の親指f1に配置される装着部120と、患者の手Hの少なくとも一部を覆う被覆部130と、被覆部130に位置し、患者の手Hの外表面の一部を露出させる第1孔部131a及び第2孔部131bと、を有している。また、接続部材150は、第1孔部131a(又は第2孔部131b)が穿刺が行われる患者の手Hの外表面の一部を露出させた状態で、装着部120と被覆部130とを接続する。
上記のように構成した穿刺補助具100によれば、接続部材150は、被覆部材110が患者の手Hに装着された状態において装着部120と被覆部130とを接続することにより、患者の手Hが所定の形状に変形した状態を維持することができる。そのため、患者は、手Hの形状を維持するために自身で手に力を加え続ける必要がない。したがって、穿刺補助具100は、患者が手技中に受ける負担を軽減することができる。また、穿刺補助具100は、装着部120と被覆部130とを接続することにより患者の手Hを所定の形状に維持することができるため、患者が手Hの形状を不用意に変形することを防止できる。そのため、穿刺補助具100は、手技の間、手掌動脈Bに挿入したイントロデューサー500のシースチューブ510が不用意に動いてしまうことを防止できる。また、穿刺補助具100は、患者の手Hを所定の形状に維持することにより、患者の手Hに位置する手掌動脈Bを真っ直ぐに延ばしつつ、手掌動脈Bを患者の手Hの外表面に浮き上がらせることができる。そのため、術者は、穿刺補助具100を使用することにより、手掌動脈Bにアクセス可能な穿刺部位tを形成する処置及び手掌動脈B内へイントロデューサー500のシースチューブ510を挿入する処置を円滑に行うことが可能になる。また、穿刺補助具100は、被覆部材110を患者の手Hに装着した状態で、被覆部材110に位置する第1孔部131a(又は第2孔部131b)が患者の手Hの外表面の一部を露出させる。そのため、術者は、被覆部材110を患者の手Hに装着した状態で、第1孔部131a(又は第2孔部131b)を介して患者の手Hに穿刺部位tを容易に形成することができる。
また、接続部材150は、装着部120に配置された第1接続領域151と、被覆部130の掌側に配置され、第1接続領域151が接続可能な第2接続領域152と、を有している。上記のように構成された穿刺補助具100は、各接続領域151、152を介して被覆部130の外表面の掌Hp側に装着部120を接続することにより、患者の手Hの形状を、親指f1が掌Hpを握り込む形状(親指f1が掌Hp側に屈曲した形状)に維持することができる。そのため、術者は、穿刺補助具100を患者の手Hに装着して、各接続領域151、152同士を接続させることにより、患者の手Hの甲Hb側に位置する手掌動脈Bを真っ直ぐに延ばした状態を維持しつつ、各種の処置を実施することができる。
また、被覆部材110は、第1孔部131a及び第2孔部131bが位置し、患者の手Hの全周を囲む締付部136を有する。また、締付部136は、弾性を有する材料で形成され、患者の手Hに被覆部材110を装着した状態で患者の手Hの周囲に締め付け力を付与する。そのため、穿刺補助具100は、患者の手Hに装着された状態において、手Hに対する被覆部材110の固定力を締付部136により高めることができる。それにより、穿刺補助具100は、患者の手Hに対する被覆部材110の位置ずれが生じることを防止できる。
次に、本発明に係る穿刺補助具の他の実施形態を説明する。以下に説明する第2実施形態及び第3実施形態の説明では、第1実施形態で既に説明した構成等についての詳細な説明は省略する。また、第2実施形態及び第3実施形態で特に説明がない内容については、第1実施形態と同一のものとすることができる。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係る穿刺補助具200の被覆部材110を患者の手Hに装着した際の様子を示す図であり、患者の手Hの掌Hp側から見た平面図である。図6は、第2実施形態に係る穿刺補助具200を患者の手Hに装着した際の様子を示す斜視図である。図6では、被覆部材110の一部を分離させた際の様子を示している。
第2実施形態に係る穿刺補助具200は、第1実施形態に係る穿刺補助具100と被覆部130の構造が相違する。
被覆部130は、図5、図6に示すように、各孔部131a、131bが位置する被覆領域135と、第2接続領域152が位置する領域と、被覆領域135と第2接続領域152が位置する領域との間に位置する境界部260と、を備えている。なお、被覆領域135は、各孔部131a、131bが位置し、第2接続領域152が位置する領域とは異なる領域に位置する。
図6に示すように、被覆部130は、境界部260において、被覆領域135と第2接続領域152が位置する領域とを分離できる。
境界部260は、被覆領域135及び第2接続領域152が位置する領域よりも破断強度が低い。そのため、術者は、被覆領域135に対して、第2接続領域152が位置する領域を引っ張ることにより、図6に示すように、第2接続領域152が位置する領域を被覆領域135から分離させることができる。
図6に示すように、被覆領域135と第2接続領域152が位置する領域とを分離した後、被覆部材110には、第2接続領域152が位置する領域の分離により、各指f1〜f4、手Hの甲Hbの一部、手Hの掌Hpの一部を被覆部130の先端側へ露出させる先端開口部139aが形成される。
被覆部130の第2接続領域152が位置する領域は、被覆部材110から分離可能に構成される。被覆部130の第2接続領域152が位置する領域は、当該領域に第2接続領域152全体が含まれている限り、具体的な範囲は限定されない。ただし、被覆部材110は、第2接続領域152が位置する領域が被覆部材110から分離された後においても、被覆部材110の手Hに対する固定力を維持し得るように形成されていることが好ましい。上記のような点を考慮して、被覆部材110は、第2接続領域152が位置する領域が被覆部材110から分離された後においても、被覆領域135が手Hの手首から手Hの甲Hb及び手Hの掌Hpの一定の範囲を覆うことができるように、手Hに被覆部材110の一部が残されるように構成されている。
また、装着部120は、図6に示すように、第2接続領域152が位置する領域が被覆部材110から分離された場合であっても、親指f1に対して装着された状態を維持するように構成されている。そのため、本実施形態に係る被覆部材110は、被覆領域135と第2接続領域152が位置する領域とを分離した後においても、被覆領域135及び装着部120を介して手Hに対する固定を維持することができる。なお、引掛部140は、装着部120と同様に、被覆領域135と第2接続領域152が位置する領域とを分離した後においても、指間部fbを覆った状態を維持するように構成されている。そのため、本実施形態に係る被覆部材110は、第2接続領域152が位置する領域を分離した後においても、装着部120、被覆部130、引掛部140を介して手Hに対する配置及び固定を維持することができる。
境界部260は、境界部260を基点にして被覆部130の第2接続領域152が位置する領域を分離することができるように切れ込み(被覆部130の外周に沿って点在するようなミシン目)を備えている。なお、境界部260は、境界部260を基点して被覆部材110を分離し易くするために、被覆部130の他の部位よりも引っ張り強度が低い材料で形成したり、被覆部130の他の部位よりも薄肉に形成したりしてもよい。
術者は、穿刺補助具200を使用した手技において、手Hを所定の形状(親指f1が掌Hpを握り込む形状)に維持する必要がなくなった後、被覆部130の第2接続領域152が位置する領域を被覆部材110から分離させることができる。具体的には、術者は、手Hに対する穿刺部位tの形成、穿刺部位tを介した手掌動脈Bへのイントロデューサー500の挿入、イントロデューサー500を介した手掌動脈Bへの治療デバイスの挿入及び治療デバイスによる処置等を実施し終えた後、被覆部130の第2接続領域152が位置する領域を被覆部材110から分離させることができる。術者は、穿刺等の手技が完了し、患者の手Hを所定の形状に維持する必要がなくなった後、被覆部130の第2接続領域152が位置する領域を被覆部材110から分離することにより、手Hが自然な状態での形状(手Hに力を入れていない状態でとられる形状)以外の形状で維持されることを防止できる。そのため、術者は、穿刺補助具200を使用した手技において患者が受けるストレスを低減することができる。
以上、本実施形態に係る穿刺補助具200は、被覆部130が各孔部131a、131bが位置する被覆領域135と、第2接続領域152が位置する領域と、被覆領域135と第2接続領域152が位置する領域との間に位置する境界部260と、を備えている。また、被覆部130は、境界部260において、被覆領域135と第2接続領域152が位置する領域とを分離できる。そのため、術者は、穿刺補助具200を使用した手技において、手Hを所定の形状に維持する必要がなくなった後、被覆部130の第2接続領域152が位置する領域を被覆部材110から分離させることができる。患者は、手Hを所定の形状に維持する必要がなくなった後、被覆部130の第2接続領域152が位置する領域を被覆部材110から分離することにより、手Hが自然な状態での形状(手Hに力を入れいていない状態でとられる形状)以外の形状で維持されることを防止できる。そのため、術者は、穿刺補助具200を使用した手技において患者が受けるストレスを低減することができる。
また、境界部260は、被覆領域135及び第2接続領域152が位置する領域よりも破断強度が低い。そのため、術者は、被覆領域135に対して第2接続領域152が位置する領域を引っ張ることにより、第2接続領域152が位置する領域を被覆部材110から容易に分離させることができる。
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態に係る穿刺補助具300の被覆部材110を患者の手Hに装着した際の様子を示す図であり、患者の手Hの掌Hp側から見た平面図である。
第3実施形態に係る穿刺補助具300は、第2実施形態に係る穿刺補助具200と境界部360の構造が相違する。
図7に示すように、境界部360は、第2接続領域152が位置する領域が被覆領域135を覆い、被覆領域135と第2接続領域152が位置する領域とが重なる位置である。すなわち、被覆部材110に設けられた境界部360は、接続部材150の第2接続領域152が位置する領域が被覆領域135を覆うことで形成される。
被覆部材110は、被覆領域135と、被覆領域135と分離可能である接続部材150の第2接続領域152が位置する領域と、を備えている。被覆領域135の先端部の外表面は、接続部材150の第2接続領域152が位置する領域の基端部の内表面により覆われている。被覆領域135の先端部の外表面には、被覆領域135の周方向に沿って面ファスナーの雌型(又は雄型)361が配置されている。また、接続部材150の第2接続領域152が位置する領域の基端部の内表面には、被覆領域135の周方向に沿って面ファスナーの雄型(又は雌型)362が配置されている。そのため、術者は、面ファスナーの雌型361と面ファスナーの雄型362との接続を解除することにより、接続部材150の第2接続領域152が位置する領域を被覆部材110から分離させることができる。
また、第3実施形態に係る穿刺補助具300では、被覆部材110に設けられた境界部360は、接続部材150の第2接続領域152が位置する領域が被覆領域135を覆い、被覆領域135と第2接続領域152が位置する領域とが重なる位置である。そのため、術者は、手Hの指先側に近い位置に配置された接続部材150の第2接続領域152が位置する領域と、被覆領域135とを離間させるように引っ張ることにより、接続部材150の第2接続領域152が位置する領域を被覆部材110から容易に分離させることができる。また、術者は、上記のように分離させた後、接続部材150の第2接続領域152が位置する領域の内腔に各指f2〜f5を通しつつ、接続部材150の第2接続領域152が位置する領域を手Hから離間させるように手Hの指先側へ移動させることにより、接続部材150の第2接続領域152が位置する領域を患者の手Hから容易に取り除くことができる。
なお、境界部360において接続部材150の第2接続領域152が位置する領域と被覆領域135とを接続分離可能にするための構造は、面ファスナーに限定されない。例えば、接着剤、テープ、機械的な嵌合が可能な凹部及び凸部等を境界部360に配置してもよい。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る止血器具を説明する。以下に説明する第4実施形態の説明では、第1実施形態で既に説明した構成等についての詳細な説明は省略する。また、止血器具に係る実施形態において特に説明がない内容については、第1実施形態と同一のものとすることができる。
図8は、第4実施形態に係る止血器具400の使用例を示す斜視図、図9は、第4実施形態に係る止血器具400の穿刺補助具410及び押圧部材420の一部を拡大して示す図、図10は、図9に示す矢印10−10線に対応する断面図、図11は、患者の手Hに形成した穿刺部位tにイントロデューサー500のシースチューブ510を挿入した際の様子を示す斜視図である。なお、図8、図9、図11では、押圧部材420を穿刺補助具410に接続する前の状態を示し、図10では、穿刺補助具410に接続した押圧部材420により穿刺部位tを圧迫止血している状態を示している。
<止血器具>
図8に示すように、止血器具400は、穿刺補助具410と、穿刺補助具410の被覆部材110に接続可能であり、かつ、被覆部材110に接続された状態で第1孔部131a(又は第2孔部131b)から露出した手Hの外表面に位置する穿刺部位t(止血すべき部位)に圧迫力を付与する押圧部材420と、を有している。
止血器具400は、例えば、図10に示すように、手Hの甲Hb側を走行する手掌動脈Bの橈骨動脈側に形成された穿刺部位tに留置していたイントロデューサー500のシースチューブ510を抜去する際、その穿刺部位tを止血するために使用することができる。
<穿刺補助具>
穿刺補助具410は、第1実施形態に係る穿刺補助具100と同様に、装着部120及び被覆部130を備える被覆部材110と、被覆部材110の一部に配置された接続部材150と、を有している。接続部材150は、患者の親指f1に配置される装着部120と、患者の手Hの少なくとも一部を覆う被覆部130と、を着脱可能に構成している。
穿刺補助具410は、押圧部材420を接続可能である複数の固定部411a、411b及び支持部材415(図10を参照)を備える点において、第1実施形態に係る穿刺補助具100と相違する。
固定部411aは、被覆部130の被覆領域135に位置する第1孔部131aの周囲に配置している。固定部411bは、被覆部130の被覆領域135に位置する第2孔部131bの周囲に配置している。
以下の説明では、第1孔部131aの周囲に配置された固定部411aを第1固定部とし、第2孔部131bの周囲に配置された固定部411bを第2固定部とする。なお、第1固定部411aと第2固定部411bは実質的に同一の構成を有する。そのため、第2固定部411bの説明において、第1固定部411aと重複する内容については、その説明を省略する。
図8、図9に示すように、第1固定部411aは、第1孔部131aを形成しつつ、第1孔部131aを囲む被覆部130の被覆領域135に固定している。同様に、第2固定部411bは、第2孔部131bを形成しつつ、第2孔部131bを囲む被覆部130の被覆領域135に固定している。なお、各固定部411a、411bは、被覆部材110からの分離ができないように被覆部材110に一体的に固定された構造を有していてもよいし、被覆部材110に対する接続分離が可能な構造を有していてもよい。
図9、図10に示すように、第1孔部131aの周囲に配置された第1固定部411aは、第1孔部131aを囲む凸部413と、患者の手掌動脈Bに留置されたイントロデューサー500の一部を挿通可能な挿通部413aと、を有している。
凸部413は、被覆部130の外表面から被覆部130に対して離間する高さ方向に突出している。挿通部413aは、凸部413の壁部の一部が周方向に切り欠かれた切り欠き部により形成されている。なお、第2孔部131bの周囲に配置された第2固定部411bは、第1固定部411aと同様に、凸部413及び挿通部413aを有している。
凸部413の内周面には、押圧部材420のシャフト部423を接続するためのネジ溝414が形成されている。ネジ溝414は、第1固定部411aに対して押圧部材420を接続するために用いられる。ネジ溝414は、凸部413の突出長に応じた全長を備える。ネジ溝414の全長は、凸部413にネジ溝414が形成されることにより、凸部413の高さ方向に沿って長く形成される。そのため、止血器具400は、ネジ溝414と押圧部材420のシャフト部423が螺合する範囲が大きくなる。それにより、止血器具400は、第1固定部411aに対して押圧部材420をより確実に固定することができ、押圧部材420が第1固定部411aから不用意に脱落することを防止できる。
凸部413において挿通部413aを形成する角度範囲(中心角)θ1は、凸部413の平面形状が真円である場合、例えば、90°〜120°である。ただし、挿通部413aの形状は、イントロデューサー500の一部を挿通部413aを介して穿刺部位tに案内することが可能な限り、特に限定されない。凸部413の形状は、挿通部413aと同様に、特に限定されない。
なお、本実施形態のように被覆部材110に複数の固定部411a、411bが設けられる場合、任意の固定部のみに挿通部413aを形成することができる。
第1固定部411aは、第1孔部131aと略同一の平面形状を有している。本実施形態では、第1孔部131aが円形の平面形状を有するため、第1固定部411aも円形の平面形状を有している。
図10に示すように、被覆部130の被覆領域135には、被覆部材110よりも硬い材料で形成された支持部材415を配置している。
支持部材415は、患者の手Hの外表面に被覆部材110を配置した状態で、手Hを挟んで第1孔部131a及び第2孔部131bと対向する対面側に配置している。
図10に示すように第1孔部131a(及び第2孔部131b)は、被覆部130の被覆領域135において、患者の手Hの甲Hbに対向する部分135aに形成している。一方、支持部材415は、被覆部130の被覆領域135において、患者の手Hの掌Hpに対向する部分135bに配置している。
支持部材415は、押圧部材420が手Hの甲Hbの外表面側から穿刺部位tに対して圧迫力を付与する際、手Hの掌Hp側で手Hを支持する。これにより、止血器具400は、押圧部材420と支持部材415とにより手Hを挟み込んだ状態で穿刺部位tを圧迫止血することができる。そのため、押圧部材420が穿刺部位tに付与する圧迫力を高めることができる。
支持部材415の平面形状は特に限定されないが、例えば、楕円形状に形成することができる。また、支持部材415の厚み(図10の上下方向の寸法)は、支持部材415により、押圧部材420の圧迫方向と反対側から患者の手Hを支持して、押圧部材420の手Hの穿刺部位tに対する圧迫力を高めることが可能な限り特に限定されない。また、支持部材415を配置する位置は、支持部材415が少なくとも第1孔部131a及び第2孔部131bと平面視上においてに重なる限り、特に限定されない。
支持部材415は、被覆部材110よりも硬い材料で形成することができる。支持部材415を形成する材料としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、その他の硬質プラスチック、金属材料等を挙げることができる。
各固定部411a、411bを形成する材料は特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)等の樹脂材料が挙げられる。
なお、本実施形態に係る穿刺補助具410は、第2実施形態及び第3実施形態に係る各穿刺補助具200、300のように、被覆部材110の第2接続領域152が位置する領域が被覆部材110から分離可能に構成されていてもよい。
<押圧部材>
図10に示すように、押圧部材420は、第1孔部131a(又は第2孔部131b)が患者の手Hに形成された穿刺部位tを囲み、かつ、押圧部材420が第1固定部411a(又は第2固定部411b)に接続された状態で、第1孔部131a(又は第2孔部131b)を覆いつつ、第1孔部131a(又は第2孔部131b)を挿通する方向(図10の上下方向)に移動できるように構成している。これにより、押圧部材420は、第1孔部131a(又は第2孔部131b)から露出した手の外表面に位置する穿刺部位tを押圧できる。
本実施形態では、押圧部材420は、被覆部130の被覆領域135に形成された複数の孔部131a、131bのうち任意の孔部に対して接続可能である。つまり、押圧部材420は、第1孔部131aの周囲に配置された第1固定部411a及び第2孔部131bの周囲に配置された第2固定部411bの両方の孔部に対して接続することができる。
押圧部材420は、図9、図10に示すように穿刺部位tを押圧する押圧部421と、押圧部材420が第1固定部411aに接続された状態で第1孔部131aに垂直な方向(押圧部材420の中心軸c1に平行な方向)に移動可能なシャフト部423と、シャフト部423において押圧部421と反対側に設けられた把持部425と、を有している。
押圧部421は、シャフト部423の一端部(図10の下側の端部)に配置している。シャフト部423の一端部には、シャフト部423に押圧部421を接続するための挿入部423a及び頭部423bが設けられている。把持部425は、シャフト部423の他端部(図10の上側の端部)に配置している。
押圧部421は、シャフト部423とは別体で構成している。押圧部421は、図10に示すように、シャフト部423の挿入部423aが挿通される挿通孔421aと、シャフト部423の頭部423bが収容される収容部421bと、を有している。
シャフト部423は、図10に示すように、挿入部423aよりもシャフト部423の他端部側の外周面に形成されたネジ溝を備えている。シャフト部423に形成されたネジ溝は、第1固定部411aの内周面に形成されたネジ溝414と螺合可能に構成している。
第1固定部411aのネジ溝414は、例えば、雌ねじで構成することができる。シャフト部423のネジ溝は、例えば、雄ねじで構成することができる。なお、第1固定部411aのネジ溝414を雄ねじで構成し、シャフト部423のネジ溝を雌ねじで構成してもよい。
把持部425は、押圧部材420により穿刺部位tを圧迫止血する際、術者が手指で把持するための持ち手として利用することができる。把持部425は、シャフト部423とは別体で構成している。
術者は、押圧部材420を利用して穿刺部位tを圧迫止血する際、下記のような作業を行う。
術者は、把持部425を把持して、シャフト部423を一方の回転方向(例えば、時計周り)に回転させる。術者がシャフト部423を回転させると、シャフト部423が第1固定部411aのネジ溝414に沿って回転しつつ、患者の手Hの甲Hbの外表面に接近する。シャフト部423が患者の手Hの甲Hbの外表面に接近し、シャフト部423の一端部に配置された押圧部421が患者の手Hの甲Hbに形成された穿刺部位tに接触すると、押圧部材420による圧迫止血が開始される。術者は、押圧部421が患者の手Hの甲Hbに形成された穿刺部位tに接触した状態で、シャフト部423を回転させて、押圧部421を患者の手Hの甲Hbの外表面側へ向けてさらに移動させることにより、穿刺部位tに対してより大きな圧迫力を付与することができる。このように、術者は、シャフト部423を回転させる簡単な作業により、押圧部材420の穿刺部位tに対する圧迫止血を開始することができる。
術者は、穿刺部位tに対する圧迫力を弱める場合、シャフト部423を他方の回転方向(例えば、反時計周り)に回転させる。術者がシャフト部423を他方の回転方向に回転させると、シャフト部423の一端部に配置された押圧部421が患者の手Hの甲Hbの外表面から離間する方向へ移動する。押圧部材420は、押圧部421が患者の手Hの甲Hbの外表面から離間する方向へ移動することにより、押圧部421の穿刺部位tに対する圧迫力を低下させることができる。
本実施形態では、押圧部421は、シャフト部423の回転が押圧部421へ伝達しないように、シャフト部423に接続されている。図10に示すように、押圧部421の挿通孔421aは、シャフト部423の挿入部423aよりも大きな幅(図10の左右方向の寸法)を有している。また、押圧部421の収容部421bは、シャフト部423の頭部423bよりも大きな幅を有している。そのため、押圧部421の挿通孔421aにシャフト部423の挿入部423aを挿通させ、かつ、押圧部421の収容部421bにシャフト部423の頭部423bを挿通させた状態において、挿入部423aと押圧部421との間、及び、頭部423bと押圧部421との間には、隙間が形成される。押圧部421は、上記の隙間が形成されることにより、シャフト部423が回転する際、押圧部421とシャフト部423との間で摩擦が生じることを防止できる。そのため、術者は、シャフト部423が回転する際、シャフト部423の回転が押圧部421に伝達されることを抑制でき、シャフト部423の回転に同伴して押圧部421が回転することを抑制できる。
押圧部材420は、押圧部材420が第1固定部411a(又は第2固定部411b)に接続された状態で、押圧部材420の穿刺部位tに重ねて配置される部分が透明に構成されている。このように押圧部材420を構成することにより、術者は、押圧部材420を第1固定部411aに接続した状態において、押圧部材420の上方側(把持部425が配置された側)から押圧部材420を覗き込むことにより、押圧部材420を介して穿刺部位tの位置及び状態を目視により確認することが可能となる。
本実施形態では、図10に示すように、押圧部材420は、押圧部421、シャフト部423、把持部425により構成されている。そのため、押圧部材420を第1固定部411aに接続した状態において、術者が押圧部材420の上方側から穿刺部位tを目視により確認することが可能となるようにするために、押圧部421、シャフト部423、把持部425において、押圧部材420の中心軸c1と軸方向に重なる部分及び押圧部材420の中心軸c1の周囲(平面視上の周囲)の部分を透明に構成している。
なお、押圧部材420において透明に構成する部分の範囲は、術者が押圧部材420を介して穿刺部位tを覗き込んだ際、穿刺部位tを目視により確認することが可能な限り特に限定されない。また、押圧部材420は、上記のように穿刺部位tを目視により確認可能なあれば透明に限定されることはなく、例えば、半透明であってもよい。
押圧部421は、例えば、樹脂等の弾性変形可能な材料で構成することができる。押圧部421が樹脂等の弾性変形可能な材料で構成されることにより、押圧部421が患者の手Hの甲Hbの外表面に接触して穿刺部位tを圧迫する際、患者に掛かる負担を軽減することができる。また、押圧部421を弾性変形可能な材料で構成することにより、シャフト部423の頭部423bに押圧部421を取り付ける際、押圧部421を変形させて、押圧部421の挿通孔421aに頭部423bを挿通させることができる。そのため、押圧部421の収容部421b内にシャフト部423の頭部423bを容易に挿入することができる。なお、押圧部421の形状は、穿刺部位tに対して効果的に圧迫力を付与でき、かつ、圧迫止血の最中に患者に対して過剰な負担が掛からないようにするために、例えば、穿刺部位tと接触する側に位置する先端部が丸みを帯びた湾曲形状を有することが好ましい(図10を参照)。
押圧部材420(押圧部421、シャフト部423、把持部425)を構成する材料は特に限定されないが、例えば、本実施形態のように押圧部材420の一部が透明又は半透明で構成される場合、天然ゴム(NR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、メタクリル酸エチルグラフト重合体(MG)等の公知の樹脂材料を用いることができる。なお、押圧部材420が透明又は半透明な部分を備えるように構成されない場合、例えば、押圧部材420のシャフト部423および把持部425は公知の金属材料で構成してもよい。このように構成する場合においても、押圧部421は、圧迫止血時に患者の身体に掛かる負担を考慮して、弾性変形可能な樹脂材料で構成することが好ましい。
なお、第1固定部411a(又は第2固定部411b)に対する押圧部材420の接続形態は、ネジ溝によるネジ込みに限定されない。例えば、第1固定部411a(又は第2固定部411b)に対する押圧部材420の接続形態として、嵌合式等の機械的な機構を採用することができる。また、ネジ溝による接続形態以外の接続形態を採用する場合、当該接続形態は、押圧部材420が穿刺部位tに対して付与する圧迫力の大きさを可逆的に調整可能な構成を有していてもよいし、穿刺部位tに対して一定の圧迫力を付与する構成を有していてもよい。
また、押圧部材420は患者の手Hに形成した穿刺部位tに対して圧迫力を付与することが可能であれば具体的な構造は特に限定されない。例えば、押圧部材420は、流体の注入及び排出に伴い拡張収縮可能な拡張部材で構成することも可能である。
次に、止血器具400の使用例を説明する。以下では、穿刺部位tが形成された患者の手(左手)Hへの止血器具400の装着手順例及び止血手順例を説明する。なお、押圧部材420による穿刺部位tの圧迫止血を開始するまでの手順は、前述した第1実施形態に係る穿刺補助具100の使用例と実質的に同一にすることができるため、説明を一部省略する。
術者は、患者の手Hの甲Hbに穿刺部位tを形成する前に、患者の手Hに被覆部材110を装着させる。次に、術者は、図11に示すように、親指f1が掌Hpを握り込む形状(親指f1が掌Hp側に屈曲した形状)となるように患者の手Hの形状を変形させつつ、被覆部130の掌Hp側に配置された第2接続領域152に、装着部120に配置された第1接続領域151を接触させる。患者の手Hは、各接続領域151、152同士の接続が維持されている間、親指f1が掌Hpを握り込む形状に維持される。
患者の手Hが上記の形状に変形すると、親指f1が手Hの掌Hp側に屈曲するのに追従して、手掌動脈Bの短母伸筋腱よりも手Hの先端側に位置する部分と、手掌動脈Bの短母伸筋腱よりも手Hの基端側に位置する部分とが、手H内で真っ直ぐに延びるように変形する。また、患者の手Hが上記の形状に変形すると、親指f1が手Hの掌Hp側に屈曲されることにより、手Hの甲Hbの外表面に手掌動脈Bが浮き上がる。
術者は、図11に示すように、患者の手Hが所定の形状に変形した状態を接続部材150により維持しつつ、第1孔部131aを介して被覆部材110の外部に露出する手Hの甲Hbの外表面に穿刺部位tを形成する。術者は、穿刺部位tを形成した後、穿刺部位tを介して手掌動脈Bにイントロデューサー500のシースチューブ510を挿入する。
術者は、穿刺部位tを介して手掌動脈Bにイントロデューサー500のシースチューブ510を挿入する際、図11に示すように、挿通部413aを介して、第1孔部131aから露出された穿刺部位tへイントロデューサー500のシースチューブ510を案内することができる。そのため、術者は、被覆部材110を患者に装着した状態において、穿刺部位tにイントロデューサー500のシースチューブ510を容易に挿入することができる。また、術者は、押圧部材420により圧迫止血を行う際、挿通部413aを介して穿刺部位tからイントロデューサー500のシースチューブ510を容易に抜去することができる。
次に、術者は、イントロデューサー500を使用して治療デバイスを患者の処置対象部位まで送達し、各種の処置を実施する。術者は、治療デバイスを使用した処置を実施した後、治療デバイスを生体外へ抜去する。術者は、治療デバイスを生体外へ抜去した後、イントロデューサー500のシースチューブ510の一部又は全部を手掌動脈Bから引き抜く。
次に、術者は、図10に示すように、第1孔部131aの周囲に配置された第1固定部411aに押圧部材420を接続する。術者は、穿刺部位tにイントロデューサー500のシースチューブ510の一部が挿入された状態で、押圧部材420を回転させることにより、押圧部材420の押圧部421を患者の手Hの甲Hbの外表面に接近させる。術者は、押圧部材420の押圧部421が穿刺部位tに接触するまで押圧部材420を回転させる。押圧部421は、穿刺部位tに接触するまで移動すると、圧迫止血を開始する。
術者は、押圧部材420の押圧部421が穿刺部位tに対して所望の圧迫力を付与するように押圧部421の位置を調整した後、穿刺部位tを介して手掌動脈Bからイントロデューサー500のシースチューブ510を完全に抜去する。
術者は、止血器具400による圧迫止血を行っている間、押圧部材420の押圧部421が患者の手Hの体表面に接近するように押圧部材420を移動させることにより、穿刺部位tに対して付与する圧迫力を強めることができる。また、術者は、止血器具400による圧迫止血を行っている間、押圧部材420の押圧部421が患者の手Hの体表面から離間するように押圧部材420を移動させることにより、穿刺部位tに対して付与する圧迫力を弱めることができる。このように、術者は、患者の甲Hbに対する押圧部421の相対的な位置を調整することにより、押圧部421が穿刺部位tに対して付与する圧迫力を容易に調整することができる。
術者は、穿刺部位tを押圧部材420により圧迫止血する際、接続部材150による装着部120と被覆部130との接続を解除することができる。ただし、術者は、接続部材150による装着部120と被覆部130との接続を維持した状態で穿刺部位tを圧迫止血してもよい。
術者は、止血を開始して一定時間が経過した後、押圧部材420の圧迫力を徐々に弱めて、穿刺部位tの止血が適切になされていることを確認する。術者は、穿刺部位tの止血が終了した後、押圧部材420の圧迫力を十分に弱める。その後、術者は、止血器具400を患者の手Hから取り外す。
以上、本実施形態に係る止血器具400は、穿刺補助具410と、穿刺補助具410の被覆部材110に接続可能であり、かつ、被覆部材110に接続された状態で第1孔部131a(又は第2孔部131b)から露出した手Hの外表面に位置する穿刺部位t(止血すべき部位)に圧迫力を付与する押圧部材420と、を有している。
上記の止血器具400によれば、術者は、穿刺補助具410が備える接続部材150を使用して、患者の手Hが所定の形状に変形した状態を維持することができる。そのため、患者は、手Hの形状を維持するために自身で手に力を加え続ける必要がない。したがって、穿刺補助具410は、手技の間に患者が受ける負担を軽減することができる。また、穿刺補助具410は、装着部120と被覆部130とを接続することにより患者の手Hを所定の形状に維持することができるため、患者が手Hの形状を不用意に変形することを防止できる。そのため、穿刺補助具410は、手技の間、手掌動脈Bに挿入したイントロデューサー500のシースチューブ510が不用意に動いてしまうことを防止できる。また、穿刺補助具410は、患者の手Hを所定の形状に維持することにより、患者の手Hに位置する手掌動脈Bを真っ直ぐに延ばしつつ、手掌動脈Bを患者の手Hの外表面に浮き上がらせることができる。そのため、術者は、穿刺補助具410を使用することにより、手掌動脈Bにアクセス可能な穿刺部位tを形成する処置及び手掌動脈B内へイントロデューサー500のシースチューブ510を挿入する処置を円滑に行うことが可能になる。また、穿刺補助具410は、被覆部材110を患者の手Hに装着した状態で、被覆部材110に位置する第1孔部131a(又は第2孔部131b)が患者の手Hの外表面の一部を露出させる。そのため、術者は、被覆部材110を患者の手Hに装着した状態で、第1孔部131a(又は第2孔部131b)を介して患者の手Hに穿刺部位tを容易に形成することができる。また、術者は、被覆部材110に位置する第1孔部131a(又は第2孔部131b)に接続した押圧部材420により、第1孔部131aから露出した手Hの外表面に位置する穿刺部位tを圧迫止血することができる。上記のように、止血器具400は、穿刺補助具410及び押圧部材420を備えることにより、患者の手Hに穿刺部位tを形成する処置、穿刺部位tを介してイントロデューサー500等の医療器具を手掌動脈Bに挿入する処置、及び穿刺部位tを圧迫止血する処置といった各処置を、被覆部材110を患者の手Hから取り外すことなく、円滑に実施することができる。そのため、止血器具400は、dTRAのカテーテル手技に使用される際、その利便性が非常に優れたものとなる。
本発明は上述した各実施形態にのみ限定されず、特許請求の範囲に応じて種々の変更が可能である。
例えば、接続部材の位置は、患者の手の形状を所望の形状に変形した状態を維持可能な限り、特に限定されない。例えば、被覆部材の手の甲側に接続部材を配置してもよい。また、被覆部材に設ける接続部材(接続領域)の個数は、第1接続領域と第2接続領域の2つに限定されることはない。
各実施形態では、孔部は、被覆部材の手の甲側に配置される部分(手の甲側の面)に設けた例を説明したが、孔部は、被覆部材の手の掌側に配置される部分(手の掌側の面)に設けてもよい。孔部を被覆部材の手の掌側に配置される部分に設けた場合、術者は、穿刺補助具又は止血器具を使用して手の掌側を走行する血管に対して各種の処置を実施することができる。
また、各実施形態では、患者の左手に穿刺部位を形成した際の穿刺補助具及び止血器具の使用例を説明したが、穿刺補助部及び止血器具は患者の右手に対して手術を行う際にも使用することができる。この場合、止血器具の各部(例えば、孔部や固定部)の位置関係等は、患者の右手に形成した穿刺部位を止血することが可能となるように適宜変更することができる。
100、200、300、410 穿刺補助具、
110 被覆部材、
120 装着部、
130 被覆部、
131a 第1孔部(孔部)、
131b 第2孔部(孔部)、
135 被覆領域、
136 締付部、
140 引掛部、
150 接続部材、
151 第1接続領域、
152 第2接続領域、
260、360 境界部、
400 止血器具、
411a 第1固定部、
411b 第2固定部、
413 凸部、
413a 挿通部、
420 押圧部材、
421 押圧部、
423 シャフト部、
425 把持部、
500 イントロデューサー、
510 シースチューブ、
A 前腕部、
B 手掌動脈、
H 手、
Hb 手の甲、
Hp 手の掌、
f1 親指(指)、
t 穿刺部位(止血すべき部位)。

Claims (7)

  1. 患者の手の外表面を被覆する被覆部材と、
    前記被覆部材の一部に配置された接続部材と、を備え、
    前記被覆部材は、前記患者の指に配置される装着部と、前記患者の前記手の少なくとも一部を覆う被覆部と、前記被覆部に位置し、前記患者の前記手の外表面の一部を露出させる孔部と、を有し、
    前記接続部材は、前記孔部が穿刺が行われる前記手の外表面の一部を露出させた状態で、前記装着部と前記被覆部とを接続する、穿刺補助具。
  2. 前記接続部材は、前記装着部に配置された第1接続領域と、前記被覆部の掌側に配置され、前記第1接続領域が接続可能な第2接続領域と、を有する、請求項1に記載の穿刺補助具。
  3. 前記被覆部は、前記孔部が位置する被覆領域と、前記第2接続領域が位置する領域と、前記被覆領域と前記第2接続領域が位置する領域との間に位置する境界部と、を備え、
    前記被覆部は、前記境界部において、前記被覆領域と前記第2接続領域が位置する領域とを分離できる、請求項2に記載の穿刺補助具。
  4. 前記境界部は、前記被覆領域及び前記第2接続領域が位置する領域よりも破断強度が低い、請求項3に記載の穿刺補助具。
  5. 前記境界部は、前記第2接続領域が位置する領域が前記被覆領域を覆い、前記被覆領域と前記第2接続領域が位置する領域とが重なる位置である、請求項3に記載の穿刺補助具。
  6. 前記被覆部材は、前記孔部が位置し、前記患者の前記手の全周を囲む締付部を有し、前記締付部は、弾性を有する材料で形成され、前記患者の前記手に前記被覆部材を装着した状態で前記患者の前記手の周方向に締め付け力を付与する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の穿刺補助具。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の前記穿刺補助具と、
    前記穿刺補助具の前記被覆部材に接続可能であり、かつ、前記被覆部材に接続された状態で前記孔部から露出した前記手の外表面に位置する止血すべき部位に圧迫力を付与する押圧部材と、を備える止血器具。
JP2018171819A 2018-09-13 2018-09-13 穿刺補助具及び止血器具 Pending JP2020039816A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018171819A JP2020039816A (ja) 2018-09-13 2018-09-13 穿刺補助具及び止血器具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018171819A JP2020039816A (ja) 2018-09-13 2018-09-13 穿刺補助具及び止血器具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020039816A true JP2020039816A (ja) 2020-03-19

Family

ID=69796985

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018171819A Pending JP2020039816A (ja) 2018-09-13 2018-09-13 穿刺補助具及び止血器具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020039816A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10702281B2 (en) 2016-07-18 2020-07-07 Merit Medical Systems, Inc. Inflatable radial artery compression device
USD911516S1 (en) 2018-06-19 2021-02-23 Merit Medical Systems, Inc. Hemostasis device
US11284905B2 (en) 2017-11-03 2022-03-29 Merit Medical Systems, Inc. Hemostasis devices and methods of use
US11553925B2 (en) 2018-04-11 2023-01-17 Merit Medical Systems, Inc. Inflatable compression device

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10702281B2 (en) 2016-07-18 2020-07-07 Merit Medical Systems, Inc. Inflatable radial artery compression device
US11344318B2 (en) 2016-07-18 2022-05-31 Merit Medical Systems, Inc. Inflatable radial artery compression device
US11284905B2 (en) 2017-11-03 2022-03-29 Merit Medical Systems, Inc. Hemostasis devices and methods of use
US11553925B2 (en) 2018-04-11 2023-01-17 Merit Medical Systems, Inc. Inflatable compression device
USD911516S1 (en) 2018-06-19 2021-02-23 Merit Medical Systems, Inc. Hemostasis device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2020039816A (ja) 穿刺補助具及び止血器具
JP5818614B2 (ja) カテーテル固定具
JP6936223B2 (ja) 止血器具
JP2021072931A (ja) 止血器具
JP7168385B2 (ja) 止血器具
US9642988B2 (en) Catheter fixation device
JP7181280B2 (ja) 止血器具
JP7267995B2 (ja) 止血器具
JP2018011867A (ja) 止血器具
JP2020018686A (ja) 止血器具
JP2020014588A (ja) 止血器具
US20230200825A1 (en) Hemostatic device
JP2020022679A (ja) 止血器具
WO2020027123A1 (ja) 止血器具
JP5818612B2 (ja) カテーテル固定具
EP4302709A1 (en) Hemostatic instrument
JP2020116314A (ja) 止血器具
WO2023176668A1 (ja) 止血器具
CN112351744B (zh) 止血器具
US20240074767A1 (en) Hemostatic device
WO2023176666A1 (ja) 止血器具
WO2023176667A1 (ja) 止血器具
WO2021167048A1 (ja) 止血デバイス
WO2020036158A1 (ja) 医療器具
WO2023176665A1 (ja) 止血器具