JP2020037974A - 差動装置およびその組み立て方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で潤滑油をデフケースの内部に貯溜する技術を提供する。【解決手段】一対のピニオンギヤ4と、ピニオンギヤ4に噛合する一対のサイドギヤ5と、ピニオンギヤ4およびサイドギヤ5を組み込む窓部7が形成されたデフケース2と、サイドギヤ5の背面とデフケース2の内面との間に配置されるワッシャ6と、を備えた差動装置1であって、ワッシャ6に、窓部7を塞ぐ塞ぎ壁部11を設けた。【選択図】図2

Description

本発明は、差動装置およびその組み立て方法に関する。
自動車の終減速装置は、一般的に左右の後輪間の略中央に配置されている。車体前方の原動機で発生した動力は、変速機で減速されたうえで推進軸を介して終減速装置に伝達され、終減速装置で再度減速されて左右の後輪に分配される。終減速装置は、推進軸と一体に回転するドライブピニオンギヤと、ドライブピニオンギヤと直角に噛合するリングギヤを含む差動装置と、差動装置を収容するハウジング等から構成されている。差動装置は、リングギヤと一体に回転するデフケースと、駆動軸と一体に回転するサイドギヤと、サイドギヤに噛合するピニオンギヤと、ピニオンギヤの孔に挿通してデフケースの嵌入孔に嵌合するピニオンシャフト等から構成されている。
ピニオンギヤはピニオンシャフトに回転可能に支持されている。また、ピニオンギヤおよびサイドギヤの背面は球面状に形成されてデフケースの内面と摺接している。したがって、これらの摺接箇所、すなわちピニオンギヤの孔とピニオンシャフトの外周面との摺接部、ピニオンギヤの背面とデフケースの内面との摺接部、サイドギヤの背面とデフケースの内面との摺接部に潤滑油を供給して潤滑する必要がある。しかしながら、デフケースは回転体であるため、回転しているデフケースの内部に潤滑油を効率良く供給しづらいという問題がある。
また、デフケースの外周面に、ピニオンギヤやサイドギヤ、ピニオンシャフトを組み込むための窓部が形成されている場合、デフケース内に流入した潤滑油が遠心力の作用により窓部から外部へ流出するという問題がある。
これに対し特許文献1〜3には、潤滑油をデフケース内に貯溜する技術が記載されている。特許文献1には、窓部の縁に、内向きの潤滑油保持リップを取り付けることが記載されている。特許文献2には、デフケースに容積可変の潤滑油溜りを設けることが記載されている。特許文献3には、デフケースの外側に、潤滑油導入口を備えたカバー部材を取り付けることが記載されている。
特開2008−128265号公報 特開2000−297828号公報 実開平5−42811号公報
しかしながら、特許文献1〜3の技術では、構成部材の構造が複雑となり、窓部からの潤滑油の流出を抑制するには不向きな構造となる。
本発明の目的は、簡単な構造で潤滑油をデフケースの内部に貯溜する技術を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明は、一対のピニオンギヤと、前記ピニオンギヤに噛合する一対のサイドギヤと、前記ピニオンギヤおよび前記サイドギヤを組み込む窓部が形成されたデフケースと、前記サイドギヤの背面と前記デフケースの内面との間に配置されるワッシャと、を備え、前記ワッシャに、前記窓部を塞ぐ塞ぎ壁部を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、ワッシャを利用した簡単な構造で、デフケース内の潤滑油が窓部から流出することを抑制できる。
また、本発明は、前記ワッシャは、前記サイドギヤの軸部を通す一対のサイドギヤ通し孔を備えた1つの球体状の部材で構成され、前記塞ぎ壁部は、一方のサイドギヤ通し孔から他方のサイドギヤ通し孔に延在する壁部であることを特徴とする。
本発明によれば、2つのサイドギヤに対して1つのワッシャで対応でき、部品点数の削減と組み付け作業の簡易化を図れる。
また、本発明は、前記ワッシャは、前記サイドギヤの背面と前記デフケースの内面との間に配置され中央に前記サイドギヤ通し孔が形成された一対のワッシャベース部と、前記ワッシャベース部の端部から円弧状に形成された一対のピニオンギヤ包囲部と、を備え、前記一対のピニオンギヤ包囲部同士にかけて延びるスリットが形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、ワッシャがデフケースの窓部よりも大きい場合であっても、スリットを縮め、ワッシャを縮径させて窓部に通すことができる。
また、本発明は、一対のピニオンギヤと、前記ピニオンギヤに噛合する一対のサイドギヤと、前記ピニオンギヤおよび前記サイドギヤを組み込む窓部が形成されたデフケースと、前記サイドギヤの背面と前記デフケースの内面との間に配置され中央にサイドギヤ通し孔が形成されたワッシャベース部と、該ワッシャベース部から延び前記窓部を塞ぐ塞ぎ壁部とを有するワッシャと、を備えた差動装置の組み立て方法であって、前記窓部から前記ワッシャを前記デフケースに組み込み、前記サイドギヤ通し孔を前記デフケースの回転軸心に一致させるとともに、一旦前記塞ぎ壁部を前記窓部からずらして位置させるワッシャ組み込み工程と、前記窓部から前記サイドギヤおよび前記ピニオンギヤを前記デフケースに組み込み、前記サイドギヤの軸部を前記サイドギヤ通し孔に通したうえで前記デフケースに軸支させるギヤ組み込み工程と、前記ワッシャを前記デフケースの回転軸心回りに回転させ、前記塞ぎ壁部で前記窓部を塞ぐ窓部塞ぎ工程と、を行うことを特徴とする。
本発明によれば、ワッシャとピニオンギヤとサイドギヤとを迅速かつ容易にデフケースに組み込んだうえで、デフケースの窓部をワッシャで塞ぐことができる。
また、本発明は、前記ワッシャは、前記ワッシャベース部の端部から円弧状に形成された一対のピニオンギヤ包囲部を備えた1つの球体状の部材で構成され、かつ前記一対のピニオンギヤ包囲部同士にかけて延びるスリットが形成され、前記ワッシャ組み込み工程において、前記スリットを縮め、弾性変形により前記ワッシャを縮径させた状態で前記窓部に通すことを特徴とする。
本発明によれば、ワッシャがデフケースの窓部よりも大きい場合であっても、スリットを縮め、ワッシャを縮径させて窓部に通すことができる。
また、本発明は、一対のピニオンギヤと、前記ピニオンギヤの挿通孔を挿通するピニオンシャフトと、前記ピニオンギヤに噛合する一対のサイドギヤと、前記ピニオンシャフトを嵌入するシャフト嵌入孔と、前記ピニオンギヤおよび前記サイドギヤを組み込む窓部とが形成されたデフケースと、を備えた差動装置の組み立て方法であって、前記一対のピニオンギヤに、円錐状の凹部または凸部からなる第1係合部を端面に有するダミーシャフトを挿通した状態で、前記窓部を通して、前記サイドギヤおよび前記ピニオンギヤを前記デフケースに組み込むギヤ組み込み工程と、前記ダミーシャフトの端面を前記シャフト嵌入孔に臨ませた状態で、前記第1係合部に係合する円錐状の凸部または凹部からなる第2係合部を端面に有する少なくとも1つのシャフトを前記シャフト嵌入孔に挿入し、前記第1係合部と前記第2係合部とを係合させることにより前記シャフト嵌入孔と前記挿通孔とを位置合わせする位置合わせ工程と、を行うことを特徴とする。
本発明によれば、ピニオンギヤの挿通孔とデフケースのシャフト嵌入孔とを容易に位置合わせでき、ピニオンシャフトをスムーズにデフケースに取り付けることができる。
また、本発明は、前記少なくとも1つのシャフトは、第2ダミーシャフトであり、前記ピニオンシャフトを前記シャフト嵌入孔に嵌入して、前記ダミーシャフトおよび第2ダミーシャフトを前記デフケースから押し出すダミーシャフト取出し工程を行うことを特徴とする。
本発明によれば、第1ダミーシャフトおよび第2ダミーシャフトにより正確に位置合わせができ、かつピニオンシャフトを利用して第1ダミーシャフトおよび第2ダミーシャフトを容易に取り外せる。
本発明によれば、簡単な構造で潤滑油を効率よくデフケースの内部に保持できる。
第1実施形態の差動装置の平断面図である。 図1におけるII-II断面図である。 第1実施形態の差動装置の分解斜視図である。 第2実施形態の差動装置の平断面図である。 図4におけるV-V断面図である。 第2実施形態の差動装置の分解斜視図である。 差動装置の組み立て方法の説明図であり、ワッシャを縮径させて組み込む状態を示す。 差動装置の組み立て方法の説明図であり、ワッシャをデフケース内で復元させた状態を示す。 差動装置の組み立て方法の説明図であり、ピニオンギヤおよびサイドギヤを組み込んだ状態を示す。 差動装置の組み立て方法の説明図であり、ワッシャとピニオンギヤとサイドギヤを図9の状態から略90度回転させた状態を示す。 差動装置の組み立て方法の説明図であり、ピニオンギヤに第1ダミーシャフトを挿入した状態を示す。 差動装置の組み立て方法の説明図であり、ピニオンギヤを図11の状態から略90度回転させた状態を示す。 差動装置の組み立て方法の説明図であり、第1ダミーシャフトと第2ダミーシャフトとを係合させた状態を示す。 差動装置の組み立て方法の説明図であり、ピニオンシャフトにより第1ダミーシャフトと第2ダミーシャフトとを押し出す状態を示す。 差動装置の組み立て方法の説明図であり、デフケースにピニオンシャフトを取り付けた状態を示す。
「第1実施形態」
図1〜図3を参照して第1実施形態を説明する。差動装置1は、例えば、FFベースの四輪駆動車に搭載された終減速装置に組み込まれている。終減速装置は、前後方向に延びるドライブピニオンシャフト(図示せず)の回転運動を、減速かつ90°偏向して、左右方向に延びる第1軸線O1周りの回転運動に変換して左右の後輪に伝達する。
図1および図2において、差動装置1は、ピニオンシャフト3と、一対のピニオンギヤ4と、一対のサイドギヤ5と、一対のワッシャ6と、これらを内蔵するデフケース2と、デフケース2と一体に回転するリングギヤ(図示せず)とを備えている。リングギヤは、ドライブピニオンシャフトのドライブピニオンギヤ(図示せず)と噛合するリング状の傘歯車であり、ボルト(図示せず)によりデフケース2のフランジ部2Cに締結される。
デフケース2は、第1軸線O1を中心に回転する回転体であり、胴体部2Aと、左右のボス部2B,2Bと、フランジ部2Cと、を備えている。胴体部2Aの外周面には、ピニオンギヤ4とサイドギヤ5とを組み込むための一対の矩形状の窓部7が第1軸線O1を挟んで開口形成されている。胴体部2Aには、第1軸線O1と直交し且つ第1軸心O1を通過する軸線である第2軸線O2方向に沿って、ピニオンシャフト3を軸支するシャフト嵌入孔8,8が形成されている。胴体部2Aの内面のうちシャフト嵌入孔8,8の周りには、ピニオンギヤ4の球面状の背面4Aと摺接する凹球面状の摺接面2Dが形成されている。
フランジ部2Cは、胴体部2Aの一端寄りの外周面から径外方向に延びるように形成されている。左右のボス部2Bは、胴体部2Aの左右から第1軸線O1を中心に延びる円筒形状を呈しており、軸受を介して終減速装置のハウジング(図示せず)に支持される。ボス部2Bの内部には、左後輪又は右後輪と連結したドライブシャフト(図示せず)が挿通される。
ピニオンシャフト3は、両端部がシャフト嵌入孔8に嵌入することで第2軸線O2を中心として胴体部2Aの内部に配置される。ピニオンギヤ4には挿通孔4Bが形成され、この挿通孔4Bを挿通するピニオンシャフト3に対しピニオンギヤ4が回転する。サイドギヤ5は、図示しないドライブシャフトとスプライン結合されている。サイドギヤ5は、ピニオンギヤ4の両側に配置されてピニオンギヤ4と噛合し、第1軸線O1を中心に回転する。サイドギヤ5の軸部5Bは、デフケース2のサイドギヤ軸支孔2Eに軸支される。
図1ないし図3を参照して、一対のワッシャ6は、各サイドギヤ5の背面5Aと、背面5Aに対向するデフケース2の内面(サイドギヤ対向内面2F)との間に配置されている。サイドギヤ5の背面5Aは球面状を呈しており、これに倣ってサイドギヤ対向内面2Fは凹球面状を呈している。ワッシャ6は、サイドギヤ5の背面5Aとサイドギヤ対向内面2Fとの間に位置し、中央にサイドギヤ5の軸部5Bを通すサイドギヤ通し孔9が形成された環状のワッシャベース部10と、ワッシャベース部10から第1軸線O1の径外方向かつ他方のワッシャ6側に向けて延び、窓部7をデフケース2の内側から塞ぐ塞ぎ壁部11と、を備えている。
ワッシャベース部10は、サイドギヤ5の背面5Aやサイドギヤ対向内面2Fに倣った球面状を呈しており、塞ぎ壁部11も、ワッシャベース部6Aと同じ曲率で球面状に形成されている。本実施形態では、一方のワッシャ6Aと他方のワッシャ6Bとは互いに同一の形状を呈しており、第1軸線O1を中心に点対称で配置されている。したがって、一方のワッシャ6Aが一方の窓部7を塞ぎ、他方のワッシャ6Bが他方の窓部7を塞いでいる。ワッシャ6Aとワッシャ6Bとを互いに同一の形状とすることで部品の共用化を図ることができる。ワッシャ6は、樹脂材料で形成してもよいし、熱処理を施した鋼板等、金属材料で形成してもよい。
図3に示すように、ワッシャ6の第2軸心O2方向の両端部には、ピニオンギヤ4との干渉を避けるために略半円状のピニオンギヤ包囲部12が形成されている。ピニオンギヤ包囲部12の縁部12Aは、概ね第2軸線O2を中心に円弧状に形成されている。ワッシャ6は、例えばこの縁部12Aがピニオンギヤ4の外周を包囲することで、第1軸心O1回りに回転不能に取り付けられ、塞ぎ壁部11が窓部7を塞いだ状態を維持する。その他、ワッシャ6の回転止めとしては、ワッシャ6とデフケース2の内面との凹凸係合等を用いてもよい。
以上のように、サイドギヤ5の背面5Aとデフケース2のサイドギヤ対向内面2Fとの間にワッシャ6を配置し、このワッシャ6に、窓部7を塞ぐ塞ぎ壁部11を設ければ、デフケース2内の潤滑油が窓部7から流出することを抑制できる。これにより、簡単な構成でデフケース2内の潤滑油の保持性能が向上し、ギヤ類の潤滑性が良好に維持される。
「第2実施形態」
図4〜図6を参照して第2実施形態を説明する。第1実施形態では、2つのサイドギヤ5に対して、ワッシャ6として2つのワッシャ6A,6Bを配置したが、第2実施形態では、2つのサイドギヤ5に対して1つのワッシャ60を配置している。その他の構成要素については第1実施形態と同じであり、同符号を付してその詳細な説明は省略する。
ワッシャ60は、サイドギヤ5の軸部5Bを通す一対のサイドギヤ通し孔62を備えた1つの球体状の部材で構成されている。サイドギヤ通し孔62の孔周り部分は、サイドギヤ5の背面5Aとデフケース2のサイドギヤ対向内面2Fとの間に配置されて、ワッシャベース部63を構成する。ワッシャベース部63の端部から、一対のピニオンギヤ包囲部61が円弧状に形成されている。一方のサイドギヤ通し孔62から他方のサイドギヤ通し孔62に延在する、つまり一方のワッシャベース部63から他方のワッシャベース部63に延在する壁部が、デフケース2の窓部7を塞ぐ塞ぎ壁部64を構成する。また、ワッシャ60には、一対のピニオンギヤ包囲部61同士にかけて延びるスリット65が形成されている。
第2実施形態のワッシャ60によっても、デフケース2内の潤滑油が窓部7から流出することを塞ぎ壁部64により抑制できる。これにより、簡単な構成でデフケース2内の潤滑油の保持性能が向上し、ギヤ類の潤滑性が良好に維持される。2つのサイドギヤ5に対してワッシャ60を1つの部材で対応させれば、部品点数の削減と組み付け作業の簡易化を図れる。ワッシャ60は、樹脂材料で形成してもよいし、熱処理を施した鋼板等、金属材料で形成してもよい。
<差動装置の組み立て方法>
図7〜図10を参照し、第2実施形態の差動装置1を例にして、差動装置1の組み立て方法を説明する。
「ワッシャ組み込み工程C1」
図7に示すように、先ず、最初に窓部7からワッシャ60をデフケース2に組み込む。窓部7が小さい場合には、スリット65を縮め、弾性変形によりワッシャ60を縮径させた状態で窓部7に通す。図8に示すように、デフケース2の内部で、ワッシャ60は弾性復元力により略元の形状に戻り、デフケース2の内面に当接する。このとき、サイドギヤ通し孔62は第1軸線O1に一致し、塞ぎ壁部64は窓部7からずれて位置している。つまり、塞ぎ壁部64はシャフト嵌入孔8を塞ぐように位置しており、ワッシャ60のピニオンギヤ包囲部61が窓部7と連通状態になっている。
「ギヤ組み込み工程C2」」
次いで、図9に示すように、窓部7からサイドギヤ5およびピニオンギヤ4をデフケース2に組み込む。ワッシャ60のピニオンギヤ包囲部61が窓部7と連通状態になっているので、サイドギヤ5およびピニオンギヤ4を何ら問題なくワッシャ60内に組み込むことができる。そして、サイドギヤ5の軸部5Bをワッシャ60のサイドギヤ通し孔62に通したうえで、デフケース2のサイドギヤ軸支孔2Eに軸支させる。ピニオンギヤ4はワッシャ60のピニオンギヤ包囲部61内に位置した状態でサイドギヤ5と噛合する。
「窓部塞ぎ工程C3」
次いで、図10に示すように、ワッシャ60およびギヤ類を回転軸線O1回りに略90度回転させ、塞ぎ壁部64で窓部7を塞ぐ。ピニオンギヤ4の挿通孔4B(図4)がデフケース2のシャフト嵌入孔8と一致するので、ピニオンシャフト3をシャフト嵌入孔8から挿入し、ピニオンギヤ4を軸支する。
以上の組み立て方法によれば、ワッシャ60とピニオンギヤ4とサイドギヤ5とを迅速かつ容易にデフケース2に組み込んだうえで、デフケース2の窓部7をワッシャ60で塞ぐことができる。以上の組立方法は、第1実施形態のワッシャ6の場合にも適用できる。
ここで、窓部塞ぎ工程C3において、窓部7を塞ぐためにワッシャ60を回転させた際は、ピニオンシャフト3を挿入可能とするために、ピニオンギヤ4の挿通孔4Bとデフケース2のシャフト嵌入孔8とを精度良く位置合わせする必要がある。しかし、窓部7は既にワッシャ60で塞がれた状態となるので、手を窓部7からデフケース2の内部に入れて位置合わせすることはできず、微妙な位置調整が困難となる。
この問題に対して、図11〜図15に示すように、以下の工程を行うことでピニオンギヤ4の挿通孔4Bとデフケース2のシャフト嵌入孔8とを容易に位置合わせできる。
「ギヤ組み込み工程C2a」
図11において、窓部7からサイドギヤ5およびピニオンギヤ4をデフケース2に組み込む。前記したギヤ組み込み工程C2と異なっているのは、一対のピニオンギヤ4間に第1ダミーシャフト21を挿通させている点である。第1ダミーシャフト21の長さは、ピニオンギヤ4とサイドギヤ5とが噛合している状態のとき、第1ダミーシャフト21の端部がピニオンギヤ4の背面4Aから突出しない程度の長さである。第1ダミーシャフト21の端面の中心には、円錐状の凹部からなる第1係合部22が形成されている。
「位置合わせ工程C4」
次いで、図12に示すように、前記窓部塞ぎ工程C3でワッシャ60を回転させ、第1ダミーシャフト21の端面をシャフト嵌入孔8に臨ませる。次いで、図13に示すように、シャフト嵌入孔8に第2ダミーシャフト23を挿入する。第2ダミーシャフト23の端面の中心には、第1係合部22に係合する円錐状の凸部からなる第2係合部24が形成されている。仮に図12の段階でピニオンギヤ4の挿通孔4Bとデフケース2のシャフト嵌入孔8とがずれていたとしても、第1係合部22と第2係合部24とは円錐状に形成されているので、係合初期に両者の間で引っ掛かりが生じることはない。そして、第1係合部22と第2係合部24とが係合すると、第1係合部22と第2係合部24の円錐面の誘導作用により、ピニオンギヤ4の挿通孔4Bがシャフト嵌入孔8に一致して位置合わせされる。なお、第1係合部22側を凸部とし、第2係合部24側を凹部にしてもよい。
また、2つのシャフト嵌入孔8の内で1つのシャフト嵌入孔8のみに第2ダミーシャフト23を挿入することでも、ピニオンギヤ4の挿通孔4Bとシャフト嵌入孔8との位置合わせは可能である。しかし、図13に示すように、2つのシャフト嵌入孔8の両方に第2ダミーシャフト23を挿入すれば、2つの第2ダミーシャフト23の外側端面間の距離Lの寸法を管理することで、第1係合部22と第2係合部24とが確実に係合し、ピニオンギヤ4の挿通孔4Bとシャフト嵌入孔8とが正確に位置合わせされた状態であることを容易に把握できる。
「ダミーシャフト取出し工程C5」
次いで、図14に示すように、ピニオンシャフト3をシャフト嵌入孔8に嵌入して、第1ダミーシャフト21および第2ダミーシャフト23をデフケース2から押し出し、図15に示すように、ピニオンシャフト3をデフケース2に対し正規に取り付ける。
以上の説明では、第2ダミーシャフト23を用いて位置合わせを行った。しかし、第2ダミーシャフト23を用いることなく、ピニオンシャフト3の端面に第2係合部24を設けることで、第1ダミーシャフト21とピニオンシャフト3との係合により位置合わせを行ってもよい。特に、ピニオンシャフト3の一例として、潤滑油をデフケース2の内部に導くための油路が形成され、ピニオンシャフト3の端面にはこの油路の開口として円錐孔口が形成されている場合がある。したがって、この円錐孔口を利用することで、ピニオンギヤ4の挿通孔4Bとデフケース2のシャフト嵌入孔8との位置合わせをできる。
以上の組み立て方法によれば、ピニオンギヤ4の挿通孔4Bとシャフト嵌入孔8とを容易に位置合わせでき、ピニオンシャフト3をスムーズにデフケース2に取り付けることができる。なお、この組み立て方法は、ワッシャ6,60の有無に関係なく実施することができる。
1 差動装置
2 デフケース
3 ピニオンシャフト
4 ピニオンギヤ
5 サイドギヤ
6 ワッシャ
7 窓部
8 シャフト嵌入孔
9 サイドギヤ通し孔
10 ワッシャベース部
11 塞ぎ壁部
12 ピニオンギヤ包囲部
21 第1ダミーシャフト
22 第1係合部
23 第2ダミーシャフト
24 第2係合部
60 ワッシャ
61 ピニオンギヤ包囲部
62 サイドギヤ通し孔
63 ワッシャベース部
64 塞ぎ壁部
65 スリット

Claims (7)

  1. 一対のピニオンギヤと、
    前記ピニオンギヤに噛合する一対のサイドギヤと、
    前記ピニオンギヤおよび前記サイドギヤを組み込む窓部が形成されたデフケースと、
    前記サイドギヤの背面と前記デフケースの内面との間に配置されるワッシャと、
    を備え、
    前記ワッシャに、前記窓部を塞ぐ塞ぎ壁部を設けたことを特徴とする差動装置。
  2. 前記ワッシャは、前記サイドギヤの軸部を通す一対のサイドギヤ通し孔を備えた1つの球体状の部材で構成され、
    前記塞ぎ壁部は、一方のサイドギヤ通し孔から他方のサイドギヤ通し孔に延在する壁部であることを特徴とする請求項1に記載の差動装置。
  3. 前記ワッシャは、前記サイドギヤの背面と前記デフケースの内面との間に配置され中央に前記サイドギヤ通し孔が形成された一対のワッシャベース部と、前記ワッシャベース部の端部から円弧状に形成された一対のピニオンギヤ包囲部と、を備え、
    前記一対のピニオンギヤ包囲部同士にかけて延びるスリットが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の差動装置。
  4. 一対のピニオンギヤと、
    前記ピニオンギヤに噛合する一対のサイドギヤと、
    前記ピニオンギヤおよび前記サイドギヤを組み込む窓部が形成されたデフケースと、
    前記サイドギヤの背面と前記デフケースの内面との間に配置され中央にサイドギヤ通し孔が形成されたワッシャベース部と、該ワッシャベース部から延び前記窓部を塞ぐ塞ぎ壁部とを有するワッシャと、
    を備えた差動装置の組み立て方法であって、
    前記窓部から前記ワッシャを前記デフケースに組み込み、前記サイドギヤ通し孔を前記デフケースの回転軸心に一致させるとともに、一旦前記塞ぎ壁部を前記窓部からずらして位置させるワッシャ組み込み工程と、
    前記窓部から前記サイドギヤおよび前記ピニオンギヤを前記デフケースに組み込み、前記サイドギヤの軸部を前記サイドギヤ通し孔に通したうえで前記デフケースに軸支させるギヤ組み込み工程と、
    前記ワッシャを前記デフケースの回転軸心回りに回転させ、前記塞ぎ壁部で前記窓部を塞ぐ窓部塞ぎ工程と、
    を行うことを特徴とする差動装置の組み立て方法。
  5. 前記ワッシャは、前記ワッシャベース部の端部から円弧状に形成された一対のピニオンギヤ包囲部を備えた1つの球体状の部材で構成され、かつ前記一対のピニオンギヤ包囲部同士にかけて延びるスリットが形成され、
    前記ワッシャ組み込み工程において、前記スリットを縮め、弾性変形により前記ワッシャを縮径させた状態で前記窓部に通すことを特徴とする請求項4に記載の差動装置の組み立て方法。
  6. 一対のピニオンギヤと、
    前記ピニオンギヤの挿通孔を挿通するピニオンシャフトと、
    前記ピニオンギヤに噛合する一対のサイドギヤと、
    前記ピニオンシャフトを嵌入するシャフト嵌入孔と、前記ピニオンギヤおよび前記サイドギヤを組み込む窓部とが形成されたデフケースと、
    を備えた差動装置の組み立て方法であって、
    前記一対のピニオンギヤに、円錐状の凹部または凸部からなる第1係合部を端面に有するダミーシャフトを挿通した状態で、前記窓部を通して、前記サイドギヤおよび前記ピニオンギヤを前記デフケースに組み込むギヤ組み込み工程と、
    前記ダミーシャフトの端面を前記シャフト嵌入孔に臨ませた状態で、前記第1係合部に係合する円錐状の凸部または凹部からなる第2係合部を端面に有する少なくとも1つのシャフトを前記シャフト嵌入孔に挿入し、前記第1係合部と前記第2係合部とを係合させることにより前記シャフト嵌入孔と前記挿通孔とを位置合わせする位置合わせ工程と、
    を行うことを特徴とする差動装置の組み立て方法。
  7. 前記少なくとも1つのシャフトは、第2ダミーシャフトであり、
    前記ピニオンシャフトを前記シャフト嵌入孔に嵌入して、前記ダミーシャフトおよび第2ダミーシャフトを前記デフケースから押し出すダミーシャフト取出し工程を行うことを特徴とする請求項6に記載の差動装置の組み立て方法。
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