JP2020037808A - 立坑の構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 作業効率の改善等を図ることができる立坑の構築方法を提供する。【解決手段】(1)立坑の構築予定箇所を囲むように、仮想境界線に沿って、先行掘削溝1を形成する。(2)先行掘削溝1内にコンクリートを打設して、コンクリート壁2を形成する。(3)コンクリート壁2により囲まれる内部領域を掘削して、コンクリート壁2を露出させる。(4)コンクリート壁2の露出面から地山に水平方向にロックボルト3を打ち込む。上記(1)の先行掘削工程は、(1−1)前記仮想境界線上に所定の間隔で、鉛直方向に延びる複数のボーリング孔を形成するボーリング工程と、(1−2)切削ワイヤを用いて、隣り合う一対のボーリング孔間の地山を切削する溝切り工程と、を含んで、立坑の構築予定深度まで、先行掘削溝1を形成する。そして、上記(1)、(2)の工程の終了後、単位深度ずつ、上記(3)、(4)の工程を繰り返す。【選択図】 図1

Description

本発明は、縦型NATM工法による立坑の構築方法に関する。
軟岩中に立坑を構築する方法として、縦型NATM工法(New Austrian Tunnel Method)がある。ここでいう軟岩は、自立性を有するものの、ロックボルトなどによる掘削面の補強(土留)が必要となる、土丹層などに代表される固結シルト層である。
縦型NATM工法では、一般に、地盤面下に縦穴を単位深度(1.5〜2.0m)ずつ掘削し、その掘削面(縦穴の壁面)に吹付コンクリートを施工し、更に吹付コンクリートの表面から地山に水平方向にロックボルトを打設し、このロックボルトを介して吹付コンクリートと地山とを一体化させることで、軟岩掘削面の風化抑制、亀裂の発生抑制、剥落防止を図り、掘削面の補強(土留)を行っている。
また、特許文献1、2には、縦穴の掘削(内部掘削)に先立って縦穴の外縁に沿う先行掘削溝を形成することを前提にした立坑の構築方法が提案されており、以下これらについて説明する。
特許文献1では、次のようにして、立坑を構築する。
(1)立坑の掘削予定箇所を囲むように、チェーンカッターにより、先行掘削溝を形成する(先行掘削)。
(2)前記先行掘削溝により囲まれる領域をブレーカー、リッパー等で掘削して、前記先行掘削溝を露出させる(内部掘削)。
(3)前記先行掘削溝の露出面に吹付コンクリートを施工する(吹付コンクリート)。
(4)前記吹付コンクリートの表面から地山に水平方向にロックボルトを打ち込む(ロックボルト打設)。
そして、上記(1)〜(4)の先行掘削、内部掘削、吹付コンクリート、ロックボルト打設という作業サイクルを、チェーンカッターの長さに対応する単位深度ごとに、繰り返すことで、所望の構築予定深度の立坑を構築する。
特許文献2では、次のようにして、立坑を構築する。
(1)立坑の掘削予定箇所を囲むように、チェーンカッターにより、先行掘削溝を形成する(先行掘削)。
(2)前記先行掘削溝内にコンクリートを打設して、コンクリート壁(土留壁)を形成する(コンクリート打設)。
(3)前記コンクリート壁に囲まれる領域を掘削し、前記コンクリート壁を露出させる(内部掘削)。
(4)前記コンクリート壁の露出面から地山に水平方向にロックボルトを打ち込む(ロックボルト打設)。
そして、上記(1)〜(4)の先行掘削、コンクリート打設、内部掘削、ロックボルト打設という作業サイクルを、チェーンカッターの長さに対応する単位深度ごとに、繰り返すことで、所望の構築予定深度の立坑を構築する。
特開平3−180614号公報 特開平5−148838号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の立坑の構築方法では、先行掘削溝をチェーンカッターにより形成するため、次のような問題があった。
先行掘削溝の掘削可能な深さが、チェーンカッターの長さにより決まる。
従って、特許文献1、2のいずれにおいても、チェーンカッターの長さにより決まる単位深度ずつ、上記(1)〜(4)の全ての工程を繰り返す必要があり、作業効率が悪い。
また、特許文献1、2のいずれにおいても、先行掘削を単位深度ずつ繰り返すことから、形成される先行掘削溝の深さ方向の連続性に問題がある。すなわち、1段目の先行掘削溝に連続させて、2段目の先行掘削溝を形成する場合、1段目の先行掘削溝にはコンクリート壁が形成されているため、1段目の位置につなげて2段目の先行掘削溝を形成することが難しい。尚、特許文献2には、先行掘削溝を深さ方向に連続させるために、ベント型チェーンカッターを使用することが記載されているが、難しさを解消するには至らない。先行掘削溝の連続性の欠如は、土留壁としての信頼性の低下を招く。
本発明は、このような実状に鑑み、先行掘削溝をより十分な深さ(立坑の構築予定深度)まで、まとめて形成できるようして、作業効率の改善、並びに先行掘削溝の深さ方向の連続性の担保による土留壁の信頼性向上を図ることができる、立坑の構築方法を提供することを課題とする。
本発明に係る立坑の構築方法は、
(1)立坑の構築予定箇所を囲むように、地盤の開削側と地山側との仮想境界線に沿って、先行掘削溝を形成する先行掘削工程と、
(2)前記先行掘削溝内にコンクリートを打設して、コンクリート壁(土留壁)を形成するコンクリート打設工程と、
(3)前記コンクリート壁により囲まれる領域を掘削して、前記コンクリート壁を露出させる内部掘削工程と、
(4)前記コンクリート壁の露出面から地山に水平方向にロックボルトを打ち込むロックボルト打設工程と、
を含む。
前記先行掘削工程(1)は、
(1−1)前記仮想境界線上に所定の間隔で、それぞれ鉛直方向に延びる複数のボーリング孔を形成するボーリング工程と、
(1−2)隣り合う一対のボーリング孔に挿入可能な一対の支持部材、及び、これら一対の支持部材間に一部が張設されて循環移動する切削ワイヤを用い、前記一対の支持部材を前記一対のボーリング孔に挿入しつつ、前記切削ワイヤの前記一対の支持部材間の切削部により、前記一対のボーリング孔間の地山を切削する溝切り工程と、
を含んで、立坑の構築予定深度まで、前記先行掘削溝を形成する。
そして、前記先行掘削工程(1)及び前記コンクリート打設工程(2)の終了後、単位深度ずつ、前記内部掘削工程(3)及び前記ロックボルト打設工程(4)を繰り返すことを特徴とする。
尚、「切削ワイヤ」とは、ワイヤソー(システム)のワイヤ部分をいい、一般的にはダイヤモンドワイヤ(ダイヤモンド埋め込みワイヤ)であるが、軟岩を切削の対象とする場合は強度が低いことから硬質金属を埋め込んだワイヤなどであってもよい。
ここにおいて、前記切削ワイヤの切削部は、形成する先行掘削溝の溝幅方向にずらして複数設けるとよい。
前記切削ワイヤの切削部は、また、前記支持部材の挿入方向(形成する先行掘削溝の深さ方向)にずらして複数設けるとよい。
また、前記切削ワイヤの切削部は、形成する先行掘削溝の溝幅方向の両端に位置してそれぞれ溝の長さ方向に延びる2つの溝側部切削部と、前記2つの溝側部切削部の間に位置して溝の長さ方向に延びる少なくとも1つの溝内切削部と、を含むとよい。
前記溝内切削部は、少なくとも1つが、前記支持部材の挿入方向で見て、前記溝側部切削部と同じ位置に設けられてもよい。
前記溝内切削部は、また、少なくとも1つが、前記支持部材の挿入方向で見て、前記溝側部切削部より後方の位置に設けられてもよい。
また、前記溝内切削部(特に後方の溝内切削部)は、形成する先行掘削溝内にて一方の側部から他方の側部に向かうように斜めに配置されるとよい。
また、前記切削ワイヤの循環移動用に、前記一対の支持部材の挿入方向前側の一対のプーリと、挿入方向後側の一対のプーリとを備え、1本の切削ワイヤを、前記挿入方向前側の一対のプーリにn巻きし(nは2以上の整数)、前記挿入方向後側の一対のプーリにn−1巻きするとよい。
また、上記の先行掘削工程を含んで、次のような別の立坑の構築方法とすることも可能である。
この別の立坑の構築方法は、
(1)立坑の構築予定箇所を囲むように、地盤上の開削側と地山側との仮想境界線に沿って、先行掘削溝を形成する先行掘削工程と、
(2)前記先行掘削溝により囲まれる領域を掘削して、前記先行掘削溝を露出させる内部掘削工程と、
(3)前記先行掘削溝の露出面に吹付コンクリートを施工する吹付コンクリート工程と、
(4)前記吹付コンクリートの表面から地山に水平方向にロックボルトを打ち込むロックボルト打設工程と、
を含む。
前記先行掘削工程(1)は、
(1−1)前記仮想境界線上に所定の間隔で、それぞれ鉛直方向に延びる複数のボーリング孔を形成するボーリング工程と、
(1−2)隣り合う一対のボーリング孔に挿入可能な一対の支持部材、及び、これら一対の支持部材間に一部が張設されて循環移動する切削ワイヤを用い、前記一対の支持部材を前記一対のボーリング孔に挿入しつつ、前記切削ワイヤの前記一対の支持部材間の切削部により、前記一対のボーリング孔間の地山を切削する溝切り工程と、
を含んで、立坑の構築予定深度まで、前記先行掘削溝を形成する。
そして、前記先行掘削工程(1)の終了後、単位深度ずつ、前記内部掘削工程(2)、前記吹付コンクリート工程(3)及び前記ロックボルト打設工程(4)を繰り返すことを特徴とする。
尚、この別の立坑の構築方法では、先行掘削は軟岩の切断が目的であるので、先行掘削溝は切れ目として存在すればよく、その幅は0に近くてもよい。従って、ここでの切削ワイヤによる切削部は、溝幅方向や挿入方向に複数設ける必要はなく、1本の切削ワイヤによる1つの切削部で、切削ワイヤの径に相当する幅の溝が形成されるようにするだけでもよい。
本発明に係る立坑の構築方法によれば、先行掘削溝を切削ワイヤにより掘削(切削)するため、先行掘削溝を所定の深さ(立坑の構築予定深度)まで、まとめて形成することができる。
従って、先行掘削溝を所定深度まで形成した後、その内部にコンクリートを打設してから、単位深度ずつ、内部掘削及びロックボルト打設を繰り返すことにより、又は、先行掘削溝を所定深度まで形成した後、単位深度ずつ、内部掘削、吹付コンクリート及びロックボルト打設を繰り返すことにより、作業効率を改善することができる。
また、先行掘削溝の連続性が担保されることで、土留壁の連続性が担保され、土留壁の信頼性を向上させることができる。
また、先行掘削溝を切削ワイヤにより削溝するため、等厚で、凹凸の無い平滑面状の削溝を行うことができる。このため、特に先行掘削溝内にコンクリートを打設する場合は、等厚のコンクリート壁(土留壁)を造成することができ、しかも吹付コンクリートのような飛散ロスを生じない。
更には、切削ワイヤの切削部の配置方法や巻き掛け方法の工夫により、切削ワイヤを用いた先行掘削溝の形成を良好なものとすることができる。
本発明の一実施形態として立坑の構築手順を示す縦断面図 先行掘削工程の手順を示す平面図 溝切り装置(溝切り用ワイヤソーシステム)の構成例を示す概略図 支持部材及びプーリの詳細図 切削ワイヤの巻き掛け例1を示す図 巻き掛け例1の概略斜視図 切削ワイヤの巻き掛け例2を示す図 巻き掛け例2の概略斜視図 ロックボルト定着部の詳細図 他の実施形態として立坑の構築手順を示す縦断面図
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態として立坑の構築手順を示す縦断面図、図2は図1(A)の先行掘削工程の手順を示す平面図である。
本実施形態では、内部に円筒形の地下構造物を構築するために、円筒形の立坑4を地盤(軟岩)中に構築するものとする。構築する立坑4の内径は例えば20m、深さは例えば40mとする。
立坑4(図1(D))の構築手順は、次の(1)〜(4)の通りである。
(1)先行掘削工程
図1(A)に示すように、立坑の構築予定箇所を囲むように、地盤の開削側と地山側との仮想境界線に沿って、先行掘削溝1を形成する。
本実施形態では、構築予定の立坑(地下構造物)の平面形状が円であることから、平面視で円形の仮想境界線に沿って、円形(環状)の先行掘削溝1を形成する。
先行掘削溝1の幅は、その内部に打設されるコンクリートにより、立坑の土留壁として機能し得る幅、例えば10〜20cmとする。
先行掘削溝1の深さは、立坑の構築予定深度、従って構築する地下構造物の床付面までの深さとし、例えば40mとする。
上記(1)の先行掘削工程は、詳しくは、下記(1−1)〜(1−2)の工程を含む。これについて、図2を参照して説明する。
(1−1)ボーリング工程
図2(A)に示すように、立坑の構築予定箇所を囲むように、地盤の開削側と地山側との仮想境界線BL上に、所定の間隔(例えば1.5〜2.0m間隔)で、それぞれが鉛直方向に延びる複数のボーリング孔10を形成する。但し、ボーリング孔10が構築予定の地下構造物の躯体と干渉しないように、前記仮想境界線BLは、前記躯体の外形線OLより外側に設定される。
ボーリング孔10は、先行掘削溝1の形成用で、その一部をなすものであるが、深さは、後述する溝切り装置20のガイドのため、形成予定の先行掘削溝1の深さより2〜3m程度深く形成する。
ボーリング孔10の削孔径は、構築する先行掘削溝1の幅より5cm程度大きくし、例えば15〜25cmとする。
尚、地盤等の関係でボーリング孔10が安定しない場合(例えば埋戻し土や沖積層などのやや弱い地盤があり、その下に軟岩がある場合)は、弱い地盤部分を予め地盤改良する。また、削孔したボーリング孔10の安定を図るため、その内部に塩ビ管などを挿入してもよい。
(1−2)溝切り工程
図2(B)に示すように、隣り合う一対のボーリング孔10、10をつなぐように、これらの間を立坑の構築予定深度まで掘削(切削)し、所定幅の先行掘削溝1を形成する。尚、塩ビ管を挿入してある場合は、塩ビ管ごと掘削することになる。
そして、ボーリング孔10の配列方向に、隣り合う一対のボーリング孔10、10間の溝切りを繰り返し、図2(C)に示すように、全周にわたる先行掘削溝1を完成させる。
ここでの溝切り方法(及び溝切り装置)については、図3〜図8により、後述する。
(2)コンクリート打設工程
図1(B)に示すように、先行掘削溝1内にコンクリートを打設(場所打ち)して、コンクリート壁(土留壁)2を形成する。
詳しくは、先ず、溶接鉄筋(図示省略)を吊り下げて、コンクリート打設用の型枠をなす先行掘削溝1内に、特にその溝幅方向中間に位置するように、配置する。溶接鉄筋は、例えば5mm径の鉄筋を縦横に例えば15cm角で交差させて溶接した鉄筋(ラス網ともいう)であり、厚さは1cm程度である。次いで、溶接鉄筋を囲繞するように、先行掘削溝1内にコンクリートを打設し、硬化させて、コンクリート壁2を形成する。
これにより構築予定の地下構造物に対する土留壁をなすコンクリート壁2が完成する。
上記(1)の先行掘削工程(特に(1−2)の溝切り工程)と、上記(2)のコンクリート打設工程は、完全に分離させる必要はなく、ボーリング孔10の配列方向に、溝切りを進めつつ、溝切りが終わったところにコンクリートを打設するように、並列的に進行させるようにしてもよい。この場合、コンクリートの打設に際しては、打設範囲を区画するように、打設範囲両端のボーリング孔に打設範囲規定用の型枠を配置するとよい。
(3)内部掘削工程
図1(C)に示すように、所定の単位深度ずつ、コンクリート壁2により囲まれる領域を掘削する。すなわち、コンクリート壁2により囲まれる領域の地盤面下を、鉛直方向に、所定の単位深度、例えば1.5〜2.0mずつ、掘削する。かかる掘削は、掘削範囲が打設済みのコンクリート壁2により画成されているので、効率良く行うことができる。そして、かかる内部掘削によって、コンクリート壁2を単位深度ずつ露出させることができる。
(4)ロックボルト打設工程
同じく図1(C)に示すように、単位深度ずつ掘削する毎に、すなわち、コンクリート壁2を単位深度ずつ露出させる毎に、コンクリート壁2の露出面(1段ずつの露出面の深さ方向中間位置)から、地山に、水平方向に複数本のロックボルト3を打ち込む。
複数本のロックボルト3は、横方向に所定の間隔、例えば1.5〜2.0mをあけて、平面視で放射状に打ち込む。尚、1段の深さが1.5〜2.0mである場合、ロックボルトの深さ方向の間隔も1.5〜2.0mとなる。
また、ロックボルト3は、その先端部が、掘削により生じる緩み領域の外側に達するように、長さを設定して、打ち込む。緩み領域とは、掘削の影響を受けて(掘削に伴う応力解放により、既存の節理や亀裂が開口したり、新規に亀裂が発生するなどして)、地山の力学特性(剛性等)が、掘削前の特性から変化する領域をいう。実際には、有限要素法(FEM)による岩盤安定解析によって計算、あるいは経験的に推定され、円筒形掘削の場合には所定半径の円として定められる。
上記(4)のロックボルト打設工程は、詳しくは、下記(4−1)〜(4−4)の工程を含む。これについて、図9を参照して説明する。
(4−1)水平削孔
コンクリート壁2の露出面から地山に水平ボーリングを行い、ロックボルト挿入用の削孔3aを形成する。このとき、水平方向に対し5°程度の下り勾配を持たせる。
(4−2)セメントミルク注入
前記削孔3aにセメントミルク3bを注入する。この際に、前記削孔3aが下り勾配を有していることで、セメントミルク3bの注入(充填)が容易となる。
(4−3)ロックボルト挿入
セメントミルク3bが注入された削孔3aにロックボルト3を挿入する。ここで使用するロックボルト3は、例えばD25の鉄筋で、挿入側の先端部とは反対側の基端部(頭部)にメネジを切ったものでよい。
(4−4)ロックボルト定着
コンクリート壁2より突出するロックボルト3の頭部に、例えば15cm×15cmの大きさのベアリングプレート3cを嵌め、更にベアリングワッシャ3dを嵌め、ナット3eを螺合して、ロックボルト3の頭部を定着する(図9参照)。
上記(3)の内部掘削工程と上記(4)のロックボルト打設工程は、上記(1)の先行掘削工程と上記(2)のコンクリート打設工程の終了後に、1段の掘削深度(1.5〜2.0m)毎に、繰り返す。かかる繰り返しは立坑の構築予定深度(計画掘削深度)に達するまで行われ、これにより、図1(D)に示すように、立坑4の構築が完了する。
本実施形態に係る立坑の構築方法によれば、先行掘削溝1を所定深度までまとめて形成した後、その内部にコンクリートを打設してから、単位深度ずつ、内部掘削及びロックボルト打設を繰り返すことにより、作業効率を改善することができる。
また、先行掘削溝1の連続性が担保されることで、土留壁の連続性が担保され、土留壁の信頼性を向上させることができる。
また、コンクリート壁を吹付ではなく、場所打ちで形成することにより、次のような効果が得られる。吹付コンクリートは、4割程度が周囲に飛散してロスになるとされており、これがコストアップの要因となり、また吹付時のモルタルの飛沫が作業環境悪化の要因となる。それ故、吹付コンクリート施工の廃止により、コストダウン、作業環境改善を図ることができる。
上記(1)の先行掘削工程、特に上記(1−2)の溝切り工程での、溝切り方法、及び、これに用いる溝切り装置について、図3〜図8により、説明する。
図3は溝切り装置(溝切り用ワイヤソーシステム)の構成例を示す概略図である。
溝切り装置20は、ワイヤソー用の切削ワイヤ(一般的にはダイヤモンドワイヤ)を用いて、溝切り用ワイヤソーシステムを構成してなる。
溝切り装置20は、隣り合う一対のボーリング孔10、10に挿入可能な一対の支持部材21A、21Bと、これら一対の支持部材21A、21B間に一部が張設されて循環移動する切削ワイヤ22と、を含んで構成される。溝切り装置20は、また、一対の支持部材21A、21Bを互いに連結固定する連結部材23と、支持部材21A、21Bに回動可能に取付けられて切削ワイヤ22を案内するプーリ24A〜24Fと、を含んで構成される。
図4は、支持部材21(21A、21B)、及び、支持部材21に対するプーリ24(24A〜24F)の取付構造の詳細図で、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は(A)のC−C断面図である。
支持部材21は、H形鋼からなる。そして、H形鋼のウェブに矩形の切欠き25を設け、この切欠き25内に位置させたプーリ24の軸をH形鋼の両フランジに設けた軸受部26に支持させている。
また、図4から解るように、プーリ24(特に24A〜24D)として、本実施形態では、3連プーリを用いている。
図3に戻って、左右一対の支持部材21A、21Bにおけるプーリの配置について説明する。
プーリとしては、左右一対の支持部材21A、21Bの先端側(ボーリング孔10への挿入方向で見て先端側)に、挿入方向にずらして、前側の左右一対のプーリ(前側プーリ)24A、24Bと、後側の左右一対のプーリ(後側プーリ)24C、24Dと、が配置される。また、左右一対の支持部材21A、21Bの後端側に、左右一対のプーリ24E、24Fが配置される。
ここにおいて、支持部材21A、21Bは、前側プーリ24A、24Bの位置より先端側に2〜3m程度突出している。溝切り開始時(前)に、この突出部によって、ボーリング孔10にガイドさせるためである。それ故、ボーリング孔10は、形成する先行掘削溝1より深く形成するのである。
次に、切削ワイヤ22の巻き掛け例について、図5及び図6により説明する。
切削ワイヤ22の幅は11mm程度であり、1本の切削ワイヤ22をそのまま使用しただけでは、11mmの幅の溝しか掘削できない。このため、10〜20cm幅の溝を掘削できるように、切削ワイヤ22の巻き掛け方を工夫している。それ故、前側プーリ24A、24B及び後側プーリ24C、24Dとして、3連プーリを使用する。よって、図6に示されるように、例えばプーリ24Aは、3つのプーリ(プーリ溝)24A−1、24A−2、24A−3から構成される。
左側の支持部材21Aの後端側のプーリ24Eにより案内される切削ワイヤ22は、左側の支持部材21Aの後側プーリ24Cの第1プーリ(24C−1)を通過させた後、前側プーリ24Aの第1プーリ(24A−1)に巻き掛けて、水平方向に向きを変え、次に右側の支持部材21Bの前側プーリ24Bの第1プーリ(24B−1)に巻き掛ける。これにより、前側プーリ24A−1、24B−1間に張設される切削ワイヤ22により、第1の前側切削部(FC−1)が構成される。
右側の支持部材21Bの前側プーリ24Bの第1プーリ(24B−1)により上方向に向きを変えられた切削ワイヤ22は、後側プーリ24Dの第1プーリ(24D−1)に巻き掛けて、水平方向に向きを変え、次に右側の支持部材21Aの後側プーリ24Cの第2プーリ(24C−2)に巻き掛ける。これにより、後側プーリ24D−1、24C−2間に切削ワイヤ22が平面視で斜めに張設され、これが第1の後側切削部(RC−1)を構成する。
左側の支持部材21Aの後側プーリ24Cの第2プーリ(24C−2)により下方向に向きを変えられた切削ワイヤ22は、前側プーリ24Aの第2プーリ(24A−2)に巻き掛けて、水平方向に向きを変え、次に左側の支持部材21Bの前側プーリ24Bの第2プーリ(24B−2)に巻き掛ける。これにより、前側プーリ24A−2、24B−2間に張設される切削ワイヤ22により、第2の前側切削部(FC−2)が構成される。
右側の支持部材21Bの前側プーリ24Bの第2プーリ(24B−2)により上方向に向きを変えられた切削ワイヤ22は、後側プーリ24Dの第2プーリ(24D−2)に巻き掛けて、水平方向に向きを変え、次に右側の支持部材21Aの後側プーリ24Cの第3プーリ(24C−3)に巻き掛ける。これにより、後側プーリ24D−2、24C−3間に切削ワイヤ22が平面視で斜めに張設され、これが第2の後側切削部(RC−2)を構成する。
左側の支持部材21Aの後側プーリ24Cの第3プーリ(24C−3)により下方向に向きを変えられた切削ワイヤ22は、前側プーリ24Aの第3プーリ(24A−3)に巻き掛けて、水平方向に向きを変え、次に左側の支持部材21Bの前側プーリ24Bの第3プーリ(24B−3)に巻き掛ける。これにより、前側プーリ24A−3、24B−3間に張設される切削ワイヤ22により、第3の前側切削部(FC−3)が構成される。
右側の支持部材21Bの前側プーリ24Bの第3プーリ(24B−3)により上方向に向きを変えられた切削ワイヤ22は、後側プーリ24Dの第3プーリ(24D−2)を通過させた後、右側の支持部材21Bの後端側のプーリ24Fに案内させる。
前記一対の支持部材21A、21Bの後端側のプーリ24E、24Fにより案内される切削ワイヤ22の図示の端部は、図外にて無端ループを形成すると共に、ワイヤソーマシン(図示せず)の駆動プーリに巻き掛けられている。ワイヤソーマシンは、張力調整用のテンショナーを有すると共に、支持部材21A、21Bの挿入方向の移動に伴って張力を調整できるように自身が移動可能である。これにより、切削ワイヤ22を循環移動させることができる。
本実施形態の溝切り装置では、上記のワイヤソーマシンにより、切削ワイヤ22を循環移動させつつ、一対の支持部材21A、21Bを隣り合うボーリング孔10、10に押し入れる。これにより、ボーリング孔10、10間の地盤を、先ず、前側プーリ24A、24B間に張設される切削ワイヤ22の3列の第1〜第3の前側切削部FC−1〜FC−3により、切削し、次いで、後側プーリ24C、24D間に張設される切削ワイヤ22の斜めの2列の第1及び第2の後側切削部RC−1、RC−2により、更に切削することができる。
従って、第1の前側切削部FC−1と第3の前側切削部FC−3との間隔を先行掘削溝1の所望の幅に合わせることにより、溝側部切削部としての、第1及び第3の前側切削部FC−1、FC−3で、先行掘削溝1の両側部を切削し、更に、これらの内側を、溝内切削部としての、中間の第2の前側切削部FC−2と、斜めの第1及び第2の後側切削部RC−1、RC−2とで、切り崩すことで、所望の幅の先行掘削溝1を形成することができる。
本実施形態によれば、先行掘削溝1を切削ワイヤ22により掘削(切削)するため、先行掘削溝1をより十分な深さ(立坑の構築予定深度)まで、まとめて形成することができる。しかも、凹凸や継ぎ目もない、平滑な掘削面を得ることができ、余分な掘削、仕上げ掘削の必要もない。従って、立坑構築の作業効率を改善できると共に、先行掘削溝1の連続性を担保することができる。
また、本実施形態によれば、切削ワイヤ22の切削部は、形成する先行掘削溝1の溝幅方向にずらして複数設けている(FC−1〜3)。これにより、所望の幅の先行掘削溝1を形成することが可能となる。
また、本実施形態によれば、切削ワイヤ22の切削部は、支持部材21A、21Bの挿入方向(形成する先行掘削溝1の深さ方向)にずらして複数設けている(前側切削部FC−1〜3と後側切削部RC−1、2)。これにより、より確実な掘削が可能となる。
また、本実施形態によれば、切削ワイヤ22の切削部は、形成する先行掘削溝1の溝幅方向の両端に位置してそれぞれ溝の長さ方向に延びる2つの溝側部切削部(第1及び第3の前側切削部FC−1、3)と、前記2つの溝側部切削部の間に位置して溝の長さ方向に延びる少なくとも1つの溝内切削部(第2の前側切削部FC−2及び第1及び第2の後側切削部RC−1、2)と、を含む。これにより、所望の幅の先行掘削溝1を確実に形成することが可能となる。
また、本実施形態によれば、前記溝内切削部は、少なくとも1つ(FC−2)が、支持部材21A、21Bの挿入方向で見て、前記溝側部切削部(FC−1、3)と同じ位置に設けられる。前記溝内切削部は、また、少なくとも1つ(RC−1、2)が、支持部材21A、21Bの挿入方向で見て、前記溝側部切削部(FC−1、3)より後方の位置に設けられる。このような種々の工夫により、所望の幅の先行掘削溝1を確実に形成することが可能となる。
また、本実施形態によれば、前記溝内切削部(RC−1、2)は、形成する先行掘削溝1内にて一方の側部から他方の側部に向かうように斜めに配置される。このような配置により溝内の切り崩しを確実なものとすることができる。
また、本実施形態によれば、切削ワイヤ22の循環移動用に、一対の前側プーリ24A、24Bと、一対の後側プーリ24C、24Dとを備え、1本の切削ワイヤ22を、前側プーリ24A、24Bに3巻きし、後側プーリ24C、24Dに2巻きする。これによっても、所望の幅の先行掘削溝1を確実に形成することが可能となる。
次に、切削ワイヤ22の別の巻き掛け例について、図7及び図8により説明する。
図5及び図6の巻き掛け例1では、3連プーリを用い、前側プーリ24A、24Bに3巻きし、後側プーリ24C、24Dに斜めに2巻きする構成として、第1〜第3の前側切削部FC−1〜3と、第1及び第2の後側切削部RC−1、2とを形成している。
これに対し、図7及び図8の巻き掛け例2では、2連プーリを用い、前側プーリ24A、24Bに2巻きし、後側プーリ24C、24Dに斜めに1巻きする構成として、溝側部切削部としての、第1及び第2の前側切削部FC−1、2と、溝内切削部としての、1つの後側切削部RCとを形成している。
従って、巻き掛け例2では、ボーリング孔10、10間の地盤を、先ず、前側プーリ24A、24B間に張設される切削ワイヤ22の2列の第1及び第2の前側切削部FC−1、FC−2により、溝の両側部分を切削し、次いで、後側プーリ24C、24D間に張設される切削ワイヤ22の斜めの1列の後側切削部RCにより、溝の内部を切り崩すように切削することができる。
図5及び図6の巻き掛け例1は、形成しようとする先行掘削溝1の幅が比較的大きい場合(例えば15〜20cm程度の場合)に適し、図7及び図8の巻き掛け例2は、形成しようとする先行掘削溝1の幅が比較的小さい場合(例えば10cm程度の場合)に適するものと考えられる。
また、図7に示されるように、巻き掛け例2では、後側切削部RCの切削ワイヤを案内するプーリ24C、24Dの後方で、かつ隣接する位置に、プーリ24G、24Hを設けている。これは、後側切削部RCの切削ワイヤが1巻きであるために、押し切り時に後方への湾曲量が大きくなり、プーリ24C、24Dから外れてしまうのを防止するためである。
もちろん、このような外れ防止用のプーリ24G、24Hは、図5の巻き掛け例1に設けることも可能である。
尚、上記の巻き掛け例1、2では、いずれにしても1本の切削ワイヤ22を用い、掛け回し方を工夫することで、複数の切削部を形成しているが、それぞれ独立した複数の切削ワイヤを用い、並列に配置することで、複数の切削部を形成するようにしてもよい。
次に、上記の溝切り装置20を用いる場合の切削ずり対策について述べる。
上記の溝切り装置20により上から下に向かって切削していく場合、戻り側の切削ワイヤ22によって切削ずりの一部は排出され、ある量は両側のボーリング孔10内にたまっていくものと考えられる。
かかる切削ずり対策としては、次のような方法が考えられる。
方法1:切削ずりがボーリング孔にたまった時点で、切削ワイヤによる切削を中断し、ボーリング孔内にジェット水の注入による排土を行い、排土終了後に切削ワイヤによる切削を再開する。また、所望深さの先行掘削溝の削溝が完了した時点では、削溝部、及び、ボーリング孔の清掃(ジェット水による清掃、ボーリング孔に設置するサンドポンプでの排土による清掃)を行う。
方法2:ボーリング孔、切削ワイヤによる削溝部を水で満たした状態で、切削ワイヤによる切削を行う。すなわち、給水管により水を供給しながら切削ワイヤによる切削を行う。充填水と切削ワイヤの急速な回転(戻り側の上向きの移動)で上昇流が生じ、かなりの切削ずりが排出されると考えられる。この場合も削溝完了後にジェット水による清掃は行う。
次に、立坑の構築方法の他の実施形態について、図10により説明する。
図10は立坑の構築手順を示す縦断面図である。
図10の実施形態では、図1の実施形態と同様の先行掘削工程を含むものの、異なる手順で、立坑を構築する。
本実施形態での立坑4(図10(D))の構築手順は、次の(1)〜(4)の通りである。
(1)先行掘削工程
図10(A)に示すように、立坑の構築予定箇所を囲むように、地盤の開削側と地山側との仮想境界線に沿って、先行掘削溝1を形成する。
先行掘削溝1の深さは、立坑の構築予定深度、従って構築する地下構造物の床付面までの深さとする。
先行掘削溝1の形成方法は、図1(A)及び図2で説明した方法と同様であり、(1−1)のボーリング工程と、(1−2)の溝切り工程とを含む。
但し、本実施形態での先行掘削溝1は、その後の内部掘削を容易にすると共に、内部掘削後に凹凸の無い平滑な掘削面を露出させるのが目的であるので、先行掘削溝1は、切れ目として存在すればよく、その幅は0に近くてもよい。
従って、ここで用いる溝切り装置は、一対の支持部材間に張設される切削ワイヤによる切削部を溝幅方向に複数設ける必要はなく、1本の切削ワイヤによる1つの切削部で、切削ワイヤの径(例えば11mm程度)に相当する幅の溝が形成されるようにしてもよい。
(2)内部掘削工程
立坑の構築予定深度までの先行掘削溝1の形成完了後、図10(B)に示すように、所定の単位深度ずつ、先行掘削溝1により囲まれる領域を掘削する。すなわち、先行掘削溝1により囲まれる領域の地盤面下を、鉛直方向に、所定の単位深度、例えば1.5〜2.0mずつ、掘削する。かかる掘削は、掘削範囲が先行掘削溝1により画成されているので、効率良く行うことができる。そして、かかる内部掘削によって、先行掘削溝1を単位深度ずつ露出させることができる。
(3)吹付コンクリート工程
図10(C)に示すように、単位深度ずつ内部掘削する毎に、すなわち、先行掘削溝1を単位深度ずつ露出させる毎に、露出させた先行掘削溝1の露出面(1段ずつの露出面)に、吹付コンクリート2Fを施工する。
詳しくは、1段分の露出面に釘などのアンカーで浮かせて溶接鉄筋を配置した後、溶接鉄筋を囲繞するように吹付コンクリート2Fを施工し、10〜20cm厚のコンクリート層を形成する。又は、露出面に設けるアンカーに簡易な型枠を設置し、コンクリートを打設してもよい。
(4)ロックボルト打設工程
同じく図10(C)に示すように、単位深度ずつ内部掘削し、吹付コンクリート2Fを施工する毎に、吹付コンクリート2Fの表面(1段ずつの吹付コンクリート2Fの深さ方向中間位置)から、地山に、水平方向に複数本のロックボルト3を打ち込む。
ロックボルトの打設方法は、図1(C)で説明した方法と同じであり、(4−1)の水平削孔工程、(4−2)セメントミルク注入工程、(4−3)ロックボルト挿入工程、及び、(4−4)ロックボルト定着工程を含む。
上記(2)の内部掘削工程と上記(3)の吹付コンクリート工程と上記(4)のロックボルト打設工程は、上記(1)の先行掘削工程の終了後に、1段の掘削深度(1.5〜2.0m)毎に、繰り返す。かかる繰り返しは立坑の構築予定深度(計画掘削深度)に達するまで行われ、これにより、図10(D)に示すように、立坑4の構築が完了する。
本実施形態に係る立坑の構築方法によれば、先行掘削溝1を所定深度までまとめて形成した後、単位深度ずつ、内部掘削、吹付コンクリート及びロックボルト打設を繰り返すことにより、作業効率を改善することができる。
また、先行掘削溝1の連続性が担保されることで、土留壁の連続性が担保され、土留壁の信頼性を向上させることができる。
次に、構築された立坑の内部に地下構造物を構築する場合について説明する。
この場合は、図1(D)あるいは図10(D)の立坑4の完成後のコンクリート壁2(あるいは吹付コンクリート2F)を、地下構造物の躯体コンクリート打設用の外型枠として利用する。従って、コンクリート壁2(あるいは吹付コンクリート2F)の表面に、必要により防水シートを貼り付けた上で、これを外型枠として、コンクリートを打設することで、地下構造物の躯体を構築する。
以上説明した実施形態は、円筒形の地下構造物を構築する場合の立坑の掘削として最適であるが、矩形構造物用の立坑の掘削など、他の平面形状の立坑の掘削においても、躯体外側面が鉛直な構造物用の立坑の掘削であれば、本発明を適用することが可能である。
また、図示の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
1 先行掘削溝
2 コンクリート壁(2F 吹付コンクリート)
3 ロックボルト
3a 削孔
3b セメントミルク
3c ベアリングプレート
3d ベアリングワッシャ
3e ナット
4 立坑
10 ボーリング孔
20 溝切り装置
21A、21B 支持部材
22 切削ワイヤ
23 連結部材
24A、24B 前側プーリ
24C、24D 後側プーリ
FC−1〜FC−3 第1〜第3の前側切削部
RC−1、RC−2 第1、第2の後側切削部

Claims (9)

  1. 立坑の構築方法であって、
    立坑の構築予定箇所を囲むように、地盤の開削側と地山側との仮想境界線に沿って、先行掘削溝を形成する先行掘削工程と、
    前記先行掘削溝内にコンクリートを打設して、コンクリート壁を形成するコンクリート打設工程と、
    前記コンクリート壁により囲まれる領域を掘削して、前記コンクリート壁を露出させる内部掘削工程と、
    前記コンクリート壁の露出面から地山に水平方向にロックボルトを打ち込むロックボルト打設工程と、
    を含み、
    前記先行掘削工程は、
    前記仮想境界線上に所定の間隔で、それぞれ鉛直方向に延びる複数のボーリング孔を形成するボーリング工程と、
    隣り合う一対のボーリング孔に挿入可能な一対の支持部材、及び、これら一対の支持部材間に一部が張設されて循環移動する切削ワイヤを用い、前記一対の支持部材を前記一対のボーリング孔に挿入しつつ、前記切削ワイヤの前記一対の支持部材間の切削部により、前記一対のボーリング孔間の地山を切削する溝切り工程と、
    を含んで、立坑の構築予定深度まで、前記先行掘削溝を形成し、
    前記先行掘削工程及び前記コンクリート打設工程の終了後、単位深度ずつ、前記内部掘削工程及び前記ロックボルト打設工程を繰り返すことを特徴とする、立坑の構築方法。
  2. 前記切削ワイヤの切削部は、形成する先行掘削溝の溝幅方向にずらして複数設けることを特徴とする、請求項1記載の立坑の構築方法。
  3. 前記切削ワイヤの切削部は、前記支持部材の挿入方向にずらして複数設けることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の立坑の構築方法。
  4. 前記切削ワイヤの切削部は、形成する先行掘削溝の溝幅方向の両端に位置してそれぞれ溝の長さ方向に延びる2つの溝側部切削部と、前記2つの溝側部切削部の間に位置して溝の長さ方向に延びる少なくとも1つの溝内切削部と、を含むことを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の立坑の構築方法。
  5. 前記溝内切削部は、少なくとも1つが、前記支持部材の挿入方向で見て、前記溝側部切削部と同じ位置に設けられることを特徴とする、請求項4記載の立坑の構築方法。
  6. 前記溝内切削部は、少なくとも1つが、前記支持部材の挿入方向で見て、前記溝側部切削部より後方の位置に設けられることを特徴とする、請求項4又は請求項5記載の立坑の構築方法。
  7. 前記溝内切削部は、形成する先行掘削溝内にて一方の側部から他方の側部に向かうように斜めに配置されることを特徴とする、請求項4〜請求項6のいずれか1つに記載の立坑の構築方法。
  8. 前記切削ワイヤの循環移動用に、前記一対の支持部材の挿入方向前側の一対のプーリと、挿入方向後側の一対のプーリとを備え、1本の切削ワイヤを、前記挿入方向前側の一対のプーリにn巻きし(nは2以上の整数)、前記挿入方向後側の一対のプーリにn−1巻きすることを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の立坑の構築方法。
  9. 立坑の構築方法であって、
    立坑の構築予定箇所を囲むように、地盤の開削側と地山側との仮想境界線に沿って、先行掘削溝を形成する先行掘削工程と、
    前記先行掘削溝により囲まれる領域を掘削して、前記先行掘削溝を露出させる内部掘削工程と、
    前記先行掘削溝の露出面に吹付コンクリートを施工する吹付コンクリート工程と、
    前記吹付コンクリートの表面から地山に水平方向にロックボルトを打ち込むロックボルト打設工程と、
    を含み、
    前記先行掘削工程は、
    前記仮想境界線上に所定の間隔で、それぞれ鉛直方向に延びる複数のボーリング孔を形成するボーリング工程と、
    隣り合う一対のボーリング孔に挿入可能な一対の支持部材、及び、これら一対の支持部材間に一部が張設されて循環移動する切削ワイヤを用い、前記一対の支持部材を前記一対のボーリング孔に挿入しつつ、前記切削ワイヤの前記一対の支持部材間の切削部により、前記一対のボーリング孔間の地山を切削する溝切り工程と、
    を含んで、立坑の構築予定深度まで、前記先行掘削溝を形成し、
    前記先行掘削工程の終了後、単位深度ずつ、前記内部掘削工程、前記吹付コンクリート工程及び前記ロックボルト打設工程を繰り返すことを特徴とする、立坑の構築方法。
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