JP2020037733A - 珪窒化バナジウム膜被覆部材およびその製造方法 - Google Patents

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【課題】珪窒化バナジウム膜としての機能をより長期にわたって発揮させて製品寿命を延ばすためには、珪窒化バナジウム膜の剥離を抑え、珪窒化バナジウム膜被覆部材としての耐久性を向上させることが必要である。したがって、耐久性を向上させた珪窒化バナジウム膜被覆部材を提供する。【解決手段】表面に窒化層2aを有する鋼材2と、窒化層2aの上に形成された珪窒化バナジウム膜3と、を備え、スクラッチ試験における臨界荷重が65N以上である、珪窒化バナジウム膜被覆部材1を構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、珪窒化バナジウム膜が被覆された被覆部材およびその製造方法に関する。
従来、プレス成形用の金型や切削工具、歯切工具、鍛造工具、自動車部品等の表面に対し、膜硬度が高く潤滑性に富む、窒化バナジウム膜(VN膜)や炭化バナジウム膜(VC膜)、炭窒化バナジウム膜(VCN膜)等のバナジウム系膜を形成することが知られている。特許文献1には、プラズマCVD法により基材の表面に珪窒化バナジウム膜(VSiN膜)が形成された珪窒化バナジウム膜被覆部材が開示されている。
国際公開第2018/124279号
珪窒化バナジウム膜被覆部材は、用途によっては部材表面に大きな面圧がかかった状態で使用される。例えば珪窒化バナジウム膜被覆部材が鍛造用金型として使用される場合には、成形を行う度に部材表面に大きな面圧がかかる。このような状態で珪窒化バナジウム膜被覆部材が使用される場合、基材と珪窒化バナジウム膜との間の密着性が不十分であると、珪窒化バナジウム膜の剥離が生じることにより、製品寿命が著しく低下する。このため、珪窒化バナジウム膜としての機能をより長期にわたって発揮させて製品寿命を延ばすためには、珪窒化バナジウム膜の剥離を抑え、珪窒化バナジウム膜被覆部材としての耐久性を向上させることが必要である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、珪窒化バナジウム膜被覆部材の耐久性を向上させることを目的とする。
上記課題を解決する本発明の一態様は、珪窒化バナジウム膜被覆部材であって、表面に窒化層を有する鋼材と、前記窒化層の上に形成された珪窒化バナジウム膜と、を備え、スクラッチ試験における臨界荷重が65N以上であることを特徴としている。
別の観点による本発明の一態様は、珪窒化バナジウム膜被覆部材の製造方法であって、下記式(1)を満たす条件で鋼材のプラズマ窒化処理を行い、前記鋼材に形成された窒化層の上に珪窒化バナジウム膜を形成することを特徴としている。
(1):3300≦{電力密度[W/m2]×(窒素分圧/水素分圧)}≦35000
本発明によれば、珪窒化バナジウム膜被覆部材の耐久性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る珪窒化バナジウム膜被覆部材の概略構成を示す図である。 プラズマ処理装置の一例を示す図である。 Duty比の定義を説明するための図である。 電力密度×(窒素分圧/水素分圧)と、スクラッチ試験の臨界荷重の関係を示す図である。 総エネルギー密度×(窒素分圧/水素分圧)と、スクラッチ試験の臨界荷重の関係を示す図である。 試験片表面のSEM画像である。 試験片表面のXRD解析結果を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は、本実施形態の珪窒化バナジウム膜被覆部材1の概略構成を示す図である。本実施形態の珪窒化バナジウム膜被覆部材1は、鋼材2と、鋼材2の表面近傍に形成された窒化層2aと、窒化層2aの上に形成された珪窒化バナジウム膜3で構成されている。
鋼材2の種類は特に限定されず、珪窒化バナジウム膜被覆部材1の用途に応じて適した鋼種が用いられる。例えばSKD11、DC53、またはSKH51等のいわゆる冷間工具鋼、冷間金型用鋼(冷間ダイス鋼)または高速度工具鋼(ハイス鋼)等が採用され得る。
窒化層2aは、化合物層および拡散層の少なくともいずれか一方からなる層であり、鋼材2の窒化処理を行うことで形成される。窒化層2aの厚さ(窒化深さ)は特に限定されず、鋼材2の窒化が進行していればよい。例えば窒化層2aの厚さは0.5μm以上である。また、窒化層2aの厚さを厚くするためには、プラズマ窒化工程における処理時間を長くする必要があるため、生産性を考慮すると、窒化層2aの厚さは例えば300μm以下である。なお、“窒化層2aの厚さ”とは、窒化層2aが化合物層のみで構成されている場合には、その化合物層の厚さのことであり、窒化層2aが拡散層のみで構成されている場合には、その拡散層の厚さのことであり、窒化層2aが化合物層と拡散層で構成されている場合には、化合物層の厚さと拡散層の厚さの合計値のことである。また、窒化層2aの厚さは、JIS G 0562の規定に従い、鋼材2の切断面についての硬さ試験や、鋼材2の切断面を腐食させて、その切断面を金属顕微鏡で観察することで測定される。
珪窒化バナジウム膜3とは、バナジウム元素濃度、珪素元素濃度および窒素元素濃度の合計が90at%以上となる膜である。バナジウム元素濃度、珪素元素濃度および窒素元素濃度の組成比や膜厚は、珪窒化バナジウム膜被覆部材1に要求される特性に応じて適宜変更される。なお、珪窒化バナジウム膜3の組成比については、a=バナジウム元素濃度[at%]/(バナジウム元素濃度[at%]+珪素元素濃度[at%]+窒素元素濃度[at%])、b=珪素元素濃度[at%]/(バナジウム元素濃度[at%]+珪素元素濃度[at%]+窒素元素濃度[at%])としたときに0.30≦a/b≦1.7を満たすことが好ましい。0.30≦a/b≦1.7を満たすと、珪窒化バナジウム膜3の硬度をさらに向上させることができる。a/bの好ましい下限値は0.4である。a/bの好ましい上限値は1.5であり、更に好ましい上限値は1.3である。また、珪窒化バナジウム膜3の膜厚は0.5〜4μmであることが好ましい。また、珪窒化バナジウム膜3は、例えば2300HV以上の硬度を有している。
次に、珪窒化バナジウム膜被覆部材1の製造方法について説明する。
本実施形態においては、鋼材2のプラズマ窒化処理により鋼材2の表面近傍に窒化層2aを形成し、その後にプラズマ化学蒸着法(いわゆるプラズマCVD法)により窒化層2aの上に珪窒化バナジウム膜3を形成する。本明細書におけるプラズマ窒化処理とは、水素ガスおよび窒素ガスをプラズマ化し、鋼材2の表面近傍に窒化層2aを形成する工程である。なお、珪窒化バナジウム膜3の成膜方法はプラズマCVD法に限定されないが、鋼材2の窒化をプラズマ窒化処理で行う場合には、珪窒化バナジウム膜3の成膜はプラズマCVD法で行うことが好ましい。これにより、鋼材2の窒化と、珪窒化バナジウム膜3の成膜を同一のプラズマ処理装置で行うことができ、別々の装置を使用する場合と比較して、効率良く珪窒化バナジウム膜被覆部材1を製造することができる。
図2はプラズマ処理装置の一例を示す図である。プラズマ処理装置10は、鋼材2が搬入されるチャンバー11と、陽極12と、陰極13と、パルス電源14とを備えている。チャンバー11の上部には原料ガスが供給されるガス供給管15が接続され、チャンバー11の下部にはチャンバー11内のガスを排気するガス排気管16が接続されている。ガス排気管16には真空ポンプ(不図示)が設けられている。陰極13は鋼材2を支持する支持台としての役割も有しており、チャンバー11内に搬入された鋼材2は陰極上に載置される。また、チャンバー11の内部にはヒーター(不図示)が設けられており、ヒーターでチャンバー11内の雰囲気温度が調節されることで鋼材2の温度が調節される。
なお、プラズマ処理装置10の構成は本実施形態で説明したものに限定されない。例えばパルス電源14に代えて高周波電源を用いてもよいし、原料ガスを供給するシャワーヘッドを設け、それを陽極12として用いてもよい。また、ヒーターを設けずにグロー電流のみで鋼材2を加熱してもよい。すなわち、プラズマ処理装置10は、チャンバー11内に供給される原料ガスをプラズマ化することが可能な構造であればよい。
<成膜処理準備>
まず、チャンバー11に鋼材2を搬入して所定位置に鋼材2をセットする。その後、チャンバー11内の圧力を例えば10Pa以下となるように真空排気を行う。このときチャンバー11内の温度は室温程度となっている。続いて、ヒーター(不図示)を作動させて鋼材2のベーキング処理を行う。その後、一度ヒーターの電源を切り、プラズマ処理装置10を放置する。
<加熱工程>
次に、チャンバー11内に少量の水素ガスを供給し、再度ヒーターを作動させる。この加熱工程では鋼材2の温度をプラズマ処理温度近傍まで昇温させる。チャンバー11内の圧力は例えば100Pa程度に維持される。
<プラズマ処理工程>
(水素プラズマ工程)
本実施形態においては鋼材2のプラズマ窒化処理に先立って水素ガスのプラズマ化を行う。具体的には、加熱工程で供給されていた水素ガスを引き続き供給した状態でパルス電源14を作動させる。これにより、電極間において水素ガスがプラズマ化する。このようにして生成された水素ラジカルにより鋼材表面の酸化膜が還元され、鋼材表面がクリーニングされる。なお、パルス電源14はチャンバー11内に供給されるガスがプラズマ化するように電圧や周波数,Duty比等が適宜設定されている。Duty比は、図3に示すように1周期あたりの電圧印加時間で定義され、Duty比=100×印加時間(ON time)/{印加時間(ON time)+印加停止時間(OFF time)}で算出される。
(プラズマ窒化工程)
水素ガスをプラズマ化した後、水素ガスを供給しているチャンバー11内にさらに窒素ガスおよびアルゴンガスを供給する。これにより、水素ガス、窒素ガスおよびアルゴンガスのプラズマが生成され、鋼材2のプラズマ窒化処理が行われる。これにより、鋼材2の表面から窒素が侵入し、鋼材2の表面近傍に窒化層2aが形成される。珪窒化バナジウム膜3は、プラズマ窒化処理で形成される窒化物と同様に窒素を含んでいることから、鋼材2の表面近傍に窒化層2aが存在することで、鋼材2と珪窒化バナジウム膜3の化学的な相性の改善や格子の不整合の解消がなされる。これによって鋼材2と珪窒化バナジウム膜3との密着性が向上し、結果的に珪窒化バナジウム膜被覆部材1としての耐久性が向上する。
耐久性に優れた珪窒化バナジウム膜被覆部材1を製造するためには、このプラズマ窒化工程において、電力密度と、窒素ガスおよび水素ガスの分圧比(窒素分圧/水素分圧)との積が下記式(1)を満たす必要がある。

(1):3300≦{電力密度[W/m2]×(窒素分圧/水素分圧)}≦35000

式(1)を満たす条件のプラズマ窒化処理で形成された窒化層2aの上に珪窒化バナジウム膜3を形成することで、鋼材2と珪窒化バナジウム膜3の密着性が向上し、珪窒化バナジウム膜被覆部材1としての耐久性を向上させることができる。なお、“電力密度[W/m2]”は、電力[W]/陰極の表面積[m2]で算出される値である。“陰極の表面積[m2]”は、鋼材2の表面積と陰極13の表面積の合計値である。“電力[W]”は、電圧[V]×電流[A]で算出される値である。“電圧”はパルス電源14の設定電圧であり、“電流”は、パルス電源14に表示される電流値を用い、プラズマ窒化工程内における(最大電流+最小電流)/2で算出される値である。
上記式(1)における電力密度[W/m2]×(窒素分圧/水素分圧)は4500以上であることがより好ましく、5000以上であることがさらに好ましい。これにより、鋼材2と珪窒化バナジウム膜3との密着性を向上させやすく、珪窒化バナジウム膜被覆部材1としての耐久性を向上させやすくなる。また一方で、電力密度[W/m2]×(窒素分圧/水素分圧)は、30000以下であることがより好ましく、20000以下であることがさらに好ましい。これにより、鋼材2と珪窒化バナジウム膜3との密着性を向上させやすく、珪窒化バナジウム膜被覆部材1としての耐久性を向上させやすくなる。
プラズマ窒化工程においては、さらに総エネルギー密度[kJ/m2]と、窒素ガスおよび水素ガスの分圧比(窒素分圧/水素分圧)との積が下記式(2)を満たすことが好ましい。式(1)と式(2)を満たす条件でプラズマ窒化処理を行うことで、鋼材2と珪窒化バナジウム膜3との密着性を向上させやすく、珪窒化バナジウム膜被覆部材1としての耐久性を向上させやすくなる。

(2):24000≦{総エネルギー密度[kJ/m2]×(窒素分圧/水素分圧)}≦500000

なお、“総エネルギー密度[kJ/m2]”は(電力[W]×処理時間[s])/陰極の表面積[m2]で算出される値である。“処理時間[s]”は、プラズマ窒化処理時間であり、窒素ガスの供給を開始してから、珪窒化バナジウム膜3の形成工程におけるバナジウム塩化物ガスまたはシラン源ガスの供給を開始するまでの時間である。プラズマ窒化工程における処理時間は、例えば30〜300分である。
総エネルギー密度[kJ/m2]×(窒素分圧/水素分圧)は、30000以上であることがより好ましい。これにより、鋼材2と珪窒化バナジウム膜3との密着性を向上させやすく、珪窒化バナジウム膜被覆部材1としての耐久性を向上させやすくなる。また一方で、総エネルギー密度[kJ/m2]×(窒素分圧/水素分圧)は、300000以下であることがより好ましい。これにより、鋼材2と珪窒化バナジウム膜3との密着性を向上させやすく、珪窒化バナジウム膜被覆部材1としての耐久性を向上させやすくなる。総エネルギー密度[kJ/m2]×(窒素分圧/水素分圧)は、例えば200000以下であってもよい。
プラズマ窒化工程においては、(窒素分圧/水素分圧)は0.10〜6であることがより好ましい。(窒素分圧/水素分圧)が0.10以上である場合は、チャンバー11内の窒化ポテンシャルが高いため、鋼材2が窒化しやすくなる。(窒素分圧/水素分圧)は、0.25以上であることがさらに好ましく、これにより鋼材2中の析出物がさらに窒化しやすくなる。また、(窒素分圧/水素分圧)が6以下である場合は、放電がさらに安定し、アーク放電の発生をより抑えることができる。(窒素分圧/水素分圧)は、2.5以下であることがさらに好ましく、これによりプラズマ処理中の放電がさらに安定する。電力密度は、例えば6500〜30000W/m2である。電力密度が6500〜30000W/m2の範囲内にある場合、式(1)を満たす(窒素分圧/水素分圧)の値は0.11〜5.3846の範囲内となる。すなわち、プラズマ窒化工程においては、式(1)を満たすように、電力密度、および窒素分圧と水素分圧の分圧比が設定される。なお、6500〜30000W/m2の電力密度範囲は、一般的なプラズマ窒化工程における電力密度に比べ非常に高い電力密度範囲である。
プラズマ窒化工程においては、チャンバー11内の雰囲気温度は350〜650℃であることが好ましく、400〜550℃であることがより好ましい。チャンバー11内の雰囲気温度は、プラズマ条件に応じてヒーター設定温度が調節されることで変更される。プラズマ窒化工程におけるパルス電源14の電圧は、1000〜2500Vであることが好ましい。パルス電源14の電圧は、1400V以上であることがより好ましい。また、パルス電源14の電圧は、2000V以下であることがより好ましい。チャンバー11内の圧力は例えば50〜200Paに設定される。
(珪窒化バナジウム膜形成工程)
鋼材2の表面近傍に窒化層2aが形成された後、チャンバー11内にバナジウム源ガスとしてのバナジウム塩化物ガスとシラン源ガスをさらに供給する。これにより、チャンバー11内に水素ガスと、窒素ガスと、アルゴンガスと、バナジウム塩化物ガスと、シラン源ガスが供給された状態となる。チャンバー11内の圧力は例えば50〜200Paに設定される。
バナジウム塩化物ガスとしては、例えば四塩化バナジウム(VCl)ガス、三塩化酸化バナジウム(VOCl)ガスが用いられる。なお、ガスを構成する元素の数が少なく、珪窒化バナジウム膜3中の不純物を取り除くのが容易になるという観点からは、四塩化バナジウムガスを用いることが好ましい。また、四塩化バナジウムガスは、入手が容易で、常温において液体であり、ガスとしての供給が容易な点でも好ましい。
シラン源ガスは、例えば四塩化珪素ガス、三塩化シランガス、二塩化シランガス、塩化シランガス、シラン、四フッ化珪素等のシラン系ガスが用いられる。ここで例示されるガスは単独で供給しても良いし、1種以上のガスを混合して供給しても良い。また、これらのガスの中では、水素プラズマによって容易に塩素原子を取り去ることができ、熱的に安定し、かつプラズマ中でのみ分解する四塩化珪素(SiCl)ガスを用いることが好ましい。
バナジウム塩化物ガスの分圧および水素ガスの分圧は、珪窒化バナジウム膜3中に含まれるバナジウム量に影響を与えるため、バナジウム塩化物ガスの分圧および水素ガスの分圧の少なくともいずれか一方を調節することで、珪窒化バナジウム膜3中のバナジウム量を変えることができる。シラン源ガスの分圧は、珪窒化バナジウム膜3中に含まれる珪素量に影響を与えるため、シラン源ガスの分圧を調節することで珪窒化バナジウム膜3中の珪素量を変えることができる。窒素ガスの分圧は、珪窒化バナジウム膜3中に含まれる窒素量に影響を与えるため、窒素ガスの分圧を調節することで珪窒化バナジウム膜3中の窒素量を変えることができる。
珪窒化バナジウム膜3の形成工程における電圧は700〜1800Vであることが好ましい。また、珪窒化バナジウム膜3の形成工程におけるチャンバー11内の雰囲気温度は450〜550℃であることが好ましい。チャンバー11内の雰囲気温度を高くすれば、珪窒化バナジウム膜3中のバナジウム量を増加させることができる。
チャンバー11内にバナジウム塩化物ガスおよびシラン源ガスが供給されることで電極間においてバナジウム塩化物ガスおよびシラン源ガスがプラズマ化し、既にプラズマ化している窒素と共に、バナジウムと珪素が、鋼材2の表面に吸着されていく。その結果、鋼材2の窒化層2aの上に珪窒化バナジウム膜3が形成され、珪窒化バナジウム膜被覆部材1が製造される。
本実施形態の珪窒化バナジウム膜被覆部材1は、スクラッチ試験における臨界荷重が65N以上となり、鋼材2と珪窒化バナジウム膜3の密着性が高い部材である。したがって、本実施形態の珪窒化バナジウム膜被覆部材1によれば、例えば大きな面圧を受けるような部材として利用された場合においても、珪窒化バナジウム膜3が剥離しにくくなり、耐久性を向上させやすくなる。
なお、珪窒化バナジウム膜3の形成時にバナジウム源ガスとしてバナジウム塩化物ガスを用いると、珪窒化バナジウム膜3中には、窒素、バナジウムおよび珪素を除く残部として必然的に塩素が含まれる。一方、原料ガスに含まれる水素ガスは塩素と結合しやすいことから、本実施形態のように原料ガスに水素ガスが含まれる場合には、バナジウム塩化物ガスから発生する塩素が水素と結合して系外に排出されやすくなる。これにより、珪窒化バナジウム膜3への塩素の混入を抑えることができる。なお、珪窒化バナジウム膜3の残部としては塩素以外にも不可避的不純物が含まれ得る。
プラズマ処理中の水素ガスの流量は、バナジウム塩化物ガスの流量に対して25倍以上であることが好ましい。また、アルゴンガスの供給は必須ではないが、アルゴンイオンは他の分子をイオン化することによってプラズマの安定化やイオン密度の向上に寄与するため、必要に応じてアルゴンガスを供給することが好ましい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
鋼材に窒化層を形成し、窒化層の上に珪窒化バナジウム膜を形成した試験片を用いて各種評価を実施した。試験片用の鋼材は次の手順で作製される。まず、SKH51からなるφ22の丸棒に焼入れおよび焼き戻し処理を施す。次に、焼き戻し処理が施された丸棒を6〜7mm間隔で切断する。そして、切断された丸棒の表面を鏡面研磨し、これを試験片用の鋼材として使用した。なお、硬質膜は鋼材の鏡面研磨した側の面に形成する。また、成膜装置は図2に示す構造のものが使用され、電源はパルス電源が用いられている。
≪実施例1≫
実施例1の試験片の作製方法について説明する。なお、以降の説明における水素ガス、窒素ガス、アルゴンガス、四塩化バナジウムガスおよび四塩化珪素ガスの流量は0℃、1atmにおける体積流量である。
<成膜処理準備>
まず、成膜装置のチャンバー内に試験片用の鋼材をセットし、30分間チャンバー内を真空引きし、チャンバー内の圧力を10Pa以下まで小さくする。このとき、ヒーターは作動させない。なお、ヒーターはチャンバーの内部に設けられており、チャンバー内の雰囲気温度はシース熱電対で測定している。続いて、ヒーターの設定温度を200℃とし、10分間鋼材のベーキング処理を行う。その後、ヒーターの電源を切り、30分間成膜装置を放置してチャンバー内を冷却する。
<加熱工程>
次に、チャンバー内に100ml/minの流量で水素ガスを供給し、排気量を調節してチャンバー内の圧力を100Paとする。そして、ヒーターの設定温度を485℃とし、30分間鋼材を加熱する。この加熱工程により鋼材の温度をプラズマ処理温度近傍まで昇温させる。
<プラズマ処理工程>
(水素プラズマ工程)
次に、電圧:800V,周波数:25kHz,Duty比:30%,ユニポーラ出力形式でパルス電源を作動させる。これにより、チャンバー内の電極間において水素ガスがプラズマ化し、水素ラジカルにより鋼材表面のクリーニングを行う。
(プラズマ窒化工程)
その後、水素ガスの流量を200ml/minに上げると共にチャンバー内に窒素ガスおよびアルゴンガスを供給する。本工程においては、窒素ガスの流量を100ml/minとし、アルゴンガスの流量を5ml/minとする。このとき、チャンバー内の全圧は排気量が調節されることで58Paに維持される。実施例1における窒素分圧と水素分圧の分圧比(N2/H2)は0.5であった。その後、パルス電源の電圧を1500Vに上げる。ここでパルス電源の電圧が上げられることによって電極間では水素ガス、窒素ガスおよびアルゴンガスがプラズマ化した状態となる。これにより、鋼材の表面から窒素が侵入し、鋼材の表面近傍に窒化層が形成される。窒化処理時間は120分であり、電流は0.30Aであった。なお、実施例1のプラズマ窒化工程における電力密度[W/m2]×(窒素分圧/水素分圧)は3533であり、総エネルギー密度[kJ/m2]×(窒素分圧/水素分圧)は25439であった。
(珪窒化バナジウム膜形成工程)
続いて、チャンバー内に四塩化バナジウムガスを4.5sccm、四塩化珪素ガスを5.0sccmの流量で供給する。これにより四塩化バナジウムガスがバナジウムと塩素に分解され、四塩化珪素ガスが珪素と塩素に分解される。また、本工程においては、水素ガスの流量を140ml/minとし、窒素ガスの流量を110ml/minとする。そして、プラズマ化した珪素、バナジウム、および窒素が鋼材に吸着することにより、鋼材表面の窒化層の上に珪窒化バナジウム膜が形成されていく。この状態を120分間維持する。以上の工程を経て、珪窒化バナジウム膜が被覆された実施例1の試験片が作製された。この試験片を用いて下記の評価を実施した。
<スクラッチ試験>
スクラッチ試験機(csm社製 Revetest)を用い、鋼材と珪窒化バナジウム膜の密着性を評価した。スクラッチ試験は、先端曲率100μmの円錐形ダイヤモンド圧子を用い、最小荷重1N、最大荷重100N、荷重速度100N/分、スクラッチ速度5mm/分、スクラッチ距離5mmにて実施された。そして、圧子と試験片の接触箇所周辺の珪窒化バナジウム膜が破壊されたときの荷重、すなわち鋼材から珪窒化バナジウム膜が剥離したときの荷重である臨界荷重を測定し、この臨界荷重に基づいて珪窒化バナジウム膜の密着性を評価した。なお、珪窒化バナジウム膜の膜厚が0.5〜4.0μmの範囲内であれば、膜厚の違いに起因するスクラッチ試験結果のばらつきが無視できるほどに小さくなる。
<硬度測定>
硬度測定は、Fischer Instruments製のFISCHER SCOPE(登録商標)H100Cを用いたナノインデンテーション法により実施する。具体的には、最大押し込み荷重を10mNとして試験片にバーコビッチ圧子を押し込み、連続的に押し込み深さを計測する。得られた押し込み深さの計測データからフィッシャー・インストルメンツ社製のソフトウエアである「商品名:WIN−HCU(登録商標)」を用いて、マルテンス硬さ、マルテンス硬さから換算されるビッカース硬さを算出する。算出されたビッカース硬さは測定装置の画面に表示され、この数値を測定点における膜の硬度として扱う。本実施例では各試験片表面の任意の20点のビッカース硬さを求め、得られた硬度の平均値を膜の硬度として記録する。なお、試験片に圧子を押し込む際には、圧子の最大押し込み深さの約10倍まで押し込み荷重が伝播する場合がある。このため、押し込み荷重の伝播が試験片の鋼材に到達してしまうと、硬度測定の結果に鋼材の影響が含まれてしまう場合がある。したがって、純粋な硬質膜の硬度を測定するためには、「硬質膜の膜厚>圧子の最大押し込み深さ×10」を満たす必要がある。
<膜厚測定>
珪窒化バナジウム膜の膜厚は、試験片を垂直に切断して切断面を鏡面研磨した後、金属顕微鏡の倍率を1000倍として切断面を観察し、観察した画像情報に基づいて算出することで測定された。
<硬質膜の組成分析>
試験片に形成された硬質膜の組成を分析した。分析条件は次の通りである。
EPMA:日本電子株式会社製JXA-8530F
測定モード:半定量分析
加速電圧:15kV
照射電流:1.0×10−7
ビーム形状:スポット
ビーム径設定値:0
分光結晶:LDE6H, TAP, LDE5H, PETH, LIFH,
LDE1H
また、次の条件で実施例2〜6および比較例1、2の試験片を作製し、実施例1と同様に評価した。
≪実施例2≫
プラズマ窒化工程において、パルス電源の電圧が1800V、電流が0.38Aであることを除き、実施例1と同様の条件で試験片が作製された。なお、実施例2のプラズマ窒化工程における電力密度[W/m2]×(窒素分圧/水素分圧)は5386であり、総エネルギー密度[kJ/m2]×(窒素分圧/水素分圧)は38778であった。
≪実施例3≫
プラズマ窒化工程において、パルス電源の電圧が1300V、Duty比が90%、電流が0.46Aであることを除き、実施例1と同様の条件で試験片が作製された。なお、実施例3のプラズマ窒化工程における電力密度[W/m2]×(窒素分圧/水素分圧)は4800であり、総エネルギー密度[kJ/m2]×(窒素分圧/水素分圧)は34561であった。
≪実施例4≫
プラズマ窒化工程において、パルス電源の電圧が1800V、Duty比が65%、電流が0.47A、(窒素分圧/水素分圧)が0.375であることを除き、実施例1と同様の条件で試験片が作製された。なお、実施例4のプラズマ窒化工程における電力密度[W/m2]×(窒素分圧/水素分圧)は5071であり、総エネルギー密度[kJ/m2]×(窒素分圧/水素分圧)は36509であった。
≪実施例5≫
プラズマ窒化工程において、パルス電源の電圧が1800V、電流が0.36A、(窒素分圧/水素分圧)が0.8であることを除き、実施例1と同様の条件で試験片が作製された。なお、実施例5のプラズマ窒化工程における電力密度[W/m2]×(窒素分圧/水素分圧)は8251であり、総エネルギー密度[kJ/m2]×(窒素分圧/水素分圧)は59404であった。
≪実施例6≫
プラズマ窒化工程において、パルス電源の電圧が1800V、電流が0.38A、処理時間が240分間であることを除き、実施例1と同様の条件で試験片が作製された。なお、実施例6のプラズマ窒化工程における電力密度[W/m2]×(窒素分圧/水素分圧)は5386であり、総エネルギー密度[kJ/m2]×(窒素分圧/水素分圧)は77555であった。
≪実施例7≫
プラズマ窒化工程において、パルス電源の電圧が1800V、電流が1.20A、処理時間が120分間、(窒素分圧/水素分圧)が2.0であることを除き、実施例1と同様の条件で試験片が作製された。なお、実施例7のプラズマ窒化工程における電力密度[W/m2]×(窒素分圧/水素分圧)は18190であり、総エネルギー密度[kJ/m2]×(窒素分圧/水素分圧)は130968であった。
≪比較例1≫
プラズマ窒化工程において、パルス電源の電圧が1300V、電流が0.24Aであることを除き、実施例1と同様の条件で試験片が作製された。なお、比較例1のプラズマ窒化工程における電力密度[W/m2]×(窒素分圧/水素分圧)は2483であり、総エネルギー密度[kJ/m2]×(窒素分圧/水素分圧)は17876であった。
≪比較例2≫
プラズマ窒化工程において、パルス電源の電圧が1300V、Duty比が60%、電流が0.30Aであることを除き、実施例1と同様の条件で試験片が作製された。なお、比較例2のプラズマ窒化工程における電力密度[W/m2]×(窒素分圧/水素分圧)は3145であり、総エネルギー密度[kJ/m2]×(窒素分圧/水素分圧)は22643であった。
以上の実施例1〜7および比較例1〜2の試験片におけるプラズマ窒化条件を下記表1に示す。また、各試験片におけるスクラッチ試験の結果を下記表1、図4および図5に示す。
実施例1〜7においては、スクラッチ試験における臨界荷重が65N以上であり、鋼材と珪窒化バナジウム膜の密着性に優れた珪窒化バナジウム膜被覆部材が得られた。
また、実施例1〜7および比較例1〜2の試験片における珪窒化バナジウム膜の硬度、膜厚、および組成を下記表2に示す。
<表面性状観察>
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、プラズマ窒化工程終了時における試験片の表面性状を観察した。このときのSEM画像を図6に示す。いずれの試験片においても、マトリックスの部分と析出物の部分が確認された。窒化処理を施した試験片の析出物は、窒化処理をしていないものと比べて形状の変化が確認され、変化の度合いはプラズマ電圧が高くなるほど、また、窒化処理時間が長いほど大きくなっていた。
<結晶構造解析>
XRD解析装置を用いて、プラズマ窒化工程終了時における試験片の表面のX線回折解析を実施した。試験片の表面近傍の情報のみを得るため、傾角入射法により解析を行い、入射角を1.0°とし、X線源としてCuKα線を用いた。XRD解析結果を図7に示す。図7中の点線部は未窒化析出物のピークであり、プラズマ電圧が高いほど、また、窒化時間が長いほど、未窒化析出物のピーク強度が小さくなり、窒化が進行することが確認された。上記表1に示されるように、スクラッチ試験における臨界荷重は比較例1、実施例2、実施例6の順で大きくなっていることから、鋼材の窒化が進むことにより鋼材と珪窒化バナジウム膜の密着性が向上することがわかる。
本発明は、金型や工具、例えば歯車のような自動車部品等に対する硬質膜の被覆処理に利用することができる。すなわち、本発明に係る珪窒化バナジウム膜被覆部材は、例えば金型や工具、自動車部品として用いられる。
1 珪窒化バナジウム膜被覆部材
2 鋼材
2a 窒化層
3 珪窒化バナジウム膜
10 プラズマ処理装置
11 チャンバー
12 陽極
13 陰極
14 パルス電源
15 ガス供給管
16 ガス排気管

Claims (3)

  1. 表面に窒化層を有する鋼材と、
    前記窒化層の上に形成された珪窒化バナジウム膜と、を備え、
    スクラッチ試験における臨界荷重が65N以上である、珪窒化バナジウム膜被覆部材。
  2. 下記式(1)を満たす条件で鋼材のプラズマ窒化処理を行い、
    前記鋼材に形成された窒化層の上に珪窒化バナジウム膜を形成する、珪窒化バナジウム膜被覆部材の製造方法。
    (1):3300≦{電力密度[W/m2]×(窒素分圧/水素分圧)}≦35000
  3. 前記プラズマ窒化処理で、さらに下記式(2)を満たす、請求項2に記載の珪窒化バナジウム膜被覆部材の製造方法。
    (2):24000≦{総エネルギー密度[kJ/m2]×(窒素分圧/水素分圧)}≦500000
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