JPH04325677A - グロー放電を利用した金属表面のイオン窒化方法 - Google Patents

グロー放電を利用した金属表面のイオン窒化方法

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JPH04325677A
JPH04325677A JP3188407A JP18840791A JPH04325677A JP H04325677 A JPH04325677 A JP H04325677A JP 3188407 A JP3188407 A JP 3188407A JP 18840791 A JP18840791 A JP 18840791A JP H04325677 A JPH04325677 A JP H04325677A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グロー放電を利用した
イオン窒化による鉄鋼やステンレススチール等の金属部
材の表面硬化法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属部材の表面を硬化する方法と
して窒化が多く用いられて来た。近年は、イオン工学的
処理方法として原料ガスをプラズマによりイオン化させ
て窒化を行うイオン窒化法も用いられるようになった。 このプラズマを用いた表面硬化処理法は、基本的には図
5に示すような装置において、数Torrの窒素含有ガ
スを真空容器内1に導入し、被処理物2の周囲に巻いた
誘導加熱用高周波コイル9に高周波電流を通じると同時
に真空容器1と被処理物2との間に直流電圧を印加する
事によりグロー放電を発生させて、ガス雰囲気中の窒素
イオンを被処理物2の表面に衝突させ被処理物2を加熱
するとともに被処理物表面の結晶粒界を通して窒素を侵
入させ或は反応させて表面硬化層を形成するものである
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようにイオンを用
いた方法では、被処理物表面に衝突する窒素イオンは分
子、原子状態に比べ、衝突エネルギーが1000〜50
00倍も高い為、塩浴窒化、ガス窒化よりも効率よく表
面硬化が出来る利点を有している。しかしながら、この
ような処理方法では通常被処理物表面に、数μm〜数十
μmの硬くて脆い脆化層(γ−Fe4N,ε−Fe2−
3N)が生じる。通常、これらの脆化層は混在して被処
理物表面に形成されるが、各々、結晶構造、格子定数、
熱膨張係数が異なる。その為に、耐摩耗性、耐衝撃性を
必要とする金属部材、例えば金型や機械部品等に窒化処
理を施した場合、衝撃荷重が加わるとクラックが生じや
すくなり、被処理物の寿命低下につながる。また、これ
らの脆化層が存在すると、被処理物の耐食性が劣化する
傾向にある。その為に、従来の窒化処理では、窒化処理
を行った後、最表面に生じる脆化層を研磨により除去し
て使用する。即ち、窒化により表面硬化を実施した後は
必ず研磨処理を行う必要性があり、労力、コストに問題
が残る。また、複雑形状を有する金型、機械部品等に窒
化処理を施す場合、研磨が均一に行われない可能性があ
り、窒化処理品の信頼性、安全性が問題となる。脆化層
を生じさせないようにする為に、従来は、窒素ガスの分
率や直流電圧を低減させたり、窒化処理後、H2或はA
rで被処理物表面をスパッタし、脆化層を除去する方法
もあるが、これらの場合は、窒化速度が減少したり、1
行程の処理時間が長くなる為、効率が悪くなるという問
題を持つ。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決する為に、脆化層を生じる事なく複雑な形状を有す
る被処理物に対しても容易に効率よく窒化による表面硬
化が行える方法を提供するものである。
【0005】ここで、まず本発明の実施を図1,2,3
,4に示す装置を用いて説明する。なお各図とも、1は
真空容器、2は被処理物、3は電極、4は原料ガス吹き
出しノズル、5はDC電源、6はRF電源、7はヒータ
ーである。図1に示すように、真空容器1の内側に被処
理物2を設置する設置台兼用の電極が設けられ、この電
極3に対向して真空容器1の空間に容器1を貫通して複
数の吹き出し口を備える原料ガス吹き出しノズル4が設
けられる。真空容器1は概略的にしか示していないが、
外部の真空排気系とつながる排気孔10を備えている。 また前記電極3はこれに設置される被処理物2を加熱す
るヒーター7を備えている。図のように、RF電源、例
えば周波数が13.56MHzの電源6の一方の端子と
、これと並列に直流電源5の負側端子が電極3に接続さ
れ、両電源の他方端子は接地され、また真空容器1の内
壁も接地される。また、図2に示す装置では、図1に示
す装置と相違して、電極3と原料ガス吹き出しノズル4
との間に金属メッシュ電極8を保持し、このメッシュ電
極8をRF電源の一方の端子と接続し、電極3にはDC
電源6のみが接続され、双方の他端子は接地される。さ
らに、図3の装置は真空容器1の中心に複数の吹き出し
口を備える原料ガス吹き出しノズル4が真空容器1を貫
通して設けられ、このノズル4と同心状に環状のヒータ
ー7が配置され、このノズル4と環状のヒーター7との
間に、環状の被処理物3が配置できるように、設置台兼
用の電極3が配置される。DC電源5、およびRF電源
6の装置に対する接続は図1の場合と同じであり、真空
容器1の内壁は接地される。また、図4の装置は、その
構成においては図3のものと相違して原料ガス吹き出し
ノズル4と被処理物2の配置される位置との間に円筒状
の金属メッシュ電極8を備え、DC電源5およびRF電
源6の一端はそれぞれ電極3、金属メッシュ電極8に接
続されている。
【0006】
【作用】図5に示す従来の装置およびこの装置による処
理方法では、被処理物2に負の電圧を加え、真空容器1
の内壁を接地して、容器内を減圧し、両者間でグロー放
電を発生させて処理を行っている。この際真空容器1に
導入された窒素ガス、水素等はグロー放電によりイオン
化される。このイオン化された窒素イオンは正の電気を
帯びている為、負に帯電している被処理物に激しく衝突
する。この場合、被処理物は窒化処理を実施している間
、即ちグロー放電を維持している間は常に負に帯電して
いる為、絶えず正の窒素イオンが被処理物の表面に衝突
する事になり、被処理物表面の鉄原子はこの窒素イオン
と結合し窒化鉄として析出する。また、被処理物に衝突
した窒素イオンにより、表面近くの格子欠陥密度が増加
するが、イオン衝撃によって生じた転位の移動方向と窒
素の拡散方向が一致する為、窒素は被処理物内部へ拡散
することになる。内部へ拡散した窒素は被処理物中に含
まれるCr,V,Mo,Al等と結合して硬度の高いこ
れらの窒化物を形成する。その結果、被処理物の硬度は
高くなる。しかしながら、グロー放電により生成される
窒素イオンの被処理物表面への供給量が、被処理物内部
への拡散量よりも高すぎる時、被処理物表面での窒素イ
オンの過飽和状態が起こり、被処理物表面での窒素イオ
ンの滞在時間が多くなる為、結果として被処理物の主成
分である鉄と結合し硬くて脆い窒化鉄を形成することに
なる。
【0007】一方、本発明による窒化処理の原理を記す
。図1,2は高周波電極と対向電極が平行して設置され
ている容量結合型RF放電真空容器である。図1の装置
で被処理物に周波数f=13.56MHzの高周波を加
え、接地した真空容器内壁との間でグロー放電を発生さ
せる場合、被処理物は交番電圧の為に交互に陽極と陰極
になるが、プラズマ中の窒素イオンと電子の移動度の差
により高周波を加えた電極には数十〜数百Vの自己バイ
アス(SELF  BIAS)が加わる。高周波電極側
に設置した被処理物が負の電位にある時は、窒素イオン
が被処理物表面に衝突するが、次の瞬間、被処理物が正
の電位に換わると、被処理物表面に衝突した窒素イオン
が表面に吸着し表面の鉄原子と結合する前に一部の窒素
イオンは対向電極である真空容器内壁側に引き寄せられ
る。この様に、高周波放電を用いて窒化を行った場合、
前述の直流放電の場合とは異なり、常に窒素イオンが被
処理物表面に供給される事がない。即ち、被処理物表面
の窒素イオン濃度が過飽和になる確率が少ない為、脆化
層が生じ難くなる。また、高周波放電により被処理物表
面はパルス的に窒素イオンによって衝撃を受ける為、連
続的に衝撃を受ける直流放電の場合よりも被処理物内に
転位を生じ易い。前述の如く、転位生成密度が大きいほ
ど、窒素は内部に拡散し易くなる為に結果として少ない
窒素イオン密度でも効率よく被処理物を窒化出来る。こ
の場合、プラズマ密度が、5W/cm2よりも高くなる
と、被処理物表面が炭素を含む鋼である場合は脱炭現象
が生じ脆くなる。また、被処理物表面に肌荒れが生じ外
観を損ねる。また、プラズマ密度が0.1W/cm2よ
りも低い場合は、プラズマによる被処理物表面近傍の転
位生成密度が小さくなる為に、窒素は被処理物内部にま
で拡散し難くなる。また、図2ではRF出力をメッシュ
電極8に、DC出力を被処理物に加えて窒化を行う場合
を示す。この場合は、RF出力によってメッシュに生じ
る自己バイアスと被処理物に加えるDC出力との大小に
より、前述の様に被処理物にパルス的に窒化イオンが衝
突し効率的に窒化される。以上、述べた窒化処理は0.
2〜5Torrの圧力範囲内で施行される。容器内圧力
が0.1Torrりも高真空の場合は、プラズマ中の窒
素イオンの密度が低い為、窒化が生じにくい。また5T
orrよりも低真空の場合はプラズマ中の電子温度が低
くなる為、窒化が生じにくくなる。そして図3、図4に
示す装置においても、窒化処理中、それぞれ図1、図2
について説明した作用と同様な作用を生ずる。これらの
装置は被処理物の硬化対象面の形状に従って適宣選択し
て用いられる。以下本発明による実施例を示す。
【0008】
【実施例1】本発明による窒化方法により冷間加工用金
型(直径80mm、厚さ55mm)へのイオン窒化を実
施した場合を示す。被処理物である冷間加工用金型を真
空容器内に具備されているRF電極に設置した後、真空
容器内を排気系ポンプ(不図示)により0.003〜0
.05Torrに減圧させた。H2を流しながらヒータ
ーにより500℃にまで金型を加熱した後、H2とAr
の混合ガスをガス吹き出しノズルにより真空容器内に供
給すると同時にDC電源より金型にDC出力を加え、金
型の表面を10分〜30分スパッタクリーニングする。 クリーニング終了後、Arガスの供給を中止すると共に
N2ガスを加え、N2とH2の混合ガスを真空容器内に
供給し、反応圧力を0.4Torrに保つ。N2とH2
の混合比は、目標とする窒化層深さに応じて1:10〜
10:1に変化させれば良い。また、反応圧力は、目標
とする窒化層厚さに応じて0.2Torr〜4Torr
に変化させれば良い。N2とH2の混合ガスを真空容器
内に供給すると同時にDC出力供給を中止し、RF電源
より金型にRF出力を供給する。供給するRF出力は、
金型の寸法形状及び目標とする窒化層深さに応じて10
0W〜3,000Wに変化させれば良い。また、目標と
する窒化層深さに応じてDC出力を併用して用いても良
い。窒化層を深く迅速に生成したい時にDC出力を併用
すると効果的である。イオン窒化を開始してから1時間
後、RF出力(或はRF出力とDC出力)の供給を中止
し、N2ガスの供給を中止する。窒化処理時間は、目標
とする窒化層深さに応じて数十分〜8時間に変化させれ
ば良い。その後、H2ガスを流しながら金型を冷却する
【0009】このようにして窒化処理した金型は窒化処
理前と比べて表面光沢、色調等は全く変化がなかった。 図6〜図9にこの金型の硬度分布、断面プロフィール、
結晶構造回折及び断面方向のEPMAの結果を示す。図
6には、通常のイオン窒化(処理時間=1時間)を施し
た同じ形状の冷間加工用金型の硬度分布を併せて示す。 図6より、本発明による窒化の生成速度は、従来のイオ
ン窒化と変わらない事が明かである。また、図7の断面
プロフィール及び図8(イ)、(ロ)のX線構造回折の
結果より、この金型の表面には脆化層が生成していない
ことが判明した。さらに、EPMAの結果より、図9に
示すように窒素は表面から約50μmに亘り拡散してい
ることがわかった。このように窒化処理したパンチを未
処理物とともに鍛造作業に供した。その結果、未処理物
のパンチは3,500ショットで表面にヒートクラック
が発生し、8,000ショットでかじりが発生した。窒
化処理を行ったパンチは12,000ショットまでヒー
トクラックが発生しなかった。
【0010】
【実施例2】次に本発明による窒化処理をアルミニウム
ダイカストピン(直径20mm×長さ50〜200mm
)へ応用した場合を示す。アルミニウムダイカストピン
へのイオン窒化は熱間用ダイス鋼(SKD61)で行わ
れ、表面はHv=1100〜1200に処理され耐摩耗
性を向上させるとともにヒートクラックを減少させるこ
とが出来る。アルミニウムダイカストピンを図2に示す
ような真空容器内に設置する。アルミニウムダイカスト
ピンにはDC電源が接続されている。また、原料ガスを
真空容器内に供給する。原料ガス吹き出しノズルとアル
ミニウムダイカストピンとの間には、RF電源と接続さ
れているメッシュが設置されている。真空容器の排気、
アルミニウムダイカストピンの加熱及びスパッタクリー
ニングは、実施例1と同様である。スパッタクリーニン
グ後、原料ガス吹き出しパイプよりN2とH2の混合ガ
スを真空容器内に供給する。また、同時に、メッシュに
RF出力を1500W加えると同時にアルミニウムダイ
カストピンに−200VのDC出力を加える。アルミニ
ウムダイカストピンの寸法形状及び目標とする窒化層深
さに応じて、RF出力は100W〜3,000W、DC
出力は−50V〜−500Vに変化させると良い。 また、窒化処理時間は、アルミニウムダイカストピンの
寸法形状及び目標とする窒化層深さに応じて、数十分〜
8時間に変化させると良い。このようにして窒化処理し
たアルミニウムダイカストピンは窒化処理前と比べて表
面光沢、色調等は全く変化がなかった。図10〜図12
にこのアルミニウムダイカストピンの硬度分布、断面プ
ロフィール、結晶構造回折の結果を示す。断面プロフィ
ール及びX線構造回折の結果より、このアルミニウムダ
イカストピンの表面には脆化層が生成していない事が判
明した。また、このようにして窒化処理したアルミニウ
ムダイカストピンを未処理のアルミニウムダイカストピ
ンとともにADC12のダイカスト工程に投入し性能評
価を実施した。試験条件は次の通りである。 溶湯温度:  680℃ ショットサイクル:  35〜40sec湯速度:  
55m/sec 製品:  自動車用トランスミッションケース性能判定
は、50ショット毎のかじり現象の有無とした。その結
果、ショット数は未処理のアルミニウムダイカストピン
は105ショットでかじりついたのに対し窒化処理を行
ったアルミニウムダイカストピンは563ショットまで
かじり現象が観察されなかった。
【0011】
【実施例3】本発明による窒化処理方法を筒形状内面に
応用した例として、窒化鋼からなる射出成形機シリンダ
ー内面への窒化処理を次に示す。射出成形機シリンダー
には耐摩耗性が要求される。用いたシリンダーは、内径
50mm、長さ600mmの直管形状を有している。こ
のシリンダーを図3に示すような装置を用いて窒化した
。具体的に以下に説明する。被処理物であるシリンダー
を周囲と絶縁させて真空容器内に設置する。シリンダー
には、RF電源とDC電源が接続されていて、RF出力
及びDC出力が加えられるようになっている。シリンダ
ーの中央に同心円軸状に直径20mm〜40mmのガス
吹き出しパイプを設置する。ガス吹き出しパイプの側面
には均一にガス吹き出し穴が設けられ、ガス吹き出しパ
イプ内に導入された窒素混合ガスが均一にシリンダー内
面に供給されるようになっている。シリンダーの周囲に
は、加熱用ヒーターが設置されている。このようにシリ
ンダーを設置して、実施例1と同様にして6時間窒化処
理を行った。その結果、シリンダー内面には、図13に
示すような硬度分布及び断面プロフィールを示すような
窒化層が形成された。このようにして窒化処理したシリ
ンダーを用いて未処理のシリンダーとともにフェノール
樹脂を成形した。この結果、未処理シリンダーは、3ケ
月で凝着が生じたが、本発明による窒化処理を施したシ
リンダーは、7ケ月で凝着の微候が観察された。
【0012】
【実施例4】次に本発明による窒化処理品の耐食性を通
常のガス窒化と従来のイオン窒化を施したサンプル及び
未処理サンプルと比較する事により評価した。基材材質
は30×60×5mmのステンレス鋼(SUS304)
を用いた。本発明によるイオン窒化は、実施例1で示し
た方法を用いた。この窒化処理を行ったステンレス鋼は
、外観上、処理前と全く変化は無かった。ガス窒化は、
520℃でN2とH2の混合ガスを用いて18時間処理
を行った後連続して550℃で50時間処理を行った。 また、従来のイオン窒化は、N2とH2の混合ガスを用
いて480℃で1時間処理を施したものを用いたものと
イオン窒化処理後を施した後研磨により脆化層を除去し
たものを用いた。ガス窒化を行ったステンレス鋼は灰色
に、従来のイオン窒化のみを行ったステンレス鋼は黒色
を帯びていた。これらの窒化処理を行ったステンレス鋼
と未処理のステンレス鋼を常温で、15%の塩酸水溶液
に15時間浸した。その結果を表1に示す。
【0013】表1
【0014】この結果より、ガス窒化及び従来のイオン
窒化のみを施したサンプルは未処理サンプルに比べ、耐
食性が著しく低下しており、イオン窒化処理後の研磨に
より脆化層を除去する事により未処理サンプルと同等の
耐食性を示した。これに対し、本発明による窒化処理サ
ンプルは未処理サンプルと殆ど変わらない事がわかる。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
鋼、ステンレス等の金属部材の表面を脆化層を生じる事
なく効率的に窒化する事が出来る。その為に、金属部材
の耐食性を損なう事なく耐摩耗性を向上させる事が出来
ると共に窒化処理後の脆化層除去が不用な為、著しい効
率向上、コスト低減が可能となる。また、以上の説明は
イオン窒化について述べたが、本発明は、イオン浸炭、
イオンほう化に対しても適用できることは言うまでもな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるイオン窒化処理法に用いられる装
置の概略図を示す。
【図2】本発明によるイオン窒化処理法に用いられる図
1と別の装置の概略図を示す。
【図3】本発明によるイオン窒化処理法に用いられる図
1,2と別の装置の概略図を示す。
【図4】本発明によるイオン窒化処理法に用いられる図
1,2,3と別の装置の概略図を示す。
【図5】従来のイオン窒化処理に用いられる装置の概略
図を示す。
【図6】本発明の窒化処理を施した冷間加工用金型の硬
度分布と従来の窒化処理を施した前記金型の硬度分布を
示す。
【図7】本発明の窒化処理を施した冷間加工用金型の断
面プロフィールを示す。
【図8】(イ)図は未処理、(ロ)図は本発明の窒化処
理を施した冷間加工用金型の結晶構造回折結果を示す。
【図9】本発明の窒化処理を施した冷間加工用金型の断
面方向のEPMAを示す。
【図10】本発明の窒化処理を施したアルミニウムダイ
カストピンの硬度分布を示す。
【図11】本発明の窒化処理を施したアルミニウムダイ
カストピンの断面プロフィールを示す。
【図12】本発明の窒化処理を施したアルミニウムダイ
カストピンの結晶構造回折結果を示す。
【図13】本発明の窒化処理を施したシリンダーの硬度
分布を示す。
【符号の説明】 1  真空容器 2  被処理物 3  電極 4  ガス吹き出しノズル 5  DC電源 6  RF電源 7  ヒーター 8  メッシュ電極 9  誘導加熱コイル 10  高周波電源
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  真空容器内に設置した鉄鋼やステンレ
    ススチール等の鉄系合金よりなる金属部材と前記容器の
    間に、高周波、又は高周波と直流を印加し、プラズマに
    よりイオン化された窒素イオンにより前記鉄系合金の表
    面を窒化することを特徴とするグロー放電を利用した金
    属部材のイオン窒化方法。
  2. 【請求項2】  請求項1のイオン窒化方法において、
    真空容器が容量結合型の放電型式を採り、印加する高周
    波電力によるプラズマ密度が、0.1〜5W/cm2で
    あり、処理圧力が0.1〜5Torrであることを特徴
    とする金属表面のイオン窒化方法。
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