JP2020037629A - キーパッド作製用シリコーンゴム組成物及びキーパッド - Google Patents

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Abstract

【課題】打鍵耐久性に優れたキーパッド作製用シリコーンゴム組成物及び該組成物の硬化成型物からなるキーパッドの提供。【解決手段】(A)下記平均組成式、R1aSiO(4-a)/2(1)で表され、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する重合度が100以上のオルガノポリシロキサン:100質量部、(B)BET法による比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ:10〜100質量部、(C)ビニル基含有オルガノシラザン及び/又はビニル基含有アルコキシシラン:0.1〜10質量部、(D)塩酸:塩酸中の塩化水素の量として0〜0.2質量部、(E)直鎖状のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー:0.01〜5質量部、(F)硬化剤:硬化有効量、を含有するキーパッド作製用シリコーンゴム組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、動的疲労耐久性及び金型離型性に優れ、キーパッド材料として好適なシリコーンゴム組成物及び該組成物を硬化成型してなるキーパッドに関する。
シリコーンゴムは、優れた耐候性、電気特性、低圧縮永久歪性、耐熱性、耐寒性等の特性を有しているため、電気機器、自動車、建築、医療、食品を始めとして様々な分野で広く使用されている。例えば、リモートコントローラ、タイプライター、ワードプロセッサ、コンピュータ端末、楽器等のゴム接点として使用されるキーパッド、建築用ガスケット、オーディオ装置等の防振ゴム、コネクターシール、スパークプラグブーツ等の自動車部品、コンピュータに使用されるコンパクトディスク用パッキン、或いは、パンやケーキの型等の用途が挙げられる。現在シリコーンゴムの需要は益々高まっており、優れた特性を有するシリコーンゴムの開発が望まれている。
その中でキーパッド材料は、携帯電話、パソコンのキーボード等に広く用いられており、これらキーパッド材料に要求される特性としては、キーを打鍵した時の荷重変化が少ないことが要求される。通常、成型キーの打鍵を繰り返すと、打鍵回数が増えるにつれキーの荷重は低下する。このピーク荷重の低下が少ないものほどキー特性としては良好であり、このような荷重特性を示す材料がキーパッド材料として優れている。
このようなキーパッド材料としては、シリコーンゴム製のものが広く用いられている。特開2001−164111号公報(特許文献1)等には、キーパッド用シリコーンゴム組成物が提案されている。
しかしながら、近年、成型されるキー形状の複雑化に伴い、キーにかかる歪自体もより大きなものとなってきており、更に近年使用される機器の小型化に伴い、材料により大きな歪がかかる形状のものが増えている。そのため、近年の厳しい要求に対し、動的疲労耐久性に関しては十分満足するものとなっていない。
特開2009−275158号公報(特許文献2)には、一部が塩素置換されたアルキル基のリン酸エステルを使用することで、動的疲労耐久性(打鍵耐久性)に優れたキーパッド用として好適なシリコーンゴム組成物が提案されているが、打鍵耐久性が十分ではなく、製造装置が腐食してしまうため好ましくない。これを解決するために、特開2011−105782号公報(特許文献3)には、分子中にアルケニル基を有するオルガノジシラザンと脂肪酸エステル及び/又は脂肪族アルコールのエステルを使用することで、動的疲労耐久性に優れたキーパッド用として好適なシリコーンゴム組成物が提案されている。しかし、脂肪酸エステルや脂肪族アルコールのエステルは、融点を持つため、融点以下で混合すると、分散不良が起こり、成型品に脂肪酸エステルや脂肪族アルコールのエステルの塊が生じることがある。
また、特公平03−047662号公報(特許文献4)には、オルガノポリシロキサンと補強性シリカと室温で液状又は融点100℃以下のワックス状を示すフッ素含有単量体の低重合体からなるフッ素含有有機化合物を使用することで、動的疲労耐久性に優れたシリコーンゴム組成物が提案されているが、動的疲労耐久性が不十分であり、金型剥離性も満足できるものではなかった。
特開2001−164111号公報 特開2009−275158号公報 特開2011−105782号公報 特公平03−047662号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、動的疲労耐久性(打鍵耐久性)に優れたキーパッド作製用シリコーンゴム組成物及び該組成物の硬化成型物からなるシリコーンゴム製キーパッドを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、重合度が100以上のオルガノポリシロキサンと、補強性シリカと、ビニル基含有オルガノシラザン及び/又はビニル基含有アルコキシシランと、直鎖状のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーと、硬化剤とを含有するシリコーンゴム組成物を硬化させることにより、動的疲労耐久性と金型離型性に優れたキーパッドが得られることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
即ち、本発明の上記の作用効果のメカニズムは定かではないが、シリコーンゴム組成物のベースコンパウンド調製時において、ビニル基含有オルガノシラザンやビニル基含有アルコキシシランにより、シリカ(補強性シリカ)、特に表面処理されていないシリカの表面処理を行いながら上記ベースコンパウンドを作製することにより、シリカがより均一に分散し、被処理表面上のビニル基がシリコーンゴム組成物の硬化時に架橋に取り込まれることとなり、更に、直鎖状のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーを所定量添加することにより、得られたシリコーンゴム硬化物の機械的特性を良好に維持しながら、動的疲労耐久性(打鍵耐久性)を向上させることができ、更に金型離型性に優れるものとなり得ると推察される。
従って、本発明は、下記のキーパッド作製用シリコーンゴム組成物及び該組成物の硬化成型物からなるキーパッドを提供する。
〔1〕
(A)下記平均組成式(1)
1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は同一又は異なり、非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは1.95〜2.04の正数である。)
で表され、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する重合度が100以上のオルガノポリシロキサン: 100質量部、
(B)BET法による比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ: 10〜100質量部、
(C)ビニル基含有オルガノシラザン及び/又はビニル基含有アルコキシシラン: 0.1〜10質量部、
(D)塩酸: 塩酸中の塩化水素の量として0〜0.2質量部、
(E)直鎖状のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー: 0.01〜5質量部、
(F)硬化剤: 硬化有効量
を含有することを特徴とするキーパッド作製用シリコーンゴム組成物。
〔2〕
(A)成分のオルガノポリシロキサンが、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基,ジメチルビニルシロキシ基,ジメチルヒドロキシシロキシ基,メチルジビニルシロキシ基,トリビニルシロキシ基で封鎖されたものである〔1〕記載のキーパッド作製用シリコーンゴム組成物。
〔3〕
(B)成分の補強性シリカが、未処理シリカである〔1〕又は〔2〕記載のキーパッド作製用シリコーンゴム組成物。
〔4〕
(E)成分の直鎖状のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーが、下記構造で表されるものである〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のキーパッド作製用シリコーンゴム組成物。
CF3O(CF2O)m(CF2CF2O)nCF3
(式中、m、nは上記数平均分子量を満足する数であり、かつ、40≦m+n≦180、0.5≦n/m≦2である。)
F(CF2CF2CF2O)n’CF2CF3
(式中、n’は上記数平均分子量を満足する数である。)
〔5〕
(F)成分の硬化剤が、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとヒドロシリル化触媒との組み合わせ、又は有機過酸化物である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のキーパッド作製用シリコーンゴム組成物。
〔6〕
〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のシリコーンゴム組成物の硬化成型物からなるキーパッド。
本発明によれば、打鍵耐久性試験において良好な結果を示すキーパッド用として好適なシリコーンゴム組成物、及び該組成物を硬化成型してなるシリコーンゴム製のキーパッドを得ることができる。
実施例、比較例において金型剥離性試験に用いた金型の概略断面図である。 本発明に係るキーパッドの側面図である。 本発明に係るキーパッドのクリックパターンである。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
[(A)オルガノポリシロキサン]
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、本組成物の主剤(ベースポリマー)であり、下記平均組成式(1)で表される、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子が結合したアルケニル基を含有するものである。
1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は同一又は異なり、非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは1.95〜2.04の正数である。)
上記平均組成式(1)中、R1は、通常、炭素数1〜20、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜8の1価炭化水素基である。R1で表される1価炭化水素基としては、例えば、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基,アリル基,ブテニル基,ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基,トリル基等のアリール基、β−フェニルプロピル基等のアラルキル基、又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部若しくは全部がハロゲン原子,シアノ基等で置換されたクロロメチル基,トリフルオロプロピル基,シアノエチル基等が挙げられる。これらの中では、メチル基,ビニル基,フェニル基及びトリフルオロプロピル基が好ましく、より好ましくは、メチル基及びビニル基である。これらの中でも特に、分子中のR1で表される1価炭化水素基のうち、50モル%以上がメチル基であることが好ましく、より好ましくは80モル%以上がメチル基であり、更に好ましくはアルケニル基以外の全てのR1がメチル基である。
上記平均組成式(1)中、aは1.95〜2.04の正数であり、好ましくは1.98〜2.02の正数である。このa値が1.95〜2.04の範囲でないと、得られるシリコーンゴム硬化物が十分なゴム弾性を示さないことがある。
また、(A)成分のオルガノポリシロキサンは、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有することが必要であり、上記式(1)中、R1の0.001〜10モル%、特に0.01〜5モル%がアルケニル基であることが好ましい。該アルケニル基としては、好ましくはビニル基及びアリル基であり、特に好ましくはビニル基である。
(A)成分のオルガノポリシロキサンの重合度は、100以上(通常、100〜100,000)、特に1,000〜100,000の範囲であることが好ましく、3,000〜50,000の範囲であることがより好ましく、4,000〜20,000の範囲であることが最も好ましい。なお、この重合度は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)分析におけるポリスチレン換算の重量平均重合度として求められる。
なお、本発明中で言及する重量平均重合度とは、下記条件で測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレンを標準物質とした重量平均重合度を指すこととする。
[測定条件]
・展開溶媒:トルエン
・流量:1mL/min
・検出器:示差屈折率検出器(RI)
・カラム:KF−805L×2本(Shodex社製)
・カラム温度:25℃
・試料注入量:30μL(濃度0.2質量%のトルエン溶液)
(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、この条件を満たしていれば特に限定されないが、通常は、主鎖がジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2、R1は上記と同じ、以下同様)の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)で封鎖された、直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましく、分子鎖両末端が、トリメチルシロキシ基,ジメチルビニルシロキシ基,ジメチルヒドロキシシロキシ基,メチルジビニルシロキシ基,トリビニルシロキシ基等で封鎖されたものが好ましく、特に、少なくとも1つのビニル基を有しているシロキシ基で、好ましくは分子鎖両末端が封鎖されたものが好適である。
これらのオルガノポリシロキサンは、1種単独で用いても、重合度や分子構造の異なる2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[(B)補強性シリカ]
(B)成分の補強性シリカは、得られるシリコーンゴム組成物に対して優れた機械的特性を付与する成分として作用する。該補強性シリカは、沈降シリカ(湿式シリカ)でも、ヒュームドシリカ(乾式シリカ)でもよく、表面に多数のシラノール基(SiOH)が存在しているものである。
本発明において(B)成分の補強性シリカのBET法による比表面積は、50m2/g以上であることが必要であり、好ましくは100〜400m2/gである。この比表面積が50m2/g未満であると、(B)成分による補強効果が不十分となる。
(B)成分の補強性シリカは、未処理の状態で使用しても、必要に応じて、オルガノポリシロキサン,オルガノポリシラザン,クロロシラン,アルコキシシラン等の有機ケイ素化合物で表面処理されたものを用いてもよいが、未処理のシリカを用いる方が、後述する(C)成分、又は(C)成分及び(D)成分との併用によって、該補強性シリカの分散性が良好になり、本発明の組成物の硬化成型物からなるキーパッドの打鍵耐久性能がより向上するため好ましい。
これらの補強性シリカは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分の補強性シリカの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して10〜100質量部であり、好ましくは10〜80質量部であり、より好ましくは20〜70質量部である。この配合量が上記範囲を逸脱すると、得られるシリコーンゴム組成物の加工性が低下するだけでなく、該シリコーンゴム組成物を硬化して得られるシリコーンゴム硬化物の引張り強度や引き裂き強度等の機械的特性が不十分なものとなる。
[(C)ビニル基含有オルガノシラザン及び/又はビニル基含有アルコキシシラン]
(C)成分のビニル基含有オルガノシラザン及び/又はビニル基含有アルコキシシランは、本発明のシリコーンゴム組成物において、補強性シリカの分散性向上剤(表面処理剤)として作用すると共に、硬化時にベースポリマーであるオルガノポリシロキサン中のアルケニル基と共にビニル基含有オルガノシラザン及び/又はビニル基含有アルコキシシラン中のビニル基が架橋することにより、オルガノポリシロキサンとシリカとの架橋点として作用する。
該ビニル基含有オルガノシラザンとしては、特に制限されないが、1−ビニルペンタメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラビニルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラビニルジシラザン等が例示されるが、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンが好適である。
該ビニル基含有アルコキシシランとしては、特に制限されないが、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン等が好適である。
(C)成分のビニル基含有オルガノシラザン及び/又はビニル基含有アルコキシシランの添加量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1〜10質量部であり、好ましくは0.1〜7質量部であり、より好ましくは0.1〜5質量部である。(C)成分の添加量が0.1質量部より少ないと、得られるシリコーンゴム硬化物の動的疲労耐久性の向上効果が得られず、多すぎる場合には、得られるシリコーンゴム硬化物の硬度が高くなりすぎ、また経済的にも好ましくない。
[(D)塩酸]
(D)成分の塩酸は、任意成分であり、本発明のシリコーンゴム組成物において、シリカの分散性向上剤として作用するものである。(D)成分で用いる塩酸の濃度としては、好ましくは0.05〜5Nであり、より好ましくは0.05〜2Nである。この塩酸の濃度が0.05Nより薄いと、塩酸の添加量が増えてしまい好ましくなく、逆に、塩酸の濃度が5Nより濃くなると、取扱いが危険であり、また、各成分の配合時に使用する装置が腐食するおそれがあり好ましくない。
(D)成分の添加量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、塩酸中の塩化水素の量として0〜0.2質量部であり、配合する場合は、好ましくは0.0001〜0.1質量部であり、より好ましくは0.0001〜0.05質量部である。この塩酸の添加量が少なすぎる場合には、動的疲労耐久性の向上効果が得られない場合がある。また、塩酸の添加量を多くしても、過剰の水を除去する必要が生じる。
[(E)直鎖状のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー]
(E)成分は、直鎖状のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーであり、本発明のシリコーンゴム組成物において、得られるシリコーンゴム硬化物の動的疲労耐久性向上剤及び金型剥離性向上剤として作用する。
(E)成分の直鎖状のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーは、市販品を使用することができ、例えば、FOMBLIN、DEMNUMという商標名で販売されている。このようなポリマーとしては、例えば、下記構造のものが挙げられる。
FOMBLIN(Solvay Solexis社製、FOMBLIN M07(数平均分子量5,400、FOMBLIN M15(数平均分子量9,700)、FOMBLIN Z03(数平均分子量4,000))
CF3O(CF2O)m(CF2CF2O)nCF3
(式中、m、nは上記数平均分子量を満足する数であり、かつ、40≦m+n≦180、0.5≦n/m≦2である。)
DEMNUM(ダイキン工業(株)製、S−20(数平均分子量2,700)、S−200(数平均分子量8,400))
F(CF2CF2CF2O)n’CF2CF3
(式中、n’は上記数平均分子量を満足する数である。)
(E)成分の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.01〜5質量部であり、好ましくは0.05〜3質量部である。(E)成分の配合量が少なすぎる場合には、シリコーンゴム硬化物の金型剥離性が向上せず、多すぎる場合には、シリコーンゴムコンパウンドの可塑度の低下、ロール加工性の悪化等が起こり、経済的にも好ましくない。
[(F)硬化剤]
(F)硬化剤としては、本発明のシリコーンゴム組成物を硬化させ得るものであれば特に制限はなく、例えば、下記の(F−1)付加反応硬化剤、及び/又は(F−2)有機過酸化物硬化剤が挙げられる。即ち、これらの硬化剤は、本発明のシリコーンゴム組成物において、(A)成分のオルガノポリシロキサンと反応して架橋構造を形成し、シリコーンゴム硬化物を与えるものである。
(F−1)付加反応硬化剤
(F−1)付加反応硬化剤としては、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとヒドロシリル化触媒とを組み合わせて用いることができる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、一分子中に2個以上、好ましくは3個以上、より好ましくは3〜200個、更に好ましくは4〜100個程度のSiH基を含有すれば、直鎖状、環状、分枝状のいずれであってもよく、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の架橋剤として公知のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いることができ、例えば、下記平均組成式(2)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いることができる。
2 pqSiO(4-p-q)/2 (2)
上記平均組成式(2)中、R2は非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、同一であっても異なっていてもよく、特に、脂肪族不飽和結合を除いたものが好ましい。R2は、通常、炭素数1〜12、特に炭素数1〜8のものが好ましく、具体的には、メチル基,エチル基,プロピル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基,トリル基等のアリール基、ベンジル基,2−フェニルエチル基,2−フェニルプロピル基等のアラルキル基、及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子等で置換した基、例えば、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられる。
なお、上記平均組成式(2)中、p,qは0≦p<3、好ましくは1≦p≦2.2、0<q≦3、好ましくは0.002≦q≦1、0<p+q≦3、好ましくは1.002≦p+q≦3を満たす正数である。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、SiH基を一分子中に2個以上、好ましくは3個以上有するが、これは分子鎖末端にあっても、分子鎖の途中にあっても、その両方にあってもよい。
また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、25℃における粘度が0.5〜10,000mPa・s、特に1〜300mPa・sであることが好ましい。なお、本発明において、粘度は回転粘度計により測定した値である(以下、同様)。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、具体的には、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)メチルシラン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)フェニルシラン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位と(CH33SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C653SiO1/2単位とからなる共重合体などや、上記例示化合物において、メチル基の一部又は全部を他のアルキル基や、フェニル基等に置換したものなどが挙げられる。このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、具体的に下記構造式の化合物を例示することができる。
Figure 2020037629
(式中、kは2〜10の整数、s及びtは0〜10の整数である。)
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対し0.1〜40質量部が好ましく、より好ましくは0.3〜20質量部である。
また、上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と(C)成分中のビニル基の合計のモル比に対するオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)のモル比が好ましくは0.5〜10モル/モル、より好ましくは0.7〜5モル/モルとなるような量で配合することが望ましい。0.5モル/モル未満であると架橋が十分でなく、十分な機械的強度が得られない場合があり、また10モル/モルを超えると硬化後の物理特性が低下し、特に耐熱性と圧縮永久歪性が悪くなる場合がある。
ヒドロシリル化触媒は、(A)成分のアルケニル基及び(C)成分のビニル基とオルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子結合水素原子(SiH基)とを付加反応させる触媒である。
ヒドロシリル化触媒としては、白金族金属系触媒が挙げられ、白金族の金属単体とその化合物があり、これには従来、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の触媒として公知のものが使用できる。例えば、シリカ、アルミナ又はシリカゲルのような担体に吸着させた微粒子状白金金属、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸6水塩のアルコール溶液、パラジウム触媒、ロジウム触媒等が挙げられるが、白金又は白金化合物が好ましい。
ヒドロシリル化触媒の添加量は、付加反応を促進できればよく、通常、白金系金属量に換算して、(A)成分のオルガノポリシロキサンに対して1質量ppm〜1質量%の範囲で使用されるが、10〜500質量ppmの範囲が好ましい。この添加量が1質量ppm未満であると、付加反応が十分促進されず、硬化が不十分である場合がある、一方、上記の添加量が1質量%を超えると、これより多く加えても反応性に対する影響が少なくなり、不経済となる場合がある。
(F−2)有機過酸化物硬化剤
(F−2)有機過酸化物硬化剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−t−ブチルパーオキシカーボネート等が挙げられる。
有機過酸化物の添加量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1〜10質量部、特に0.2〜5質量部が好ましい。この配合量が少なすぎると、シリコーンゴム組成物の硬化が不十分となる場合があり、逆に、上記配合量が多すぎると、有機過酸化物の分解残渣によりシリコーンゴム硬化物が黄変する場合がある。
なお、(A)成分に、(F−1)成分と(F−2)成分とを、それぞれ上記配合量の範囲内で組み合わせて配合した、付加反応硬化と有機過酸化物硬化とを併用した共加硫型のシリコーンゴム組成物とすることもできる。
[その他の任意成分]
本発明のシリコーンゴム組成物には、上述した成分に加え、必要に応じて、石英粉末、結晶性シリカ、珪藻土、炭酸カルシウム等の非補強性シリカ、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック、着色剤、ベンガラ、酸化セリウム等の耐熱性向上剤、白金、酸化チタン、トリアゾール化合物等の難燃性向上剤、受酸剤、アルミナ、窒化ホウ素等の熱伝導率向上剤、離型剤、両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、水等の分散剤等を添加してもよい。
本発明のシリコーンゴム組成物は、上記の各成分を、二本ロールミル、バンバリーミキサー、ダウミキサー(ニーダー)等の混合装置を用いて均一に混合することにより得ることができるが、(A),(B),(C),(D)及び(E)成分を混合してベースコンパウンドを調製した後、(F)成分を配合する、又は(A),(B),(C)及び(D)成分を混合してベースコンパウンドを調製した後、(E),(F)成分を配合することが望ましい。
なお、ベースコンパウンドは、20〜250℃、特に50〜200℃にて、0.1〜10時間、特に0.1〜5時間加熱処理して調製することが好ましい。
本発明のシリコーンゴム組成物は、キーパッド用として用いられる。かかるキーパッドを形成するために、上記シリコーンゴム組成物は、加熱硬化と同時に成形することにより、ゴム状の弾性体(シリコーンゴム硬化物)からなる成型物を得ることができる。
上記シリコーンゴム組成物を硬化させる方法については、特に制限はないが、上述した硬化剤の分解及びシリコーンゴム組成物の加硫に十分な熱をかける方法であればよい。硬化の温度条件については硬化方法にもよるが、通常80〜400℃、特に100〜200℃で3秒〜160分間、特に3秒〜20分間である。また、その成形方法については、特に制限はなく、例えば、押し出し成形による連続加硫、プレス成形(加圧成形)、インジェクション成形等の成形方法を採用することができる。更に、必要に応じて、150〜250℃で1〜10時間程度で二次加硫してもよい。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において、粘度は回転粘度計により測定した25℃における値を示す。
物性特性測定法、金型剥離性試験方法、動的疲労耐久性試験方法について下記に示す。
物性特性測定法
シリコーンゴム組成物を165℃、70kgf/cm2、10分間の条件でプレスキュアーを行い、次いで200℃で4時間ポストキュアーを行って硬化させ、JIS K6249:2003に準じて、硬さ(デュロメータA)及び引張り強さを測定した。
金型剥離性試験方法
シリコーンゴム組成物を、図1に示すように、下端面に円錐台形状凸部1aを有する上部ダイ1と、上端面に上記凸部1aが挿入され、シリコーンゴム組成物が充填される凹部2aを有する下部ダイ2とを備えた金型に充填し、165℃、70kgf/cm2、10分間の条件下で加圧成型し、脱型時の応力(離型性)を測定することにより評価した。数値が小さいほど離型性が良好であることを示す。
動的疲労耐久性試験方法
動的疲労耐久性は、以下の方法により測定した。
[打鍵試験方法]
シリコーンゴム組成物を、金型を用いて165℃、70kgf/cm2、10分間の条件でプレス成型し、200℃で4時間ポストキュアーを行って図2に示される形状の成型キーを調製し、この成型キーを固定し、上方より1,200gの荷重をかけ、毎秒3回の速度で打鍵した。
〔成型キーの荷重測定方法〕
荷重測定器(アイコーエンジニアリング(株)製MODEL−1305−DS)を用いてキーの荷重を測定した。キーを押し、変位をかけると、通常、図3で示すクリックパターンが得られる。クリックパターンのF1を、ピーク荷重として測定した。
〔成型キーの打鍵疲労耐久性の評価方法〕
上記打鍵試験方法によって、20万回打鍵前後のピーク荷重変化を、下記式で求めた。
ピーク荷重変化(%)
=[打鍵試験前F1値−打鍵試験後F1値]/打鍵試験前F1値×100
[実施例1]
主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位としてジメチルシロキサン単位99.850モル%とメチルビニルシロキサン単位0.125モル%、分子鎖末端基としてジメチルビニルシロキシ基0.025モル%を含有する平均重合度が約6,000である直鎖状オルガノポリシロキサン(生ゴム)60質量部、主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位としてジメチルシロキサン単位99.475モル%とメチルビニルシロキサン単位0.50モル%、分子鎖末端基としてジメチルビニルシロキシ基0.025モル%を含有する平均重合度が約6,000である直鎖状オルガノポリシロキサン(生ゴム)40質量部、BET比表面積300m2/gのヒュームドシリカ(商品名「アエロジル300」日本アエロジル(株)製)32質量部、分散剤として両末端シラノール基を有し、平均重合度15、25℃における粘度が30mPa・sであるジメチルポリシロキサン6質量部、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン3質量部、直鎖状のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー(商品名「FOMBLIN M07」Solvay Solexis社製、数平均分子量:5,400)0.14質量部をニーダーにて混練りし、170℃にて2時間加熱処理してコンパウンド1を調製した。
上記「コンパウンド1」100質量部に対し、架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.4質量部を添加し、均一に混合してシリコーンゴム組成物1を得た。
該組成物を用いて上述した方法により物性特性測定、金型剥離性試験、動的疲労耐久性試験を行った。これらの測定結果を表1に示す。
[実施例2]
直鎖状のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー(商品名「FOMBLIN M07」)の配合量を0.14質量部ではなく、0.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりコンパウンド2を調製し、シリコーンゴム組成物2を得、上述した方法により物性特性測定、金型剥離性試験、動的疲労耐久性試験を行った。これらの測定結果を表1に示す。
[実施例3]
直鎖状のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーを「FOMBLIN M07」ではなく、「FOMBLIN M15」(Solvay Solexis社製、数平均分子量:9,700)0.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりコンパウンド3を調製し、シリコーンゴム組成物3を得、上述した方法により物性特性測定、金型剥離性試験、動的疲労耐久性試験を行った。これらの測定結果を表1に示す。
[実施例4]
主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位としてジメチルシロキサン単位99.850モル%とメチルビニルシロキサン単位0.125モル%、分子鎖末端基としてジメチルビニルシロキシ基0.025モル%を含有する平均重合度が約6,000である直鎖状オルガノポリシロキサン(生ゴム)60質量部、主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位としてジメチルシロキサン単位99.475モル%とメチルビニルシロキサン単位0.50モル%、分子鎖末端基としてジメチルビニルシロキシ基0.025モル%を含有する平均重合度が約6,000である直鎖状オルガノポリシロキサン(生ゴム)40質量部、BET比表面積300m2/gのヒュームドシリカ(商品名「アエロジル300」日本アエロジル(株)製)32質量部、分散剤として両末端シラノール基を有し、平均重合度15、25℃における粘度が30mPa・sであるジメチルポリシロキサン6質量部、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン3質量部をニーダーにて混練りし、170℃にて2時間加熱処理してコンパウンド4を調製した。
上記「コンパウンド4」100質量部に対し、直鎖状のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー(商品名「FOMBLIN M07」Solvay Solexis社製、数平均分子量:5,400)0.1質量部、架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.4質量部を添加し、均一に混合してシリコーンゴム組成物4を得た。
該組成物を用いて上述した方法により物性特性測定、金型剥離性試験、動的疲労耐久性試験を行った。これらの測定結果を表1に示す。
[実施例5]
直鎖状のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーを「FOMBLIN M07」ではなく、「FOMBLIN Z03」(Solvay Solexis社製、数平均分子量:4,000)0.14質量部に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりコンパウンド5を調製し、シリコーンゴム組成物5を得、上述した方法により物性特性測定、金型剥離性試験、動的疲労耐久性試験を行った。これらの測定結果を表1に示す。
[実施例6]
主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位としてジメチルシロキサン単位99.850モル%とメチルビニルシロキサン単位0.125モル%、分子鎖末端基としてジメチルビニルシロキシ基0.025モル%を含有する平均重合度が約6,000である直鎖状オルガノポリシロキサン(生ゴム)60質量部、主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位としてジメチルシロキサン単位99.475モル%とメチルビニルシロキサン単位0.50モル%、分子鎖末端基としてジメチルビニルシロキシ基0.025モル%を含有する平均重合度が約6,000である直鎖状オルガノポリシロキサン(生ゴム)40質量部、BET比表面積300m2/gのヒュームドシリカ(商品名「アエロジル300」日本アエロジル(株)製)32質量部、分散剤として両末端シラノール基を有し、平均重合度15、25℃における粘度が30mPa・sであるジメチルポリシロキサン6質量部、ビニルトリメトキシシラン1質量部、1N塩酸0.1質量部をニーダーにて混練りし、170℃にて2時間加熱処理してコンパウンド6を調製した。
上記「コンパウンド6」100質量部に対し、直鎖状のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー(商品名「FOMBLIN M07」Solvay Solexis社製、数平均分子量:5,400)0.1質量部、架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.4質量部を添加し、均一に混合してシリコーンゴム組成物6を得た。
該組成物を用いて上述した方法により物性特性測定、金型剥離性試験、動的疲労耐久性試験を行った。これらの測定結果を表1に示す。
[実施例7]
分散剤として両末端シラノール基を有し、平均重合度15、25℃における粘度が30mPa・sであるジメチルポリシロキサン6質量部ではなく、ヘキサメチルジシラザン4質量部と水1質量部に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりコンパウンド7を調製し、シリコーンゴム組成物7を得、上述した方法により物性特性測定、金型剥離性試験、動的疲労耐久性試験を行った。これらの測定結果を表1に示す。
[比較例1]
1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンを添加しない以外は、実施例1と同様の方法によりコンパウンド8を調製し、シリコーンゴム組成物8を得、上述した方法により物性特性測定、金型剥離性試験、動的疲労耐久性試験を行った。これらの測定結果を表2に示す。
[比較例2]
直鎖状のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー「FOMBLIN M07」を添加しない以外は、実施例1と同様の方法によりコンパウンド9を調製し、シリコーンゴム組成物9を得、上述した方法により物性特性測定、金型剥離性試験、動的疲労耐久性試験を行った。これらの測定結果を表2に示す。
[比較例3]
1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンではなく、ヘキサメチルジシラザン3質量部に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりコンパウンド10を調製し、シリコーンゴム組成物10を得、上述した方法により物性特性測定、金型剥離性試験、動的疲労耐久性試験を行った。これらの測定結果を表2に示す。
[比較例4]
直鎖状のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー「FOMBLIN M07」ではなく、トリフルオロメチル基による分岐構造を有するフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー(商品名「FOMBLIN Y15」Solvay Solexis社製、数平均分子量:3,200)0.14質量部に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりコンパウンド11を調製し、シリコーンゴム組成物11を得、上述した方法により物性特性測定、金型剥離性試験、動的疲労耐久性試験を行った。これらの測定結果を表2に示す。
[比較例5]
直鎖状のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー「FOMBLIN M07」を添加しない以外は、実施例7と同様の方法によりコンパウンド12を調製し、シリコーンゴム組成物12を得、上述した方法により物性特性測定、金型剥離性試験、動的疲労耐久性試験を行った。これらの測定結果を表2に示す。
Figure 2020037629
Figure 2020037629
1 上部ダイ
2 下部ダイ

Claims (6)

  1. (A)下記平均組成式(1)
    1 aSiO(4-a)/2 (1)
    (式中、R1は同一又は異なり、非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは1.95〜2.04の正数である。)
    で表され、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する重合度が100以上のオルガノポリシロキサン: 100質量部、
    (B)BET法による比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ: 10〜100質量部、
    (C)ビニル基含有オルガノシラザン及び/又はビニル基含有アルコキシシラン: 0.1〜10質量部、
    (D)塩酸: 塩酸中の塩化水素の量として0〜0.2質量部、
    (E)直鎖状のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー: 0.01〜5質量部、
    (F)硬化剤: 硬化有効量
    を含有することを特徴とするキーパッド作製用シリコーンゴム組成物。
  2. (A)成分のオルガノポリシロキサンが、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基,ジメチルビニルシロキシ基,ジメチルヒドロキシシロキシ基,メチルジビニルシロキシ基,トリビニルシロキシ基で封鎖されたものである請求項1記載のキーパッド作製用シリコーンゴム組成物。
  3. (B)成分の補強性シリカが、未処理シリカである請求項1又は2記載のキーパッド作製用シリコーンゴム組成物。
  4. (E)成分の直鎖状のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーが、下記構造で表されるものである請求項1〜3のいずれか1項に記載のキーパッド作製用シリコーンゴム組成物。
    CF3O(CF2O)m(CF2CF2O)nCF3
    (式中、m、nは上記数平均分子量を満足する数であり、かつ、40≦m+n≦180、0.5≦n/m≦2である。)
    F(CF2CF2CF2O)n’CF2CF3
    (式中、n’は上記数平均分子量を満足する数である。)
  5. (F)成分の硬化剤が、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとヒドロシリル化触媒との組み合わせ、又は有機過酸化物である請求項1〜4のいずれか1項に記載のキーパッド作製用シリコーンゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリコーンゴム組成物の硬化成型物からなるキーパッド。
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