JP2020037310A - 車両前部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】衝突形態が異なる場合にも、アクセルペダルを前方に移動させることができる車両前部構造を実現する。【解決手段】一対のフロントサイドメンバと、両フロントサイドメンバに結合されるエンコパクロス32と、エンコパクロス32の後方に設けられるダッシュパネル44と、ダッシュパネル44に結合されるトンネルリインフォースメントと、ダッシュパネル44に取り付けられるアクセルペダル支持部48bとを備える。エンコパクロス32は、後面に、後方に突起した第1凸部32aと、第2凸部を有している。第1凸部32aは、ダッシュパネル44におけるアクセルペダル支持部48bの上端より上方の部位と対向しており、第2凸部は、ダッシュパネル44におけるトンネルリインフォースメントとの結合部付近と対向している。【選択図】図2

Description

本発明は、エンコパクロスとダッシュパネルとを含む車両前部構造に関する。
車両では、車室空間とエンジンコンパートメント空間を仕切るダッシュパネルに、アクセルペダル支持部を取り付ける場合がある。
下記特許文献1には、電動車両におけるアクセルペダルの構造が開示されている。
下記特許文献2には、アクセルペダル支持部を、上部結合ブラケットと下部結合ブラケットの二つによって形成し、それぞれをダッシュパネルに取り付ける構成が開示されている。エンジンの後部には、後方に突起した凸部が設けられており、車両の衝突時には、ダッシュパネルの上部結合ブラケット付近に凸部がぶつかることにより、アクセルペダルを前方に移動させる構成が記載されている。
特開2001−225665号公報 特開2005−096513号公報
一般に、衝突形態の違い(フルラップ正面衝突、オフセット衝突など)によって、車両前方の変形の方向が変化する。
上記特許文献1の構成では、衝突形態によっては、エンジンが想定とは異なる方向に移動し、凸部が上部結合ブラケット付近にぶつからないことが考えられる。
本発明の目的は、衝突形態が異なる場合にも、アクセルペダルを前方に移動させることが可能な車両前部構造を実現することにある。
本発明にかかる車両前部構造は、車両前部の両側方に配置された一対のフロントサイドメンバと、前記一対のフロントサイドメンバの間に配置され、当該フロントサイドメンバに結合されたエンコパクロスと、前記エンコパクロスの後方に設けられ、車室との隔壁を構成するダッシュパネルと、前記ダッシュパネルに結合されたトンネルリインフォースメントと、前記ダッシュパネルに取り付けられたアクセルペダル支持部と、を備え、前記エンコパクロスは、その後面に、後方に突起する第1凸部及び第2凸部を有しており、前記第1凸部は、前記ダッシュパネルにおける前記アクセルペダル支持部の上端より上方の部位と対向しており、前記第2凸部は、前記ダッシュパネルにおける前記トンネルリインフォースメントの結合部付近と対向している。
本発明によれば、異なる衝突形態においても、安定的にアクセルペダルの移動を制御して、運転者の足とアクセルペダルが接触することを防止または抑制することができる。
実施形態にかかる車両前部構造の平面図である。 図1のAA面におけるダッシュパネル付近の側端面図である。 オフセット衝突時の車両前部構造の平面図である。 オフセット衝突時のダッシュパネル付近の側端面図である。 フルラップ正面衝突時の車両前部構造の簡略的な平面図である。 参考形態にかかるダッシュパネル付近の側端面図である。 別の参考形態にかかるダッシュパネル付近の側端面図である。 さらに別の参考形態にかかるダッシュパネル付近の側端面図である。
以下に、図面を参照しながら、実施形態について説明する。説明においては、理解を容易にするため、具体的な態様について示すが、これらは実施形態を例示するものであり、他にも様々な実施形態をとることが可能である。
図1は、実施形態にかかる電動車両の車両前部構造10を示す平面図である。図中に示した座標系において、F軸は車両前方向の軸であり、R軸は搭乗者からみて右方向の軸であり、U軸は鉛直上方向の軸である(以下の図でも同様)。
車両前部構造10では、両サイドに右車輪12aと左車輪12bが設けられている。これらの車輪は、連結部材を介して、サスペンションメンバ14に取り付けられている。サスペンションメンバ14の両サイドには、右サスペンション16aと左サスペンション16bが取り付けられている。
サスペンションメンバ14の上方には、両サイドに主要な構造部材である右フロントサイドメンバ18aと左フロントサイドメンバ18b(これらを併せてフロントサイドメンバ18と呼ぶ場合がある)が設けられている。右フロントサイドメンバ18a及び左フロントサイドメンバ18bの前端には、それぞれ衝撃吸収部である右クラッシュボックス20aと左クラッシュボックス20bが溶接等により結合されている。また右フロントサイドメンバ18a及び左フロントサイドメンバ18bの車幅方向外側には、それぞれ右三角ガゼット21aと左三角ガゼット21bが溶接固定されている。そして、右クラッシュボックス20aと左クラッシュボックス20bの前方には、車両の幅方向に延びる第1バンパリインフォースメント22がボルト締結等によって結合されている。また、第1バンパリインフォースメント22の下方には、第2バンパリインフォースメント24も取り付けられている。第1バンパリインフォースメント22及び第2バンパリインフォースメント24は、前方からの衝撃を受け止めるとともに、右フロントサイドメンバ18aと左フロントサイドメンバ18bへと伝達する部材である。
右フロントサイドメンバ18a及び左フロントサイドメンバ18bの前端付近の内側には、ラジエータサポート26が溶接等により取り付けられている。ラジエータサポート26には、図示を省略したラジエータがボルト締結される。また、右フロントサイドメンバ18a及び左フロントサイドメンバ18bの中央付近における両サイド側には、それぞれ右エプロンアッパメンバ30aと左エプロンアッパメンバ30bが結合されている。右エプロンアッパメンバ30a及び左エプロンアッパメンバ30bは、前方から受けた荷重をそれぞれ右Aピラー31a及び左Aピラー31bに伝達する。
右フロントサイドメンバ18a及び左フロントサイドメンバ18bの中央付近の内側には、これら一対のフロントサイドメンバ18に結合されたエンコパクロス32が設けられている。結合は、例えば、ボルト締結、あるいは、溶接により行われる。エンコパクロス(エンジンコンパートメントクロス)32は、中央が空洞である環状の部材であり、フロントサイドメンバ18の間を繋ぐ構造部材である。図示した電動車両には、エンジンは搭載されていないが、慣例的に車両前部の空間をエンジンルームまたはエンジンコンパートメントと呼ぶ場合がある。エンコパクロス32は、このエンジンコンパートメントに設けられた車幅方向に延びるクロス部材であることから、このように名付けられている。エンコパクロス32は、その後面に、後方に突起した第1凸部32aと第2凸部32bを有している。第1凸部32aと第2凸部32bは、図1の平面図でみた場合には、ダッシュパネル44と対面している。具体的には、第1凸部32aは、後述するアクセルペダル支持部48bの前方に設けられており、第2凸部32bは、トンネルパネル40の周囲のトンネルリインフォースメント50の前方に設けられている。
エンコパクロス32の中央付近には、マウント部材33a、33bが取り付けられている。そして、このマウント部材33a、33bには、図示を省略した駆動用モータが取り付けられる。駆動用モータが出力する回転トルクは、図示を省略した回転動力伝達機構を通じて右車輪12a及び左車輪12bに伝えられる。エンコパクロス32は、右取付部材34a及び左取付部材34bを用いて、右フロントサイドメンバ18a及び左フロントサイドメンバ18bに結合されている。
右フロントサイドメンバ18a及び左フロントサイドメンバ18bの後端は、それぞれ車両中央部における主要な構造部材である右サイドメンバ36a及び左サイドメンバ36bに溶接によって結合されている。右サイドメンバ36a及び左サイドメンバ36bには、車室の下面を構成するフロアパネル38が溶接等によって取り付けられている。フロアパネル38の車幅方向中央付近には、フロアパネル38の上側にトンネルパネル40が設けられている。トンネルパネル40は、フロアパネル38との間に中空のトンネル空間を形成する部材であり、トンネル内にはバッテリからエンジンコンパートメントに向かう電源ケーブルなどが設置される。トンネルパネル40の両サイドには、右トンネルサイドリインフォースメント42aと左トンネルサイドリインフォースメント42bが設けられ、トンネルパネル40の両サイドと結合されている。右トンネルサイドリインフォースメント42aと左トンネルサイドリインフォースメント42bの前端は、図示を省略したダッシュクロスと、溶接等により結合されている。ダッシュクロスは、車幅方向に延びた構造部材である。ダッシュクロスには、フロアパネル38の前端が溶接等により結合されている。また、ダッシュクロスは、アーチ状のトンネルリインフォースメント50と溶接等により結合されている。トンネルリインフォースメント50には、トンネルパネル40が溶接等によって結合される。
ダッシュパネル44は、車室とエンジンコンパートメントとを仕切る板状の部材である。ダッシュパネル44の下端は、ダッシュクロス及びトンネルリインフォースメント50に溶接等により結合されている。トンネルリインフォースメント50とダッシュクロスの間の部分には、ダッシュパネル44は設けられておらず、トンネルへと続く孔部が形成されている。
この電動車両は、左ハンドルの車両であり、運転者はトンネルパネル40よりも車両左側に設けられる運転席に着座して、運転を行う。図には、運転者の右足に履かれた右靴46が図示してある。右靴46は踏み面であるアクセルペダル48aに載せられており、アクセルペダル48aを支えるアクセルペダル支持部48bはダッシュパネル44の下部におけるトンネルパネル40寄りの位置に取り付けられている。
図2は、図1におけるAA面の端面図である。図の中央には、ダッシュパネル44が鉛直方向に延びている。ダッシュパネル44は、図2においては、簡略化してほぼ平坦な一枚の金属板として図示しているが、実際には、複数の部位で段差構造が形成され、また、二重化されるなどして強化されている。
ダッシュパネル44の下部には、アクセルペダル支持部48bがボルト締結等により取り付けられている。ダッシュパネル44のアクセルペダル支持部48bに面した部分は、アクセルペダル取付部52と呼ぶものとする。アクセルペダル支持部48bからはアクセルペダル48aが延びており、運転者の右足の右靴46を通じて操作される。ダッシュパネル44の下端には、ダッシュクロス54が設けられている。ダッシュクロス54は、車幅方向に延びる部材であり、ダッシュパネル44が溶接等により結合され、またフロアパネル38も溶接等により結合されている。なお、参考として、図2には、このAA面よりも奥側に存在するトンネルパネル40の上端を点線によって記している。トンネルパネル40とダッシュパネル44との結合箇所には、アーチ状のトンネルリインフォースメント50が設けられており、図2には、参考としてその上端部分を点線で示している。
ダッシュクロス54の下方には、サスペンションメンバ14が位置している。サスペンションメンバ14は、折り曲げた複数の金属板を組み合わせて、閉じ断面として形成されている。
ダッシュパネル44の前方には、エンコパクロス32が位置している。エンコパクロス32も、折り曲げた複数の金属板を組み合わせることで、閉じ断面に形成されている。エンコパクロス32の後面は、後方に突起した第1凸部32aとなっている。この第1凸部32aとダッシュパネル44の水平方向の対面関係を見た場合、第1凸部32aは、ダッシュパネル44におけるアクセルペダル取付部52の上端よりも上側の部分に面した状態にある。
エンコパクロス32の上方には、エンコパクロス32にボルト締結等により取り付けられたPCU(パワーコントロールユニット)53が位置している。また、エンコパクロス32の下方には、エンコパクロス32にボルト締結等により取り付けられた駆動モータ55が位置している。PCU53は、電力変換回路群と、それを格納するケースによって形成されている。PCU53では、バッテリから供給される直流電力を交流電力に変換して駆動モータ55に供給している。また、駆動モータ55は、モータ本体と、それを取り囲むモータケースによって形成されている。駆動モータ55では、PCU53から電力供給を受けて、駆動トルクを生成している。PCU53の後面及び駆動モータ55の後面は、エンコパクロス32の第1凸部32aよりも前方に位置している。
続いて、図3を参照して、電動車両のオフセット衝突試験をシミュレーションした結果について説明する。図3は、図1に対応した平面図であり、オフセット衝突の途中過程を示している。なお、図3においては、図1に対応する構成には、同一の符号を付して説明を省略ないしは簡略化する。
オフセット衝突試験は、時速64kmで、アルミハニカム製のバリアに、運転席側の車幅方向40%の部分が正面衝突させられる。この結果、図3に示すように、運転席側の前方が激しく破壊されている。
具体的には、まず、車両前方の第1バンパリインフォースメント22がバリアの形状に追従するように折り曲げられる。その下方の第2バンパリインフォースメント24、及び、ラジエータサポート26でも折れ曲がりが生じている。第1バンパリインフォースメント22及び第2バンパリインフォースメント24では、特に車両の左側部分が後方向きの大きな荷重を受けており、その背後にある左クラッシュボックス20bは、圧縮方向の塑性変形を起こして衝撃を吸収している。荷重は左クラッシュボックス20bから左フロントサイドメンバ18bの前端に伝達される。
左フロントサイドメンバ18bでは、後ろ向きの荷重を受ける一方で、左クラッシュボックス20bから左三角ガゼット21bを通じて、車幅方向内向きの荷重の入力を受ける。この結果、左フロントサイドメンバ18bは、内側に曲げられ、かつ、後ろ向きの荷重を受けることになり、内折れを起こす。左フロントサイドメンバ18bの塑性変形の過程で、左車輪12bがパンクし、左サスペンション16bも破損している。
左フロントサイドメンバ18bは、エンコパクロス32にも荷重を伝達している。左三角ガゼット21bから入力された内向きの荷重は、エンコパクロス32を介して、逆サイドの右フロントサイドメンバ18aに伝達される。これにより、電動車両全体が右側に押されるような力を受けて、バリアから遠ざかる動きを起こす。左フロントサイドメンバ18bが、車両後方に向かう荷重を受けて折れ曲がることで、エンコパクロス32は、車両後方に向かって動くことになる。他方、エンコパクロス32は、右フロントサイドメンバ18a側では、元の位置からあまり動かない。このため、エンコパクロス32は、左フロントサイドメンバ18bの側のみが後退した斜めの状態となり、後面に設けられた第1凸部32a付近がダッシュパネル44に衝突し、ダッシュパネル44を後ろ向きに変形させている。
詳細には、第1凸部32aは、図3に示した平面図で見た場合、アクセルペダル取付部52付近からトンネルパネル40の接続部付近にかけて、ダッシュパネル44に衝突している。ダッシュパネル44とトンネルパネル40の接続部付近には、トンネルリインフォースメント50が設けられているため、ダッシュパネル44の変形が比較的抑制されている。また、ダッシュパネル44が変形するまでの過程で、車両前部構造10は大きな塑性変形を起こしており、衝撃エネルギの大半を吸収している。このため、ダッシュパネル44の変形は比較的軽微であり、車室への影響は小さい。
図4は、図2に対応した端面図であり、図3に示した時点よりも若干後の時間において、ダッシュパネル44の変形がほぼ終了した状態を示している。図4においては、図2に対応する構成には、同一の符号を付して説明を省略ないしは簡略化する。
エンコパクロス32の第1凸部32aは、ダッシュパネル44に衝突して、ダッシュパネル44を後方に押し込んでいる。第1凸部32aの衝突位置は、アクセルペダル取付部52の上端よりも上方である。この付近は、構造部材であるトンネルリインフォースメント50に近く、ダッシュパネル44の変形が抑制される。しかし、第1凸部32aの勢いによって、ダッシュパネル44は及びトンネルパネル40は、後方に若干押し込まれている。
図4に示した変形では、ダッシュパネル44には、PCU53は接触していない。また、駆動モータ55も、衝突の影響で下方に傾いているが、ダッシュパネル44には接触していない。さらに、サスペンションメンバ14も、ダッシュパネル44及びフロアパネル38に接触していない。そして、ダッシュパネル44及びフロアパネル38は、両者が接続された構造部材であるダッシュクロス54があることで、あまり変形していない。このためダッシュパネル44は、ダッシュクロス54よりも上で、かつ、アクセルペダル取付部52よりも下の位置で、後方に折り返されるように変形している。
ダッシュパネル44の変形により、アクセルペダル取付部52は、オーバーハングした状態になっている。そして、アクセルペダル取付部52に取り付けられたアクセルペダル支持部48bもオーバーハングした状態になっている。この結果、アクセルペダル48aは、相対的に前方に移動しており、運転者の右足が履いている右靴46から遠ざかっている。衝突時に運転者の右足が動く可能性もあるが、アクセルペダル48aを前方に移動させることで、運転者の右足がアクセルペダル48aと接触することを防止あるいは抑制することができている。
次に、図5を参照して、電動車両のフルラップ正面衝突試験のシミュレーション結果について説明する。図5は、図1に対応した平面図であり、フルラップ正面衝突の途中過程を示している。ただし、説明の簡略化のため、フロントサイドメンバ18を含む多くの部材の図示を省略している。また、図1に対応する部材には、同一の符号を付して説明を省略ないしは簡略化する。
フルラップ正面衝突試験では、電動車両が、時速55kmで、正面に位置するコンクリート製バリアに全面的に衝突される。この結果、右フロントサイドメンバ18a及び左フロントサイドメンバ18bは、どちらも内折れするとともに、後方に移動する。この結果、エンコパクロス32は、いずれのサイド側にも傾くことなく、後方に向けてほぼ平行移動する。そして、エンコパクロス32の後面にある第1凸部32a及び第2凸部32bは、いずれもダッシュパネル44に衝突している。
詳細には、図5の平面図において、第1凸部32aは、アクセルペダル取付部52付近に衝突している。このため、図3及び図4に示したオフセット衝突試験と同様に、アクセルペダル48aは、相対的に前方に移動することになる。また、第2凸部32bは、トンネルパネル40の取付部付近に衝突している。この付近は、トンネルリインフォースメント50で強化されているため、ダッシュパネル44の変形を相対的に抑制している。したがって、フルラップ正面衝突が発生した場合にも、運転者の右足がアクセルペダル48aと接触することを防止あるいは抑制することができている。
このように、本実施形態では、フルラップ正面衝突及びオフセット衝突の両方の場合において、アクセルペダル48aが前方に移動するように、第1凸部32aと第2凸部32bを設ける位置が設定されている。具体的には、第1凸部32aは、ダッシュパネル44におけるアクセルペダル支持部48bの上端より上方の部位と対向する位置(上述のような作用を生じさせる範囲として定義される)に設定され、第2凸部32bは、ダッシュパネル44におけるトンネルリインフォースメント50の結合部付近(上述のような作用を生じさせる範囲として定義される)と対向している。
続いて、図6〜図8を参照して、参考形態について説明する。これらの図は、図2に対応する図であり、同一の構成には同一の符号を付して説明を簡略化する。
図6の参考形態では、ダッシュパネル44及びそれより後方の車室側の構成は、図2と同様である。しかし、図6では、エンコパクロス60の設置位置が、図2に示したエンコパクロス32よりも若干低くなっている。このため、エンコパクロス60がダッシュパネル44のアクセルペダル取付部52に衝突して、アクセルペダル支持部48b及びアクセルペダル48aを、後方に移動させてしまうことが考えられる。
そこで、エンコパクロス60の後面には、後方に向かう突起(実施形態における第1凸部32a及び第2凸部32b)を設けておらず、その下に位置する駆動モータ64の後面と同程度の位置に配置されている。しかし、エンコパクロス60の上方に設けたPCU62aは、エンコパクロス60の後面及び駆動モータ64の後面よりも後方に突起した凸部62aとして形成されている。このため、オフセット衝突時及びフルラップ正面衝突時には、凸部62aが、アクセルペダル取付部52の上端よりも上方で、かつトンネルリインフォースメント50付近に衝突する。したがって、トンネルリインフォースメント50によるダッシュパネル44の変形抑制と、アクセルペダル48aの前方移動とを実現することが可能である。
図7の参考形態では、エンコパクロス70の設置位置が図2に示した例に比べて、若干高くなっている。そこで、この参考形態では、駆動モータ74の後面上部に凸部74aが設けられている。そして、エンコパクロス70及びPCU72の後面は、この凸部74aよりも前方に配置されている。
この参考形態では、オフセット衝突時及びフルラップ正面衝突時には、凸部74aが
アクセルペダル取付部52の上端よりも上方に衝突する。また、この付近には、トンネルリインフォースメント50が設けられている。したがって、トンネルリインフォースメント50によるダッシュパネル44の変形抑制と、アクセルペダル48aの前方移動とを実現することが可能である。
図8の参考形態では、エンコパクロス80の後面、PCU82の後面及び駆動モータ84の後面は、いずれも後方に突起しておらず、全体としてフラットな形状に構成されている。しかし、ダッシュパネル44の前面には、アクセルペダル取付部52より上方において、前方に突起した凸部86が設けられている。凸部86が設けられた位置は、トンネルリインフォースメント50に近接した部分である。
この参考形態では、オフセット衝突時及びフルラップ正面衝突時には、エンコパクロス80の後面、PCU82の後面及び駆動モータ84の後面のいずれかが、ダッシュパネル44の凸部86に衝突する。したがって、トンネルリインフォースメント50によるダッシュパネル44の変形抑制と、アクセルペダル48aの前方移動とを実現することが可能である。
以上の実施形態及び参考形態においては、電動車両を例にあげて説明した。しかし、同様の効果が得られるように構成されるのであれば、エンジン車、ハイブリッド車などであってもよい。また、エンコパクロスは、フロントサイドメンバ間に設けられたクロス部材であればよく、形状は環状に限られず、例えば棒状の部材であってもよい。エンコパクロスに搭載等される部品も、駆動モータ、PCUなどに限られず、エンジン、充電器、空調機コンプレッサ、水加熱ヒータなど様々な部品とすることが可能である。
10 車両前部構造、12a 右車輪、12b 左車輪、14 サスペンションメンバ 16a 右サスペンション、16b 左サスペンション、18 フロントサイドメンバ、18a 右フロントサイドメンバ、18b 左フロントサイドメンバ、20a 右クラッシュボックス、20b 左クラッシュボックス、21a 左三角ガゼット、21b 右三角ガゼット、22 第1バンパリインフォースメント 24 第2バンパリインフォースメント、26 ラジエータサポート、30a 右荷重伝達メンバ、30b 左荷重伝達メンバ、31a 右Aピラー、31b 左Aピラー、32 エンコパクロス、32a 第1凸部、32b 第2凸部、33a、33b マウント部材、34a 右取付部材、34b 左取付部材、36a 右サイドメンバ、36b 左サイドメンバ、38 フロアパネル、40 トンネルパネル、42a 右トンネルサイドリインフォースメント、42b 左トンネルサイドリインフォースメント、44 ダッシュパネル、46 右靴、48a アクセルペダル、48b アクセルペダル支持部、50 トンネルリインフォースメント、52 アクセルペダル取付部、54 ダッシュクロス、55 駆動モータ、60 エンコパクロス、62a 凸部、64 駆動モータ、70 エンコパクロス、74 駆動モータ、74a 凸部、80 エンコパクロス、84 駆動モータ、86 凸部。

Claims (1)

  1. 車両前部の両側方に配置された一対のフロントサイドメンバと、
    前記一対のフロントサイドメンバの間に配置され、当該フロントサイドメンバに結合されたエンコパクロスと、
    前記エンコパクロスの後方に設けられ、車室との隔壁を構成するダッシュパネルと、
    前記ダッシュパネルに結合されたトンネルリインフォースメントと、
    前記ダッシュパネルに取り付けられたアクセルペダル支持部と、
    を備え、
    前記エンコパクロスは、その後面に、後方に突起する第1凸部及び第2凸部を有しており、
    前記第1凸部は、前記ダッシュパネルにおける前記アクセルペダル支持部の上端より上方の部位と対向しており、
    前記第2凸部は、前記ダッシュパネルにおける前記トンネルリインフォースメントの結合部付近と対向している、ことを特徴とする車両前部構造。
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