JP2020034546A - 測定装置および測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】周波数シフト帰還レーザを用いた測定装置において、スループットの低減を抑制しつつ測定精度を向上させる。【解決手段】周波数変調レーザ光を出力するレーザ装置110と、周波数変調レーザ光を参照光および測定光に分岐させる分岐部120と、測定光を計測対象物に照射して反射された反射光と、参照光とを混合してビート信号を発生させるビート信号発生部150と、ビート信号を第1周波数でサンプリングして生成した第1サンプリングデータと、ビート信号をレーザ共振器の共振周波数を正の整数で割った第2周波数でサンプリングして生成した第2サンプリングデータとを周波数解析して、参照光と測定光との伝搬距離の差を検出する検出部160と、を備え、第1周波数は、レーザ共振器の共振周波数と等しい周波数か、または、レーザ共振器の共振周波数の2倍以上の周波数である、測定装置および測定方法を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、測定装置および測定方法に関する。
共振器内に周波数シフタが設けられ、時間の経過とともに発振周波数が線形に変化する複数の縦モードレーザを出力する周波数シフト帰還レーザ(FSFL:Frequency Shifted Feedback Laser)が知られている。また、このような周波数シフト帰還レーザを用いた光学式の距離計が知られている(例えば、特許文献1および非特許文献1を参照)。
特許第3583906号明細書
原武文,「FSFレーザによる距離センシングとその応用」,オプトニューズ,Vol.7,No.3,2012年,pp.25−31
周波数シフト帰還レーザを用いた光学式距離計は、非接触で大量の三次元情報を取得可能であり、例えば、設計および生産現場等で用いられてきた。このような光学式距離計は、スループットの低減を抑制しつつ、より高精度に測定できることが望まれていた。
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、周波数シフト帰還レーザを用いた測定装置において、スループットの低減を抑制しつつ測定精度を向上させることを目的とする。
本発明の第1の態様においては、周波数シフタと増幅媒体とを含むレーザ共振器を有し、複数のモードの周波数変調レーザ光を出力するレーザ装置と、前記レーザ装置が出力する前記周波数変調レーザ光の一部を参照光とし、残りの少なくとも一部を測定光として分岐させる分岐部と、前記測定光を計測対象物に照射して反射された反射光と、前記参照光とを混合してビート信号を発生させるビート信号発生部と、前記ビート信号を第1周波数でサンプリングして生成した第1サンプリングデータと、前記ビート信号を前記レーザ共振器の共振周波数を正の整数で割った第2周波数でサンプリングして生成した第2サンプリングデータとを周波数解析して、前記参照光と前記測定光との伝搬距離の差を検出する検出部と、を備え、前記第1周波数は、前記レーザ共振器の共振周波数と等しい周波数か、または、前記レーザ共振器の共振周波数の2倍以上の周波数である、測定装置を提供する。
前記ビート信号発生部は、前記反射光および前記参照光を直交検波してもよい。前記検出部は、前記第1周波数を用いて検出可能な第1周波数帯域を、前記第2周波数を用いて検出する第2周波数帯域幅の複数の帯域に分割し、前記ビート信号が、分割した複数の帯域のうちいずれの帯域に発生した信号成分であるのかを判定してもよい。
前記検出部は、前記第1サンプリングデータを周波数解析した周波数分解能よりも前記第2サンプリングデータを周波数解析した周波数分解能が高くなるように、前記ビート信号を前記第1周波数および前記第2周波数を用いてそれぞれ異なるサンプリング時間でサンプリングしてもよい。
前記検出部は、前記第1サンプリングデータと比較してより少ないデータ数の前記第2サンプリングデータを用いて周波数解析してもよい。前記レーザ装置は、前記レーザ共振器内に遅延量可変型の光遅延部を含んでもよい。
前記検出部は、前記第2サンプリングデータの周波数解析において、1つの線スペクトルの線幅が閾値を超えたことに応じて、遅延量を調整するための制御信号を前記光遅延部に送信してもよい。
本発明の第2の態様においては、周波数シフタと増幅媒体とを含むレーザ共振器を有するレーザ装置から複数のモードの周波数変調レーザ光を出力するステップと、前記周波数変調レーザ光の一部を参照光とし、残りの少なくとも一部を測定光として分岐させるステップと、前記測定光を計測対象物に照射して反射された反射光と、前記参照光とを混合してビート信号を発生させるステップと、前記ビート信号を前記レーザ共振器の共振周波数と等しい周波数か、または、前記レーザ共振器の共振周波数の2倍以上の周波数の第1周波数でサンプリングして、第1サンプリングデータを生成するステップと、前記ビート信号を前記レーザ共振器の共振周波数を正の整数で割った第2周波数でサンプリングして、第2サンプリングデータを生成するステップと、前記第1サンプリングデータおよび前記第2サンプリングデータの周波数解析結果に基づき、前記参照光と前記測定光との伝搬距離の差を検出するステップと、を備える、測定方法を提供する。
前記測定方法は、前記第1サンプリングデータに基づき、前記第1周波数を用いて検出可能な第1周波数帯域を、前記第2周波数を用いて検出する第2周波数帯域幅の複数の帯域に分割し、前記ビート信号が分割した複数の帯域のうちいずれの帯域に発生した信号成分であるのかを判定するステップをさらに備えてもよい。
前記レーザ装置は、前記レーザ共振器内に遅延量可変型の光遅延部を含み、前記測定方法は、前記レーザ共振器の共振周波数および前記第2周波数が予め定められた関係となるように、前記光遅延部の遅延量を調整するステップをさらに備えてもよい。
本発明によれば、周波数シフト帰還レーザを用いた測定装置において、スループットの低減を抑制しつつ測定精度を向上させるという効果を奏する。
本実施形態に係る測定装置100の構成例を計測対象物10と共に示す。 本実施形態に係るレーザ装置110の構成例を示す。 本実施形態に係るレーザ装置110が出力するレーザ光の一例を示す。 本実施形態に係る測定装置100が検出するビート信号の周波数と、光ヘッド部140および計測対象物10の間の距離dとの関係の一例を示す。 本実施形態に係るビート信号発生部150および検出部160の構成例を示す。 本実施形態に係るビート信号発生部150および検出部160の直交検波の概略の一例を示す。 本実施形態に係る検出部160のアンダーサンプリングの概略の一例を示す。 本実施形態に係る検出部160がアンダーサンプリングを実行した結果の第1の例を示す。 本実施形態に係る検出部160がアンダーサンプリングを実行した結果の第2の例を示す。 本実施形態に係る測定装置100の動作フローの一例を示す。 本実施形態に係るレーザ装置110の構成の変形例を示す。
[測定装置100の構成例]
図1は、本実施形態に係る測定装置100の構成例を計測対象物10と共に示す図である。測定装置100は、当該測定装置100および計測対象物10の間の距離を光学的に測定する。また、測定装置100は、計測対象物10に照射するレーザ光の位置を走査して、計測対象物10の三次元的な形状を計測してもよい。測定装置100は、レーザ装置110と、分岐部120と、光サーキュレータ130と、光ヘッド部140と、ビート信号発生部150と、検出部160と、表示部170を備える。
レーザ装置110は、レーザ共振器を有し、複数のモードの周波数変調レーザ光を出力する。レーザ装置110は、共振器内に周波数シフタが設けられ、時間の経過とともに発振周波数が線形に変化する複数の縦モードレーザを出力する。レーザ装置110は、一例として、周波数シフト帰還レーザである。周波数シフト帰還レーザについては後述する。
分岐部120は、レーザ装置110が出力する周波数変調レーザ光の一部を参照光とし、残りの少なくとも一部を測定光として分岐させる。分岐部120は、一例として、光ファイバ型の光カプラである。図1の例において、分岐部120は、測定光を光サーキュレータ130に供給し、参照光をビート信号発生部150に供給する。
光サーキュレータ130は、複数の入出力ポートを有する。光サーキュレータ130は、例えば、一のポートに入力した光を次のポートから出力させ、当該次のポートから入力する光を更に次のポートから出力させる。図1は、光サーキュレータ130が3つの入出力ポートを有する例を示す。この場合、光サーキュレータ130は、分岐部120から供給される測定光を光ヘッド部140に出力する。また、光サーキュレータ130は、光ヘッド部140から入力する光をビート信号発生部150へと出力する。
光ヘッド部140は、光サーキュレータ130から入力する光を計測対象物10に向けて照射する。光ヘッド部140は、一例として、コリメータレンズを有する。この場合、光ヘッド部140は、光ファイバを介して光サーキュレータ130から入力する光をコリメータレンズでビーム状に調節してから出力する。
また、光ヘッド部140は、計測対象物10に照射した測定光の反射光を受光する。光ヘッド部140は、受光した反射光をコリメータレンズで光ファイバに集光して光サーキュレータ130に供給する。この場合、光ヘッド部140は、共通の1つのコリメータレンズを有し、当該コリメータレンズが、測定光を計測対象物10に照射し、また、計測対象物10からの反射光を受光してよい。なお、光ヘッド部140および計測対象物10の間の距離をdとする。
これに代えて、光ヘッド部140は、集光レンズを有してもよい。この場合、光ヘッド部140は、光ファイバを介して光サーキュレータ130から入力する光を計測対象物10の表面に集光する。そして、光ヘッド部140は、計測対象物10の表面で反射した反射光の少なくとも一部を受光する。光ヘッド部140は、受光した反射光を集光レンズで光ファイバに集光して光サーキュレータ130に供給する。この場合においても、光ヘッド部140は、共通の1つの集光レンズを有し、当該集光レンズが、測定光を計測対象物10に照射し、また、計測対象物10からの反射光を受光してよい。
ビート信号発生部150は、測定光を計測対象物に照射して反射された反射光を光サーキュレータ130から受けとる。また、ビート信号発生部150は、分岐部120から参照光を受けとる。ビート信号発生部150は、反射光および参照光を混合してビート信号を発生させる。ビート信号発生部150は、例えば、光電変換素子を有し、ビート信号を電気信号に変換して出力する。
ここで、反射光は、光ヘッド部140から計測対象物10までの距離を往復しているので、参照光と比較して少なくとも距離2dに応じた伝搬距離の差が生じることになる。レーザ装置110が出力する光は、時間の経過とともに発振周波数が線形に変化するので、参照光および反射光の発振周波数は、当該伝搬距離の差に対応する伝搬遅延に応じた周波数差が生じる。ビート信号発生部150は、このような周波数差に対応するビート信号を発生させる。
検出部160は、ビート信号発生部150が発生させたビート信号を周波数解析して、参照光と測定光との伝搬距離の差を検出する。検出部160は、異なるサンプリング周波数でビート信号をサンプリングして、ビート信号を周波数解析する。検出部160の周波数解析については後述する。
表示部170は、検出部160の解析結果を表示する。表示部170は、ディスプレイ等を有し、検出結果を表示してよい。また、表示部170は、記憶部等に解析結果を記憶させてもよい。
以上の測定装置100は、計測対象物10に照射した測定光の反射光と、参照光との間の周波数差を解析することにより、測定装置100および計測対象物10の間の距離を測定可能とする。即ち、測定装置100は、非接触および非破壊の光学式距離計を構成できる。測定装置100のより詳細な構成について次に説明する。
[レーザ装置110の構成例]
図2は、本実施形態に係るレーザ装置110の構成例を示す。図2のレーザ装置110は、周波数シフト帰還レーザの一例を示す。レーザ装置110は、レーザ共振器を有し、当該レーザ共振器内でレーザ光を発振させる。レーザ装置110のレーザ共振器は、周波数シフタ112と、増幅媒体114と、WDMカプラ116と、ポンプ光源117、出力カプラ118とを含むレーザ共振器を有する。
周波数シフタ112は、入力する光の周波数を略一定の周波数だけシフトする。周波数シフタ112は、一例として、音響光学素子を有するAOFS(Acousto-Optic Frequency Shifter)である。ここで、周波数シフタ112による周波数シフト量を+νとする。即ち、周波数シフタ112は、共振器を周回する光の周波数を、1周回毎にνだけ周波数が増加するようにシフトさせる。
増幅媒体114は、ポンプ光が供給され、入力光を増幅する。増幅媒体114は、一例として、不純物が添加された光ファイバである。不純物は、例えば、エルビウム、ネオジウム、イッテルビウム、テルビウム、ツリウム等の希土類元素である。また、増幅媒体114は、WDMカプラ116を介してポンプ光源117からポンプ光が供給される。出力カプラ118は、共振器内でレーザ発振した光の一部を外部に出力する。
即ち、図2に示すレーザ装置110は、共振器内に周波数シフタ112を有するファイバリングレーザを構成する。レーザ装置110は、共振器内にアイソレータを更に有することが望ましい。また、レーザ装置110は、予め定められた波長帯域の光を通過させる光バンドパスフィルタを共振器内に有してもよい。このようなレーザ装置110が出力するレーザ光の周波数特性について次に説明する。
図3は、本実施形態に係るレーザ装置110が出力するレーザ光の一例を示す。図3は、時刻tにおいてレーザ装置110が出力するレーザ光の光スペクトルを左側に示す。当該光スペクトルにおいては、横軸が光強度、縦軸が光の周波数を示す。また、光スペクトルの複数の縦モードを番号qで示す。複数の縦モードの周波数は、略一定の周波数間隔で並ぶ。ここで、光が共振器を1周する時間をτRT(=1/ν)とすると、複数の縦モードは、次式のように1/τRT(=ν)間隔で並ぶことになる。なお、νは、時刻tにおける光スペクトルの初期周波数とする。
Figure 2020034546
図3は、レーザ装置110が出力する複数の縦モードの時間経過にともなう周波数の変化を右側に示す。図3の右側においては、横軸が時間、縦軸が周波数を示す。即ち、図3は、レーザ装置110が出力するレーザ光の周波数の時間的な変化を右側に示し、当該レーザ光の時刻tにおける瞬時周波数を左側に示したものである。
レーザ装置110においては、共振器内の光が共振器を1周する毎に、周波数シフタ112が周回する光の周波数をνだけ増加させる。即ち、時間がτRT経過する毎に、各モードの周波数はνだけ増加するので、周波数の時間変化dν/dtは、ν/τRTと略等しくなる。したがって、(数1)式で示した複数の縦モードは、時間tの経過に伴って、次式のように変化する。
Figure 2020034546
[距離測定処理の詳細]
本実施形態に係る測定装置100は、(数2)式で示すような周波数成分を出力するレーザ装置110を用いて、光ヘッド部140および計測対象物10の間の距離dを測定する。ここで、参照光および反射光の間の光路差が、距離dを往復した距離2dだけであり、距離2dに対応する伝搬遅延をΔtとする。即ち、時刻tにおいて、測定光が計測対象物10から反射して戻ってきた場合、戻ってきた反射光の周波数は、時刻tよりも時間Δtだけ過去の周波数と略一致するので、次式で示すことができる。
Figure 2020034546
一方、時刻tにおける参照光は、(数2)式と同様に次式で示すことができる。ここで、参照光をνq’(t)とした。
Figure 2020034546
ビート信号発生部150は、このような反射光および参照光を重畳させるので、(数3)式の複数の縦モードと(数4)式で示す複数の縦モードとの間の複数のビート信号が発生することになる。このようなビート信号の周波数をν(m,d)とすると、ν(m,d)は、(数3)式および(数4)式より次式で示すことができる。なお、mを縦モード番号の間隔(=q−q’)とし、Δt=2d/cとした。
Figure 2020034546
(数5)式より、距離dは、次式のように示される。ここで、1/τRT=νとした。
Figure 2020034546
(数6)式より、縦モード番号の間隔mを判別すれば、ビート信号の周波数観測結果から距離dを算出できることがわかる。なお、間隔mは、レーザ装置110の周波数シフト量νを変化させた場合のビート信号の変化を検出することで、判別することができる。このような間隔mの判別方法は、特許文献1等に記載されているように既知であるから、ここでは詳細な説明を省略する。
観測されるビート信号は常に正の周波数であるから、計算上、負の周波数側に発生するビート信号は、正側に折り返され、イメージ信号として観測される。このようなイメージ信号の発生について、次に説明する。
図4は、本実施形態に係る測定装置100が検出するビート信号の周波数と、光ヘッド部140および計測対象物10の間の距離dとの関係の一例を示す。図4の横軸は距離dを示し、縦軸はビート信号の周波数ν(m,d)を示す。図4の実線で示す複数の直線は、(数5)式に示したように、距離dに対するビート信号の周波数ν(m,d)の関係を、複数のm毎に示したグラフである。
図4のように、mの値に応じた複数のビート信号が発生する。しかしながら、反射光および参照光のそれぞれに含まれる複数の縦モードは、略一定の周波数間隔νで並ぶので、mの値が等しい複数のビート信号は周波数軸上では略同一の周波数に重畳されることになる。例えば、周波数0からνの間の周波数帯域を観測した場合、複数のビート信号は略同一の周波数に重畳されて、1本の線スペクトルとして観測される。
これに加えて、0よりも小さい負の領域のビート信号の周波数ν(m,d)は、周波数の絶対値がイメージ信号として更に観測される。即ち、図4の縦軸が0よりも小さい領域のグラフは、周波数0を境界として折り返される。図4は、折り返されたイメージ信号を、複数の点線で示す。折り返された複数のイメージ信号は、正負が反転するだけなので、観測される周波数軸上では折り返される前の周波数の絶対値と略同一の周波数に重畳される。例えば、周波数0からνの間の周波数帯域を観測した場合、このようなビート信号およびイメージ信号は、周波数がそれぞれν/2にならない限り、それぞれ異なる周波数に位置する。
このように、周波数0からνの間の観測帯域においては、ビート信号ν(m,d)と、ビート信号ν(m,d)とはmの値が異なるイメージ信号ν(m’,d)の2本の線スペクトルが発生する。ここで、一例として、m’=m+1である。この場合、ビート信号発生部150が直交検波を用いることで、このようなイメージ信号をキャンセルできる。そこで直交検波を用いたビート信号発生部150および検出部160について、次に説明する。
図5は、本実施形態に係るビート信号発生部150および検出部160の構成例を示す。ビート信号発生部150は、反射光および参照光を直交検波する。ビート信号発生部150は、光90度ハイブリッド152と、2つの光電変換部154とを有する。
光90度ハイブリッド152は、入力する反射光および参照光をそれぞれ2つに分岐させる。光90度ハイブリッド152は、分岐した一方の反射光と、分岐した一方の参照光とを光カプラ等で合波して第1ビート信号を発生させる。また、光90度ハイブリッド152は、分岐した他方の反射光と、分岐した他方の参照光とを光カプラ等で合波して第2ビート信号を発生させる。ここで、光90度ハイブリッド152は、分岐した2つの参照光の間に90度の位相差を生じさせてから、ビート信号を発生させる。光90度ハイブリッド152は、例えば、分岐した2つの参照光のうちいずれか一方に、π/2波長板を介してから反射光とそれぞれ合波させる。
光電変換部154は、合波した反射光および参照光を受光して電気信号に変換する。光電変換部154は、フォトダイオード等でよい。光電変換部154は、一例として、バランス型フォトダイオードである。図5において、2つの光電変換部154のうち一方の光電変換部154が第1ビート信号を発生させ、他方の光電変換部154が第2ビート信号を発生させるものとする。以上のように、ビート信号発生部150は、位相を90度異ならせた2つの参照光と反射光とをそれぞれ合波させて直交検波し、2つのビート信号を検出部160に出力する。
検出部160は、2つのビート信号を周波数解析する。ここでは、検出部160が、第1ビート信号をI信号とし、第2ビート信号をQ信号として周波数解析する例を説明する。検出部160は、第1フィルタ部162、第2フィルタ部164、第1AD変換部202、第2AD変換部204、クロック信号供給部210および周波数解析部220を有する。
第1フィルタ部162および第2フィルタ部164は、ユーザ等が周波数解析したい周波数帯域とは異なる周波数帯域の信号成分を低減させる。ここで、ユーザ等が周波数解析したい周波数帯域を0からνとする。第1フィルタ部162および第2フィルタ部164は、例えば、周波数ν以下の信号成分を通過させるローパスフィルタである。この場合、第1フィルタ部162は、周波数νよりも高い周波数の信号成分を低減させた第1ビート信号を第1AD変換部202に供給する。また、第2フィルタ部164は、周波数νよりも高い周波数の信号成分を低減させた第2ビート信号を第2AD変換部204に供給する。
第1AD変換部202および第2AD変換部204は、入力するアナログ信号をデジタル信号に変換する。例えば、第1AD変換部202は第1ビート信号をデジタル信号に変換し、第2AD変換部204は第2ビート信号をデジタル信号に変換する。クロック信号供給部210は、第1AD変換部202および第2AD変換部204にクロック信号を供給する。これにより、第1AD変換部202および第2AD変換部204は、受け取ったクロック信号の周波数と略同一のサンプリングレートでアナログ信号をデジタル信号に変換する。
ここで、観測帯域を0からνとすると、ビート信号の周波数は、最大でもレーザ共振器の共振周波数νである。したがって、クロック信号供給部210が、レーザ共振器の共振周波数νの2倍以上の周波数のクロック信号を第1AD変換部202および第2AD変換部204に供給することで、ビート信号を観測することができる。ここで、共振周波数νの2倍以上の周波数を第1周波数とする。このように、検出部160は、ビート信号を第1周波数でサンプリングして生成した第1ビート信号および第2ビート信号を第1サンプリングデータとして周波数解析する。
周波数解析部220は、第1ビート信号および第2ビート信号を周波数データに変換する。周波数解析部220は、一例として、第1ビート信号および第2ビート信号をそれぞれデジタルフーリエ変換(DFT)する。周波数解析部220は、周波数データに変換した第1ビート信号を実部、周波数データに変換した第2ビート信号を虚部として加算し、イメージ信号を相殺する。以上のビート信号発生部150における直交検波と検出部160における周波数解析について、次に述べる。
なお、検出部160は、ビート信号がデジタル信号に変換された後は、集積回路等で周波数解析部220を構成してよい。例えば、検出部160は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、および/またはCPU(Central Processing Unit)を含む。
検出部160の少なくとも一部をコンピュータ等で構成する場合、当該検出部160は、記憶部および制御部を含む。記憶部は、一例として、周波数解析部220を実現するコンピュータ等のBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)、および作業領域となるRAM(Random Access Memory)を含む。また、記憶部は、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、および/または当該アプリケーションプログラムの実行時に参照されるデータベースを含む種々の情報を格納してよい。即ち、記憶部は、HDD(Hard Disk Drive)および/またはSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置を含んでよい。
制御部は、CPU等のプロセッサであり、記憶部に記憶されたプログラムを実行することによって周波数解析部220として機能する。制御部は、GPU(Graphics Processing Unit)等を含んでもよい。
図6は、本実施形態に係るビート信号発生部150および検出部160の直交検波の概略の一例を示す。図6の横軸はビート信号の周波数、縦軸は信号強度を示す。図6は、I信号およびQ信号のいずれか一方の周波数スペクトルを示す。I信号およびQ信号のいずれの周波数スペクトルも、図6の上側に示すように、略同一のスペクトル形状となる。I信号およびQ信号は、例えば、周波数0からνの間の周波数帯域に、ビート信号ν(m,d)およびイメージ信号ν(m+1,d)が観測される。この場合、I信号およびQ信号には、負側の周波数0から−νの間の周波数帯域に、ビート信号−ν(m,d)およびイメージ信号の元のビート信号−ν(m+1,d)が存在する。
ここで、I信号およびQ信号は、ビート信号発生部150が直交検波した信号成分なので、スペクトル形状が同一であっても、異なる位相情報を含む。例えば、正側の周波数0からνの間の周波数帯域において、I信号およびQ信号のイメージ信号ν(m+1,d)は、互いに位相が反転する。同様に、負側の周波数0から−νの間の周波数帯域において、I信号およびQ信号のビート信号−ν(m,d)は、互いに位相が反転する。
したがって、図6の下側に示すように、周波数解析部220がI信号およびQ信号を用いてI+jQを算出すると、周波数0からνの間の周波数帯域において、周波数ν(m,d)のビート信号は強め合い、周波数ν(m+1,d)のイメージ信号は相殺される。同様に、周波数0から−νの間の周波数帯域において、周波数−ν(m+1,d)のビート信号は強め合い、周波数−ν(m,d)のビート信号は相殺される。
このような周波数解析部220の周波数解析結果により、周波数0からνの間の周波数帯域には1つのビート信号が周波数ν(m,d)に観測されることになる。測定装置100は、このようにして、イメージ信号をキャンセルできるので、光ヘッド部140および計測対象物10の間の距離dを測定できる。
ここで、測定装置100が測定する距離dは、(数6)式で示されている。即ち、ビート信号の信号周波数ν(m,d)の測定精度が距離dの測定精度に与える影響は、νおよびνの値が大きいほど小さくなる。また、νにも測定誤差が含まれる場合があるので、mの値は小さい方が好ましい。図4の例から、距離dが同じであれば、νが小さいほどmの値は小さくなることがわかる。したがって、νの値を大きくすることと比較して、νの値を大きくした方が距離dの測定精度を向上させるためには好ましい。しかしながら、νは観測帯域においてビート信号が最大となる周波数なので、νの値を大きくすることは、サンプリング周波数を大きくすることに相当する。
また、ν(m,d)およびνの測定精度は、サンプリング時間の逆数である周波数分解能に大きく影響を受ける。即ち、ν(m,d)およびνの測定精度を向上させるためには、サンプリング時間を長くすることが好ましい。
このように、距離dの測定精度の向上には、より高いサンプリング周波数で、より長いサンプリング時間を用いてビート信号をサンプリングすることが好ましいので、サンプルデータ数が増加してしまうことになる。サンプルデータ数が増加すると、周波数解析に係る時間が長くなるので、第1サンプリングデータによる距離測定は、スループットが低下してしまうことがある。
ここで、観測するビート信号は観測帯域内に1つであり、当該ビート信号の信号スペクトル幅は数百kHz程度である。この場合、通常のオーバーサンプリングに加えて、サンプリング周波数を低減させたアンダーサンプリングを組み合わせることによって、サンプルデータ数を低減させることが考えられる。このようなアンダーサンプリングについて、次に説明する。
[アンダーサンプリング]
図7は、本実施形態に係る検出部160のアンダーサンプリングの概略の一例を示す。図7の上側の図は、第1周波数を用いてサンプリングすることで検出可能な、0からνまでの観測すべき周波数帯域を示す。ここで、0からνまでの周波数帯域を第1周波数帯域とする。また、サンプリング周波数fによるアンダーサンプリングの観測帯域を0からfとする。ここで、0からfまでの周波数帯域を第2周波数帯域とする。なお、f<νである。図7は、第1周波数帯域を第2周波数帯域の帯域幅fで複数に分割した例を示す。図7は、複数の帯域を、低周波側から帯域1、帯域2、・・・とした。また、帯域3に含まれる周波数Fにビート信号が存在する例を示す。
図7の下側の図は、アンダーサンプリングによって観測される周波数帯域fの例を示す。周波数帯域fの信号成分は、分割された複数の帯域1、帯域2、・・・の信号成分が重畳された結果となる。また、周波数f’にビート信号が観測された例を示す。ここで、アンダーサンプリングによって観測されると周波数f’と、本来の観測帯域である第1周波数帯域における周波数Fとは、次式の関係で示すことができる。ここで、「%」は、剰余演算を示す。
Figure 2020034546
ここで、アンダーサンプリングによって観測された信号成分f’が、本来の観測帯域のどの帯域に属していたかがわかれば、本来の帯域における周波数位置Fを算出することができる。例えば、信号成分f’が属していた帯域の番号をnとすれば、次式を用いて周波数位置Fを算出することができる。
Figure 2020034546
なお、このようなアンダーサンプリングは、第1周波数よりもサンプリング周波数fが低いので、第1サンプリングデータと比較してより少ないサンプリングデータで測定精度を向上させることができる。即ち、例えば、測定装置100は、ビート信号がどの帯域に属するかを判別できる程度の低い精度で、第1サンプリングデータを周波数解析してnの値を決定する。そして、測定装置100は、高精度なアンダーサンプリングによって信号周波数f’を観測して、(数8)式からビート信号の周波数Fを算出する。これにより、スループットの低減を抑制しつつ、ビート信号の周波数Fの高精度な測定が期待される。
しかしながら、図6の例で説明したように、第1周波数帯域には直交検波によって1つのビート信号ν(m,d)が存在することになるが、0から−νの負の周波数帯域にもmの異なるビート信号ν(m+1,d)が存在する。この場合、アンダーサンプリングを実行すると、ビート信号ν(m,d)に基づく信号成分の他に、ビート信号ν(m+1,d)に基づく信号成分が重畳してしまい、どちらが観測すべきビート信号であるのかが判別できなくなってしまう。
図8は、本実施形態に係る検出部160がアンダーサンプリングを実行した結果の第1の例を示す。図8の横軸は周波数、縦軸は信号強度を示す。図8は、ν=100MHz、ν(m,d)=25.4MHz、ν(m+1,d)=−74.6MHz、アンダーサンプリングの周波数fs=30MHzとした場合の例を示す。なお、各信号は、正弦波で、振幅値が略同一とした。
周波数ν(m,d)のビート信号は、帯域1に含まれる信号であり、アンダーサンプリングの結果も25.4MHzに位置することになる。また、周波数ν(m+1,d)のビート信号は、マイナス方向の3番目の帯域に含まれる信号であり、アンダーサンプリングにより−14.6MHzとなった信号が折り返され、15.4MHzに位置することになる。このように、単にアンダーサンプリングを実行しただけでは、観測帯域内に2つの信号成分が存在してしまい、観測すべきビート信号を判別することができなくなってしまう。
このように、従来、測定装置100のビート信号に対して、オーバーサンプリングとアンダーサンプリングを組み合わせて周波数解析することは困難であった。即ち、スループットの低減を抑制しつつ、測定精度を向上させることは困難であった。
そこで、本実施形態に係る測定装置100は、アンダーサンプリングのサンプリング周波数を、レーザ共振器の共振器周波数に対応する周波数とすることで、観測すべきビート信号を判別可能とする。より具体的には、検出部160は、レーザ共振器の共振周波数を正の整数で割った周波数をアンダーサンプリングのサンプリング周波数として用いる。ここで、レーザ共振器の共振周波数νの整数分の1の周波数を第2周波数とする。なお、正の整数は、0より大きい整数であり、例えば、第2周波数は、νをk(=1,2,3,...)で割ったν/kと示される。
そして、検出部160は、第1サンプリングデータと、第2周波数でサンプリングして生成した第2サンプリングデータとを周波数解析して、参照光と測定光との伝搬距離の差dを検出する。ここで、(数5)式より、ビート信号ν(m,d)およびビート信号ν(m+1,d)の周波数差は、νである。したがって、第2周波数ν/kをサンプリング周波数fとすると、(数7)式にビート信号ν(m,d)およびビート信号ν(m+1,d)のいずれを代入しても、アンダーサンプリングによって観測される周波数f’は略同一の周波数となる。
即ち、アンダーサンプリングによって発生するビート信号ν(m,d)およびビート信号ν(m+1,d)の周波数は、サンプリング周波数を第2周波数とすることにより、略同一の周波数となる。図9は、本実施形態に係る検出部160がアンダーサンプリングを実行した結果の第2の例を示す。図9の横軸は周波数、縦軸は信号強度を示す。図9は、ν=100MHz、ν(m,d)=25.4MHz、ν(m+1,d)=−74.6MHz、アンダーサンプリングの周波数fs=10MHzとした場合の例を示す。即ち、k=10である。なお、各信号は、正弦波で、振幅値が略同一とした。
周波数ν(m,d)のビート信号は、帯域3に含まれる信号であり、アンダーサンプリングの結果は5.4MHzに位置することになる。また、周波数ν(m+1,d)のビート信号は、マイナス方向の8番目の帯域に含まれる信号であり、アンダーサンプリングにより−4.6MHzとなった信号が折り返され、5.4MHzに位置することになる。このように、第2周波数をレーザ共振器の共振器周波数に対応する周波数とすることで、2つのビート信号を見かけ上1本の線スペクトルとすることができる。
以上のように、本実施形態に係る測定装置100は、ビート信号をアンダーサンプリングしても、観測すべきビート信号を判別することができるので、当該アンダーサンプリングとオーバーサンプリングとを組み合わせて、伝搬距離の差dを検出できる。そして、上述したように、検出部160は、第1サンプリングデータを周波数解析した周波数分解能よりも第2サンプリングデータを周波数解析した周波数分解能が高くなるように、ビート信号を第1周波数および第2周波数を用いてそれぞれ異なるサンプリング時間でサンプリングする。これにより、測定装置100は、スループットの低減を抑制しつつ、光ヘッド部140および計測対象物10の間の距離dを高精度に測定できる。このような測定装置100の動作フローについて次に説明する。
[測定装置100の動作フロー]
図10は、本実施形態に係る測定装置100の動作フローの一例を示す。測定装置100は、図10のS1010からS1060の動作を実行することにより、光ヘッド部140および計測対象物10の間の距離dを測定する。
まず、S1010において、周波数シフタと増幅媒体とを含むレーザ共振器を有するレーザ装置110は、複数のモードの周波数変調レーザ光を出力する。そして、分岐部120は、周波数変調レーザ光の一部を参照光とし、残りの少なくとも一部を測定光として分岐させる。光ヘッド部140は、測定光を計測対象物10に照射する。
次に、S1020において、光ヘッド部140は、計測対象物から反射された反射光を受光する。そして、ビート信号発生部150は、反射光と参照光とを混合してビート信号を発生させる。ここで、ビート信号発生部150は、直交検波によりI信号およびQ信号のビート信号を発生させてよい。
次に、S1030において、検出部160は、ビート信号をレーザ共振器の共振周波数の2倍以上の第1周波数でサンプリングして、第1サンプリングデータを生成する。即ち、クロック信号供給部210は、第1周波数のクロック信号を第1AD変換部202および第2AD変換部204に供給して、第1サンプリングデータを生成する。
次に、S1040において、検出部160は、第1サンプリングデータに基づき、ビート信号が発生する帯域を判定する。即ち、周波数解析部220は、第1サンプリングデータのI信号およびQ信号を周波数変換してI+jQを算出する。そして、周波数解析部220は、第1周波数を用いて検出可能な第1周波数帯域を、第2周波数を用いて検出する第2周波数帯域幅の複数の帯域に分割し、ビート信号が分割した複数の帯域のうちいずれの帯域に発生した信号成分であるのかを判定する。周波数解析部220は、例えば、(数8)式のnの値を特定することにより、ビート信号がいずれの帯域に発生した信号成分であるのかを判定する。
次に、S1050において、検出部160は、ビート信号をレーザ共振器の共振周波数以下の第2周波数でサンプリングして、第2サンプリングデータを生成する。ここで、第2周波数は、レーザ共振器の共振周波数を正の整数で割った周波数である。即ち、クロック信号供給部210は、第2周波数のクロック信号を第1AD変換部202および第2AD変換部204に供給して、第2サンプリングデータを生成する。
次に、S1060において、検出部160は、第1サンプリングデータおよび第2サンプリングデータの周波数解析結果に基づき、参照光と測定光との伝搬距離の差を検出する。周波数解析部220は、第2サンプリングデータのI信号およびQ信号を周波数変換してI+jQを算出する。そして、周波数解析部220は、ビート信号が発生した周波数f’およびnの値を(数8)式に代入して、第1周波数帯域における周波数Fを算出する。そして、周波数解析部220は、(数6)式を用いて、光ヘッド部140および計測対象物10の間の距離dを算出する。表示部170は、算出した距離dの値を表示する。
以上のように、測定装置100は、2つのサンプリング周波数を用いてビート信号をサンプリングすることにより、光ヘッド部140および計測対象物10の間の距離dを高速かつ高精度に測定できる。なお、測定装置100は、周波数変調レーザ光を計測対象物10に照射する位置を異ならせて、図10に示す動作フローを繰り返して、計測対象物10の形状を測定してもよい。
なお、図10に示す動作フローは、S1030の第1サンプリングデータの生成、S1040のビート信号が発生する帯域の判定、およびS1050の第2サンプリングデータの生成を、順次実行する例を説明したが、これに限定されることはない。測定装置100は、第1サンプリングデータの生成および第2サンプリングデータの生成を、別個独立に実行してもよい。測定装置100は、例えば、S1030の第1サンプリングデータの生成およびS1040のビート信号が発生する帯域の判定と、S1050の第2サンプリングデータの生成とを、並列に実行してもよい。
[変形例]
以上の本実施形態に係る測定装置100において、ビート信号をレーザ共振器の共振周波数に対応する第2周波数でサンプリングして、第2サンプリングデータを生成する例を説明した。ここで、レーザ装置110は、共振器内に共振器長を調整する構成を更に有し、第2周波数を調節可能としてもよい。このようなレーザ装置110について次に説明する。
図11は、本実施形態に係るレーザ装置110の構成の変形例を示す。本変形例のレーザ装置110において、図2に示された本実施形態に係るレーザ装置110の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。本変形例のレーザ装置110は、レーザ共振器内に遅延量可変型の光遅延部240を更に含む。
光遅延部240は、外部から供給される制御信号等に応じて、入力した光を出力するまでの遅延時間を変化させる。光遅延部240は、一例として、光路長を調節可能な可変ディレイラインである。即ち、光遅延部240は、共振器の共振器長を調整可能とする。光遅延部240は、例えば、検出部160から光路長を制御する制御信号を受け取る。
この場合、検出部160は、第2サンプリングデータの周波数解析結果において、2つの線スペクトルが観測されたことに応じて、制御信号を光遅延部240に送信する。また、検出部160は、第2サンプリングデータの周波数解析結果において、1つの線スペクトルの線幅が予め定められた閾値を超えたことに応じて、制御信号を光遅延部240に送信してもよい。
これにより、レーザ装置110の製造バラツキ、環境変動、継時変化等によって、共振周波数が変動しても、レーザ装置110は、共振周波数および第2周波数が予め定められた関係となるように制御できる。また、検出部160側のサンプリング周波数が同様に変動しても、レーザ装置110は、共振周波数および第2周波数が予め定められた関係となるように制御できる。
測定装置100は、図11に示すようなレーザ装置110が設けられる場合、図10の動作フローにおいて、光遅延部240の遅延量を調整するステップを更に実行することが好ましい。測定装置100は、図10の動作フローのS1050よりも前の段階で、当該遅延量を調整するステップを実行することが好ましい。例えば、測定装置100は、図10の動作フローを実行する前に、当該遅延量を調整するステップを実行してよく、これに代えて、S1050の直前に当該遅延量を調整するステップを実行してもよい。
以上の本実施形態に係る測定装置100において、イメージ信号をキャンセルすべく、ビート信号を直交検波する例を説明したが、これに限定されることはない。検出部160は、直交検波を省き、ビート信号を第1周波数でサンプリングして周波数変換してもよい。この場合、例えば、検出部160は、光遅延部240の遅延量等を制御して、共振器長の変化に対するビート信号が発生する周波数の変化を観測する。
直交検波を省いた場合、第1周波数帯域には、ビート信号およびイメージ信号が観測される。しかしながら、イメージ信号は負の周波数帯の折り返しになるので、ビート信号およびイメージ信号における共振器長の変化に対する信号周波数の変化は、互いに逆向きになる。したがって、検出部160は、共振器長の変化に対する信号周波数の変化が予め定められた方向であるか否かを検出することにより、ビート信号およびイメージ信号のいずれかを判別してもよい。
ビート信号が判別できれば、アンダーサンプリングによって発生する周波数位置を推定できるので、検出部160は、アンダーサンプリングにおいて2本の線スペクトルが発生しても、観測すべきビート信号を判別できる。したがって、測定装置100は、直交検波を省いても、光ヘッド部140および計測対象物10の間の距離dを高速かつ高精度に測定できる。
以上の本実施形態に係る測定装置100において、検出部160が、レーザ共振器の共振周波数と等しい周波数の第1周波数でビート信号をサンプリングして、ビート信号が発生する帯域を判定する例を説明したが、これに限定されることはない。検出部160は、例えば、レーザ共振器の共振周波数と等しい周波数を第1周波数とし、当該第1周波数でビート信号をサンプリングしてもよい。図4で示すように、サンプリング周波数を共振周波数νとすると、ビート信号ν(m,d)が発生する周波数とイメージ信号ν(m’,d)が発生する周波数が、観測帯域内で略一致する。ここで、m’=m+1である。
即ち、ビート信号ν(m,d)およびイメージ信号ν(m’,d)を分離する必要がなくなる。これにより、レーザ共振器の共振周波数と等しい周波数の第1周波数でビート信号をサンプリングしても、ビート信号ν(m,d)が発生する帯域を判定することができる。したがって、この場合においても、測定装置100は、ビート信号ν(m,d)の発生帯域の判定結果と、第2サンプリングデータの周波数解析結果とを用いることにより、光ヘッド部140および計測対象物10の間の距離dを高速かつ高精度に測定できる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
10 計測対象物
100 測定装置
110 レーザ装置
112 周波数シフタ
114 増幅媒体
116 WDMカプラ
117 ポンプ光源
118 出力カプラ
120 分岐部
130 光サーキュレータ
140 光ヘッド部
150 ビート信号発生部
152 光90度ハイブリッド
154 光電変換部
160 検出部
162 第1フィルタ部
164 第2フィルタ部
170 表示部
202 第1AD変換部
204 第2AD変換部
210 クロック信号供給部
220 周波数解析部
240 光遅延部

Claims (10)

  1. 周波数シフタと増幅媒体とを含むレーザ共振器を有し、複数のモードの周波数変調レーザ光を出力するレーザ装置と、
    前記レーザ装置が出力する前記周波数変調レーザ光の一部を参照光とし、残りの少なくとも一部を測定光として分岐させる分岐部と、
    前記測定光を計測対象物に照射して反射された反射光と、前記参照光とを混合してビート信号を発生させるビート信号発生部と、
    前記ビート信号を第1周波数でサンプリングして生成した第1サンプリングデータと、前記ビート信号を前記レーザ共振器の共振周波数を正の整数で割った第2周波数でサンプリングして生成した第2サンプリングデータとを周波数解析して、前記参照光と前記測定光との伝搬距離の差を検出する検出部と、
    を備え、
    前記第1周波数は、前記レーザ共振器の共振周波数と等しい周波数か、または、前記レーザ共振器の共振周波数の2倍以上の周波数である、測定装置。
  2. 前記ビート信号発生部は、前記反射光および前記参照光を直交検波する、請求項1に記載の測定装置。
  3. 前記検出部は、前記第1周波数を用いて検出可能な第1周波数帯域を、前記第2周波数を用いて検出する第2周波数帯域幅の複数の帯域に分割し、前記ビート信号が、分割した複数の帯域のうちいずれの帯域に発生した信号成分であるのかを判定する、請求項1または2に記載の測定装置。
  4. 前記検出部は、前記第1サンプリングデータを周波数解析した周波数分解能よりも前記第2サンプリングデータを周波数解析した周波数分解能が高くなるように、前記ビート信号を前記第1周波数および前記第2周波数を用いてそれぞれ異なるサンプリング時間でサンプリングする、請求項1から3のいずれか一項に記載の測定装置。
  5. 前記検出部は、前記第1サンプリングデータと比較してより少ないデータ数の前記第2サンプリングデータを用いて周波数解析する、請求項1から4のいずれか一項に記載の測定装置。
  6. 前記レーザ装置は、前記レーザ共振器内に遅延量可変型の光遅延部を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の測定装置。
  7. 前記検出部は、前記第2サンプリングデータの周波数解析において、1つの線スペクトルの線幅が閾値を超えたことに応じて、遅延量を調整するための制御信号を前記光遅延部に送信する、請求項6に記載の測定装置。
  8. 周波数シフタと増幅媒体とを含むレーザ共振器を有するレーザ装置から複数のモードの周波数変調レーザ光を出力するステップと、
    前記周波数変調レーザ光の一部を参照光とし、残りの少なくとも一部を測定光として分岐させるステップと、
    前記測定光を計測対象物に照射して反射された反射光と、前記参照光とを混合してビート信号を発生させるステップと、
    前記ビート信号を前記レーザ共振器の共振周波数と等しい周波数か、または、前記レーザ共振器の共振周波数の2倍以上の周波数の第1周波数でサンプリングして、第1サンプリングデータを生成するステップと、
    前記ビート信号を前記レーザ共振器の共振周波数を正の整数で割った第2周波数でサンプリングして、第2サンプリングデータを生成するステップと、
    前記第1サンプリングデータおよび前記第2サンプリングデータの周波数解析結果に基づき、前記参照光と前記測定光との伝搬距離の差を検出するステップと、
    を備える、測定方法。
  9. 前記第1サンプリングデータに基づき、前記第1周波数を用いて検出可能な第1周波数帯域を、前記第2周波数を用いて検出する第2周波数帯域幅の複数の帯域に分割し、前記ビート信号が分割した複数の帯域のうちいずれの帯域に発生した信号成分であるのかを判定するステップをさらに備える、請求項8に記載の測定方法。
  10. 前記レーザ装置は、前記レーザ共振器内に遅延量可変型の光遅延部を含み、
    前記測定方法は、前記レーザ共振器の共振周波数および前記第2周波数が予め定められた関係となるように、前記光遅延部の遅延量を調整するステップをさらに備える、請求項8または9に記載の測定方法。
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