JP2022042885A - 測定装置および測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学式距離計といった測定装置において、測定精度の低下を抑制しつつ測定速度を向上させる測定装置を提供する。【解決手段】周波数変調レーザ光を出力するレーザ装置と、周波数変調レーザ光の一部の参照光と、残りの少なくとも一部の測定光とに分岐させる分岐部と、測定光を計測対象物に照射して反射された反射光と参照光とを混合してビート信号を発生させるビート信号発生部150と、ビート信号の時系列データを予め定められた多項式に当てはめた場合のモデルパラメータを推定する推定部320と、モデルパラメータに基づいて、多項式に対応する特性方程式が極値となる解を算出する第1算出部330と、算出された解のうち、絶対値が最大となる解を探索し、探索した解に対応するビート周波数を算出する探索部340と、ビート周波数に基づき、参照光と測定光との伝搬距離の差を算出する第2算出部350とを備える、測定装置。【選択図】図4

Description

本発明は、測定装置および測定方法に関する。
共振器内に周波数シフタが設けられ、時間の経過とともに発振周波数が線形に変化する複数の縦モードレーザを出力する周波数シフト帰還レーザ(FSFL:Frequency Shifted Feedback Laser)が知られている。また、このような周波数シフト帰還レーザを用いた光学式の距離計が知られている(例えば、特許文献1および非特許文献1を参照)。
特許第3583906号明細書
原武文,「FSLレーザによる距離センシングとその応用」,オプトニューズ,Vol.7,No.3,2012年,pp.25-31 足立修一,「システム同定の基礎」,東京電機大学出版局,pp.170-180
周波数シフト帰還レーザを用いた光学式距離計は、非接触で大量の三次元情報を取得可能であり、例えば、設計および生産現場等で用いられてきた。このような光学式距離計は、スループットの低減を抑制しつつ、より高精度に測定できることが望まれていた。
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、光学式距離計といった測定装置において、測定精度の低下を抑制しつつ測定速度を向上させるようにすることを目的とする。
本発明の第1の態様においては、周波数変調レーザ光を出力するレーザ装置と、前記レーザ装置が出力する前記周波数変調レーザ光を、前記周波数変調レーザ光の一部の参照光と、残りの少なくとも一部の測定光とに分岐させる分岐部と、前記測定光を計測対象物に照射して反射された反射光と前記参照光とを混合してビート信号を発生させるビート信号発生部と、前記ビート信号の時系列データを予め定められた多項式に当てはめた場合のモデルパラメータを推定する推定部と、前記モデルパラメータに基づいて、前記多項式に対応する特性方程式が極値となる解を算出する第1算出部と、算出された解のうち、絶対値が最大となる解を探索し、探索した解に対応するビート周波数を算出する探索部と、前記ビート周波数に基づき、前記参照光と前記測定光との伝搬距離の差を算出する第2算出部とを備える、測定装置を提供する。
前記推定部は、前記ビート信号の前記時系列データを自己回帰モデルで表現した場合の前記モデルパラメータを推定してもよい。
前記推定部は、最小2乗法、ユールウォーカ法、バーグ法、および共分散法のうちいずれか1つの方法に基づき、前記モデルパラメータを推定してもよい。
前記推定部は、前記ビート信号の前記時系列データから予め定められた漸化式を用いて前記モデルパラメータを推定してもよい。
前記推定部は、逐次最小2乗法に基づき、前記モデルパラメータを推定してもよい。
前記第1算出部は、前記多項式にZ変換を適用したことに基づいて算出される伝達関数に対応する前記特性方程式を用いてもよい。
前記第1算出部は、前記伝達関数に基づく前記特性方程式を因数分解することにより、前記特性方程式が極値となる解を算出してもよい。
前記探索部は、探索した解の偏角に基づき、探索した解に対応する前記ビート周波数を算出してもよい。
本発明の第2の態様においては、レーザ装置から複数のモードの周波数変調レーザ光を出力するステップと、前記レーザ装置が出力する前記周波数変調レーザ光を、前記周波数変調レーザ光の一部の参照光と、残りの少なくとも一部の測定光とに分岐させるステップと、前記測定光を計測対象物に照射して反射された反射光と、前記参照光とを混合してビート信号を発生させるステップと、前記ビート信号の時系列データを予め定められた多項式に当てはめた場合のモデルパラメータを推定するステップと、前記モデルパラメータに基づいて、前記多項式に対応する特性方程式が極値となる解を算出するステップと、算出された解のうち、絶対値が最大となる解を探索し、探索した解に対応するビート周波数を算出するステップと、前記ビート周波数に基づき、前記参照光と前記測定光との伝搬距離の差を算出するステップとを備える、測定方法を提供する。
本発明によれば、光学式距離計といった測定装置において、測定精度の低下を抑制しつつ測定速度を向上できるという効果を奏する。
本実施形態に係る測定装置100の構成例を計測対象物10と共に示す。 本実施形態に係るレーザ装置110の構成例を示す。 本実施形態に係るレーザ装置110が出力するレーザ光の一例を示す。 本実施形態に係るビート信号発生部150および周波数解析部160の構成例を示す。
[測定装置100の構成例]
図1は、本実施形態に係る測定装置100の構成例を計測対象物10と共に示す。測定装置100は、当該測定装置100および計測対象物10の間の距離を光学的に測定する。また、測定装置100は、計測対象物10に照射するレーザ光の位置を走査して、計測対象物10の三次元的な形状を計測してもよい。測定装置100は、レーザ装置110と、分岐部120と、光サーキュレータ130と、光ヘッド部140と、ビート信号発生部150と、周波数解析部160と、表示部170を備える。
レーザ装置110は、レーザ共振器を有し、複数のモードの周波数変調レーザ光を出力する。レーザ装置110は、共振器内に周波数シフタが設けられ、時間の経過とともに発振周波数が線形に変化する複数の縦モードレーザを出力する。レーザ装置110は、一例として、周波数シフト帰還レーザである。周波数シフト帰還レーザについては後述する。
分岐部120は、レーザ装置110が出力する周波数変調レーザ光を、周波数変調レーザ光の一部の参照光と、残りの少なくとも一部の測定光とに分岐させる。分岐部120は、一例として、光ファイバ型の光カプラである。図1の例において、分岐部120は、測定光を光サーキュレータ130に供給し、参照光をビート信号発生部150に供給する。
光サーキュレータ130は、複数の入出力ポートを有する。光サーキュレータ130は、例えば、一のポートに入力した光を次のポートから出力させ、当該次のポートから入力する光を更に次のポートから出力させる。図1は、光サーキュレータ130が3つの入出力ポートを有する例を示す。この場合、光サーキュレータ130は、分岐部120から供給される測定光を光ヘッド部140に出力する。また、光サーキュレータ130は、光ヘッド部140から入力する光をビート信号発生部150へと出力する。
光ヘッド部140は、光サーキュレータ130から入力する光を計測対象物10に向けて照射する。光ヘッド部140は、一例として、コリメータレンズを有する。この場合、光ヘッド部140は、光ファイバを介して光サーキュレータ130から入力する光をコリメータレンズでビーム状に調節してから出力する。
また、光ヘッド部140は、計測対象物10に照射した測定光の反射光を受光する。光ヘッド部140は、受光した反射光をコリメータレンズが光ファイバに集光して光サーキュレータ130に供給する。この場合、光ヘッド部140は、共通の1つのコリメータレンズを有し、当該コリメータレンズが、測定光を計測対象物10に照射し、また、計測対象物10からの反射光を受光してよい。なお、光ヘッド部140および計測対象物10の間の距離をdとする。
これに代えて、光ヘッド部140は、集光レンズを有してもよい。この場合、光ヘッド部140は、光ファイバを介して光サーキュレータ130から入力する光を計測対象物10の表面に集光する。そして、光ヘッド部140は、計測対象物10の表面で反射した反射光の少なくとも一部を受光する。光ヘッド部140は、受光した反射光を集光レンズが光ファイバに集光して光サーキュレータ130に供給する。この場合においても、光ヘッド部140は、共通の1つの集光レンズを有し、当該集光レンズが、測定光を計測対象物10に照射し、また、計測対象物10からの反射光を受光してよい。
ビート信号発生部150は、測定光を計測対象物10に照射して反射された反射光を光サーキュレータ130から受けとる。また、ビート信号発生部150は、分岐部120から参照光を受けとる。ビート信号発生部150は、反射光および参照光を混合してビート信号を発生させる。ビート信号発生部150は、例えば、光電変換素子を有し、ビート信号を電気信号に変換して出力する。
ここで、反射光は、光ヘッド部140から計測対象物10までの距離を往復しているので、参照光と比較して少なくとも距離2dに応じた伝搬距離の差が生じることになる。レーザ装置110が出力する光は、時間の経過とともに発振周波数が線形に変化するので、参照光および反射光の発振周波数は、当該伝搬距離の差に対応する伝搬遅延に応じた周波数差が生じる。ビート信号発生部150は、このような周波数差に対応するビート信号を発生させる。
周波数解析部160は、ビート信号発生部150が発生させたビート信号を周波数解析して、参照光と測定光との伝搬距離の差を検出する。周波数解析部160は、予め定められたサンプリング周波数でビート信号をサンプリングして、ビート信号を周波数解析する。周波数解析部160の周波数解析については後述する。
表示部170は、周波数解析部160の解析結果を表示する。表示部170は、ディスプレイ等を有し、検出結果を表示してよい。また、表示部170は、記憶部等に解析結果を記憶させてもよい。
以上の測定装置100は、計測対象物10に照射した測定光の反射光と、参照光との間の周波数差を解析することにより、測定装置100および計測対象物10の間の距離を測定可能とする。即ち、測定装置100は、非接触および非破壊の光学式距離計を構成できる。測定装置100のより詳細な構成について次に説明する。
[レーザ装置110の構成例]
図2は、本実施形態に係るレーザ装置110の構成例を示す。図2のレーザ装置110は、周波数シフト帰還レーザの一例を示す。レーザ装置110は、レーザ共振器を有し、当該レーザ共振器内でレーザ光を発振させる。レーザ装置110のレーザ共振器は、周波数シフタ112と、増幅媒体114と、WDMカプラ116と、ポンプ光源117と、出力カプラ118とを含むレーザ共振器を有する。
周波数シフタ112は、入力する光の周波数を略一定の周波数だけシフトする。周波数シフタ112は、一例として、音響光学素子を有するAOFS(Acousto-Optic Frequency Shifter)である。ここで、周波数シフタ112による周波数シフト量を+νとする。即ち、周波数シフタ112は、共振器を周回する光の周波数を、1周回毎にνだけ周波数が増加するようにシフトさせる。
増幅媒体114は、ポンプ光が供給され、入力光を増幅する。増幅媒体114は、一例として、不純物が添加された光ファイバである。不純物は、例えば、エルビウム、ネオジウム、イッテルビウム、テルビウム、ツリウム等の希土類元素である。また、増幅媒体114は、WDMカプラ116を介してポンプ光源117からポンプ光が供給される。出力カプラ118は、共振器内でレーザ発振した光の一部を外部に出力する。
即ち、図2に示すレーザ装置110は、共振器内に周波数シフタ112を有するファイバリングレーザを構成する。レーザ装置110は、共振器内にアイソレータを更に有することが望ましい。また、レーザ装置110は、予め定められた波長帯域の光を通過させる光バンドパスフィルタを共振器内に有してもよい。このようなレーザ装置110が出力するレーザ光の周波数特性について次に説明する。
図3は、本実施形態に係るレーザ装置110が出力するレーザ光の一例を示す。図3は、時刻tにおいてレーザ装置110が出力するレーザ光の光スペクトルを左側に示す。当該光スペクトルにおいては、横軸が光強度、縦軸が光の周波数を示す。また、光スペクトルの複数の縦モードを番号qで示す。複数の縦モードの周波数は、略一定の周波数間隔で並ぶ。ここで、光が共振器を1周する時間をτRT(=1/ν)とすると、複数の縦モードは、次式のように1/τRT(=ν)間隔で並ぶことになる。なお、νは、時刻tにおける光スペクトルの初期周波数とする。また、νは、レーザ共振器の共振周波数νcである。
Figure 2022042885000002
図3は、レーザ装置110が出力する複数の縦モードの時間経過にともなう周波数の変化を右側に示す。図3の右側においては、横軸が時間、縦軸が周波数を示す。即ち、図3は、レーザ装置110が出力するレーザ光の周波数の時間的な変化を右側に示し、当該レーザ光の時刻tにおける瞬時周波数を左側に示したものである。
レーザ装置110は、共振器内の光が共振器を1周する毎に、周波数シフタ112が周回する光の周波数をνだけ増加させる。即ち、時間がτRT経過する毎に、各モードの周波数はνだけ増加するので、周波数の時間変化dν/dtは、ν/τRTと略等しくなる。したがって、(数1)式で示した複数の縦モードは、時間tの経過に伴って、次式のように変化する。
Figure 2022042885000003
[距離測定処理の詳細]
本実施形態に係る測定装置100は、(数2)式で示すような周波数成分を出力するレーザ装置110を用いて、例えば、光ヘッド部140および計測対象物10の間の距離dを測定する。ここで、参照光および反射光の間の光路差が、距離dを往復した距離2dだけであり、距離2dに対応する伝搬遅延をΔtとする。即ち、時刻tにおいて、測定光が計測対象物10から反射して戻ってきた場合、戻ってきた反射光の周波数は、時刻tよりも時間Δtだけ過去の周波数と略一致するので、次式で示すことができる。
Figure 2022042885000004
一方、時刻tにおける参照光は、(数2)式と同様に次式で示すことができる。ここで、参照光をνq’(t)とした。
Figure 2022042885000005
ビート信号発生部150は、このような反射光および参照光を重畳させるので、(数3)式の複数の縦モードと(数4)式で示す複数の縦モードとの間の複数のビート信号が発生することになる。このようなビート信号の周波数をν(M,d)とすると、ν(M,d)は、(数3)式および(数4)式より次式で示すことができる。なお、Mを縦モード番号の間隔(=q-q’)とし、Δt=2d/cとした。
Figure 2022042885000006
(数5)式より、距離dは、次式のように示される。ここで、1/τRT=νとした。
Figure 2022042885000007
(数6)式より、縦モード番号の間隔Mを判別すれば、ビート信号の周波数観測結果から距離dを算出できることがわかる。なお、間隔Mは、レーザ装置110の周波数シフト量νを変化させた場合のビート信号の変化を検出することで、判別することができる。このような間隔Mの判別方法は、特許文献1等に記載されているように既知であるから、ここでは詳細な説明を省略する。
(数6)式より、ビート信号の信号周波数ν(M,d)の測定精度が距離dの測定精度に与える影響は、νおよびνの値が大きいほど小さくなる。また、νにも測定誤差が含まれる場合があるので、Mの値は小さい方が好ましい。なお、距離dが同じであれば、νが小さいほどMの値は小さくなる傾向にある。したがって、νの値を大きくすることと比較して、νの値を大きくした方が距離dの測定精度を向上させるためには好ましい。しかしながら、νは観測帯域においてビート信号が最大となる周波数なので、νの値を大きくすることは、サンプリング周波数を大きくすることに相当する。
また、ν(M,d)およびνの測定精度は、サンプリング時間の逆数である周波数分解能に大きく影響を受ける。即ち、ν(M,d)およびνの測定精度を向上させるためには、サンプリング時間を長くすることが好ましい。
このように、距離dの測定精度の向上には、より高いサンプリング周波数で、より長いサンプリング時間を用いてビート信号をサンプリングすることが好ましいので、サンプルデータ数が増加してしまうことになる。サンプルデータ数が増加すると、周波数解析にかかる時間が長くなるので、ビート信号による距離測定は、スループットが低下してしまうことがある。
ここで、周波数解析は、従来、デジタルフーリエ変換を用いていた。デジタルフーリエ変換に基づく周波数解析は、例えば、時系列に並ぶデータ列の先頭のデータと最後のデータとを連続したデータとするために窓関数を各データに乗じる窓関数処理、周波数に変換する変換処理、変換した周波数データからピーク周波数を探索する探索処理等を含む。サンプルしたデータの全てにこのような処理を実行すると、処理時間がかかってしまい、測定精度の低下を抑制しつつ測定速度を向上させることは困難であった。
そこで、本実施形態に係る測定装置100は、時系列データをモデルパラメータで表現し、当該モデルパラメータに対応する伝達関数を用いることにより、周波数解析を高速に実行する。このような周波数解析を実行する測定装置100の周波数解析部160について、次に説明する。
[ビート信号発生部150および周波数解析部160の構成例]
図4は、本実施形態に係るビート信号発生部150および周波数解析部160の構成例を示す。ビート信号発生部150は、反射光および参照光のビート信号ν(M,d)を発生させて電気信号に変換する。ビート信号発生部150は、光カプラ152と光電変換部154とを有する。光カプラ152は、反射光と参照光とを合波してビート信号ν(M,d)を発生させる。光電変換部154は、合波した反射光および参照光を受光して電気信号に変換する。光電変換部154は、フォトダイオード等でよい。光電変換部154は、一例として、バランス型フォトダイオードである。
周波数解析部160は、ビート信号発生部150からビート信号ν(M,d)を受けとって、周波数解析する。周波数解析部160は、フィルタ部162、AD変換部202、クロック信号供給部210、および信号処理部220を有する。
フィルタ部162は、ユーザ等が周波数解析したい周波数帯域とは異なる周波数帯域の信号成分を低減させる。ここで、ユーザ等が周波数解析したい周波数帯域を0からνとする。フィルタ部162は、例えば、周波数ν以下の信号成分を通過させるローパスフィルタである。この場合、フィルタ部162は、周波数νよりも高い周波数の信号成分を低減させたビート信号をAD変換部202に供給する。
AD変換部202は、入力するアナログ信号をデジタル信号に変換する。AD変換部202はビート信号をデジタル信号に変換する。クロック信号供給部210は、AD変換部202にクロック信号を供給する。これにより、AD変換部202は、例えば、受け取ったクロック信号の周波数と略同一のサンプリングレートでアナログ信号をデジタル信号に変換する。
ここで、観測帯域を0からνとすると、ビート信号の周波数は、最大でもレーザ共振器の共振周波数νである。したがって、クロック信号供給部210が、レーザ共振器の共振周波数νの2倍以上の周波数のクロック信号をAD変換部202に供給することで、ビート信号を観測することができる。このように、周波数解析部160は、1つのビート信号をサンプリングして生成したビート信号をサンプリングデータとして周波数解析する。
信号処理部220は、ビート信号を周波数データに変換する。信号処理部220は、例えば、集積回路等で構成されている。この場合、信号処理部220は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、および/またはCPU(Central Processing Unit)を含む。信号処理部220は、記憶部310と、推定部320と、第1算出部330と、探索部340と、第2算出部350とを備える。
記憶部310は、AD変換部202が出力するビート信号の時系列データを記憶する。また、記憶部310は、測定装置100が動作の過程で生成する(または利用する)中間データ、算出結果、閾値、およびパラメータ等をそれぞれ記憶してもよい。また、記憶部310は、測定装置100内の各部の要求に応じて、記憶したデータを要求元に供給してもよい。
記憶部310は、例えば、コンピュータ等が信号処理部220として機能する場合、コンピュータ等を機能させるOS(Operating System)、およびプログラム等の情報を格納してもよい。また、記憶部310は、当該プログラムの実行時に参照されるデータベースを含む種々の情報を格納してもよい。例えば、コンピュータは、記憶部310に記憶されたプログラムを実行することによって、記憶部310、推定部320、第1算出部330、探索部340、および第2算出部350の少なくとも一部として機能する。
記憶部310は、例えば、コンピュータ等のBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)、および作業領域となるRAM(Random Access Memory)を含む。また、記憶部310は、HDD(Hard Disk Drive)および/またはSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置を含んでもよい。また、コンピュータは、GPU(Graphics Processing Unit)等を更に備えてもよい。
[周波数解析の詳細]
推定部320は、ビート信号の時系列データを予め定められた多項式に当てはめた場合のモデルパラメータを推定する。推定部320は、例えば、ビート信号の時系列データに基づき、時系列データを自己回帰モデルで表現した場合のモデルパラメータを推定する。自己回帰モデルは、例えば、ある時刻tの値を、時刻tよりも過去のデータを使って表現するモデルである。自己回帰モデルは、一例として、次式のように示すことができる。
Figure 2022042885000008
ここで、yは、時系列データにおける時点nのデータ値であり、yn-iは、時系列データにおける時点nよりも過去の方向のi番目のデータ値である。また、aは、回帰係数であり、νは、白色雑音である。kは、時系列データにおいて過去のどこまでの値を用いて時点nのデータ値を算出するかを決定する値であり、次数と呼ぶ。次数kは、予め定められた値でよく、また、次数kは、自己回帰モデルによる推定結果に基づき、調整されてもよい。
時系列データに対応するa、ν、k等の自己回帰モデルのモデルパラメータは、既知のアルゴリズム等によって算出することができる。推定部320は、例えば、最小2乗法、ユールウォーカ法、バーグ法、および共分散法のうちいずれか1つの方法に基づき、モデルパラメータを推定する。
第1算出部330は、モデルパラメータに基づいて、(数7)式に示したような多項式に対応する特性方程式が極値となる解を算出する。第1算出部330が用いる特性方程式を算出するために、自己回帰モデルにZ変換を適用すると、次式が得られる。
Figure 2022042885000009
(数8)式に基づき、伝達関数H(z)を次式のように定義する。
Figure 2022042885000010
(数9)式より、伝達関数H(z)の分母を0とした特性方程式を次式のように生成する。
Figure 2022042885000011
第1算出部330は、以上のように、自己回帰モデルの多項式にZ変換を適用したことに基づいて算出される伝達関数に対応する特性方程式を用いる。そして、第1算出部330は、伝達関数に基づく特性方程式を因数分解することにより、特性方程式が極値となる解を算出する。(数10)式の特性方程式を因数分解することにより、次式を得る。
Figure 2022042885000012
第1算出部330は、(数11)式の解となる(k+1)個のαを算出する。第1算出部330が算出する解αの絶対値は、時系列データを周波数軸に変換した場合の周波数スペクトルのピークレベルに相当する。また、解αの偏角∠αは、周波数スペクトルのピークに対応する周波数に相当する。
探索部340は、第1算出部330によって算出された解αのうち、絶対値|α|が最大となる解|αmaxを探索する。そして、探索部340は、探索した解|αmaxに対応する周波数をビート周波数fj_maxとして算出する。探索部340は、探索した解|αmaxの偏角∠|αmaxに基づき、探索した解|αmaxに対応するビート周波数を算出する。なお、サンプリング周波数をFとした場合の、ビート周波数fj_maxは、次式のように算出できる。
Figure 2022042885000013
第2算出部350は、ビート周波数fj_maxに基づき、参照光と測定光との伝搬距離の差を算出する。第2算出部350は、例えば、ビート周波数fj_maxを、(数6)式のν(M,d)とすることで、光ヘッド部140および計測対象物10の間の距離dを算出する。
以上のように、本実施形態に係る周波数解析部160は、まず、ビート信号の時系列データを自己回帰モデルで表現した場合のモデルパラメータを推定する。ビート信号は、一定の周波数信号を有するビート信号なので、特定の周波数帯域に変換するFFTと比較して、より少ない時系列データで自己回帰モデルのモデルパラメータを算出することができる。例えば、略同一の距離分解能の距離dを算出する場合、第1算出部330は、FFTと比較して、半分程度以下の数の時系列データでモデルパラメータを算出できる。
また、FFTによる処理を実行する場合、時系列データの数を2個にしなければならず、距離分解能等との関係を保つためには設計自由度が制限される。これに対して、モデルパラメータを算出するための時系列データの数には、FFTのような制限はないので、距離分解能等に対応した時系列データの数を容易に設定できる。
そして、周波数解析部160は、自己回帰モデルに基づく特性方程式が極値となる解を算出し、そして、算出された解のうち、絶対値が最大となる解を探索する。ここで、FFTによる処理は、時間軸のデータを周波数軸のデータに変換するだけなので、変換した周波数軸のデータの全ての中から信号強度がピークレベルとなるデータを探索しなければならない。これに対し、特性方程式を用いた場合、次数kに対応するk個の解の中から、絶対値が最大となる解を探索するので、例えば、1/100程度以下から、1/1000程度以下に処理時間を短縮することができる。
そして、周波数解析部160は、探索した解に対応するビート周波数を算出し、当該ビート周波数に基づき、参照光と測定光との伝搬距離の差を算出する。ビート周波数から距離dを算出する処理は、既知の処理と同様に実行することができる。したがって、本実施形態に係る測定装置100によれば、測定精度の低下を抑制しつつ測定速度を向上させることができる。
以上の本実施形態に係る測定装置100において、推定部320が既知のアルゴリズムを用いてビート信号の時系列データを多項式に当てはめた場合のモデルパラメータを推定する例を説明したが、これに限定されることはない。推定部320は、例えば、ビート信号の時系列データから予め定められた漸化式を用いてモデルパラメータを推定してもよい。このような推定部320の動作について、次に説明する。
推定部320は、まず、忘却係数λを設定する。忘却係数λは、過去のデータを複数回計算に用いることを防止するための係数であり、1以下の正の数である。忘却係数λは、例えば、0.97以上0.995以下の値が用いられる。一例として、忘却係数λは次式のように設定される。ここで、τは、推定部320が計算に用いる時系列データの最大のサンプル数である。
Figure 2022042885000014
また、推定部320は、共分散行列P(N)の初期値P(0)を単位行列Iとする。
Figure 2022042885000015
ここで、モデルパラメータを要素とするベクトルaとし、推定部320は、モデルパラメータの初期値a(0)の全ての要素を0とする。なお、本実施例において、算出すべきモデルパラメータの数をm個とする。
Figure 2022042885000016
推定部320は、ビート信号の時系列データのうちm個のデータを用いてモデルパラメータを推定する。ここで、k番目の時系列データをy(k)とし、推定部320は、時系列データy(k-1)から時系列データy(k-m)までの、過去のm個のデータを要素とするベクトルz(k)を生成する。
Figure 2022042885000017
ここで、ベクトルz(k)を用いて共分散行列P(N)を次式のように示す。
Figure 2022042885000018
このような共分散行列P(N)は、時点Nのベクトルz(N)と時点Nよりも1サンプル前の時点N-1の共分散行列P(N-1)とに基づく、次式のような漸化式を用いて算出できる。
Figure 2022042885000019
ここで、時点Nの時系列データy(N)の推定値をy’(N)とすると、y’(N)は次式のように示される。
Figure 2022042885000020
また、y(N)の推定残差をε(N)とすると、次式のように示される。
Figure 2022042885000021
このような推定残差ε(N)を用いることにより、時点Nのモデルパラメータの推定値a’(N)は、次式のように算出することができる。
Figure 2022042885000022
推定部320は、(数21)式に示すような漸化式を用いることにより、(数7)式に示す時系列データを自己回帰モデルで表現した多項式のモデルパラメータを算出することができる。なお、このような漸化式によるモデルパラメータの推定は、逐次最小2乗法に基づくものであり、例えば、非特許文献2等に詳細な内容が記載されている。
以上のように、推定部320は漸化式を用いてもモデルパラメータを算出できるので、第1算出部330は、上述のように、モデルパラメータに基づいて、多項式に対応する特性方程式が極値となる解を算出できる。なお、推定部320が逐次最小2乗法に基づいてモデルパラメータを推定する場合、時系列データのデータ毎にモデルパラメータを算出することができる。この場合、推定部320は、一の時点の時系列データに基づいて算出したモデルパラメータに、次の時点の時系列データに基づいて算出したモデルパラメータの差分を追加してモデルパラメータを更新する。したがって、推定部320はモデルパラメータの差分を順次計算するだけなので、計算量を低減させてより高速にモデルパラメータを算出できる。
この場合、第1算出部330、探索部340、および第2算出部350は、推定部320と同様に、時系列データのデータ毎に動作することができる。これにより、測定装置100は、当該測定装置100から計測対象物10までの距離dを時系列データのデータ毎に出力することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
10 計測対象物
100 測定装置
110 レーザ装置
112 周波数シフタ
114 増幅媒体
116 WDMカプラ
117 ポンプ光源
118 出力カプラ
120 分岐部
130 光サーキュレータ
140 光ヘッド部
150 ビート信号発生部
152 光カプラ
154 光電変換部
160 周波数解析部
162 フィルタ部
170 表示部
202 AD変換部
210 クロック信号供給部
220 信号処理部
310 記憶部
320 推定部
330 第1算出部
340 探索部
350 第2算出部

Claims (9)

  1. 周波数変調レーザ光を出力するレーザ装置と、
    前記レーザ装置が出力する前記周波数変調レーザ光を、前記周波数変調レーザ光の一部の参照光と、残りの少なくとも一部の測定光とに分岐させる分岐部と、
    前記測定光を計測対象物に照射して反射された反射光と前記参照光とを混合してビート信号を発生させるビート信号発生部と、
    前記ビート信号の時系列データを予め定められた多項式に当てはめた場合のモデルパラメータを推定する推定部と、
    前記モデルパラメータに基づいて、前記多項式に対応する特性方程式が極値となる解を算出する第1算出部と、
    算出された解のうち、絶対値が最大となる解を探索し、探索した解に対応するビート周波数を算出する探索部と、
    前記ビート周波数に基づき、前記参照光と前記測定光との伝搬距離の差を算出する第2算出部と
    を備える、測定装置。
  2. 前記推定部は、前記ビート信号の前記時系列データを自己回帰モデルで表現した場合の前記モデルパラメータを推定する、請求項1に記載の測定装置。
  3. 前記推定部は、最小2乗法、ユールウォーカ法、バーグ法、および共分散法のうちいずれか1つの方法に基づき、前記モデルパラメータを推定する、請求項2に記載の測定装置。
  4. 前記推定部は、前記ビート信号の前記時系列データから予め定められた漸化式を用いて前記モデルパラメータを推定する、請求項1または2に記載の測定装置。
  5. 前記推定部は、逐次最小2乗法に基づき、前記モデルパラメータを推定する、請求項4に記載の測定装置。
  6. 前記第1算出部は、前記多項式にZ変換を適用したことに基づいて算出される伝達関数に対応する前記特性方程式を用いる、請求項1から5のいずれか一項に記載の測定装置。
  7. 前記第1算出部は、前記伝達関数に基づく前記特性方程式を因数分解することにより、前記特性方程式が極値となる解を算出する、請求項6に記載の測定装置。
  8. 前記探索部は、探索した解の偏角に基づき、探索した解に対応する前記ビート周波数を算出する、請求項1から7のいずれか一項に記載の測定装置。
  9. レーザ装置から複数のモードの周波数変調レーザ光を出力するステップと、
    前記レーザ装置が出力する前記周波数変調レーザ光を、前記周波数変調レーザ光の一部の参照光と、残りの少なくとも一部の測定光とに分岐させるステップと、
    前記測定光を計測対象物に照射して反射された反射光と、前記参照光とを混合してビート信号を発生させるステップと、
    前記ビート信号の時系列データを予め定められた多項式に当てはめた場合のモデルパラメータを推定するステップと、
    前記モデルパラメータに基づいて、前記多項式に対応する特性方程式が極値となる解を算出するステップと、
    算出された解のうち、絶対値が最大となる解を探索し、探索した解に対応するビート周波数を算出するステップと、
    前記ビート周波数に基づき、前記参照光と前記測定光との伝搬距離の差を算出するステップと
    を備える、測定方法。
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