JP2020032948A - 車両制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の発進を安定化させる。【解決手段】車両制御装置(10)は、車両(1)の複数の車輪(21〜24)の全部又は一部に設けられた電動パーキングブレーキ(35)の作動を制御する第1制御部(11)と、車両(1)の各車輪(21〜24)に設けられた液圧式ブレーキ(31)の制動力を制御する第2制御部(12)と、を備え、第2制御部(12)は、車両(1)のアクセルペダルが開状態に切り替わり、電動パーキングブレーキ(35)が解除されたとき、電動パーキングブレーキ(35)が解除された各車輪(21〜24)に対し、液圧式ブレーキ(31)による制動力を付与し、液圧式ブレーキの制動力(31)を、電動パーキングブレーキ(35)の制動力が減少する第1勾配よりも小さい第2勾配で減少させる。【選択図】図3
Description
本発明は、車両制御装置に関する。
従来、手動で作動させていたパーキングブレーキに代わり、モータによって作動させる電動パーキングブレーキ(EPB:Electric Parking Brake)が搭載された車両が普及している(例えば、特許文献1参照。)。EPBによれば、作動と解除の切り替えを、ドライバの操作に応じて行うだけでなく、車両側でパーキングブレーキの作動と解除のタイミングを検出して自動的に行うことが可能である。
EPBは、車輪に対する制動力をブレーキペダルの踏込量に応じて発生させるフットブレーキと異なり、制動力を付与する作動状態と、制動力を付与しない解除状態のいずれかしかない。そのため、停車中の車両を発進させる際、作動していたEPBが解除されると、EPBによる制動から一気に解放された車輪が跳ね上がる現象が生じることがあった。
本発明は、車両の発進を安定化させることを目的とする。
本発明の一態様によれば、車両(1)の複数の車輪(21〜24)の全部又は一部に設けられた電動パーキングブレーキ(35)の作動を制御する第1制御部(11)と、前記車両(1)の前記各車輪(21〜24)に設けられた液圧式ブレーキ(31)により前記各車輪(21〜24)に付与する制動力を制御する第2制御部(12)と、を備え、前記第2制御部(12)は、前記車両(1)のアクセルペダル(28)が開状態に切り替わり、前記第1制御部(11)により前記電動パーキングブレーキ(35)が解除されたとき、前記電動パーキングブレーキ(35)が解除された前記各車輪に対し、前記液圧式ブレーキ(31)による制動力を付与し、前記液圧式ブレーキ(31)の制動力を、前記電動パーキングブレーキ(35)の制動力が減少する第1勾配よりも小さい第2勾配で減少させる、車両制御装置(10)が提供される。
本発明によれば、車両の発進を安定化させることができる。
以下、本発明の車両制御装置の実施形態について、図面を参照して説明する。以下に説明する構成は、本発明の一実施態様としての一例(代表例)であり、本発明は以下に説明する構成に限定されない。
図1は、本発明の一実施形態の車両制御装置10が搭載された車両1を示す。
図1に示すように、車両1は、車輪21〜24を備える4輪車である。車輪21は右前輪であり、車輪22は左前輪であり、車輪23は右後輪であり、車輪24は左後輪である。車輪21及び22は前車軸51によって、車輪23及び24は後車軸52によって、回転可能に支持される。
図1に示すように、車両1は、車輪21〜24を備える4輪車である。車輪21は右前輪であり、車輪22は左前輪であり、車輪23は右後輪であり、車輪24は左後輪である。車輪21及び22は前車軸51によって、車輪23及び24は後車軸52によって、回転可能に支持される。
前輪駆動の車両1では、前車軸51に取り付けられた変速機26を通じて、エンジン25から駆動輪である前輪21及び22に動力が伝達される。後輪23及び24は、車両1の移動により回転する従動輪である。エンジン25と変速機26の間にはクラッチ27が設けられる。クラッチ27は、エンジン25と変速機26を接続する又は切り離す。なお、図1に示す車両1は一例であって、車両1は後輪駆動であってもよいし、4輪駆動であってもよい。
各車輪21〜24には、液圧式ブレーキ31が設けられる。液圧式ブレーキ31は、ディスクブレーキであってもよいし、ドラムブレーキであってもよい。なかでも、ドラムブレーキは、液圧制御により十分な制動力を付与でき、好ましい。ディスクブレーキは、ホイールシリンダ内を移動するピストンによりブレーキパッドを押圧して、車輪21〜24と一体に回転するブレーキディスクに押し当て、車輪21〜24に制動力を付与する。ドラムブレーキは、車輪21〜24と一体に回転するブレーキドラムの内面に設けられたブレーキパッド(ブレーキシュー)を、ホイールシリンダ内を移動するピストンにより押圧し、ブレーキドラムの内面に押し当てて、車輪21〜24に制動力を付与する。
液圧ユニット32は、各車輪21〜24の液圧式ブレーキ31のホイールシリンダと配管を介して接続され、各ホイールシリンダに液圧を供給する。液圧ユニット32は、各配管への制御弁を備え、制御弁によって液圧の供給を制御することができる。液圧ユニット32は、車輪21〜24ごとに独立して液圧を制御してもよいし、各車輪21〜24を同じ液圧で制御してもよい。液圧ユニット32は、車両1のブレーキペダル33の踏込量に応じた液圧がマスタシリンダ34から伝わると、この液圧を各車輪21〜24の液圧式ブレーキ31に分配して伝える。
また、液圧ユニット32は、ポンプ、リザーバタンク等を備え、ブレーキペダル33の踏込量によらず、車両制御装置10からの指示に応じて液圧を加圧又は減圧して、各液圧式ブレーキ31に供給することができる。
後輪23及び24には、液圧式ブレーキ31とは別に、電動パーキングブレーキ(EPB:Electric Parking Brake)35が設けられる。EPB35は、モータによって作動するパーキングブレーキである。EPB35は、例えばモータを駆動してブレーキパッドを押圧するディスクブレーキ又はドラムブレーキである。
(車両制御装置)
車両制御装置10は、車両1の各部を制御する電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)である。
車両制御装置10は、図1に示すように、第1制御部11、第2制御部12及び記憶部13を備える。第1制御部11及び第2制御部12としては、例えばプログラムを読み取って処理を実行するマイクロコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ等を用いることができる。
車両制御装置10は、車両1の各部を制御する電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)である。
車両制御装置10は、図1に示すように、第1制御部11、第2制御部12及び記憶部13を備える。第1制御部11及び第2制御部12としては、例えばプログラムを読み取って処理を実行するマイクロコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ等を用いることができる。
第1制御部11は、EPB35の作動を制御する。例えば、第1制御部11は、ドライバのボタンの操作に応じて、EPB35の作動と解除を切り替える。第1制御部11は、ボタンの操作がなくても、EPB35の作動又は解除のタイミングを検出したときに、EPB35を自動的に作動又は解除することもできる。
例えば、第1制御部11は、駆動輪である車輪21及び22に設けられた車輪速度センサ41の検出信号から一定時間停車中であることを検出した場合、EPB35を作動させる。また、第1制御部11は、EPB35の作動中に、アクセルペダル28が開状態になったことを検出した場合、EPB35を解除する。
第2制御部12は、車両1の状態を検出し、検出した状態に基づいて、液圧式ブレーキ31により各車輪21〜24に付与する制動力を制御する。車両1の挙動の安定化を目的とする第2制御部12の制御は、ESC(Electric Stability Control)、 ESP(Electric Stability Program)、VSA(Vehicle Stability Assist)等と呼ばれる。また、ブレーキ操作による車輪21〜24のロック防止を目的とする第2制御部12の制御は、ABS(Anti-lock Brake System)と呼ばれる。
車両1に電動サーボブレーキ(ESB:Electric Servo Brake)システムが搭載される場合、第2制御部12は、ESBシステム下で使用される液圧式ブレーキ31の制動力を制御してもよい。ESBシステム下では、各車輪21〜24の液圧式ブレーキ31のホイールシリンダがスレーブシリンダに接続される。スレーブシリンダ内のピストンをモータにより駆動することで、各車輪21〜24のホイールシリンダに任意の液圧を発生させることができる。このモータの駆動を第2制御部12が制御することによって、各車輪21〜24に付与する制動力を制御する。
第2制御部12は、各種センサの検出信号に基づいて、車両1の状態を検出する。検出信号としては、車両1に設けられた車輪速度センサ41、前後加速度センサ42、ヨーレートセンサ43、ハンドルの操舵角センサ45の検出信号、ポジションセンサ29により検出されたアクセルペダル28の踏込量の検出信号、ポジションセンサ36により検出されたブレーキペダル33の踏込量の検出信号等が挙げられ、これらのうち1又は複数の検出信号が車両1の状態の検出に用いられる。
また、第2制御部12は、アクセルペダル28が開状態に切り替わり、第1制御部11によりEPB35が解除されたとき、車両1の発進を安定化させる制御を行う。具体的には、第2制御部12は、EPB35が解除された各車輪23及び24に対し、液圧式ブレーキ31による制動力を付与する。また、第2制御部12は、付与した液圧式ブレーキ31の制動力を、EPB35の制動力が減少する第1勾配よりも小さい第2勾配で減少させる。
記憶部13は、第1制御部11及び第2制御部12が読み取り可能なプログラム、プログラムの実行に使用するデータ等を記憶する。
(制御例)
EPB35の作動によって車両1が停車中にアクセルペダル28が開状態に切り替わり、EPB35が解除されると、エンジン25による回転力が車輪21及び22に付与される一方で、車輪23及び24はEPB35の制動から解放される。このとき、制動からの解放によって車輪23及び24に組み込まれたサスペンションが伸縮し、車両1の後部が浮き上がって、発進が安定しないことがある。これは、EPB35が作動と解除の切り替えしかなく、解除によって車輪23及び24に対する制動が一気に解放されるためである。特に、ドラムブレーキは、ブレーキパッドが特定のパッド位置まで移動すると、ブレーキドラムとの摩擦力、すなわち車輪23及び24に対する制動力が急激に減少する特性を有する。
EPB35の作動によって車両1が停車中にアクセルペダル28が開状態に切り替わり、EPB35が解除されると、エンジン25による回転力が車輪21及び22に付与される一方で、車輪23及び24はEPB35の制動から解放される。このとき、制動からの解放によって車輪23及び24に組み込まれたサスペンションが伸縮し、車両1の後部が浮き上がって、発進が安定しないことがある。これは、EPB35が作動と解除の切り替えしかなく、解除によって車輪23及び24に対する制動が一気に解放されるためである。特に、ドラムブレーキは、ブレーキパッドが特定のパッド位置まで移動すると、ブレーキドラムとの摩擦力、すなわち車輪23及び24に対する制動力が急激に減少する特性を有する。
図2は、ドラムブレーキを解除したときのブレーキパッドとブレーキドラムの摩擦力の一例を示す。
図2に示すように、ドラムブレーキが作動中のとき、ブレーキパッドの移動距離が0であり、ブレーキパッドがブレーキドラムに強く押し当てられるため、摩擦力が最大である。ドラムブレーキが解除され、ブレーキパッドを押圧するモータがONからOFFへ切り替えられると、ブレーキパッドに対する押圧力は時間に比例して減少し、ブレーキパッドはブレーキドラムから離れる方向に一定速度で移動する。移動にともない、ブレーキパッドとブレーキドラムの接触が減るため、摩擦力も低下していく。このとき、移動を開始してすぐではなく、ブレーキパッドが特定の距離d1を移動したときに摩擦力が急激に減少することがドラムブレーキの特徴である。ブレーキパッドがブレーキドラムから完全に離れる距離d2まで移動すると、摩擦力は0になる。
図2に示すように、ドラムブレーキが作動中のとき、ブレーキパッドの移動距離が0であり、ブレーキパッドがブレーキドラムに強く押し当てられるため、摩擦力が最大である。ドラムブレーキが解除され、ブレーキパッドを押圧するモータがONからOFFへ切り替えられると、ブレーキパッドに対する押圧力は時間に比例して減少し、ブレーキパッドはブレーキドラムから離れる方向に一定速度で移動する。移動にともない、ブレーキパッドとブレーキドラムの接触が減るため、摩擦力も低下していく。このとき、移動を開始してすぐではなく、ブレーキパッドが特定の距離d1を移動したときに摩擦力が急激に減少することがドラムブレーキの特徴である。ブレーキパッドがブレーキドラムから完全に離れる距離d2まで移動すると、摩擦力は0になる。
第2制御部12は、上記摩擦力によって発生するEPB35の制動力の特性に基づいて、EPB35が解除された車輪23及び24に液圧式ブレーキ31による制動力を付与し、付与した制動力を制御することによって、車両1の発進を安定化させる。
図3は、車両制御装置10が車両1の発進を安定化させるときの処理手順を示す。
図3に示すように、車両制御装置10では、第1制御部11がポジションセンサ29により検出されたアクセルペダル28の踏込量をモニタする。アクセルペダル28の踏込量が0を超え、アクセルペダル28の開状態が検出されると(ステップS11:YES)、第1制御部11は作動中のEPB35を解除する(ステップS12)。
図3に示すように、車両制御装置10では、第1制御部11がポジションセンサ29により検出されたアクセルペダル28の踏込量をモニタする。アクセルペダル28の踏込量が0を超え、アクセルペダル28の開状態が検出されると(ステップS11:YES)、第1制御部11は作動中のEPB35を解除する(ステップS12)。
第2制御部12は、EPB35が解除された車輪23及び24に対し、液圧式ブレーキ31により付与する制動力の制御を開始する(ステップS13)。まず、第2制御部12は、規定液圧を目標として、液圧式ブレーキ31の液圧を減圧又は加圧する(ステップS14)。減圧又は加圧後の液圧が規定液圧に達していなければ(ステップS15:NO)、ステップS14に戻り、第2制御部12は液圧式ブレーキ31の液圧が規定液圧に達するまで減圧又は加圧を繰り返す。規定液圧は、解除によって急激に減少する前のEPB35の制動力以上の制動力を発生させる液圧である。
具体的には、第2制御部12は、液圧式ブレーキ31の液圧が規定液圧より大きい場合、液圧ユニット32により液圧を減圧させる。一方、第2制御部12は、液圧式ブレーキ31の現在の液圧が規定液圧より小さい場合は、液圧ユニット32により液圧を加圧させる。液圧式ブレーキ31の液圧が規定液圧である場合は、第2制御部12は液圧ユニット32により規定液圧を維持させる。これにより、第2制御部12は、EPB35が解除された車輪23及び24に対して液圧式ブレーキ31により付与する制動力を、規定液圧のときの制動力に制御できる。
第2制御部12は、解除されたEPB35の制動力が急激に減少し始めるまでに、液圧式ブレーキ31の液圧が規定液圧に到達するように、減圧又は加圧させることが好ましい。これにより、EPB35の制動からの解放が始まる前に液圧式ブレーキ31の制動力を付与できる。
第2制御部12は、液圧式ブレーキ31の液圧が規定液圧に到達すると(ステップS15:YES)、EPB35の制動力の特性に基づいて、EPB35の制動力が急激に減少する時点に到達したか否かを判断する(ステップS16)。第2制御部12は、EPB35の制動力が急激に減少する時点に到達したと判断した場合(ステップS16:YES)、液圧式ブレーキ31の液圧を減圧させる(ステップS17)。この減圧時の勾配は、液圧式ブレーキ31の制動力が、EPB35の制動力が急激に減少するときの第1勾配よりも小さい第2勾配で減少するように決定される。第2制御部12は、あらかじめ実験的に求めた第1勾配に対し、あらかじめ第2勾配を決定しておいてもよいし、その都度第2勾配を演算により決定してもよい。例えば、第2制御部12は、制動トルクと回転トルクの差からEPB35より緩やかな速度で減少する第2勾配を演算してもよいし、車両1が走行する坂道の角度を取得できるのであれば、上記トルク差と坂道の角度から第2勾配を演算してもよい。第2勾配は、車両1が安定するようにEPB35より緩やかな速度で減圧できるのであれば、直線状であっても曲線状であってもよい。液圧が0に達すると(ステップS18:YES)、本処理が終了する。
図4は、液圧式ブレーキ31の液圧の制御例を示す。
例えば、上り坂等では、ドライバはブレーキペダル33を強く踏み込む。このとき、液圧式ブレーキ31の液圧は最大液圧Fmaxである。この状態から車両1を発進させる場合、ドライバはブレーキペダル33を解放し、アクセルペダル28を踏み込む。これにより、ラインf1で示すように、EPB35が解除された時点t0から液圧式ブレーキ31に供給される液圧が減圧される。規定液圧Fcまで減圧され、EPB35の制動力の急激な減少が始まる時点t1に到ると、ラインf3で示す勾配でさらに減圧される。
例えば、上り坂等では、ドライバはブレーキペダル33を強く踏み込む。このとき、液圧式ブレーキ31の液圧は最大液圧Fmaxである。この状態から車両1を発進させる場合、ドライバはブレーキペダル33を解放し、アクセルペダル28を踏み込む。これにより、ラインf1で示すように、EPB35が解除された時点t0から液圧式ブレーキ31に供給される液圧が減圧される。規定液圧Fcまで減圧され、EPB35の制動力の急激な減少が始まる時点t1に到ると、ラインf3で示す勾配でさらに減圧される。
一方、道路上でドライバがブレーキペダル33を踏み込んでいない状態では、図4に示すように、液圧式ブレーキ31の液圧は最小液圧Fminである。車両1を発進させるため、ドライバがアクセルペダル28を踏み込むと、EPB35が解除される。ラインf2で示すように、EPB35が解除された時点t0から、液圧式ブレーキ31に供給される液圧が加圧される。規定液圧Fcまで加圧され、EPB35の制動力の急激な減少が始まる時点t1に到ると、ラインf3で示す勾配で減圧される。
図5は、EPB35と液圧式ブレーキ31の制動力の一例を示す。
図5に示すように、EPB35が解除された時点t0から、EPB35のブレーキパッドは、ブレーキドラムに押し当てられた位置d0からブレーキドラムから離れる方向へ一定速度で移動する。ブレーキパッドが位置d1に到達した時点t1より後、EPB35の制動力は急激に減少する。ブレーキパッドが位置d2にさらに移動して両者が非接触となる時点t2でEPB35の制動力は0になる。このようなEPB35の制動力の特性は、例えばEPB35を解除したときの摩擦力の時間変化を測定し、測定した摩擦力を制動力に変換することにより得られる。EPB35の制動力の特性は、例えば記憶部13に保存され、第2制御部12によって読み出される。
図5に示すように、EPB35が解除された時点t0から、EPB35のブレーキパッドは、ブレーキドラムに押し当てられた位置d0からブレーキドラムから離れる方向へ一定速度で移動する。ブレーキパッドが位置d1に到達した時点t1より後、EPB35の制動力は急激に減少する。ブレーキパッドが位置d2にさらに移動して両者が非接触となる時点t2でEPB35の制動力は0になる。このようなEPB35の制動力の特性は、例えばEPB35を解除したときの摩擦力の時間変化を測定し、測定した摩擦力を制動力に変換することにより得られる。EPB35の制動力の特性は、例えば記憶部13に保存され、第2制御部12によって読み出される。
図5に示すように、液圧式ブレーキ31により、最小液圧Fminのときの制動力0から最大液圧Fmaxのときの制動力P0までの制動力を付与できる。時点t1のときのEPB35の制動力Ptを発生させる液圧を規定液圧とした場合、第2制御部12は、EPB35が解除された時点t0から、液圧式ブレーキ31の液圧を規定液圧まで加圧又は減圧させることにより、減少する前のEPB35と同じ制動力Ptを液圧式ブレーキ31により付与することができる。規定液圧をさらに上昇させれば、EPB35の制動力Ptより大きい制動力を液圧式ブレーキ31により付与することができる。このように、液圧式ブレーキ31により付与する制動力が減少する前のEPB35の制動力Pt以上であると、EPB35の制動から解放される車輪23及び24を液圧式ブレーキ31によって十分に制動することができ、好ましい。
第2制御部12は、付与した液圧式ブレーキ31の制動力を第2勾配で減少させる。図5に示すように、第2勾配は、EPB35の制動力が時点t1から時点t2までの期間中に減少する第1勾配よりも小さい。これにより、車輪23及び24を徐々に解放することができ、車両1を緩やかに発進させることができる。EPB35の制動力が減少し始める時点t1に合わせて、液圧式ブレーキ31の制動力の減少を開始するタイミングが決定されると、FPB35の制動からの解放に合わせて液圧式ブレーキ31の制動からの解放を始めることができる。
図5に示すように、EPB35と同じ時点t1から、EPB35より小さい第2勾配で液圧式ブレーキ31の制動力Ptが減少するため、液圧式ブレーキ31の制動力が0になる時点t3はEPB35の制動力が0になる時点t2よりも遅い。時点t1−t2の期間中、EPB35の制動力以上に大きい制動力が液圧式ブレーキ31により付与されるため、EPB35の制動から解放される車輪23及び24を液圧式ブレーキ31によって十分に制動することができる。
以上のように、本実施形態の車両制御装置10は、EPB35が解除された車輪23及び24に対し、液圧式ブレーキ31による制動力を付与する。また、車両制御装置10は、付与した液圧式ブレーキ31の制動力を、EPB35が減少する第1勾配よりも小さい第2勾配で減少させる。これにより、EPB35の制動から一気に解放される車輪23及び24を、液圧式ブレーキ31によって徐々に解放することができる。車輪23及び24の浮き上がり等の現象を抑えて緩やかに発進させることができ、車両1の発進を安定化することができる。
(変形例)
上記車両制御装置10において、第2制御部12は、エンジン25により付与する回転力を制限することにより、EPB35により車輪23及び24に発生する制動力と、車輪21及び22に発生する回転力の差を減らし、車両1の発進を安定化させることもできる。
上記車両制御装置10において、第2制御部12は、エンジン25により付与する回転力を制限することにより、EPB35により車輪23及び24に発生する制動力と、車輪21及び22に発生する回転力の差を減らし、車両1の発進を安定化させることもできる。
図6は、エンジン25により付与する回転力の制御例を示す。
図6に示すように、車両1の発進時、通常はアクセルペダル28の踏み込みに応じてエンジン25によって付与される回転力が上昇する。これに対し、第2制御部12は、エンジン25により付与する回転力が、EPB35の制動力以下であるか、EPB35の制動力を超えても閾値Th以下であるように、アクセルペダル28の踏込量によらず、エンジン25により付与する回転力を制限する。閾値Thは、安定した発進が可能なときの回転力をテストにより求めて設定することができる。第2制御部12は、EPB35が減少する時点t1−t2の期間中、エンジン25により付与する回転力を制限し、時点t2を超えるとアクセルペダル28の踏込量に応じた通常の制御に戻る。
図6に示すように、車両1の発進時、通常はアクセルペダル28の踏み込みに応じてエンジン25によって付与される回転力が上昇する。これに対し、第2制御部12は、エンジン25により付与する回転力が、EPB35の制動力以下であるか、EPB35の制動力を超えても閾値Th以下であるように、アクセルペダル28の踏込量によらず、エンジン25により付与する回転力を制限する。閾値Thは、安定した発進が可能なときの回転力をテストにより求めて設定することができる。第2制御部12は、EPB35が減少する時点t1−t2の期間中、エンジン25により付与する回転力を制限し、時点t2を超えるとアクセルペダル28の踏込量に応じた通常の制御に戻る。
これにより、EPB35の制動力が減少する間、駆動輪の回転力も減少させて、制動から解放された車輪23及び24に発生する制動力と、駆動輪である車輪21及び22に発生する回転力との差を減らすことができる。EPB35の制動から一気に解放されても、制動力と回転力の差の大きさにより生じる浮き上がり等の現象を抑えることができ、車両1の発進を安定化させることができる。
第2制御部12は、液圧式ブレーキ31の制動力を付与し、さらにエンジン25により付与する回転力を制限してもよい。この場合、液圧式ブレーキ31の制動力とEPB35の制動力を合わせた制動力以下となるように、エンジン25により付与する回転力を制限すればよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
例えば、上記実施形態のEPB35は、液圧式ブレーキ31とは異なるブレーキであるが、液圧式ブレーキ31としても兼用される1つのブレーキであってもよい。例えば、液圧によってもモータによってもブレーキパッドを駆動できるブレーキが各車輪21〜24に設けられ、液圧式ブレーキ31としてもEPB35としても機能する場合も本発明を実施できる。
例えば、上記実施形態のEPB35は、液圧式ブレーキ31とは異なるブレーキであるが、液圧式ブレーキ31としても兼用される1つのブレーキであってもよい。例えば、液圧によってもモータによってもブレーキパッドを駆動できるブレーキが各車輪21〜24に設けられ、液圧式ブレーキ31としてもEPB35としても機能する場合も本発明を実施できる。
また、上記実施形態においてEPB35は後輪23及び24に設けられた例を説明したが、EPB35は、複数の車輪21〜24の全部又は一部に設けることができる。例えば、EPB35は、後輪23及び24ではなく、前輪21及び22に設けられてもよいし、全車輪21〜24に設けられてもよい。
1・・・車両、21〜24・・・車輪、31・・・液圧式ブレーキ、32・・・液圧ユニット、35・・・EPB、10・・・車両制御装置、11・・・第1制御部、12・・・第2制御部、13・・・記憶部
Claims (7)
- 車両(1)の複数の車輪(21〜24)の全部又は一部に設けられた電動パーキングブレーキ(35)の作動を制御する第1制御部(11)と、
前記車両(1)の前記各車輪(21〜24)に設けられた液圧式ブレーキ(31)により前記各車輪(21〜24)に付与する制動力を制御する第2制御部(12)と、を備え、
前記第2制御部(12)は、前記車両(1)のアクセルペダル(28)が開状態に切り替わり、前記第1制御部(11)により前記電動パーキングブレーキ(35)が解除されたとき、前記電動パーキングブレーキ(35)が解除された前記各車輪(21〜24)に対し、前記液圧式ブレーキ(31)による制動力を付与し、前記液圧式ブレーキ(31)の制動力を、前記電動パーキングブレーキ(35)の制動力が減少する第1勾配よりも小さい第2勾配で減少させる、
車両制御装置(10)。 - 前記第2制御部(12)は、前記電動パーキングブレーキ(35)の制動力が減少する期間中、前記電動パーキングブレーキ(35)の制動力以上に大きい制動力を前記液圧式ブレーキ(31)により付与する、
請求項1に記載の車両制御装置(10)。 - 前記第2制御部(12)は、前記電動パーキングブレーキ(35)の制動力が減少し始める時点に合わせて、前記液圧式ブレーキ(31)の制動力の減少を開始させる、
請求項1又は2に記載の車両制御装置(10)。 - 前記第2制御部(12)は、前記液圧式ブレーキ(31)に供給する液圧を規定液圧に達するまで加圧又は減圧して、前記液圧式ブレーキ(31)による制動力を付与し、
前記規定液圧は、減少する前の前記電動パーキングブレーキ(35)の制動力以上の制動力を前記液圧式ブレーキ(31)に発生させる液圧である、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両制御装置(10)。 - 前記第2制御部(12)は、前記規定液圧から、あらかじめ決定された勾配か又は演算により決定された勾配で前記液圧式ブレーキ(31)の液圧を減圧し、前記液圧式ブレーキ(31)の制動力を前記第2勾配で減少させる、
請求項4に記載の車両制御装置(10)。 - 前記電動パーキングブレーキ(35)は、ドラムブレーキであり、
前記液圧式ブレーキ(31)の制動力を減少させるときの前記第2勾配と、減少を開始するタイミングは、解除により減少する前記ドラムブレーキの制動力の特性に基づいて決定される、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両制御装置(10)。 - 前記第2制御部(12)は、前記電動パーキングブレーキ(35)による制動力が減少する期間中、前記車両(1)の駆動輪に対し、前記アクセルペダル(28)の踏込量に応じて前記車両(1)のエンジン(25)により付与する回転力を制限する、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両制御装置(10)。
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