JP2020032714A - ボールペンリフィル及びボールペン - Google Patents

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Abstract

【課題】筆記ボール径が0.35〜0.45mmのボールペンチップを用いた場合に、筆感の低下を抑制しつつ、ボールペンチップの落下耐性を高める。【解決手段】筆記ボールと、円柱状の胴部と先細に形成されたテーパー部とを有するホルダーと、筆記ボールを収容するボールハウスと、筆記ボールの曲面が転写されたボール受座と、ボールハウスの近傍まで達するバック孔と、ボールハウスとバック孔とを連絡するインク孔と、インク孔とボールハウスとを連絡するチャンネル溝と、テーパー部の先端部分が内側にかしめられたカシメ部と、を備えるボールペンチップと、油性インクを収容し、ボールペンチップが装着されるインク収容管と、を含み、カシメ外径が筆記ボール径の112%未満であり、ボールハウスの底面の最外縁からテーパー部までの厚みが、筆記ボール径の23%以上、かつ、40%未満である。【選択図】図4

Description

本発明は、ボールペンリフィル及びボールペンに関する。
筆記ボールを保持するためのボールペンチップは、通常、下記の各工程によって形成される。
まず、円柱材からなるホルダーの先端側から、筆記ボールが収容されるボールハウスが切削加工される。
続いて、ホルダーの後端側からは、ボールペン内のインクを先端側へ導く流路となるバック孔が切削加工される。
そして、これらのボールハウスとバック孔とを切削加工等にて貫通させ、インク孔が形成される。このインク孔は、バック孔に至ったインクをさらに先端側へ導く流路となる。
次に、インク孔の周囲には、複数本の溝が放射状に切削される。この溝がチャンネル溝である。このチャンネル溝は、インク孔に至ったインクをボールハウスへ導く流路となる。
そして、筆記ボールは、ボールハウスへ挿入された後、後端側へ叩かれて押圧される。この工程を「タタキ」と称する。このタタキによって、ボールハウスの底面に筆記ボールの曲面が転写される。このボールハウスの底面の曲面がボール受座となる。
最後に、ホルダーの先端部分を内方にかしめることで、筆記ボールの脱落を防ぐカシメ部が形成される。
特許文献1には、筆記ボール径が0.45mm以下のいわゆる超極細といわれるボールペンチップを用いたボールペンリフィル、及び、そのボールペンリフィルを用いたボールペンが開示されている。
特開2015−208932号公報
ここで、筆記ボール径が0.45mm以下の比較的小径のボールペンチップは、筆記ボール径が0.5mmや0.7mmのボールペンチップに比べて、ボール径が小さいことに起因してボールペンチップの先端部の肉厚が薄くなっており、机上から床面に落下した時の衝撃による影響が大きい。具体的には、落下による衝撃によりボールペンチップの先端部が凹んでしまい、その凹みによりインクの供給量が減少し、筆記時の描線が掠れてしまう。
上記の問題に鑑みて、ボールペンチップの先端部の肉厚を厚くすることが考えられるが、必要以上にボールペンチップの先端部の肉厚が厚くなると、筆記時にカシメ部が筆記面に引っ掛かりやすくなり、筆感の低下という新たな問題が生じる。
そこで、本発明は、筆記ボール径が0.35〜0.45mmのボールペンチップを用いた場合に、筆感の低下を抑制しつつ、ボールペンチップの落下耐性を高めることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の実施態様は、以下のような構成を備える。
(1)第1の実施態様
本発明の第1の実施態様におけるボールペンリフィルは、直径0.45mm以下の筆記ボールと、前記筆記ボールを抱持するものであって、円柱状の胴部と、前記胴部の先端側で先細に形成されたテーパー部と、を有するホルダーと、前記テーパー部の先端から前記テーパー部の後端に向かって形成され、前記筆記ボールを収容するボールハウスと、前記ボールハウスの底面であって、前記筆記ボールの曲面が転写されたボール受座と、前記ホルダーの後端から前記ホルダーの先端に向かって形成され、前記ボールハウスの近傍まで達する内部空間であるバック孔と、前記ボールハウスと前記バック孔との間を連絡するよう形成された内部空間であるインク孔と、前記インク孔の周囲に等配されるとともに、前記インク孔と前記ボールハウスとを連絡するよう形成された複数の溝であるチャンネル溝と、前記テーパー部の先端部分が内側にかしめられたカシメ部と、を備えるボールペンチップと、油性インクを収容し、前記ボールペンチップが装着されるインク収容管と、を含み、前記カシメ部の先端面における外径であるカシメ外径が、前記筆記ボール径の112%未満であり、前記ボールハウスの底面の最外縁から、前記テーパー部までの前記ホルダーの径方向の厚みが、前記筆記ボール径の23%以上、かつ、40%未満である。
(2)第2の実施態様
本発明の第2の実施態様におけるボールペンリフィルは、第1の実施態様のボールペンリフィルであって、前記ボールハウスに収容された状態における前記筆記ボールの先端から、前記テーパー部の後端までの前記ボールペンチップの軸心に沿った長さが4mm未満である。
(3)第3の実施態様
本発明の第3の実施態様におけるボールペンリフィルは、第1又は第2の実施態様のボールペンリフィルであって、前記ボールペンチップの軸心を通る断面において、前記テーパー部を延長する線分のなす角度が30°以上、かつ、50°未満である。
(4)第4の実施態様
本発明の第4の実施態様におけるボールペンリフィルは、第1、第2又は第3の実施態様のボールペンリフィルであって、前記胴部の外径は、2.35mm以上、かつ、2.6mm未満である。
(5)第5の実施態様
本発明の第5の実施態様におけるボールペンは、軸筒を備えるとともに、第1、第2、第3又は第4の実施態様のボールペンリフィルが前記軸筒に収容された。
本発明の実施態様によれば、筆記ボール径が0.45mm以下のいわゆる超極細といわれるボールペンチップを用いた場合に、筆感の低下を抑制しつつ、ボールペンチップの落下耐性を高めることができる。
本実施の形態に係るボールペンの正面図である。 本実施の形態に係るボールペンリフィルの正面図(A)及び(A)のI−I断面図(B)である。 本実施の形態に係るボールペンチップの断面図である。 本実施の形態に係るボールハウスの底面を平面視で示したものである。 本実施の形態に係るボールペンチップの先端部分の断面図である。 比較構成に係るボールペンチップの先端部分の断面図である。 筆記ボール径に応じたテーパー部の長さを示したものである。
本実施の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明における「先端側」とは、ボールペン5の軸方向のうち、後述する先軸11に向かう一方側をいい、「後端側」とは、後述する後軸12に向かう他方側をいう。
(1)ボールペン5
図1に示すように、ボールペン5は、その外部構造として、先端と後端とにそれぞれ開口部を有する軸筒10を備えている。この軸筒10は、軸方向の先端側に位置し、その先端部分が先細に形成された先軸11と、先軸11よりも後端側に位置する後軸12とが互いに螺合されて形成される。なお、後軸12の側面にはクリップ13が装着されている。クリップ13の後部側内面と後軸12との間にはスプリング(図示せず)が収容され、クリップ13の後端部を軸心側に押圧することでクリップ13の先端を持ち上げて、紙面等を容易に挟むことができる。また、ボールペン5の総重量を30g以上とすることで高級感と筆記における重量感を醸し出すことができる。
そして、先軸11の先端には、先端の開口部としてボールペンリフィル20のボールペンチップ40を露出させるための先端開口14が形成されている。また、後軸12の後端にも後端の開口部(図示せず)が形成されており、この後端の開口部を通じて中空ドーム状のキャップ部材15が装着されている。なお、このキャップ部材15には、ボールペンリフィル20を先軸11の先端から出没させるための操作部として球状の飾り部材16が固定されている。球状の飾り部材16は、軸心に対して周方向に回転することにより、ボールペンリフィル20の軸筒10の先端開口14からの出没を可能とする。なお、飾り部材16には、操作を容易にするために、その表面に軸方向に沿った視認可能な縦溝17が形成されている。なお、この縦溝17の代わりとして表面を梨地状態としてもよい。
また、軸筒10、クリップ13、キャップ部材15、飾り部材16の材料に金属成分を含有し、その表面にはダイヤモンド状炭素膜(DLC)の被膜を形成することで、耐摩耗性を向上させ、ボールペンリフィル20と同様に長期間の使用に耐えうることができる。そのDLCの被膜厚は0.5〜5μmとすることが望ましい。
(2)ボールペンリフィル20
図2に示すように、ボールペンリフィル20は、剪断速度38.3(s−1)においてインク粘度が10〜3,000mPa・sの主溶媒が水以外である油性インク35を収容するインク収容管30と、このインク収容管30の先端に装着されるボールペンチップ40と、を備えている。
このインク収容管30は、図2(A)に示すように、油性インク35を収容する略円筒状の太径の収容部31と、収容部31の先端から延びる細径の延出部32と、を備えている。太径の収容部31を備えることで従来のインク収容管より多くの油性インク35を収容することができ、少なくとも1500m以上、より好ましくは2000m以上の距離が筆記可能である。収容部31の後端の開口部には、油性インク35が流出することを防止するための栓である尾栓33が装着されている。また、延出部32の先端の開口部には、ボールペンチップ40が装着されている。インク収容管30は、油性インク35と触れる内面の面粗度が、JIS B0601に準拠する算術平均粗さがRa0.5μm以上の金属製であり、その内面には、10〜10,000mPa・sのシリコーンオイルを焼き付け処理して付着物として固化したものが好ましい。このような焼き付け処理をすることで経時的にインクやフォロワーが流れ出す問題や、筆記途中でのインクの一部が壁面に付着したまま斜めにフォロワーがペン先側に入れ替わって流れる逆転の問題を確実に防止できる。
さらに、図2(B)に示すように、収容部31の内部には、上記の油性インク35と、この油性インク35の後端側に、グリース状の物質であるインク追従体34と、が充填されている。このインク追従体34は、上記の尾栓33と同様に油性インク35がインク収容管30の後端から流出するのを防止するための栓の役割を果たす。インク追従体34は、40℃における粘度が200mPa・s以上の合成油であるポリ−α−オレフィンを1種又は2種以上含有し、その総量が全成分の80質量%以上であり、25℃における粘度が1000〜40,000mPa・s、剪断速度1〜10s−1における剪断減粘指数が0.95以上であり、剪断減粘付与剤を含まないものが好ましい。
(3)ボールペンチップ40
次に、図3から図5を用いて、ボールペンチップ40について説明する。
図3に示すように、ボールペンチップ40は、ビッカース硬度が200以上450未満のビスマス含有のフェライト系ステンレス製の円柱材を切削して形成されるホルダー50と、ホルダー50の先端に装着される超硬合金製の直径0.38mmの筆記ボール42と、ホルダー50の内部に嵌装される押圧スプリング44と、を備えている。
ホルダー50は、その先端側から順に、テーパー部51と、胴部52と、挿入部53と、を備えている。
テーパー部51は、ホルダー50の先端部分を構成する部材であって、その形状が先端側に向かって先細となる円錐状に形成されている。このテーパー部51の先端部分には、内側に縮径するようにかしめられた(押圧変形された)カシメ部54が形成されている(図5参照)。このカシメ部54は、筆記ボール42を抱持しており、カシメ部54の先端から筆記ボール42の一部が露出している(図5参照)。
胴部52は、テーパー部51の後端と連続し、ホルダー50の中央部分を構成する部材であって、その外径である胴部外径Dが2.5mmとされている。なお、胴部外径Dは、2.35mm以上、かつ、2.6mm未満であれば、2.5mmには限られない。
挿入部53は、胴部52の後端と連続し、ホルダー50の後端部分を構成する部材であって、その外径が胴部52の外径よりも小さい。そして、この挿入部53は、延出部32(図2参照)の先端の開口部からインク収容管30に圧入されることで、インク収容管30にボールペンチップ40を固定するための役割を果たす。
ここで、テーパー部51の先端部分、すなわち、ホルダー50の先端部分には、筆記ボール42を収容するためのボールハウス55がホルダー50の先端から後端側に向かって形成されている(図5参照)。例えば、このボールハウス55は、ドリルによる切削加工が施されることで形成される。
ホルダー50の内部には、ホルダー50の後端から先端側に向かって形成された内部空間であるバック孔56が形成されている。このバック孔56は、先端側に向かって段階的に縮径しており、その先端がボールハウス55の近傍まで達している。例えば、このバック孔56は、ドリルによる切削加工が施されることで形成される。
そして、上記のボールハウス55とバック孔56とをドリルにて貫通させることで、ボールハウス55とバック孔56との間を連絡する内部空間であるインク孔57が形成される(図5参照)。すなわち、ボールハウス55とバック孔56とは、インク孔57を介して連通している。
また、バック孔56の内部には、コイル状の押圧スプリング44が挿入されている。押圧スプリング44が挿入された後、挿入部53の周囲の複数箇所にポンチ加工が施されることにより、内側に突出した突起部58が形成される。そして、押圧スプリング44の後端部分は、これらの突起部58で支持されている。
一方、押圧スプリング44の先端部分は、先端側へ真っ直ぐ延びており、筆記ボール42を先端側へ押圧する押圧棒46として形成されている。この押圧棒46の先端はインク孔57を貫通して、ボールハウス55内の筆記ボール42の後端に接触している。この押圧棒46が筆記ボール42を先端側に押圧する荷重は、0Nより大きくかつボールペン5の総重量より小さいことが好ましく、より望ましくは0.01N〜0.09Nである。ここで、この荷重が0.01N未満であると、非筆記時における筆記ボール42とカシメ部54との密着が弱いので、ボールハウス55内が乾燥しやすくなる。そのため、書き始めの描線が掠れやすくなる。一方、この荷重が0.09Nを上回ると、筆記圧をかけても筆記ボール42が押し戻されにくくなるので、書き味を損ねることになる。よって、本実施形態ではこの荷重を0.06〜0.08Nとしている。
図4に示すように、ボールハウス55の底面であるボールハウス底面59には、筆記ボール42の挿入後に後端側に押圧されるタタキ工程によって筆記ボール42の曲面が転写されたボール受座60が形成されている。
さらに、ボールハウス底面59からは、インク孔57の周囲に等配されるとともに、インク孔57とボールハウス55とを連絡するよう形成された複数の溝であるチャンネル溝61が形成されている。このチャンネル溝61は、インク孔57の周囲の4箇所をチャンネル切削ツールを用いて放射状に切削加工されることにより形成される。そして、このチャンネル溝61は、ボール受座60に筆記ボール42が接触している状態において、インク孔57とボールハウス55とのインクの流通を確保するための構造となっている。
ここで、図5に示すボールハウス底面59において最も外側に位置する部分を「最外縁62」と称する。そして、本実施の形態では、図5に示すように、最外縁62からテーパー部51までの径方向の厚みXが、筆記ボール42径(筆記ボール42の直径)の23%以上、かつ、40%未満となっている。上記のように、筆記ボール42径は0.38mmであるが、本実施の形態では、厚みXを98μmとしている。つまり、本実施の形態では、厚みXが筆記ボール42径の25%となっている。
また、図5は、ボールペンチップ40の軸心Sを通る断面を表しているが、本実施の形態では、この場合において、テーパー部51を延長する線分のなす角度であるテーパー角Tが30°以上、かつ、50°未満であり、具体的には35°となっている。
(4)作用効果
上記のように、本実施の形態では、最外縁62からテーパー部51までの径方向の厚みXが、筆記ボール42径の23%以上、かつ、40%未満となっており、具体的には98μmとなっている(図5参照)。つまり、本実施の形態では、厚みXが筆記ボール42径の25%となっている。
ここで、厚みXが筆記ボール42径の23%より小さいと、机上から床面に落下した時の衝撃による影響が大きくなり、テーパー部51の凹みによりインクの供給量が減少し、筆記時の描線が掠れてしまう。一方、厚みXが筆記ボール42径の40%以上だと、ボールハウス55内に油性インク35を溜めることが困難となり、筆記不能になるため、ボールペン5として機能しなくなる。仮に、筆記できたとしても、厚みXが筆記ボール42径の40%以上だと、必要以上にテーパー部51の肉厚が厚くなり、筆記時にカシメ部54が筆記面に引っ掛かりやすくなり、筆感の低下という不具合が生じる。そのため、筆記ボール42径が0.45mm以下のボールペンチップ40を用いた場合に、筆感の低下を抑制しつつ、ボールペンチップ40の落下耐性を高めるためには、厚みXを筆記ボール42径の23%以上、かつ、40%未満とすることが好適である。
また、本実施の形態では、ボールペンチップ40の軸心Sを通る断面において、テーパー部51から連続するカシメ部54の後端側の部分を延長する線分のなす角度がカシメ角K1(図5参照)となっている。一方、厚みXが筆記ボール42径の23%よりも小さい構成(図6に示す比較構成)では、ボールペンチップ40’の軸心Sを通る断面において、テーパー部51’から連続するカシメ部54’の後端側の部分を延長する線分のなす角度がカシメ角K2となっている。なお、図6において図5と同様の構成については、図5と同様の符号に「’」を付している。
そして、カシメ角K1はカシメ角K2よりも大きくなっている。これにより、本実施の形態では、カシメ部54の先端面における外径であるカシメ外径G1(図5参照)を、図6に示す比較構成のカシメ外径G2(図6参照)と同程度で構成している。
このとき、本実施の形態では、カシメ外径G1が筆記ボール42径の112%未満となっている。上記のように、筆記ボール42径は0.38mmであるが、本実施の形態では、カシメ外径G1を0.401mmとしている。つまり、本実施の形態では、カシメ外径G1が筆記ボール42径の105%となっている。ここで、カシメ外径G1が筆記ボール42径の112%以上だと、筆記時にカシメ部54が筆記面に引っ掛かりやすくなり、筆感の低下という不具合が生じることが想定される。そのため、筆記ボール42径が0.45mm以下のボールペンチップ40を用いた場合に、筆感の低下を抑制しつつ、ボールペンチップ40の落下耐性を高めるためには、カシメ外径G1を筆記ボール42径の112%未満とすることが好適である。なお、上記の割合の下限としては特に限定されるものでないが、筆記ボール42をかしめる必要上、例えば、103%以上とすることが望ましい。
また、本実施の形態のような直径0.38mmの筆記ボール42を用いたボールペンチップ40を、直径0.5mm、0.7mm、又は1.0mmの筆記ボール42’を用いたボールペンチップ40’と同じテーパー角Tで形成すると、これらの筆記ボール42’を用いた場合に比べて、ボールハウス55に収容された状態における筆記ボール42の先端からテーパー部51の後端までのボールペンチップ40の軸心Sに沿った長さが長くなってしまう。
ここで、図7(A)の筆記ボール42径は0.38mmであり、図7(B)の筆記ボール42’径は0.5mmであり、図7(C)の筆記ボール42’径は0.7mmであり、図7(D)の筆記ボール42’径は1.0mmである。なお、図7(B)から(D)において図7(A)と同様の構成については、図7(A)と同様の符号に「’」を付している。そして、図7に示すように、テーパー角Tを35°として、直径が異なる筆記ボール42を用いたボールペンチップ40を形成した場合には、筆記ボール42を抱持する都合上、直径が小さいほど、上記の長さが長くなっている(Y1>Y2>Y3>Y4)。
そして、筆記ボール42径が0.45mm以下のボールペンチップ40を用いた場合には、筆記ボール42径が0.45mmより大きいボールペンチップ40を用いた場合に比べて、上記の長さが長くなることで、最外縁62からテーパー部51までの径方向の厚みX(図5参照)が薄くなり、ボールペンチップ40の落下耐性が低くなるという問題点を有する。
そこで、図7(A)に示す本実施の形態のボールペンチップ40では、テーパー角Tを30°以上、かつ、50°未満、具体的には35°とすることで、ボールハウス55に収容された状態における筆記ボール42の先端からテーパー部51の後端までのボールペンチップ40の軸心Sに沿った長さY1を4mm未満で形成している。具体的には、本実施の形態では長さY1を3.25mmで形成している。
ここで、上記の長さY1が4mm以上だと、テーパー角Tを上記の範囲に収めるためには厚みXが薄くなってしまい、厚みXを筆記ボール42径の23%以上とすることが困難となる。そのため、筆記ボール42径が特に0.35〜0.45mmのボールペンチップ40を用いた場合に、筆感の低下を抑制しつつ、ボールペンチップ40の落下耐性を高めるためには、長さY1を4mm未満とすることが好適である。なお、長さY1の下限については、ボールペンチップ40を形成可能な長さであれば特に限定されるものでない。
また、テーパー角Tが30°未満だと、厚みXが薄くなってしまい、厚みXを筆記ボール42径の23%以上とすることが困難となる。一方、テーパー角Tが50°以上だと、テーパー部51の後端と連続する胴部52の外径(胴部外径D)が必要以上に大きくなり、ボールペンチップ40が必要以上に太くなるという不具合が生じる。これにより、ボールペン5の外径も必要以上に大きくなってしまい、使用者が把持しにくくなってしまう。そのため、上記の問題点を解消するためには、テーパー角Tを30°以上、かつ、50°未満とすることが好適である。
また、上記のように、本実施の形態では、胴部外径Dが2.35mm以上、かつ、2.6mm未満とされており、具体的には2.5mmとなっている。
ここで、胴部外径Dが2.35mmより小さいと、テーパー角Tを上記の範囲に収めるためには厚みXが薄くなってしまい、厚みXを筆記ボール42径の23%以上とすることが困難となる。一方、胴部外径Dが2.6mm以上だと、上記のテーパー角Tを50°以上にした場合と同様に、ボールペンチップ40が必要以上に太くなるという不具合が生じる。つまり、胴部外径Dが2.6mm以上だと、上記のテーパー角Tを50°以上にした場合と同様に、ボールペン5の外径が必要以上に大きくなり、使用者が把持しにくくなってしまう。そのため、上記の問題点を解消するためには、胴部外径Dを2.35mm以上、かつ、2.6mm未満とすることが好適である。
実施例及び比較例として、上記の実施形態に示すようなボールペンを製作し、下記の実験を行った。また、全ての実施例及び比較例において、ボールペンチップに装着した筆記ボール径は0.38mmであり、ボールペンの重量は40gであった。
下記表1に示す実施例及び比較例のボールペンリフィルにおいて、5つのサンプルを各々製作した。そして、それらのボールペンリフィルが軸筒に収容されたボールペンを用いて、ボールペンリフィルの落下耐性を測定する実験を行った。具体的には、ボールペンの先端を下に向けた状態で1mの高さからコンクリート板の上に垂直落下させ、コンクリート板への垂直落下から24時間経過後に、そのボールペンを用いて筆記を行った。
そして、この実験における描線の濃度差の評価として、筆記方向に関わらず描線状態が良好なものを「A」評価とし、筆記方向によって描線濃度に差が見られるものを「B」評価とし、描線に掠れや線飛びが見られるものを「C」評価とし、「C」評価よりも描線に掠れや線飛びが多く見られるものを「D」評価とし、ボールペンとして機能せず、筆記不能となったものを「E」評価とした。
また、この実験におけるインク漏れの評価として、インク漏れが生じなかったものを「A」評価とし、インク漏れが生じたものを「B」評価とし、「B」評価よりも多量のインク漏れが生じたものを「C」評価とし、「C」評価よりも多量のインク漏れが生じたものを「D」評価とし、ボールペンとして機能せず、筆記不能となったものを「E」評価とした。
また、別の5つのサンプルを製作し、長距離筆記による描線の掠れの実験を行った。JIS S6039に準拠した筆記試験機を用い、筆記角度55°、筆記速度1m/min、筆記荷重4.9Nで筆記し、1,500m筆記した後の描線の状態を確認し、掠れが見られなかったものを「A」評価とし、僅かながら掠れが確認されたものを「B」評価とし、掠れがはっきり確認できたものを「C」評価とした。
上記実験結果を下記表1に示す。
上記表1の結果から、厚みXが筆記ボール径の23%以上、かつ、40%未満のものは、描線の濃度差、インク漏れ及び長距離筆記の評価において、全てのサンプルで「A」評価となった。そして、これらの「A」評価のボールペンにおいては、筆跡に影響無く、1500m以上の筆記が可能であった。
一方、厚みXが筆記ボール径の23%より小さくなるにつれ、描線の濃度差の評価及びインク漏れの評価において、高評価のサンプルが少なくなっていった。また、厚みXが筆記ボール径の40%以上の場合には、そもそもボールペンとして機能せず、筆記不能であった。
5 ボールペン
10 軸筒 11 先軸
12 後軸 13 クリップ
14 先端開口 15 キャップ部材
16 飾り部材 17 縦溝
20 ボールペンリフィル
30 インク収容管 31 収容部
32 延出部 33 尾栓
34 インク追従体 35 油性インク
40 ボールペンチップ 42 筆記ボール
44 押圧スプリング 46 押圧棒
50 ホルダー 51 テーパー部
52 胴部 53 挿入部
54 カシメ部 55 ボールハウス
56 バック孔 57 インク孔
58 突起部 59 ボールハウス底面
60 ボール受座 61 チャンネル溝
62 最外縁

Claims (5)

  1. 直径0.45mm以下の筆記ボールと、
    前記筆記ボールを抱持するものであって、円柱状の胴部と、前記胴部の先端側で先細に形成されたテーパー部と、を有するホルダーと、
    前記テーパー部の先端から前記テーパー部の後端に向かって形成され、前記筆記ボールを収容するボールハウスと、
    前記ボールハウスの底面であって、前記筆記ボールの曲面が転写されたボール受座と、
    前記ホルダーの後端から前記ホルダーの先端に向かって形成され、前記ボールハウスの近傍まで達する内部空間であるバック孔と、
    前記ボールハウスと前記バック孔との間を連絡するよう形成された内部空間であるインク孔と、
    前記インク孔の周囲に等配されるとともに、前記インク孔と前記ボールハウスとを連絡するよう形成された複数の溝であるチャンネル溝と、
    前記テーパー部の先端部分が内側にかしめられたカシメ部と、
    を備えるボールペンチップと、
    油性インクを収容し、前記ボールペンチップが装着されるインク収容管と、
    を含み、
    前記カシメ部の先端面における外径であるカシメ外径が、前記筆記ボール径の112%未満であり、
    前記ボールハウスの底面の最外縁から、前記テーパー部までの前記ホルダーの径方向の厚みが、前記筆記ボール径の23%以上、かつ、40%未満であるボールペンリフィル。
  2. 前記ボールハウスに収容された状態における前記筆記ボールの先端から、前記テーパー部の後端までの前記ボールペンチップの軸心に沿った長さが4mm未満である請求項1に記載のボールペンリフィル。
  3. 前記ボールペンチップの軸心を通る断面において、前記テーパー部を延長する線分のなす角度が30°以上、かつ、50°未満である請求項1又は2に記載のボールペンリフィル。
  4. 前記胴部の外径は、2.35mm以上、かつ、2.6mm未満である請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のボールペンリフィル。
  5. 軸筒を備えた総重量が30g以上であるとともに、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のボールペンリフィルが前記軸筒に収容されたボールペン。
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