JP2020032313A - 固体燃料粉砕装置及びこれを備えた発電プラント並びに固体燃料粉砕方法 - Google Patents
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Abstract
Description
シール部の隙間流路は、シール部の外周に開口する入口開口を有するとともに外周側から内周側に向かう第1流路と、第1流路の内周端部に対して接続されて下方へ向かう第2流路と、第2流路の下端に対して接続されて外周側から内周側に向かいシール部の内周に開口する出口開口を有する第3流路とを備えている。
第2流路は、上方から下方に向かうように設けられているので、入口開口から流入してしまった粉砕後燃料は、第2流路内を上側から下側に流れる流体による流体力だけでなく重力を利用して排出を促進することができる。これにより、隙間流路内に存在する粉砕後燃料を排出することが容易となる。
シール部の隙間流路は、第1屈曲部と第2屈曲部を有しているので、これら屈曲部にて適切な圧力損失を与えて、対向壁部との間の隙間を粗粒の粉砕後燃料がショートパスしてミルの出口から排出されることを抑制することで、所望のシール性を確保することができる。
なお、バイオマスペレットの構成粒子とは、所定形状に圧縮成形されたバイオマスペレットの構成単位とされる粒子(細粒)を意味する。また、バイオマスペレットの粒径とは、所定形状に圧縮成形されたバイオマスペレットは球形でなく円筒状のものが多く、外形のうちで短い側の寸法を意味する。
図1に示すように、本実施形態に係る発電プラント1は、固体燃料粉砕装置100と、蒸気を生成するボイラ200と、ボイラ200で生成された蒸気を用いて発電する発電部(図示せず)とを備えている。
なお、本実施形態では、上方とは鉛直上側の方向を、上部や上面などの「上」とは鉛直上側の部分を示している。また同様に「下」とは鉛直下側の部分を示している。
ここで、バイオマス燃料とは、再生可能な生物由来の有機性資源であり、例えば、間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤ及びこれらを原料としたリサイクル燃料(ペレットやチップ)などであり、ここに提示したものに限定されることはない。バイオマス燃料は、バイオマスの成育過程において二酸化炭素を取り込むことから、地球温暖化ガスとなる二酸化炭素を排出しないカーボンニュートラルとされるため、その利用が種々検討されている。
ハウジング11は、鉛直方向に延びる筒状に形成されるとともに、回転テーブル12とローラ13と分級機16と、燃料供給部17とを収容する筐体である。
ハウジング11の天井部42の中央部には、燃料供給部17が取り付けられている。この燃料供給部17は、バンカ21から導かれた固体燃料をハウジング11内に供給するものであり、ハウジング11の中心位置に上下方向に沿って配置され、下端部がハウジング11内部まで延設されている。
回転テーブル12は、平面視円形の部材であり、燃料供給部17の下端部が対向するように配置されている。回転テーブル12の上面は、例えば、中心部が低く、外側に向けて高くなるような傾斜形状をなし、外周部が上方に曲折した形状をなしていてもよい。燃料供給部17は、固体燃料(本実施形態では例えば石炭やバイオマス燃料)を上方から下方の回転テーブル12に向けて供給し、回転テーブル12は供給された固体燃料をローラ13との間で粉砕するもので、粉砕テーブルとも呼ばれる。
図1では、ローラ13が代表して1つのみ示されているが、回転テーブル12の上面を押圧するように、周方向に一定の間隔を空けて、複数のローラ13が対向して配置される。例えば、外周部上に120°の角度間隔を空けて、3つのローラ13が周方向に均等に配置される。この場合、3つのローラ13が回転テーブル12の上面と接する部分(押圧する部分)は、回転テーブル12の回転中心からの距離が等距離となる。
分級機16によって分級された微粉燃料は、出口19から供給流路100bへ排出され、一次空気とともに搬送される。供給流路100bへ流出した微粉燃料は、ボイラ200のバーナ部220へ供給される。
なお、熱ガス送風機30aが送風する一次空気に、ガス再循環通風機を介して電気集塵機など環境装置を通過したボイラ200から排出された燃焼ガスの一部を導き、混合気とすることで、一次空気流路100aから流入する一次空気の酸素濃度を調整してもよい。
次に、分級機16のシール構造について説明する。
図1に示したように、分級機16は、回転軸線回りに回転するので、静止しているハウジング11の天井部42との間に隙間流路を設けている。この隙間流路を介して粉砕後燃料が分級機16の外周側から内周側に流れて、隙間流路GFから流入した粗粒の粉砕後燃料がショートパスすると、ブレード16aによって分離されずに微粉燃料だけでなく粗粉燃料もミル出口から排出されて、分級性能が低下してしまう。そこで、隙間流路をシールするシール構造が必要となる。しかし、シール性のみに注目してシール構造を石炭燃料用に設定すると、バイオマス燃料は石炭燃料に比べて粒径が大きいため、バイオマス燃料としては隙間流路が狭すぎて粉砕後の粉砕後燃料が隙間流路内で付着したり堆積したりして、分級機16の回転に支障を生じるおそれがある。
石炭燃料と切替えて使用する場合や、石炭燃料中にバイオマス燃料を含む場合の隙間寸法D1は、上記と同様にバイオマスペレットの構成粒子の粒径以上でかつ、粉砕前のバイオマスペレットの粒径以下とされている。石炭燃料にとっては隙間寸法D1(例えば0.6mm以上8mm以下)は数倍大きい数値となる。しかし、略直角に屈曲した第1屈曲部BD1と第2流路GF2での圧力損失により、回転枠56とブレードガイド52との間のシール部57の隙間流路GFを粗粒の粉砕後燃料がショートパスしてミル10の出口19から排出されることが抑制されることで、シール性が確保される。
ローラ13で粉砕された粉砕後燃料は、分級機16の回転枠56とブレードガイド52との間の隙間流路GFによってシールされる。すなわち、粉砕後燃料がブレード16a間を通過せずに回転枠56とブレードガイド52との間を通過することがないように、回転枠56とブレードガイド52との間の隙間流路GFによってシール部57が形成されている。
隙間流路GFは、分級機16の外周に開口する入口開口GFinを有するとともに外周側から内周側に向かう第1流路GF1と、第1流路GF1の内周端部に対して接続されて下方へ向かう第2流路GF2と、第2流路GF2の下端に対して接続されて外周側から内周側に向かい分級機16(具体的にはシール部57となる回転枠56)の内周側に開口する出口開口GFoutを有する第3流路GF3とを備えている。
第2流路GF2は、上方から下方に向かうように設けられているので、第2流路GF2内を上から下に流れる流体による流体力だけでなく重力を利用することができる。これにより、入口開口GFinから流入してしまった粉砕後燃料は、隙間流路GF内に存在する粉砕後燃料を滞留させることなく排出することが容易となる。
隙間流路GFは、第1屈曲部BD1と第2屈曲部BD2を有しているので、これら屈曲部BD1,BD2にて適切な圧力損失を与えて、また第2流路GF2での圧力損失を与えて、所望のシール性を確保することができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図4を用いて説明する。
本実施形態は、第1実施形態に対して、第1流路GF1と第2流路GF2とを接続する第2屈曲部BD2の形状が異なる。したがって、以下の説明では、第1実施形態との相違点について説明し、その他の構成及び作用効果については第1実施形態と同様なので説明を省略する。
ブレードガイド52の円筒部52bの外周面52b1と下端52b3との間には、面取部52dが形成されている。面取部52dは、回転軸線L1を中心とする円周方向に連続して設けられている。面取部52dは、円弧形状の曲面部の形状をしていてもよい。
回転枠56の上円筒部56aの内周面56a2と下円筒部56bの上端56b3との間には、曲面部56dが形成されている。曲面部56dは、図4のように断面視した場合に、曲率中心を上円筒部56aの内周面56a2よりも内周側に位置させた円弧形状(R形状)とされており、回転軸線L1を中心とする円周方向に連続して設けられている。曲面部56dは面取部の形状をしていてもよい。
本実施形態では、第2流路GF2と第3流路GF3とを接続する第2屈曲部BD2’は、面取部52dと曲面部56dとの間に形成されている。
特に、ブレードガイド52に面取部52dを設けると共に、回転枠56に曲面部56dを設けることで、第2屈曲部BD2’における流路を広くすることで粉砕後燃料を流れやすくすることができる。ただし、第2屈曲部BD2’の流路を広くする程度は、第2屈曲部BD2’によって与えられる圧力損失が第1屈曲部BD1の圧力損失や第2流路GF2の圧力損失に比べて小さくなり過ぎないように、例えば第1屈曲部BD1での圧力損失と第2流路GF2での圧力損失の小さい方よりも1/10以下にはならないように適切に設定される。
次に、本発明の第3実施形態について、図5を用いて説明する。
本実施形態は、第1実施形態に対して、ブレードガイド52の円筒部52bの外周面52b1の形状が異なる。したがって、以下の説明では、第1実施形態との相違点について説明し、その他の構成及び作用効果については第1実施形態と同様なので説明を省略する。
ブレードガイド52の円筒部52bの外周面52b1には、螺旋溝52eが形成されている。螺旋溝52eは、1条であっても良いし、複数条であっても良い。また、螺旋溝52eの断面形状は、図5に示すように矩形状であっても良いし、円弧形状であっても良い。
螺旋溝52eは、第2流路GF2を流れる流れに対して下方から上方へ向かうように形成される場合と、上方から下方へ向かうように形成される場合とを使い分けることができる。
また、屈曲部BD1,BD2についても、適切な圧力損失を与えることができる限りにおいて、屈曲角度は90°に限定されるものではなく、例えば70°以上110°以下とされていても鈍角とされていても良い。
10 ミル(粉砕部)
11 ハウジング
12 回転テーブル
13 ローラ(粉砕ローラ)
14 駆動部
16 分級機
16a ブレード
17 燃料供給部
18 モータ
19 出口
20 給炭機(燃料供給機)
21 バンカ
22 搬送部(燃料供給機)
23 モータ(燃料供給機)
24 ダウンスパウト部
30 送風部
30a 熱ガス送風機
30b 冷ガス送風機
30c 熱ガスダンパ(第1送風部)
30d 冷ガスダンパ(第2送風部)
40 状態検出部(温度検出手段、差圧検出手段)
41 底面部
42 天井部
45 ジャーナルヘッド
47 支持アーム
48 支持軸
49 押圧装置
50 制御部
52 ブレードガイド(対向壁部)
52a 円板部
52a3 下面
52b 円筒部
52b1 外周面
52b3 下端
52d 面取部
52e 螺旋溝
54 取付部
56 回転枠
56a 上円筒部
56a1 外周面
56a2 内周面
56a3 上端
56b 下円筒部
56b1 外周面
56b2 内周面
56b3 上端
56c 円板部
56d 曲面部
57 シール部
58 リブ
58a 側面
100 固体燃料粉砕装置
100a 一次空気流路(搬送用ガス流路)
100b 供給流路
200 ボイラ
210 火炉
220 バーナ部(燃焼装置)
L1 回転軸線
GF 隙間流路
GF1 第1流路
GF2 第2流路
GF3 第3流路
GFin 入口開口
GFout 出口開口
BD1 第1屈曲部
BD2,BD2’ 第2屈曲部
D1 (第2流路の)隙間寸法
D2 (第2流路の)上下方向の長さ
D3 (第1流路の)隙間寸法
D4 (第3流路の)隙間寸法
Claims (11)
- 回転テーブルと、
前記回転テーブルとの間で固体燃料を粉砕する粉砕ローラと、
前記粉砕ローラによって粉砕された粉砕後燃料を分級する分級機と、
を備え、
前記分級機は、鉛直上下方向に延在するとともに回転軸線を中心とする円周方向に沿って配置された複数のブレードと、
複数の前記ブレードの上端を支持した状態で前記回転軸線回りに回転する回転枠と、を備え、
前記回転枠と、該回転枠に対向して配置された対向壁部との間に形成された隙間流路を有するシール部を備え、
前記シール部の前記隙間流路は、該シール部の外周に開口する入口開口を有するとともに外周側から内周側に向かう第1流路と、該第1流路の内周側端部に対して第1屈曲部を有するように上端が接続されて下方に向かう第2流路と、該シール部の内周に開口する出口開口を有するとともに外周側から内周側に向かうとともに該第2流路の下端に対して第2屈曲部を有するように外周側他端が接続された第3流路とを備えている固体燃料粉砕装置。 - 前記第3流路の流路断面積は、前記第2流路の流路断面積よりも大きい請求項1に記載の固体燃料粉砕装置。
- 前記第1流路の流路断面積は、前記第2流路の流路断面積よりも大きい請求項1に記載の固体燃料粉砕装置。
- 前記第2流路における前記回転枠と前記対向壁部との間の隙間寸法D1は、前記固体燃料がバイオマスペレットとされた場合に、該バイオマスペレットの構成粒子の粒径以上でかつ、粉砕前の該バイオマスペレットの粒径以下とされている請求項1から3のいずれかに記載の固体燃料粉砕装置。
- 前記第2流路の上下方向の前記第1屈曲部から前記第2屈曲部までの長さは、前記第2流路における前記回転枠と前記対向壁部との間の隙間寸法の5倍以上10倍以下とされている請求項1から4のいずれかに記載の固体燃料粉砕装置。
- 前記回転枠の外周には、半径方向に延在するリブが設けられている請求項1から5のいずれかに記載の固体燃料粉砕装置。
- 前記第2屈曲部に対応する前記回転枠の内周面側および/または前記対向壁部には、面取部または曲面部が設けられている請求項1から6のいずれかに記載の固体燃料粉砕装置。
- 前記第2流路に対応する前記回転枠および/または前記対向壁部には、流れが下方から上方へ向かう上向き螺旋溝が形成されている請求項1から7のいずれかに記載の固体燃料粉砕装置。
- 前記第2流路に対応する前記回転枠および/または前記対向壁部には、流れが上方から下方へ向かう下向き螺旋溝が形成されている請求項1から8のいずれかに記載の固体燃料粉砕装置。
- 請求項1から9のいずれかに記載された固体燃料粉砕装置と、
前記固体燃料粉砕装置にて粉砕された固体燃料を燃焼して蒸気を生成するボイラと、
前記ボイラによって生成された蒸気を用いて発電する発電部と、
を備えている発電プラント。 - 回転テーブルと、
前記回転テーブルとの間で固体燃料を粉砕する粉砕ローラと、
前記粉砕ローラによって粉砕された粉砕後燃料を分級する分級機と、
を備え、
前記分級機は、鉛直上下方向に延在するとともに回転軸線を中心とする円周方向に沿って配置された複数のブレードと、
複数の前記ブレードの上端を支持した状態で前記回転軸線回りに回転する回転枠と、を備え、
前記回転枠と、該回転枠に対向して配置された対向壁部との間に形成された隙間流路を有するシール部を備えている固体燃料粉砕装置の固体燃料粉砕方法であって、
前記シール部の前記隙間流路は、該シール部の外周に開口する入口開口を有するとともに外周側から内周側に向かう第1流路と、該第1流路の内周側端部に対して第1屈曲部を有するように上端が接続されて下方に向かう第2流路と、該シール部の内周に開口する出口開口を有するとともに外周側から内周側に向かうとともに該第2流路の下端に対して第2屈曲部を有するように外周側他端が接続された第3流路とを備えている固体燃料粉砕方法。
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