JP2020031617A - 米飯改質剤及びその利用 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリフェノール類を利用した米飯を含む米飯組成物の改質剤、米飯の製造方法、保存方法及び利用方法及び米飯食品組成物等の提供。【解決手段】ポリフェノール類を含有する、米飯組成物改質剤。ポリフェノール類は、カテキンである、前記改質剤。米飯にポリフェノール類を供給する工程を備える、米飯組成物の改質方法。前記供給工程は、米をポリフェノール類の存在下に炊飯して前記米飯組成物とする工程である、米飯組成物の改質方法。米飯組成物をポリフェノール類の存在下に凍結させずに25℃以下に保存する工程を備える、米飯組成物の保存方法。米飯組成物をポリフェノール類の存在下に凍結させずに25℃以下の温度に保存する工程、を備える、米飯組成物の利用方法。ポリフェノール類を含有し、凍結させずに25℃以下で保存後にそのまま喫食される、米飯組成物。ポリフェノール類を含有し、凍結後に自然解凍により喫食される、米飯組成物。【選択図】なし

Description

本明細書は、米飯改質剤及びその利用に関する。
ポリフェノール類は、植物に存在下する苦みや色素の成分として知られ、抗酸化作用があることがよく知られている。
米飯は、炊飯後に冷却されると、デンプンの老化によって、そのテクスチャや風味が低下することが知られている。こうしたテクスチャ等の低下には、油脂等の添加が効果的であることが既に開示されている(特許文献1、2)。
特開2018−93819号公報 特開2007−267726号公報
しかしながら、ポリフェノール類が、炊飯した米飯の保存によるテクスチャ及び風味、特に、デンプンの老化を抑制して米飯のテクスチャ及び食味を高度に維持できることについては知られていない。
本明細書は、ポリフェノール類を利用した米飯を含む米飯組成物の改質剤、米飯の製造方法、保存方法及び利用方法及び米飯食品組成物等を提供する。
本発明者は、種々の植物由来のポリフェノール類を用いて米を炊飯し、保存し、その後のテクスチャ及び風味の変化を検討した。その結果、こうした米飯は、いずれも、いわゆる自然解凍後においても、炊飯時のまとまり、水分が保持されて、テクスチャ及び風味の低下なく喫食できることを見出した。さらに、ポリフェノール類は、抗菌性を有することから、こうした自然解凍下にあっても微生物の増殖を抑制できることもわかった。本明細書は、こうした知見に基づき以下の手段を提供する。
(1)ポリフェノール類を含有する、米飯組成物改質剤。
(2)前記ポリフェノール類は、カテキンである、(1)に記載の改質剤。
(3)25℃以下での保存による米飯のテクスチャ低下を抑制するのに用いる剤である、(1)又は(2)に記載の改質剤。
(4)米飯の25℃以下の保存後にそのまま喫食するのに用いる剤である、(1)〜(3)のいずれかに記載の改質剤。
(5)米飯にポリフェノール類を供給する工程を備える、米飯組成物の改質方法。
(6)前記供給工程は、米をポリフェノール類の存在下に炊飯して前記米飯組成物とする工程である、(5)に記載の方法。
(7)米飯組成物にポリフェノール類を供給する工程を備える、米飯組成物の製造方法。
(8)米飯組成物をポリフェノール類の存在下に凍結させずに25℃以下に保存する工程を備える、米飯組成物の保存方法。
(9)前記保存工程は、前記米飯を、10℃以下に保存する工程である、(8)に記載の方法。
(10)前記保存工程は、前記米飯組成物を、5℃以下の温度に保存する工程である、(8)又は(9)に記載の保存方法。
(11)前記保存工程は、前記米飯組成物を0℃以下の温度に保存する工程である、(8)〜(10)のいずれかに記載の方法。
(12)米飯組成物をポリフェノール類の存在下に凍結させずに25℃以下の温度に保存する工程、
を備える、米飯組成物の利用方法。
(13)米飯組成物をポリフェノール類の存在下に凍結して保存する工程、
を備える、米飯組成物の利用方法。
(14)さらに、前記凍結した米飯組成物を自然解凍する工程を備える(13)に記載の方法。
(15)ポリフェノール類を含有し、凍結させずに25℃以下で保存後にそのまま喫食される、米飯組成物。
(16)ポリフェノール類を含有し、凍結後に自然解凍により喫食される、米飯組成物。
本明細書の開示は、ポリフェノール類を利用して米飯を含む米飯組成物の保存性、利便性を高めることに関する。本明細書に開示される米飯の改質剤(以下、単に、本改質剤という。)は、ポリフェノール類によって、低温で貯蔵されても米飯のテクスチャを良好に維持することができる。そして、そのまま、あるいは常温放置後に食しても、良好なテクスチャと食味を得ることができる。したがって、本改質剤は、米飯を含む米飯組成物の改質剤、米飯組成物の改質方法、米飯組成物の製造方法、米飯組成物の保存方法、利用方法等及び米飯組成物に関する。
なお、ポリフェノール類には、抗酸化性、抗菌性、その他の種々の作用が既に知られている。しかしながら、デンプンの老化による米飯のテクスチャの低下や風味の低下を抑制する効果は知られていない。
また、ポリフェノール類は、米飯に抗菌性も同時に付与するために、保存中及び保存後において抗菌性に優れた米飯組成物を提供できる点においても有利である。
かかるポリフェノール類の米飯に対する作用は、米飯組成物の改質方法、同製造方法、同保存方法、同利用方法及び米飯組成物においても同様に発揮される。
本明細書において、米飯とは、玄米及び少なくとも部分的に精白された米を、水を用いて加熱して得られる食品をいう。なお、玄米又は米は、うるち米及びもち米のいずれであってもよいが、例えば、うるち米とすることができる。米飯は、典型的には、米の粒子形状を維持して咀嚼によって破砕可能に軟化されている。
本明細書において、米飯組成物とは、米飯を少なくとも含む食品である。米飯組成物は、米飯のほか、麦及びキビ亜科穀類を含む穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類、海藻類、調味料等を含むことができる。米飯組成物としては、特に限定するものではないが、例えば、米と他の材料とが同時に加熱調理された組成物(いわゆる炊き込みご飯、粥、ピラフ、リゾット、パエリアなど)、米飯に他の材料(いわゆる生のほか、加熱調理物であってもよいし非加熱調理物であってもよい。)を混合した組成物(いわゆる混ぜご飯やちらし寿司など)、米飯と他の材料とを加熱調理したもの(例えば、チャーハン、ドリアなど)及び米飯と他の材料が特定の形態で複合化された食品(例えば、おにぎり、寿司、手巻き寿司、いなり寿司など)が挙げられる。以下、本開示の種々の実施形態について詳細に説明する。
(米飯組成物改質剤)
本改質剤は、ポリフェノール類を有効成分として含有している。ポリフェノール類は、概して、植物に由来する苦みや色素成分である。ポリフェノール類としては、概して、分子内に複数のフェノール性ヒドロキシ基(ベンゼン環又はその縮合環及び/又は連結環などにおける芳香環に結合したヒドロキシ基)を有する植物成分である。ポリフェノール類としては、特に限定するものではないが、カテキン、アントシアニン、タンニン、ルチン、イソフラボノイドなどのフラボノイド、カカオポリフェノール、クロロゲン酸、フェルラ酸、クルクミン、クマリン、リグナン、エラグ酸等のフェノール酸、ショウガオール等が挙げられる。本改質剤は、公知のポリフェノール類を1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本改質剤は、ポリフェノール類として、例えば、カテキン及び/又はアントシアニンを含むことができ、また例えば、カテキンを有効成分として含むことができる。
ポリフェノール類は、例えば、アントシアニンの場合は赤ワイン、ブルーベリー、なす、カシス、ブドウ、黒豆等の果皮を含む部分、カテキンの場合は、緑茶、紅茶などのチャノキ又はその類縁種の茎葉、アズキ、ココアなど、カカオポリフェノールの場合はココア、チョコレート、ルチンの場合、そば、柑橘類、玉ねぎ、フェルラ酸の場合は、玄米、イソフラボンの場合、ダイズなどの豆類、きな粉、クルクミンの場合、ターメリック、ショウガオールの場合は、生姜、クロロゲン酸の場合は、コーヒー、タンニンの場合は、レンコン、茶、さらに、しいたけ、香茸、くろたけなどのキノコ類などを利用することが挙げられる。ポリフェノール類としては、こうした原材料自体、原材料の搾汁、抽出液、侵出液、懸濁液など、ポリフェノール類を含みうる処理物を含有することで本改質剤に含有されるものであってもよい。こうした原材料からポリフェノール類含有画分を取得することは、本願出願時において周知であり、当業者であれば容易に実施することができる。
本改質剤は、ポリフェノール類を含むことで、米飯組成物における米飯中のデンプンの老化を抑制して、米飯組成物のテクスチャ及び食味を維持することができる。より具体的には、例えば、米飯をボロボロにならずにまとまりを持って喫食でき、しかも、米飯の本来の食感及び食味を味わうことができる。
米飯組成物におけるデンプンの老化は、調理後60℃以下になると開始し、例えば20℃以下、また例えば15℃以下、また例えば10℃以下、また例えば0℃以上5℃以下や2℃以上4℃以下で促進される。したがって、本改質剤は、米飯組成物をこうした温度帯に置く全ての状態又はプロセスにおいてデンプンの老化を抑制し、米飯組成物のテクスチャ及び食味を維持できる。すなわち、例えば、米飯組成物の冷却時等の降温速度、米飯組成物の解凍時等の昇温速度、米飯組成物の保存温度によるデンプンの老化に対する影響を抑制又は回避して、米飯組成物のテクスチャ等を維持できる。
したがって、本改質剤は、米飯組成物の冷却工程、冷凍工程、保存工程、解凍工程、復帰工程などにおける種々の工程態様において、デンプンの老化を抑制して、米飯のテクスチャと食味を維持することができる。本改質剤は、これらの各種工程の1又は2以上において発揮され、米飯組成物の製造、販売、喫食までの部分的又は全体的なプロセスにおいて利用される。
米飯組成物の冷却工程とは、調理後の米飯組成物を凍結させずに冷却する工程であって、例えば、例えば0℃以上などの凍結しない温度以上で、例えば30℃以下の温度にまで冷却する工程である。当該冷却工程は、米飯組成物を降温する工程を含むが、さらに、そのまま米飯組成物を保存する工程を含むことができる。冷却工程は、例えば25℃以下、また例えば20℃以下、また例えば15℃以下、また例えば10℃以下、また例えば5℃以下、また例えば3℃以下に冷却する工程とすることができる。なお、凍結しない範囲とするためには、例えば0℃以上であり、また例えば−1℃以上である。米飯組成物の冷却には、公知の種々の冷却装置を用いることができる。
冷却工程は、好適には、例えば5℃以上25℃以下、また例えば5℃以上20℃以下、また例えば5℃以上15℃以下、また例えば10℃以上20℃以下の温度帯に冷却する工程とすることができる。こうした温度帯は、米飯組成物の流通、保存、販売等の形態に多く採用されるため、当該温度帯における老化抑制は有用である。また、こうした温度帯は、いわゆる常温とされる5℃以上35℃以下の範囲に該当するため、保存のコストが抑制できるからである。さらに、こうした温度帯は、そのまま喫食するのにもそれほど不適ではないからである。好適な喫食温度とは、喫食時において米飯が備える態様によって異なるが、例えば、おにぎりなどの場合には、20℃以上30℃以下であり、また例えば、20℃以上25℃以下である。また、単に、米飯として食する場合には、30℃以上48℃以下、40℃以上45℃以下程度である。
米飯組成物の冷凍工程とは、調理後の米飯組成物を凍結させるように冷却する工程であって、例えば0℃以下、また例えば−1℃以下、また例えば−3℃以下、また例えば−6℃以下、また例えば−12℃以下、また例えば−18℃以下に冷却して凍結させる工程である。当該冷凍工程は、米飯組成物を降温する工程を含むが、さらに、そのまま米飯組成物を保存する工程を含むことができる。米飯組成物の冷却には、公知の種々の冷却装置を用いることができる。
米飯組成物の保存工程とは、調理後の米飯組成物を保存する工程であって、凍結させないで保存する工程(状態)及び凍結して保存する工程(状態)の双方を含んでいる。凍結させないで保存する保存工程は、例えば0℃以上30℃以下の温度で米飯組成物を保存する工程である。かかる保存工程は、例えば25℃以下、また例えば20℃以下、また例えば15℃以下、また例えば10℃以下、また例えば5℃以下、また例えば3℃以下の温度で保存する工程とすることができる。なお、凍結しないようにするためには、例えば0℃以上であり、また例えば−1℃以上である。米飯組成物の保存には、公知の種々の冷蔵装置を用いることができる。
この保存工程についても、既述の冷却工程において好適な温度帯で保存する工程とすることができる。既述の冷却工程における理由と同様である。
また、凍結させて保存する保存工程は、例えば0℃以下の温度で米飯組成物を保存する工程である。当該保存工程は、また例えば−1℃以下、また例えば−3℃以下、また例えば−6℃以下、また例えば−12℃以下、また例えば−18℃以下で凍結保存する工程である。
米飯組成物の解凍工程とは、凍結保存中の米飯組成物の凍結保存を解除する工程であって、例えば、米飯組成物を0℃以上の温度に昇温させる工程である。解凍工程は、米飯組成物を、例えば0℃以上30℃以下の温度にまで昇温させる工程とすることができる。かかる保存工程は、例えば25℃以下、また例えば20℃以下、また例えば15℃以下、また例えば10℃以下、また例えば5℃以下まで昇温する工程とすることもできる。この解凍工程についても、既述の冷却工程において好適な温度帯にまで昇温する工程とすることができる。既述の冷却工程における理由と同様である。
尚、米飯組成物を昇温させるには、常温(例えば、5℃以上35℃以下の温度)における放置、好適な温度帯での保存工程への移行、電磁波による加熱(いわゆる電子レンジ等)であってもよいが、好適には、常温放置か保存工程への移行である。
米飯組成物の復帰工程とは、冷却保存中の米飯組成物の冷却保存を解除する工程であって、例えば、米飯組成物をその保存温度から昇温させる工程である。復帰工程は、特に限定するものではないが、例えば、米飯組成物を、例えば25℃以下、また例えば20℃以下、また例えば15℃以下、また例えば10℃以下、また例えば5℃以下まで昇温する工程とすることもできる。この復帰工程についても、既述の冷却工程において好適な温度帯にまで昇温する工程とすることができる。既述の冷却工程における理由と同様である。
尚、米飯組成物を昇温させるには、常温(例えば、5℃以上35℃以下の温度)における放置、好適な温度帯での保存工程への移行、電磁波による加熱(いわゆる電子レンジ等)であってもよいが、好適には、常温放置か保存工程への移行である。
JAS法(日本農林規格等に関する法律)に基づくとチルド温度とは、5℃以下であり、冷蔵温度とは、10℃以下から0℃近傍である。また例えば、JIS9607(電気冷蔵庫及び電気冷凍庫)によれば、チルド温度とは、5℃以下から0℃近傍である。また、チルド温度は、例えば0℃から5℃以下であり、また例えば0℃から10℃程度として管理される場合がある。米飯組成物について説明した上記の種々の工程は、既に採用されている温度帯における製造、保存、流通及び販売を含むことができる。
(本改質剤の米飯組成物への供給)
本改質剤は、米飯組成物とともに存在していればその効果が発揮される。すなわち、米飯組成物に本改質剤が含まれている限り、その効果が発揮され、その含有態様は問わない。また、米飯組成物に本改質剤を供給すれば、その後、米飯組成物において本改質剤の効果が持続される。なお、本改質剤におけるポリフェノール類の態様は既に説明したとおりである。本改質剤を米飯組成物に供給する態様は以下のとおりである。
(態様1)
本改質剤を、米又は米及び他の材料を、ポリフェノール類の存在下に水とともに炊飯するなど加熱調理する態様が挙げられる。かかる態様により、米飯組成物に本改質剤が供給される。ポリフェノール類は、加熱によって失われ難く、必要に応じて適宜増量等することで、デンプン老化抑制に有効量を確保できる。
例えば、ポリフェノール類又は当該ポリフェノール類を適当な媒体に溶解した液を用いて、米等に塗布、噴霧、混合、含浸等が挙げられる。あるいはポリフェノール類を含むエキス又はその溶液の米等への塗布、噴霧、混合、含浸等が挙げられる。
(態様2)
本改質剤を、米飯組成物に添加する態様が挙げられる。かかる態様によっても、本改質剤は作用する。例えば、米飯組成物の加熱調理後に、本改質剤を添加したり、米飯組成物の保存工程、冷凍工程、冷却工程、解凍工程及び復帰工程において米飯組成物に添加してもよい。添加形態も特に限定するものではないが、例えば、ポリフェノール類又は当該ポリフェノール類を適当な媒体に溶解した液を用いた、塗布、噴霧、混合、含浸等が挙げられる。あるいはポリフェノール類を含むエキス又はその溶液の塗布、噴霧、混合、含浸等が挙げられる。
米飯組成物におけるポリフェノール類の含有量は特に限定するものではない。当業者であれば、米飯組成物の保存形態等を考慮し有効量のポリフェノール類を適宜決定することができる。例えば、茶由来のカテキンである(−)−ピガロカテキンガレートの場合、米1合に対して50mgを用いて炊飯すると、デンプンの抗老化に優れる米飯を得ることができる。
以上のことから、本明細書によれば、本改質剤(又はポリフェノール類)について以下の実施態様が包含される。なお、以下において説明する、米飯組成物の保存、冷却、冷凍、解凍及び復帰、本改質剤及びポリフェノール類の供給については、既に説明した各種の全ての態様が適用される。
[1]米飯組成物にポリフェノール類を供給する工程を備える、米飯組成物の改質方法。
[2]前記供給工程は、米をポリフェノール類の存在下に炊飯して前記米飯組成物とする工程である、[1]に記載の方法。
[3]米飯又は米飯組成物にポリフェノール類を供給する工程を備える、米飯組成物の製造方法。
[4]米飯組成物をポリフェノール類の存在下に保存する工程を備える、米飯組成物の保存方法。
[5]前記保存工程は、前記米飯組成物を、20℃以下に保存する工程である、[4]に記載の方法。
[6]前記保存工程は、前記米飯組成物を、10℃以下の温度に保存する工程である、[4]又は[5]に記載の保存方法。
[7]米飯組成物をポリフェノール類の存在下に冷却する工程を備える、米飯組成物の冷却方法。
[8]米飯組成物をポリフェノール類の存在下に冷凍する工程を備える、米飯組成物の冷凍方法。
[9]冷凍した米飯組成物をポリフェノール類の存在下に解凍する工程を備える、米飯組成物の解凍方法。
[10]冷却した米飯組成物をポリフェノール類の存在下に復帰する工程を備える、米飯組成物の復帰方法。
[11]ポリフェノール類の米飯組成物への利用方法であって、
以下の群から選択される1種又は2種以上の工程を備える、方法。
(a)米飯組成物をポリフェノール類の存在下に保存する工程、
(b)米飯組成物をポリフェノール類の存在下に冷却する工程、
(c)米飯組成物をポリフェノール類の存在下に冷凍する工程、
(d)冷凍した米飯組成物をポリフェノール類の存在下に解凍する工程、及び
(e)冷却した米飯組成物をポリフェノール類の存在下に復帰する工程。
[12]保存に適した米飯組成物の生産方法であって、
米飯組成物にポリフェノール類を供給する工程、
を備える、方法。
[13]凍結しないで25℃以下に保存されそのまま喫食される米飯組成物の生産方法であって、
米飯組成物にポリフェノール類を供給する工程、
を備える、方法。
[14]10℃以上20℃以下に保存されそのまま喫食される米飯組成物の生産方法であって、
米飯組成物にポリフェノール類を供給する工程、
を備える、方法。
[15]冷却及び復帰に適した米飯組成物の生産方法であって、
米飯組成物にポリフェノール類を供給する工程、
を備える、方法。
[16]冷凍及び解凍に適した米飯組成物の生産方法であって、
米飯組成物にポリフェノール類を供給する工程、
を備える、方法。
(米飯組成物)
本明細書に開示される米飯組成物は、ポリフェノール類を含有する米飯を含んでおり、例えば、25℃以下の温度に凍結しないで保存される米飯組成物が提供される。本組成物によれば、例えば、そのままあるいは常温放置によって復帰させても、米飯組成物のテクスチャ及び風味を損なうことなく喫食できる。本組成物は、ポリフェノール類を含有する米飯を含んでおり、凍結されて保存される組成物であってもよい。本組成物によれば、そのまま自然解凍しても米飯組成物のテクスチャ及び風味を損なうことなく喫食できる。
米飯組成物についての、保存、冷却、冷凍、解凍及び復帰については、既に説明した態様をいずれも適用することができる。また、米飯組成物においてポリフェノール類を含有する態様は限定されない。
以下、本明細書の開示をより具体的に説明するために具体例としての実施例を記載する。以下の実施例は、本明細書の開示を説明するためのものであって、その範囲を限定するものではない。
米1合に対して、茶由来のカテキンである(−)−ピガロカテキンガレートカテキン50mg(長良サイエンス株式会社製)、茶ティーバッグ(各2g、3袋)、細断された香茸(乾燥物で約20g)、細断されたクロカワ(生で約30g)、ワイン(赤ワイン30ml、ただしアルコール分を留去したもの)、コーヒー(市販ブラックコーヒー30ml)をそれぞれ添加して、全体として通常の水量として、全て同一条件で市販の陶器性炊飯器で炊飯した。これらの各20gを、ラップで包装して、冷蔵条件(10℃)、チルド条件(0℃)、冷凍(−18℃)で、それぞれ保存した後、室温(10〜20℃)で、いずれもそのまま3〜5時間放置して、テクスチャ及び食味を評価した。また、これらのいずれも添加しない以外は同一の条件で炊飯し、保存した米飯を対照とした。結果を以下に示す。
Figure 2020031617
表1に示すように、全てのポリフェノール類について、冷蔵、チルド及び冷凍後の自然放置による喫食評価は良好であった。また、これらを、10〜20℃で5日間放置したが、カビ等の繁殖は認められず同様に喫食可能であった。また、カテキン、香茸及びクロカワがテクスチャ及び食味の点において優れていたが、カテキンがカテキンに由来する呈色がない点において優れていた。また、ワインは、上位3種よりもやや酸味等が残存するため食味において低下したが、依然として良好なテクスチャ及び食味を備えていた。また、コーヒーは、呈色及び苦みが現れた点において食味がやや劣るが、依然として良好なテクスチャを備えていた。以上のことから、食品等をポリフェノール類として用いるのではなく、純度が高いカテキンなどのポリフェノール類の存在下で米を炊飯するなどして米飯を取得し、これを保存等することが好ましいことがわかった。

Claims (16)

  1. ポリフェノール類を含有する、米飯組成物改質剤。
  2. 前記ポリフェノール類は、カテキンである、請求項1に記載の改質剤。
  3. 25℃以下での保存による米飯のテクスチャ低下を抑制するのに用いる剤である、請求項1又は2に記載の改質剤。
  4. 米飯の25℃以下の保存後にそのまま喫食するのに用いる剤である、請求項1〜3のいずれかに記載の改質剤。
  5. 米飯にポリフェノール類を供給する工程を備える、米飯組成物の改質方法。
  6. 前記供給工程は、米をポリフェノール類の存在下に炊飯して前記米飯組成物とする工程である、請求項5に記載の方法。
  7. 米飯組成物にポリフェノール類を供給する工程を備える、米飯組成物の製造方法。
  8. 米飯組成物をポリフェノール類の存在下に凍結させずに25℃以下に保存する工程を備える、米飯組成物の保存方法。
  9. 前記保存工程は、前記米飯を、10℃以下に保存する工程である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記保存工程は、前記米飯組成物を、5℃以下の温度に保存する工程である、請求項8又は9に記載の保存方法。
  11. 前記保存工程は、前記米飯組成物を0℃以下の温度に保存する工程である、請求項8〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 米飯組成物をポリフェノール類の存在下に凍結させずに25℃以下の温度に保存する工程、
    を備える、米飯組成物の利用方法。
  13. 米飯組成物をポリフェノール類の存在下に凍結して保存する工程、
    を備える、米飯組成物の利用方法。
  14. さらに、前記凍結した米飯組成物を自然解凍する工程を備える、請求項13に記載の方法。
  15. ポリフェノール類を含有し、凍結させずに25℃以下で保存後にそのまま喫食される、米飯組成物。
  16. ポリフェノール類を含有し、凍結後に自然解凍により喫食される、米飯組成物。
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