JP2020031557A - 生体分子分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】生体分子の搬送制御を行いつつも、合成開始点の制御も的確に実行する。【解決手段】この生体分子分析装置は、ナノポアを有する薄膜と、前記薄膜に接して配置され電解質溶液を含む液槽と、前記液槽に接する電極と、前記電極に接続される測定部と、前記測定部の測定結果に従い、前記電極に印加する電圧を制御する制御部とを備え、前記電解質溶液には、生体分子が導入され、前記生体分子の第1の端部には制御鎖、及び分子モータが接続され、前記制御鎖は、その上流においてプライマと結合され、その下流にスペーサを有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、生体分子(生体ポリマ)の分析用装置に関する。
次世代DNAシーケンサの分野では、伸長反応や蛍光ラベルを行うことなく、生体分子(以下「DNA」という。)の塩基配列を電気的に直接計測する方法が注目されている。具体的には、ナノポアDNAシーケンシング方式の研究開発が活発に進められている。この方式は、試薬を用いることなくDNA鎖を直接計測し、塩基配列を決定する方式である。
このナノポアDNAシーケンシング方式では、薄膜に形成された細孔(以下「ナノポア」という。)をDNA鎖が通過することで生じる封鎖電流を計測することにより、塩基配列を計測する。すなわち、DNA鎖に含まれる個々の塩基種の違いにより封鎖電流が変化するので、封鎖電流量を計測することで塩基種を順次同定することができる。この方式では、鋳型DNAの酵素による増幅を行わず、蛍光体等の標識物も用いない。このため、高スループットで、低ランニングコストであり、且つ長塩基のDNA解読が可能となる。
ナノポアDNAシーケンシング方式においてDNAを分析する際に使用する生体分子分析用デバイスは、一般的に、電解質溶液が満たされている第1及び第2の液槽と、その第1及び第2の液槽を仕切る薄膜と、第1及び第2の液槽に設けられる第1及び第2の電極とを備える。生体分子分析用デバイスはアレイデバイスとして構成することもできる。アレイデバイスは、薄膜によって仕切られる液室の組を複数個備えるデバイスをいう。例えば第1の液槽を共通槽とし、第2の液槽を複数個の個別槽とする。この場合、共通槽と個別槽の各々に電極を配置する。
この構成において、第1の液槽と第2の液槽の間に電圧が印加され、且つナノポアにはナノポア径に応じたイオン電流が流れる。また、ナノポアには、印加した電圧に応じた電位勾配が形成される。生体分子を第1の液槽に導入すると、拡散及びこの発生した電位勾配に応じて、生体分子がナノポアを介し第2の液槽へ送られる。このとき、ナノポアを封鎖する、各核酸の封鎖率に応じて生体分子内の分析が実施される。なお、生体分子分析装置は、生体分子分析用デバイスに設けられた電極の間に流れるイオン電流(封鎖信号)を測定する測定部を有し、測定されたイオン電流(封鎖信号)の値に基づいて生体分子の配列情報を取得する。
ナノポアDNAシーケンシング方式の課題の1つとして、ナノポアを通過するDNAの搬送制御が挙げられる。DNA鎖に含まれる個々の塩基種の違いを封鎖電流量で計測するには、計測時の電流ノイズ及びDNA分子の揺らぎの時定数から、DNAのナノポア通過速度を1塩基辺り100μs以上にする必要があると考えられている。しかし、DNAのナノポア通過速度は通常1塩基当たり1μs以下と速く、各塩基由来の封鎖電流を十分に計測することが困難である。
搬送制御法の一つとして、DNAポリメラーゼが合成反応をする際や、ヘリカーゼが二本鎖DNAのうち一本鎖を解く際に鋳型となる一本鎖を送り制御する力を利用して、ナノポアを通過するDNAの搬送制御を実現する方法がある(例えば、非特許文献1参照)。DNAポリメラーゼは、鋳型となるDNAに対して、プライマを結合し、一本鎖部をナノポアに通過させ、ポリメラーゼがプライマ末端に結合することで、合成反応が生じるため、DNAが電界で引っ張られる力に抗ってDNAの搬送が実現される。この際、塩基種に応じたイオン電流信号を測定部において取得することが出来る。
Gerald M Cherf et al.、Nat.Biotechnol. 2012
一方でこの搬送制御法では、合成開始点の制御を的確に行うことが求められる。ポリメラーゼは、一本鎖と二本鎖の境を探し出し合成を開始する。この場合、ナノポア近傍においてのみ合成を実現し、ナノポア近傍からは離れた電解質溶液(反応溶液)中では合成が起きないよう仕組みが必要となる。しかし、従来の装置では、ポリメラーゼによる合成が、ナノポアから離れた電解質溶液中で開始されてしまい、生体分子の分析を的確に行うことができないという問題があった。
上記課題を解決するために、本発明の生体分子分析装置は、ナノポアを有する薄膜と、前記薄膜に接して配置され電解質溶液を含む液槽と、前記液槽に接する電極と、前記電極に接続される測定部と、前記測定部の測定結果に従い、前記電極に印加する電圧を制御する制御部とを備え、前記電解質溶液には、生体分子が導入され、前記生体分子の第1の端部には制御鎖、及び分子モータが接続され、前記制御鎖は、その上流においてプライマと結合され、その下流にスペーサを有することを特徴とする。
また、本発明の生体分子分析方法は、生体分子を分析する生体分子分析方法において、上流においてプライマと結合され且つその下流にスペーサを有する制御鎖と、分子モータとを第1の端部に接続された生体分子を、ナノポアを有する薄膜に接して配置され電解質溶液を含む液槽に導入する工程と、前記液槽に電圧を印加して前記生体分子を前記ナノポアに導入する工程と、前記ナノポアに導入された前記生体分子において、前記プライマを前記分子モータに接触させる工程と、前記プライマと前記分子モータの接触後の前記生体分子の合成反応により前記生体分子を前記ナノポアの内部において搬送する工程と、前記搬送の間における前記ナノポアに流れる電流の変化を計測する工程とを含む。
本発明によれば、生体分子の搬送制御を行いつつも、合成開始点の制御も的確に実行することができる。
第1の実施の形態に係る生体分子分析装置の構成の概略を説明する概略図である。 スペーサ113の効果につき説明する概略図である。 制御鎖111及び分子モータ110の作用を説明する概念図である。 、第1の実施の形態における生体分子109の計測の手順を示すフローチャートである。 スペーサ113の効果に関する実験の結果を示す。 分子モータ110の効果に関する実験のデータを示している。 鋳型となる生体分子としてアデニン(A)及びシトシン(C)のみが一塩基ずつ繰り返し(例えば50個ずつ)形成される生体分子(モデルサンプル配列)に対し封鎖電流計測を行った結果を示す。 生体分子分析装置700の別の構成例を説明する概略図である。 生体分子計測装置100及び700による計測の手順を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る生体分子計測装置における計測対象である生体分子109の構造を説明する概略図である。 第2の実施の形態における生体分子109の計測の概要を説明する概略図である。 第2の実施の形態における生体分子109の計測の概要を説明する概略図である。 第3の実施の形態に係る生体分子計測装置における計測対象である生体分子109の構造を説明する概略図である。 第3の実施の形態における生体分子109の計測の概要を説明する概略図である。 第3実施の形態における生体分子109の計測の概要を説明する概略図である。 第3実施の形態における生体分子109の計測の概要を説明する概略図である。 第4の実施の形態に係る生体分子計測装置における計測対象である生体分子109の構造を説明する概略図である。 第4実施の形態における生体分子109の計測の概要を説明する概略図である。 第4の実施の形態における生体分子109の計測の概要を説明する概略図である。 第5実施の形態における生体分子109の計測の概要を説明する概略図である。 第5実施の形態における生体分子109の計測における印加電圧及び信号の波形を示すタイミングチャートである。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。なお、添付の図面は、本発明の原理に則った具体的な実施例を示しているが、それらは本発明の理解のためのものであり、決して本発明を限定的に解釈するために用いられるものではない。
[第1の実施の形態]
図1に、第1の実施の形態に係る生体分子分析装置の構成の概略を説明する。この装置は、封鎖電流方式にてイオン電流を測定する生体分子分析用デバイスであり、ナノポア101が形成された薄膜102と、薄膜102を挟んで薄膜102と接するように配置され、その内部に電解質溶液103が満たされた一対の液槽104(第1の液槽104A及び第2の液槽104B)と、第1の液槽104A及び第2の液槽104Bの各々に接する一対の電極105(第1の電極105A及び第2の電極105B)とを備える。測定時には、一対の電極105の間に電圧源107から所定の電圧が印加され、一対の電極105の間に電流が流れる。電極105の間に流れる電流の大きさは、電流計106により計測され、その計測値はコンピュータ108により分析される。
電解質溶液103には、例えばKCl、NaCl、LiCl、CsClが用いられる。後述する分子モータを導入しない第2の液槽104B中の溶液には、生体分子の自己相補鎖形成抑制のために4M以上のUreaや、DMSO、DMF、NaOHを混在することも可能である。また、生体分子の安定化のため、緩衝剤を混在させることも可能である。緩衝剤としては、TrisやEDTAやPBSなどが用いられる。第1の電極105A及び第2の電極105Bは、例えばAg、AgCl、Ptを材料として構成され得る。
電解質溶液103の内部には、測定対象としての生体分子109(DNA鎖等)が導入される。生体分子109は、その一端に、例えばポリメラーゼからなる分子モータ110と、制御鎖111とを備えている。更に、制御鎖111は、分子モータ110から遠い側の一端においてプライマ112と結合される一方、分子モータ110に近い側の一端において、スペーサ113を有している。このスペーサ113の存在により、プライマ112は、分子モータ110とは接触しておらず、生体分子109がナノポア101中に到達するまでは合成反応は進行しない。分子モータ110がナノポア101に到達し、これにより制御鎖111に変形等が生じ、プライマ112が分子モータ110と接触することにより、初めて合成反応が開始される。このため、上記の構造により、分子モータ110の合成開始タイミングを制御することができ、測定歩留まりを向上させることが可能となる。この点は、後で詳しく説明する。
なお、図1に例示した装置は、1つの薄膜102が1つのナノポア101のみを有しているが、これはあくまでも一例であり、薄膜102に複数個のナノポア101を形成し、複数個のナノポア101の各々の領域を隔壁で分離して構成されるアレイデバイスとすることも可能である。アレイデバイスにおいては、第1の液槽を共通槽とし、第2の液槽を複数個の個別槽とすることができる。この場合、共通槽と個別槽のそれぞれに電極を配置することができる。
図1の生体分子分析装置は、電極の間に流れるイオン電流(封鎖信号)を測定する測定部、及びその測定結果に基づいて第1の電極105A、第2の電極105Bへの印加電圧を制御する制御部としてのコンピュータ108を備える。コンピュータ108は、測定されたイオン電流(封鎖信号)の値に基づいて生体分子109の配列情報を取得する。一方で、ナノポア101内に電極を設けることで、トンネル電流を取得すること、又はトランジスタ特性変化を検出することでも生体分子109の情報を得ることが可能である。
ここで、測定対象である生体分子109と、制御鎖111、プライマ112、及びスペーサ113に関し、更に詳しく説明する。
この図1の装置において、第1の電極105Aと第2の電極105Bの間に電圧を印加すると、ナノポア101が形成された薄膜102の両面の間に電位差が生じ、上側の液槽104Aに溶解している生体分子109が、下側に位置する液槽104Bの方向に泳動される。電流計106は、電圧の印加によって電極間に流れる電流を増幅するアンプとADC(Analog to Digital Converter)を有している(図示せず)。ADCの出力である検出値がコンピュータ108に出力される。コンピュータ108は、検出された電流値を収集し記録する。
生体分子109に結合させる制御鎖111は、別途提供され、サンプル調整の前処理を行った上で、液槽104Aに導入される。液槽104Aの電解質には、分子モータ110の駆動に適したバッファを共存させる。バッファ中には、用いた分子モータに適したバッファを利用し、一般には(NHSO、KCl、MgSO、Tween、Tris−HClなどを混在させる。
生体分子分析装置では、生体分子がナノポアを通過する際に搬送制御を行う必要がある。この第1の実施の形態の装置での搬送制御は主に分子モータ110により行われる。分子モータ110による搬送制御はナノポア101の近傍でのみ開始される必要がある。発明者による鋭意検討の結果、読取り対象である生体分子109に対し、制御鎖111を結合し、更に制御鎖111において分子モータ110側においてスペーサ113を設けることによって、ナノポア101近傍に生体分子109が到達した場合にのみ分子モータ110による搬送制御を開始することが可能となることが見出された。
この場合、制御鎖111は、以下の(a)〜(d)を満たすことが好適である。
(a)生体分子109の上流(測定対象の生体分子とは分子モータ110を挟んで反対側)に制御鎖111が存在する。
(b)制御鎖111の上流(分子モータ110からは遠い側)にはプライマ112が結合している。すなわち、制御鎖111の遠い側は、プライマ結合サイトとされている。
(c)制御鎖111の下流にはスペーサ113が存在する。
(d)スペーサ113の長さは、一例として2mer以上とすることができる。
電解質溶液中103において、ナノポア101の上流側及び下流側に第1の電極105A、第2の電極105Bを介して電圧が電圧源107から印加されると、ナノポア101の近傍において電界が発生し、その力により生体分子109がナノポア101に導入され、通過する。一方で、分子モータ110の寸法Dmはナノポア101の直径Dnよりも大きいため、分子モータ110はナノポア101を通過することができない。その際、ナノポア101近傍に滞在する分子モータ110に対して制御鎖111中のプライマ112が近づくことで、合成反応が開始される。
その結果、分子モータ110が相補鎖を伸長する際の力により生体分子109がナノポア101から上流側(第1の電極105A側)に引き上げられ、その際に取得される信号変化から、核酸から構成される生体分子109の分析が行われる。このような分析の結果は、試験、診断、治療、創薬、基礎研究などの分野に有用である。実際に、上記の通りに用意した生体分子109を、ナノポア101のない電解質溶液中で合成反応をさせた際には合成反応が生じず、ナノポア101を有する薄膜102を用いた電流計測を行ったところ、分子搬送由来の生体分子の通過信号が確認された。
以下、上記の制御鎖111の構成が合成開始制御に寄与することを具体的に説明する。
図1の装置において、電圧の印加開始当初は、ナノポア101に生体分子109が到達していないため、ナノポア101の直径Dnに応じた電流が電流計106において計測される。その後、生体分子109が液槽104Aに導入され、電界によりナノポア101の近傍に達する。
生体分子109に結合する制御鎖111中にスペーサ113が存在しない場合の不具合につき、図2を参照して説明する。図2に示すように、スペーサ113が存在せず、プライマ112が分子モータ110に接触している場合、分子モータ110は生体分子109がナノポア101に導入される前にプライマ112から合成反応(伸長反応)を開始してしまう。生体分子109がナノポア101に導入される前に合成反応が完了してしまうと、生体分子109はナノポア101を通過することが出来ないか、あるいは、伸長反応が進行したことにより、ナノポア101を通過して本装置により計測が可能な生体分子109の長さ(解析長)が短くなってしまう。ナノポア方式は、他の方式に比べ生体分子109より大きな解析長さで計測が可能な点が長所であるが、上記のように伸長反応が進んでしまうと、その長所が失われてしまう。
これらの歩留まり低下要因を解消する方策の一つとして、ブロックオリゴマによる反応制御により解消する手段をとることが可能な場合もある(G.M. Cherf et. al.、Nat.biotechnol. (2012))。しかし、プライマ及びブロックオリゴマの二種類の分子の利用は、両者が同時に結合することを必要とし、結合が確率過程で起こっている以上、歩留まり低下の要因の一つになる。全ての発生原因を解消するためには、予め合成反応がストップする機構が組み込まれており、複数の確率過程が存在しないことが必要である。
上記を解決する手段として、第1の実施の形態では、制御鎖111の上流側(分子モータ110から遠い側)にプライマ112を設けるとともに、下流側(分子モータ110に近い側)にスペーサ113を設ける。プライマ112の末端と分子モータ110とは、スペーサ113により隔離されている。これにより、分子モータ110がナノポア101に到達する前においては(図2の符号α、β)、合成反応は開始されない。生体分子109がナノポア101を通過し、その後分子モータ110がナノポア101に到達し、これにより分子モータ110とプライマ112の一端が接触したときに、初めて合成反応及び搬送制御を開始させることが出来る(図2の符号γ)。
この制御鎖111の動作、及び生体分子の分析方法につき、図3A及び図3Bを参照して更に詳しく説明する。図3Aは、制御鎖111及び分子モータ110の作用を説明する概念図であり、図3Bは、第1の実施の形態における生体分子109の計測の手順を示すフローチャートである。図3Aに概略的に示すように、生体分子109は制御鎖111が結合した状態で電解質溶液103を含む液槽104A中に導入される。電解質溶液103中には分子モータ110が溶解している。生体分子109と分子モータ110、及び制御鎖111は電解質溶液103中で結合する。なお、制御鎖111や分子モータ110を他の溶液中で生体分子109に結合させた後、液槽104Aに導入させることも可能である。
制御鎖111は、上流においてプライマ112と結合され且つその下流にスペーサ113を有し、プライマ112と分子モータ110は、スペーサ113により隔離される。このように、プライマ112及びスペーサ113で構成される制御鎖111を有する生体分子109が電解質溶液103中に溶解している液槽104A、104Bに対し、第1の電極105A、第2の電極105Bを介して第1の電圧V1が印加される(図3BのステップS1)。これにより、分子モータ110が結合した生体分子109は、図3Aの(a)に示すように、ナノポア101近傍に発生している電位勾配によってナノポア101へ導入される。
生体分子109のナノポア101への導入後は、両電極105A、105B間の電圧を第2の電圧V2に切り替える(図3BのステップS2)。これにより、生体分子109は更に下流側に移動し、分子モータ110がナノポア101側に近づく。分子モータ110の寸法Dmはナノポア101の直径Dnよりも大きいため(Dm>Dn)、分子モータ110がナノポア101の入口(液槽104A側)に到達すると、ナノポア101を通過して出口側(液槽104B側)に進むことは出来ず、ナノポア101の入口に止まる。一方、負電荷を帯びている生体分子109はさらに下流方向に進み、制御鎖111はスペーサ113を中心に形状変化を起こす。すると、分子モータ110は、制御鎖111中のプライマ112の末端と接触し、結合する(図3Aの(b))。これにより、プライマ112の末端に結合した分子モータ110は、合成反応を開始する。
分子モータ110とプライマ112の結合(接触)後は、両電極105A、105B間の電圧を第3の電圧V3に切り替え(図3BのステップS3)、これにより生体分子109の引き上げ(搬送)動作及びシーケンシングが開始される。分子モータ110による合成反応が開始されると、生体分子109がナノポア101を通過する力F2よりも、引き上げる力F1が強いため、生体分子109は電界方向とは逆向きに搬送される。この搬送の間において、生体分子109の特性に由来した信号(電流の変化)を電流計106及びコンピュータ108で検出すること(シーケンシング)が可能となる。
ここで、印加電圧に関して、生体分子109の導入の際に用いられる第1の電圧V1と、分子モータ110をプライマ112と結合させる際に印加する第2の電圧V2と、計測時の第3の電圧V3は全て同じでも良い。一方で、分子モータ110の種類に応じて結合力、引き上げ力が異なるため、異なる電圧を用いた方が所望の信号が検出できる場合もある。生体分子109の通過速度に寄与する力F2は、引き上げ力F1、電界に加え、ナノポア101の内壁での摩擦力によって決まる。その為、ナノポア101の寸法(直径、厚さ等)に応じても印加電圧V1〜V3を調整する必要がある。
第1の実施の形態では、一例として、分子モータ110としてポリメラーゼを使用し、生体分子109及びプライマ112として表1に示した配列のDNAを使用する。「Z」で示される位置にはiSpC3をスペーサ113として配置することができる。
図4は、スペーサ113の効果に関する実験例を示している。
この実験では、バッファ溶液中に、制御鎖111が結合され且つスペーサ113を有する生体分子109を導入し、電気泳動によりその制御鎖結合生体分子の溶液内合成反応を確認した。更に分子モータ110として用いる分子としてポリメラーゼ、及び相補鎖を形成するdNTPもバッファ溶液中に導入した。また、比較対象(リファレンス)として、分子モータ110として用いるポリメラーゼ、及び相補鎖を形成するdNTPを導入しない場合における伸長反応も計測した。分子モータ110として用いる分子(ポリメラーゼ)は分子A、分子Bの2種類を検討した。
図4中、「oligo +」は、スペーサ113が存在する場合を示している。また、「polymerase +」「「polymerase -」」は、分子モータ110としてのポリメラーゼがバッファ溶液中に存在した状態での実験であるか(+)、又はそうでないのか(−)を示している。「dNTP +」「dNTP -」は、相補鎖を形成するdNTPがバッファ溶液中に存在した状態での実験であるのか(+)、又はそうでないのか(−)を示している。
また、塩の影響を確認するため、バッファ中に0.3MのKClを添加したバッファ溶液中での伸長反応結果も確認した。図4中、「0.3M KCl +」「0.3M KCl -」は、0.3MのKClがバッファ溶液中に添加されているか否かを示している。B1〜E1は分子Aを用いた際の実験結果であり、F1〜A2は分子Bを用いた際の実験結果である。
分子A、Bとも、反応が可能なバッファ条件(B1、F1)で出現するバンドの位置と、伸長反応が不可能なバッファ条件(C1、G1)で出現するバンドの位置が同じであった。このことから、伸長反応可能なバッファ条件で、伸長反応が起きなかったことが分かる。またD1及びH1の結果から、両分子とも、0.3MKCl中での伸長反応も抑制されていることが分かった。以上から生体分子109に接続された制御鎖111においてスペーサ113が存在することで、バッファ溶液中での伸長反応が抑制されることが分かった。
図5は、分子モータ110及びスペーサ113を有する部分二本鎖DNAである生体分子109において、分子モータ110が部分二本鎖DNAに接触することで、伸長反応が開始され、生体分子109を搬送することが可能となるか否かを確認するための実験のデータを示している。この実験では、図4と同じ溶液条件を、ナノポア101を有する薄膜102で分離された液槽104A、104B内のバッファ溶液に設定した。そして、そのバッファ溶液に、図4と同様の、分子モータ110(BSTポリメラーゼ)及びスペーサ113を有する制御鎖111に接続された生体分子109を溶解させ、封鎖電流計測を行なった。
封鎖電流計測では、生体分子109が存在しない状態で計測される電流値を基準(ポア電流)とし、生体分子109を封入した際に観測される電流の減少(ナノポア101の生体分子109による封鎖)をモニタし、分子の通過速度や状態を観測する。
生体分子109がナノポア101を通過し終わると、取得電流値は、基準であるポア電流に戻る。この封鎖時間から生体分子109のナノポア101の通過速度が計算されるとともに、封鎖量から生体分子の特性を解析することができる。封鎖電流計測で用いた印加電圧は、この実験では全て0.1Vに設定された。
分子モータ110を用いた実験では、予め鋳型となる生体分子109とプライマ112を結合させて部分二本鎖DNAを生成した後、分子モータ110との結合のため、10分間37℃においてバッファ溶液中でインキュベーションを行った。その後、分子モータ110と結合された部分二本鎖DNAを、計測溶液である0.3MのKClに混合させた。DNA量は10nMになるように調整した。
図5(a)は、分子モータ110とは結合していない、プライマ112を結合させたのみの生体分子109を計測した場合の封鎖信号、及び、封鎖時間と封鎖量の散布図を示す。封鎖信号の波形ばらつきはあるものの、取得された信号の封鎖時間は1ms以下であり、生体分子109は非常に速い速度でナノポア101を通過していることが分かる。
次に、生体分子109が、ポリメラーゼからなる分子モータ110と結合された状態において、同様に封鎖信号を取得した結果を図5(b)に示す。図5(a)の条件では確認されなかった長時間(〜数千ms)の封鎖信号が取得された。封鎖時間と封鎖量の散布図からも、封鎖時間1ms以上の信号が複数検出されていることが分かる(破線の円で示す)。この1ms以上の封鎖時間の信号は、分子モータ110がナノポア101に到達後、伸長反応が進行したことに基づくものと考えられる。
更に、ポリメラーゼからなる分子モータ110は生体分子109と結合しているが、計測溶液中に基質を入れなかった場合の封鎖信号取得結果を図5(c)に示す。電流減少が長時間維持される現象が確認された。
電流の減少、即ちポアの閉塞が確認された後、電流値が自発的にポア電流に戻ることがなかった。図中三角印で示す時間にて、印加電圧の反転をおこなうと、ポア電流に戻る現象が確認された。しかし数秒の後に再び電流が減少する様子が確認され、前述の現象が再び繰り返されることとなった。この現象は図5(b)では確認されなかった。
以上のことから以下のことが推察される。図5(a)では、図5Aの左側に記載のように、鋳型となる生体分子109とプライマ112が結合したサンプルの通過現象を観察しており、ナノポア101ではプライマ112の鋳型からの引き剥がし(unzipping)が観察されていると推察される。
一方、図5(c)では、前述の図4の電気泳動による溶液内合成反応を確認の結果からも、ポリメラーゼからなる分子モータ110による伸長反応が進まず、ナノポア101近傍で止まっている状態が観測されたものと推察される。
これに対して、図5(b)では基質が溶液中に存在するため、ポリメラーゼからなる分子モータ110により、プライマ112からの伸長反応を行うことが出来るようになったため、ポリメラーゼによる搬送由来の封鎖現象が確認できるようになったと推察される。なお、図5(b)で確認されなかった封鎖現象の封鎖時間を解析すると、平均1600msであり、今回用いた鋳型の長さ53ntから換算すると30ms/ntの速度で通過したことになる。これはポリメラーゼによる搬送時間にほぼ等しい。
以上のことから、スペーサ113による溶液中での搬送停止、及びナノポア101近傍での生体分子109の搬送開始及び合成の開始が実現できたと考えられる。
図6に、鋳型となる生体分子としてアデニン(A)及びシトシン(C)のみが一塩基ずつ繰り返し(例えば50個ずつ)形成される生体分子(モデルサンプル配列)を用いて、図5と同様に封鎖電流計測を行った結果を示す。図6の上側のグラフは、封鎖電流の波形を示しており、下側のグラフは、2つの閾値電流に従って封鎖電流の波形を規格化した規格化波形である。
図6の上側のグラフに示すように、封鎖電流の波形を、2つの閾値電流(CACAC、ACACA)に従って規格化し、規格化波形のパルスの数をカウントすると、測定対象とされたモデルサンプル配列中のアデニン及びシトシンの数と同数のパルスが観測された。この図6の実験結果からも、測定された封鎖電流の信号は、スペーサ113の下流にある鋳型(生体分子109)の特性(塩基配列)を反映した信号であり、隣接する塩基が与える信号の差を、分解可能な速度で伸長反応が起きていると考えられる。
次に、スペーサ113の材料について検討する。制御鎖111中に含まれるスペーサ113の材料としては、以下のものを用いると良い。スペーサ113は塩基を含まない、直鎖状連結体である。スペーサ113の配置長はプライマ112の連結部から2塩基以上、即ち約0.6×2nm以上の長さを有することが条件である。適当なリンカーの例は当該分野で良く知られており(IDTホームページより(http://sg.idtdna.com/site/Catalog/Modifications/Category/6)、 Diehl et al.Nature Methods、2006、3(7):551-559参照)、限定されるものではないが、鎖中に配置でき、C3 Spcer、PC spacer、Spacer9、Spacer18、dSpacerを含むが、それに限定されない。上記以外にも、直鎖上炭素鎖、直鎖状アミノ酸、直鎖脂肪酸、直鎖状糖鎖などでもよい。
図7に、図1の生体分子分析装置とは異なる生体分子分析装置700の構成例を示す。図1の装置と同一の構成要素については同一の符号を付しているので、重複する説明は省略する。図1の装置との相違点は、薄膜102Bが複数のナノポア101を有しており、薄膜102Aの下の液槽104Bが隔壁(具体的には薄膜102Cの側壁)により複数の空間に分割されていることである。薄膜102Aを固定する薄膜102B及び102Cにおいて、ナノポア101に対応する位置に貫通穴が設けられ、薄膜102Cの貫通穴の側壁により、複数の空間が形成されている。複数の空間の各々には、第2の電極105Bが設けられている。なお、液槽104Aは、下側に位置する複数の空間に対する共通液槽として用いられる。複数の空間は隔壁により互いに絶縁されている。このため、各ナノポア101を流れる電流を独立に計測することができる。
薄膜102B及び102Cに設けられた貫通孔の各々において露出する薄膜102Aは、電圧の印加によるナノポア101の形成の際に2個以上のナノポア101が形成され難い面積であり、かつ、強度上許容される面積であることが好適である。一例として、当該面積は、例えば100〜500nm程度とすることができる。また、薄膜102Aの膜厚は、DNAの一塩基分解能を達成するため、一塩基相当の実効膜厚を有するナノポア101を形成可能な膜厚とするのが好適である。一例として、膜厚は7nm程度かそれ以下とするのが適当である。
液槽104Aと液槽104Bは、図1の場合と同様に、電解質溶液103で満たされている。図7の場合、電解質溶液103の容量は、マイクロリットルオーダー又はミリリットルオーダーである。
電解質溶液103には、例えばKCl、NaCl、LiCl、CsClが用いられる。これらの溶液に対して、分子モータ110を導入しない液槽104Bには生体分子109の自己相補鎖形成抑制のために4M以上のUreaや、DMSO、DMF、NaOHを混在させることも可能である。また、生体分子109の安定化のため、緩衝剤を混在させることも可能である。緩衝剤としては、TrisやEDTAやPBSなどが用いられる。
以下では、前述した生体分子分析装置の作製方法について説明する。いわゆる封鎖電流方式で生体分子の分析に用いられる生体分子分析装置の基本的な構成自体は当技術分野で既知であり、その構成要素も当業者であれば容易に理解することができる。例えば、米国特許第5795782号、“ScientificReports 4、5000、 2014、Akahori、 et al.”、“Nanotechnology 25(27):275501、2014、Yanagi、 et al.”、“Scientific Reports、5、 14656、 2015、Goto、 et al.”、“Scientific Reports 5、16640、 2015”に具体的なデバイスが開示されている。
ナノポア101が形成される薄膜102は、中心に細孔を有するタンパク質が埋め込まれた両親媒性分子層からなる脂質二重層(バイオポア)であってもよいし、半導体微細加工技術で形成できる材質からなる薄膜(ソリッドポア)であってもよい。半導体微細加工技術で形成できる材質としては、例えば窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素(SiO)、酸窒化ケイ素(SiON)、酸化ハフニウム(HfO)、二硫化モリブデン(MoS)、グラフェンなどがある。薄膜の厚さは、1Å(オングストローム)〜200nm、好ましくは1Å〜100nm、より好ましくは1Å〜50nm、例として約5nmである。
半導体微細加工技術による薄膜は、一例として以下の手順で作製することができる。まず、厚さ725μmの8インチSiウエハの表面に、Si/SiO/Siをそれぞれ膜厚12nm/250nm/100nmでその順に成膜する。また、Siウエハの裏面に、Siを112nm成膜する。
次に、Siウエハ表面最上部のSiを500nm四方で反応性イオンエッチングにより除去する。同様に、Siウエハ裏面のSiを1038μm四方で反応性イオンエッチングにより除去する。裏面については更に、エッチングにより露出したSi基板をTMAH(Tetramethylammonium hydroxide)により更にエッチングする。Siエッチングの間は、表面側のSiOのエッチングを防ぐため、ウエハ表面を保護膜(ProTEKTMB3primer and ProTEKTMB3、 Brewer Science、 Inc.)で覆うのが好ましい。中間層のSiOはポリシリコンであってもよい。
次に、当該保護膜を取り除いた後、500nm四方で露出しているSiO層をBHF溶液(HF/NHF=1/60、8min)で取り除く。これにより、膜厚12nmの薄膜Siが露出した仕切り体が得られる。ポリシリコンが犠牲層に選択された場合はKOHによるエッチングにより薄膜が露出される。この段階では、薄膜にナノポアは設けられていない。
ナノポア101の寸法は、分析対象である生体分子の種類に応じて適切な寸法を選択することができる。一例として、ナノポア101の寸法は、例えば0.9nm〜100nm、好ましくは0.9nm〜50nmであり、具体的にはおよそ0.9nm以上10nm以下にすることができる。例えば直径が約1.4nmであるssDNA(1本鎖DNA)の分析に用いるナノポア101の径は、好ましくは、1.4nm〜10nm程度、より好ましくは1.4nm〜2.5nm程度、具体的にはおおよそ約1.6nmとすることができる。
また、例えば直径が約2.6nmであるdsDNA(2本鎖DNA)の分析に用いるナノポア101の径は、好ましくは3nm〜10nm程度、より好ましくは3nm〜5nm程度とすることができる。
ナノポア101の深さは、薄膜の厚さを調整することにより調整することができる。ナノポア101の深さは、生体分子を構成するモノマ単位の2倍以上、好ましくは3倍以上、より好ましくは5倍以上の大きさとする。例えば生体分子が核酸から構成されている場合には、ナノポア101の深さは、塩基3個以上の大きさ、例えば約1nm以上とすることが好ましい。これにより、生体分子をその形状と移動速度を制御しながらナノポア101に進入させることができ、高感度及び高精度な解析が可能となる。また、ナノポア101の形状は、基本的には円形であるが、楕円形や多角形とすることも可能である。
ナノポア101を有する薄膜を複数枚備えるアレイ型の装置構成の場合には、ナノポア101を有する薄膜を規則的に配列することが好ましい。複数の薄膜111Aを配置する間隔は、使用する電極、電気測定系の能力に応じて、0.1μm〜10μm、好ましくは0.5μm〜4μmとすることができる。
なお、薄膜中にナノポア101を形成する方法は、特に限定されるものではなく、例えば透過型電子顕微鏡などによる電子ビーム照射や電圧印加による絶縁破壊などを用いることができる。例えば“ItaruYanagi et al.、Sci. Rep. 4、 5000 (2014)”に記載されている方法を使用することができる。
ナノポア101の形成は、例えば以下の手順で行うことができる。仕切り体を生体分子分析用デバイス等にセットする前に、Ar/O2 plasma(SAMCO Inc.、 Japan)により、10W、20sccm、20Pa、45secの条件で、Si薄膜を親水化する。次に、生体分子分析用デバイスに仕切り体をセットする。その後、薄膜を挟む上下の液槽を、1M KCl、1mM Tris-10mM EDTA、pH7.5溶液で満たし、各液槽のそれぞれに電極115A、115Bを導入する。
電圧の印加は、ナノポア101の形成時だけでなく、ナノポア101が形成された後にナノポア101を介して流れるイオン電流の計測時にも行われる。ここでは、下側に位置する液槽をcis槽と呼び、上側に位置する液槽をtrans槽と呼ぶ。また、cis槽側の電極に印加する電圧Vcisを0Vに設定し、trans槽側の電極に電圧Vtransを印加する。電圧Vtransは、パルス発生器(例えば41501B SMU AND Pulse Generator Expander、 Agilent Technologies、 Inc.)により発生する。
パルス印加後の電流値は、電流計(例えば4156B PRECISION SEMICONDUCTOR ANALYZER、 Agilent Technologies、 Inc.)で読み取ることができる。パルス電圧の印加前に形成されたナノポア101の直径に応じて電流値条件(閾値電流)を選択し、順次、ナノポア101の直径を大きくしつつ、目的とする直径を得ることができる。
ナノポア101の直径は、イオン電流値から見積もった。条件選択の基準は表2の通りである。
ここで、n番目のパルス電圧印加時間t(ただし、n>2の整数。)は、次式で決定される。
ナノポア101の形成は、パルス電圧を印加する方法以外に、TEMによる電子線照射によっても行うことができる(A. J. Storm et al.、 Nat. Mat. 2 (2003))。
上下2つの液槽に設けられた電極に電源から電圧が印加されると、ナノポア101の近傍に電場が生じ、液中で負に帯電した生体分子は、ナノポア101内を通過する。その際、前述した封鎖電流Ibが流れる。
薄膜に接触する測定溶液を収納できる液槽は、封鎖電流の測定に影響を及ぼさない材質、形状及び大きさで、適宜設けることができる。これらの液槽を仕切る薄膜に接液するように測定溶液が注入される。
電極は、測定溶液中の電解質と電子授受反応(ファラデー反応)を行うことが可能な材質で作製されることが好ましく、典型的には、ハロゲン化銀又はハロゲン化アルカリ銀で作製される。電位安定性及び信頼性の観点からは、銀又は銀塩化銀を使用することが好ましい。
電極は、分極電極となる材質で作製されてもよく、例えば金や白金などで作製されてもよい。その場合、安定的なイオン電流を確保するために測定溶液に電子授受反応を補助することができる物質、例えばフェリシアン化カリウム又はフェロシアン化カリウムなどを添加することが好ましい。あるいは、電子授受反応を行うことが可能な物質、例えばフェロセン類をその分極電極表面に固定化することが好ましい。
電極の構造は、全てが前記材質で構成されていてもよく、あるいは前記材質が下地材(銅、アルミニウムなど)の表面に被覆されていてもよい。電極の形状は特に限定されるものではないが、測定溶液と接液する表面積が大きくなる形状が好ましい。電極は配線と接合されて、測定回路へと電気的信号が送られる。
図7の生体分子分析装置は、上記の構成を要素として含む。上述のナノポア方式の生体分子分析装置は、使用手順や使用量などを記載した説明書と共に提供され得る。制御鎖は、即時使用可能な状態で提供されてもよいし、計測対象となる生体分子のみが結合していない状態で構成・提供されてもよい。そのような形態及び調製は、当業者であれば理解することができる。ナノポアデバイスに関しても同様に、即時使用可能な状態でナノポアが形成されている状態で提供されてもよいし、提供先で形成される状態で提供されてもよい。
図8は、生体分子計測装置100及び700による計測の手順を示すフローチャートである。先ず、測定対象とする生体分子109を溶液から抽出し(ステップS11)、この生体分子109を制御鎖111と結合させる(ステップS12)。この制御鎖111は、後に回収用に用いるビーズ表面の修飾基と結合可能な分子が修飾されたものとすることができる。生体分子109は、例えば対象生物の細胞液から抽出して得ることができる。生体分子109は抽出後、制御鎖111を結合し回収される。回収の際、ビーズを用いることが一般的であり、ビーズ表面には制御鎖に修飾された分子と結合可能な分子が修飾されている。
ビーズ表面には例えばストレプトアビジンが結合していることが多い。この場合、制御鎖111の3’端にビオチンが修飾されていることで、制御鎖111が連結可能であったサンプルのみをビーズにて回収することが出来る。ストレプトアビジンとビオチンの結合対象は逆であっても構わない。ビーズによってターゲットサンプル(計測対象の生体分子109)の回収後(ステップS13)、場合によってはビーズを外してもよい(ステップS14)。ビーズを外す際にはビーズ直径以下のポーラス構造を有するメンブレンの両端に800mV以上の電界をかけることによって外すことも可能である。または、SA−ビオチン結合の下流にジスルフィド結合サイトを用意することで還元剤により解離させることも可能である。
その後、抽出された生体分子109を計測溶液中に溶解させ、図1又は図7に示す生体分S位分析装置に注入する。その後、電圧を印加することにより生体分子109がナノポア101で導入され、所望の電圧印加により生体分子109の分析を行う。
以上説明したように、第1の実施の形態の生体分分析装置及び分析方法によれば、生体分子の搬送制御を行いつつも、合成開始点の制御も的確に実行することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る生体分子分析装置を、図9A〜図9Cを参照して説明する。この第2の実施の形態の生体分子分析装置の全体構成は、第1の実施の形態と同様であるので、重複する説明は省略する。この第2の実施の形態は、計測対象とする生体分子109の構成が第1の実施の形態とは異なっている。
第1の実施の形態では、一本鎖DNAの生体分子109を計測対象とする場合を例として説明した。この第2の実施の形態では、二本鎖DNAの生体分子109を計測対象としている。
二本鎖DNAの場合、生体分子109に対して未処理のまま電気泳動によりナノポア101に導入することが出来ない。そこで、この第2の実施の形態では、図9Aに示すように、計測対象としての二本鎖のゲノム断片901の一端に導入鎖904を付加する。導入鎖904は、測定対象としてのゲノム断片901の側は少なくとも二本鎖構造を有する。ただし、ナノポア101への導入が可能となるよう、ゲノム断片901とは反対側の、導入鎖904の先端部分は1本鎖の突出末端903とされる。
ゲノム断片901の基端側には、第1の実施の形態と同様に、分子モータ110を含む分子モータ結合サイト902を介して制御鎖111が接続される。制御鎖111には、第1の実施の形態と同様にプライマ112が付加されるが、プライマ112と分子モータ110の間には、第1の実施の形態と同様にスペーサ113が設けられる。
次に、この第2の実施の形態の生体分子分析装置において、図9Aで説明した生体分子109を計測する方法の概要を、図9B及び図9Cを参照して説明する。
図9Aのゲノム断片901が、例えば図1の装置の液槽104Aに導入され、両電極105A及び105Bの間に電圧が印加されると、図9Aのゲノム断片901の導入鎖904がナノポア101に導入される。
図9Bに示すように、導入鎖904の突出末端903がナノポア101に導入されると、導入鎖904の二本鎖DNAが引き剥がされ(unzippingされ)、これに続いてゲノム断片901の二本鎖DNAも引き剥がされる。その後、図9Cに示すように、分子モータ110がナノポア101に到達すると、分子モータ110とプライマ112が接触し、これにより1本鎖とされたゲノム断片901’において伸長反応が開始される。以後の動作は第1の実施の形態と略同一である。この第2の実施の形態の構成によれば、二本鎖構造を有する生体分子も、図1のようなナノポア方式の装置により分析することが可能になる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る生体分子分析装置を、図10A〜図10Dを参照して説明する。この第3の実施の形態の生体分子分析装置の全体構成は、第1の実施の形態と同様であるので、重複する説明は省略する。この第3の実施の形態は、計測対象とする生体分子の構成が第1の実施の形態とは異なっている。第2の実施の形態の生体分子の構成と同一の構成については、図10Aにおいて同一の符号を付し、以下では重複する説明は省略する。
この第3の実施の形態の生体分子109は、第1の実施の形態と同様に、測定対象であるゲノム断片901の一端に導入鎖904を付加する。ただし、この第3の実施の形態では、導入鎖904とゲノム断片との間に、第2の制御鎖1011を接続している。この第2の制御鎖1011は、第2の分子モータ911を備えるとともに、ゲノム断片901との接続部分にはスペーサ113’が設けられている。すなわち、この第3の実施の形態では、生体分子としてのゲノム断片901は、第1の端部において制御鎖111及び第1の分子モータ110と接続され、第2の端部において第1の分子モータ110とは第2の分子モータ911と接続されている。第2の分子モータ911は、二本鎖を解離させるか、若しくは相補鎖を分解する作用を有する。第1の分子モータ110は、ポリメラーゼであり、第2の分子モータ911は、ヘリカーゼである。
次に、第3の実施の形態において、生体分子109をナノポア101に導入する方法を説明する。計測対象である生体分子109の上流には、図9Aと同様に、分子モータ結合サイト902を介して制御鎖111を結合させる。下流には、二本鎖解離作用もしくは、生体分子の相補鎖を分解する分子モータ911及びその上流にスペーサ113’を有する第2の制御鎖1011を結合する。第2の制御鎖1011の下流には導入鎖904が連結している。
検査対象である生体細胞より生体分子901を抽出し、第1の制御鎖111、分子モータ結合サイト902、及び導入鎖904が連結した第2の制御鎖1011を結合した後、生体分子109を回収する。そして、回収された生体分子109を、薄膜102が接する液槽104Aに導入する。薄膜102に電圧が印加されると、生体分子109は導入鎖904よりナノポア101に導入される。これにより図10Bに示すように、導入鎖904の二本鎖構造は解離を開始する。
その後、導入鎖904の解離が完了し、第2の分子モータ911がナノポア101に到達すると、ヘリカーゼからなる第2の分子モータ911はゲノム断片901の相補鎖と接触する。これにより、図10Cに示すように、ゲノム断片901の相補鎖の解離及び分解が開始される。分子モータ911はゲノム断片901の相補鎖の分解または解離が終了するとゲノム断片901から遊離する。
ゲノム断片901の分解又は解離が終了すると、図10Dに示すように、ポリメラーゼからなる第1の分子モータ110がナノポア101に到達する。これにより、第1の実施の形態におけるのと同様に、プライマ112と第1の分子モータ110が接触することで伸長反応が開始され、1本鎖となったゲノム断片901の分析が開始され得る。
以上説明したように、この第3の実施の形態によれば、導入鎖904の解離の終了後、第2の分子モータ911により二本鎖DNAであるゲノム断片901の解離を開始することができ、ナノポア方式において二本鎖DNAの迅速かつ正確な分析が可能になる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態に係る生体分子分析装置を、図11Aを参照して説明する。この第4の実施の形態の生体分子分析装置の全体構成は、第1の実施の形態と同様であるので、重複する説明は省略する。この第4の実施の形態は、計測対象とする生体分子の構成が第1の実施の形態とは異なっている。第4の実施の形態の生体分子の構成と同一の構成については、図11Aにおいて図1と同一の符号を付し、以下では重複する説明は省略する。
この第4の実施形態では、計測対象の二本鎖構造のゲノム断片901の一端に、分子モータ結合サイト116が接続され、更に分子モータ結合サイト116の他端に導入鎖1102が接続されている。分子モータ結合サイト116は、ヘリカーゼからなる分子モータ1101を備えている。この点、前述の実施の形態が、ポリメラーゼからなる分子モータを備えているのと異なっている。ヘリカーゼからなる分子モータは、ポリメラーゼとは異なり、二本鎖構造の生体分子を解離させて一本鎖構造とすることができる。ヘリカーゼからなる分子モータ1101は、分子モータ結合サイト116中の制御鎖の一本鎖領域に結合する。導入鎖1102は、突出末端1103を有するが、突出末端1103は一本鎖ではなく、スペーサを用いる。
次に、第4の実施の形態において、ゲノム断片901をナノポア101に導入する方法を図11B及び図11Cを参照して説明する。まず、測定対象であるゲノムを有する細胞からゲノム断片901を抽出・精製の後、導入鎖1102が結合された分子モータ結合サイト116を結合する。なお、ゲノム断片901の分子モータ結合サイト116が結合された側とは反対側の一端に、ビーズなど生体分子を抽出するための機構と結合可能なサイトを結合させても良い。
その後、ゲノム断片901を抽出するための機構を切断した後、抽出したゲノム断片901を、ナノポア101を有する薄膜102と接する計測溶液に導入する。図1又は図7の装置において、両電極105A、105Bの間に電圧が印加されると、ゲノム断片901の導入鎖1102はナノポア101に導入される。導入鎖1102は、図11Bに示すように、ナノポア101に導入されると、二本鎖領域の相補鎖が解離を開始する。この相補鎖の解離が終了し、ヘリカーゼからなる分子モータ1101がナノポア101に到達すると、この分子モータ1101がゲノム断片901の一端と接触する。これにより、ヘリカーゼによる相補鎖の解離が開始され、ゲノム断片901が1本鎖となり、ナノポア101を通過可能となる。これにより、ゲノム断片901がナノポア101の内部において搬送され、ゲノム断片901のナノポア方式による分析が開始される。
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態に係る生体分子分析装置を、図12及び図13を参照して説明する。この第5の実施の形態の生体分子分析装置の全体構成は、第1の実施の形態と同様であるので、重複する説明は省略する。
この第5の実施の形態は、計測対象とする生体分子の構成と、そのための装置の動作が第1の実施の形態とは異なっている。この第5の実施の形態では、生体分子の分析精度向上のため、生体分子を繰り返し解析可能な往復動制御を実行可能なよう、生体分子が構成される。ここで往復動制御とは、生体分子109がナノポア101の中を上下に複数回移動することで、1つの生体分子109に対し繰り返し測定を行うことを可能にした制御のことを言う。
また、生体分子分析装置は、そのような往復動制御が可能にする電圧印加を与えるよう構成されている。具体的には、生体分子109の両端に、ナノポア101よりも寸法が大きいストッパ分子1201、1202を結合させることで、往復動制御が可能とされている。往復動制御が行われることにより、同一の生体分子に対し繰り返し測定を行うことができ、測定精度を向上させることができる。
図12を参照して、この第5の実施の形態における往復動制御による生体分子の分析手順の概要を説明する。往復動制御による繰り返し解析は、生体分子109をナノポア101の近傍にトラップし、電圧印加の極性を繰り返し反転することで、往復運動を行うことで実現する。
まず、図12(a)に示すように、計測対象である生体分子109の一端に、制御鎖111を介して第1のストッパ分子1201を結合し、第1の液槽104Aに封入する。
その後、図12(b)に示すように、両電極105A、105Bの間に第1の電圧(V)を印加すると、電気泳動により生体分子109がナノポア101に導入される(通過する)。第1のストッパ分子1201の大きさがナノポア101の直径よりも大きいため、第1のストッパ分子1201はナノポア101を通過することができず、生体分子109がナノポア101にトラップされる。
生体分子109がナノポア101を通過すると、図12(b)の右側に示すように、第2の液槽104Bに封入された第2のストッパ分子1202と、生体分子109の他端が結合する。このようにして生体分子109の両端が、薄膜102の両側に位置する状態で、それぞれ第1のストッパ分子1201、及び第2のストッパ分子1202と接続されることにより、生体分子109は第1のストッパ分子1201及び第2のストッパ分子1202との間で、ナノポア101の内部を往復運動することができる。
生体分子109がナノポア101を通過し、両端が第1及び第2のストッパ分子1201、1202で接続された状態が得られると、続いて、生体分子109には、分子モータ110を有するプライマ結合サイトが結合される。なお、第1の電圧V1の極性を反転させることで、制御鎖111中のプライマ112及び分子モータ110の結合が容易になる。
次に、図12(c)に示すように、第1の電圧V1に代えて第2の電圧V2が両電極105A及び105Bの間に印加され、分子モータ110がナノポア101に到達すると、分子モータ110と制御鎖111中のプライマ112が接触し、これにより生体分子109の伸長反応が開始され、第1の実施の形態と同様にして生体分子の分析が行われる。伸長反応が生体分子109の末端まで進行すると、分子モータ110は生体分子109から遊離する(図12(c)の右側参照)。
その後、図12(d)に示すように、第2の電圧V2に代えて第3の電圧V3が印加されると、分子モータ110によって合成された生体分子109の相補鎖109Cは、電圧V3の作用により引き剥がされ(unzipping)、生体分子109から遊離する。
続いて、図12(e)に示すように、第3の電圧V3に代えて、第3の電圧V3とは極性が異なる第4の電圧V4が印加されると、プライマ112、及び分子モータ110の結合が行われ、これにより、生体分子109は図12(b)の状態に戻る。その後、第2の電圧V2が印加されることにより、再度生体分子109の計測が繰り返される。
1つの生体分子109において十分な回数の計測が繰り返された後、図12(f)に示すように、第4の電圧V4に代えて第5の電圧V5が両電極105A、105Bの間に印加される。これにより、第1のストッパ分子1201又は第2のストッパ分子1202は生体分子109から分離する。これにより、測定が完了した生体分子109とは別の新たな生体分子に対し、上述した測定が開始可能な状態となる。ここで第5の電圧V5は、ストッパ分子1201、1202と生体分子109との結合サイトの力よりも大きな電界を発生させることができる電圧である。例えば、Streptavidin及びbiotinによる結合を利用した際には、膜厚7nmのナノポアを利用した際に800mVの電圧印加を行うと切断することができる。
図13は図12(a)〜(f)の工程が実行されている際に得られる信号の波形、及び印加される電圧の波形の変化を示すグラフである。図13では、同様の電圧波形が繰り返し入力されている。このような電圧波形が繰り返し入力されることで、その結果として複数の信号群が得られ、計測対象の生体分子109の測定精度を向上させることができる。なお、信号群の中には、生体分子に由来の信号及び、搬送制御が停止したことが判定される信号が含まれる。
コンピュータ108は、電流計106で検出される電流値を検出し、所定の電流又はこれに対応する電圧が検出されることにより、それをトリガとして両電極105A及び105Bの間に印加される電圧の値を切り換える(V1→V2→V3→V4)。
例えば、図13では、信号群(m)において、第2の電圧V2を印加している際に、分析対象である生体分子109に由来の信号1211が得られる。信号1211は、生体分子109の核酸の配列等に応じて振動する信号となる。
その後、生体分子109が移動して、生体分子109の末端まで分析が終わると、信号1211の塩基配列に基づく振動は終了し、略一定の電圧1212に落ち着く。コンピュータ108は、この所定の電圧1212を検出することにより、第2の電圧V2から、生体分子109を初期位置に戻すための電圧である第3の電圧V3に切り替える。生体分子109が初期位置に戻る行程においても、電流計106により検出される電流値は、生体分子109の構造に基づき振動する。この電流値が所定値に落ち着くと、初期位置への復帰が完了したと判断され、印加電圧V3は逆特性の第4の電圧V4に切り替わる。これにより、プライマ112、及び分子モータ110の生体分子109への結合が再度行われ、生体分子109の再計測が開始され、信号群(m+1)が得られる。生体分子109への複数回(n回)の計測が終わると、第5の電圧V5が印加され、これにより1つの生体分子109への計測が終了する。
なお、前述したように、生体分子109は、例えば対象生物の細胞液から抽出して得ることができる。生体分子109は抽出後、制御鎖111を結合し回収される。回収の際、ビーズを用いることが一般的であり、ビーズ表面には制御鎖に修飾された分子と結合可能な分子が修飾されている。前述のストッパ分子1201、1202は、制御鎖結合分子の回収用に用いられたビーズをそのまま使うことも可能である。または、ビーズによる回収後に生体分子を外し、再びストッパ分子を結合させる行程を経て計測を行うことも可能である。
以上、本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100,700…生体分子分析装置、101…ナノポア、102…薄膜、103…電解質溶液、104A,104B…液槽、105A…第1の電極、105B…第2の電極、106…電流計、107…電圧源、108…コンピュータ、109…生体分子(DNA鎖等)、110,911,1101…分子モータ、111,1011…制御鎖、112…プライマ、113,113’…スペーサ、116,902…分子モータ結合サイト、901…ゲノム断片、903,1103…突出末端、1201,1202…ストッパ分子、904,1102…導入鎖。

Claims (14)

  1. ナノポアを有する薄膜と、
    前記薄膜に接して配置され電解質溶液を含む液槽と、
    前記液槽に接する電極と、
    前記電極に接続される測定部と、
    前記測定部の測定結果に従い、前記電極に印加する電圧を制御する制御部と
    を備え、
    前記電解質溶液には、生体分子が導入され、
    前記生体分子の第1の端部には制御鎖、及び分子モータが接続され、
    前記制御鎖は、その上流においてプライマと結合され、その下流にスペーサを有する
    ことを特徴とする生体分子分析装置。
  2. 前記分子モータの寸法は、前記ナノポアの大きさよりも大きい、請求項1に記載の生体分子分析装置。
  3. 前記生体分子は、前記生体分子の第2の端部に前記ナノポアに導入するための導入鎖を更に備え、
    前記導入鎖は、少なくとも前記生体分子の側の端部が二本鎖構造であり、前記生体分子とは反対側の端部が一本鎖構造である、請求項1又は2に記載の生体分子分析装置。
  4. 前記生体分子は、前記第1の端部において前記制御鎖及び第1の分子モータとしての前記分子モータと接続され、前記第1の端部とは別の第2の端部において前記第1の分子モータとは別の第2の分子モータと接続され、
    前記第1の分子モータは、前記プライマと第1のスペーサとしての前記スペーサを介して配置され、
    前記第2の分子モータは、前記生体分子と第2のスペーサを介して配置される、請求項1に記載の生体分子分析装置。
  5. 前記第1の分子モータは、ポリメラーゼであり、
    前記第2の分子モータは、ヘリカーゼである、請求項4記載の生体分子分析装置。
  6. 前記生体分子の両端には更にストッパ分子が接続され、
    前記ストッパ分子の寸法は、前記ナノポアの大きさよりも大きい、請求項1に記載の生体分子分析装置。
  7. 前記液槽は、前記薄膜の第1の面側に位置する第1の液槽と、前記薄膜の第2の面側に位置する第2の液槽とを備え、
    前記第2の液槽は隔壁により複数に分割され、
    前記第1の液槽に設けられる第1の電極と、
    前記第2の液槽の分割された液槽毎に設けられる第2の電極と、
    を備える、請求項1に記載の生体分子分析装置。
  8. 生体分子を分析する生体分子分析方法において、
    上流においてプライマと結合され且つその下流にスペーサを有する制御鎖と、分子モータとを第1の端部に接続された生体分子を、ナノポアを有する薄膜に接して配置され電解質溶液を含む液槽に導入する工程と、
    前記液槽に電圧を印加して前記生体分子を前記ナノポアに導入する工程と、
    前記ナノポアに導入された前記生体分子において、前記プライマを前記分子モータに接触させる工程と、
    前記プライマと前記分子モータの接触後の前記生体分子の合成反応により前記生体分子を前記ナノポアの内部において搬送する工程と、
    前記搬送の間における前記ナノポアに流れる電流の変化を計測する工程と
    を含む、生体分子分析方法。
  9. 前記生体分子の第2の端部に前記ナノポアに導入するための導入鎖を接続する工程であって、前記導入鎖は、少なくとも前記生体分子の側の端部が二本鎖構造であり、前記生体分子とは反対側の端部が一本鎖構造である工程と、
    前記導入鎖の前記一本鎖構造を前記ナノポアに導入させ、前記生体分子の二本鎖構造を引き剥がして一本鎖構造とする工程と
    を更に備えた、請求項8に記載の生体分子分析方法。
  10. 前記生体分子は、前記第1の端部において前記制御鎖及び第1の分子モータとしての前記分子モータと接続され、第2の端部において前記第1の分子モータとは別の第2の分子モータと接続され、
    前記第1の分子モータは、前記プライマと第1のスペーサとしての前記スペーサを介して配置され、
    前記第2の分子モータは、前記生体分子と第2のスペーサを介して配置される、請求項8に記載の生体分子分析方法。
  11. 前記第2の分子モータにより、前記生体分子の相補鎖を解離させる工程を更に備え、
    前記第1の分子モータは、前記第2の分子モータによる前記相補鎖の解離後の前記生体分子を、前記プライマに基づいて合成する、請求項10に記載の生体分子分析方法。
  12. 前記第1の分子モータは、ポリメラーゼであり、
    前記第2の分子モータは、ヘリカーゼである、請求項10記載の生体分子分析方法。
  13. 前記生体分子の両端には更に第1のストッパ分子及び第2のストッパ分子が接続され、
    前記第1及び第2のストッパ分子の寸法は、前記ナノポアの大きさよりも大きい、請求項8に記載の生体分子分析方法。
  14. 生体分子を分析する生体分子分析方法において、
    二本鎖構造を有する生体分子の第1の端部に制御鎖を接続し、前記制御鎖の前記生体分子とは反対側の端部に導入鎖を接続する工程であって、前記制御鎖は、分子モータ、及び前記分子モータと前記生体分子との間にスペーサを備え、前記導入鎖は、二本鎖構造を有する工程と、
    前記生体分子を、ナノポアを有する薄膜に接して配置され電解質溶液を含む液槽に導入する工程と、
    前記液槽に電圧を印加して、前記導入鎖を前記ナノポアに導入して前記導入鎖の二本鎖構造を解離させる工程と、
    前記導入鎖の二本鎖構造の解離後、前記生体分子の相補鎖を前記分子モータと接触させ、これにより前記生体分子の二本鎖構造の解離を開始させる工程と、
    前記生体分子の解離反応により前記生体分子を前記ナノポアの内部において搬送する工程と、
    前記搬送の間における前記ナノポアに流れる電流の変化を計測する工程と
    を含む、生体分子分析方法。
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