JP7132100B2 - 生体分子分析装置及び生体分子分析方法 - Google Patents

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Description

本開示は、生体分子分析装置及び生体分子分析方法に関する。
水溶液中に存在する分子や粒子の検出や解析を行う手段として、ナノポアデバイスを用いた技術が検討されている。ナノポアデバイスは、メンブレンに検出対象となる分子や粒子と同程度の大きさの孔(ナノポア)を設け、メンブレンの上下に設けられたチャンバを水溶液で満たし、両チャンバ中の水溶液に接触するよう電極を設けたものである。チャンバの片側に検出対象物を導入し、電極間に電位差を与えて電気泳動させることによりナノポアを通過させ、両電極間に流れるイオン電流(封鎖信号)の時間変化を計測することで、検出対象物の通過を検出したり、検出対象物の構造的な特徴を解析したりすることができる。
ナノポアデバイスの製造において、機械的強度が高いこと等の理由から、半導体基板や半導体材料を半導体プロセスにより加工してナノポアを形成する方法が注目を集めている。このようなナノポア形成方法として、例えば非特許文献1には、メンブレンとしてシリコン窒化膜(SiNx膜)を用い、TEM(transmission electron microscope)装置を用いて、電子ビームの照射面積をメンブレン上に小さく絞り、エネルギーや電流をコントロールすることで、直径が10nm以下のナノポアを形成することが開示されている。
また、特許文献1、非特許文献2~4には、メンブレンの絶縁破壊を利用したナノポア形成方法が開示されている。これらの方法においては、まず、孔の空いていないSiNxメンブレンを挟む上下のチャンバに水溶液を満たし、各チャンバの水溶液中に電極を浸して両電極間に高電圧を印加し続ける。電極間の電流値が急激に上昇して(メンブレンが絶縁破壊して)、予め設定したカットオフ電流値に到達したところでナノポアが形成されたと判断し、高電圧の印加を停止することで、ナノポアを形成する。本ナノポア形成方式は、TEM装置を用いたナノポア形成に比べ、製造コストが大幅に削減され、スループットが向上するという利点がある。また、本ナノポア形成方式は、メンブレンにナノポアを形成した後、メンブレンをチャンバから取り外すことなく検出対象物の測定に移行できる。そのため、ナノポアが大気中の汚染物質に曝されることがなく、測定時のノイズが少なくなるという利点がある。
ナノポアを用いた測定の用途として、水溶液中の検出対象物の検出及び計数がある。例えば非特許文献5には、水溶液中に存在する特定配列のDNAのみにPNAとPEGとを結合させ、PNA及びPEGが修飾されたDNAがナノポアを通過する際のイオン電流の変化を測定することで、特定配列を有するDNAの検出や計数を行うことが開示されている。
このように、検出対象物の検出及び計数を行うナノポア計測においては、検出対象物に対し修飾分子を結合させ、封鎖信号量や、封鎖時間の違いを計測することで検出及び定量を行う。
ナノポアを用いた測定の別の用途として、DNAの塩基配列の解読(DNAシーケンシング)がある。すなわち、DNAがナノポアを通過する際のイオン電流の変化を検出することで、DNA鎖中の4種塩基の配列の決定をするという方法である。
国際公開第2013/167955号
Jacob K Rosenstein, et al., Nature Methods, Vol.9, No.5, 487-492 (2012) Harold Kwok, et al., PloS ONE, Vol.9, No.3, e92880. (2013) Kyle Briggs, et al., Nanotechnology, Vol.26, 084004 (2015) Kyle Briggs, et al., Small, 10(10):2077-86 (2014) Trevor J. Morin, et al., PLoS ONE 11(5):e0154426. doi:10.1371/journal.pone.0154426
しかしながら、上記従来例のように、ナノポアを用いて検出対象物の検出及び計数を行うナノポア計測において、未結合の修飾分子が単体でナノポアを通過してしまうと、修飾分子由来の信号がバックグラウンドノイズとなってしまい、未修飾の計測対象分子と修飾分子のサイズが近しい場合、もしくは修飾された計測対象分子と修飾分子のサイズが近しい場合に、解析時にこれらの信号の違いを認識して修飾分子由来の信号を取り除くことが難しくなる。
そこで、本開示は、バックグラウンドノイズの発生を抑制し、高SN比で対象分子を計測する生体分子分析装置及び生体分子分析方法を提供する。
本開示の生体分子分析装置は、ナノポアを有する薄膜と、前記薄膜を挟むよう配置され、電解質溶液を収容する一対の液槽と、前記一対の液槽のそれぞれに配置される一対の電極と、前記一対の電極に接続される測定部と、を備え、前記電解質溶液は、修飾分子が修飾された生体分子が溶解され、pHが8.0より大きく、前記修飾分子は、前記電解質溶液のpHが8.0より大きい場合、単体では前記ナノポアの通過が阻止されることを特徴とする。
本開示に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、本開示の態様は、要素及び多様な要素の組み合わせ及び以降の詳細な記述と添付される特許請求の範囲の様態により達成され実現される。
本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本開示の特許請求の範囲又は適用例を如何なる意味に於いても限定するものではないことを理解する必要がある。
本開示によれば、バックグラウンドノイズの発生を抑制し、高SN比で対象分子を計測できる。
前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
第1の実施形態に係るナノポア計測システムの構成を示す模式図である。 ナノポア計測システムによる計測対象分子の定量方法を示す模式図である。 計測対象分子を示す模式図(a)及び検体のナノポアへの導入の様子を示す模式図(b)である。 実験例1の評価結果を示す図である。 実験例2の評価結果を示す図である。 実験例3の評価結果を示す図である。 第1の実施形態に係るナノポア計測システムのハードウェア外観構成を示す模式図である。 検体の前処理方法を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る修飾分子の結合方法を示す模式図である。 第2の実施形態に係る修飾分子の結合方法を示す模式図である。 第3の実施形態に係る修飾分子の結合方法を示す模式図である。 第4の実施形態に係るナノポア計測システムの構成を示す模式図である。
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。なお、添付の図面は、本開示の原理に則った具体的な実施例を示しているが、それらは本開示の理解のためのものであり、決して本開示を限定的に解釈するために用いられるものではない。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係るナノポア計測システムの構成を示す模式図である。ナノポア計測システムは、生体分子分析装置1と、コンピュータ端末108とを備える。生体分子分析装置1は、生体分子分析デバイス100、電流計106(測定部)及び電源107を備える。本実施形態において、分析対象となる計測対象分子109としては、例えば、核酸をモノマとするDNAやRNA、あるいはアミノ酸をモノマとするポリペプチドやタンパク質などの生体分子が挙げられる。本実施形態においては、一例として、生体分子分析装置1が計測対象となるDNAを計数する分子カウンティングデバイスである例を説明する。
生体分子分析デバイス100は、ナノポア101を有するナノポアデバイス102、液槽104A及び104B(一対の液槽)、並びに電極105A及び105B(一対の電極)を備える。生体分子分析デバイス100によるナノポア計測方式として、電極105A及び105B間に電圧を印加することにより計測対象分子109を電気泳動させてナノポア101へ導入する方式を採用する。なお、計測対象分子109のナノポア101への導入方式はこれに限定されず、その他の方式を採用してもよい。
ナノポアデバイス102は、ナノポア101が形成された薄膜102Aと、薄膜102Aを挟持する薄膜固定部材102B及び102Cとを備える。
薄膜102Aは、中心に細孔を有するタンパク質が埋め込まれた両親媒性分子層からなる脂質二重層(バイオ式ナノポア)であってもよいし、半導体微細加工技術で形成可能な材質からなる薄膜(ソリッド式ナノポア)であってもよい。半導体微細加工技術で形成可能な材質としては、例えば窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素(SiO)、酸窒化ケイ素(SiON)、酸化ハフニウム(HfO)、二硫化モリブデン(MoS)、グラフェンなどが挙げられる。
薄膜102Aの厚さは、1Å~200nmとすることができ、状況に応じて1Å~100nmや、1Å~50nmとすることができ、例としては約5nmとすることができる。
薄膜102Aは、積層体であってもよい。薄膜102Aを積層体とする場合、例えばSi/SiOの2層構造や、Si/SiO/Siの3層構造などとすることができる。3層構造の場合、中間層はポリシリコンであっても良い。積層数や各層の材質はこれらに限定されず、任意に変更可能である。
薄膜102Aは、例えば以下の手順で作製することができる。まず、725μm厚の8インチSiウエハの表面に、Si/SiO/Siを12nm/250nm/100nmで成膜し、裏面にSiを112nm成膜する。次に、表面最上部のSiを500nm四方反応性エッチングし、裏面のSiを1038μm四方反応性イオンエッチングする。さらに裏面については、エッチングにより露出したSi基板をTMAH(Tetramethylammonium hydroxide)により更にエッチングする。Siエッチングの間は、表面側SiOのエッチングを防ぐため、ウエハ表面を保護膜(ProTEK B3 primer and ProTEK B3、ブリューワーサイエンス社製、「ProTEK」は登録商標)で覆う。
次に、保護膜を取り除いた後、500nm四方で露出しているSiO層をBHF溶液(HF/NHF=1/60、8min)で取り除く。これにより、膜厚12nmの薄膜Siが露出した仕切り体が得られる。ポリシリコンが犠牲層に選択された場合は、KOHによるエッチングにより薄膜102Aが露出される。この段階では、薄膜102Aにナノポアは設けられていない。
ナノポア101の寸法は、分析対象である計測対象分子109の修飾分子110の種類に応じて適切な寸法を選択することができ、例えば0.9nm~100nmであり、状況に応じて0.9nm~50nmとすることができ、具体的にはおよそ0.9nm以上30nm以下などである。例えば修飾分子110として、直径が約10nmであるストレプトアビジンを計測対象分子109に修飾した場合のナノポア径は、5nm~30nmとすることができ、状況に応じて5nm~15nmとすることができ、具体的には約10nmとすることができる。また、例えば直径が約30nmであるdCas9を修飾分子110とした場合のナノポア径は、40nm以下とすることができる。
ナノポア101の深さは、薄膜102Aの厚さを調節することにより調節することができる。また、ナノポア101の水平面における断面の形状は、基本的には略円形であるが、略楕円形や略多角形とすることも可能である。
液槽104A及び104Bは、ナノポアデバイス102を挟むように配置され、それぞれ電解質溶液103が満たされる。液槽104A内に電極105Aが配置され、液槽104B内に電極105Bが配置される。液槽104A及び104Bは、封鎖電流の測定に影響を及ぼさない材質、形状及び大きさで形成される。電解質溶液103の容量は、例えばマイクロリットルオーダー又はミリリットルオーダーである。
電解質溶液103に溶解される電解質として、例えば塩化カリウム(KCl)等のカリウム塩、塩化アンモニウム(NHCl)や硫酸アンモニウム((NHSO)等のアンモニウム塩、塩化マグネシウム(MgCl)や硫酸マグネシウム(MgSO)等のマグネシウム塩など、一般に用いられる電解質を使用することができる。電解質として、リチウム塩、ナトリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩等を使用してもよい。これらの電解質のうち、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
電解質溶液103は、バッファを含む。バッファは、例えば、Tris、EDTA、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、非イオン性界面活性剤、Tris-HClなどを含むことができる。
電解質溶液103として、一般的には、(NHSO、KCl、MgSO、非イオン界面活性剤及びTris-HClなどを含むものが用いられる。修飾分子110を導入しない側の液槽104Bには、計測対象分子109の自己相補鎖形成抑制のため、4M以上のUreaや、DMSO、DMF、NaOHを混在させることも可能である。電解質溶液103のより詳細な説明は後述する。
電極105A及び105Bは、電解質溶液103中の電解質と電子授受反応(ファラデー反応)を行うことが可能な材質で作製され、典型的には、ハロゲン化銀又はハロゲン化アルカリ銀で作製される。電位安定性及び信頼性の観点からは、銀又は塩化銀を使用することができる。
電極105A及び105Bは、分極電極となる材質で作製されてもよく、例えば金や白金などで作製されてもよい。その場合、安定的なイオン電流を確保するために電解質溶液103に電子授受反応を補助することができる物質、例えばフェリシアン化カリウム又はフェロシアン化カリウムなどを添加することができる。あるいは、電子授受反応を行うことが可能な物質、例えばフェロセン類をその分極電極表面に固定化することができる。
電極105A及び105Bは、全体的に上記の材質で構成されていてもよいし、下地材(銅、アルミニウムなど)の表面に上記の材質が被覆されていてもよい。電極105A及び105Bの形状は特に限定されるものではないが、電解質溶液103と接する表面積が大きくなる形状を採用することができる。
電極105A及び105Bは、配線と接合されて、電流計106の測定回路へと電気的信号が送られる。図1において図示は省略しているが、生体分子分析デバイス100の外周面には、電極105A及び105Bと電気的に接続された接続端子が設けられ、これにより電極105A及び105Bは、電源107及び電流計106と接続される。
電流計106は、電極105Aと105Bとの間に流れるイオン電流を測定する。図示は省略しているが、電流計106は、電極105Aと105Bとの間に流れる電流を増幅するアンプと、アナログ/デジタル変換器とを有する。電流計106は、例えば有線又は無線でコンピュータ端末108に接続され、アナログ/デジタル変換器から、検出したイオン電流の電流値をデジタル信号としてコンピュータ端末108に出力する。
コンピュータ端末108は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの端末であり、各種データを処理するデータ処理部を有する。データ処理部は、電流計106から出力されたイオン電流の電流値に基づいて、計測対象分子109を計数したり、生体分子のモノマ配列情報を取得したりする。また、コンピュータ端末108は、電流計106の出力値や、データ処理部により算出されるデータ等を記憶する記憶部を備える。
電源107から電極105A及び105Bに対し電圧が印加されると、ナノポア101の近傍に電場が生じ、電解質溶液103中で負に帯電した計測対象分子109は電気泳動し、ナノポア101内を通過する。その際、封鎖電流が流れる。生体分子分析デバイス100を用いた封鎖電流計測では、計測対象分子109の非存在下で計測される電流値を基準(ポア電流)とし、計測対象分子109を封入した際に観測される電流の減少(ナノポア101の計測対象分子109による封鎖)を計測し、分子の通過速度や状態を観測する。計測対象分子109がナノポア101を通過し終わると、取得電流値は、ポア電流に戻る。この封鎖時間から、計測対象分子109のナノポア通過速度を解析し、封鎖量から計測対象分子109の特性を解析することができる。
ナノポア計測方式として、上記のように封鎖電流を計測する方式以外に以下の方法を採用することも可能である。一つは、電極105A及び105B以外にもう一対の電極をナノポア近傍に設け、該一対の電極の間に電圧を印加し、生体分子が通過した際に発生するトンネル電流の変化を計測する方法である。その他に、FETデバイスをナノポアメンブレンに設け、デバイスで取得されるトランジスタの信号変化を計測する方法がある。また、ナノポア近傍に照射された光の吸収、反射、蛍光特性などの光学的信号を計測することも可能である。
なお、図1に示すように、電源107、電流計106及びコンピュータ端末108を生体分子分析デバイス100に対して別部材とするのではなく、電源107、電流計106及びコンピュータ端末108を生体分子分析デバイス100と一体構成としても良い。また、図示は省略しているが、生体分子分析デバイス100は、計測対象分子109などのサンプルを電解質溶液103に導入するためのサンプル導入口を備える。
次に、薄膜102A中にナノポア101を形成する方法について説明する。ナノポア101は、例えば、透過型電子顕微鏡などによる電子ビーム照射や電圧印加による絶縁破壊などにより、薄膜102Aに形成される。
電圧印加によるナノポア101の形成は、例えば以下の手順で行うことができる。薄膜102Aを生体分子分析デバイス100にセットする前に、Ar/Oplasma(サムコ株式会社製)により、10W、20sccm、20Pa、45secの条件で、Si薄膜を親水化する。次に、生体分子分析デバイス100に薄膜102Aをセットする。その後、液槽104A及び104Bに電解質溶液103を満たし、液槽104A及び104Bのそれぞれに電極105A及び105Bを導入し、電圧を印加する。
ここで、下側に位置する液槽104Bをcis槽と呼び、上側に位置する液槽104Aをtrans槽と呼ぶ。cis槽側の電極に印加する電圧Vcisを0Vに設定し、trans槽側の電極に電圧Vtransを印加する。電圧Vtransは、例えばパルス発生器(41501B SMU AND Pulse Generator Expander、アジレントテクノロジーズ社製)によりパルス電圧として印加される。ナノポア101の形成のために電圧を印加するプロセスは、例えば自作プログラム(Excel VBA、Visual Basic for Applications)で制御する。
パルス電圧の印加後の電流値は、電流計106(4156B PRECISION SEMICONDUCTOR ANALYZER、アジレントテクノロジーズ社製)で読み取ることができる。ナノポア101の直径は、イオン電流値から見積もることができる。パルス電圧の印加前に形成されたナノポア101の直径に応じて電流値条件(閾値電流)を選択し、順次、ナノポア101の直径を大きくしつつ、目的とする直径を得る。
条件選択の基準は表1の通りである。ここで、n番目のパルス電圧印加時間t(ただし、n>2の整数。)は、次式で決定される。
Figure 0007132100000001
Figure 0007132100000002
ナノポア101を形成するタイミングは、出荷時でも構わないし、計測直前でも構わない。一般に、EBリソグラフィーや電子線照射によって形成されたナノポア101は、出荷前に形成される。電圧印加によって形成されるナノポア101は出荷前でも計測直前でも構わない。ナノポア101の形成後、あるいは薄膜102Aの形成後に、塩溶液などに浸して出荷することで、ナノポア101の親水性を維持することが可能である。また、これにより、計測時に送液した際に気泡が噛んでしまうことを避けることが可能である。
図1に示すように、計測対象分子109は、修飾分子110と共に電解質溶液103に導入される。計測対象分子109は、予め修飾分子110とバッファ中で結合させてから、電解質溶液103に導入されてもよい。ここで、計測対象分子109に結合可能な修飾分子110を計測対象分子109に対して過剰量混在させることで、計測対象分子109の定量性を上げることができる。これにより、電解質溶液103には、計測対象分子109に結合しなかった修飾分子110が一定数残存することになる。
計測対象分子109が核酸である場合、計測対象分子109は負に帯電しているため、電極105A及び105Bに電圧を印加することで正極側に計測対象分子109が引き寄せられ、ナノポア101に導入される。電解質溶液103には、修飾分子110が修飾された計測対象分子109の他に、非計測対象分子114や、計測対象分子109に結合できなかった修飾分子110が混在する。
図2は、本実施形態のナノポア計測システムによる計測対象分子109の定量方法を示す模式図である。生体分子分析デバイス100は、サンプル導入口140、ナノポアデバイス102及び電極基板150を備え、使い捨てチップとして用いられる。図2に示す例においては、ナノポアデバイス102は、複数のナノポア101を有するアレイデバイスである。
生体分子分析デバイス100は、電極105A及び105Bにそれぞれ接続された配線等により計測器170に接続される。計測器170は、電流計106、電源107、制御回路(図示せず)等を搭載し、コンピュータ端末108と有線又は無線で通信可能に構成される。
電解質溶液103には、検体(サンプル)として、計測対象分子A~C(計測対象分子109)と、それぞれこれらに結合可能なプローブA~C(修飾分子110)と、非計測対象分子D(非計測対象分子114)とが、例えば分注ノズル160を用いて生体分子分析デバイス100のサンプル導入口140から導入される。
図2に示すように、修飾分子110として、計測対象分子109の種類や特性などに応じて、異なる大きさ(体積)や異なる電気的特性のものを用いることで、各計測対象分子109に応じて異なる封鎖電流量や信号持続時間が計測されるため、各計測対象分子109の計数が可能となる。なお、図2に示す例においては、計測対象分子A~C及び非計測対象分子Dは一本鎖DNAであるが、これに限定されず、全体的又は部分的に二本鎖であってもよい。
ユーザーは、生体分子分析デバイス100に上記検体を導入した後、電源107を駆動させて電極105Aと複数の電極105Bとの間に電圧を印加する。これにより、負に帯電している計測対象分子109及び非計測対象分子114は、ナノポア101近傍に形成された電位勾配により、ナノポア101に導入される。これら検体がナノポア101を通過すると、ナノポア101が封鎖されることによって電極105A及び105B間のイオン電流が減少し、電流計106の出力信号として検体通過イベントが観測される。
図2に示す例においては、電流計106の出力信号として、ナノポア101a~101cにおける検体通過イベントの結果の例を示している。1つの検体通過イベントは、1つの計測対象分子がナノポア101を通過したことを表しており、検体通過イベントの電流値及び経過時間は、計測対象分子を修飾する修飾分子110の体積や、修飾分子110とナノポア101との相互作用によって異なる。
電流計106は、コンピュータ端末108と通信することにより、検出信号をコンピュータ端末108に出力する。コンピュータ端末108は、電流計106の出力に基づいて、電流値と、計測対象分子のナノポア101の滞在時間とをプロットしたり、各計測対象分子の存在率を算出したりして、結果をディスプレイ(表示部)に表示する。コンピュータ端末108は、検体通過イベントの電流値や経過時間に基づいて、どの計測対象分子がナノポア101を通過したのかを判別し、また、検体通過イベントの数に基づいて、各計測対象分子を計数することができる。
しかしながら、電解質溶液103中で修飾分子110が計測対象分子109と同程度に帯電し、ナノポア101に導入された場合、修飾分子110がナノポア101を通過することになる。これにより、修飾された計測対象分子109に由来する封鎖信号と、修飾分子110のみに由来する封鎖信号に差が出なかったり、修飾分子110に由来する封鎖信号と、非計測対象分子114に由来する封鎖信号との差が出なかったりしてしまい、計測対象分子109及び非計測対象分子114の存在率を算出することが困難となる。
このように修飾分子110が単体でナノポア101を通過することを抑制するために、例えばPNA及びポリエチレングリコール(PEG)など、チャージを持たない(帯電しない)修飾分子110を用いる方法が考えられる。しかし、PEGを結合させるためには様々な化学反応を必要とし、また、PEGは直鎖状高分子であることから、修飾時の計測対象分子109由来の計測信号と、非修飾時の計測対象分子109由来の計測信号との差分を取ることが困難である。
上記の理由から、より高いSN比で計測信号を得るために、修飾分子110として、計測対象分子109よりも大きな分子量を有し、計測信号の差分が明瞭になるタンパク質が適していると考えられる。しかし、タンパク質には等電点があるため、上述のように、溶液の領域によってはタンパク質自体が電気泳動してしまい、ナノポア計測の妨げとなってしまう。このような課題を解決するためには、修飾分子110のみがナノポア101を通過できない状態を用意する必要がある。
検体として導入される計測対象分子109、修飾分子110及び非計測対象分子114について説明する。図3(a)は、修飾分子110が修飾された計測対象分子109を示す模式図である。図3(a)に示す例においては、計測対象分子109は二本鎖であり、修飾分子110は、計測対象分子109に結合可能なPNA113と、修飾分子110及びPNA113を結合させるためのリンカー112とを有する。
修飾分子110として、計測対象分子109より体積が大きく、ナノポア101を通過可能な大きさのものを用いることができる。修飾分子110の具体例としては、タンパク質で代表される高分子化合物がよい。特に、アビジン、ストレプトアビジン、ニュートラビジン、Cas9を失活させたdCas9などのヌクレアーゼ、ポリメラーゼ、抗体、抗原等が挙げられる。リンカー112としては、例えばPEGやビオチンなど、公知のリンカーを用いることができる。
図3(a)に示すように、リンカー112を介して修飾分子110に結合したPNA113が計測対象分子109の対象部位にインベージョンし、部分的に三本鎖を形成する。これにより、計測対象分子109に修飾分子110が結合される。なお、PNA113の代わりにBNAやLNAを用いてもよい。PNA、BNA及びLNAは、計測対象分子109の対象部位に相補となる配列を有し、DNAよりも結合力が強いことから、熱解離した対象部位に置き換わって結合することで、修飾分子110を修飾することが可能となる。また、PNAやBNA、LNAが二本鎖の側溝に結合することで、修飾分子110を修飾することも可能である。
図3(b)は、検体のナノポア101への導入の様子を示す模式図である。上述のように、修飾分子110は、計測対象分子109に対して過剰量添加されるため、電解質溶液103には、修飾分子110が結合した計測対象分子109、非計測対象分子114及び修飾分子110が混在する。図3(b)に示すように、修飾分子110が結合した計測対象分子109と、非計測対象分子114がナノポア101を通過し、修飾分子110単体ではナノポア101を通過しないようにすることで、修飾分子110単体によるバックグラウンドノイズを抑制する必要がある。
本開示者らは、鋭意検討の結果、電解質溶液103のpHを8.0より大きくし、修飾分子110が単体でナノポア101を通過することを抑制し、バックグラウンドノイズを低減できることを見出した。換言すれば、修飾分子110は、pHが8.0より大きい溶液中ではナノポア101の通過が阻止される。電解質溶液103のpHは、状況に応じて8.5以上、あるいは9.0以上とすることができる。また、修飾分子110がタンパク質などの等電点を有する物質の場合は、電解質溶液103のpHを等電点以上にすることができる。
以下、電解質溶液103のpHと修飾分子110のナノポア101の通過について、実験例を参照しつつ説明する。
<実験例1>
実験例1においては、第1の実施形態に係るナノポア計測システムを用いて、修飾分子110としてのストレプトアビジン単体でのナノポアの通過を評価する。具体的には、薄膜102Aとして、シリコンナイトライド(窒化シリコン)を用い、電解質溶液103として、pHを3、5、7、8.5、11又は13に調整した濃度1MのKCl水溶液を用いて、液槽104Aにストレプトアビジンを導入し、電極105A及び105B間に0.1Vの電圧を印加した。電圧の印加開始0秒~60秒において、電極105A及び105B間の電流値を測定した。
図4は、実験例1の評価結果を示す図であり、電解質溶液103のpHに依存したストレプトアビジンのナノポア通過の様子を示している。図4(a)~(f)は、それぞれpHが3、5、7、8.5、11又は13の場合のイオン電流強度の時間変化を示している。ストレプトアビジンがナノポア101を通過すると、ナノポア101が封鎖されるため、電極105A及び105B間を流れる電流値が減少し、電流計106の出力結果において通過イベントが観測される。図4に示すように、電解質溶液103のpHが5の場合に最もストレプトアビジンの通過イベントが観測され、pHが8.5~13において通過イベントがほぼ観察されなくなることが分かった。
<実験例2>
実験例2においては、修飾分子110としてストレプトアビジンを用い、ストレプトアビジン単体でのナノポア101の通過イベント数を評価する。具体的には、電解質溶液103として、pHを3、5、7.5、9、11又は13に調整した濃度1MのKCl水溶液を用い、液槽104Aにストレプトアビジンを導入し、電極105A及び105B間に1分間、0.1Vの電圧を印加した。通過イベントによる信号の出現回数をカウントし、30秒あたりの数を算出した。
図5は、実験例2の評価結果を示す図であり、電解質溶液103のpHに依存したストレプトアビジンの30秒ごとの信号出現回数を示している。図5に示すように、電解質溶液103のpHが5の場合に最も信号出現回数が多く、pHが9~13の場合に、ストレプトアビジンによる信号の出現が抑制されることが分かった。
<実験例3>
実験例3において、電解質溶液103としてpH8.5に調整した濃度1MのKCl水溶液を用い、電極105A及び105B間に0.2Vの電圧を印加して、ナノポア計測を行った。
検体として、以下の表2に示すように、修飾分子110及び計測対象分子109としてそれぞれストレプトアビジン(SA)及びビオチン修飾された二本鎖DNAを用意した。ビオチン-ストレプトアビジン反応により、ストレプトアビジンを二本鎖DNAに修飾する。
まず、検体の導入前にナノポア計測を行った後、ビオチン修飾された二本鎖DNAを電解質溶液103に導入し、ナノポア計測を行った。その後、ビオチン修飾された二本鎖DNAとストレプトアビジンとをバッファ中で結合させて、電解質溶液103に導入し、ナノポア計測を行った。
Figure 0007132100000003
図6(a)は、実験例3における電圧値の時間変化を示すグラフである。図6(a)に示すように、検体導入前は信号が出現せず、ビオチン修飾された二本鎖DNA(dsDNA)を導入すると封鎖信号が確認される。さらにストレプトアビジンを結合した二本鎖DNA(SA修飾dsDNA)を導入すると、二本鎖DNA単体よりも大きな封鎖信号が得られたことがわかる。
図6(b)は、実験例3における封鎖電流量の評価結果を示す散布図(左側)及びヒストグラム(右側)である。図6(b)の右側のヒストグラムは、封鎖電流量ごとの出現回数をカウントしたものである。このヒストグラムに対しガウスフィッティングを行い、ガウス分布の面積比から、ストレプトアビジン未修飾の二本鎖DNA(dsDNA)と、ストレプトアビジン修飾二本鎖DNA(SA修飾dsDNA)との量比を算出することができる。
図6(b)に示すように、ストレプトアビジン未修飾の二本鎖DNA由来の信号と、ストレプトアビジン修飾二本鎖DNA由来の信号とでは、封鎖信号量が大きく異なることが分かった。
以上のように、実験例1~3の評価結果から、修飾分子110としてストレプトアビジンを用い、電解質溶液103をpH8.0より大きくすることで、バックグラウンドとなりうるストレプトアビジン単体のナノポア通過が抑制され、未修飾の二本鎖DNAに由来する信号と修飾された二本鎖DNAに由来する信号とを識別できることが示された。
通常、タンパク質の等電点以上のpHを有する溶液中では、タンパク質の表面は負に帯電する。また、ナノポア計測においては、負電荷を有する物質は正極に誘引されてナノポアを通過し、その際に封鎖信号が確認される。
しかしながら、ストレプトアビジンは等電点が6.5~7.5であるにも関わらず、上述のようにpH8.5以上において封鎖信号が確認されず、pH5付近で最も信号出現量が多くなった。
その理由として、ナノポア101が形成されている薄膜102Aはシリコンナイトライドであり、SiOも存在することから、分子が通過する流路の表面電荷はマイナスに帯電しており、ナノポア101の流路内にカチオンが多数存在し易い状態になっているためであると考えられる。加えて、ナノポア101を介して電界が印加されると、ナノポア101内部のカチオンが負極に引きつけられ、正極から負極に向かって電気浸透流が発生すると考えられている。また、その影響は塩濃度及びpHが高くなるほど大きくなることが計算により求められている(Yeh, L. et al., analytical chemistry, 85, 7527-7534 (2013))。
従って、等電点よりも大きいpH条件、特にアルカリ性溶液中では、タンパク質自体が有する帯電量よりも、電気浸透流によって受ける力の方が勝り、ナノポア通過が確認されなくなったと考えられる。
一方で、タンパク質の等電点よりも小さなpH条件、特に酸性側においてナノポア通過が確認されたのは、電気浸透流の影響を全く受けなくなったために、僅かな負の帯電により電界で誘導されてナノポアを通過したためであると考えられる。等電点よりもはるかに低いpH条件下においては、タンパク質表面の正の帯電が支配的となり、ナノポア通過が抑制されている。実際、原子間力顕微鏡(AFM)によるタンパク質の計測を行った結果、等電点付近でマイナスに帯電している可能性が示唆されている(Almonte, L. et al., ChemPhysChem, 15, 2768-2773, (2014))。
以上の理由により、特定の溶液条件とすることによって修飾分子110単体由来の信号を抑制しつつ、計測対象分子109の存在量や、計測対象分子109と非計測対象分子114との量比を計測することが可能となったと考えられる。
なお、ストレプトアビジンは、等電点が異なる種類のものであっても、中性条件と比較して、アルカリ条件とすると、特にpH11程度まで上げると、信号が出現しなくなることを確認した。
図7は、本実施形態に係るナノポア計測システムのハードウェア外観構成を示す模式図である。図7に示す例においては、コンピュータ端末108はノートパソコンであり、生体分子分析装置1は、薄型の装置として提供される。図7(b)に示すように、生体分子分析装置1は、生体分子分析デバイス100、制御回路ユニット703及び簡易ディスプレイ705が一体となって構成される。
図示は省略しているが、制御回路ユニット703は、上述の電流計106及び電源107や、制御回路、通信インターフェースを備える。制御回路は、制御回路ユニット703の各構成の動作を制御するための回路である。電源107により電極105A及び105B間に電圧を印加し、電流計106により電極105A及び105B間のイオン電流(封鎖電流)を測定する。通信インターフェースは、電流計106の出力信号をコンピュータ端末108に送信可能に構成される。
簡易ディスプレイ705は、電流計106から受信した出力信号や、電極105A及び105B間の電圧値、計測時間など、各種データを表示可能に構成される。
図7(c)に示すように、生体分子分析デバイス100は、制御回路ユニット703及び簡易ディスプレイ705から分離可能に構成され、使い捨て可能である。生体分子分析デバイス100は、上述のナノポアデバイス102及びサンプル導入口140や、溶液を封入する流路、並びに液槽104A及び104Bを構成するフローセルを備える。計測対象分子109や修飾分子110等を含む検体は、所定の前処理を行った後、サンプル導入口140から液槽104Aに導入される。このとき、液槽104Aには、pHが8.0より大きい電解質溶液103を共存させる。なお、検体の前処理用のシステムが生体分子分析デバイス100と一体となっていてもよく、この場合、生体分子分析デバイス100は、前処理用の攪拌システム、送液システム、温調システム等が搭載されていてもよい。
図8は、検体の前処理方法を示すフローチャートである。まず、ステップS10において、ユーザーは、抽出キットなどを用いて、例えば植物の細胞からDNA(生体分子)を抽出する。その後、ステップS21において、ユーザーは、ビーズ結合サイト付プライマを用いて、DNAの特定の対象領域を増幅する。ステップS30において、磁気ビーズをプライマのビーズ結合サイトに結合させて、DNAの特定の対象領域(計測対象分子)を回収する。ステップS40において、磁気ビーズが結合した計測対象分子を検体として生体分子分析装置1に導入し、ナノポア計測を行う。
他の前処理方法として、上記ステップS21の代わりに、ステップS22として、抽出したDNAに対し特定部位検出用プライマを結合させて、計測対象分子となる部位を増幅させてもよい。その後、ステップS30において、磁気ビーズにより、増幅させたDNAを回収する。次に、ステップS31において、磁気ビーズを外し、ステップS32において、修飾分子を有する計測用プローブを結合させる。ステップS40において、計測用プローブが結合した計測対象分子を検体として生体分子分析装置1に導入し、ナノポア計測を行う。
また、さらに他の前処理方法として、上記ステップS21の代わりに、ステップS23として、抽出したDNAを断片化して、計測対象分子を含む複数のフラグメントを得るようにしてもよい。その後、ステップS30~S32、S40を上記と同様に行う。
本実施形態に係る生体分子を分析するためのナノポアデバイスは、上述した構成を要素として含む。ナノポアデバイスは、使用手順や使用量などを記載した説明書と共に提供され得る。電解質溶液は、即時使用可能な状態で提供されてもよいし、計測対象となる生体分子のみが混在していない状態で提供されてもよい。そのような形態及び調製は、当業者であれば理解することができる。ナノポアデバイスに関しても同様に、即時使用可能な状態でナノポアが形成されている状態で提供されてもよいし、提供先で形成される状態で提供されてもよい。
以上のように、本実施形態の生体分子分析装置1は、電解質溶液103のpHが8.0より大きく、修飾分子110が単体ではナノポア101に導入されない。また、修飾分子110が結合した計測対象分子109に由来する封鎖信号は、修飾分子110が結合していない分子に由来する封鎖信号と比較して、大きい信号となる。これにより、バックグラウンドノイズの発生を抑制でき、高SN比で、修飾分子110が結合した計測対象分子109に由来する封鎖信号と、非計測対象分子114に由来する封鎖信号とを得ることができる。従って、修飾分子110が結合した計測対象分子109を識別することが容易となり、測定精度を向上することができる。
本実施形態の生体分子分析装置は、例えば核酸から構成される生体分子の分析や、その分析情報を利用する試験、診断、治療、創薬、基礎研究などの分野に有用である。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態においては、修飾分子110が結合したPNA113を二本鎖中に挿入することにより、修飾分子110を計測対象分子109に修飾する例を示したが、第2の実施形態においては、修飾分子110の修飾箇所が第1の実施形態と異なっている。第2の実施形態に係る生体分子分析装置や分析方法は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
図9は、第2の実施形態に係る修飾分子110の結合方法を示す模式図である。図9に示す例においては、修飾分子110は、リンカー112を介して、計測対象分子109の特定の対象領域に結合可能なプライマ115に接続される。プライマ115は、対象領域の増幅の際に用いられる。このようなプライマ115を直接二本鎖の計測対象分子109に結合させることにより、対象部位にのみ修飾分子110を修飾することができる。
図10は、第2の実施形態に係る修飾分子110の他の結合方法を示す模式図である。図10に示す例においては、修飾分子110は、Nick enzymatic法により結合される。すなわち、特定の配列116に相補的なPNA113(プローブ)に対し修飾分子110を予め結合しておき、ニッキングエンドヌクレアーゼを用いて二本鎖DNA(計測対象分子109)のうち特定の配列116を切断し、解離した一本鎖の配列116にPNA113を結合させることにより、計測対象分子109を修飾する。配列116が切断された箇所は補修され、配列117が形成される。
以上のように、本実施形態によれば、計測対象分子109の種類や特性、計測の目的などに応じて最適な手段で修飾分子110を計測対象分子109に修飾することができる。
[第3の実施形態]
計測対象分子109が長鎖DNAの断片化により回収される場合、複数の断片が共存することとなる。このような場合に、計測対象分子109に由来する信号と非計測対象分子114に由来する信号とを分離する方法として、一つは、増幅により対象領域のみを増やすことで他の断片の影響を抑制することが挙げられる。また、他の手段として、断片化したサンプルに対し、各特長に応じて異なる修飾を行うことによって、計測対象分子109に由来する信号と非計測対象分子114に由来する信号とを分離することができる。
本実施形態においては、遺伝子組換え配列(GMO sequence)の存在率を計測する例について説明する。図11は、第3の実施形態に係る修飾分子110の結合方法を示す模式図であり、図11(a)は、遺伝子組換え対象配列の存在比を計測する手順を示している。図11(a)に示すように、まずゲノム(サンプル)を断片化して、遺伝子組換え配列が挿入された計測対象分子109と、遺伝子組換え配列が挿入されていない計測対象分子109と、非計測対象分子114とを得る。その後、遺伝子組換え配列が挿入された計測対象分子109と、遺伝子組換え配列が挿入されていない計測対象分子109とに対し、以下のように修飾分子110を修飾して、ナノポア計測を行い、各配列の存在比を算出する。
図11(b)は、断片化した配列に対する修飾分子110の修飾方法の一例を示す模式図である。図11(b)の左側及び中央の図に示すように、遺伝子組換え配列の挿入対象部位を有する計測対象分子109に共通する部位に修飾分子110aを修飾する。さらに、遺伝子組換え配列に対して結合可能な修飾分子110bを遺伝子組換え配列に結合させる。これにより、遺伝子組換え配列の挿入対象部位を有する計測対象分子109には、必ず1つ以上の修飾分子が結合することとなるため、修飾分子が結合しているものに由来する信号のみをカウントすればよい。修飾分子が結合しているもののうち、修飾分子が2つ結合しているものと、1つ結合しているものとでは、信号値に差が出るため、これらに由来する信号をそれぞれ識別することができる。これにより、遺伝子組換え配列が挿入された計測対象分子109と、遺伝子組換え配列が挿入されていない計測対象分子109との存在比を容易に算出することができる。
[第4の実施形態]
図12は、第4の実施形態に係るナノポア計測システムの構成を示す模式図である。本実施形態のナノポア計測システムは、生体分子分析装置2と、コンピュータ端末108とを備える。本実施形態の生体分子分析装置2は、生体分子分析デバイス200が複数のナノポア101を有するナノポアデバイス102を備え、液槽104Bが複数の液槽に分割されている点で、第1の実施形態と異なる。
ナノポアデバイス102は、複数のナノポア101が形成された薄膜102Aと、薄膜102Aを挟持する薄膜固定部材102B及び102Cとで構成される。ナノポア101は、薄膜102Aのいずれかの位置に形成されていれば良い。複数の薄膜102Aを配置する間隔は、使用する電極、電気測定系の能力に応じて、0.1μm~10μmとすることができ、状況に応じて0.5μm~4μmとすることができる。
薄膜固定部材102B及び薄膜102Aは、液槽104Aの構造の一部を構成する。また、薄膜102Aと薄膜固定部材102Cは、液槽104Bの構造の一部を構成する。薄膜固定部材102Cは、3つの隔壁により分離された4つの空間を有し、これらの空間がそれぞれ液槽104Bとして用いられる。なお、液槽104Aは、下側に位置する4つの液槽104Bに対する共通液槽として用いられる。液槽104Bの数は、4つに限定されるものではなく、任意に変更可能である。
電極基板150は、各液槽104B中の電解質溶液103にそれぞれ接する複数の電極105Bを備える。このように、各液槽104Bには、単一のナノポア101と電極105Bが設けられており、薄膜固定部材102Cの隔壁により、液槽104B同士は互いに絶縁されている。このため、各ナノポア101を流れる電流を独立に計測することができる。
本実施形態における生体分子分析方法は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、本実施形態の生体分子分析装置2によれば、複数のナノポア101を有するため、効率的にナノポア計測を行うことができる。
[変形例]
本開示は、上述した実施形態に限定されるものでなく、様々な変形例を含んでいる。例えば、上述した実施形態は、本開示を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備える必要はない。また、ある実施形態の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることもできる。また、各実施形態の構成の一部について、他の実施形態の構成の一部を追加、削除又は置換することもできる。
1、2…生体分子分析装置
101…ナノポア
102…ナノポアデバイス
103…電解質溶液
104…液槽
105…電極
106…電流計
107…電源
108…コンピュータ端末
109…計測対象分子
110…修飾分子
112…リンカー
113…PNA
114…非計測対象分子
115…プライマ
116、117…配列
140…サンプル導入口
150…電極基板
160…分注ノズル
703…制御回路ユニット
705…簡易ディスプレイ

Claims (15)

  1. ナノポアを有する薄膜と、
    前記薄膜を挟むよう配置され、電解質溶液を収容する一対の液槽と、
    前記一対の液槽のそれぞれに配置される一対の電極と、
    前記一対の電極に接続される測定部と、を備え、
    前記電解質溶液は、測定対象分子に結合可能な修飾分子、及び前記修飾分子が結合し前記測定対象分子が溶解され、pHが8.0より大きく、
    記電解質溶液のpHが8.0より大きい場合、前記修飾分子は、単体では前記ナノポアの通過が阻止され、前記修飾分子が結合した前記測定対象分子は、前記ナノポアを通過することを特徴とする生体分子分析装置。
  2. 請求項1に記載の生体分子分析装置において、
    前記電解質溶液がpH8.5以上であることを特徴とする生体分子分析装置。
  3. 請求項1に記載の生体分子分析装置において、
    前記電解質溶液がpH9以上であることを特徴とする生体分子分析装置。
  4. 請求項1に記載の生体分子分析装置において、
    前記修飾分子がタンパク質であることを特徴とする生体分子分析装置。
  5. 請求項1に記載の生体分子分析装置において、
    前記修飾分子がストレプトアビジンであることを特徴とする生体分子分析装置。
  6. 請求項1に記載の生体分子分析装置において、
    前記測定対象分子が二本鎖であり、
    前記修飾分子が結合したPNA、BNA又はLNAが前記二本鎖の特定箇所に挿入されていることを特徴とする生体分子分析装置。
  7. 請求項1に記載の生体分子分析装置において、
    前記測定対象分子がプライマ部を有する二本鎖であり、
    前記修飾分子は、前記プライマ部の一か所又は複数か所に結合することを特徴とする生体分子分析装置。
  8. 請求項1に記載の生体分子分析装置において、
    前記測定対象分子が二本鎖であり、
    前記二本鎖のうち切断された箇所に、前記修飾分子が結合したPNA、BNA又はLNAが結合していることを特徴とする生体分子分析装置。
  9. 請求項1に記載の生体分子分析装置において、
    前記ナノポアの径が5nm~20nmであることを特徴とする生体分子分析装置。
  10. 請求項1に記載の生体分子分析装置において、
    前記薄膜の厚さが10nm~30nmであることを特徴とする生体分子分析装置。
  11. 請求項1に記載の生体分子分析装置において、
    前記薄膜がシリコンナイトライドであることを特徴とする生体分子分析装置。
  12. 請求項1に記載の生体分子分析装置において、
    前記測定部は、前記ナノポアの封鎖電流、トンネル電流又はトランジスタ電流のいずれかを計測することを特徴とする生体分子分析装置。
  13. ナノポアを有する薄膜と、
    前記薄膜を挟むよう配置され、電解質溶液を収容する一対の液槽と、
    前記一対の液槽のそれぞれに配置される一対の電極と、
    前記一対の電極に接続される測定部と、を備えた生体分子分析装置を準備するステップと、
    前記電解質溶液のpHが8.0より大きくなるよう調整するステップと、
    測定対象分子と前記測定対象分子に結合可能な修飾分子とを前記電解質溶液に導入するステップと、を含み、
    記電解質溶液のpHが8.0より大きい場合、前記修飾分子は、単体では前記ナノポアの通過が阻止され、前記修飾分子が結合した前記測定対象分子は、前記ナノポアを通過することを特徴とする生体分子分析方法。
  14. 請求項13に記載の生体分子分析方法において、
    前記測定対象分子を抽出するステップと、
    ビーズ結合サイトを有するプライマにより前記測定対象分子中の対象領域を増幅するステップと、
    ビーズにより前記対象領域を回収するステップと、をさらに含み、
    前記修飾分子と前記測定対象分子とを前記電解質溶液に導入するステップにおいて、前記修飾分子と、前記ビーズに結合した前記対象領域とを前記電解質溶液に導入することを特徴とする生体分子分析方法。
  15. 請求項13に記載の生体分子分析方法において、
    前記測定対象分子を抽出するステップと、
    特定部位検出用プライマによる前記測定対象分子中の対象領域を増幅する処理、あるいは前記測定対象分子を断片化して前記測定対象分子中の対象領域を得る処理のいずれか一方を行うステップと、
    前記対象領域を磁気ビーズに結合させ、磁石により前記磁気ビーズを回収するステップと、
    前記磁気ビーズから前記対象領域を外すステップと、をさらに含み、
    前記修飾分子と前記測定対象分子とを前記電解質溶液に導入するステップにおいて、前記対象領域と前記修飾分子とを前記一対の液槽のいずれか一方に導入することを特徴とする生体分子分析方法。
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