以下に、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
<システムの構成>
初めに、本実施形態に係る情報処理システムの構成について説明する。
図1は、一実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。情報処理システム100は、管理サーバ101、複数の出力装置102a、102b、102c、ゲートウェイ103、情報端末104等を有する。なお、以下の説明の中で、複数の出力装置102a〜102cのうち、任意の出力装置を示す場合、「出力装置102」を用いる。また、図1に示す出力装置102、ゲートウェイ103、及び情報端末104等の数は一例である。
複数の出力装置102a〜102cは、例えば、建物107の天井等の互いに異なる位置設置され、自装置の情報(例えば、自装置の識別情報や、位置情報等)を含む信号をそれぞれ出力する。
図1の例では、出力装置102aは、自装置の識別情報である出力装置ID「SP0001」を含む音波を出力している。同様に、出力装置102bは、自装置の出力装置ID「SP0002」を含む音波を出力し、出力装置102cは、自装置の出力装置ID「SP0003」を出力している。
また、出力装置102は、ゲートウェイ103によって提供される無線ネットワークに接続し、ゲートウェイ103を介して、管理サーバ101と通信可能である。出力装置102は、管理サーバ101から指定された出力装置IDを出力するものであっても良いし、出力装置102が予め記憶した出力装置IDを出力するものであっても良い。
ゲートウェイ103は、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワーク106を介して管理サーバ101と接続されており、出力装置102と共に無線ネットワークを形成する。ゲートウェイ103は、ゲートウェイ103が提供する無線ネットワークに接続された出力装置102と、管理サーバ101との間のデータの転送を行う。
情報端末104は、利用者105が所持している、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等の情報端末であり、無線通信により、ネットワーク106に接続して管理サーバ101と通信可能である。また、情報端末104は、情報処理システム100に対応する情報端末104用のアプリケーションプログラム(以下、アプリと呼ぶ)を実行する。
情報端末104は、情報端末104用のアプリを実行することにより、内蔵されたマイクロフォン等を用いて出力装置102が出力する音波を取得し、取得した音波に含まれる出力装置102の自装置の情報(例えば出力装置ID)を抽出する。また、情報端末104用のアプリは、情報端末104にインストールされたアプリ毎に固有の識別情報(以下、アプリIDと呼ぶ)を有する。情報端末104は、アプリを実行し、出力装置102の自装置の情報を抽出すると、抽出された出力装置102の自装置の情報と、自己のアプリIDとを含む送信元情報を管理サーバ101に送信する。
なお、アプリIDは、利用者、情報端末104、又は情報端末104で動作するアプリを識別する識別情報の一例である。アプリIDを用いることにより、情報処理システム100は、例えば、電話番号やメールアドレス等の個人情報によらずに、情報端末104を識別することができる。ただし、これはあくまで一例であり、情報端末104は、アプリIDに変えて、情報端末の識別情報や、利用者の識別情報等を用いるものであっても良い。
管理サーバ101は、ネットワーク106に接続された、例えば、PC(Personal Computer)等の情報処理装置であり、情報処理システム100に対応する管理サーバ101用のアプリを実行する。管理サーバ101は、各出力装置102が設置された場所等を含む位置情報を管理しており、情報端末104から取得した送信元情報に基づいて、情報端末104の位置を特定することができる。
また、管理サーバ101は、例えば、災害、交通情報、スケジュール等の所定の事象に関する事象情報を収集し、収集した事象情報と、各情報端末104の位置に応じた適切な情報を、各情報端末104に提供する。
<ハードウェア構成>
次に、情報処理システム100に含まれる各装置のハードウェア構成について説明する。
(管理サーバのハードウェア構成)
図2は、一実施形態に係る管理サーバのハードウェア構成例を示す図である。管理サーバ101は、一般的なコンピュータの構成を有しており、例えば、CPU(Central Processing Unit)201、RAM(Random Access Memory)202、ROM(Read Only Memory)203、ストレージ部204、外部I/F(Interface)部205、入力部206、表示部207、通信I/F部208、バス209等を有する。
CPU201は、ROM203やストレージ部204等に格納されたプログラムやデータをRAM202上に読み出し、処理を実行することで、管理サーバ101の各機能を実現する演算装置である。RAM202は、CPU201のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ROM203は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性のメモリである。
ストレージ部204は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)等のストレージ装置であり、OS(Operation System)、アプリケーションプログラム、及び各種データ等を記憶する。
外部I/F部205は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、例えば、記録媒体210等が含まれる。管理サーバ101は、外部I/F部205を介して、記録媒体210の読取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体210には、例えば、光学ディスク、磁気ディスク、メモリカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ等が含まれる。また、記録媒体210に所定のプログラムを格納し、この記録媒体210に格納されたプログラムを外部I/F部205を介して、管理サーバ101にインストールすることにより、所定のプログラムが実行可能となる。
入力部206は、マウス等のポインティングデバイスや、キーボード等を含み、管理サーバ101に各操作信号を入力するのに用いられる。表示部207はディスプレイ等を含み、例えば、管理サーバ101による処理結果等を表示する。
通信I/F部208は、管理サーバ101をネットワーク106に接続するための、例えば、有線/無線LAN等の通信インタフェースである。管理サーバ101は通信I/F部208を介して、他の機器とネットワーク106を介してデータ通信を行うことができる。バス209は、上記各構成要素に接続され、アドレス信号、データ信号、及び各種制御信号等を伝送する。
(出力装置のハードウェア構成)
図3は、一実施形態に係る出力装置のハードウェア構成例を示す図である。出力装置102は、例えば、CPU301、RAM302、フラッシュROM303、無線通信部304、音波制御部305、音波出力部306、及びバス307等を有する。
CPU301は、フラッシュROM303等に格納されたプログラムを実行することにより、出力装置102の各機能を実現する演算装置である。RAM302は、CPU301のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。フラッシュROM303は、出力装置102のプログラムや、出力装置ID等の固有情報等を記憶する不揮発性のメモリである。
無線通信部304は、ゲートウェイ103と無線通信を行う送受信回路やアンテナ等を含む。本実施形態では、無線通信部304は、例えば、無線LAN、Zigbee(登録商標)、又は、920MHz帯の特定省電力無線(IEEE802.15.4g)等を用いて、ゲートウェイ103と通信することを想定している。
音波制御部305は、フラッシュROM303等に記憶した出力装置ID等の情報を音波信号に変換して音波出力部306に出力する。
好ましくは、音波制御部305は、出力装置ID等の情報を、音声周波数帯域のうち、例えば、16kHz以上の高い周波数を用いて出力するように制御する。音波は、高い周波数ほど指向性が高く、16kHz以上の周波数は人間にはほとんど聞こえないため、出力装置ID等の情報を送信するために好適である。
なお、本実施形態では、具体的な音波によるデータ転送方法について、特に限定しないが、例えば、所定の周波数の音波に、FSK(Frequency Shift Keying)や、PSK(Phase Shift Keying)等の公知の変調をかけて、情報を伝送することができる。
音波出力部306は、音波制御部305から入力された音波信号を音波に変換して出力する、例えば、スピーカ等の電気音響変換装置を含む。
バス307は、上記の各構成要素に接続され、アドレス信号、データ信号、及び各種制御信号等を伝送する。
(ゲートウェイのハードウェア構成例)
図4は、一実施形態に係るゲートウェイのハードウェア構成例を示す図である。ゲートウェイ103は、例えば、CPU401、RAM402、ROM403、無線通信部404、ネットワークI/F部405、及びバス406を有する。
CPU401は、ROM403等に格納されたプログラムを実行することにより、ゲートウェイ103の各機能を実現する演算装置である。RAM402は、CPU401のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ROM403は、ゲートウェイ103のプログラム等を記憶する不揮発性のメモリである。ROM403は、例えば、フラッシュROM、EEPROM等の書き換え可能な不揮発性メモリであっても良い。
無線通信部404は、例えば、前述した出力装置102の無線通信部304と同じ無線通信方式により無線通信を行う無線回路やアンテナ等を含む。
ネットワークI/F部405は、ゲートウェイ103をネットワーク106に接続するための通信インタフェースである。
バス406は、上記の各構成要素に接続され、アドレス信号、データ信号、及び各種制御信号等を伝送する。
(情報端末のハードウェア構成)
図5は、一実施形態に係る情報端末のハードウェア構成例を示す図である。情報端末104は、一般的なコンピュータの構成を有しており、例えば、CPU501、RAM502、ROM503、ストレージ部504、通信I/F部505、外部I/F部506、マイク部507、スピーカ部508、表示入力部509、バイブレータ部510、及びバス511等を有する。
CPU501は、ROM503やストレージ部504等に格納されたプログラムやデータをRAM502上に読み出し、処理を実行することで、情報端末104の各機能を実現する演算装置である。RAM502は、CPU501のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ROM503は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性のメモリである。
ストレージ部504は、例えば、HDD、SSD、フラッシュROM等のストレージ装置であり、OS、アプリケーションプログラム、及び各種データ等を記憶する。
通信I/F部505は、例えば、3G(3rd. Generation)、LTE(Long Term Evolution)等の移動通信網や、無線LAN通信等の通信方式に対応した通信インタフェースである。情報端末104は、通信I/F部505を介して、ネットワーク106に接続して管理サーバ101等とデータ通信を行う。
外部I/F部506は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、例えば、記録媒体等が含まれる。情報端末104は、外部I/F部506を介して、記録媒体の読取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体には、例えば、メモリカード、USBメモリ等が含まれる。
マイク部507は、マイクロフォン等の収音素子を含む。マイク部507は、マイクロフォン等により取得した音波を電気信号に変換し、さらに所定のフォーマットの音波データに変換する。近年のスマートフォン等が備えるマイクロフォンは、20kHz、より好適な例では24kHz程度の音波まで収音可能である。そのため、マイク部507は、出力装置102から出力された音波に含まれる、例えば、16kHz以上の高い周波数に変換された情報を好適に取得することができる。
スピーカ部508は、スピーカ等の音声出力素子を含む。スピーカ部508は、音声データを音声信号に変換し、さらにスピーカ等により、音波に変換して出力する。
表示入力部509は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示素子と、タッチパネル等の入力用の素子とを含み、利用者による入力操作を受付けると共に、情報端末104で実行されるプログラムによる表示画面を表示する。
バイブレータ部510は、例えば、電話の着信、アラーム、情報の受信等を利用者に振動で知らせるための振動発生装置である。バス511は、上記各構成要素に接続され、アドレス信号、データ信号、及び各種制御信号等を伝送する。
なお、情報端末104は、外部I/F部506に接続された記録媒体に格納されたプログラムや、通信I/F部505を介してダウンロードしたアプリを、情報端末104にインストールすることにより、アプリを実行させることができる。例えば、情報端末104は、情報処理システム100に対応したアプリを、例えば、管理サーバ101等からダウンロードしてインストールし、実行することができる。
<機能構成>
続いて、情報処理システム100の機能構成について説明する。
図6は、一実施形態に係る情報処理システムの機能構成図である。図6において、情報処理システム100は、管理サーバ101、出力装置102、ゲートウェイ103、及び情報端末104を含む。
(管理サーバの機能構成)
管理サーバ(情報処理装置)101は、通信部601、位置情報管理部602、登録情報管理部603、対応情報管理部604、事象情報収集部605、提供情報選択部606、情報提供部607、日程情報管理部608、アプリ提供部609、及び記憶部610を有する。
通信部601は、管理サーバ101をネットワーク106に接続し、ゲートウェイ103や、情報端末104等と通信を行う手段である。通信部601は、例えば、図2の通信I/F部208、及び図2のCPU201で動作するプログラム等によって実現される。
位置情報管理部602は、情報端末104から送信される送信元(情報端末104又はアプリ等)の識別情報と、送信元が取得した出力装置102の情報とを含む送信元情報を、通信部601を介して取得する。送信元が取得した出力装置102の情報には、例えば、出力装置102の識別情報である出力装置IDや、出力装置102が設置された場所の位置を示す情報等が含まれる。ここでは、出力装置102の情報が、出力装置102の出力装置IDを含むものとして以下の説明を行う。
また、位置情報管理部602は、記憶部610に記憶された位置情報611を管理し、1つ以上の情報端末104から取得した送信元情報に基づいて、1つ以上の情報端末104の位置を管理する。なお、位置情報管理部602は、例えば、図2のCPU201で動作するプログラムによって実現される。
図7は、一実施形態に係る位置情報管理部が管理する位置情報の例を示す図である。
図7(a)は、複数の出力装置102の出力装置IDと、各出力装置102が設置された場所を示す情報(位置)とを対応づけて記憶した出力装置の位置情報の例である。この出力装置の位置情報により、位置情報管理部602は、出力装置102の出力装置IDに基づいて出力装置102の位置を特定することができる。
図7(b)は、位置情報管理部602が取得した送信元情報に基づいて管理される情報端末104の位置情報の例である。「送信元の識別情報(アプリID)」は、位置情報管理部602が取得した送信元情報に含まれる送信元の識別情報(例えばアプリID)である。「出力装置ID」は、取得した送信元情報に含まれる出力装置IDである。「位置」は、図7(a)に示す出力装置の位置情報と、取得した送信元情報に含まれる出力装置IDとに基づいて特定された出力装置102の位置、及び情報端末104の位置を示す情報である。「取得日時」は、例えば、位置情報管理部602が送信元情報を取得した日時等を示す情報である。
図7(c)は、建物107等のフロアレイアウトと、出力装置102が設置された位置(地点1、地点2、・・・)とを示すフロア情報の例である。
上記の各情報により、位置情報管理部602は、各情報端末104の位置を特定し、管理することができる。例えば、アプリID「AP0002」のアプリが動作する情報端末104は、図7(b)の情報端末の位置情報により、地点1にいることが判る。また、図7(c)に示すフロア情報により、地点1は、出口Aに近い地点であることが判る。
ここで、図6に戻って、管理サーバ101の機能構成の説明を続ける。
登録情報管理部603は、各情報端末104の利用者の識別情報(例えばアプリID)と、情報端末104の登録情報(例えば利用者の情報)とを対応づけて、記憶部610に登録情報612として記憶して、管理する。登録情報管理部は、例えば、図2のCPU201で動作するプログラムによって実現される。
図8は、一実施形態に係る登録情報管理部が管理する登録情報の例を示す図である。
図8の例では、登録情報612は、利用者の識別情報(アプリID)、登録日時、利用者情報等の情報を含む。
「利用者の識別情報(アプリID)」は、例えば、アプリID、情報端末104の識別情報、利用者の識別情報等、情報端末104(又は利用者)を識別するための情報である。ここでは、「利用者の識別情報(アプリID)」がアプリIDであるものとして説明を行う。「登録日時」は、各アプリIDに対応する利用者情報が登録された日時を示す情報である。「利用者情報」は、例えば、管理サーバ101の管理者等によって、予め登録された従業員の種別(例えば、防災担当者、一般の従業員等)を示す情報や、情報端末104のアプリからの操作によって利用者が登録した利用者の情報等が含まれる。
図8に示す登録情報612の利用者情報のうち、防災担当者、従業員等は、管理サーバ101の管理者等によって登録された従業員の種別の一例である。
また、利用者は、情報端末104にアプリをインストールして、アプリの利用登録を行う際に、利用者情報を登録することができる。例えば、図8に示す利用者情報のうち、一般の利用客、高齢者、視覚障害者等は、利用客が登録した利用者情報の一例である。
ここで、再び図6に戻って、管理サーバ101の機能構成の説明を続ける。
対応情報管理部(管理手段)604は、出力装置102の位置に係る情報、及び出力装置102の位置に対応する提供情報を、所定の事象と対応づけて記憶した対応情報613を記憶部610等に記憶し、管理する。対応情報管理部604は、例えば、図2のCPU201で動作するプログラムによって実現される。
図9、10は、一実施形態に係る対応情報管理部が管理する対応情報の例を示す図である。
図9(a)は、一般の利用客向けの対応情報613の例である。一般の利用客とは、例えば、図8の登録情報612の利用者情報が「一般の利用客」、又は未登録の利用者等が含まれる。図9(a)の例では、対応情報613には、「事象」に対応づけて、「出力装置ID」、「位置」、「提供情報」等が記憶されている。
この対応情報613は、例えば、管理サーバ101の管理者等によって予め設定されているものとする。例えば、対応情報管理部604は、管理者のPCや、情報端末104等のウェブブラウザに、対応情報613の登録用のウェブページを表示させて、登録された対応情報613を記憶部610等に記憶しておく。或いは、対応情報管理部604は、管理者のPCや、情報端末104等で動作するアプリ等で登録された対応情報613を受信し、受信した対応情報613を記憶部610等に記憶しておくもの等であっても良い。
「事象」は、予め設定された事象の情報であり、例えば、火災や地震等の災害、列車遅延や渋滞等の交通機関の遅れ等の事象を含む。さらに、「事象」は、利用者が所定の地点で検知された場合や、予定された時刻になった場合等、様々な形態の事象を含むことができる。
「出力装置ID」は、図7の「出力装置ID」に対応する。また、「位置」は、図7の「位置」に対応し、出力装置が設置された位置を示す。「出力装置ID」及び「位置」は、出力装置102の位置に係る情報の一例である。
「提供情報」は、「事象」が発生しているときに、各「位置」にある情報端末104に提供する情報を示す。例えば、「事象」の一例である火災が発生しているとき、「位置」の一例である地点1にある情報端末104には、「提供情報」として「出口Aへの経路情報」が提供される。なお、図9(a)に示す対応情報には、提供情報の概要のみが示されているが、提供情報には、利用者や情報端末104に提供される画像、音声等の情報が含まれていても良い。
図9(b)は、防災担当者向けの対応情報613の例である。対応情報管理部604は、このように、図8の登録情報612に対応する複数の対応情報613を管理することが望ましい。
図9(b)において、防災担当者向けの対応情報613は、「事象」、「出力装置ID」、「位置」等の情報は、図9(a)の一般の利用客向けの対応情報から、例えば、「地点6で検知」等、一部の所定の事象が削除されている。このように、対応情報613の所定の「事象」は、例えば、登録情報612の「利用者情報」に応じて少なくとも一部が異なるものであっても良い。
また、防災担当者向けの対応情報613は、一般の利用客向けの対応情報と同じ「事象」であっても「提供情報」が異なる場合がある。例えば、図9の例では、火災が発生したとき、地点1にいる一般の利用者には、「出口Aへの経路情報」が通知されるが、防災担当者には、「火災発生地点への経路情報」が通知される。
なお、「火災発生地点への経路情報」はあくまで一例である。防災担当者には、例えば、火災への初動対応や、避難者の誘導を指示する情報等、一般の利用客とは異なる情報を通知することができるものであれば良い。
図9(c)は、従業員向けの対応情報613の例である。図9(c)において、従業員向けの対応情報613は、「提供情報」が、防災担当者向けの対応情報と異なる場合がある。例えば、火災が発生したとき、地点1にいる従業員には、「出口Aへの避難誘導情報」が提供される。なお、「出口Aへの避難誘導情報」はあくまで一例であり、従業員には、一般の利用客や、防災担当者とは異なる情報を通知することができるものであれば良い。
図9(d)は、視覚障害者向けの対応情報の例である。図9(d)において、視覚障害者向けの対応情報613は、「提供情報」が、一般の利用客向けの提供情報と異なる。例えば、視覚障害者に提供される提供情報は、可聴音(音声)により提供される。提供される可聴音は、出力装置102に出力させるものであっても良いし、情報端末104に出力させるものであっても良い。なお、視覚障害者向けの対応情報613は一例である。対応情報613は、他にも、高齢者向きの対応情報、児童向けの対応情報、主要言語毎の外国人向けの対応情報等が含まれていても良い。
好ましくは、対応情報管理部604は、図8の登録情報に登録された利用者情報等に対応する複数の対応情報613を管理している。
ここで、再び図6に戻って管理サーバ101の機能構成の説明をさらに続ける。
事象情報収集部(収集手段)605は、発生している所定の事象に関する事象情報を収集する。事象情報収集部605は、例えば、図2のCPU201で動作するプログラムによって実現される。なお、所定の事象とは、例えば、図9、10に示した対応情報の「事象」に登録されている「火災」、「地震」等の複数の事象を示す。事象情報収集部605は、これらの事象のうち、現在発生している事象に関する事象情報を収集する。
例えば、建物107で、火災や地震等の災害が発生した場合、火災検知器や防災センター等から、管理サーバ101の管理者に、災害の発生情報が伝えられる。この場合、事象情報収集部605は、管理者による災害情報の入力操作等によって、災害が発生していることを示す事象情報を収集する。
或いは、災害が発生していることを示す事象情報は、防災担当者の情報端末104や、防災センターのサーバ等から、ネットワークを介して、事象情報収集部605に通知されるものであっても良い。
事象情報収集部605は、交通機関の遅延等の事象情報を、管理サーバ101の管理者による入力操作や、ネットワーク106を介して接続された交通情報を提供するサーバ等から収集することができる。
また、事象情報収集部605は、情報端末104が所定の地点で検知されたことを示す事象情報を、例えば、位置情報管理部602等から収集することができる。
さらに、事象情報収集部605は、例えば、催事や、終電等の予め定められた予定があることを示す事象情報を、日程を管理する日程情報管理部608等から収集することができる。
提供情報選択部(選択手段)606は、位置情報管理部602が取得した送信元情報と、事象情報収集部605が収集した事象情報とに基づいて、対応情報613に記憶された提供情報の中から、送信元に提供する提供情報を選択(決定)する。提供情報選択部606は、例えば、図2のCPU201で動作するプログラムによって実現される。
例えば、図9(a)を参照して、火災が発生したときに、一般の利用者の情報端末104から取得した送信元情報に、出力装置ID「SP0002」が含まれる場合、送信元の情報端末10に提供する提供情報として「出口Bへの経路情報」が選択される。
なお、提供情報選択部606は、複数の事象が同時に発生している場合、優先度の高い事象(例えば、火災、地震等の災害)を選択することが望ましい。或いは、提供情報選択部606は、複数の事象が同時に発生している場合、複数の提供情報を選択するものであっても良い。
情報提供部(提供手段)607は、提供情報選択部606によって選択された提供情報を、送信元の情報端末104に提供する。情報提供部607は、例えば、図2のCPU201で動作するプログラムによって実現される。
例えば、情報端末104で動作する情報処理システム100用のアプリは、ウェブベースのアプリであり、情報提供部607は、アプリIDに基づいて、情報端末104で動作するアプリに提供情報を通知するものであっても良い。
或いは、情報提供部607は、ゲートウェイ103を介して、出力装置102に提供情報の出力を要求する情報を送信することにより、出力装置102から提供情報を出力させるものであっても良い。この場合、出力装置102から出力する提供情報に、アプリIDを含めることにより、情報端末104のアプリは、自己のアプリIDを含む提供情報を選択的に取得することができる。
日程情報管理部608は、例えば、催事の日程、終電の時刻、閉店時刻等、予め定められた日程の情報を管理する。日程情報管理部608は、例えば、図2のCPU201で動作するプログラムによって実現される。
アプリ提供部609は、情報処理システム100に対応する情報端末104用のアプリを、情報端末104に提供する。アプリ提供部609は、例えば、図2のCPU201で動作するプログラムによって実現される。
(出力装置の機能構成)
出力装置102は、無線通信部621、音波出力部622、及び装置情報記憶部623を有する。
無線通信部621は、ゲートウェイ103と無線通信を行う手段であり、例えば、図3の無線通信部304、及び図3のCPU301で動作するプログラムによって実現される。出力装置102は、無線通信部621により、ゲートウェイ103を介して管理サーバ101とデータの送受信を行うことができる。
音波出力部622は、出力装置102の情報(例えば、出力装置ID、出力装置の位置情報等)を含む音波を出力する。本実施形態では、出力装置102の情報が、出力装置IDであるものとして説明を行う。なお、音波出力部622は、例えば、図3の音波制御部305、音波出力部306、及び図3のCPU301で動作するプログラム等によって実現される。
また、音波出力部622は、管理サーバ101からの指示に応じて、提供情報を含む音波(不可聴音)や、可聴音の提供情報等を出力することができる。
装置情報記憶部623は、音波出力部622が、音波に含めて出力する出力装置IDや、出力装置の位置情報等の情報を記憶する。装置情報記憶部623は、例えば、図3のフラッシュROM303等によって実現される。
装置情報記憶部623が記憶する出力装置ID等の情報は、出力装置102に予め記憶された情報であっても良いし、管理サーバ101から指定された情報であっても良い。
(情報端末の機能構成)
情報端末104は、通信部631、音波取得部632、情報抽出部633、識別情報送信部634、識別情報記憶部635、提供情報受信部636、表示制御部637、表示入力部638、音声出力部639、及び振動発生部640等を有する。
通信部631は、情報端末104をネットワーク106に接続し、管理サーバ101等とデータ通信を行うための手段である。通信部631は、例えば、図5の通信I/F部505、及び図5のCPU501で動作するプログラム等によって実現される。
音波取得部632は、出力装置102から出力された音波を取得する手段であり、例えば、図5のマイク部507、及び図5のCPU501で動作するプログラム等によって実現される。
情報抽出部633は、音波取得部632が取得した音波に含まれる情報を抽出する手段であり、例えば、図5のCPU501で動作するプログラムによって実現される。例えば、情報抽出部633は、音波取得部632が取得した音波に含まれる出力装置102の出力装置IDや、提供情報等を抽出する。
好ましくは、情報抽出部633は、音波取得部632が取得した音波に含まれる提供情報が、情報端末104で動作するアプリのアプリIDを含む場合、抽出された提供情報を提供情報受信部636に通知する。
なお、アプリIDは、情報端末104に対応する送信元の識別情報の一例である。送信元の識別情報は、情報端末104の識別情報(電話番号等)であっても良いし、利用者の識別情報(メールアドレス等)であっても良い。
識別情報送信部634は、識別情報記憶部635に記憶された送信元の識別情報(例えばアプリID)と、情報抽出部633が抽出した出力装置102の出力装置IDとを、通信部631を介して、管理サーバ101に送信する。識別情報送信部634は、例えば、図5のCPU501で動作するプログラムによって実現される。
識別情報記憶部635は、情報端末104の送信元の識別情報、例えば、アプリIDを記憶する。アプリIDは、情報端末104で動作する情報処理システム100用のアプリによって、例えば、初回のインストール時等に生成されるアプリの識別情報である。情報端末104で動作するアプリは、例えば、情報端末104の識別情報、例えば、IMEI(International Mobile Equipment Identity)等の固有情報に基づいて、情報端末104毎に固有のアプリIDを生成する。或いは、情報端末104で動作するアプリは、管理サーバ101のアプリ提供部609からダウンロードする際等に、固有のアプリIDを付与されるもの等であっても良いし、他の方法によりアプリIDを生成するものであっても良い。
提供情報受信部636は、例えば、通信部631を介して、管理サーバ101から通知される提供情報を受信する。或いは、提供情報受信部636は、情報抽出部633から通知された提供情報を受信する。提供情報受信部636は、例えば、図5のCPU501で動作するプログラムによって実現される。
表示制御部637は、提供情報受信部636が受信した提供情報に基づく表示画面を表示入力部638に表示させる。表示制御部637は、図5のCPU501で動作するプログラムによって実現される。
表示入力部638は、表示制御部637の制御により、例えば、提供情報に基づく表示画面を表示すると共に、利用者による入力操作を受付ける。表示入力部638は、例えば、図5の表示入力部509等によって実現される。
音声出力部639は、例えば、提供情報受信部636が受信した提供情報に、可聴音が含まれる場合、或いは、可聴音の出力指示が含まれる場合、提供情報に応じた音声を出力する。音声出力部639は、例えば、図5のスピーカ部508、及び図5のCPU501で動作するプログラム等によって実現される。
振動発生部640は、例えば、提供情報受信部636が受信した提供情報に、振動の発生を指示する情報が含まれる場合、提供情報に応じた振動を出力する。
<処理の流れ>
続いて、具体的な処理の流れについて説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態では、管理サーバ101の情報提供部607が、提供情報選択部606によって選択された提供情報を、通信部601を介して情報端末104に通知する場合の処理について説明する。
図11は、第1の実施形態に係る管理サーバの処理の例を示すフローチャートである。
ステップS1101において、管理サーバ101は、情報端末104から送信元情報を受信すると、ステップS1102以降の処理を実行する。
ステップS1102に移行すると、管理サーバ101の位置情報管理部602は、通信部601が受信した送信元情報を取得する。この送信元情報には、例えば、送信元のアプリのアプリID(送信元の識別情報の一例)と、送信元のアプリが取得した出力装置ID(出力装置102が送信する自装置の情報の一例)とが含まれる。
位置情報管理部602は、この送信元情報に基づいて、例えば、図7(b)に示す情報端末の位置情報を更新する。なお、図7(b)に含まれる「位置」の情報は、図7(a)の出力装置の位置情報と、出力装置IDとに基づいて特定される。また、図7(b)に含まれる「取得日時」の情報は、例えば、位置情報管理部602が、送信元情報を取得した日時等が設定される。
ステップS1103において、管理サーバ101の事象情報収集部605は、発生している所定の事象に関する事象情報を収集する。
ステップS1104において、管理サーバ101の事象情報収集部605は、発生している所定の事象があるかどうかを判断する。発生している所定の事象がない場合、管理サーバ101は、処理をステップS1101に戻して、同様の処理を繰り返す。一方、発生している所定の事象がある場合、管理サーバ101は、処理をステップS1105に移行させる。
ステップS1105に移行すると、管理サーバ101の提供情報選択部606は、位置情報管理部602が取得した送信元情報と、事象情報収集部605が収集した事象情報とに基づいて、送信元情報の送信元に提供する提供情報を選択する。
例えば、提供情報選択部606は、送信元情報に含まれるアプリIDに対応する利用者情報を、図8に示す登録情報612から取得し、利用者情報に対応する対応情報を選択する。
一例として、図9(a)に示す一般の利用者向けの対応情報が選択されると、送信元情報に含まれる出力装置IDと、事象情報が示す発生している事象により、対応情報の中から送信元に提供する提供情報を決定(選択)することができる。
例えば、送信元情報に含まれる出力装置IDが「SP0002」であり、発生している所定の事象が「火災」である場合、提供情報は、「出口Bへの経路情報」が選択される。
また、別の一例として、図9(b)に示す防災担当者向けの対応情報が選択され、出力装置IDが「SP0002」、発生している所定の事象が「火災」である場合、提供情報は、「火災発生地点への経路情報」が選択される。
ステップS1106において、管理サーバ101の情報提供部607は、提供情報選択部606によって選択された情報を、送信元情報に含まれるアプリIDに基づいて、送信元のアプリに通知する。
次に、情報処理システム全体の処理の流れについて説明する。
図12は、第1の実施形態に係る情報処理システムの処理の例を示すシーケンス図である。
ステップS1201において、出力装置102は、出力装置ID(出力装置102の情報の一例)を含む音波を出力する。なお、出力装置102は、自装置の出力装置IDを含む音波を継続的に出力しているものとする。
ステップS1202において、情報端末104の音波取得部632は、出力装置102から出力された音波を出力し、情報抽出部633は、取得した音波に含まれる出力装置IDを抽出する。
ステップS1203において、情報端末104の識別情報送信部634は、情報抽出部633によって抽出され出力装置IDと、情報端末104で動作するアプリのアプリIDとを含む送信元情報を、通信部631を介して管理サーバ101に送信する。
ステップS1204において、管理サーバ101の位置情報管理部602は、情報端末104から送信された送信元情報を取得すると、情報端末104(アプリ)の位置情報を更新する。なお、この処理は、図11のステップS1102の処理に対応する。
ステップS1205において、管理サーバ101の事象情報収集部605は、事象情報を収集し、発生中の所定の事象がある場合、ステップS1206以降の処理を実行する。なお、この処理は、図11のステップS1103、S1104の処理に対応する。
ステップS1206に移行すると、管理サーバ101の提供情報選択部606は、送信元情報の送信元に提供する提供情報を選択する。なお、この処理は、図11のステップ1105の処理に対応する。
ステップS1207において、管理サーバ101の情報提供部607は、送信元のアプリIDに基づいて、提供情報選択部606によって選択された提供情報を情報端末104に通知する。
ステップS1208において、情報端末104の提供情報受信部636は、管理サーバ101から通知された提供情報を受信し、表示制御部637は、受信した提供情報に基づく表示画面を表示入力部638に出力する。
なお、受信した提供情報が、可聴音、又は可聴音の出力指示である場合、音声出力部639が、提供情報を可聴音として出力する。
さらに、受信した提供情報が、振動の出力指示である場合、振動発生部640が、提供情報を振動として出力する。
ステップS1208において、情報端末104に表示される提供情報の表示画面の例を図15〜17に示す。
図15は、一実施形態に係る一般の利用客に提供される表示画面の例を示す図である。図15は、火災が発生したときに、地点2にいる一般の利用客に提供される表示画面の一例である。例えば、図9(a)に示す一般の利用客向けの対応情報によれば、事象「火災」が発生しているときに、位置「地点2」にいる一般の利用客には、提供情報として「出口Bへの避難経路情報」が提供される。
図15の例では、表示画面1500に、出口Bから避難することを促すメッセージ1501が表示されている。
また、表示画面1500には、建物107のフロアマップ1502が含まれることが望ましい。これにより、利用者は、現在いる場所と、出口Bとの位置関係を把握することが容易となる。
さらに、表示画面1500には、現在地1503や、避難方向を示す矢印1504等が含まれることが望ましい。
フロアマップ1502、現在地1503、矢印1504等の画像は、例えば、情報提供部607が、位置情報管理部602が管理する位置情報611(図7参照)に基づいて作成することができる。
なお、図15に示す表示画面1600はあくまで一例である。表示画面1600は、火災発生時に、一般の利用者に最寄りの出口(出口B)への避難を促すものであれば良い。
図16は、一実施形態に係る防災担当者に提供される表示画面の例を示す図である。図16は、火災が発生したときに、地点2にいる防災担当者に提供される表示画面一例である。例えば、図9(b)に示す防災担当者向けの対応情報によれば、事象「火災」が発生しているときに、位置「地点2」にいる防災担当者には、提供情報として「火災発生地点への経路情報」が提供される。
図16の例では、表示画面1600に、火災発生地点へ向かうことを促すメッセージ1601が表示されている。なお、火災発生地点が特定されていない場合、例えば、「現在、火災発生地点を確認中です。」等の他のメッセージが表示されるものであっても良い。
また、表示画面1600には、建物107のフロアマップ1502が含まれることが望ましい。これにより、防災担当者は、現在いる場所と、火災発生地点(地点4)との位置関係を把握することが容易となる。
さらに、表示画面1600には、現在地1603、火災発生地点1604、火災発生地点への経路を示す矢印1605等が含まれることが望ましい。
フロアマップ1602、現在地1603、火災発生地点1604、及び経路を示す矢印1605は、例えば、情報提供部607が、位置情報611(図7参照)や、事象情報収集部605が収集した情報等に基づいて作成することができる。
なお、図15に示す表示画面1600はあくまで一例である。表示画面1600は、火災発生時に、防災担当者に火災発生地点の情報等を通知するものであれば良い。
次に、利用者の位置に応じて提供される表示画面の例について説明する。
図17は、一実施形態に係る位置に応じて提供される表示画面の例を示す図である。
図17(a)は、地点6で情報端末104(アプリ)が検知された場合に提供される表示画面の一例である。例えば、図9(a)に示す一般の利用客向けの対応情報によれば、事象「地点6で検知」が発生しているときに、「地点6」で検知された一般の利用客には、提供情報として「気象情報」が提供される。
図17(a)の例では、表示画面1701に、気象情報1702が表示されている。この気象情報1702は、例えば、情報提供部607が、ネットワーク106上で提供される外部の気象情報提供サービス等から取得する。或いは、気象情報1702は、管理サーバ101の管理者等によって設定されるものであっても良い。
図17(b)は、地点9で情報端末104(アプリ)が検知された場合に提供される表示画面の一例である。例えば、図9(a)に示す一般の利用客向けの対応情報によれば、事象「地点8で検知」が発生しているときに、「地点8」で検知された一般の利用客には、提供情報として「列車運行情報」が提供される。
図17(b)の例では、表示画面1703に、列車運行情報1704が表示されている。この列車運行情報1704は、例えば、情報提供部607が、ネットワーク106上で提供される外部の列車運行情報提供サービス等から取得する。或いは、列車運行情報1704は、管理サーバ101の管理者等によって設定されるものであっても良い。
なお、図9、10に示す対応情報613の例では、従業員や、防災担当者には、図17に示す気象情報や運行情報は通知されない。これにより、例えば、長時間に亘って建物107内にいる従業員等に、繰り返し気象情報や、列車の運行情報が通知されることを防止することもできる。
また、図10(b)に示す視覚障害者向けの対応情報によれば、事象「地点8で検知」が発生しているときに、位置「地点8」にいる視覚障害者には、提供情報として「可聴音による列車運行情報」が提供される。この場合、例えば、情報端末104は、管理サーバ101から通知された提供情報に含まれる可聴音による列車運行情報を音声出力部639から出力する。
このように、本実施形態に係る情報処理システム100は、発生している事象に対応した情報を提供する情報処理装置において、複数の利用者のそれぞれに、利用者に応じた適切な情報を提供することを容易にする。
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、管理サーバ101の情報提供部607が、提供情報選択部606によって選択された提供情報を、送信元に対応する出力装置102に出力させる場合の処理について、第1の実施形態との差分を中心に説明する。
図13は、第2の実施形態に係る管理サーバの処理の例を示すフローチャートである。なお、図13において、ステップS1101〜S1105の処理は、図11に示す第1の実施形態と同様である。
ステップS1301において、本実施形態に係る管理サーバ101の情報提供部607は、提供情報選択部606によって選択された提供情報の出力を、送信元に対応する出力装置に指示する。なお、送信元に対応する出力装置102とは、例えば、送信元情報に含まれる出力装置IDを有する出力装置102である。或いは、送信元に対応する出力装置102は、位置情報管理部が管理する情報端末の位置情報(図7参照)に基づいて、送信元の情報端末104(アプリ)がいる位置に対応する出力装置102等であっても良い。
続いて、情報処理システム全体の処理の流れについて説明する。
図14は、第2の実施形態に係る情報処理システムの処理の例を示すシーケンス図である。なお、図14において、ステップS1201〜S1206の処理は、図12に示す第1の実施形態の処理と同様である。
ステップS1401、S1402において、管理サーバ101の情報提供部607は、提供情報選択部606によって選択された提供情報の出力を指示する出力指示を、ゲートウェイ103を介して、出力装置102に通知する。この出力指示には、例えば、出力装置ID、アプリID等が含まれる。
ステップS1403において、管理サーバ101から提供情報の出力指示を通知された出力装置102は、指示された提供情報を出力する。例えば、出力装置102は、提供情報とアプリIDを含む音波を出力する。
また、出力装置102は、可聴音による提供情報の出力を指示された場合は、提供情報を可聴音で出力するものであっても良い。
ステップS1404において、情報端末104の情報抽出部633は、出力装置102から取得した音波に含まれる情報を抽出する。
ステップS1405において、情報端末104の情報抽出部633は、抽出した情報に情報端末104で動作するアプリのアプリIDを含む提供情報が含まれる場合、抽出された提供情報を、提供情報受信部636に通知する。この場合、他の情報端末104宛ての提供情報は、提供情報受信部636に通知されない。
提供情報受信部636に通知された提供情報は、例えば、表示制御部637によって、表示入力部638に表示される。このとき、表示される表示画面は、第1の実施形態と同様である。
また、提供情報受信部636に通知された提供情報が、可聴音である場合、可聴音による提供情報が音声出力部639によって出力されるものであっても良い。
このように、管理サーバ101は、出力装置102を介して、情報端末104に提供情報を通知することができる。これにより、情報端末104の無線通信によるトラフィックを削減することができる。
[その他の実施形態]
上記の各実施形態のシステム構成は一例であり、情報処理システム100は様々なシステム構成が可能である。例えば、図1に示す情報処理システム100のシステムの構成例では、ゲートウェイ103が1つである場合の例を示したが、情報処理システム100は、例えば、図18に示すように、2つ以上のゲートウェイ103を有していても良い。
或いは、情報処理システム100は、複数の出力装置102間の通信として、例えば、Zigbee等のマルチホップを採用することにより、無線エリアを拡大可能なものであっても良い。さらに、複数の出力装置102は、例えば、無線LAN等によってネットワーク106に接続し、ゲートウェイ103を介さずに通信を行うものであっても良い。
また、図6に示す管理サーバ101の記憶部610に記憶された、位置情報611、登録情報612、対応情報613等の少なくとも一部は、外部サーバ等に記憶されているものであっても良い。
さらに、図6の説明の中で、登録情報管理部603が管理する登録情報612は、アプリIDと、利用者の情報とを対応づけて記憶するものとして説明を行った。別の一例として、登録情報612は、図19に示すように、アプリIDとアプリの種別を示すアプリ情報とを対応づけて記憶するものであっても良い。
この場合、対応情報管理部604が、アプリ情報に応じた複数の対応情報613を管理することにより、管理サーバ101は、発生している事象と、利用者が起動しているアプリとに対応する提供情報を提供することができるようになる。
さらにまた、上記の各実施形態では、対応情報管理部604が複数の対応情報を管理する場合の例について説明したが、対応情報管理部604は、少なくとも1つの対応情報を管理するものであれば良い。