以下、本発明の実施の形態(以下、実施形態という。)を図面に基づいて説明する。
〔第1の実施形態〕
[システム構成]
図1は、本発明の第1の実施形態における画像処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態における画像処理システム1は、画像処理サーバ100と、ユーザ情報管理サーバ200と、位置情報管理サーバ300と、無線端末400a、400b、400c、400d(それぞれを区別しない場合「無線端末400」という。)と、配信装置500a、500b、500c、500d(それぞれを区別しない場合「配信装置500」という。)と、管理装置600と、表示装置700と、投影用PC800と、マイク1000とを有する。なお、表示装置700及び投影用PC800には、それぞれ無線端末400c、400dが取り付けられている(表示装置700及び投影用PC800に無線端末400が内蔵されている場合を含む。)。なお、無線端末400、配信装置500及び管理装置600は、図1に示した台数に限らず、任意の台数が存在してもよい。
また、無線端末400と、配信装置500と、管理装置600とは、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)又はWiFi(登録商標)(無線LAN)等の無線通信規格に従う図2に示すような無線ネットワークN1を構成する。図2は、図1から無線ネットワークN1を構成する各装置を抜粋した無線ネットワークN1の構成の一例を示す図である。なお、図2において、各装置の配置と数は、図1と異なる。図2に示されるように、無線ネットワークN1は、例えば、メッシュ型のネットワークを構成し、管理装置600を介して、位置情報管理サーバ300が接続されたネットワークN1と接続される。
また、管理装置600は、LAN(Local Area Network)又はインターネット等の有線又は無線のネットワークN2に接続され、位置情報管理サーバ300と通信が可能である。また、画像処理サーバ100と、ユーザ情報管理サーバ200と、位置情報管理サーバ300とは、ネットワークN2に接続され、互いに通信が可能である。
また、投影用PC800は、例えば無線LANである無線ネットワークN3によりアクセスポイントAPを介して、ネットワークN2と接続する画像処理サーバ100と互いに通信が可能である。なお、表示装置700が無線LAN通信機能を有する場合、表示装置700はアクセスポイントAPを介して画像処理サーバ100との通信が可能である。
本発明の第1の実施形態における画像処理システム1は、発表や説明のための電子的な資料が用いられる会議等において、画像を表示(投影)する表示装置700と聴講者との距離及び聴講者のユーザ属性(視覚特性、聴覚特性)に基づき、画像の表示態様を最適化するシステムである。なお、本発明の第1の実施形態における画像の表示態様とは、画像に含まれる文字、図形、記号又はこれらの組合せ(文字等)において文字等のサイズ又は文字等の色彩をいう。また、視覚特性とは、例えば視力及び色覚の少なくともいずれか一方をいう。なお、画像処理システム1は、電子的な資料が説明等のために用いられる会合であれば、その呼称を問わずに適用できる。例えば、電子的な資料を用いた講演や電子的な参考書や教科書を資料とした勉強会、電子的な掲示板を資料とした意見交換会等に適用できる。
無線端末400は、例えばIMES(Indoor MEssaging System)のような配信装置500から配信される屋内向けの測位信号を受信して、位置情報を取得可能な装置である。無線端末400は、ユーザが所持する位置情報の管理対象に取り付けられる(又は内蔵される)、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)タグである。管理対象とは、例えばユーザが携行可能な物品であるICカード若しくはスマートフォン、タブレット、ラップトップPC、表示装置700又は投影用PC800等である。なお、表示装置700及び投影用PC800は、所定の場所に備え付けられて使用されてもよい。無線端末400は、測位信号を受信して取得した位置情報を、無線ネットワークN1(すなわち配信装置500及び管理装置600)を介して、位置情報管理サーバ300に送信する。ここで、例えば、無線ネットワークN1がZigBeeによって形成される場合、無線端末400は、ZigBeeエンドポイントとしての機能(データの中継機能を持たず、末端の端末としてのみ動作する機能)を有する。なお、無線端末400は、測位信号を受信し、受信した測位信号を位置情報管理サーバ300に対して送信する機能を備えれば、RFIDタグに限らない。
配信装置500は、例えばIMESのような屋内向けの測位信号を所定の領域(例えば図1の円錐)に配信する装置である。測位信号は、例えば、緯度、経度及びフロア等によって表される位置情報を含む。配信装置500が送信する位置情報は、その配信装置500が設置された位置を表す。測位信号が送信される所定の領域は、測位信号を送出する出力によって決定される。上述したように、配信装置500は、無線端末400及び管理装置600とともに、無線ネットワークN1を形成し、無線端末400からの通信を中継する機能を有する。例えば、無線ネットワークN1がZigBeeによって構築される場合には、配信装置500は、ZigBeeルータとしての機能(ZigBeeエンドポイント又は他のZigBeeルータからのデータ中継機能)を有する。
管理装置600は、無線ネットワークN1を管理し、無線端末400及び配信装置500とともに形成する無線ネットワークN1と、位置情報管理サーバ300の接続されたネットワークN2とを相互に接続し、二つのネットワーク間で通信を変換する機能を有する装置である。例えば、無線ネットワークN1がZigBeeによって構築される場合には、管理装置600は、ZigBeeコーディネータとしての機能(無線ネットワークの立ち上げと管理機能)を有する。
位置情報管理サーバ300は、有線LAN又は無線LANによる通信機能、各無線端末400から送信された位置情報を取得し、管理する位置情報管理機能を有するサーバ装置である。なお、画像処理サーバ100は、無線端末400の位置情報を、無線端末400を一意に識別する識別情報(無線端末識別情報)毎に管理する。
画像処理サーバ100は、聴講者の視覚特性及び聴講者と表示装置700との距離に基づいて、画像データに基づく画像の表示態様を聴講者が見やすいように最適化する画像処理機能及び最適化した画像データを表示装置700に送信する通信機能を有するサーバ装置である。なお、画像データは、電子的な資料であり、データの形式は問わない。画像データは、例えばMS PowerPoint(登録商標)、MS Word(登録商標)、MS Excel(登録商標)、PDF(Portable Document Format)、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、TIFF(Tagged Image File Format)又はBitmap形式のデータである。但し、データの形式は、上記に限らない。
ユーザ情報管理サーバ200は、ユーザである聴講者のユーザ属性に関する情報の一つである視覚特性に関する情報(視覚特性情報)等を記憶し、ネットワークに接続されるNAS(Network Attached Storage)である。
なお、画像処理サーバ100、ユーザ情報管理サーバ200及び位置情報管理サーバ300は、一台の装置に統合されてもよいし、これらの機能を分散して備える一台以上の情報処理装置により構成されるシステムであってもよい。例えば、画像処理サーバ100が、ユーザ情報管理サーバ200が有する機能を備えるように構成してもよい。
表示装置700は、例えばプロジェクタ、液晶若しくは有機EL(Electro Luminescence)等のディスプレイ等である。なお、図1には、例えば表示装置700がプロジェクタ又はディスプレイである場合、表示装置700が、プロジェクタ又はディスプレイに接続された投影用PC800を介して画像処理サーバ100から画像データを受信する構成となる例を示している。但し、プロジェクタ又はディスプレイが無線LAN通信機能を備える場合、表示装置700が無線ネットワークN3を介して直接、画像処理サーバ100と通信を行ってもよい。なお、表示装置700には、スマートフォン、タブレット又はラップトップPC等の表示端末が含まれる。
投影用PC800は、発表者による表示装置700が表示出力する画面等の操作に用いられ、画像処理サーバ100と通信を行う通信機能を有するクライアント端末である。なお、上述したように、表示装置700が無線ネットワークN3を介した通信機能を有する場合、投影用PC800は不要とする構成としてもよい。
[ハードウェア構成]
<画像処理サーバ>
図3は、本発明の第1の実施形態における画像処理サーバ100のハードウェア構成の一例を示す図である。画像処理サーバ100は、CPU11と、RAM12と、ROM13と、HDD14と、有線通信装置15と、キーボード16と、マウス17と、ディスプレイ18とを有する。
CPU11は、画像処理サーバ100の動作を制御するプログラムを実行する。RAM12は、CPU11のワークエリアを構成する。ROM13は、画像処理サーバ100のシステムプログラム等を記憶する。HDD14は、画像処理サーバ100で実行されるアプリケーション等を記憶する。有線通信装置15は、LANに接続するためのNIC(Network Interface Card)である。キーボード16及びマウス17は、画像処理システム1の管理者等から入力を受け付ける装置である。ディスプレイ18は、管理者等に対して情報を表示出力する装置である。バス19は、上記装置を電気的に接続する。
上記構成により、本発明の第1の実施形態における画像処理サーバ100は、画像データを加工し、表示態様を最適化する処理等を実行できる。
<ユーザ情報管理サーバ>
図4は、本発明の第1の実施形態におけるユーザ情報管理サーバ200のハードウェア構成の一例を示す図である。ユーザ情報管理サーバ200は、CPU21と、RAM22と、ROM23と、HDD24と、無線通信装置25と、キーボード26と、マウス27と、ディスプレイ28とを有する。また、バス29は、上記装置を電気的に接続する。
なお、CPU21、RAM22、ROM23、HDD24、キーボード26、マウス27、ディスプレイ28は、それぞれ図3に示したCPU11、RAM12、ROM13、HDD14、キーボード16、マウス17、ディスプレイ18に対応する。但し、ROM23がユーザ情報管理サーバ200のシステムプログラムを記憶し、HDD24がユーザ属性に関する情報の一例であるユーザの視覚特性に関する情報を記憶する点が異なる。
上記構成により、本発明の第1の実施形態におけるユーザ情報管理サーバ200は、ユーザの視覚特性情報を記憶できる。
<位置情報管理サーバ>
図5は、本発明の第1の実施形態における位置情報管理サーバ300のハードウェア構成の一例を示す図である。位置情報管理サーバ300は、CPU31と、RAM32と、ROM33と、HDD34と、無線通信装置35と、キーボード36と、マウス37と、ディスプレイ38とを有する。また、バス39は、上記装置を電気的に接続する。
なお、CPU31、RAM33、ROM33、HDD34、キーボード36、マウス37、ディスプレイ38は、それぞれ図3に示したCPU11、RAM13、ROM13、HDD14、キーボード16、マウス17、ディスプレイ18に対応する。但し、ROM33が位置情報管理サーバ300のシステムプログラムを記憶し、HDD34が無線端末400の位置情報を記憶する点が異なる。
上記構成により、本発明の第1の実施形態における位置情報管理サーバ300は、無線端末400が送信する位置情報を受信し、その位置情報を蓄積できる。
<無線端末>
図6は、本発明の第1の実施形態における無線端末400のハードウェア構成の一例を示す図である。図6には、無線端末400がRFIDタグである例を示している。無線端末400は、CPU41と、RAM42と、ROM43と、無線通信装置44と、測位信号受信装置45とを有する。
CPU41は、無線端末400の動作を制御するプログラムを実行する。RAM42は、CPU41のワークエリアを構成する。ROM44は、無線端末400のシステムプログラム等を記憶する。無線通信装置44は、例えば、ZigBee又はBluetoothにより、外部の装置と通信するための装置である。なお、任意の種類の無線通信装置44が、複数設けられてもよい。また、無線端末400がスマートフォンやタブレット等の携帯端末(表示端末)に内蔵されている場合等、無線通信装置44は、4GやLTE等の移動通信網又はWiFi等による通信を行う装置であってもよい。測位信号受信装置45は、配信装置500から送信された測位信号を受信する装置である。バス46は、上記装置を電気的に接続する。
上記構成により、本発明の第1の実施形態における無線端末400は、屋内において測位信号を受信し、位置情報を取得することができる。また、無線端末400は、取得した位置情報を、無線ネットワークN1を介して、位置情報管理サーバ300に送信することができる。
<配信装置>
図7は、本発明の第1の実施形態における配信装置500のハードウェア構成の一例を示す図である。配信装置500は、CPU51と、RAM52と、ROM53と、無線通信装置54と、測位信号配信装置55とを有する。
CPU51は、配信装置500の動作を制御するプログラムを実行する。RAM52は、CPU51のワークエリア等を構成する。ROM53は、CPU51が実行するプログラムや、プログラムの実行に必要なデータを記憶する。無線通信装置54は、無線端末500及び管理装置600と、無線ネットワークN1を介して通信するための装置である。測位信号配信装置55は、無線端末500が現在位置を取得するために用いる測位信号を送信する装置であり、例えば、IMES規格により定義されたフレームフォーマットで測位信号を送信する。より具体的には、測位信号配信装置55は、IMES規格によって定義されるフレーム構造を有するデータを用いて、1.5GHzの搬送波を変調して信号を生成し、これをアンテナより送出する。バス56は、上記装置を電気的に接続する。
上記構成により、本発明の第1の実施形態における配信装置500は、所定の領域(無線端末400)に測位信号を配信できる。また、配信装置500は、無線端末400と管理装置600とにより無線ネットワークN1を構成し、無線端末400から送信された位置情報を、他の配信装置500又は管理装置600に中継することができる。
<管理装置>
図8は、本発明の第1の実施形態における管理装置600のハードウェア構成の一例を示す図である。管理装置600は、CPU61と、RAM62と、ROM63と、無線通信装置64と、有線通信装置65とを有する。
CPU61は、管理装置600の動作制御を行う。プログラムを実行する。RAM62は、CPU61のワークエリア等を構成する。ROM63は、CPU61が実行するプログラムや、プログラムの実行に必要なデータを記憶する。無線通信装置64は、無線端末400及び配信装置600と、無線ネットワークN1を介して通信するための装置である。有線通信装置65は、LANに接続するためのNICである。バス66は、上記装置を電気的に接続する。
上記構成により、本発明の第1の実施形態における管理装置600は、無線端末400と配信装置500とにより構成される無線ネットワークN1と、ネットワークN2とを相互に接続することができる。
<表示装置>
図9は、本発明の実施の形態における表示装置700のハードウェア構成の一例を示した図である。表示装置700には無線端末400が外部に取り付けられている。但し、無線端末400が表示装置700に内蔵されている構成でもよい。
図11に示されるように、表示装置700は、表示装置700全体の動作を制御するCPU71、基本入出力プログラムを記憶したROM72、CPU71のワークエリアとして使用されるRAM73、フラッシュメモリ等の記録メディア74aに対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ74を備えている。そして、メディアドライブ74の制御に従って、既に記録されていたデータが読み出され又は新たにデータが書き込まれて記憶する記録メディア74aが着脱自在な構成となっている。
さらに、表示装置700は、投影用PC800とVGA接続又はDVI接続により通信を行う通信装置75、光を透過させることで画像を出力する液晶パネル76、ユーザに対する情報を表示する液晶や有機EL等のディスプレイ77、ユーザからの入力を受け付けるインタフェースであるハードボタンやリモコン、ソフトキー等の入力部78及び上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン79を備えている。
上記構成により、本発明の第1の実施形態における表示装置700は、画像データに基づく画像を表示出力できる。
<投影用PC>
本発明の第1の実施形態における投影用PC800は、図3〜図5に示したハードウェア構成を備える構成であればよい。
[機能構成]
図10は、本発明の第1の実施形態における画像処理システム1の機能構成の一例を示す図である。
<配信装置>
本発明の第1の実施形態における配信装置500は、位置情報格納部501と、測位信号配信部502と、中継部503とを有する。各機能はCPU51がプログラムを実行し、ハードウェアと協働することで実現される。
位置情報格納部501は、配信装置500が設置される位置を表す位置情報を格納する。屋内に設置される配信装置500の位置情報には、例えば、緯度、経度、フロア等の情報が含まれる。なお、位置情報は、上記に限らず、例えば建物の棟を示す情報等が含まれてもよい。
測位信号配信部502は、位置情報格納部501に格納された位置情報を含む測位信号を生成して、所定の領域に配信する。所定の領域は、測位信号配信装置55からの電波の送信出力によって決定される。
中継部503は、無線端末400から送信されたデータを、他の配信装置500又は管理装置600に中継する。中継されたデータは、その後、位置情報管理サーバ300へと伝送される。中継部503は、無線ネットワークN1がZigBeeによって構成される場合には、ZigBeeルータの機能を提供する。
<無線端末>
本発明の第1の実施形態における無線端末400は、測位信号受信部401と、位置情報抽出部402と、無線端末識別情報格納部403と、位置情報送信部404とを有する。各機能はCPU41がプログラムを実行し、ハードウェアと協働することで実現される。
測位信号受信部401は、配信装置500の測位信号配信部502から配信された測位信号を受信する。
位置情報抽出部402は、配信装置500から送信された測位信号から、位置情報を抽出する。上述したように、位置情報は、緯度、経度、フロア等の情報を含む。
無線端末識別情報格納部403は、当該無線端末400を一意に識別するための無線端末識別情報を格納する。無線端末識別情報は、例えばMACアドレスである。
位置情報送信部404は、位置情報抽出部402が取得した位置情報と、無線端末識別情報格納部403に格納された無線端末識別情報とを、位置情報管理サーバ300に送信する。ここで、無線端末400の位置情報及び無線端末識別情報は、まず無線ネットワークN1を介して、最寄りの配信装置500に送信され、その後、他の配信装置500又は管理装置600を経由して、位置情報管理サーバ300に伝送される。
<管理装置>
本発明の第1の実施形態における管理装置600は、変換部601を有する。上記機能はCPU61がプログラムを実行し、ハードウェアと協働することで実現される。なお、管理装置600は、無線ネットワークN1がZigBeeによって構成される場合には、ZigBeeコーディネータとしての機能を提供する。
変換部601は、無線ネットワークN1を介して、無線端末400又は配信装置500から受信した位置情報及び無線端末識別情報を、位置情報管理サーバ300が接続されたネットワークN2に適合する形式に変換する。そして、変換部601は、位置情報及び無線端末識別情報を、位置情報管理サーバ300に送信する。
<位置情報管理サーバ>
本発明の第1の実施形態における位置情報管理サーバ300は、位置情報受信部301と、位置情報記憶部302と、エリア情報記憶部303と、無線端末関連情報記憶部304と、位置情報管理部305とを有する。各機能はCPU31がプログラムを実行し、ハードウェアと協働することで実現される。
位置情報受信部301は、無線端末400から送信された、無線端末識別情報及び位置情報を受信する。そして、位置情報受信部301は、無線端末識別情報及び位置情報を、位置情報記憶部302に格納する。
位置情報記憶部302は、無線端末400の無線端末識別情報毎に、無線端末400から送信される位置情報とこれらの情報の受信時刻とを対応付けて位置情報管理テーブルに記憶する。図11は、本発明の第1の実施形態における位置情報記憶部302の位置情報管理テーブルに記憶される情報の一例を示す図である。図11(a)は、無線端末識別情報が「012345abcdef」の位置情報管理テーブルである。図11(b)は、無線端末識別情報が「112345abcdef」の位置情報管理テーブルである。このように、位置情報管理テーブルは、無線端末識別情報(無線端末400)毎に存在する。なお、位置情報管理テーブルを無線端末400毎のテーブルとするか又は一つのテーブルとするかは設計事項であり、いずれの構成であってもよい。図11に示すように、位置情報管理テーブルは、無線端末400の無線端末識別情報である「無線端末識別情報」、「受信時刻」、「緯度」、「経度」及び「フロア」のデータ項目を有する。「緯度」、「経度」及び「フロア」は、無線端末400から送信される位置情報に含まれる情報である。「受信時刻」は、無線端末400からの位置情報を受信した年月日時分秒を示す時刻である。
エリア情報記憶部303は、図12に示すように、会議室等のエリアに対応する位置情報を記憶する。資産である投影用PC800と無線端末400との対応関係及び投影用PC800の保管位置に関する情報を、エリア情報管理テーブルに記憶する。図12は、本発明の第1の実施形態におけるエリア情報記憶部303のエリア情報管理テーブルに記憶される情報の一例を示す図である。エリア情報管理テーブルは、「エリアID」と「エリア名」と「エリア位置情報」に含まれる「フロア」、「東端」、「西端」、「南端」及び「北端」とのデータ項目を有する。「エリアID」は、エリア情報管理テーブルにおいてエリア名及びそのエリアに対応する位置情報等を一意に識別するための識別番号である。「エリア名」は、会議室等の場所を示すエリアの名称である。「エリア位置情報」は、エリアに対応する位置情報である。「フロア」は、エリアが属する建物内のフロア(階数)である。「東端」及び「西端」は、エリアの東側と西側との境界線を経度(東経)で表したものである。「南端」及び「北端」は、区域の南側と北側との境界線を緯度(北緯)で表したものである。すなわち、エリアの範囲は矩形で定義され得る。図12の例では、エリアID「1」に対応するエリア名「会議室A」は、北緯「35.48093」から北緯「35.48454」、東経「139.32003」から東経「139.32102」の4つの線に囲まれた範囲であって、「2」階であることを示す。なお、本発明の実施の形態におけるエリアの位置(範囲)の定義は、上記の方法に限らず、例えば、複数の緯度及び経度を用いて三つ以上の辺を有する多角形等によって、エリアの範囲を定義してもよい。また、その他の方法として、エリアの範囲内に固定的に設置される配信装置500の位置情報に基づき、その位置情報に対応する複数の点(緯度、経度)によりエリアの範囲を定義してもよい。
無線端末関連情報記憶部304は、図13に示すように、無線端末識別情報(無線端末400)毎に、無線端末400が取り付けられ位置の管理対象となる物品に関する情報を、無線端末関連情報管理テーブルに記憶する。図13は、本発明の第1の実施形態における無線端末関連情報記憶部304の無線端末関連情報管理テーブルに記憶される情報の一例を示す図である。図13に示すように、無線端末関連情報管理テーブルは、無線端末400を識別する「無線端末識別情報」、「位置管理対象カテゴリ」及び「位置管理対象名称」のデータ項目を有する。「位置管理対象カテゴリ」は、無線端末400が取り付けられた位置管理対象の物品のカテゴリであり、例えば「表示装置」、「ICカード」又は「スマートフォン」等の情報が設定される。「位置管理対象名称」は、無線端末400が取り付けられた位置管理対象の物品の名称である。
位置情報管理部305は、画像処理サーバ100からの位置情報取得要求を受け付けると、位置情報記憶部302、エリア情報記憶部303及び無線端末関連情報記憶部304を参照し、所定のエリア内に位置する無線端末400の位置情報等を検索する。そして、位置情報管理部305は、検索した位置情報を含む位置情報取得要求応答を、画像処理サーバ100に送信する。
<画像処理サーバ>
本発明の第1の実施形態における画像処理サーバ100は、画像データ取得要求受付部101と、位置情報取得部102と、ユーザ属性情報取得部103と、画像データ記憶部104と、表示態様情報記憶部105と、最適化部106と、画像データ送信部107とを有する。各機能はCPU11がプログラムを実行し、ハードウェアと協働することで実現される。
画像データ取得要求受付部101は、投影用PC800(又は表示装置700)からの画像データ取得要求を受け付ける。画像データ取得要求には、取得対象の画像データを識別する画像データIDと、投影用PC800に取り付けられている無線端末400の無線端末識別情報(投影用PC800の無線端末識別情報)と、投影させる表示装置700の名称である表示装置名とが含まれる。画像データ取得要求受付部101は、受け付けた画像データ取得要求に基づく処理の実行を、位置情報取得部102に指示する。
位置情報取得部102は、画像データ取得要求に含まれる投影用PC800の無線端末識別情報及び表示装置名を含む位置情報取得要求を生成し、位置情報管理サーバ300に送信する。そして、位置情報取得部102は、位置情報取得要求の応答として、投影用PC800の位置するエリア(会議室)内に位置する無線端末400の無線端末識別情報及び位置情報を取得する。次に、位置情報取得部102は、ユーザ属性情報取得部103に、取得したエリア内に位置する無線端末400の無線端末識別情報及び位置情報を出力する。なお、無線端末識別情報は、無線端末400が取り付けられた位置管理対象のカテゴリを示す情報と対応付けられている。すなわち、表示装置700に取り付けられた無線端末400であるか又はユーザが所持するICカードやスマートフォン、タブレット等に取り付けられた無線端末400であるかを判別できる。
ユーザ属性情報取得部103は、エリア内に位置する無線端末400の無線端末識別情報を含むユーザ属性情報取得要求を生成し、ユーザ情報管理サーバ200に送信する。ユーザ属性情報取得部103は、ユーザ属性情報取得要求の応答として、エリア内に位置する無線端末400を所持する聴講者のユーザ属性情報(視覚特性及び聴覚特性)を取得する。ユーザ属性情報取得部103は、位置情報取得部102から通知されたエリア内に位置する無線端末400の無線端末識別情報及び位置情報と、取得したユーザ属性情報とを、最適化部106に出力する。
画像データ記憶部104は、画像データを識別する画像データIDに対応付けて、画像データのデータ本体又はデータ本体の保存先URLを記憶する。
表示態様情報記憶部105は、図14に示すように、聴講者の視覚特性に対する聴講者から表示装置700までの距離毎の表示態様に関する情報を、表示態様情報管理テーブルに記憶する。図14は、本発明の第1の実施形態における表示態様情報記憶部105の表示態様情報管理テーブルに記憶される情報の一例を示す図である。図14に示すように、表示態様情報管理テーブルには、視覚特性の一つである視力の五段階のランク(A〜E)のそれぞれに対して、聴講者と表示装置700との距離に応じた、画像データに含まれる表示態様である例えば文字サイズを定義している。図14の例では、例えば視力「A」、距離「1〜3m」の場合、文字サイズは「6pt」となる。なお、表示態様である文字サイズは、表示装置700がプロジェクタである場合、例えばプロジェクタが画像を投影するスクリーンの位置(距離)を考慮したサイズが設定される。なお、視覚特性(視力)のランク並びに距離の区分及び区分の数は、図14に示した例に限らず、任意に設定できる。
最適化部106は、エリア内に位置する無線端末400の位置情報に基づき、表示装置700と聴講者との距離を算出する。距離の算出は、例えば図15に示すように行われる。
図15は、本発明の第1の実施形態において聴講者と表示装置700との距離の算出方法を説明するための図である。図15の例では、表示装置700の位置(緯度,経度)は(x1,y1)、エリア(会議室)内に位置する聴講者は聴講者A及び聴講者Bであり、聴講者Aの位置は(x2,y2)、聴講者Bの位置は(x3,y3)である。最適化部106は、会議室内に位置する全ての聴講者(図15の例では、聴講者A、聴講者B)それぞれと表示装置700との距離を算出する。
そして、最適化部106は、算出した距離とエリア内に位置する聴講者のユーザ属性(視覚特性、聴覚特性)とに基づき、画像データに含まれる表示態様の最適化する内容を決定する。具体的には、最適化部106は、表示態様情報記憶部105の表示態様情報管理テーブル(図14)を参照し、視覚特性に含まれる視力に関する情報と算出した距離とに対応する文字サイズを決定する。次に、最適化部106は、画像データ取得要求に含まれる画像データIDに対応する画像データを画像データ記憶部104から取得し、画像データに含まれる表示態様(文字サイズ)が決定した文字サイズに変更された画像データを生成する。そして、最適化部106は、生成した(最適化した)画像データの送信処理を、画像データ送信部107に指示する。
画像データ送信部107は、最適化部106からの指示に基づき、画像データ取得要求を行った投影用PC800に対して、アクセスポイントAPを介したネットワークN2及び無線ネットワークN3により、最適化された画像データを送信する。なお、画像データの送信先は、画像データ取得要求を行った投影用PC800に限らず、表示装置700が無線ネットワークN3を介した通信機能を備える場合、表示装置700としてもよい。
<ユーザ情報管理サーバ>
本発明の第1の実施形態におけるユーザ情報管理サーバ200は、ユーザ情報管理部201と、ユーザ所有端末情報記憶部202と、ユーザ属性情報記憶部203とを有する。各機能はCPU21がプログラムを実行し、ハードウェアと協働することで実現される。
ユーザ情報管理部201は、ユーザ属性情報記憶部203及びユーザ所有端末情報記憶部202に記憶される情報の読出し、書込み処理を行う。また、ユーザ情報管理部201は、画像処理サーバ100からのユーザ属性情報取得要求を受け付けた場合、ユーザ属性情報取得要求に含まれる無線端末識別情報に対応するユーザ(ユーザID)を、図16に示すようなユーザ所有端末情報記憶部202から取得する。
図16は、本発明の第1の実施形態におけるユーザ所有端末情報記憶部202のユーザ所有端末情報管理テーブルに記憶される情報の一例を示す図である。図16に示すように、ユーザ所有端末情報管理テーブルには、ユーザを一意に識別する「ユーザID」に対応付けて、無線端末400を一意に識別する「無線端末識別情報」、「無線端末取付物品」及び「アドレス情報」が記憶されている。「無線端末取付物品」は、無線端末400が取り付けられた物品の名称である。「アドレス情報」は、無線端末取付物品が無線ネットワークN3を用いた通信機能を備える場合、すなわち無線端末取付物品が例えばスマートフォンやタブレット等の表示端末である場合のIPアドレス等のアドレス情報である。なお、アドレス情報は、IPアドレスに限らず、ユーザの電子メールアドレス等であってもよい。
そして、ユーザ情報管理部201は、図17に示すようなユーザ属性情報記憶部203から、取得したユーザIDに対応するユーザ属性情報(視覚特性、聴覚特性)を取得する。
図17は、本発明の第1の実施形態におけるユーザ属性情報記憶部203のユーザ属性情報管理テーブルに記憶される情報の一例を示す図である。図17に示すように、ユーザ属性情報管理テーブルには、「ユーザID」に対応付けて、ユーザ属性情報である「視覚特性」と「聴覚特性」とが記憶されている。「視覚特性」には、A〜Eの五段階のランクで表示される「視力」と、A及びBの二段階のランクで表示される「色覚」とが含まれる。「聴覚特性」は、A及びBの二段階のランクで表示される「聴力」である。
そして、ユーザ情報管理部201は、無線端末識別情報に対応付けたユーザ属性情報(視覚特性、聴覚特性)を、ユーザ属性情報取得要求の応答として、画像処理サーバ100に送信する。
<投影用PC>
本発明の第1の実施形態における投影用PC800は、入力受付部801と、表示制御部802と、画像データ取得要求部803と、画像データ受信部804と、画像出力指示部805とを有する。各機能はCPUがプログラムを実行し、ハードウェアと協働することで実現される。
入力受付部801は、マウスやキーボード等を制御し、ユーザからの情報の入力指示を受け付ける。
表示制御部802は、ディスプレイ等を制御し、ユーザに対する情報の表示出力を行う。
画像データ取得要求部803は、ユーザに指定された取得対象の画像データの画像データIDと、投影用PC800に接続された投影に使用される表示装置700の名称と、投影用PC800に取り付けられた無線端末400の無線端末識別情報とを含む画像データ取得要求を生成し、画像処理サーバ100に送信する。なお、画像データ取得要求に含まれる画像データを特定するための情報は、画像データIDに限らず、例えば画像データの名称や画像データの保存先を示すURL等であってもよい。
画像データ受信部804は、画像処理サーバ100により送信される画像データを、無線ネットワークN3を介して受信する。
画像出力指示部805は、投影に使用する表示装置700に対して、画像データの表示出力を指示する。
<表示装置>
本発明の第1の実施形態における表示装置700は、画像出力部701を有し、CPU71がプログラムを実行し、ハードウェアと協働することで実現される。
画像出力部701は、投影用PC800からの指示を受け付けると、画像データに基づく画像を表示出力する。
[処理の詳細]
本発明の第1の実施形態における画像処理システム1の処理は、無線端末400の位置情報を位置情報管理サーバ300が管理する「位置情報管理処理」と、表示態様が最適化された画像データを生成する「画像データ最適化処理」とに大別される。以下、「位置情報管理処理」と「画像データ最適化処理」とのそれぞれについて説明する。
(位置情報管理処理)
図18は、本発明の第1の実施形態における位置情報管理処理の動作手順の一例を示すシーケンス図である。図18を用いて、位置情報管理サーバ300が、無線ネットワークN1を介して、無線端末400の位置情報を取得する処理を説明する。ここで、無線端末400が配信装置500から以下の位置情報を含む測位信号を受信する例を説明する。
−緯度「35.46100」、経度「139.38095」、フロア「2」
ステップS101において、配信装置500の測位信号配信部502は、上記位置情報を含む測位信号を、所定の領域に送信し続ける。
ステップS102において、無線端末400の測位信号受信部401は、配信装置500の測位信号配信部502から送信された測位信号を受信する。
ステップS103において、無線端末400の位置情報抽出部402は、ステップS102で受信した測位信号に含まれる位置情報を抽出する。この場合、無線端末400が受信した位置情報は、以下の通りとなる。
−緯度「35.46100」、経度「139.38095」、フロア「2」
ステップS104において、無線端末400の位置情報送信部404は、無線端末識別情報格納部403に格納された無線端末識別情報とともに、上記位置情報を、無線ネットワークN1を介して、配信装置500に送信する。ここで、無線端末400の無線端末識別情報は、以下の通りであるものとする。
−「012345abcdef」
なお、ステップS104における位置情報の送信動作は、所定の周期(例えば1秒〜5秒周期)で行われる。また、無線端末400が慣性センサ(加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ等)を備えている場合、無線端末400の動作の検知時に、位置情報の送信動作を実行するようにしてもよい。
ステップS105において、配信装置500の中継部503は、無線端末400から受信した位置情報と無線端末識別情報とを、管理装置600に中継する。
ステップS106において、管理装置600の変換部601は、配信装置500の属する無線ネットワークN1から送信された通信データを、位置情報管理サーバ300が接続されるネットワークに適合する形式に変換する。
ステップS107において、位置情報管理サーバ300の位置情報受信部301は、配信装置500と管理装置600とを介して伝送された、以下の無線端末400の位置情報と無線端末識別情報とを受信する。
−位置情報:緯度「35.46100」、経度「139.38095」、フロア「2」
−無線端末識別情報:「012345abcdef」
ステップS108において、位置情報管理サーバ300の位置情報記憶部302は、ステップS107で受信した位置情報と無線端末識別情報とを、その受信時刻、例えば「2013/6/26 10:00:05」とともに格納する。
上記動作手順により、本発明の第1の実施形態における位置情報管理サーバ300は、無線端末400の現在位置を管理することができる。
なお、位置情報管理処理は、後述する画像データ最適化処理に依存せず、独立して実行される処理である。
(画像データ最適化処理)
図19は、本発明の第1の実施形態における画像データ最適化処理の動作手順の一例を示すシーケンス図である。図19の例では、投影用PC800及び表示装置700には、無線端末400が取り付けられている。
ステップS201において、発表者は投影用PC800を操作し、表示装置700に表示出力させる資料(画像データ)の画像データID及び使用する表示装置700の名称(表示装置名)を指定する。投影用PC800の入力受付部801は、ユーザにより入力された情報を、画像データ取得要求部803に出力する。
ステップS202において、画像データ取得要求部803は、ユーザに指定された画像データID及び表示装置名と、投影用PC800の無線端末識別情報とを含む画像データ取得要求を生成し、無線ネットワークN3を介して、画像処理サーバ100に送信する。
ステップS203において、画像データ取得要求を受け付けた画像処理サーバ100の画像データ取得要求受付部101は、画像データ取得要求に基づく処理の実行を位置情報取得部102に要求する。位置情報取得部102は、投影用PC800が設置されたエリア(会議室)内の無線端末400の位置情報を取得するための位置情報取得要求を生成し、位置情報管理サーバ300に送信する。なお、位置情報取得要求には、投影用PC800の無線端末識別情報と表示装置名とが含まれる。
ステップS204において、位置情報取得要求を受信した位置情報管理サーバ300の位置情報管理部305は、位置情報記憶部302、エリア情報記憶部303、無線端末関連情報記憶部304を参照し、投影用PC800が設置されたエリアに含まれる無線端末識別情報と対応する位置情報とを検索する。なお、検索された無線端末識別情報のそれぞれは、位置管理対象カテゴリ(表示装置、ICカード等)が対応付けられている。
ステップS205において、位置情報管理部305は、投影用PC800が設置されたエリアに含まれる位置管理対象カテゴリが対応付けられた無線端末識別情報と対応する位置情報とを含む位置情報取得要求応答を、画像処理サーバ100に送信する。
画像処理サーバ100の位置情報取得部102は、ユーザ属性情報取得部103に、位置情報取得要求応答に含まれる無線端末識別情報を有する無線端末400を所有する閲覧者のユーザ属性情報の取得処理の実行を要求する。
ステップS206において、ユーザ属性情報取得部103は、位置情報取得要求応答に含まれる無線端末識別情報を含むユーザ属性情報取得要求を生成し、ユーザ情報管理サーバ200に送信する。
ステップS207において、ユーザ属性情報取得要求を受信したユーザ情報管理サーバ200のユーザ情報管理部201は、ユーザ所有端末情報記憶部202及びユーザ属性情報記憶部203を参照し、ユーザ属性情報取得要求に含まれる無線端末識別情報を所有するユーザのユーザ属性情報(視覚特性、聴覚特性)を検索する。
ステップS208において、ユーザ情報管理部201は、ユーザ属性情報取得要求応答として、検索したユーザ属性情報(視覚特性、聴覚特性)に無線端末識別情報を対応付けて、画像処理サーバ100に送信する。
画像処理サーバ100のユーザ属性情報取得部103は、ユーザ属性情報取得要求応答を受け付けると、最適化部106に画像データの表示態様の最適化処理の実行を要求する。
ステップS209において、最適化部106は、上記ステップS205で取得した表示装置700の位置情報と表示装置700以外のユーザ(閲覧者)の位置情報とに基づき、例えば図15の例のように、表示装置700と閲覧者との距離を算出する。
ステップS210において、最適化部106は、算出した距離と、上記ステップS208で取得したユーザ属性情報とに基づき、表示態様情報記憶部105を参照し、最適化する表示態様を決定する。なお、エリア(会議室)内に、複数の聴講者が存在する場合、最も見やすい表示態様、例えば文字サイズが最も大きい値を、最適化する表示態様として決定する。なお、複数の聴講者が存在する場合、各聴講者毎に決定された表示態様の平均値を、最適化する表示態様に用いてもよい。
ステップS211において、最適化部106は、決定した表示態様に基づき、画像データ記憶部104に記憶される、上記ステップS202で受信した画像データIDに対応する画像データに含まれる表示態様が最適化(変更)された画像データを生成する。
ステップS212において、画像データ送信部107は、最適化部106により最適化された画像データを、投影用PC800に送信する。
投影用PC800の画像データ受信部804は、画像データを受信すると、画像出力指示部805に画像データを受信したことを通知する。
ステップS213において、画像出力指示部805は、使用する表示装置700に対して、画像表示出力指示を送信する。
ステップS214において、表示装置700の画像出力部701は、投影用PC800からの画像表示出力指示を受け付けると、画像データに基づく画像を表示出力する。
上記動作手順により、本発明の第1の実施形態における画像処理システム1は、会議等におけるエリア(会議室)内の聴講者と表示装置700との距離及び聴講者のユーザ属性(視覚特性、聴覚特性)に基づき、表示装置700により表示出力される画像データに含まれる表示態様を最適化できる。
次に、画像データ最適化処理において位置情報管理サーバ300、ユーザ情報管理サーバ200及び画像処理サーバ100が実行する処理手順の詳細を、それぞれ図20、図21、図22に基づき説明する。
<位置情報管理サーバ>
以下において説明する位置情報管理サーバ300が実行する処理は、図19に示したステップS204の処理に相当する。
図20は、本発明の第1の実施形態の画像データ最適化処理における位置情報管理サーバ300の処理手順の一例を示すフローチャート図である。
ステップS301において、位置情報管理サーバ300の位置情報管理部305は、画像処理サーバ100からの位置情報取得要求を受信する。位置情報取得要求には、投影用PC800の無線端末識別情報及び表示装置名が含まれている。
ステップS302において、位置情報管理部305は、位置情報記憶部302の位置情報管理テーブルから投影用PC800の位置情報を検索する。
ステップS303において、位置情報管理部305は、エリア情報記憶部303のエリア情報管理テーブルから投影用PC800が位置するエリアを特定し、エリアの位置情報を読み出す。具体的には、上記ステップS302で検索した投影用PC800の位置情報が含まれる、エリア情報管理テーブル(図12)の「エリア位置情報」に対応するエリアを特定する。そして、特定したエリアの「エリア位置情報」を読み出す。
ステップS304において、位置情報管理部305は、位置情報記憶部302の位置情報管理テーブルから上記ステップS303で読み出した「エリア位置情報」に含まれる無線端末識別情報を検索する。
ステップS305において、位置情報管理部305は、無線端末関連情報記憶部304の無線端末関連情報管理テーブルから、上記ステップS304で検索した無線端末識別情報に対応する位置管理対象カテゴリを特定する。なお、特定した結果、位置管理対象カテゴリに「表示装置」が複数存在した場合、位置情報取得要求に含まれていた「表示装置名」に対応する無線端末識別情報を、使用する表示装置700として特定する。
ステップS306において、位置情報管理部305は、画像処理サーバ100に対して、投影用PC800が位置したエリアに含まれる無線端末識別情報及び位置情報を含む位置情報取得要求応答を送信する。なお、位置情報取得要求応答に含まれる無線端末識別情報は、使用する表示装置700とそれ以外の位置管理対象とが区別可能なように位置管理対象カテゴリ(又は位置管理対象名称)が対応付けられている。
<ユーザ情報管理サーバ>
以下において説明するユーザ情報管理サーバ200が実行する処理は、図19に示したステップS207の処理に相当する。
図21は、本発明の第1の実施形態の画像データ最適化処理におけるユーザ情報管理サーバ200の処理手順の一例を示すフローチャート図である。
ステップS401において、ユーザ情報管理サーバ200のユーザ情報管理部201は、画像処理サーバ100からのユーザ属性情報取得要求を受信する。ユーザ属性情報取得要求には、投影用PC800の位置するエリア内の無線端末識別情報が含まれている。
ステップS402において、ユーザ情報管理部201は、ユーザ所有端末情報記憶部202のユーザ所有端末情報管理テーブルから、ユーザ属性情報取得要求に含まれる無線端末識別情報に対応するユーザIDを特定する。
ステップS403において、ユーザ情報管理部201は、ユーザ属性情報記憶部203のユーザ属性情報管理テーブルから、上記ステップS402で特定したユーザIDに対応するユーザ属性情報(視覚特性、聴覚特性)を読み出す。
ステップS404において、ユーザ情報管理部201は、画像処理サーバ100に対して、無線端末識別情報が対応付けられたユーザ属性情報を送信する。
<画像処理サーバ>
図22は、本発明の第1の実施形態の画像データ最適化処理における画像処理サーバ100の処理手順の一例を示すフローチャート図である。
ステップS501において、画像処理サーバ100の画像データ取得要求受付部101は、投影用PC800からの画像データ取得要求を受信する。なお、画像データ取得要求には、画像データID、投影用PC800の無線端末識別情報及び表示装置名が含まれている。
ステップS502において、位置情報取得部102は、位置情報管理サーバ300から、投影用PC800が位置するエリア(会議室)内の表示装置700及び聴講者の無線端末識別情報と位置情報とを取得する。
ステップS503において、ユーザ情報取得部102は、ユーザ情報管理サーバ200から、上記ステップS502で取得した無線端末識別情報に対応付けられたユーザ属性情報を取得する。
ステップS504において、最適化部106は、上記ステップS502で取得した表示装置700及び聴講者の位置情報に基づき、表示装置700と聴講者との間の距離を算出する(図15参照)。
ステップS505において、最適化部106は、表示態様情報記憶部105の表示態様情報管理テーブルから、上記ステップS503で取得したユーザ属性情報と上記ステップS504で算出した距離とに基づき、最適化する表示態様を決定する。なお、エリア内に複数の無線端末400(聴講者)が存在し、最適化する表示態様が複数ある場合、最も見やすい表示態様(例えば文字サイズが大きい)を、最適化する表示態様として決定する。
ステップS506において、最適化部106は、画像データ記憶部104を参照し、上記ステップS501で受信した画像データ取得要求に含まれる画像データIDに対応する画像データを読み出す。
ステップS507において、最適化部106は、上記ステップS505で決定した表示態様に基づき、上記ステップS506で読み出した画像データに含まれる表示態様が変更された画像データを生成する。なお、画像データが複数ページから構成される場合、1ページ毎に表示態様の最適化処理が実行される。
ステップS508において、画像データ送信部107は、投影用PC800に対して、上記ステップS507で生成した、最適化された画像データを送信する。
上述したように、本発明の第1の実施形態の画像処理システム1によれば、位置情報管理サーバ300が無線端末400の位置情報を管理することで、無線端末400を所持するユーザ(聴講者)及び無線端末400が取り付けられた表示装置700、投影用PC800等の装置の位置情報を管理する。また、画像処理サーバ100は、位置情報管理サーバ300から、会議が行われるエリア(会議室)内の聴講者及び表示装置700の位置情報を取得する。そして、画像処理サーバ100は、会議室内の表示装置700と聴講者との距離と、聴講者のユーザ属性(視覚特性、聴覚特性)とに基づき、表示装置700に表示出力させる画像の表示態様を最適化できる。具体的には、画像処理サーバ100が、画像データに含まれる表示態様(文字サイズ等)を変更(拡大等)し、例えば文字サイズが拡大された画像データを生成する。そして、表示装置700は、表示態様が最適化されるように生成された画像データに基づく画像を表示出力する。
このように、会議等において表示装置700により表示出力された画像の文字サイズを、会議室内の聴講者の視力等の視覚特性によって、自動的に最適なサイズに調整することができる。発表者は、説明資料(画像)の拡大等を行う手間を省くことができる。
また、本発明の第1の実施形態における画像処理システム1によれば、画像処理サーバ100が実行する最適化処理は、例えば画像の文字のみが拡大された画像データを生成する。
これにより、例えば、画像全体(例えば文字とグラフ(図形)とが含まれるような資料)を拡大すると、スクリーンやディスプレイからはみ出した画像の一部が見えなくなったり、拡大を必要としない図形部分まで拡大することで見えづらくなったりするのを回避できる。
〔第1の実施形態の変形例〕
本発明の第1の実施形態の変形例における画像処理システム1は、聴講者のユーザ属性情報の一つである聴覚特性に基づき、発表者の声等の音声の聞き取りが困難な場合、表示装置700に音声に対応する字幕を表示出力させる。
図23は、本発明の第1の実施形態の変形例における画像処理システム1のシステム構成の一例を示す図である。図23に示すように、図1に示した画像処理システム1から、ネットワークN2に接続される音声処理サーバ1100をさらに備える。
音声処理サーバ1100は、マイク1000と接続され、発表者がマイクを用いて発する音声に基づき、字幕データを生成する機能を有する。なお、音声処理サーバ1100のハードウェア構成は、画像処理サーバ100と同じハードウェア構成(図3参照)であればよい。
図24は、本発明の第1の実施形態の変形例における画像処理システム1の動作手順の一例を示すシーケンス図である。なお、図24において、図19の本発明の第1の実施形態の画像処理システム1のシーケンス図に示した処理と同一の処理には同一のステップ番号を付与しており、これらの詳細な説明は省略する。
変形例では、図19に示した処理に、ステップS215〜S219の処理が追加されている。
ステップS215において、画像処理サーバ100は、上記ステップS208で取得したユーザ属性情報に含まれる聴覚特性(聴力)に基づき、字幕データの生成を行うか否かを判定する。具体的には、取得した聴覚特性の中に、音声の聞き取りが困難なことを示す情報が含まれている場合、字幕データの生成を行うと判定する。なお、この判定処理は、最適化部106により実行される。
ステップS216において、画像処理サーバ100から音声処理サーバ1100に字幕データ取得要求が送信される。
ステップS217において、音声処理サーバ1100は、マイク1000が収集した音声に基づき、字幕データを生成する。なお、字幕データの生成は、一般的な音声認識機能及び音声テキスト変換機能を有するソフトウェアが用いられればよい。
ステップS218において、音声処理サーバ1100から画像処理サーバ100に生成された字幕データを含む字幕データ取得要求応答が送信される。
ステップS219において、画像処理サーバ100は、投影用PC800に対して、字幕データを送信する。以降、投影用PC800は、表示装置700に字幕データを表示出力させる。
上述したように、第1の実施形態の変形例の画像処理システム1によれば、会議室内の聴講者の聴覚特性に基づき、発表者の音声をテキスト(字幕)に変換させた情報を、表示装置700に表示出力させることができる。
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態における画像処理システム1は、ユーザ(聴講者)が所持するスマートフォン、タブレット又はラップトップPC等の表示端末の画面に表示される画像の表示態様を最適化する。
図25は、本発明の第2の実施形態における画像処理システム1のシステム構成の一例を示す図である。第1の実施形態の画像処理システム1のシステム構成(図1参照)との相違点は、第2の実施形態では、ユーザ(聴講者)により無線端末400が取り付けられた表示端末900が所持される点である。
表示端末900は、無線ネットワークN3を介した無線LAN等の通信機能を備え、画像データに基づき画像を表示する電子機器である。表示端末900は、例えばスマートフォン、タブレット又はラップトップPC等である。なお、表示端末900は、表示装置700の一例である。
次に、第2の実施形態における画像データ最適化処理について説明する。なお、位置情報管理処理は、第1の実施形態の場合(図18参照)と同じである。
図26は、本発明の第2の実施形態における画像データ最適化処理の動作手順の一例を示すシーケンス図である。なお、図26において、図19の本発明の第1の実施形態の画像処理システム1のシーケンス図に示した処理と同一の処理には同一のステップ番号を付与しており、これらの詳細な説明は省略する。
ステップS208aにおいて、ユーザ情報管理サーバ200のユーザ情報管理部201は、ユーザ属性情報に加えて、ユーザ所有端末情報記憶部202のユーザ所有端末情報管理テーブル(図16参照)に記憶される聴講者が所持する表示端末900の「アドレス情報」を、画像処理サーバ100に送信する。
ステップS211aにおいて、最適化部106部は、ユーザ毎のユーザ属性情報に基づき表示態様が最適化された画像データを生成する。
ステップS212aにおいて、画像データ送信部107は、上記ステップS208aで受信した表示端末900の「アドレス情報」を送信先アドレスに対して、上記ステップS211aでユーザ毎に生成された最適化された画像データを送信する。
ステップS214aにおいて、表示端末900は、受信した画像データに基づき、ユーザ毎に最適化された画像データを表示出力する。
上述したように、第2の実施形態の画像処理システム1によれば、画像処理サーバ100は、各ユーザのユーザ属性情報(視覚特性、聴覚特性)に基づき表示態様が最適された画像データをユーザ毎に生成することができる。そして、画像処理サーバ100は、生成した最適化された画像データを、ユーザが所持する表示端末900毎に送信し、表示端末900はユーザ毎に最適化された画像データに基づく画像を表示出力できる。
したがって、ユーザは、各自に最適化された見やすい画像を、各自が所持する表示端末900を用いて閲覧できる。
〔第2の実施形態の変形例〕
本発明の第2の実施形態の変形例における画像処理システム1は、聴講者の視覚特性に基づき、例えば画像の視認が困難な場合、表示端末900に発表者の音声をテキスト化した音声議事録データを送信する。
図27は、本発明の第2の実施形態の変形例における画像処理システム1のシステム構成の一例を示す図である。図27に示すように、図25に示した第2の実施形態の画像処理システム1から、ネットワークN2に接続される音声処理サーバ1100をさらに備える。
音声処理サーバ1100は、マイク1000と接続され、発表者がマイクを用いて発する音声に基づき、音声議事録データを生成する機能を有する。
図28は、本発明の第2の実施形態の変形例における画像処理システム1の動作手順の一例を示すシーケンス図である。なお、図28において、図26の本発明の第2の実施形態の画像処理システム1のシーケンス図に示した処理と同一の処理には同一のステップ番号を付与しており、これらの詳細な説明は省略する。
変形例では、図26に示した処理に、ステップS215a〜S220aの処理が追加されている。また、図28の例では、図26に示したステップS212〜S214の処理は省略している。
ステップS215aにおいて、画像処理サーバ100は、上記ステップS208で取得したユーザ属性情報に含まれる視覚特性(視力)に基づき、音声議事録データの生成を行うか否かを判定する。具体的には、ユーザ毎の視覚特性が、画像の視認が困難なことを示す情報を含む場合、そのユーザのための音声議事録データの生成を行うと判定する。なお、この判定処理は、最適化部106により実行される。
ステップS216aにおいて、画像処理サーバ100から音声処理サーバ1100に音声議事録データ取得要求が送信される。
ステップS217aにおいて、音声処理サーバ1100は、マイク1000が収集した音声に基づき、音声議事録データを生成する。なお、音声議事録データの生成は、一般的な音声認識機能及び音声テキスト変換機能を有するソフトウェアが用いられればよい。
ステップS218aにおいて、音声処理サーバ1100から画像処理サーバ100に生成された音声議事録データを含む音声議事録データ取得要求応答が送信される。
ステップS219aにおいて、画像処理サーバ100は、上記ステップS215aにおいて音声議事録データの生成を要するユーザが所持する表示端末900に対して、音声議事録データを送信する。
ステップS220aにおいて、表示端末900は、音声議事録データを保存したり、再生したりする。
上述したように、第1の実施形態の変形例の画像処理システム1によれば、会議室内の聴講者の視覚特性に基づき、発表者の音声をテキスト(音声議事録)に変換させた情報を、表示端末900に送信することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。