JP2020029926A - 動的荷重対応型防振装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、機械設置後の操業において、振動レベルや変位の問題が発生した場合には、動的荷重のみに対応した対策が取れなかった。このため、機械をジャッキアップしてその下側に設置されていた防振装置を交換する対策になっていた。つまり、機械設置後に防振装置の動的固有振動のみを変更することはできなかった。機械の設置レベルを変更することなく防振装置の仕様を変更することは困難であった。
ところで、防振装置の発明ではないが、バネに皿バネを使用したバネ部材(特開2012−163134)が出願され、後に特許になっている。このバネ部材の発明の明細書中には従来技術として、図9に、シリンダー内にピストンを挟んで圧縮皿バネと引張用皿バネを備えたバネ部材を一例としてあげている(特許文献2)。
また、防振装置の仕様変更で機械側や基礎側にバネ反力が静的に発生しないで、動的荷重のみにその防振機能を発揮する防振装置が求められていた。
機械の仕様や基礎変更により、防振装置仕様を最適に合わせるケースがある。その場合に、機械をジャッキアップすることや機械レベルを変えることなく、防振装置の仕様をかえることができる装置が求められていた。
防振装置の追設時、油圧治具などの工事が必要なく、簡潔に調整できる装置が求められていた。
また、特許文献2の図9に例示した従来のバネ部材にあっては、次のような不都合が考えられる。
(1)シリンダー内に挿入されているロッドは、シリンダー両端の蓋体の貫通孔によって、その両端側が支持される所謂2点支持となり、ロッドの軸芯方向に圧縮力が作用すると座屈の影響を受け、ロッドの支持されない中央部分が軸芯直交方向に振動することになる。振動するロッドはその中央部分が最大応力値となる。また、振動するロッドの中央部分にはピストンが取り付けられていて、このピストンがシリンダー内周面に当接して、ロッドがスムーズに軸芯方向に移動しなくなり、バネ部材として機能しなくなる恐れもある。これらを回避するために、ロッドの断面を大きくする必要が生じ、部材全体も重たくなる。また、上記内容から長尺タイプには不向き構造であり改善が必要であった。
(2)ピストンを挟んでその両側に圧縮皿バネと引張用皿バネが配置されているため、内部のピストンはメカストッパーの機能を果たさない。ロッドの移動と一体となってピストンが左右何れかの軸芯方向に過度に移動しても、中央部分のピストンを止めるストッパーがないため、何れかの方向に過度に移動したピストンによって、ピストンを挟んでその両側に配置された皿バネの何れかを破損することになる。
(3)前述したように、シリンダー内にピストンを挟んで圧縮皿バネと引張用皿バネを備えているが、シリンダー内に封入された各皿バネは密閉状態にあり、その皿バネに初期荷重を付与するには専用治具が必要であり、叉そのバネ調整もできない構造である。
筒体の中央仕切体を挟んでその上下両側のロッド外周側に一対のバネがそれぞれ取り付けられているので、動的荷重対応型防振装置の設置時には一対のバネは相殺された構造になっており、静的には制御機能は作動せず、動的荷重のみに作動する。また、バネは直列2段に配置されているが並列のバネ定数となる。従って、従来型制震装置の2基分の能力を発揮できる。さらに、静的には相殺しているために、装置の設置時には構造物や基礎に反力が掛からないことになる。そして工場でバネを圧縮して取り付けているので、現地工事で油圧治具が必要でなく簡潔に調整、取り付けができる。バネ定数はバネの組み合わせにより調整可能である。
従来型防振装置と組み合わせることで構造物の静的荷重及び構造物の動的荷重の双方について機能を発揮する。つまり、従来型防振装置で構造物の荷重(自重)と主要なバネ定数を作り、構造物の動的荷重用の調整バネ定数をこの動的荷重対応型防振装置でまかなうように設定することで対応できる。
特に、バネの中で皿バネは荷重支持だけでなく、加減荷重時の皿バネ間のヒステレシス特性、つまり圧力増加の曲線と圧力減少の曲線とは同じ曲線にならないヒステリシス減衰力を生じさせる減衰効果を有しており、高い防振機能を発揮できる。また、装置の設置においてスペースメリットつまり広いスペースを必要とせず、しかも組み合わせ方法の変更による設計自由度の大きい点で優れている。この発明に係る動的荷重対応型防振装置は上下にバネを相殺させた構造なのでさらにスペースメリットに優れている。さらに、皿バネでなく減衰力を備えていないバネは絶縁機能で、防振装置として使用できる。
(1)筒体内に上下向きに挿入されているロッドは、筒体両端の端体中央部位に形成したロッド挿通孔やロッド挿入穴によってその両端側が支持され、さらにロッドの軸芯方向に圧縮力が作用すると座屈の影響を受けるロッドの中央部分が筒体の中央仕切体の形成されたロッド挿通孔によって支持される所謂3点支持状態となる。このため、ロッドの中央部分が軸芯直交方向に振動するのが阻止されて、その中央部分が破損する恐れもないため、ロッドの断面を小さくでき、ロッドの軽量化を図ることができる。
(2)ロッドの両側にストッパーがそれぞれ取り付けられているので、ロッドが筒体内部で過度に移動してもロッドの両端側のストッパーの何れかが両端体内面の何れかに先に当接してメカストッパーの機能を果たす。このため、ロッド外周側の両側に取り付けられバネの何れも破損することがない。
(3)ロッドの両側に取り付けられた両ストッパーの少なくとも一方は、ロッドの軸芯方向に螺子運動により進退移動自在に取り付けられているため、ストッパーの取り付け位置を調整でき、これにより、片側がストッパーで押止されている両方のバネに初期荷重を付与することができ、叉そのバネ調整もできる等、極めて新規的有益なる効果を奏するものである。
先ず、動的荷重対応型防振装置1を構造物aと基礎bとの間に取り付ける前に、筒体2のロッド外周側3aに取り付けられるバネの初期荷重を取り付け場所の状況に応じて調整しながら、バネを弾性域に調整する。
2 筒体
2A 下部分割筒体
2Aa 外周鍔状突起側面
2B 上部分割筒体
2Ba 外周鍔状突起側面
21 下部端体
21a 突起片
21b ロッド挿入穴
22 上部端体
22a 突起片
22b ロッド挿通孔
23 中央仕切体
23A 下部分割中央仕切体
23Aa 凸係合面
23Ab 外周鍔状突起側面
23B 上部分割中央仕切体
23Ba 凹係合面
23Bb 外周鍔状突起側面
23a ロッド挿通孔
24 連結ボルト
24a ナット
25A 下部分割筒体補強リブ
25B 上部分割筒体補強リブ
26 調整式構造物支持具
27 ベースプレート
3 ロッド
3a ロッド外周側
31 ストッパー
32 ストッパー
4 バネ
5 従来型防振装置
51 ロッド
51a 下端ストッパー
52 皿バネ
53 円筒板
54 端板
54a ロッド下端貫通孔
55 スペーサー
56 連結部材
57 調整ライナー
58 バネユニット受板
58a 挿入穴
59 ベースプレート
a 構造物
b 基礎
Claims (3)
- 構造物とその下側の基礎との間に設置される装置であって、筒体を上下向きに設け、該筒体内外をその上下軸芯方向に移動自在に挿通するロッドを筒体内に上下向きに配置し、上記筒体の上下両端に端体をそれぞれ取り付け、上記筒体の内部中央に筒体内部を上下軸芯方向に二分割する中央仕切体を設け、上記一方の下部端体の中央部位にロッドの下端部が軸芯直交方向に振動するのを阻止するロッド挿入穴を形成し他方の上部端体の中央部位にロッドの上部側が軸芯直交方向に振動するのを阻止するロッド挿通孔を形成し、上記中央仕切体の中央部位にロッドの中央部側が軸芯直交方向に振動するのを阻止するロッド挿通孔を形成し、上記両端体の内面に当接してメカストッパーの機能を果たすストッパーを上記ロッドの上下両側に取り付けると共に少なくとも一方のストッパーを螺子運動で上記ロッドの上下軸芯方向に進退移動自在に取り付け、上記筒体内の上記中央仕切体を挟んで両側の上記ストッパー間の上下向きのロッド外周側に、構造物の動的荷重に対してバネ定数が設定され構造物の静的荷重に対して相殺される一対のバネをそれぞれ取り付けたことを特徴とする動的荷重対応型防振装置。
- バネは、皿バネからなる請求項1記載の動的荷重対応型防振装置。
- 構造物とその下側の基礎との間に、静的荷重に対応する従来型防振装置と共に設置される請求項1記載の動的荷重対応型防振装置。
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JP2018156736A JP7231999B2 (ja) | 2018-08-23 | 2018-08-23 | 動的荷重対応型防振装置 |
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2018
- 2018-08-23 JP JP2018156736A patent/JP7231999B2/ja active Active
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