JP2020029925A - 複合型制震装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動エネルギーを弾性域に調整された皿バネの復元力とヒステリシス減衰力でエネルギーを吸収するのは勿論のこと、ロッド外周側に皿バネが配置されるロッドの断面を小さくして軽量化でき、メカストッパーの機能を有し、皿バネの初期荷重設定やバネ調整を可能にする。【解決手段】筒体2を備え、ロッド3を筒体2内に配置し、筒体2の両端に端体21,22を取り付け、筒体2の内部中央に中央仕切体23を設け、端体21にロッド挿入穴21bを形成し端体22にロッド挿通孔21bを形成し、中央仕切体23にロッド挿通孔23aを形成し、ストッパー31,32をロッド3の両側に取り付けると共に少なくとも一方を螺子運動で上記ロッド3に進退移動自在に取り付け、中央仕切体23を挟んで両側のロッド外周側3aに皿バネ4A,4Bを取り付けた。【選択図】 図1

Description

この発明は、強風や地震及び外力により、例えば、建築物、構造物、橋梁、産業機械、設備機器、配管、ダクトなどの構造部材に加わる振動エネルギーを吸収してその揺れを制御する制震装置に係り、特に、構造部材に加わる圧縮力や引張力の振動エネルギーを一基の装置でそれぞれ圧縮バネや引張バネで対応可能で、しかも振動エネルギーを弾性域に調整された皿バネの復元力とヒステリシス減衰力でエネルギーを吸収する複合型制震装置に関するものである。
強風や地震及び外力により、例えば、建築物、構造物、橋梁、産業機械、設備機器、配管、ダクトなどの構造部材に加わる振動エネルギーを吸収してその揺れを制御する制震装置が知られている。そして、従来の制震装置は、オイルダンパーや粘性ダンパーにバネ部材を併用して使用することが一般的であった。
また、構造部材に加わる振動エネルギーには、圧縮力や引張力があり、これらの異なる外力に対しては、それぞれ圧縮バネや引張バネで対応している。
制震装置の発明ではないが、バネに皿バネを使用したバネ部材(特開2012−163134)が出願され、後に特許になっている。このバネ部材の発明では、一つの皿バネが圧縮力と引張力の双方に対応し得るとしているが、出願人は上記内容の復元力とヒステリシス減衰力でエネルギーを吸収する効果について確認しておらず不知である。この明細書中には従来技術として、図9に、シリンダー内にピストンを挟んで圧縮皿バネと引張用皿バネを備えたバネ部材を一例としてあげている(特許文献2)。
特開2018−076639 特開2012−163134
ところで、特許文献2の図9に例示した従来のバネ部材にあっては、次のような不都合が考えられる。
(1)シリンダー内に挿入されているロッドは、シリンダー両端の蓋体の貫通孔によって、その両端側が支持される所謂2点支持となり、ロッドの軸芯方向に圧縮力が作用すると座屈の影響を受け、ロッドの支持されない中央部分が軸芯直交方向に振動することになる。振動するロッドはその中央部分が最大応力値である。また、振動するロッドの中央部分にはピストンが取り付けられていて、このピストンがシリンダー内周面に当接して、ロッドがスムーズに軸芯方向に移動しなくなり、バネ部材として機能しなくなる恐れもある。これらを回避するために、ロッドの断面を大きくする必要が生じ、部材全体も重たくなる。また、上記内容から長尺タイプには不向き構造であり改善が必要であった。
(2)ピストンを挟んでその両側に皿バネが配置されているため、内部のピストンはメカストッパーの機能を果たさない。ロッドの移動と一体となってピストンが左右何れかの軸芯方向に過度に移動しても、中央部分のピストンを止めるストッパーがないため、何れかの方向に過度に移動したピストンによって、ピストンを挟んでその両側に配置された皿バネの何れかを破損することになる。
(3)前述したように、シリンダー内にピストンを挟んで圧縮皿バネと引張用皿バネを備えているが、シリンダー内に封入された各皿バネは密閉状態にあり、その皿バネに初期荷重を付与するには専用治具が必要であり、叉そのバネ調整もできない構造である。
この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたものであって、その目的とするところは、構造部材に加わる圧縮力や引張力の振動エネルギーを一基の装置で対応可能で、しかも振動エネルギーを弾性域に調整された皿バネの復元力とヒステリシス減衰力でエネルギーを吸収するのは勿論のこと、ロッド外周側に皿バネが配置されるロッドの断面を小さくして軽量化でき、メカストッパーの機能を有し、皿バネの初期荷重設定やバネ調整を可能にする複合型制震装置を提供することにある。
以上の課題を達成するために、請求項1の発明は、構造部材に加わる圧縮力及び引張力の振動エネルギーを吸収すべく部材間に介装される制震装置であって、筒体を備え、該筒体内外をその軸芯方向に移動自在に挿通するロッドを筒体内に配置し、上記筒体の両端に端体をそれぞれ取り付け、上記筒体の内部中央に筒体内部を軸芯方向に二分割する中央仕切体を設け、上記一方の端体の中央部位にロッドの端部が軸芯直交方向に振動するのを阻止するロッド挿入穴を形成し他方の端体の中央部位にロッドの端部側が軸芯直交方向に振動するのを阻止するロッド挿通孔を形成し、上記中央仕切体の中央部位にロッドの中央部側が軸芯直交方向に振動するのを阻止するロッド挿通孔を形成し、上記端体の内面に当接してメカストッパーの機能を果たすストッパーを上記ロッドの両側に取り付けると共に少なくとも一方のストッパーを螺子運動で上記ロッドの軸芯方向に進退移動自在に取り付け、上記筒体内の上記中央仕切体を挟んで両側の上記ストッパー間のロッド外周側に皿バネを相方に取り付けた手段よりなるものである。
また、以上の課題を達成するために、請求項2の発明は、構造部材に加わる圧縮力及び引張力の振動エネルギーを吸収すべく部材間に介装される制震装置であって、筒体を備え、該筒体内外をその軸芯方向に移動自在に挿通するロッドを筒体内に配置し、上記筒体の両端に端体をそれぞれ取り付け、上記筒体の内部中央に筒体内部を軸芯方向に二分割する中央仕切体を設け、上記両方の端体の中央部位にロッドの端部側が軸芯直交方向に振動するのを阻止するロッド挿通孔をそれぞれ形成し、上記中央仕切体の中央部位にロッドの中央部側が軸芯直交方向に振動するのを阻止するロッド挿通孔を形成し、上記端体の内面に当接してメカストッパーの機能を果たすストッパーを上記ロッドの両側に取り付けると共に少なくとも一方のストッパーを螺子運動で上記ロッドの軸芯方向に進退移動自在に取り付け、上記筒体内の上記中央仕切体を挟んで両側の上記ストッパー間のロッド外周側に皿バネを相方に取り付けた手段よりなるものである。
ここで、請求項1,2の好ましい態様として、皿バネは、ロッド外周側に2枚重ねの複数の皿バネの傾斜向きが交互に逆向きになるように取り付けられている。請求項2の好ましい態様として、横置する筒体の下部にはベースプレートが取り付けられている。
課題を解決するための手段よりなる請求項1,2の発明に係る複合型制震装置によれば、次のような効果を奏することができる。
複合型制震装置は、筒体の中央仕切体を挟んでその両側のロッド外周側に皿バネとを取り付けているので、皿バネは振動を受けた場合において、圧力増加の曲線と圧力減少の曲線とは同じ曲線にならないヒステリシス減衰力を生じさせることができ、弾性バネ機能の他に減衰機能も兼ね備え、この弾性バネ機能と減衰機能の双方の働きで、構造部材に加わる引張力及び圧縮力による振動エネルギーを吸収してその揺れを制御する機能を果たす。
特に、ロッド外周側に皿の傾斜向きが交互に逆向きになるように取り付ける。また、皿バネの重ね枚数を増やすことで高い減衰力と弾性力を発揮させることもでき、高めた減衰力と弾性力で、引張力及び圧縮力による振動エネルギーをさらに吸収して、その揺れをより制御することができる。
即ち、皿バネの組み合わせで得られるヒステリシス特性を用いて、小変位には動的バネ定数が高く、耐震と制震機能を発揮する。また、大変位には動的バネ定数が小さくなる特性があり、バネの反力が低減されて制震機能を発揮することにより、従来からの問題であった大変位の主柱、主梁に掛かる荷重を軽減できる特性を有している。
複合型制震装置の設置時には反力がなく、外力が働くと同時に弾性バネと減衰が働く機能を有し、また、弾性力と減衰力は皿バネの組み合わせにより自由度が大きい。皿バネを例えば2枚重ねにすれば、単体装置で2倍の弾性力が出せ、装置のコストダウンを計ることができる。
筒体の中央仕切体を挟んでその両側のロッド外周側に皿バネとが取り付けられているので、複合型制震装置の設置時には相方の皿バネは相殺された構造になっており、静的には制御機能は作動せず、動的荷重のみに作動する。また、バネは直列2段に配置されているが並列のバネ定数となる。従って、従来型制震装置の2基分の能力を発揮できる。さらに、静的には相殺しているために、装置の設置時には柱や梁及び設置する面に反力が掛からないことになる。そして工場でバネを圧縮して取り付けているので、現地工事で油圧治具が必要でなく簡潔に調整、取り付けができる。バネ定数は皿バネの組み合わせにより調整可能である。
さらに、請求項2の発明にあっては、複合型制震装置を左右対称な構造にすることができ、あらゆるものに取り付けて左右の上下などの制震が可能となる。長尺にも対応可能となる。特に、ベースプレートを取り付けることで更にこれを高めることができる。また、ロッドの可動域に新たなバネを設置してバネ定数を上げることもできる。
上記の効果に加えて、次のような効果をさらに奏することができる。
(1)筒体内に挿入されているロッドは、筒体両端の端体中央部位に形成したロッド挿通孔やロッド挿入穴によってその両端側が支持され、さらにロッドの軸芯方向に圧縮力が作用すると座屈の影響を受けるロッドの中央部分が筒体の中央仕切体の形成されたロッド挿通孔によって支持される所謂3点支持状態となる。このため、ロッドの中央部分が軸芯直交方向に振動するのが阻止されて、その中央部分が破損する恐れもないため、ロッドの断面を小さくでき、ロッドの軽量化を図ることができる。
(2)ロッドの両側にストッパーがそれぞれ取り付けられているので、ロッドが筒体内部で過度に移動してもロッドの両端側のストッパーの何れかが両端体内面の何れかに先に当接してメカストッパーの機能を果たす。このため、ロッド外周側の両側に取り付けられ引張皿バネ、圧縮皿バネの何れも破損することがない。
(3)ロッドの両側に取り付けられた両ストッパーの少なくとも一方は、ロッドの軸芯方向に螺子運動により進退移動自在に取り付けられているため、ストッパーの取り付け位置を調整でき、これにより、片側がストッパーで押止される相方の皿バネに初期荷重を付与することができ、叉そのバネ調整もできる等、極めて新規的有益なる効果を奏するものである。
(A)はこの発明を実施するための形態−1を示す複合型制震装置の概略構成図、(B)は同図(A)の正面図、(C)は同図(A)の複合型制震装置を軸芯回りに45度回転させたときの概略構成図である。 (A)〜(H)はこの発明を実施するための形態−1を示す複合型制震装置の取り付け例図である。 (A)はこの発明を実施するための形態−2を示す複合型制震装置の概略構成図、(B)は同図(A)の正面図、(C)は同図(A)の複合型制震装置を軸芯回りに45度回転させたときの概略構成図である。 (A)〜(H)はこの発明を実施するための形態−2を示す複合型制震装置の取り付け例図である。 (A)〜(D)はこの発明を実施するための形態−1,2における皿バネの組み合わせ図である。
以下、図面に記載の発明を実施するための形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。
〈実施の形態−1〉
図1において、複合型制震装置1は、強風や地震及び外力により、例えば、建築物、構造物、橋梁、産業機械、設備機器、配管、ダクトなどの構造部材に加わる振動エネルギーを吸収してその揺れを制御するもので、構造部材に加わる圧縮力や引張力の振動エネルギーを一基の装置で相方の皿バネで対応可能で、しかも振動エネルギーを弾性域に調整された各皿バネの復元力とヒステリシス減衰力でエネルギーを吸収する特徴を備えている。
複合型制震装置1は、構造部材に加わる圧縮力及び引張力の振動エネルギーを吸収すべく部材間に介装される装置で、筒体2、筒体2内に配置されたロッド3、筒体2の両端に設けられた端体21,22、筒体2の内部中央に設けられた中央仕切体23、ロッド3の両側に取り付けられたストッパー31,32、中央仕切体23を挟んで両側のストッパー31,32間のロッド外周側3aにそれぞれ取り付けられた皿バネ4A,4Bなどから主に構成されている。
筒体2は、例えば円筒体から構成されていて、内部は断面円形の孔が軸芯方向に形成され、その両端は開口されている。筒体2の内部にはロッド3がその軸芯方向に移動自在に配置されている。叉筒体2の内部には皿バネ4A,4Bが内装されている。筒体2の開口された両端には、内部を塞ぐ端体21,22がそれぞれ取り付けられている。
端体21は厚みのある円形の形状をしており、筒体2を塞ぐ側には筒体2の円形内径と同径の円形の突起片21aが突出形成されており、この突起片21aが筒体2の端部の円形孔に嵌入されて、開口する筒体2の端部を確実に塞いでいる。端体21の円形の突起片21aが形成された中央部位には、円形のロッド挿入穴21bが形成されている。
このロッド挿入穴21bには、ロッド3の端部側が挿入されると共に、ロッド挿入穴21bを進退移動自在に摺動する構造になっており、ロッド3の端部側が軸芯直交方向に振動するのが阻止されて支持されている。ロッド挿入穴21bの内径はロッド3の端部の外径よりわずかに大きく、この挿入穴21b内をロッド3の端部側がスムーズに摺動できる構造になっている。ロッド挿入穴21bの穴奥側は塞がれている。
内側にロッド挿入穴21bが形成された端体21の外側表面には、取付具24が溶接などによって一体的に固設されている。取付具24は例えばその先端側は半円形の丸みをおびた形状をしており、後端側は端体21の外側表面に向かって末広がり状に形成されている。この取付具24は筒体2の端部を構造部材に取り付け連結するためのもので、このため、丸みを帯びた先端側の中央には連結孔24aが形成されている。
端体21の反対側に取り付けられる端体22も厚みのある円形の形状をしており、筒体2を塞ぐ側には筒体2の円形内径と同径の円形の突起片22aが僅かに突出形成されており、この突起片22aが筒体2の端部の円形孔に嵌入されて、開口する筒体2の端部を確実に塞いでいる。端体22の円形の突起片22aが形成された中央部位には、外部に貫通する円形のロッド挿通孔22bが形成されている。
端部が筒体2の外部に延びるロッド3の他方の端部側が、このロッド挿通孔22bに貫通して取り付けられ、ロッド挿通孔22bを進退移動自在に摺動して貫通する構造になっており、ロッド3の貫通する他方の端部側が軸芯直交方向に振動するのが阻止されて支持されている。ロッド挿通孔22bの内径はロッド3の貫通する他方の端部側の外径よりわずかに大きく、この挿通孔22b内をロッド3の貫通する他方の端部側がスムーズに摺動できる構造になっている。
筒体2の内部中央には、筒体内部を軸芯方向に二分割する円形の中央仕切体23が設けられている。この中央仕切体23の中央部位には、貫通する円形のロッド挿通孔23aが形成されている。円形の中央仕切体23は筒体2の内周側面からその内部中央のロッド挿通孔23aに向かって突起する円環状の形状に形成されている。突出中央仕切体23で仕切られて分割された筒体2の内部の二つの室内はこのロッド挿通孔23aを通じて連通している。
筒体2の内部を二つに仕切る中央仕切体23は、これを挟んでその両側に取り付けられた皿バネ4A,4Bを、ロッド3の両側に取り付けたストッパー31,32と協働してそれぞれその両側から挟持して支持する機能を果たす。筒体2の内周側面からその内部中央のロッド挿通孔23aに向かって突起する円環状の中央仕切体23の両側の表面側に、皿バネ4A,4Bの一方の端部が当接して係止されており、中央仕切体23は皿バネ4A,4Bのメカストッパーの機能を果たしている。
筒体2の内部に収容されたロッド3の中央部側が、このロッド挿通孔23aに貫通して取り付けられ、ロッド挿通孔23aを進退移動自在に摺動して貫通する構造になっており、ロッド3の貫通する中央部側が軸芯直交方向に振動するのが阻止されて支持されている。ロッド挿通孔23aの内径はロッド3の貫通する中央部側の外径よりわずかに大きく、この挿通孔内をロッド3の貫通する中央部側がスムーズに摺動できる構造になっている。
筒体2の内部に収容されたロッド3は、軸芯直交方向に対して、その両端部側がロッド挿入穴21b及びロッド挿通孔22bによりそれぞれ支持され、叉その中央部側がロッド挿通孔23aにより支持される、所謂3点支持状態となっていて、軸芯直交方向への移動が阻止されている。
特に、ロッド3に作用する圧縮力により、座屈やこれに伴う軸芯直交方向への振動が最大になるロッド3の中央部側がロッド挿通孔23aにより支持されるため、座屈やこれに伴う軸芯直交方向への振動を可能な限り小さくすることができる。このため、筒体2の内部に挿通されるロッド3はその断面が小さいものを使用でき、ロッド3の重量化を防いで軽量化を図ることが可能となる。
ところで、筒体2は中央仕切体23を基準に二つ分割された分割筒体2A,2Bから構成されている。これは、筒体2は内部中央の内周側面から中央側に向かって円環状に突起する中央仕切体23が形成されているが、筒体2の内部に中央仕切体23を精度良く形成することは大変なためである。
このため、前記端体21が取り付けられる側の反対側の分割筒体2Aの端部に、分割中央仕切体23Aが形成されている。同様に、前記端体22が取り付けられる側の反対側の分割筒体2Bの端部に、分割中央仕切体23Bが形成されている。そして、分割筒体2Aの分割中央仕切体23Aと分割筒体2Bの分割中央仕切体23Bを一体的に連結結合させて、筒体2が形成されている。
分割中央仕切体23Aと分割中央仕切体23Bのそれぞれの接合面には、連結結合させたときに互いに凹凸係合してずれないように、その中央部位にはロッド挿通孔23aの直径よりも大きな円形の凸係合面23Aaと円形の凹係合面23Baとが形成されている。そして、分割中央仕切体23Aの凸係合面23Aaと、分割中央仕切体23Bの凹係合面23Baとが、凹凸係合することより連結結合されて、一体化した筒体2が形成されることになる。
筒体2の円筒状の外周側面には、円周方向に等間隔で筒体2の軸芯方向に向けて、分割筒体2A,2Bを一体化して連結結合させる複数の連結長軸ボルト25及び連結ボルト25bが交互に取り付けられている。例えば、連結長軸ボルト25と連結ボルト25bは円周方向に45度の角度ごとに交互に取り付けられている。このため、筒体2の両端及び中央仕切体23の3カ所の外周側面には、連結長軸ボルト25及び連結ボルト25bが取り付けられるように鍔状に突起した円形側面の外周鍔状突起側面2Aa,23Ab,23Bb,2Baがそれぞれ形成されている。
筒体2の外周側面に突起形成された各外周鍔状突起側面2Aa,23Ab,23Bb,2Baの円形の外径は同一になっている。外周側面に突起形成された各外周鍔状突起側面2Aa,23Ab,23Bb,2Baには、円周方向に等間隔で、複数の連結用のボルト孔がそれぞれ形成されている。
筒体2の両端の外周側面に外周鍔状突起側面2Aa,2Baが形成されている関係で、筒体2の両端に取り付けられる端体21,22の外周縁もこれら外周鍔状突起側面2Aa,2Baに係合するために、外側に向けてその外径が広がり、端体21,22の外径は、外周鍔状突起側面2Aa,2Baの外径と同一になるように形成されている。また、端体21,22の外周縁側にも円周方向に等間隔で、複数の連結用のボルト孔がそれぞれ形成されている。
このうち、複数の連結長軸ボルト25は、これら端体21の外周縁側、外周鍔状突起側面2Aa,23Ab,23Bb,2Ba、及び端体22の外周縁側に、それぞれ形成された連結用のボルト孔を軸芯方向に平行に串差し状に貫通して、それぞれのボルト孔に各ナット25aで締め付けることで、分割筒体2A,2Bをその軸芯方向に一体的に連結結合している。一方、連結ボルト25bは、下部端体21の外周縁側と下部分割筒体2Aの外周鍔状突起側面2Aaを、叉下部分割筒体2Aの外周鍔状突起側面23Abと上部分割筒体2Bの外周鍔状突起側面23Bbを、叉上部分割筒体2Bの外周鍔状突起側面2Baと上部端体22の外周縁側を、それぞれの連結用のボルト孔に装着されて連結されている。そして、各連結ボルト25bを各ナット25aで締め付けることで、各部材同士は筒体2の軸芯方向に一体的に連結結合されている。
上記ロッド3は上記筒体2の内部中心にその軸芯方向に向けて配置され、一部が上記端体22に形成されたロッド挿通孔22bを挿通して筒体2の外部まで延びている。筒体2の内部のロッド3の外周側面には端体21,22寄りの2カ所にストッパー31,32が取り付けられている。ストッパー31,32は、上記中央仕切体23を挟んで両側の筒体2の内部に位置する箇所に取り付けられている。ストッパー31,32は、筒体2の内径より小さい円形断面を有する厚みのある例えば円筒形部材から形成されている。
ロッド3はその一方の端部が、端体21の内面中央部位に形成されたロッド挿入穴21bに挿入されていて、その挿入された状態で進退移動動自在に摺動するように取り付けられて支持されている。ロッド3の中間部側は、中央仕切体23の中央部位に形成されたロッド挿通孔23aに挿通されていて、その挿通された状態で往復動自在に摺動するように取り付けられて支持されている。また、ロッド3の他方の端部側は、端体22の中央部位に形成されたロッド挿通孔22bを挿通してその先端は筒体2の外部まで延びている。ロッド挿通孔22bに挿通された状態で往復動自在に摺動するように取り付けられて支持されている。
ロッド3に取り付けられたストッパー31,32は、上記中央仕切体23を挟んでロッド外周側3aに相方に取り付けられた皿バネ4A,4Bを、中央仕切体23と協働として両側に支持する機能を果たす。また、ストッパー31,32は端体21,22に当接することでロッド3が過度に移動するのを阻止するメカストッパーの機能を果たし、皿バネ4A,4Bに過度の負荷が作用して破損するのを未然に防いでいる。
ロッド3の両側に取り付けられたストッパー31,32の少なくとも一方は、螺子運動でロッド3の軸芯方向に進退移動自在に取り付けられている。このため、進退移動自在に取り付けられる側のロッド3の側周面には螺子山が形成されている。また、進退移動自在に取り付けられるストッパー31,32の何れか或いは双方は、ナット状になっていて、円筒内周面にも螺子山が形成されていて、螺子山が形成された側のロッド3の側周面に螺合して軸芯方向に進退移動できる構造になっている。ストッパー31,32の何れかがロッド3に固定して取り付けられる場合には、例えば螺子加工を施し固設される。
筒体2の端体22のロッド挿通孔22bを挿通して外部に延びたロッド3の他方の端部には、調整式取付具26がロッド3の軸芯方向にその長さが調整可能に螺合されて取り付けられている。このため、ロッド3の他方の端部の先端側の外周側面には雄型の螺旋の螺子山が形成されている。ロッド3の先端側と雌雄係合する調整式取付具26には、円筒内周側面に雌型の螺子山が形成されている。
ロッド3の先端側に螺合する調整式取付具26は例えばその先端側が半円形の丸みをおびた形状をしており、この調整式取付具26も前記した取付具24と同様に筒体2の端部を構造部材に取り付け連結するためのもので、このため、丸みを帯びた先端側の中央には連結孔26aが形成されている。
調整式取付具26が取り付けられる側の外部に延びたロッド3の外周側面と端体22の外面の箇所には、必要に応じて、振動を軽減させたり、振幅を減少させたりする摩擦ダンパー27が取り付けられる。
筒体2の中央仕切体23を挟んでロッド3の一方のロッド外周側3aに取り付けられる皿バネ4Aは、弾性バネ機能の他に減衰機能も兼ね備え、この弾性バネ機能と減衰機能の双方の働きで、構造部材に加わる引張力による振動エネルギーを吸収してその揺れを制御する機能を果たす。皿バネ4Aは、ロッド外周側3aに皿バネの傾斜向きが交互に逆向きになるように取り付けられている。これにより、振動を受けた場合において、圧力増加の曲線と圧力減少の曲線とは同じ曲線にならないヒステリシス減衰力が生じて、この減衰力で引張力による振動エネルギーを吸収する。
筒体2の中央仕切体23を挟んでロッド3の他方のロッド外周側3aに取り付けられる皿バネ4Bは、弾性バネ機能の他に減衰機能も兼ね備え、この弾性バネ機能と減衰機能の双方の働きで、構造部材に加わる圧縮力による振動エネルギーを吸収してその揺れを制御する機能を果たす。皿バネ4Bは、ロッド外周側3aに皿バネの傾斜向きが交互に逆向きになるように取り付けられている。これにより、振動を受けた場合において、圧力増加の曲線と圧力減少の曲線とは同じ曲線にならないヒステリシス減衰力が生じて、この減衰力で圧縮力による振動エネルギーを吸収する。
すなわち、ヒステリシスでは、圧力増加の曲線は斜め直線に対してその上側の斜め凸状を描きながら増加していく。これに対し、圧力減少の曲線は斜め直線に対してその下側の斜め凹状を描きながら減少していく。この斜め直線に対する上側の斜め凸状曲線とその斜め直線に対する下側の斜め凹状曲線との差の分が減衰力となるのである。
なお、図1の例では、皿バネ4A,4Bは、共に2枚重ねの5段の場合を示しているが、必要に応じて、皿バネ4の重ね枚数と段数を増減できるのは勿論である。図5は、皿バネ4の1〜4枚重ねの6段の場合である。これを変更することで、ヒステリシス減衰力も変わる。制震装置の設置箇所の状況に応じて、皿バネ4の重ね枚数と段数は適宜変更されるのは勿論である。
次に、上記発明を実施するための形態−1の構成に基づく複合型制震装置1の使用について以下説明する。
先ず、複合型制震装置1の各種の構造部材に取り付ける前に、筒体2のロッド外周側3aに取り付けられる皿バネ4A,4Bの初期荷重を取り付け場所の状況に応じて調整しながら、皿バネ4A,4Bを弾性域に調整する。この調整は、ロッド3に取り付けられたストッパー31,32の何れか又は双方を、軸芯方向に進退移動させることで簡単に実現できる。つまり、これらのストッパー31,32はロッド3上で左右の何れかの方向に回すことで進退移動する。その後に、複合型制震装置1を構造部材に取り付ける。複合型制震装置1の取り付け例を図2(A)〜(H)に示す。
図2(A)は、上下の水平部材及び左右の垂直部材を補強するために対角線状に斜めに配置される斜め部材の例えば下部側に、複合型制震装置1を取り付ける場合の例である。
複合型制震装置1の例えば筒体2から延びたロッド3の先端側の調整式取付具26をその連結孔26aを利用し、ピンやボルトなどによって、斜め部材の下部側に連結する。筒体2の反対側の端体21の取付具24をその連結孔24aを利用し、ピンやボルトなどによって、垂直部材と水平部材との角部に取り付けられたブラケットに連結する。
これにより、複合型制震装置1は、斜め部材に加わる圧縮力や引張力の振動エネルギーを、弾性域に調整された皿バネの復元力とヒステリシス減衰力で吸収してその揺れを制御する機能を果たす。
図2(B)は、上下の水平部材及び左右の垂直部材を補強するために下向きにV字型の斜めに配置される2本の斜め部材の例えば上部側に、2基の複合型制震装置1を取り付ける場合の例である。
複合型制震装置1の例えば筒体2から延びたロッド3の先端側の調整式取付具26をその連結孔26aを利用し、ピンやボルトなどによって、2本の斜め部材の上部側にそれぞれ連結する。筒体2の反対側の端体21の取付具24をその連結孔24aを利用し、ピンやボルトなどによって、左右の垂直部材と上部水平部材との角部に取り付けられた各ブラケットにそれぞれ連結する。
これにより、複合型制震装置1は、2本の斜め部材に加わる圧縮力や引張力の振動エネルギーを、弾性域に調整された皿バネの復元力とヒステリシス減衰力で吸収してその揺れを制御する機能を果たす。
図2(C)は、上下の水平部材及び左右の垂直部材を補強するために、4カ所の水平部材と垂直部材との角部近くに、4基の複合型制震装置1を取り付ける場合の例である。
このうち2基の複合型制震装置1は上部の水平部材と左右の垂直部材を補強し、例えば筒体2から延びたロッド3の先端側の調整式取付具26をその連結孔26aを利用し、ピンやボルトなどによって、上部水平部材の下部に下向きに左右に取り付けられたブラケットにそれぞれ連結する。筒体2の反対側の端体21の取付具24をその連結孔24aを利用し、ピンやボルトなどによって、左右の垂直部材の内側の上側寄りに取り付けられた各ブラケットにそれぞれ連結する。
また、残りの2基の複合型制震装置1は下部の水平部材と左右の垂直部材を補強し、例えば筒体2から延びたロッド3の先端側の調整式取付具26をその連結孔26aを利用し、ピンやボルトなどによって、下部水平部材の上部に上向きに左右に取り付けられたブラケットにそれぞれ連結する。筒体2の反対側の端体21の取付具24をその連結孔24aを利用し、ピンやボルトなどによって、左右の垂直部材の内側の下側寄りに取り付けられた各ブラケットにそれぞれ連結する。
これにより、複合型制震装置1は、上下の水平部材及び左右の垂直部材に加わる圧縮力や引張力の振動エネルギーを、弾性域に調整された皿バネの復元力とヒステリシス減衰力で吸収してその揺れを制御する機能を果たす。
図2(D)は、上下の水平部材及び左右の垂直部材を補強するために下向きにV字型の斜めに配置される2本の斜め部材の下部が取り付けられるブラケットの左右に、2基の複合型制震装置1を取り付ける場合の例である。この例では左右の複合型制震装置1は、下部水平部材の上に配置された補助下部水平部材の上面に水平に横置されている。
このうち左側の複合型制震装置1は、例えば筒体2から延びたロッド3の先端側の調整式取付具26をその連結孔26aを利用し、ピンやボルトなどによって、ブラケットの左側下部に連結する。筒体2の反対側の端体21の取付具24をその連結孔24aを利用し、ピンやボルトなどによって、左側の垂直部材の内側下部に連結する。
また、右側の複合型制震装置1は、例えば筒体2から延びたロッド3の先端側の調整式取付具26をその連結孔26aを利用し、ピンやボルトなどによって、ブラケットの右側下部に連結する。筒体2の反対側の端体21の取付具24をその連結孔24aを利用し、ピンやボルトなどによって、右側の垂直部材の内側下部に連結する。
これにより、複合型制震装置1は、V字型の斜めに配置される2本の斜め部材に加わる圧縮力や引張力の振動エネルギーを、弾性域に調整された皿バネの復元力とヒステリシス減衰力で吸収してその揺れを制御する機能を果たす。
図2(E)は、橋梁を補強するために、橋梁の上部水平部材と複数の垂直部材との角部近くに、複数の複合型制震装置1を取り付ける場合の例である。
複合型制震装置1の例えば筒体2から延びたロッド3の先端側の調整式取付具26をその連結孔26aを利用し、ピンやボルトなどによって、上部水平部材の下部に下向きに取り付けられたブラケットに連結する。筒体2の反対側の端体21の取付具24をその連結孔24aを利用し、ピンやボルトなどによって、垂直部材の内側の上側寄りに取り付けられたブラケットに連結する。
これにより、複合型制震装置1は、橋梁の上部水平部材及び垂直部材に加わる圧縮力や引張力の振動エネルギーを、弾性域に調整された皿バネの復元力とヒステリシス減衰力で吸収してその揺れを制御する機能を果たす。
図2(F)は、設置された産業機械を補強するために、産業機械の下部と産業機械が設置される床面との間に、例えば2基の複合型制震装置1を取り付ける場合の例である。
複合型制震装置1の例えば筒体2から延びたロッド3の先端側の調整式取付具26をその連結孔26aを利用し、ピンやボルトなどによって、産業機械の下部に下向きに取り付けられたブラケットに連結する。筒体2の反対側の端体21の取付具24をその連結孔24aを利用し、ピンやボルトなどによって、床面に上向きに取り付けられたブラケットに連結する。
これにより、複合型制震装置1は、産業機械に加わる圧縮力や引張力の振動エネルギーを、弾性域に調整された皿バネの復元力とヒステリシス減衰力で吸収してその揺れを制御する機能を果たす。
図2(G)は、設置された配管を補強するために、支柱に支えられる配管の下部と配管が支柱を介して設置される床面との間に、例えば2基の複合型制震装置1を取り付ける場合の例である。
複合型制震装置1の例えば筒体2から延びたロッド3の先端側の調整式取付具26をその連結孔26aを利用し、ピンやボルトなどによって、支柱が設置された近くの床面に上向きに取り付けられたブラケットに連結する。筒体2の反対側の端体21の取付具24をその連結孔24aを利用し、ピンやボルトなどによって、支柱の近くの配管の下部に下向きに取り付けられたブラケットに連結する。
これにより、複合型制震装置1は、配管に加わる圧縮力や引張力の振動エネルギーを、弾性域に調整された皿バネの復元力とヒステリシス減衰力で吸収してその揺れを制御する機能を果たす。
図2(H)は、上向きに曲げられて設置された配管を補強するために、上向きの配管と上向きの配管のそばの垂直壁面との間に、例えば複合型制震装置1を取り付ける場合の例である。
複合型制震装置1の例えば筒体2から延びたロッド3の先端側の調整式取付具26をその連結孔26aを利用し、ピンやボルトなどによって、上向きの配管のそばの垂直壁面に取り付けられたブラケットに連結する。筒体2の反対側の端体21の取付具24をその連結孔24aを利用し、ピンやボルトなどによって、垂直壁面の近くの配管の側面に取り付けられたブラケットに連結する。
これにより、複合型制震装置1は、配管に加わる圧縮力や引張力の振動エネルギーを、弾性域に調整された皿バネの復元力とヒステリシス減衰力で吸収してその揺れを制御する機能を果たす。
〈実施の形態−2〉
図3において、複合型制震装置6は、強風や地震及び外力により、例えば、建築物、構造物、橋梁、産業機械、設備機器、配管、ダクトなどの構造部材に加わる振動エネルギーを吸収してその揺れを制御するもので、構造部材に加わる圧縮力や引張力の振動エネルギーを一基の装置で相方の皿バネで対応可能で、しかも振動エネルギーを弾性域に調整された各皿バネの復元力とヒステリシス減衰力でエネルギーを吸収する特徴を備えている。
複合型制震装置6は、構造部材に加わる圧縮力及び引張力の振動エネルギーを吸収すべく部材間に介装される装置で、左右対称な構造から構成されており、筒体7、筒体7内に配置されたロッド8、筒体7の両端に設けられた端体71,72、筒体7の内部中央に設けられた中央仕切体73、ロッド8の両側に取り付けられたストッパー81,82、中央仕切体73を挟んで両側のストッパー81,82間のロッド外周側8aにそれぞれ取り付けられた皿バネ9A,9B、及びベースプレート78などから主に構成されている。
筒体7は、例えば円筒体から構成されていて、内部は断面円形の孔が軸芯方向に形成され、その両端は開口されている。筒体7の内部にはロッド8がその軸芯方向に移動自在に配置されている。叉筒体7の内部には皿バネ9A,9Bが内装されている。筒体7の開口された両端には、内部を塞ぐ端体71,72がそれぞれ取り付けられている。
筒体7の両端に取り付けられる端体71,72は厚みのある円形の形状をしており、筒体7を塞ぐ側には筒体7の円形内径と同径の円形の突起片71a,72aが僅かに突出形成されており、この突起片71a,72aが筒体7の端部の円形孔に嵌入されて、開口する筒体7の端部を確実に塞いでいる。端体71,72の円形の突起片71a,72aが形成された中央部位には、外部に貫通する円形のロッド挿通孔71b,72bがそれぞれ形成されている。
両端が筒体7の外部に延びるロッド8の両端部側は、この両ロッド挿通孔71b,72bに貫通して取り付けられ、ロッド挿通孔71b,72bを進退移動自在に摺動して貫通する構造になっており、ロッド8の貫通する両端部側が軸芯直交方向に振動するのが阻止されて支持されている。ロッド挿通孔71b,72bの内径はロッド8の貫通する両端部側の外径よりわずかに大きく、この挿通孔71b,72b内をロッド8の貫通する両端部側がスムーズに摺動できる構造になっている。
筒体7の内部中央には、筒体内部を軸芯方向に二分割する円形の中央仕切体73が設けられている。この中央仕切体73の中央部位には、貫通する円形のロッド挿通孔73aが形成されている。円形の中央仕切体73は筒体7の内周側面からその内部中央のロッド挿通孔73aに向かって突起する円環状の形状に形成されている。突出中央仕切体73で仕切られて分割された筒体7の内部の二つの室内はこのロッド挿通孔73aを通じて連通している。
筒体7の内部を二つに仕切る中央仕切体73は、これを挟んでその両側に取り付けられた皿バネ9A,9Bを、ロッド8の両側に取り付けたストッパー81,82と協働してそれぞれその両側から挟持して支持する機能を果たす。筒体7の内周側面からその内部中央のロッド挿通孔73aに向かって突起する円環状の中央仕切体73の両側の表面側に、皿バネ9A,9Bの一方の端部が当接して係止されており、中央仕切体73は皿バネ9A,9Bのメカストッパーの機能を果たしている。
筒体7の内部に収容されたロッド8の中央部側が、このロッド挿通孔73aに貫通して取り付けられ、ロッド挿通孔73aを進退移動自在に摺動して貫通する構造になっており、ロッド8の貫通する中央部側が軸芯直交方向に振動するのが阻止されて支持されている。ロッド挿通孔73aの内径はロッド8の貫通する中央部側の外径よりわずかに大きく、この挿通孔内をロッド8の貫通する中央部側がスムーズに摺動できる構造になっている。
筒体7の内部に収容されたロッド8は、軸芯直交方向に対して、その両端部側がロッド挿通孔71b,72bによりそれぞれ支持され、叉その中央部側がロッド挿通孔73aにより支持される、所謂3点支持状態となっていて、軸芯直交方向への移動が阻止されている。
特に、ロッド8に作用する圧縮力により、座屈やこれに伴う軸芯直交方向への振動が最大になるロッド8の中央部側がロッド挿通孔73aにより支持されるため、座屈やこれに伴う軸芯直交方向への振動を可能な限り小さくすることができる。このため、筒体7の内部に挿通されるロッド8はその断面が小さいものを使用でき、ロッド8の重量化を防いで軽量化を図ることが可能となる。
ところで、筒体7は中央仕切体73を基準に二つ分割された分割筒体7A,7Bから構成されている。これは、筒体7は内部中央の内周側面から中央側に向かって円環状に突起する中央仕切体73が形成されているが、筒体7の内部に中央仕切体73を精度良く形成することは大変なためである。
このため、前記端体71が取り付けられる側の反対側の分割筒体7Aの端部に、分割中央仕切体73Aが形成されている。同様に、前記端体72が取り付けられる側の反対側の分割筒体7Bの端部に、分割中央仕切体73Bが形成されている。そして、分割筒体7Aの分割中央仕切体73Aと分割筒体7Bの分割中央仕切体73Bを一体的に連結結合させて、筒体7が形成されている。
分割中央仕切体73Aと分割中央仕切体73Bのそれぞれの接合面には、連結結合させたときに互いに凹凸係合してずれないように、その中央部位にはロッド挿通孔73aの直径よりも大きな円形の凸係合面73Aaと円形の凹係合面73Baとが形成されている。そして、分割中央仕切体73Aの凸係合面73Aaと、分割中央仕切体73Bの凹係合面73Baとが、凹凸係合することより連結結合されて、一体化した筒体7が形成されることになる。
筒体7の円筒状の外周側面には、円周方向に等間隔で筒体7の軸芯方向に向けて、分割筒体7A,7Bを一体化して連結結合させる複数の連結長軸ボルト75及び連結ボルト75bが交互に取り付けられている。例えば、連結長軸ボルト75と連結ボルト75bは円周方向に45度の角度ごとに交互に取り付けられている。このため、筒体7の両端及び中央仕切体73の3カ所の外周側面には、連結長軸ボルト75及び連結ボルト75bが取り付けられるように鍔状に突起した円形側面の外周鍔状突起側面7Aa,73Ab,73Bb,7Baがそれぞれ形成されている。
筒体7の外周側面に突起形成された各外周鍔状突起側面7Aa,73Ab,73Bb,7Baの円形の外径は同一になっている。外周側面に突起形成された各外周鍔状突起側面7Aa,73Ab,73Bb,7Baには、円周方向に等間隔で、複数の連結用のボルト孔がそれぞれ形成されている。
筒体7の両端の外周側面に外周鍔状突起側面7Aa,7Baが形成されている関係で、筒体7の両端に取り付けられる端体71,72の外周縁もこれら外周鍔状突起側面7Aa,7Baに係合するために、外側に向けてその外径が広がり、端体71,72の外径は、外周鍔状突起側面7Aa,7Baの外径と同一になるように形成されている。また、端体71,72の外周縁側にも円周方向に等間隔で、複数の連結用のボルト孔がそれぞれ形成されている。
このうち、複数の連結長軸ボルト75は、これら端体71の外周縁側、外周鍔状突起側面7Aa,73Ab,73Bb,7Ba、及び端体72の外周縁側に、それぞれ形成された連結用のボルト孔を軸芯方向に平行に串差し状に貫通して、それぞれのボルト孔に各ナット75aで締め付けることで、分割筒体7A,7Bをその軸芯方向に一体的に連結結合している。一方、連結ボルト75bは、下部端体71の外周縁側と下部分割筒体7Aの外周鍔状突起側面7Aaを、叉下部分割筒体7Aの外周鍔状突起側面73Abと上部分割筒体7Bの外周鍔状突起側面73Bbを、叉上部分割筒体7Bの外周鍔状突起側面7Baと上部端体72の外周縁側を、それぞれの連結用のボルト孔に装着されて連結されている。そして、各連結ボルト75bを各ナット75aで締め付けることで、各部材同士は筒体7の軸芯方向に一体的に連結結合されている。
上記ロッド8は上記筒体7の内部中心にその軸芯方向に向けて配置され、両端部が上記端体71,72に形成されたロッド挿通孔71b,72bを挿通して筒体7の外部まで延びている。筒体7の内部のロッド8の外周側面には端体71,72寄りの2カ所にストッパー81,82が取り付けられている。ストッパー81,82は、上記中央仕切体73を挟んで両側の筒体7の内部に位置する箇所に取り付けられている。ストッパー81,82は、筒体7の内径より小さい円形断面を有する厚みのある例えば円筒形部材から形成されている。
ロッド8の両端部側は、端体71,72の中央部位に形成されたロッド挿通孔71b,72bを挿通してその先端は筒体7の外部まで延びている。ロッド挿通孔71b,72bに挿通された状態で往復動自在に摺動するように取り付けられて支持されている。また、ロッド8の中間部側は、中央仕切体73の中央部位に形成されたロッド挿通孔73aに挿通されていて、その挿通された状態で往復動自在に摺動するように取り付けられて支持されている。
ロッド8に取り付けられたストッパー81,82は、上記中央仕切体73を挟んでロッド外周側8aに相方に取り付けられた皿バネ9A,9Bを、中央仕切体73と協働として両側に支持する機能を果たす。また、ストッパー81,82は端体71,72に当接することでロッド8が過度に移動するのを阻止するメカストッパーの機能を果たし、皿バネ9A,9Bに過度の負荷が作用して破損するのを未然に防いでいる。
ロッド8の両側に取り付けられたストッパー81,82の少なくとも一方は、螺子運動でロッド8の軸芯方向に進退移動自在に取り付けられている。このため、進退移動自在に取り付けられる側のロッド8の側周面には螺子山が形成されている。また、進退移動自在に取り付けられるストッパー81,82の何れか或いは双方は、ナット状になっていて、円筒内周面にも螺子山が形成されていて、螺子山が形成された側のロッド8の側周面に螺合して軸芯方向に進退移動できる構造になっている。ストッパー81,82の何れかがロッド8に固定して取り付けられる場合には、例えば螺子加工を施し固設される。
筒体7の両端体71,72のロッド挿通孔71b,72bを挿通して外部に延びたロッド8の両端部には、調整式取付具74,76がロッド8の軸芯方向にその長さが調整可能に螺合されて取り付けられている。このため、ロッド8の両端部の先端側の外周側面には雄型の螺旋の螺子山が形成されている。ロッド8の先端側と雌雄係合する調整式取付具74,76には、円筒内周側面に雌型の螺子山が形成されている。
ロッド8の両先端側に螺合する調整式取付具74,76は例えばその先端側が半円形の丸みをおびた形状をしており、この調整式取付具74,76は筒体7の両端部を構造部材に取り付け連結するためのもので、このため、丸みを帯びた先端側の中央には連結孔74a,76aがそれぞれ形成されている。
調整式取付具74,76が取り付けられる側の外部に延びたロッド8の外周側面と両端体71,72の外面の箇所には、必要に応じて、振動を軽減させたり、振幅を減少させたりする摩擦ダンパー77が取り付けられる。
横置された筒体7の下部には、ベースプレート78が取り付けられている。ベースプレート78を取り付けることにより、複合型制震装置6は左右対称な構造にでき、あらゆるものに取り付けて左右の上下などの制震が可能となる。長尺にも対応可能となる。
筒体7の中央仕切体73を挟んでロッド8の一方のロッド外周側8aに取り付けられる皿バネ9Aは、弾性バネ機能の他に減衰機能も兼ね備え、この弾性バネ機能と減衰機能の双方の働きで、構造部材に加わる引張力による振動エネルギーを吸収してその揺れを制御する機能を果たす。皿バネ9Aは、ロッド外周側8aに皿バネの傾斜向きが交互に逆向きになるように取り付けられている。これにより、振動を受けた場合において、圧力増加の曲線と圧力減少の曲線とは同じ曲線にならないヒステリシス減衰力が生じて、この減衰力で引張力による振動エネルギーを吸収する。
筒体7の中央仕切体73を挟んでロッド8の他方のロッド外周側8aに取り付けられる皿バネ9Bは、弾性バネ機能の他に減衰機能も兼ね備え、この弾性バネ機能と減衰機能の双方の働きで、構造部材に加わる圧縮力による振動エネルギーを吸収してその揺れを制御する機能を果たす。皿バネ9Bは、ロッド外周側8aに皿バネの傾斜向きが交互に逆向きになるように取り付けられている。これにより、振動を受けた場合において、圧力増加の曲線と圧力減少の曲線とは同じ曲線にならないヒステリシス減衰力が生じて、この減衰力で圧縮力による振動エネルギーを吸収する。
すなわち、ヒステリシスでは、圧力増加の曲線は斜め直線に対してその上側の斜め凸状を描きながら増加していく。これに対し、圧力減少の曲線は斜め直線に対してその下側の斜め凹状を描きながら減少していく。この斜め直線に対する上側の斜め凸状曲線とその斜め直線に対する下側の斜め凹状曲線との差の分が減衰力となるのである。
なお、図3の例では、皿バネ9A,9Bは、共に2枚重ねの5段の場合を示しているが、必要に応じて、皿バネ9の重ね枚数と段数を増減できるのは勿論である。図5は、皿バネ9の1〜4枚重ねの6段の場合である。これを変更することで、ヒステリシス減衰力も変わる。制震装置の設置箇所の状況に応じて、皿バネ9の重ね枚数と段数は適宜変更されるのは勿論である。
次に、上記発明を実施するための形態−2の構成に基づく複合型制震装置6の使用について以下説明する。
先ず、複合型制震装置6の各種の構造部材に取り付ける前に、筒体7のロッド外周側8aに取り付けられる皿バネ9A,9Bの初期荷重を取り付け場所の状況に応じて調整しながら、皿バネ9A,9Bを弾性域に調整する。この調整は、ロッド8に取り付けられたストッパー81,82の何れか又は双方を、軸芯方向に進退移動させることで簡単に実現できる。つまり、これらのストッパー81,82はロッド8上で左右の何れかの方向に回すことで進退移動する。その後に、複合型制震装置6を構造部材に取り付ける。複合型制震装置6の取り付け例を図4(A)〜(H)に示す。
図4(A)は、上下の水平部材及び左右の垂直部材を補強するために対角線状に斜めに配置される斜め部材の例えば下部側に、複合型制震装置6を取り付ける場合の例である。
複合型制震装置6の例えば筒体7から延びたロッド8の先端側の調整式取付具76をその連結孔76aを利用し、ピンやボルトなどによって、斜め部材の下部側に連結する。同様に筒体7の反対側から延びたロッド8の先端側の調整式取付具74をその連結孔74aを利用し、ピンやボルトなどによって、垂直部材と水平部材との角部に取り付けられたブラケットに連結する。
これにより、複合型制震装置6は、斜め部材に加わる圧縮力や引張力の振動エネルギーを、弾性域に調整された皿バネの復元力とヒステリシス減衰力で吸収してその揺れを制御する機能を果たす。
図4(B)は、上下の水平部材及び左右の垂直部材を補強するために下向きにV字型の斜めに配置される2本の斜め部材の例えば上部側に、2基の複合型制震装置6を取り付ける場合の例である。
複合型制震装置6の例えば筒体7から延びたロッド8の先端側の調整式取付具76をその連結孔76aを利用し、ピンやボルトなどによって、2本の斜め部材の上部側にそれぞれ連結する。同様に筒体7の反対側から延びたロッド8の先端側の調整式取付具74をその連結孔74aを利用し、ピンやボルトなどによって、左右の垂直部材と上部水平部材との角部に取り付けられた各ブラケットにそれぞれ連結する。
これにより、複合型制震装置6は、2本の斜め部材に加わる圧縮力や引張力の振動エネルギーを、弾性域に調整された皿バネの復元力とヒステリシス減衰力で吸収してその揺れを制御する機能を果たす。
図4(C)は、上下の水平部材及び左右の垂直部材を補強するために、4カ所の水平部材と垂直部材との角部近くに、4基の複合型制震装置6を取り付ける場合の例である。
このうち2基の複合型制震装置6は上部の水平部材と左右の垂直部材を補強し、例えば筒体7から延びたロッド8の先端側の調整式取付具76をその連結孔76aを利用し、ピンやボルトなどによって、上部水平部材の下部に下向きに左右に取り付けられたブラケットにそれぞれ連結する。同様に筒体7の反対側から延びたロッド8の先端側の調整式取付具74をその連結孔74aを利用し、ピンやボルトなどによって、左右の垂直部材の内側の上側寄りに取り付けられた各ブラケットにそれぞれ連結する。
また、残りの2基の複合型制震装置6は下部の水平部材と左右の垂直部材を補強し、例えば筒体7から延びたロッド8の先端側の調整式取付具76をその連結孔76aを利用し、ピンやボルトなどによって、下部水平部材の上部に上向きに左右に取り付けられたブラケットにそれぞれ連結する。同様に筒体7の反対側から延びたロッド8の先端側の調整式取付具74をその連結孔74aを利用し、ピンやボルトなどによって、左右の垂直部材の内側の下側寄りに取り付けられた各ブラケットにそれぞれ連結する。
これにより、複合型制震装置6は、上下の水平部材及び左右の垂直部材に加わる圧縮力や引張力の振動エネルギーを、弾性域に調整された皿バネの復元力とヒステリシス減衰力で吸収してその揺れを制御する機能を果たす。
図4(D)は、上下の水平部材及び左右の垂直部材を補強するために下向きにV字型の斜めに配置される2本の斜め部材の下部が取り付けられるブラケットの左右に、2基の複合型制震装置6を取り付ける場合の例である。この例では左右の複合型制震装置6は、下部水平部材の上に配置された補助下部水平部材の上面に水平に横置されている。
このうち左側の複合型制震装置6は、例えば筒体7から延びたロッド8の先端側の調整式取付具76をその連結孔76aを利用し、ピンやボルトなどによって、ブラケットの左側下部に連結する。同様に筒体7の反対側から延びたロッド8の先端側の調整式取付具74をその連結孔74aを利用し、ピンやボルトなどによって、左側の垂直部材の内側下部に連結する。
また、右側の複合型制震装置6は、例えば筒体7から延びたロッド8の先端側の調整式取付具76をその連結孔76aを利用し、ピンやボルトなどによって、ブラケットの右側下部に連結する。同様に筒体7の反対側から延びたロッド8の先端側の調整式取付具74をその連結孔74aを利用し、ピンやボルトなどによって、右側の垂直部材の内側下部に連結する。
これにより、複合型制震装置6は、V字型の斜めに配置される2本の斜め部材に加わる圧縮力や引張力の振動エネルギーを、弾性域に調整された皿バネの復元力とヒステリシス減衰力で吸収してその揺れを制御する機能を果たす。
図4(E)は、橋梁を補強するために、橋梁の上部水平部材と複数の垂直部材との角部近くに、複数の複合型制震装置6を取り付ける場合の例である。
複合型制震装置6の例えば筒体7から延びたロッド8の先端側の調整式取付具76をその連結孔76aを利用し、ピンやボルトなどによって、上部水平部材の下部に下向きに取り付けられたブラケットに連結する。同様に筒体7の反対側から延びたロッド8の先端側の調整式取付具74をその連結孔74aを利用し、ピンやボルトなどによって、垂直部材の内側の上側寄りに取り付けられたブラケットに連結する。
これにより、複合型制震装置6は、橋梁の上部水平部材及び垂直部材に加わる圧縮力や引張力の振動エネルギーを、弾性域に調整された皿バネの復元力とヒステリシス減衰力で吸収してその揺れを制御する機能を果たす。
図4(F)は、設置された産業機械を補強するために、産業機械の下部と産業機械が設置される床面との間に、例えば2基の複合型制震装置6を取り付ける場合の例である。
複合型制震装置6の例えば筒体7から延びたロッド8の先端側の調整式取付具76をその連結孔76aを利用し、ピンやボルトなどによって、産業機械の下部に下向きに取り付けられたブラケットに連結する。同様に筒体7の反対側から延びたロッド8の先端側の調整式取付具74をその連結孔74aを利用し、ピンやボルトなどによって、床面に上向きに取り付けられたブラケットに連結する。
これにより、複合型制震装置6は、産業機械に加わる圧縮力や引張力の振動エネルギーを、弾性域に調整された皿バネの復元力とヒステリシス減衰力で吸収してその揺れを制御する機能を果たす。
図4(G)は、設置された配管を補強するために、支柱に支えられる配管の下部と配管が支柱を介して設置される床面との間に、例えば2基の複合型制震装置6を取り付ける場合の例である。
複合型制震装置6の例えば筒体7から延びたロッド8の先端側の調整式取付具76をその連結孔76aを利用し、ピンやボルトなどによって、支柱が設置された近くの床面に上向きに取り付けられたブラケットに連結する。同様に筒体7の反対側から延びたロッド8の先端側の調整式取付具74をその連結孔74aを利用し、ピンやボルトなどによって、支柱の近くの配管の下部に下向きに取り付けられたブラケットに連結する。
これにより、複合型制震装置6は、配管に加わる圧縮力や引張力の振動エネルギーを、弾性域に調整された皿バネの復元力とヒステリシス減衰力で吸収してその揺れを制御する機能を果たす。
図4(H)は、上向きに曲げられて設置された配管を補強するために、上向きの配管と上向きの配管のそばの垂直壁面との間に、例えば複合型制震装置6を取り付ける場合の例である。
複合型制震装置6の例えば筒体7から延びたロッド8の先端側の調整式取付具76をその連結孔76aを利用し、ピンやボルトなどによって、上向きの配管のそばの垂直壁面に取り付けられたブラケットに連結する。同様に筒体7の反対側から延びたロッド8の先端側の調整式取付具74をその連結孔74aを利用し、ピンやボルトなどによって、垂直壁面の近くの配管の側面に取り付けられたブラケットに連結する。
これにより、複合型制震装置6は、配管に加わる圧縮力や引張力の振動エネルギーを、弾性域に調整された皿バネの復元力とヒステリシス減衰力で吸収してその揺れを制御する機能を果たす。
なお、この発明は上記発明を実施するための形態−1,2に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。
1 複合型制震装置
2 筒体
2A 分割筒体
2Aa 外周鍔状突起側面
2B 分割筒体
2Ba 外周鍔状突起側面
21 端体
21a 突起片
21b ロッド挿入穴
22 端体
22a 突起片
22b ロッド挿通孔
23 中央仕切体
23A 分割中央仕切体
23Aa 凸係合面
23Ab 外周鍔状突起側面
23B 分割中央仕切体
23Ba 凹係合面
23Bb 外周鍔状突起側面
23a ロッド挿通孔
24 取付具
24a 連結孔
25 連結長軸ボルト
25a ナット
25b 連結ボルト
26 調整式取付具
26a 連結孔
27 摩擦ダンパー
3 ロッド
3a ロッド外周側
31 ストッパー
32 ストッパー
4 皿バネ
4A 皿バネ
4B 皿バネ
6 複合型制震装置
7 筒体
7A 分割筒体
7Aa 外周鍔状突起側面
7B 分割筒体
7Ba 外周鍔状突起側面
71 端体
71a 突起片
71b ロッド挿入穴
72 端体
72a 突起片
72b ロッド挿通孔
73 中央仕切体
73A 分割中央仕切体
73Aa 凸係合面
73Ab 外周鍔状突起側面
73B 分割中央仕切体
73Ba 凹係合面
73Bb 外周鍔状突起側面
73a ロッド挿通孔
74 調整式取付具
74a 連結孔
75 連結長軸ボルト
75a ナット
75b 連結ボルト
76 調整式取付具
76a 連結孔
77 摩擦ダンパー
78 ベースプレート
8 ロッド
8a ロッド外周側
81 ストッパー
82 ストッパー
9 皿バネ
9A 皿バネ
9B 皿バネ

Claims (4)

  1. 構造部材に加わる圧縮力及び引張力の振動エネルギーを吸収すべく部材間に介装される制震装置であって、筒体を備え、該筒体内外をその軸芯方向に移動自在に挿通するロッドを筒体内に配置し、上記筒体の両端に端体をそれぞれ取り付け、上記筒体の内部中央に筒体内部を軸芯方向に二分割する中央仕切体を設け、上記一方の端体の中央部位にロッドの端部が軸芯直交方向に振動するのを阻止するロッド挿入穴を形成し他方の端体の中央部位にロッドの端部側が軸芯直交方向に振動するのを阻止するロッド挿通孔を形成し、上記中央仕切体の中央部位にロッドの中央部側が軸芯直交方向に振動するのを阻止するロッド挿通孔を形成し、上記端体の内面に当接してメカストッパーの機能を果たすストッパーを上記ロッドの両側に取り付けると共に少なくとも一方のストッパーを螺子運動で上記ロッドの軸芯方向に進退移動自在に取り付け、上記筒体内の上記中央仕切体を挟んで両側の上記ストッパー間のロッド外周側に皿バネを相方に取り付けたことを特徴とする複合型制震装置。
  2. 構造部材に加わる圧縮力及び引張力の振動エネルギーを吸収すべく部材間に介装される制震装置であって、筒体を備え、該筒体内外をその軸芯方向に移動自在に挿通するロッドを筒体内に配置し、上記筒体の両端に端体をそれぞれ取り付け、上記筒体の内部中央に筒体内部を軸芯方向に二分割する中央仕切体を設け、上記両方の端体の中央部位にロッドの端部側が軸芯直交方向に振動するのを阻止するロッド挿通孔をそれぞれ形成し、上記中央仕切体の中央部位にロッドの中央部側が軸芯直交方向に振動するのを阻止するロッド挿通孔を形成し、上記端体の内面に当接してメカストッパーの機能を果たすストッパーを上記ロッドの両側に取り付けると共に少なくとも一方のストッパーを螺子運動で上記ロッドの軸芯方向に進退移動自在に取り付け、上記筒体内の上記中央仕切体を挟んで両側の上記ストッパー間のロッド外周側に皿バネを取り付けたことを特徴とする複合型制震装置。
  3. 引張皿バネ及び圧縮皿バネは、ロッド外周側に2枚重ねの複数の皿バネの傾斜向きが交互に逆向きになるように取り付けられている請求項1又は請求項2に記載の複合型制震装置。
  4. 横置する筒体の下部にはベースプレートが取り付けられている請求項2に記載の複合型制震装置。
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