JP2020029908A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボール循環通路からボールねじ溝に向けてボールを円滑に移動させてステアリングホイールの操作感を向上することができる電動パワーステアリング装置を提供する。【解決手段】ボール16が進入する端部と進入したボール16が退出する端部の間に形成されたボール循環通路24は、少なくとも所定長さの第1領域部Rgn1、所定長さの第2領域部Rgn2、及び所定長さの第3領域部Rgn3の順に分割され、第1領域部Rgn1と第3領域部Rgn3のボール循環通路の内周面はボールと1点で接触する形状に形成され、第2領域部Rgn2のボール循環通路の内周面はボールと2点で接触する形状に形成されている。第2領域部Rgn2において、ボールが2点で接触するのでボールの回転半径が小さくなり、ボールの移動速度が低減され、前後するボールが互いに接触することが抑制されて摩擦力が低減される。【選択図】図12

Description

本発明は電動パワーステアリング装置に係り、特に電動モータによってナットを回転させて操舵軸を駆動する電動パワーステアリング装置に関するものである。
最近の自動車においては、電動モータの回転をモータプーリ、無端ベルト、及びナットプーリを介してナットに伝達し、ナット内に収納された操舵軸(ラックバー)を軸方向に駆動して操舵力をアシストする、いわゆる電動パワーステアリング装置が搭載されている。
この電動パワーステアリング装置においては、ステアリングホイールが操作されることによりステアリングシャフトがいずれかの方向へ回動操作されると、このステアリングシャフトの回動方向と回動トルクとを検出し、この検出値に基づいて制御回路部が電動モータの駆動操作量を演算する。この演算された駆動操作量に基づいて電力変換回路部のパワースイッチング素子により電動モータが駆動され、電動モータの回転はモータプーリ、無端ベルト、及びナットプーリを介してナットに伝達され、ナットの回転を直動運動に変換して操舵軸を駆動することで操舵力をアシストしている。
そして、操舵軸を軸方向に駆動する回転/直動変換機構を構成するナットの外周面には、ナットと操舵軸の夫々に形成されたボールねじ溝に配置された複数のボールを、ボールねじ溝の一端側から他端側へ循環させるボール循環通路を有する循環機構が設けられている。このようなナットの構成は、特開2007-177993号公報(特許文献1)等において良く知られているものである。
特開2007-177993号公報
ところで、ナットの回転に合せてボールを循環機構のボール循環通路に循環させる場合において、次に述べるような現象を生じることが判明した。
すなわち、ナットと操舵軸の間に形成されたボールねじ溝から循環機構のボール循環通路に向けてボールを転動させて移動させるときは、ボールは滞りなくボールねじ溝からボール循環通路に移動するが、ボール循環通路からボールねじ溝に向けてボールを転動させて移動させるときは、ボールねじ溝にボールが進入し辛いことからボールの移動が滞るようになる。
ボールの移動が滞るとボールの間の隙間が狭まり、互いに前後するボールが接触することになる。このため、ボールの接触部分ではボールの転動方向が逆となるので、この接触部分の摩擦力が大きくなって、ボールの移動が円滑に行われなくなる現象が発生する。このため、操縦者はステアリングホイールの操作に違和感(例えば、操作フィーリングの悪化)を覚えることになるので、これの対策が要請されている。
本発明の目的は、ボール循環通路からボールねじ溝に向けてボールを円滑に移動させてステアリングホイールの操作感を向上することができる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、
ハウジング本体部と、操舵軸収容空間と、減速機収容空間とを備え、操舵軸収容空間は、ハウジング本体部の内部に設けられており、減速機収容空間は、ハウジング本体部の内部に設けられ、操舵軸収容空間と繋がっているハウジングと、
操舵軸本体部と、操舵軸ボールねじ溝を備え、操舵軸収容空間において操舵軸の長手方向において移動することにより、操舵輪を操舵可能であり、操舵軸本体部は、棒形状を有しており、操舵軸ボールねじ溝は、操舵軸本体部の外周側に設けられ、螺旋溝形状を有している操舵軸と、
ナット本体部と、ナットボールねじ溝を有し、減速機収容空間の内部で回転可能に設けられ、ナット本体部は筒形状を有し、操舵軸が挿入されており、ナットボールねじ溝は、ナット本体部の内周側に形成された螺旋溝形状を有し、ナットボールねじ溝と操舵軸ボールねじ溝の間に螺旋形状のボール移動通路を形成するナットと、
ボール移動通路に設けられ、ナットの回転に伴いボール移動通路の中で移動することにより、ナットの回転軸線の方向において、ナットに対して操舵軸を移動させる複数のボールと、
ナットに回転力を付与する電動アクチュエータと、
ボール移動通路の一対の端部である第1ボール移動通路端部と第2ボール移動通路端部の一方から他方へ複数のボールを循環可能であり、循環機構本体部と、ボール循環通路を有する循環機構であって、
ボール循環通路は、循環機構本体部に設けられ、複数のボールが循環する通路であって、少なくとも、所定の長さを有する第1屈曲部、所定の長さを有する第2屈曲部、所定の長さを有する第1領域部、所定の長さを有する第2領域部、及び所定の長さを有する第3領域部を有し、第1ボール移動通路端部からボール移動通路に沿って、第1領域部、第1屈曲部、第2領域部、第2屈曲部、第3領域部、第2ボール移動通路端部の順に設けられており、
ボール循環通路における前記ボールの移動方向に対し直角なボール循環通路の断面の形状を、ボール循環通路断面形状とし、ボールの中心を通るボールの断面の形状を、ボール断面形状とし、ボール循環通路断面形状の中心を循環通路中心とし、
第1屈曲部において循環通路中心に直交する平面を第1平面、第2屈曲部において循環通路中心に直交する平面を第2平面、第2領域部において循環通路中心、及びナットの回転軸線に直交する平面を第3平面とし、
第1領域部におけるボール循環通路断面形状の外縁と、第1平面とが交わる一対の交点である第1交点と第2交点のうち、ナットの回転軸線に関する径方向における外側に位置している第1交点を第1基準点とし、
第3領域部におけるボール循環通路断面形状の外縁と、第2平面とが交わる一対の交点である第3交点と第4交点のうち、ナットの回転軸線に関する径方向における外側に位置している第3交点を第2基準点とし、
第2領域部におけるボール循環通路断面形状の外縁と、第3平面とが交わる一対の交点である第5交点と第6交点のうち、ナットの回転軸線に関する径方向における外側に位置している第5交点を第3基準点としたとき、
第1領域部におけるボール循環通路断面形状は、循環通路中心に関する周方向において、第1基準点を含む所定の角度である第1角度の範囲において、ボールがボール循環通路を包囲する循環機構本体部の内周面と接触可能であり、
第3領域部におけるボール循環通路断面形状は、循環通路中心に関する周方向において、第2基準点を含む所定の角度である第2角度の範囲において、ボールがボール循環通路を包囲する循環機構本体部の内周面と接触可能であり、
第2領域部におけるボール循環通路断面形状は、循環通路中心に関する周方向において、第3基準点を含み180°より小さい所定の角度である第3角度の範囲において、ボールが、ボール循環通路を包囲する循環機構本体部の内周面と接触不可能であり、かつ第3基準点を含み180°より小さく、更に第3角度よりも大きい所定の角度である第4角度以下の範囲において、ボールがボール循環通路を包囲する循環機構本体部の内周面と2点で接触可能である循環機構と、
を有することを特徴としている。
本発明によれば、第2領域部において、ボールがボール循環通路の内周面の2点で接触する形態となってボールの回転半径が小さくなることで、ボールの移動速度が低減される。このため、ボール循環通路からボールねじ溝に向けてボールを転動させて移動させるときは、第2領域部でボールが減速され、第2領域部を通過するとボールが加速されるので、前後するボールが互いに接触することが抑制されて摩擦力が低減されるので、ボールを円滑に移動させてステアリングホイールの操作感を向上することができる。
操舵装置を車両前方側から見た正面図である。 図1に示す電動パワーステアリング装置の要部を示す要部断面図である。 図2のナット部分を拡大した要部拡大断面図である。 図3に示すナットを斜めから見た斜視図である。 図3に示すナットを径方向から見た正面図である。 図5に示すナットにチューブを取り付けた図である。 第1チューブを径方向から見た正面図である。 第1チューブ軸方向から見た図である。 第1の第1単位チューブを内部側から見た斜視図である。 第2の第1単位チューブを内部側から見た斜視図である。 第1チューブの径方向断面図である。 第1チューブと第2チューブを組み合せ、分割面に沿って分割した断面図である。 第1領域部、第1屈曲部に形成したボール循環通路の通路中心に直交する断面を示す断面図である。 第2領域部に形成したボール循環通路の通路中心に直交する断面を示す断面図である。 第2領域部に形成した他の形態のボール循環通路の通路中心に直交する断面を示す断面図である。 ボール循環通路における接触領域を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
本発明の実施形態を説明する前に、本発明の前提となる電動パワーステアリング装置と、これに使用されるナットの構成について説明する。尚、以下に説明する電動パワーステアリング装置では、モータプーリとナットプーリは無端ベルトで連結されているが、これ以外の連結部材、例えば、チェーンやギヤ等を使用することができる。
図1、及び図2において、操舵装置1は、操舵機構2、及びアシスト機構3を備えている。操舵機構2は、運転者が回転操作したステアリングホイールの回転を、前輪(転舵輪)を転舵させる棒形状の操舵軸(以下、ラックバーと表記する)4に伝達する。尚、操舵軸はラックバーを示したが、ラック歯が形成されていない操舵軸であってもよいことはいうまでもない。
操舵機構2は、ステアリングホイールと連結するステアリングシャフト2a、及びラックバー4のラックと噛み合うピニオンシャフト(図示せず)を有する。ステアリングシャフト2aとピニオンシャフトとはトーションバーで連結されている。アシスト機構3は、ラックバー4に運転者の操舵負荷を軽減するためのアシスト力を付与する。
操舵機構2、及びアシスト機構3は、ラックバー収容部(操舵軸収容空間)5a、及び減速機収容部(減速機収容空間)5bを有するハウジング5の内部に収容されている。ラックバー収容部5aは、ラックバー4を軸方向移動可能に収容する。減速機収容部5bは、ラックバー収容部5aの軸方向中間部に配置され、後述する減速機を収容する。ラックバー収容部(操舵軸収容空間)5aと減速機収容部(減速機収容空間)5bは、ハウジング本体部の内部に設けられており、それぞれ繋がっている、
アシスト機構3は、電動アクチュエータ、例えば電動モータ6、及びボールねじ機構7を有する。電動モータ6は、トーションバートルク(操舵トルク)や車速等に応じて、図示しないコントローラにより出力が制御される。ボールねじ機構7は、電動モータ6の回転運動を直線運動に変換する回転/直動兼管機構を形成しており、これによってラックバー4は軸方向に変位される。
ボールねじ機構7は、ナット8、及びナットプーリ9を有する。ナットプーリ9はナット8を包囲する円筒状に形成されている。ナットプーリ9は、4個のボルト10によりナット8に締結されている。電動モータ6の駆動軸6aには、円筒状のモータプーリ11が固定されている。ナットプーリ9、及びモータプーリ11の間には、無端ベルト12が巻き掛けられている。
ナットプーリ9の外径はモータプーリ11の外径よりも大きく形成されている。このため、モータプーリ11、無端ベルト12、及びナットプーリ9は、電動モータ6の減速機として機能する。モータプーリ11、無端ベルト12、及びナットプーリ9は、減速機収容部5bの内部に収容されている。
ナット8は金属製であり、ラックバー4を包囲する円筒状に形成されている。ナット8は、ボールベアリング19によってハウジング5に対し回転自在に支持されている。ナット8の内周には、螺旋状のナットボールねじ溝13が形成されている。一方、ラックバー4の外周には、螺旋状の操舵軸ボールねじ溝(以下、ラックバーボールねじ溝と表記する)14が形成されている。
ナットボールねじ溝13とラックバーボールねじ溝14とにより、ボールが循環するボール移動通路15が形成される。ボール移動通路15内には、金属製のボール16が複数個充填されている。ボールねじ機構7は、ナット8の回転に伴いボール移動通路15内をボール16が移動することにより、ナット8に対してラックバー4が軸方向に移動される。
次に、ナット8の構造を図3〜図8を用いて詳細に説明する。なお、図1において、ラックバー4の軸方向にX軸を設定し、操舵機構2側からアシスト機構3側へ向かう方向をX軸正方向、X軸直交方向を径方向と規定する。図4はナット8をX軸正方向側から見た斜視図、図5はナット8を径方向から見た図である。
ナット8は、第1フランジ部8a、本体部8B、及び第2フランジ部8cを有する。本体部8Bはナット8のX軸方向の中間部に設けられている。第1フランジ部8aは本体部8BのX軸負方向側に設けられている。また、第2フランジ部8cは本体部8BのX軸正方向側に設けられている。第1フランジ部8a、及び第2フランジ部8cの外周は、本体部8Bの外周よりも径方向外側に突出している。
第1フランジ部8a、及び第2フランジ部8cは、本体部8Bよりも肉厚に形成されている。第2フランジ部8cの外径は、第1フランジ部8aの外径と一致する。本体部8bと第1フランジ部8aとの間には、第1アール部8dが設けられている。
第1アール部8dは、ナット8の径方向における外形寸法がX軸負方向に向かって徐々に増大するような円弧状に形成されている。本体部8Bと第2フランジ部8cとの間には、第2アール部8eが設けられている。第2アール部8eは、ナット8の径方向における外形寸法がX軸正方向に向かって徐々に増大するような円弧状に形成されている。
第1フランジ部8aの外周において、X軸負方向端付近には、ボールベアリング19のインナレース19aが一体成形されている。ボールベアリング19のアウタレース19bはハウジング5に固定されている。インナレース19aとアウタレース19bとの間に複数の軸受ボール19cが介装されている。
図3にあるように、本体部8bの内部には、ナット側ボールねじ溝13が設けられている。第2フランジ部8cのX軸正方向側端面20は、ボルト10と螺合する雌ねじ部20aが、ナット8の回転軸線O周りの方向(以下、周方向)に90°ピッチで設けられている。回転軸線OはX軸と平行である。また、X軸正方向側端面20には、ナット側ピン孔20bが設けられている。ナット側ピン孔20bは、出力プーリ9をナット8に組み付ける際に図外のロケートピンが挿入される。
図4、図5に示すように、ナット8には、第1接続通路21、及び第2接続通路22が設けられている。
第1接続通路21は、ボール循環溝15のX軸負方向端と連通する。第2接続通路22は、ボール循環溝15のX軸正方向端と連通する。第1接続通路21は、ナット8の外周面に開口する第1外周側開口部21aとナット8の内周面に開口する第1内周側開口部21bとを有する。第1外周側開口部21aは、第1フランジ部8aと本体部8bとを跨ぐ位置に設けられている。第1内周側開口部21bは、第1外周側開口部21aに対し、ナット8の周方向一方側(X軸正方向側から見て反時計回りの方向)にオフセットした位置に設けられている。
第2接続通路22は、ナット8の外周面に開口する第2外周側開口部22aとナット8の内周面に開口する第2内周側開口部22bとを有する。第2内周側開口部22bは、ナット8の周方向において第1内周側開口部21bと反対側に設けられている。第2外周側開口部22aは、ナット8の周方向において第1内周側開口部21bと第2内周側開口部22bとの間に設けられている。第2外周側開口部22aは、本体部8Bと第2フランジ部8cとを跨ぐ位置に設けられている。
ナット側ボールねじ溝13は、X軸正方向側から見たとき、第1内周側開口部21bから第2内周側開口部22bまでの反時計回りの巻き数の小数点以下の値が0.5よりも大きくなるように形成されている。
図3に示すように、ナット8の外周面には、ボール循環通路24を形成した循環機構本体部からなる合成樹脂製の循環機構(以下、チューブと表記する)23が取り付けられている。チューブ23は、複数のボール16をボール循環溝15の一端側から他端側へ循環させるもので、内部にボール16が移動可能な循環路24が設けられている。循環路24のX軸負方向端は第1接続通路21と接続し、X軸正方向端は第2接続通路22と接続する。
図6は、ナット8、チューブ23、及びクリップ25を径方向から見た図である。チューブ23は、クリップ(固定部材)25によってナット8に固定されている。ナット8の第1フランジ部8a、及び第2フランジ部8cには、クリップ25を第1ねじ部材27a、及び第2ねじ部材27bで固定するための第1雌ねじ部26a、及び第2雌ねじ部26bが設けられている(図5参照)。
第1雌ねじ部26aは、第1フランジ部8aに設けられた第1平面部28aの略中央に配置されている。第2雌ねじ部26bは、第2フランジ部8cに設けられた第2平面部28Bの略中央に設けられている。第1平面部28aはチューブ23に対しナット8の周方向一方側に配置され、第2平面部28bはチューブ23に対しナット8の周方向他方側に配置されている。第1平面部28aと第2平面部28bは同一平面上に設けられている。
チューブ23は、ナット8の径方向において本体部8Bの外側であって、かつ、X軸方向において第1フランジ部8aの一部、本体部8b、及び第2フランジ部8cとオーバラップするように設けられている。第1フランジ部8a、及び第2フランジ部8cには、チューブ23の径方向内側と当接する平面部29a、29bが設けられている。
両平面部29a、29bは、第1平面部28aおよび第2平面部28bと平行である。チューブ23は、その中心を通りナット8軸線と直交する所定の軸について2回対称となる形状を有する。所定の軸は、第1平面部28a、第2平面部28B、平面部29a、29bと直交する。チューブ23は、第1循環機構本体部(以下、第1チューブと表記する)31、及び第2循環機構本体部(以下、第2チューブと表記する)32を有する。
次に、第1チューブ31の構造を詳細に説明する。図7は第1チューブ31を径方向で外側から見たものであり、図8は第1チューブ31をナット8の他方側からから見たものであり、図9は第1チューブ31を構成する第1の第1単位チューブ33を内部側から見たものであり、図10は第2の第1単位チューブ34を内部側から見たものである。
第1チューブ31は、第1挿入部37、第1循環部38、及び第1ボール循環路39を有する。第1挿入部37は、ナット8の周方向一方側に延び、第1接続通路21に挿入可能に形成されている。
第1循環部38は、第1外周側開口部21aから本体部8bのX軸方向中央付近までX軸正方向に延びるように形成されている。第1ボール循環路39は、第1チューブ31の内部において、第1挿入部37の先端から第1循環部38のX軸正方向端まで設けられ、ナット8の径方向から見て角部が円弧状の略L字形状を有する。
第1ボール循環路39は、ボール16が通過可能な円形断面を有する。図8に示すように、第1循環部38の径方向内側には、本体部8bの外周面との当接によりナット8に対する第1チューブ31の径方向内側への相対移動を規制する第1円弧形状部(第1径方向位置規制部)31aが設けられている。第1円弧形状部31aは、本体部8bの外周面に沿った形状を有する。
第1循環部38のX軸正方向端には、第1の第1チューブ側当接部(第1の第1循環部材側当接部)40、及び第2の第1チューブ側当接部(第2の第1循環部材側当接部)41が設けられている。第1の第1チューブ側当接部40、及び第2の第1チューブ側当接部41は、X軸方向に延び、ナット8の周方向一方側を向いて設けられている。
第1の第1チューブ側当接部40は第1の第1単位チューブ33に設けられ、第2の第1チューブ側当接部41は第2の第1単位チューブ34に設けられている。第2の第1チューブ側当接部41は、第1の第1チューブ側当接部40よりもナット8の周方向他方側、かつ、X軸正方向側に設けられている。
第1挿入部37は、X軸方向の両側において、X軸方向と直交する一対の平面部37a、37bを有する。両平面部37a、37bには、X軸方向に突出する突起部(第1軸方向位置規制部)37c、37dが設けられている。両突起部37c、37dは、第1挿入部37を第1接続通路21内に挿入したとき、X軸方向に圧縮変形し、第1接続通路21に対する第1挿入部37のX軸方向への相対移動を規制する。図3に示すように、第1チューブ31において第1アール部8dと対向する部分には、第1チューブ31を第1アール部8dと離間させるための凹状の第1逃げ部31bが設けられている。
第1チューブ31は、第1ボール循環路39における円形断面の略中心点を通る第1分割面42の一方側に設けられた第1の第1単位チューブ33と、第1分割面42の他方側に設けられた第2の第1単位チューブ34とを有する。第1ボール循環路39は、第1分割面42によって第1の第1単位チューブ33側の循環溝39Aと第2の第1単位チューブ34側の循環溝39bとに二分される。両循環溝39a、39bは共に半円断面を有する。
第1の分割面42は、図11に示すように、第1ボール循環路39のうちナット8の回転軸線Oから最も離れた点43からずれた位置に設けられている。第2の第1チューブ側当接部41は、第1分割面42と同一平面上に形成されている。
図11に示すように、第1接続通路21は、第1内周側開口部21b側端部において、第1挿入部37の第1循環部38とは反対側の端面37eが当接する第1の端面当接部21cを有する。第1の端面当接部21cの径方向内側端P1は、端面37eの径方向内側端P2よりも径方向内側に位置するように形成されている。
第1の第1単位チューブ33において、循環溝39aの径方向外側には、第1肉厚一定部44aと第1肉厚部44bとが設けられている。第1肉厚一定部44aは、第1の第1単位チューブ33の外側面と循環溝39aとの間の肉厚がほぼ一定に形成されている。第1肉厚部44bは、第1の第1単位チューブ33の外側面と循環溝39aとの間の肉厚が、第1肉厚一定部44aよりも大きくなるように形成されている。
第1の第1単位チューブ33は、第1チューブ側第1突起部挿入孔(第1循環部材側第1突起部挿入孔)33a、及び第1チューブ側第2突起部挿入孔(第1循環部材側第2突起部挿入孔)33bを有する。第1チューブ側第1突起部挿入孔33aは、循環溝39aの円弧状部分の外側(第1肉厚部44b)に配置されている。第1チューブ側第2突起部挿入孔33bは、循環溝39aの円弧状部分の内側(第1肉厚一定部44aの径方向内側)に配置されている。第1チューブ側第2突起部挿入孔33bの内径は、第1チューブ側第1突起部挿入孔33aの内径よりも小径である。
第2の第1単位チューブ34において、循環溝39bの径方向外側には、第1肉厚一定部45aと第1肉厚部45bとが設けられている。第1肉厚一定部45aは、第2の第1単位チューブ34の外側面と循環溝39bとの間の肉厚がほぼ一定に形成されている。第1肉厚部45bは、第2の第1単位チューブ34の外側面と循環溝39bとの間の肉厚が、第1肉厚一定部45aよりも大きくなるように形成されている。
第2の第1単位チューブ34は、第1の第1単位チューブ33側に向かって突出する一対の突出部である第1チューブ側第1突起部(第1循環部材側第1突起部)34a、及び第1チューブ側第2突起部(第1循環部材側第2突起部)34bを有する。第1チューブ側第1突起部34aは、循環溝39bの円弧状部分の外側(第1肉厚部45b)に配置されている。
第1チューブ側第2突起部34bは、循環溝39bの円弧状部分の内側(第1肉厚一定部45aの径方向内側)に配置されている。第1チューブ側第1突起部34aと第1チューブ側第2突起部34bは同一形状である。よって、第1チューブ31を組み立てるとき、第1チューブ側第1突起部34aは第1チューブ側第1突起部挿入孔33aと隙間嵌めされ、第1チューブ側第2突起部34bは第1チューブ側第2突起部挿入孔33bが圧入される。
次に、第2チューブ32の構造を詳細に説明する。第2チューブ32は第1チューブ31と同一形状であるため、図7〜図11を用いて説明する。図7〜図11において、第2チューブ32における各部位の符号は括弧()内に記載する。
第2チューブ32は、第2挿入部47、第2循環部48、及び第2ボール循環路49を有する。第2挿入部47は、ナット8の周方向他方側に延び、第2接続通路22に挿入可能に形成されている。第2循環部48は、第2外周側開口部22aから本体部8bのX軸方向中央付近までX軸方向に延びるように形成され、第1循環部38とX軸方向に当接する。
第2ボール循環路49は、第2チューブ32の内部において、第2挿入部47の先端から第2循環部38のX軸負方向端まで設けられ、ナット8の径方向から見てL字の角部を円弧状に置き換えた形状を有する。第2ボール循環路49は、ボール16が通過可能な円形断面を有する。第2ボール循環路49は第1ボール循環路39と連通する。
図8に示すように、第2循環部38の径方向内側には、本体部8bの外周面との当接によりナット8に対する第2チューブ32の径方向内側への相対移動を規制する第2円弧形状部(第2径方向位置規制部)38aが設けられている。第2円弧形状部38aは、本体部8bの外周面に沿った形状を有する。第2循環部38のX軸負方向端には、第1の第2チューブ側当接部(第1の第2循環部材側当接部)50、及び第2の第2チューブ側当接部(第2の第2循環部材側当接部)51が設けられている。
第1の第2チューブ側当接部50、及び第2の第2チューブ側当接部51は、X軸方向に延び、ナット8の周方向他方側を向いて設けられている。第1の第2チューブ側当接部50は、第1チューブ31の第2の第1チューブ側当接部41と当接する。第2の第2チューブ側当接部51は、第1チューブ31の第1の第1チューブ側当接部40と当接する。
第1の第2チューブ側当接部50は第1の第2単位チューブ35に設けられ、第2の第2チューブ側当接部51は第2の第2単位チューブ36に設けられている。第2の第2チューブ側当接部51は、第1の第2チューブ側当接部50よりもナット8の周方向一方側、かつ、X軸負方向側に設けられている。
第2挿入部47は、X軸方向の両側において、X軸方向と直交する1対の平面部47a、47bを有する。両平面部47a、47bには、X軸方向に突出する突起部(第2軸方向位置規制部)47c、47dが設けられている。両突起部47c、47dは、第2挿入部47を第2接続通路22内に挿入したとき、X軸方向に圧縮変形し、第2接続通路22に対する第2挿入部47のX軸方向への相対移動を規制する。図3に示すように、第2チューブ32において第2アール部8eと対向する部分には、第2チューブ32を第2アール部8eと離間させるための凹状の第2逃げ部32bが設けられている。
第2チューブ32は、第2ボール循環路49における円形断面の略中心点を通る第2分割面52の一方側に設けられた第1の第2単位チューブ35と、第2分割面52の他方側に設けられた第2の第2単位チューブ36とを有する。第2ボール循環路49は、第2分割面52によって第1の第2単位チューブ35側の循環溝49aと第2の第2単位チューブ36側の循環溝49bとに二分される。両循環溝49a、49bは共に半円断面を有する。
第2の分割面52は、図11に示すように、第2ボール循環路49のうちナット8の回転軸線Oから最も離れた点53からずれた位置に設けられている。第2の第2チューブ側当接部51は、第2分割面52と同一平面上に形成されている。図11に示すように、第2接続通路22は、第2内周側開口部22b側端部において、第2挿入部47の第2循環部48とは反対側の端面47eが当接する第2の端面当接部22cを有する。
第2の端面当接部22cの径方向内側端P3は、端面47eの径方向内側端P4よりも径方向内側に位置するように形成されている。X軸方向から見たとき、第1の端面当接部21cと回転軸線Oとを結ぶ直線と、第2の端面当接部22cと回転軸線Oとを結ぶ直線とに挟まれる角度のうち、チューブ23側の角度は劣角(180°未満)に設定されている。
第1の第2単位チューブ35において、循環溝49aの径方向外側には、第2肉厚一定部54aと第2肉厚部54bとが設けられている。第2肉厚一定部54aは、第1の第2単位チューブ35の外側面と循環溝49aとの間の肉厚がほぼ一定に形成されている。第2肉厚部54bは、第1の第2単位チューブ35の外側面と循環溝49aとの間の肉厚が、第2肉厚一定部54aよりも大きくなるように形成されている。
第1の第2単位チューブ35は、第2チューブ側第1突起部挿入孔(第2循環部材側第1突起部挿入孔)35a、及び第2チューブ側第2突起部挿入孔(第2循環部材側第2突起部挿入孔)35bを有する。第2チューブ側第1突起部挿入孔35aは、循環溝49aの円弧状部分の外側(第2肉厚部54b)に配置されている。第2チューブ側第2突起部挿入孔35bは、循環溝49aの円弧状部分の内側(第2肉厚一定部54aの径方向内側)に配置されている。第2チューブ側第2突起部挿入孔35bは第2チューブ側第1突起部挿入孔35aよりも小径に設定されている。
第2の第2単位チューブ36において、循環溝49bの径方向外側には、第2肉厚一定部55aと第2肉厚部55bとが設けられている。第2肉厚一定部55aは、第2の第2単位チューブ36の外側面と循環溝49bとの間の肉厚がほぼ一定に形成されている。第2肉厚部55bは、第2の第2単位チューブ36の外側面と循環溝49bとの間の肉厚が、第2肉厚一定部55aよりも大きくなるように形成されている。
第2の第2単位チューブ36は、第1の第2単位チューブ35側に向かって突出する一対の突出部である第2チューブ側第1突起部(第1循環部材側第1突起部)36a、及び第2チューブ側第2突起部(第1循環部材側第2突起部)36bを有する。第2チューブ側第1突起部36aは、循環溝49bの円弧状部分の外側(第2肉厚部55b)に配置されている。
第2チューブ側第2突起部36Bは、循環溝49bの円弧状部分の内側(第2肉厚一定部55aの径方向内側)に配置されている。第2チューブ側第1突起部36aと第2チューブ側第2突起部36bは同一形状である。よって、第2チューブ32を組み立てるとき、第2チューブ側第1突起部36aは第2チューブ側第1突起部挿入孔35aと隙間嵌めされ、第2チューブ側第2突起部36bは第2チューブ側第2突起部挿入孔35bが圧入される。
以上のような構成の電動パワーステアリング装置においては、ナット8の回転に合せて、第1チューブ31に形成された第1ボール循環通路39、及び第2チューブ32に形成された第2ボール循環通路49からなるボール循環通路24に、ボール16を循環させるとボール16の移動が滞る現象を生じる。
すなわち、ナット8とラックバー4の間に形成されたボールねじ溝13、14から循ボール循環通路24に向けてボール16を転動させて移動させるときは、ボール16は滞りなくボールねじ溝13、14からボール循環通路24に移動するが、ボール循環通路24からボールねじ溝13、14に向けてボール16を転動させて移動させるときは、ボールねじ溝13、14にボール16が進入し辛いことからボール16の移動が滞るようになる。
ボール16の移動が滞るとボール16の間の隙間が狭まり、互いに前後するボール16が接触することになる。このため、ボール16の接触部分ではボール16の転動方向が逆となるので、この接触部分の摩擦力が大きくなって、ボール16の移動が円滑に行われなくなる現象が発生する。
そこで、本実施形態では、ボール循環通路24からボールねじ溝13、14に向けてボール16を円滑に移動させて、ステアリングホイールの操作感を向上する構成を提案するものである。
本実施形態の具体的な構成として、ボールが進入する端部と進入したボールが退出する端部の間に形成されたボール循環通路は、少なくとも所定長さの第1領域部、所定長さの第2領域部、及び所定長さの第3領域部の順に分割され、第1領域部と第3領域部のボール循環通路の内周面はボールと1つの接触点で接触する形状に形成され、第2領域部のボール循環通路の内周面は、ボールと2つの接触点で接触する形状に形成されている。そして、第2領域部において、ボールが2点で接触するのでボールの回転半径が小さくなり、ボールの移動速度が低減され、前後するボールが互いに接触することが抑制されて摩擦力が低減されるようになる。
以下に説明する本実施形態の特徴は、ボール循環通路24の軸線に直交する断面形状を適切に設定したものであり、基本的には上述した構成を基礎としているが、部品名称や参照番号は、本発明に合せて変更して説明する場合もある。
図12は第1チューブ31と第2チューブ32を組み合せて、分割面に沿って断面した状態を示しており、単位チューブ33、34、35、36に形成した第1ボール循環通路39、及び第2ボール循環通路49からなるボール循環通路24に、ボール16が移動している状態を示している。ここで、図12においては、第1チューブ31は第2の第1単位チューブ34の面を示し、第2チューブ32は、第2の第2単位チューブ36を示している。
ここで、図12においては、第2の第1単位チューブ34と、第2の第2単位チューブ36は同じ形状をしているため、第2の第2単位チューブ36の突き合せ面の反対側は表示を省略している。したがって、省略した第2の第2単位チューブ36の先端側には、第2の第1単位チューブ34の第1領域部Rgn1、及び第1屈曲部Bnd1と同形状の、第2の第2単位チューブ36の第3領域部Rgn1、及び第2屈曲部Bnd2が、第1領域部Rgn1、及び第1屈曲部Bnd1とは反対の向きに形成されている。
また、第1チューブ31の第2の第1単位チューブ34には、第1チューブ31の第1の第1単位チューブ33が組み合わされて接合され、同様に、第2チューブ32の第2の第2単位チューブ36には、第2チューブ32の第1の第2単位チューブ35が組み合わされて接合される。尚、この接合面は、以下に説明する分割面と同じ意味である。
図12において、ボール循環通路24の両端は、ナットボールねじ溝13とラックバーボールねじ溝14とにより形成されたボール移動通路15と接続されている。そして、第1チューブ31側のボール循環通路24の一端は、ボール移動通路第1端部70を介してボール移動通路15の一端と接続され、第2チューブ32側のボール循環通路24の他端は、ボール移動通路第2端部71を介してボール移動通路15の他端と接続されている。したがって、ナット8の回転方向によって、ボール16は、ボール移動通路第1端部70からボール循環通路24に移動してボール移動通路第2端部71に移動し、或いはボール移動通路第2端部71からボール循環通路24に移動してボール移動通路第1端部70に移動して、ボール移動通路15に合流する。
ボール循環通路24は、複数のボール16が循環する通路であり、ボール移動通路第1端部70からボール移動通路第2端部71に向かって、基本的に第1領域部Rgn1、第1屈曲部Bnd1、第2領域部Rgn2、第2屈曲部Bnd2、第3領域部Rgn3、及び第2ボール移動通路端部71の順に形成されている。
また、必要に応じて第1屈曲部Bnd1と第2領域部Rgn2の間に、第4領域部Rgn4を形成し、また、第2領域部Rgn2と第2屈曲部Bnd2との間に、第5領域部Rgn5を形成することもできる。尚、これらの領域部、及び屈曲部の断面形状と、その機能については後述する。
第1領域部Rgn1には所定の長さを有する第1ボール循環通路39が形成され、第1屈曲部Bnd1は第1領域部Rgn1と第2領域部Rgn2を繋ぐ所定の長さを有する第1ボール循環通路39が形成されている。第1領域部Rgn1と第1屈曲部Bnd1に形成されている第1ボール循環通路39は、同一の通路中心線を有し、しかも通路中心線に直交する断面形状が同一の半径に形成された円形状の通路に形成されている。
同様に、第3領域部Rgn3は所定の長さを有する第2ボール循環通路49が形成され、第2屈曲部Bnd2は第3領域部Rgn3と第2領域部Rgn2を繋ぐ所定の長さを有する第2ボール循環通路49が形成されている。第3領域部Rgn3と第2屈曲部Bnd2に形成されている第2ボール循環通路49は、同一の通路中心線を有し、しかも通路中心線に直交する断面形状が同一の半径に形成された円形状の通路に形成されている。当然のことであるが、第1領域部Rgn1と第1屈曲部Bnd1に形成されている第1ボール循環通路39と、第3領域部Rgn3と第2屈曲部Bnd2に形成されている第2ボール循環通路49は同一の半径である。
また、第2領域部Rgn2は、第1チューブと第2チューブに跨って形成されており、所定の長さを有する第1ボール循環通路39、第2ボール循環通路49が形成されている。これらの通路は、第1チューブ31と第2チューブ32の突き合わせ面に跨って形成されている。第2領域部Rgn2の第1ボール循環通路39、第2ボール循環通路49通路中心線は、第1屈曲部Bnd1と第2屈曲部Bnd2の通路中心線と同一の通路中心線である。
ただ、この第2領域部Rgn2の通路中心線に直交する断面形状は円形状ではなく、正方形の各辺を外側に向けて膨らませた円弧に置き換えた変形正方形とされている。したがって、ボール16は変形正方形の隣り合う2辺と接触して転動することになる。尚、少なくとも、この第2領域部Rgn2に形成した第1ボール循環通路39、及び第2ボール循環通路49の通路中心線は、ナット8の回転軸線Oと平行であり、ナット8の回転軸線回りで見て、第2領域部Rgn2の第1ボール循環通路39、及び第2ボール循環通路49の通路形状の最外縁と最内縁は、ナット8の回転軸線を通っている。これについても後述する。
ここで、本実施形態では付加的に、第1屈曲部Bnd1と第2領域部Rgn2の間には第4領域部Rgn4が形成され、第2領域部Rgn2と第1屈曲部Bnd1の間には第5領域部Rgn5が形成されている。この2つの領域部は、第2領域部Rgn2にボールが進入する時、或いは第2領域部Rgn2からボールが退出する時のボール16の動きを制御する機能を備えている。これらの機能については後述する。
図13は、第1領域部Rgn1、第1屈曲部Bnd1、第2屈曲部Bnd2、及び第3領域部Rgn3に形成したボール循環通路39、49の通路中心線Gpに直交する平面の断面形状を示している。これらの領域部、及び屈曲部に存在する第1ボール循環通路39、及び第2ボール循環通路49は、通路中心線Gpを中心として半径Rpの通路とされている。そして、第1ボール循環通路39、及び第2ボール循環通路49の内部には、ボール16が循環され、このボール16は転動しながら移動する。この時、ボール16は、ボール中心Gbを中心とする半径Rbのボールであり、若干の隙間を介して第1ボール循環通路39、及び第2ボール循環通路49に内蔵されている
ここで、ナット8の径方向で見て、第1チューブ31の第1領域部Rgn1、及び第1屈曲部Bnd1における第1ボール循環通路39の断面形状の最外縁、及び最内縁と通路中心線Gpに直交する平面とが交わる一対の交点である第1交点Its1と第2交点Its2のうち、ナット8の回転軸線Oに関する径方向における最も外側に位置している第1交点Its1を第1基準点Pb1とする。
同様に、ナット8の径方向で見て、第2チューブ32の第2屈曲部Bnd2、及び第3領域部Rgn3における第2ボール循環通路49の断面形状の最外縁、及び最内縁と通路中心線に直交する平面とが交わる一対の交点である第3交点Its3と第4交点Its4のうち、ナット8の回転軸線Oに関する径方向における最も外側に位置している第3交点Its3を第2基準点Pb2とする。
そして、第1領域部Rgn1、及び第1屈曲部Bnd1における第1ボール循環通路39においては、通路中心線Gpに関する周方向において、第1基準点Pb1を含む所定の角度である第1角度θ1の範囲において、ボール16が、第1ボール循環通路39を形成する第1チューブの内周面と1つの接触点(=交点Its1)で接触可能である。
同様に、第2屈曲部Bnd2、及び第3領域部Rgn3における第2ボール循環通路49においては、通路中心線Gpに関する周方向において、第2基準点Pb2を含む所定の角度である第2角度θ2の範囲において、ボール16が、第2ボール循環通路49を形成する第2チューブの内周面と1つの接触点(=交点Its3)で接触可能である。
ここで、ボール16の接触点は原理的には1つであるが、上述した第1角度θ1、及び第2角度θ2の範囲は、ボール16、ボール循環通路29、49の製造上の寸法誤差、組み立て誤差等の存在によって便宜的に設定されている。また、当然のことであるが、ボール16のボール循環通路29、49に対する接触位置が変われば、接触点Its1〜Its4の位置も変わることはいうまでもない。
そして、ボール16の1回転当りにおける移動距離Mdは、ボール循環通路39、49の内周面に接触する、ボール16の接触点までの距離Rbeによって決まる。この場合は、ボール16の接触点までの距離Rbeは、ボール16の半径Rbとなるので、移動距離Mdは、「Md=2×π×Rb」となる。
次に第2領域部Rgn2について説明する。図14は、図13と同様な断面を示しており、第2領域部Rgn2のボール循環通路29、49の通路中心線Gpに直交する平面の断面形状を示している。この第2領域部Rgn2に存在する第1ボール循環通路39、及び第2ボール循環通路49の断面形状は、通路中心線Gpを中心とする、正方形の各辺を外側に向けて膨らませた円弧に置き換えた変形正方形とされている。したがって、変形正方形の対角線の交点は通路中心線Gpに一致している。
ここで、第1ボール循環通路39、及び第2ボール循環通路49の断面形状である変形正方形の相対する2つの頂角を結ぶ対角線の1つは、ナット8の回転軸線Oに交わるように形成されている。
そして、この断面が変形正方形に形成された第1ボール循環通路39、及び第2ボール循環通路49の内部には、ボール16が内蔵され、ボール16が転動しながら移動する。この時、ボール16は、ボール中心Gbを中心とする半径Rbのボールであり、若干の隙間を介して第1ボール循環通路39、及び第2ボール循環通路49に内蔵されている。
ここで、ナット8の径方向で見て、第1チューブ31、及び第2チューブ32の第2領域部Rgn2における第1ボール循環通路39、及び第2ボール循環通路49の断面形状の最外縁、及び最内縁と通路中心線Gpに直交する平面とが交わる一対の交点である第5交点Its5と第6交点Its6のうち、ナット8の回転軸線Oに関する径方向における最も外側に位置している第5交点Its5を第3基準点Pb3とする。
図14に示しているように、第1ボール循環通路39、及び第2ボール循環通路49の断面形状の最外縁、及び最内縁は、互いに対向する頂角の部分であり、この対向する頂角を結んだ対角線は、ナット8の回転軸心Oと交わっている。
そして、第2領域部Rgn2におけるボール循環通路39、49においては、通路中心線Gpに関する周方向において、第3基準点Pb3を含み180°より小さい所定の角度である第3角度θ3の範囲において、ボール16が、変形正方形のボール循環通路39、49を形成する第1チューブ31、第2チューブ32の内周面と接触不可能である。
一方、前記第3基準点Pb3を含み180°より小さく、且つ第3角度θ3よりも大きい所定の角度である第4角度θ4以下の範囲において、ボール16が、変形正方形のボール循環通路39、49を形成する第1チューブ31、第2チューブ32の内周面の2つの接触点Cnt1、Cnt2とで接触可能である。つまり、変形正方形の隣り合う円弧の辺とボール16とが接触することが可能となる。
ここで、ボール16の接触点Cntは原理的には2つであるが、接触点Cntが存在する角度θcを、第3基準点Pb3を通る対角線を基準として、「θ3/2<θc<θ4/2」の範囲に設定したのは、ボール16、ボール循環通路29、49の製造上の寸法誤差、組み立て誤差等が存在するからである。また、当然のことであるが、ボール16のボール循環通路39、49に対する接触位置が変われば、変形正方形の隣り合う円弧の辺とボール16とが接触する2つ接触点は、接触点Cnt1〜Cnt4の内の隣り合う辺の2つの接触点となる。
ここで、本実施形態では、4つの接触点Cnt1〜Cnt4が設定されているが、夫々の接触点Cnt1〜Cnt4は、変形正方形の対角線を基準として45°を中心として所定の範囲に設定されている。このように、ボール16が、ボール循環通路の通路中心線Gpに関する周方向において、90°の等間隔の接触点でのボール循環通路39、49の内周面と接触可能であるため、ナット8の回転に伴い、ボール16がどの方向に遠心力を受ける場合であっても、2つの接触点を得ることが可能となる。
尚、本実施形態では図14に示す通り、第1ボール循環通路39、及び第2ボール循環通路49の断面形状は、通路中心線Gpを中心とする、正方形の各辺を外側に向けて膨らませた円弧に置き換えた変形正方形とされているが、正方形、或いは菱形に形成することもできる。この場合も、対角線の交点を通路中心線Gpに一致させ、頂角の配置位置を図14の形態と同様にすることで、隣り合う辺でボール16を2点で接触させることができる。
そして、ボール16の1回転当りにおける移動距離Mdは、ボール循環通路39、49に接触するボール16の接触点までの距離Rbeによって決まる。この場合は、ボール16の接触点までの距離Rbeは、ボール16の半径Rbより短くなるので、移動距離Mdは、「Md=2×π×Rbe」となる。
したがって、ボール16が第2領域部Rgn2から第1屈曲部Bnd1、或いは第2屈曲部Bnd2にボール16が移動するとき、ボール16が第1屈曲部Bnd1、或いは第2屈曲部Bnd2に到達する手前で、ボール16とボール循環通路39、49の内周面とが2点接触して、ボー16の回転半径が小さくなる。その結果、ボール16の回転速度が上昇し、これに伴いボール16の移動速度が低下する。
例えば、ボール16が第2領域部Rgn2から第1屈曲部Bnd1、第1領域部Rgn1に移動する場合、先行のボール16は第2領域部Rgn2を退出して第1屈曲部Bnd1、第1領域部Rgn1に移動すると、ボール循環通路39、49の内周面と1点接触となるので、ボール16の移動速度が大きくなる。一方、後行のボール16は、第2領域部Rgn2にあるので、ボール循環通路39、49の内周面と2点接触となるので、ボール16の移動速度が小さくなる。
したがって、先行のボール16と、後行のボール16の速度差によって、先行のボール16と後行のボール16の間の距離が充分に確保できるようになり、前後するボール16が互いに接触することが抑制されて摩擦力が低減される。
これによって、第1屈曲部Bnd1と第1領域部Rgn1、又は第2屈曲部Bnd2と第3領域部Rgn3を含む領域においてボール16の滞留を抑制し、全体としてボール16の循環を円滑にすることができる。この結果、ナット8の回転が円滑になり、ステアリングホイールの引掛かり感を抑制して操舵フィーリングを向上することができる。
また、図15に示すように、第2領域部Rgn2におけるボール循環通路39、49の断面形状は、第3基準点Pd3から循環通路の通路中心線Gpに関する周方向の両側に向かって90°の角度範囲であって、かつ第4角度θ4を除く角度範囲において、破線で示す円形の第1領域部Rgn1、及び第3領域部Rgn3におけるボール循環通路39、49の断面形状と同じ形状に形成することができる。これによれば、第1領域部Rgn1、第1屈曲部Bnd1、第2領域部Rgn2、第2屈曲部Bnd2、第3領域部Rgn3の夫々に、ボール循環通路39、49とボール16の間に、必要充分な隙間を確保することができる。
また、図14にあるように、第2領域部Rgn2におけるボール循環通路39、49の断面形状は、ボール循環路の通路中心線Gpに関する周方向において、第3基準点Pd3を中心として、対称位置の2点において、ボール16がボール循環通通路39、49の内周面と接触されている。これによれば、ナット8の回転に伴い、ボール循環通路39、49内のボール16が遠心力を受けたとき、ボール16が第3基準点Pd3を中心として、対称位置の2点において接触するので安定してボール16を支持することができる。
また、第1屈曲部Bnd1と第2領域部Rgn2の間、及び第2領域部Rgn2と第2屈曲部Bnd2との間には、第4領域部Rgn4、及び第5領域部Rgn5が形成されている。これらの第4領域部Rgn4、及び第5領域部Rgn5は、第1屈曲部Bnd1から第2領域部Rgn2、及び第2領域部Rgn2から第2屈曲部Bnd2に移行するボール循環通路39、49の通路形状を滑らかに変化させる領域である。
第4領域部Rgn4における第1ボール循環通路39の断面形状は、第4領域部Rgn4から第1屈曲部Bnd1に向かうにしたがい、ボール16が第1ボール循環通路39の内周面と2点接触するときの通路中心線Gpに関する周方向における角度が、第4角度θ4から徐々に小さくなっている。
同様に、第5領域部Rgn5における第2ボール循環通路49の断面形状は、第5領域部Rgn5から第2屈曲部Bnd2に向かうにしたがい、ボール16が第2ボール循環通路49の内周面と2点接触するときの通路中心原Gpに関する周方向における角度が、前記第4角度から徐々に小さくなっている。
これによって、ボール循環通路39、49におけるボールの移動速度の急激な変化が抑制され、操舵フィーリングの違和感の発生を抑制することができる。
また、これとは逆に、第4領域部Rgn4、及び第5領域部Rgn5は、第1屈曲部Bnd1から第2領域部Rgn2、及び第2領域部Rgn2から第2屈曲部Bnd2に移行するボール循環通路39、49の通路形状を急激に変化させることもできる。
図13、図14に示すように、第4領域部Rgn4における第1ボール循環通路39の断面形状は、通路中心線Gpに関する周方向において、第1角度θ1の範囲において、ボール16が第1ボール循環通路39の内周面と1点で接触可能であり、同様に、第5領域部Rgn5における第2ボール循環通路49の断面形状は、通路中心線Gpに関する周方向において、第2角度θ2の範囲において、ボール16が第2ボール循環通路49の内周面と一点で接触可能である。
そして、第2領域部Rgn2と第4領域部Rgn4とは互いに隣接して配置され、同様に、第2領域部Rgn2と第5領域Rgn5とは互いに隣接して配置されている。したがって、第2領域部Rgn2と第4領域部Rgn4とでは、ボール16の移動速度の特性が異なり、また第2領域部Rgn2と第5領域部Rgn5とでは、ボール16の移動速度の特性が異なる。その移動速度の変化は、連続的ではなく各領域部が隣接する境界で発生するため、ボール16の移動速度の特性管理が容易となる。その結果、電動パワーステアリング装置の操舵フィーリングのチューニングが容易となる。
図3〜図11に示しているように、ボール循環通路24を形成した循環機構であるチューブ23は、ボール循環通路24を形成した循環機構本体部である第1チューブ31、及び第2チューブ32から形成されている。
また、第1チューブ31は第1の第1単位チューブ33と第2の第1単位チューブ34を組み合せて構成され、第2チューブ32は第1の第2単位チューブ35と第2の第2単位チューブ36を組み合せて構成されている。そして、第1の単位チューブ33、35は同じ形状であり、第2の単位チューブ34、36も同じ形状である。したがって、組み上がった第1チューブ31と第2チューブ32は同じ形状であり、これらを図6のように組み合せることでチューブ23が構成されている。
このため、ボール循環通路24には、夫々の単位チューブ33〜36を組み合せた時に生じる突き合せ線(分割面)が形成される。したがって、第2領域部Rgn2においては、この突き合せ線を避けて2点接触させることが望ましい。以下に示す図16は、突き合せ線を避けて2点接触させる構成を提案している。
図16にあるように、チューブ31(32)の第1の単位チューブ33(35)と第2の単位チューブ34(36)は、第2領域部Rgn2において、通路中心線Gpに関する周方向において、第1の単位チューブ33(35)と第2の単位チューブ34(36)とが接合された接合面である分割面42(52)を有している。
そして、分割面42(52)は、通路中心線Gpに関する周方向において、ボール16がボール循環通路39(49)の内周面と接触する領域とオフセットした位置に設けられている。つまり、図14にあるナット8の回転軸線Oに向かう対角線と直交する頂角を結ぶ対角線が分割面42(52)とされている。これによれば、分割面42(52)の上をボール16が転がらないため、分割面42(52)がずれている場合であっても、ボール16の転がりがずれの影響を受け難いようになる。
更に、図9、図10、及び図12に示しているように、第1の第1単位チューブ33と第2の第1単位チューブ34は、第4領域部Rgn4において、通路中心線Gpに関する周方向において、第1の第1単位チューブ33と第2の第1単位チューブ34とが接合された第1接合面42を有している。
同様に、第1の第2単位チューブ35と第2の第2単位チューブ36は、第5領域部Rgn5において、通路中心線Gpに関する周方向において、第2の第1単位チューブ35と第2の第2単位チューブ36とが接合された第2接合面52を有している。
更に、第1の第1単位チューブ33と第1の第2単位チューブ35は、第2領域部Rgn2において、ナット8の回転軸線Oの方向において互いに対向(オーバラップ)しており、通路中心線Gpに関する周方向において、第1の第1単位チューブ33と第1の第2単位チューブ35とが接合された第3接合面(第1の第1単位チューブ33側の当接部40と、第1の第2単位チューブ35側の当接部50の接合面)を有し、この第3接合面は、通路中心線Gpに関する周方向において、ボール16がボール循環通路39、49の内周面と接触する領域とオフセットした位置に設けられている。
同様に、第2の第1単位チューブ34と第2の第2単位チューブ36は、第2領域部Rgn2において、ナット8の回転軸線の方向において互いに対向(オーバラップ)しており、通路中心線Gpに関する周方向において、第2の第1単位チューブ34と第2の第2単位チューブ36とが接合された第4接合面(第2の第1単位チューブ34側の当接部41と、第2の第2単位チューブ36側の当接部51の接合面)を有し、この第4接合面は、通路中心線Gpに関する周方向において、ボール16がボール循環通路39、49の内周面と接触する領域とオフセットした位置に設けられている。
つまり、第2領域部Rgn2における第1チューブ31の端部と、第2領域部Rgn2における第2チューブ32の端部との突き合せ面は、いわゆる「相欠き」の形状とされている。そして、この「相欠き」に沿った接合面の内で、通路中心線Gpに沿った接合面を避けるように、ボール循環通路39、49の内周面にボール16の接触領域を形成したものである。
これによれば、第3、第4接合面上をボール16が転がらないため、接合面がずれている場合であっても、ボール16の転がりがずれの影響を受け難くなる。
以上述べた通り、本発明によれば、ボールが進入する端部と進入したボールが退出する端部の間に形成されたボール循環通路が、少なくとも所定長さの第1領域部、所定長さの第2領域部、及び所定長さの第3領域部の順に分割されており、第1領域部と第3領域部のボール循環通路の通路中心線と直交する内周面の断面形状は、ボールと1点で接触する形状に形成され、第2領域部のボール循環通路の通路中心線と直交する内周面の断面形状は、ボールと2点で接触する形状に形成されている。
したがって、第2領域部において、ボールがボール循環通路の内周面の2点で接触する形態となってボールの回転半径が小さくなることで、ボールの移動速度が低減される。このため、ボール循環通路からボールねじ溝に向けてボールを転動させて移動させるときは、第2領域部でボールが減速され、第2領域部を通過するとボールが加速されるので、前後するボールが互いに接触することが抑制されて摩擦力が低減されるので、ボールを円滑に移動させてステアリングホイールの操作感を向上することができる。
尚、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…パワーステアリング装置、4…ラックバー(転舵軸)、6…電動モータ、8…ナット、13…ナットボールねじ溝、14…ラックバー側ボールねじ溝(転舵軸側ボールねじ溝)、16…ボール、21…第1接続通路、21a…第1外周側開口部、21b…第1内周側開口部、22…第2接続通路、22a…第2外周側開口部、22b…第2内周側開口部、25…クリップ、33…第1の第1チューブ(第1の第1循環機構本体部)、34…第2の第1チューブ(第2の第1循環機構本体部)、35…第1の第2チューブ(第1の第2循環機構本体部)、36…第2の第2チューブ(第2の第2循環機構本体部)、37…第1挿入部、38…第1循環部、39…第1ボール循環通路、40…第1の第1チューブ側当接部(第1の第1循環部材側当接部)、41…第2の第1チューブ側当接部(第2の第1循環部材側当接部)、42…第1分割面、47…第2挿入部、48…第2循環部、49…第2ボール循環通路、50…第1の第2チューブ側当接部(第1の第2循環部材側当接部)、51…第2の第2チューブ側当接部(第2の第2循環部材側当接部)、52…第2分割面、61…第1周方向接続部、62…第2周方向接続部、63…第1軸方向接続部、64…第2軸方向接続部、Rgn1…第1領域部、Rgn2…第2領域部、Rgn3…第3領域部、Rgn4…第4領域部、Rgn5…第5領域部、Bnd1…第1屈曲部。

Claims (8)

  1. 電動パワーステアリング装置であって、
    ハウジングであって、ハウジング本体部と、操舵軸収容空間と、減速機収容空間と、を備え、
    前記操舵軸収容空間は、前記ハウジング本体部の内部に設けられており、
    前記減速機収容空間は、前記ハウジング本体部の内部に設けられ、前記操舵軸収容空間と繋がっている、
    前記ハウジングと、
    操舵軸であって、操舵軸本体部と、操舵軸ボールねじ溝を備え、前記操舵軸収容空間において前記操舵軸の長手方向において移動することにより、操舵輪を操舵可能であり、
    前記操舵軸本体部は、棒形状を有しており、
    前記操舵軸ボールねじ溝は、前記操舵軸本体部の外周側に設けられ、螺旋溝形状を有している、
    前記操舵軸と、
    ナットであって、ナット本体部と、ナットボールねじ溝を有し、前記減速機収容空間の内部で回転可能に設けられ、
    前記ナット本体部は、筒形状を有し、前記操舵軸が挿入されており、
    前記ナットボールねじ溝は、前記ナット本体部の内周側に形成された螺旋溝形状を有し、前記ナットボールねじ溝と前記操舵軸ボールねじ溝の間に螺旋形状のボール移動通路を形成する、
    前記ナットと、
    複数のボールであって、前記ボール移動通路に設けられ、前記ナットの回転に伴い前記ボール移動通路の中で移動することにより、前記ナットの回転軸線の方向において、前記ナットに対し、前記操舵軸を移動させる、
    複数の前記ボールと、
    電動アクチュエータであって、前記ナットに回転力を付与する、
    前記電動アクチュエータと、
    循環機構であって、前記ボール移動通路の1対の端部である第1ボール移動通路端部と第2ボール移動通路端部の一方から他方へ複数の前記ボールを循環可能であり、循環機構本体部と、ボール循環通路を有し、
    前記ボール循環通路は、前記循環機構本体部に設けられ、複数の前記ボールが循環する通路であって、第1屈曲部、第2屈曲部、第1領域部、第2領域部、及び第3領域部を有し、前記第1ボール移動通路端部から前記ボール移動通路に沿って、前記第1領域部、前記第1屈曲部、前記第2領域部、前記第2屈曲部、前記第3領域部、前記第2ボール移動通路端部の順に設けられており、
    前記ボール循環通路における前記ボールの移動方向に対し直角な前記ボール循環通路の断面の形状を、ボール循環通路断面形状とし、
    前記ボールの中心を通る前記ボールの断面の形状を、ボール断面形状とし、
    前記ボール循環通路断面形状の中心を循環通路中心とし、
    前記第1屈曲部において前記循環通路中心を通る平面を第1平面、
    前記第2屈曲部において前記循環通路中心を通る平面を第2平面、
    前記第2領域部において前記循環通路中心および前記ナットの回転軸線を通る平面を第3平面とし、
    前記第1領域部における前記ボール循環通路断面形状の外縁と前記第1平面とが交わる一対の交点である第1交点と第2交点のうち、前記ナットの回転軸線に関する径方向における外側に位置している前記第1交点を第1基準点とし、
    前記第3領域部における前記ボール循環通路断面形状の外縁と前記第2平面とが交わる一対の交点である第3交点と第4交点のうち、前記ナットの回転軸線に関する径方向における外側に位置している前記第3交点を第2基準点とし、
    前記第2領域部における前記ボール循環通路断面形状の外縁と前記第3平面とが交わる一対の交点である第5交点と第6交点のうち、前記ナットの回転軸線に関する径方向における外側に位置している前記第5交点を第3基準点としたとき、
    前記第1領域部における前記ボール循環通路断面形状は、前記循環通路中心に関する周方向において、前記第1基準点を含む所定の角度である第1角度の範囲において、前記ボールが、前記ボール循環通路を包囲する前記循環機構本体部の内周面と接触可能であり、
    前記第3領域部における前記ボール循環通路断面形状は、前記循環通路中心に関する周方向において、前記第2基準点を含む所定の角度である第2角度の範囲において、前記ボールが、前記ボール循環通路を包囲する前記循環機構本体部の内周面と接触可能であり、
    前記第2領域部における前記ボール循環通路断面形状は、前記循環通路中心に関する周方向において、前記第3基準点を含み180°より小さい所定の角度である第3角度の範囲において、前記ボールが、前記ボール循環通路を包囲する前記循環機構本体部の内周面と接触不可能であり、かつ前記第3基準点を含み180°より小さく、更に前記第3角度よりも大きい所定の角度である第4角度以下の範囲において、前記ボールが、前記ボール循環通路を包囲する前記循環機構本体部の内周面と2点で接触可能である、
    前記循環機構と、
    を有することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記循環機構は、循環機構第1部材と循環機構第2部材を含み、前記第2領域部において、前記循環通路中心に関する周方向において、前記循環機構第1部材と前記循環機構第2部材とが接合された第1接合面を有し、
    前記第1接合面は、前記循環通路中心に関する周方向において、前記ボールが前記ボール循環通路を包囲する前記循環機構本体部の内周面と接触する領域とオフセットした位置に設けられている
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記ボール循環通路は、更に第4領域部、及び第5領域部を含み、前記第1ボール移動通路端部から前記ボール移動通路に沿って、前記第1領域部、前記第1屈曲部、前記第4領域部、前記第2領域部、前記第5領域部、前記第2屈曲部、前記第3領域部、前記第2ボール移動通路端部の順に設けられており、
    前記第2領域部における前記ボール循環通路断面形状は、前記循環通路中心に関する周方向において、前記第3角度の範囲において、前記ボールが、前記ボール循環通路を包囲する前記循環機構本体部の内周面と接触不可能であり、かつ前記第4角度において、前記ボールが、前記ボール循環通路を包囲する前記循環機構本体部の内周面と2点で接触可能であり、
    前記第4領域部における前記ボール循環通路の断面形状は、前記第2領域部から前記第1屈曲部に向かうに従い、前記ボールが、前記ボール循環通路を包囲する前記循環機構本体部の内周面と2点で接触するときの前記循環通路中心に関する周方向における角度が、前記第4角度から徐々に小さくなっており、
    前記第5領域部における前記ボール循環通路の断面形状は、前記第5領域部から前記第2屈曲部に向かうに従い、前記ボールが、前記ボール循環通路を包囲する前記循環機構本体部の内周面と2点で接触するときの前記循環通路中心に関する周方向における角度が、前記第4角度から徐々に小さくなっている
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  4. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記第6交点を第4基準点としたとき、
    前記第2領域部における前記ボール循環通路断面形状は、前記第3基準点から前記循環通路中心に関する周方向の両側に向かって45°の点で、前記ボール循環通路を包囲する前記循環機構本体部の内周面と2点で接触可能であり、
    前記第4基準点から前記循環通路中心に関する周方向の両側に向かって45°の点で、前記ボール循環通路を包囲する前記循環機構本体部の内周面と2点で接触可能であることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記第2領域部における前記ボール循環通路の断面形状は、前記第3基準点から前記循環通路中心に関する周方向の両側に向かって90°の角度範囲であって、かつ前記第4角度を除く角度範囲において、前記前記第1領域部における前記ボール循環通路の断面形状と同じ形状を有することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  6. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記第2領域部における前記ボール循環通路の断面形状は、前記循環通路中心に関する周方向において、前記第3基準点を中心として、対称な2点において、前記ボールが、前記ボール循環通路を包囲する前記循環機構本体部の内周面と接触可能である
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  7. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記ボール循環通路は、更に第4領域部、および第5領域部を含み、前記第1ボール移動通路端部から前記ボール移動通路に沿って、前記第1領域部、前記第1屈曲部、前記第4領域部、前記第2領域部、前記第5領域部、前記第2屈曲部、前記第3領域部、前記第2ボール移動通路端部の順に設けられており、
    前記第4領域部における前記ボール循環通路の断面形状は、前記循環通路中心に関する周方向において、前記第1角度の範囲において、前記ボールが、前記ボール循環通路を包囲する前記循環機構本体部の内周面と接触可能であり、
    前記第5領域部における前記ボール循環通路の断面形状は、前記循環通路中心に関する周方向において、前記第2角度の範囲において、前記ボールが、前記ボール循環通路を包囲する前記循環機構本体部の内周面と接触可能であり、
    前記第2領域部と前記第4領域部は互いに隣接しており、前記第2領域部と前記第5領域部は互いに隣接している
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  8. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記ボール循環通路は、更に第4領域部、及び第5領域部を含み、前記第1ボール移動通路端部から前記ボール移動通路に沿って、前記第1領域部、前記第1屈曲部、前記第4領域部、前記第2領域部、前記第5領域部、前記第2屈曲部、前記第3領域部、前記第2ボール移動通路端部の順に設けられており、
    前記循環機構は、循環機構第1部材と循環機構第2部材と循環機構第3部材と循環機構第4部材を含み、
    前記循環機構第1部材と前記循環機構第2部材は、前記第4領域部において、前記循環通路中心に関する周方向において、前記循環機構第1部材と前記循環機構第2部材とが接合された第1接合面を有し、
    前記循環機構第3部材と前記循環機構第4部材は、前記第5領域部において、前記循環通路中心に関する周方向において、前記循環機構第3部材と前記循環機構第4部材とが接合された第2接合面を有し、
    前記循環機構第1部材と前記循環機構第4部材は、前記第2領域部において、前記ナットの回転軸線の方向において互いにオーバラップしており、前記循環通路中心に関する周方向において、前記循環機構第1部材と前記循環機構第4部材とが接合された第3接合面を有し、
    前記第3接合面は、前記循環通路中心に関する周方向において、前記ボールが前記ボール循環通路を包囲する前記循環機構本体部の内周面と接触する領域部とオフセットした位置に設けられており、
    前記循環機構第2部材と前記循環機構第3部材は、前記第2領域部において、前記ナットの回転軸線の方向において互いにオーバラップしており、前記循環通路中心に関する周方向において、前記循環機構第2部材と前記循環機構第3部材とが接合された第4接合面を有し、
    前記第4接合面は、前記循環通路中心に関する周方向において、前記ボールが前記ボール循環通路を包囲する前記循環機構本体部の内周面と接触する領域部とオフセットした位置に設けられている
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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