以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1には、本実施形態に係る電動と手動の切替装置が用いられているシャッター装置の全体正面図が示されており、このシャッター装置は、車庫用シャッター装置である。開閉移動方向が上下方向となっているシャッターカーテン1により室内と室外との間に設けられた開口部となっている出入口20が開閉されるため、シャッターカーテン1により室内と室外が仕切られる。出入口20の左右両側には、内部にシャッターカーテン1の左右両端部である幅方向両端部が上下にスライド自在に挿入された一対のガイドレール2が配設され、これらのガイドレール2は柱等の躯体3に取り付けられている。出入口20の上方において、左右一対のブラケット4が壁等の躯体5に取り付けられ、これらのブラケット4に、シャッターカーテン1の上端が吊元部材を介して連結された巻取軸6が水平に架け渡されており、この巻取軸6は正逆回転自在であり、巻取軸6の正回転により、出入口20を開放するためにシャッターカーテン1は巻取軸6に巻き取られ、また、巻取軸6の逆回転により、出入口20を閉鎖するためにシャッターカーテン1は巻取軸6から繰り出される。左右一対のブラケット4と巻取軸6は、ブラケット4や躯体5に取り付けられたシャッターケース7の内部に収納されている。
シャッターカーテン1の略全部は、上下方向に連設された多数のスラット8により形成され、上下両端部に設けられたカール部同士の係合によりシャッターカーテン1の厚さ方向に互いに回動自在となって連結されているこれらのスラット8のなかには、施錠装置9が取り付けられている施錠装置9付きスラット8Aがある。また、このシャッターカーテン1の巻取軸6による巻き取りと繰り出しは、後述するように電動により行われるとともに、手動によっても行われるため、スラット8のなかには、手を掛けることにより手動でシャッターカーテン1を上下させて巻取軸6も回転させるための手掛け部材10が取り付けられた手掛けスラット8Bも設けられている。また、シャッターカーテン1の最下部は座板11となっており、この座板11におけるシャッターカーテン1の厚さ方向の寸法は、スラット8におけるシャッターカーテン1の厚さ方向の寸法よりも大きくなっている。
なお、施錠装置9と手掛け部材10とを同じスラットに設けることにより、施錠装置9付きスラット8Aと手掛けスラット8Bとを同一のスラットとしてもよい。
図2には、左右一対のブラケット4が示されており、図3は、図2のS3−S3線断面図であり、図4は、図2の底面図である。これらの図に示されているように、それぞれのブラケット4には軸受部材12が溶接等で取り付けられている。図3に示されているように、巻取軸6の中心部は、後述する図14で示されている中心軸13で構成されており、この中心軸13の両端部は、それぞれのブラケット4の軸受部材12にボルト及びナットによる結合具15で結合されて回転不能に支持されており、中心軸13の外周に、巻取軸6の外周部を形成している回転体14が中心軸13を中心に回転自在に配設され、この回転体14にシャッターカーテン1の上端が吊元部材を介して連結されているため、回転体14の正逆回転により、巻取軸6によるシャッターカーテン1の巻き取りと、巻取軸6からのシャッターカーテン1の繰り出しとが行われる。
図2及び図3に示されているように、それぞれのブラケット4は、軸受部材12が配置された鉛直の基板部16と、この基板部16の周縁部にシャッターカーテン1の幅方向内側へ突出して設けられたフランジ部17とを有し、フランジ部17のうち、背面フランジ部17Aがビス等の結合具で躯体5に結合されることにより、ブラケット4は躯体5に取り付けられている。また、図3に示されているように、フランジ部17のうち、下面フランジ部17Bは、シャッターカーテン1の厚さ方向に分離している2個の分離下面フランジ部17C,17Dによって形成されている。
図4に示されているように、左右一対のブラケット4の下面フランジ部17Bには、これらの下面フランジ部17Bに配置された補助部材21を介して2本のまぐさ部材18,19が架け渡されており、シャッターカーテン1の幅方向である左右方向の長さ寸法が短いまぐさ部材18は、2個の分離下面フランジ部17C,17Dのうち、躯体5に近い箇所に設けられた分離下面フランジ部17Cに架け渡され、左右方向の長さ寸法が長いまぐさ部材19は、2個の分離下面フランジ部17C,17Dのうち、躯体5から遠い箇所に設けられた分離下面フランジ部17Dに架け渡されている。これらのまぐさ部材18,19は、図3から分かるように、リップ付きチャンネル材により形成されている。
図3に示されているように、ブラケット4の分離下面フランジ部17C,17Dとまぐさ部材18,19との間に介設されている補助部材21は、これらの補助部材21がガイドレール2の上端に接続されることにより、シャッターカーテン1をブラケット4の分離下面フランジ部17C,17Dよりも上側に案内するためのものである。また、シャッターカーテン1の厚さ方向の間隔をあけて左右一対のブラケット4の間に架け渡されている2本のまぐさ部材18,19の間が、シャッターカーテン1を上下に挿通させるためのスリット22となっている。
なお、ブラケット4の分離下面フランジ部17C,17Dを省略し、それぞれの補助部材21をブラケット4の図3で示した鉛直の基板部16に溶接で結合することにより、まぐさ部材18,19を左右一対のブラケット4ごとに配置された補助部材21に架け渡してもよく、また、分離下面フランジ部17C,17Dが省略されていても、シャッターカーテン1を補助部材21によってガイドレール2よりも上側へ案内するようにしてもよい。
また、図3では、それぞれがリップ付きチャンネル材により形成されているまぐさ部材18,19のうち、まぐさ部材19は、開口側がシャッターカーテン1に向いて配置されているが、このまぐさ部材19を、開口側をシャッターカーテン1とは反対側に向けて配置してもよい。これによると、シャッターカーテン1の幅方向中央部が風圧等でまぐさ部材19側へ湾曲変形しても、この湾曲変形をまぐさ部材19で有効に受けながらシャッターカーテン1を上下に開閉移動させることができる。また、まぐさ部材18については、図3に示されているように、開口側をシャッターカーテン1に向けて配置することが好ましく、これによると、このまぐさ部材18の長さ方向の途中部を壁等の躯体5にビス等の止着具により有効に止着することができる。
2本のまぐさ部材18,19ごとにそれぞれのブラケット4に配置される補助部材21は、図3に示されているように、シャッターカーテン1の厚さ方向両側に対称的に配置されるとともに、図4に示されているように、左右一対のブラケット4については、補助部材21は、シャッターカーテン1の幅方向両側に対称的に配置される。このため、合計4個の補助部材21は、2個の補助部材21Aと、2個の補助部材21Bとからなり、補助部材21Aと補助部材21Bは、シャッターカーテン1の厚さ方向中央部を中心に対称の形状となっているとともに、シャッターカーテン1の幅方向中央部を中心に対称の形状ともなっている。
図5及び図6と図8及び図9には、補助部材21Aと補助部材21Bのうち、補助部材21の形状を示す代表として、補助部材21Aが示されている。図5と図6は、補助部材21Aの正面図と側面図であり、図8と図9には、補助部材21Aを左右方向の一方と他方から見たときの底面の斜視図が示されている。なお、補助部材21Bの形状は、上述したように、シャッターカーテン1の厚さ方向中央部を中心に補助部材21Aと対称の形状になっているとともに、シャッターカーテン1の幅方向中央部を中心に補助部材21Aと対称の形状になっている。
補助部材21Aは、板金の折り曲げ等で形成された本体23の一部に、後述するように、例えば、射出成形により合成樹脂による被覆部材29を積層することにより形成されたものとなっている。また、この補助部材21Aの本体23は、水平の底面部となっているベース部24と、このベース部24におけるシャッターカーテン1側の端部から起立した起立部25とからなる側面形状が略L字状となった形状を有し、起立部25の上部は、シャッターカーテン1の厚さ方向外側へ湾曲した湾曲部25Aとなっている。また、図8と図9に示されているように、ベース部24は、シャッターカーテン1の厚さ方向の寸法である前後寸法が小さい小寸法部24Aと、前後寸法が大きい大寸法部24Bとがシャッターカーテン1の幅方向である左右方向に連続しているものとなっており、このため、起立部25は、湾曲部25Aの下側において、小寸法部24Aから起立した第1壁部25Bと、大寸法部24Bから起立した第2壁部25Cと、これらの第1及び第2壁部25B,25Cを滑らかに接続する傾斜壁部25Dとからなり、第2壁部25Cよりもシャッターカーテン1の幅方向外側の箇所に設けられている第1壁部25Bは、第2壁部25Cよりもシャッターカーテン1の厚さ方向外側へ後退した箇所に形成されている(図13も参照)。
図5及び図8に示されているように、第1壁部25Bにおける湾曲部25Aの下部からは、シャッターカーテン1側へ湾曲突出した形状となっている舌片状部26が下向きに延出しており、この舌片状部26は、上述した本体23に合成樹脂製の被覆部材29を積層したものとなっている。また、舌片状部26の下部26Aは、第1壁部25B及びこの第1壁部25Bに形成されている開口部27からシャッターカーテン1側へ離れており、この下部26Aの上側には、舌片状部26と本体23に設けられた第1壁部25Bとを繋ぐ第1閉塞部28Aと、舌片状部26と本体23に設けられた傾斜壁部25Dとを繋ぐ第2閉塞部28Bが設けられている。
また、図8及び図9に示されているように、本体23のベース部24の小寸法部24Aにおいて、1個の大径の第1孔30と、切り起こし加工による1個の突起31とが形成され、また、小寸法部24Aと大寸法部24Bに跨る範囲において、複数個、本実施形態では4個の小径の第2孔32が形成されている。
図7は、図5のS7−S7線断面図である。この図7に示されているように、金属板製の本体23の一部には、シャッターカーテン1側へ湾曲突出している舌片状下地部23Aが形成されており、この舌片状下地部23Aの上に合成樹脂製の被覆部材29が積層されることで舌片状部26が形成されている。舌片状下地部23Aのシャッターカーテン1の幅方向両側において、本体23には、被覆部材29の積層側とは反対側へ末広がり状となっている部分を有する孔33が設けられ、舌片状下地部23Aの箇所及びこの箇所の周辺部の上に、例えば、射出成形により合成樹脂による被膜を設けることにより、舌片状下地部23Aの箇所及びこの箇所の周辺部の上に、舌片状下地部23Aに被覆部材29を積層させた舌片状部26が形成されているとともに、孔33の箇所には、これらの孔33に充填された合成樹脂により被覆部材29の脚部29Aが形成され、これらの脚部29Aは、被覆部材29の積層側とは反対側へ末広がり状となっている部分を有するものであるため、被覆部材29は、補助部材21Aの本体23からの分離が阻止されてこの本体23の所定の箇所に確実に付着したものとなっている。
なお、舌片状下地部23Aのうち、前述した第1壁部25Bの開口部27と対応する部分は、本体23の材料である金属板材を打ち抜き加工等するときに、開口部27の箇所にあった材料の押し出しにより形成されている。
以上説明した補助部材21のそれぞれは、左右一対のブラケット4が製造された工場において、図2〜図4に示されているように、これらのブラケット4の下面フランジ部17Bの上に溶接で固定される。これを具体的に説明すると、図2で左右一対示されているブラケット4のうち、左側のブラケット4Aでは、図4に示されているように、下面フランジ部17Bの分離下面フランジ部17Cの上には、補助部材21Aのベース部24が載置されて溶接で固定されるとともに、下面フランジ部17Bの分離下面フランジ部17Dの上には、補助部材21Bのベース部24が載置されて溶接で固定される。また、右側のブラケット4Bでは、下面フランジ部17Bの分離下面フランジ部17Cの上には、補助部材21Bのベース部24が載置されて溶接で固定されるとともに、下面フランジ部17Bの分離下面フランジ部17Dの上には、補助部材21Aのベース部24が載置されて溶接で固定される。
シャッター装置の設置現場では、これらのブラケット4は、図3に示されているように、背面フランジ部17Aが躯体5にビス等の結合具で取り付けられ、この後に、左右一対のブラケット4に補助部材21を介して図4で示した2本のまぐさ部材18,19を架け渡す作業と、これらのまぐさ部材18,19を補助部材21に結合する作業とが行われる。これらの作業は、図3に示されているように、それぞれのまぐさ部材18,19の長さ方向の端部を補助部材21のベース部24の上に載せ、図4に示されているように、これらの補助部材21のベース部24に複数形成されている前述の第2孔32のうち、まぐさ部材18,19の長さ方向の端部で隠された複数の第2孔32に、これらの第2孔32を通すタッピングビス又はドリルねじによる結合具を補助部材21及びまぐさ部材18,19の下側から打つことにより、これらの結合具をまぐさ部材18,19の長さ方向の端部に螺入させて行われる(図25も参照)。
このようにして行われる作業は、それぞれの補助部材21に設けられている第2孔32を目印にして、タッピングビス又はドリルねじによる結合具をまぐさ部材18,19の長さ方向の端部に打つ作業となるため、ブラケット4に対するまぐさ部材18,19の配置位置を一層正確な位置として行うことができる。
また、図4に示されているように、第2孔32は、ブラケット4の分離下面フランジ部17C,17Dからシャッターカーテン1の幅方向内側への突出量を有している補助部材21のベース部24に形成されているため、このベース部24とまぐさ部材18,19の長さ方向の端部との重複長さをシャッターカーテン1の幅方向に長くすることができ、これにより、補助部材21とまぐさ部材18,19とを結合するタッピングビス又はドリルねじによる結合具の本数を多くして、補助部材21とまぐさ部材18,19との結合強度を大きくすることができる。
また、本実施形態では、図4に示されているように、2本のまぐさ部材18,19のうち、シャッターカーテン1の幅方向の長さ寸法が短いまぐさ部材18の長さ方向の端面18Aは、補助部材21のベース部24に設けられている前述の突起31に当接し、また、シャッターカーテン1の幅方向の長さ寸法が長いまぐさ部材19におけるシャッターカーテン1に厚さ方向内側に端部19Aは、補助部材21のベース部24に設けられている突起31に当接するため、補助部材21とまぐさ部材18,19をタッピングビス又はドリルねじによる結合具で結合する作業を行う際に、まぐさ部材18については、シャッターカーテン1の幅方向に移動することを突起31で阻止して位置決め状態とすることができ、まぐさ部材19については、シャッターカーテン1の厚さ方向に移動することを突起31で阻止して位置決め状態とすることができる。このため、補助部材21とまぐさ部材18,19をタッピングビス又はドリルねじによる結合具で結合する作業を容易かつ短時間で行うことができる。
なお、それぞれの補助部材21のベース部24に、まぐさ部材18,19がシャッターカーテン1の幅方向と厚さ方向の両方に移動することを阻止するための突起を設けてもよい。
また、まぐさ部材18,19に、補助部材21の第2孔32を目印にして孔開け加工を行い、これによって形成された孔と第2孔32とにボルトを挿入することにより、補助部材21とまぐさ部材18,19をボルト及びナットにより結合してもよい。
前述したように本実施形態では、2本のまぐさ部材18,19の長さ寸法を異ならせており、図4に示されているように、ブラケット4が取り付けられる躯体5に近い箇所に配置されるまぐさ部材18の長さ寸法を短くしている。このようした理由は、2本のまぐさ部材18,19を、左右一対のブラケット4に補助部材21を介して架け渡す際に、躯体5に近い箇所に配置されるまぐさ部材18の長さ寸法を短くすることにより、躯体5の影響をなくして又は少なくしてこのまぐさ部材18の架け渡し作業を容易に行えるようにするためである。
また、本実施形態では、図3の二点鎖線で示されているように、それぞれの補助部材21のベース部24の下面に、全開位置に達したときのシャッターカーテン1の図1で示した座板11が当接するための当接部材35を取り付け、ゴムや合成樹脂等の軟質材料で形成されている当接部材35により、シャッターカーテン1の全開位置への到達を緩衝させることができようしている。このように本実施形態では、それぞれの補助部材21には、全開位置に達したときのシャッターカーテン1の座板11が当接するための当接部材35が取り付けられているため、これらの補助部材21は、シャッターカーテン1の座板11のための戸当り部材となっている。
なお、当接部材35が取り付けられる補助部材21のベース部24の下面は、図4から分かるように、ブラケット4の下面フランジ部17Bからシャッターカーテン1の幅方向内側へ大きく突出した箇所となっているため(図25も参照)、本実施形態では、ベース部24の下面への当接部材35の取り付けを一層確実に行えるようになっている。
図10には、図1で示したシャッターカーテン1の一部を構成している施錠装置9付きスラット8Aが示され、この図10は、スラット8Aの背面図である。施錠装置9は、スラット8Aの背面に配置され、往復回動操作されるサムターン部材36と、このサムターン部材36の往復回動により、シャッターカーテン1の幅方向であるスラット8Aの長さ方向に直線往復移動する左右一対のアーム部材37と、それぞれのアーム部材37に連結され、スラット8Aの長さ方向に直線往復移動可能となっている左右一対のバー部材38、それぞれのバー部材38にばね等を介して連結され、スラット8Aの長さ方向の端部に対して出没可能となっている左右一対のラッチ部材39とを含んで構成され、サムターン部材36の往復回動操作により、ラッチ部材39はスラット8Aの長さ方向の端部に対して出没する。また、施錠装置9のうち、図1に示されている鍵穴9Aに挿入した板キーを往復回動操作しても、ラッチ部材39はスラット8Aの長さ方向の端部に対して出没する。
図1で示したシャッターカーテン1を前述した手動により座板11が出入口20の床20Aに達する全閉位置まで下降させた後に、サムターン部材36又は板キーの操作によりラッチ部材39をスラット8Aの長さ方向の端部から突出させると、これらのラッチ部材39は、左右一対のガイドレール2の内部に固定配置されているラッチ受け部材40に係止するため、シャッターカーテン1は、全閉位置において上方へ開き移動不能となって施錠される。なお、シャッターカーテン1を前述した電動により全閉位置まで移動させて停止させたときには、この電動によりシャッターカーテン1を移動させるために前述した巻取軸6に配置されている開閉機は、後述するように電動モータとブレーキを含んで構成されているものとなっていて、このブレーキにより巻取軸6の回転が停止されてシャッターカーテン1が上方へ開き移動不能となるため、施錠装置9のサムターン部材36や板キーを操作しなくても、シャッターカーテン1を全閉位置で停止させておくことができる。
図11は、図1のS11−S11線断面図であって、図1に示されている左右一対のガイドレール2A,2Bのうち、右側のガイドレール2Bの平断面図である。この図11に示されているように、ガイドレール2Bは、ガイドレール本体41と、このガイドレール本体41にシャッターカーテン1の厚さ方向に連結されているガイドレール副体42とからなる。アルミ又はアルミ合金の押し出し成形品であるこれらのガイドレール本体41とガイドレール副体42のうち、ガイドレール本体41は、シャッターカーテン1の厚さ方向両側の側壁部41A,41Bと、これらの側壁部41A,41Bのシャッターカーテン1の幅方向外側の端部同士を接続する後壁部41Cとからなり、シャッターカーテン1の幅方向内側の開口部からシャッターカーテン1の幅方向の端部がガイドレール本体41の内部に挿入される。また、このガイドレール本体41の内部には、シャッターカーテン1の厚さ方向両側と対向する緩衝部材43がガイドレール本体41の係止部41Dに係止されて配置されており、ゴムや合成樹脂等の軟質材料で形成されている緩衝部材43により、シャッターカーテン1はガイドレール本体41の内面に直接接触することなく、ガイドレール本体41に案内されて上下に開閉移動できるようになっている。
ガイドレール副体42は、シャッターカーテン1の厚さ方向両側のうち、ガイドレール本体41の側壁部41Bと間隔をあけて平行となっている側壁部42Aと、この側壁部42Aのシャッターカーテン1の幅方向両端部からガイドレール本体41側へ延出している前後壁部42B,42Cとからなる。後壁部42Cに設けられた被係止部42Dにガイドレール本体41の側壁部41Bに設けられた係止部41Eが係止されているとともに、前壁部42Bの端部がガイドレール本体41の側壁部41Bに形成された突条部41Fにビス等の止着具44で止着されることにより、ガイドレール本体41とガイドレール副体42とがシャッターカーテン1の厚さ方向に連結されている。
上述したように電動モータとブレーキを含んで構成されている開閉機は、シャッターカーテン1の幅方向が軸方向となっている巻取軸6において、ガイドレール2Bに近い箇所に配置されているため、巻取軸6を電動式としたり手動式としたりするために電動モータと巻取軸6との間を接続、断絶するクラッチも、ガイドレール2Bに近い箇所に配置されており、このため、図11で示されているガイドレール2Bのガイドレール副体42には、このクラッチのオン、オフを切り替えるために操作される切替操作器45が配置されている。この切替操作器45が配置されたガイドレール副体42は、ガイドレール本体41に対し、図1で示したシャッターカーテン1で開閉される車庫等の建物の出入口20よりも室内側に配置されている。
図1に示されている左右一対のガイドレール2A,2Bのうち、左側のガイドレール2Aも、ガイドレール2Bと同様に、ガイドレール本体41とガイドレール副体42との連結により形成してもよく、あるいは、この左側のガイドレール2Aには切替操作器45が配置されないため、ガイドレール本体41だけで形成してもよい。
図3は、前述の左右一対のブラケット4A,4Bのうち、左側のブラケット4Aを示した図2のS3−S3断面図であり、この図3には、左右一対のガイドレール2のうち、左側のガイドレール2Aが二点鎖線で示されている。また、図3の実施形態では、この左側のガイドレール2Aはガイドレール本体41だけで形成されているため、図3には、ガイドレール本体41が二点鎖線で示されているとともに、このガイドレール本体41の上端41Gも二点鎖線で示されている。図12には、この上端41Gと、前述した補助部材21A,21Bの上下位置関係が示されている。これらの図3及び図12に示されているように、ガイドレール2Aの上端となっているガイドレール本体41の上端41Gは、ブラケット4Aの前述した分離下面フランジ部17C,17Dの上に載置されている補助部材21A,21Bのベース部24を越えた上方の位置に達している。なお、図12では、補助部材21A,21Bのベース部24に取り付けられている前述の当接部材35は省略されている。
図13は、図12の底面図であり、この図13に示されているように、ガイドレール本体41のうち、補助部材21A,21Bのベース部24を越えている側壁部41A,41Bの部分は、補助部材21A,21Bのベース部24のうち、前述した小寸法部24Aから起立した第1壁部25Bと、これらの第1壁部25Bからシャッターカーテン1側へ離れて補助部材21A,21Bに設けられている舌片状部26の下部26Aとの間のすき間に挿入され、この挿入により、ガイドレール本体41の上部には、前述した巻取軸6を支持する軸受部材12が設けられたブラケット4の分離下面フランジ部17C,17Dに取り付けられている補助部材21A,21Bが接続されていることになる。
なお、図3、図12及び図13は、図1で示されている左右一対のガイドレール2のうち、左側のガイドレール2Aについて示しているが、右側のガイドレール2Bについては、図11で示したガイドレール副体42は、補助部材21A,21Bのベース部24と、このベース部24の下面に取り付けられている前述の当接部材35とを越える部分は切除されている。このため、この右側のガイドレール2Bでは、ガイドレール本体41だけが補助部材21A,21Bのベース部24を越えた高さ位置まで達しており、このガイドレール本体41のうち、補助部材21A,21Bのベース部24を越えている側壁部41A,41Bの部分は、左側のガイドレール2Aと同様に、補助部材21A,21Bのベース部24のうち、小寸法部24Aから起立した第1壁部25Bと、これらの補助部材21A,21Bに設けられている舌片状部26の下部26Aとの間のすき間に挿入されている。
以上の構造により、本実施形態では、左右一対のガイドレール2により案内されて上方に開き移動するシャッターカーテン1は、巻取軸6を支持する軸受部材12が設けられた左右一対のブラケット4の分離下面フランジ部17C,17Dよりも上側では、補助部材21A,21Bに案内されて開き移動することになり、また、巻取軸6から繰り出されたシャッターカーテン1は、補助部材21A,21Bに案内されて左右一対のガイドレール2に達することになる。
また、本実施形態では、左右一対のガイドレール2のそれぞれのガイドレール本体41の内部に配置される図11の緩衝部材43と、これらの緩衝部材43をガイドレール本体41の内部に係止するためにガイドレール本体41に設けられている係止部41Dは、図12の補助部材21A,21Bに設けられている舌片状部26の下部26Aの直下までの上下長さ寸法を有するものとされていて、この下部26Aと重複する部分は削除されており、また、係止部41Dは、図13に示されているように、補助部材21A,21Bの舌片状部26の下部26Aと対応する箇所に設けられているため、緩衝部材43の上方への延長上において、前述した被覆部材29が積層されている舌片状部26が配置されていることになる。
このため、シャッターカーテン1が、ブラケット4の分離下面フランジ部17C,17Dよりも上側において、補助部材21A,21Bに案内されて開き移動するとき、あるいは、巻取軸6から繰り出されたシャッターカーテン1が、補助部材21A,21Bに案内されて左右一対のガイドレール2に達するときに、シャッターカーテン1は、被覆部材29が積層されている舌片状部26により案内されることになり、これにより、シャッターカーテン1は、補助部材21の前述した金属板製の本体23に直接接触することなく、補助部材21により案内される。
なお、本実施形の補助部材21の舌片状部26は、上述したように本体23に被覆部材29を積層したものとなっているが、例えば、シャッターカーテン1の構成部材の材質等により、シャッターカーテン1との接触があまり問題とならない補助部材については、この補助部材の舌片状部26を被覆部材29が積層されていないものとしてもよい。このため、舌片状部26が被覆部材29を積層して形成されたものとなっている補助部材と、舌片状部26が被覆部材29を積層しないで形成されたものとなっている補助部材とを用意し、これらの補助部材のうち、それぞれの設置現場に設置されるシャッター装置の種類等に応じて、用いる補助部材を選択できるようにしてもよい。
また、図10で示した施錠装置9付きスラット8Aについては、シャッターカーテン1を手動により上方へ開き移動させるときに、前述したラッチ部材39を、サムターン部材36や板キーの回動操作によってスラット8Aの長さ方向の端部の内部に収納させるが、この回動操作が不十分である場合には、図13に示されているように、ラッチ部材39がスラット8Aの長さ方向の端部から少し突出した状態となって、スラット8Aは補助部材21A,21Bの間を通過することになる。しかし、本実施形態に係る補助部材21A,21Bには、このようにスラット8Aの長さ方向の端部から少し突出したラッチ部材39と干渉する壁等は存在していないため、ラッチ部材39がこのようにスラット8Aの長さ方向の端部から少し突出した状態となっていても、シャッターカーテン1の上下方向の開閉移動を支障なく行わせることができる。
図14には、シャッターカーテン1の上端が結合されていないときの巻取軸6が示されている。この巻取軸6は、図3で説明したように、巻取軸6の中心部に配置されていて、長さ方向の両端部が左右一対のブラケット4に設けられた軸受部材12に結合具15で回転不能に支持されている中心軸13と、この中心軸13の外周に中心軸13を中心に回転自在に配置されている回転体14とを含んで構成されている。回転体14は、中心軸13の軸方向に複数個が並設され、それぞれが中心軸13に対して軸受部材50で回転自在となっているホイール部材51と、これらのホイール部材51同士を連結している連結棒状部材52とを有するものとなっており、ホイール部材51の円周方向に複数本設けられている連結棒状部材52は、それぞれのホイール部材51の外周部に溶接で結合されることにより、あるいは、それぞれのホイール部材51の外周部に形成された凹部に圧入嵌合等されることにより、これらのホイール部材51を連結している。これらのホイール部材51にシャッターカーテン1の上端部の吊元部材がビス等の結合具により結合されることにより、回転体14の正回転により、シャッターカーテン1は回転体14に巻き取られて上方への開き移動を行い、また、回転体14の逆回転により、シャッターカーテン1は回転体14から繰り出されて下方への閉じ移動を行う。
また、巻取軸6には、回転体14の逆回転時に戻しばね力が蓄圧され、この戻しばね力を補助力にして回転体14を正回転させるための戻しばね53が配置されており、この戻しばね53は、中心軸13の外周に巻回装備されたコイルばねであり、このコイルばねの一方の端部は結合具54で中心軸13に結合されているとともに、他方の端部は結合具55でホイール部材51に結合されている。
また、図14に示されているように、巻取軸6の中心軸13には、開閉機56と、この開閉機56を電気的に制御するための制御装置57とを含んで構成されたユニット構造体58が取り付けられており、このユニット構造体58は図15にも示されている。開閉機56は、電動モータと、この電動モータの正逆の回転駆動力を減速させて出力させるための減速装置と、電動モータを停止させるためのブレーキとの組み合せからなり、電動モータの正逆の回転駆動力が減速装置を介して後述するように巻取軸6の回転体14に伝達されることにより、シャッターカーテン1は電動により上下方向の開閉移動を行い、電動モータがブレーキで停止することにより、シャッターカーテン1は全閉位置や、全開位置、半開位置等で停止する。このようなシャッターカーテン1の開閉移動や停止を行わせるために開閉機56は、「開」「閉」「停」の操作ボタンが設けられた図示外の操作装置が操作されて、この操作装置からの信号が無線又は有線によって制御装置57に入力することにより、この制御装置57によって電気的に制御される。
図15に示されているように、制御装置57は開閉機56に連結部材59,60により連結されており、図14から分かるように、これらの開閉機56と制御装置57との間に、巻取軸6のうちの中心軸13が挿通されるようになっている。連結部材59,60のうち、連結部材59は、開閉機56の先部の部分を形成しているベース部材61に設けられており、このベース部材61には、図4のS16−S16線断面図である図16でも示されている軸62Aにより挟着部材62の一端部が取り付けられ、この挟着部材62は、ベース部材61に対して軸62Aを中心に回動自在である。中心軸13をベース部材61と挟着部材62との間に挿通させるとともに、開閉機56と制御装置57との間にも挿通させた後に、ボルト等の結合具63で挟着部材62の他端部をベース部材61に結合することにより、中心軸13がベース部材61と挟着部材62により挟着され、これにより、ユニット構造体58は、巻取軸6のうちの中心軸13に固定されるようになっている。
図15に示されているように、ユニット構造体58の先端側にはリングギヤ65とキャップ部材66が配置されており、図17は、これらのリングギヤ65とキャップ部材66における縦断面図である。金属製の厚板で形成されているリングギヤ65と、金属板のプレス品であるキャップ部材66は、リングギヤ65が、キャップ部材66よりもユニット構造体58側となって中心軸13の軸方向に並設され、キャップ部材66のフランジ部66Aがリングギヤ65に図15と図16に示されているビス等の結合具67で結合されることにより、リングギヤ65とキャップ部材66は結合一体化されている。
また、図17に示されているように、ベース部材61には、中心軸13の軸方向に延びることによりリングギヤ65とキャップ部材66の内部に侵入した延出部61Aが設けられ、この延出部61Aの先端部は、中心軸13の直径方向に立上った立上り部61Bとなっている。この立上り部61Bには、キャップ部材66に形成されている開口部66Bに遊嵌状態で挿入されたボス部材68が、図16でも示されているボルト等の結合具69により結合され、また、図17に示されているように、ボス部材68のうち、中心軸13の外周に嵌合されている軸部68Aは、中心軸13にボルト等の結合具70により結合されている。
このようにして結合具70で中心軸13に結合されたボス部材68には、このボス部材68に取り付けられた軸71を中心に回転自在となっているガイドローラ72が設けられ、このガイドローラ72は、図18に示されているように、中心軸13の円周方向に等角度間隔で複数個、図示例では3個設けられ、それぞれのガイドローラ72は、図17に示されているように、キャップ部材66の円周内面66Cに当接している。このため、これらのガイドローラ72のガイド作用により、キャップ部材66と、このキャップ部材66に結合具67で結合されているリングギヤ65は、中心軸13と、この中心軸13に結合具70に結合されたボス部材68とに対して回転自在となっている。また、図18に示されているように、リングギヤ65の外周部には複数の凹部65Aが形成され、図16に示されているように、キャップ部材66のフランジ部66Aにも複数の凹部66Dが形成され、これらの凹部65A,66Dに前述した回転体14の連結棒状部材52が嵌合されることにより、リングギヤ65と、キャップ部材66と、巻取軸6の回転体14とが、中心軸13を中心に一体となって回転するようになっている。
図15で説明した開閉機56には出力軸75が設けられ、この出力軸75は、開閉機56の電動モータの駆動力により減速装置で減速されて回転する伝動軸から回転力が伝達されるものになっており、これらの伝動軸と出力軸75は、例えば、スプライン嵌合で接続されているため、外周にコイルばねによる弾発部材76が巻回装備されている出力軸75は、伝動軸に対して弾発部材76の弾発力によりリングギヤ65側への前進力を常時付与されながら軸方向へ前進後退自在となっているとともに、伝動軸から伝達される駆動力で回転するようになっている。出力軸75の先端部は、出力軸75と結合一体化された駆動軸部77となっており、この駆動軸部77には、クラッチ78を介してピニオンギヤ79が接続されている。図19には、ピニオンギヤ79を含めた平面図が示され、この図19に示されているように、ピニオンギヤ79は、前述したベース部材61の立上り部61Bに設けられた軸80を中心に回転自在となっている。
また、ピニオンギヤ79は、図17に示されているように、リングギヤ65の内周面65Bに多数形成されている歯部81に噛合している。クラッチ78がオンとなっているときに、出力軸75と一体に駆動軸部77が回転すると、ピンオンギヤ79も回転するため、この回転が歯部81から伝達されるリングギヤ65と、このリングギヤ65に結合具67で結合されているキャップ部材66は、ガイドローラ72によるガイド作用により中心軸13を中心に回転し、回転体14も回転する。この回転が前述した正回転であるときには、前述したようにシャッターカーテン1は上方への開き移動を行い、また、この回転が前述した逆回転であるときには、シャッターカーテン1は下方への閉じ移動を行う。
なお、ピニオンギヤ79の回転をリングギヤ65に伝達させるためには、ピニオンギヤ79をリングギヤ65の内周面65Bに多数形成されている歯部81に噛合させなければならないが、このピンオンギヤ79は、ベース部材61の立上り部61Bに設けられた軸80に取り付けられていて、この立上り部61Bはボス部材68に図16及び図17で示した結合具69に結合されているとともに、ボス部材68の軸部68Aは中心軸13に結合具70で結合されているため、ボス部材68についての中心軸13の円周方向の配置位置によっては、前述した連結棒状部材52をリングギヤ65の凹部65Aとキャップ部材66の凹部66Dとに嵌合させた後に、リングギヤ65の歯部81にピニオンギヤ79を噛合させることが困難になることがあり、あるいは、リングギヤ65の歯部81にピニオンギヤ79を噛合させた後に、リングギヤ65の凹部65Aとキャップ部材66の凹部66Dとに連結棒状部材52を嵌合することが困難になることがある。
このため、本実施形態では、前述したベース部材61と挟着部材62によりユニット構造体58を中心軸13の挟着固定する以前において、図17に示されているように、結合具70の雄ねじ軸部70Aを、ボス部材68の軸部68Aに形成した雌ねじ孔68Cに螺入するとともに、この雌ねじ孔68Cから突出した雄ねじ軸部70Aの先端部を、図16に示されているように、中心軸13にこの中心軸13の円周方向の長さをもって形成されている凹部82の内部に突出させ、これにより、ボス部材68を中心軸13の軸方向に不動状態とした後に、ボス部材68と、及びこのボス部材68に結合具69で結合されたベース部材61の立上り部61Bに軸80で取り付けられているピニオンギヤ79とを、中心軸13の円周方向である凹部82の長さ方向に回動変位させ、この回動変位により、リングギヤ65の歯部81にピニオンギヤ79を噛合させることと、連結棒状部材52をリングギヤ65の凹部65Aとキャップ部材66の凹部66Dとに嵌合することとを実施できるようにし、次いで、結合具70を最後まで強く締め付けることで雄ねじ軸部70Aの先端部を凹部82の底部に当接させ、これにより、ボス部材68を中心軸13に結合し、また、ベース部材61と挟着部材62によりユニット構造体58を中心軸13に挟着固定するようにしている。
また、本実施形態では、ボス部材68とベース部材61の立上り部61Bとを結合するための結合具69は、中心軸13の軸方向が長さ方向となっているボルト等によるものであるため、結合具69によりボス部材68とベース部材61の立上り部61Bとを結合するための作業を、中心軸13の軸方向から容易に行えるようになっている。
また、本実施形態のリングギヤ65は、前述したように金属製の厚板で形成されているため、このリングギヤを鋳造品等とした場合よりも、リングギヤ65を安価かつ容易に製造することができる。また、リングギヤ65を前述したガイドローラ72のガイド作用により中心軸13を中心に回転自在とさせるためのキャップ部材66は、金属板のプレス品であるため、リングギヤ65を中心軸13を中心に回転自在とさせるための部材も、安価かつ容易に製造することができる。
次に、図15及び図19で示されているクラッチ78について説明する。図19に示されているように、ピニオンギヤ79における出力軸75側の後部は、ピニオンギヤ79と結合一体化された被動軸部83となっており、この被動軸部83は、図21に示されているように、出力軸75と一体化された駆動軸部77の一部を内部に挿入することができる空洞部83Aが設けられたものとなっている。これらの被動軸部83と駆動軸部77との間には複数個のボール84が介設され、これらのボール84は、被動軸部83と駆動軸部77の円周方向に等角度間隔で配置されている。被動軸部83と駆動軸部77のうち、一方の軸部には、本実施形態では、被動軸部83には、この被動軸部83にビス等の結合具で結合された塞ぎ部材85により塞がれていることで断面凹部状となっているリング状溝部86が形成され、このリング状溝部86にそれぞれのボール84の一部が挿入されることにより、これらのボール84は被動軸部83の軸方向に移動不能状態となっている。
また、被動軸部83と駆動軸部77のうち、他方の軸部には、本実施形態では、駆動軸部77には、それぞれのボール84と対応する箇所において、ボール84の一部が挿入さされた直線状溝部87が駆動軸部77の軸方向への長さをもって形成されており、これらの直線状溝部87の底部87Aは、駆動軸部77の先端側へ延びるにしたがって駆動軸部77の中心部に近づくように傾斜しているため、直線状溝部87の深さは、これらの直線状溝部87がピニオンギヤ79側へ延びるにしたがって大きくなっている。このため、出力軸75及び駆動軸部77が、前述した弾発部材76の弾発力によりリングギヤ65側へ前進しているときには、ボール84は直線状溝部87における深さが小さい箇所に存在するため、駆動軸部77と被動軸部83は、ボール84を介して接続された状態となり、このため、出力軸75による駆動軸部77の回転は、ボール84を介して被動軸部83に伝達されてピニオンギヤ79も回転するため、このときのクラッチ78はオンとなっている。
これに対して出力軸75及び駆動軸部77がリングギヤ65側から後退したときには、ボール84は直線状溝部87における深さが大きい箇所に移行するため、出力軸75によって駆動軸部77が回転しても、ボール84は被動軸部83の直線状溝部87において空回転し、このため、駆動軸部77の回転は被動軸部83に伝達されず、被動軸部83及びピニオンギヤ79は回転しないため、このときのクラッチ78はオフとなる。
このため、本実施形態では、クラッチ78のオン、オフの切り替えは、駆動軸部77が被動軸部83に対してこれらの駆動軸部77及び被動軸部83の軸方向に移動することにより行われる。
また、本実施形態に係るクラッチ78は、駆動軸部77から被動軸部83へ回転力を伝達するための回転力伝達部材が回転自在のボール84となっているため、駆動軸部77が被動軸部83に対して駆動軸部77及び被動軸部83の軸方向に移動するときに、この移動は、ボール84が回転することにより行われるため、クラッチ78のオン、オフの切り替えが円滑に行われるようになっている。
なお、図21の実施形態とは逆に、リング状溝部を駆動軸部77の先端部に設けるとともに、直線状溝部を被動軸部83に設け、この直線状溝部の深さを、ピニオンギヤ79側とは反対側へ大きくなるようにしても、出力軸75及び駆動軸部77が弾発部材76の弾発力でリングギヤ65側へ前進しているときにクラッチ78をオンとさせることができ、また、出力軸75及び駆動軸部77がリングギヤ65側から後退したときにクラッチ78をオフとさせることができる。また、出力軸75及び駆動軸部77がリングギヤ65側から後退したときにクラッチ78がオンとなり、出力軸75及び駆動軸部77がリングギヤ65側へ前進したときにクラッチ78がオフとなるようにするために、直線状溝部の深さが大きくなる方向を上記とは逆の方向としてもよい。
本実施形態に係るクラッチ78のオン、オフの切り替えは図11で示した切替操作器45により行われる。このため、図19に示されているように、紐状部材であるワイヤー90によって切替操作器45と連結されている動作部材91が駆動軸部77に配置されている。この動作部材91は、ベース部材61の前述した延出部61Aに配置された軸92を中心に回動自在となっているとともに、駆動軸部77の直径方向の両側に配置された2個の動作部91A,91Bが結合部91Cで結合された二股状の形状を有するものであり、2個の動作部91A,91Bのうち、一方の動作部91Aより長い寸法を有する他方の動作部91Bの先端部に軸92が設けられている。また、それぞれの動作部91A,91Bには、駆動軸部77の全周に渡って形成された環状堤部77Aと駆動軸部77の軸方向に対向している湾曲突出部91Dが設けられている。動作部材91の長さ方向のうち、軸92側とは反対側の端部には、ワイヤー90におけるクラッチ78側の端部が接続具93で接続され、このワイヤー90は、ベース部材61にクラッチ78側の端部が結合されたアウター部材94の内部に挿通されている。
通常時の出力軸75と駆動軸部77は、前述した弾発部材76の弾発力によりリングギヤ65側へ前進しているため、クラッチ78はオンとなっている。これに対してワイヤー90に引っ張り操作力が作用すると、図20に示されているように、動作部材91は軸92を中心に回動し、この回動により、動作部材91の湾曲突出部91Dが駆動軸部77の環状堤部77Aをリングギヤ65側とは反対側へ押圧するため、出力軸75と駆動軸部77は弾発部材76の弾発力に抗して後退し、これにより、クラッチ78はオフとなっている。そして、ワイヤー90の引っ張り操作力が消滅すると、出力軸75と駆動軸部77は弾発部材76の弾発力によりリングギヤ65側へ前進し、動作部材91は軸92を中心に戻り回動するとともに、クラッチ78は再びオンとなる。
このため、本実施形態に係るクラッチ78は、駆動軸部77と、被動軸部83と、これらの駆動軸部77と被動軸部83の間に介設されたボール84と、動作部材91とが主要な構成要素となって構成されたものとなっている。
なお、軸92を中心に回動することによりクラッチ78のオン、オフの切り替えを行うための部材となっている動作部材91は、駆動軸部77の環状堤部77Aに当接する部分が、環状堤部77A側へ湾曲して突出した湾曲突出部91Dとなっているため、動作部材91が軸92を中心に回動しているときの全体を通して、動作部材91が駆動軸部77を後退させることを、動作部材91と駆動軸部77との接触部を小さくして行わせることができ、このため、クラッチ78のオフへの切り替えを円滑に行わせることができ、また、弾発部材76の弾発力で動作部材91が軸92を中心に戻り回動するときも、動作部材91と駆動軸部77との接触部は小さいため、クラッチ78のオンへの切り替えも円滑に行わせることができる。
また、本実施形態では、図19及び図20に示されている軸92は、動作部材91と一体に回動する回動軸となっており、この軸92には、電気スイッチ95を作動させるための作動部材96が取り付けられており、動作部材91がワイヤー90の引っ張り操作力で軸92を中心に回動すると、作動部材96も軸92を中心に回動するため、電気スイッチ95によりクラッチ78のオン、オフが検出されるようになっている。電気スイッチ95からの検出信号は、図15等で示した制御装置57に送られるため、クラッチ78がオフとなっていて、開閉機56の電動モータと巻取軸6の回転体14との間が遮断されているときには、前述した「開」「閉」「停」の操作ボタンが設けられた操作装置の操作によりシャッターカーテン1を電動で開閉移動させようとしても、制御装置57はこの操作装置からの信号を無効とし、制御装置57は、開閉機56の電動モータを駆動させるための信号を開閉機56に送らない。また、クラッチ78のオン、オフを検出した電気スイッチ95は、クラッチ78がオンとオフのいずれかの状態にあるのかを表示するための図示外の表示装置にも検出信号を送るようになっている。
図22には、動作部材91から切替操作器45まで延びているワイヤー90の配線状態が示されている。巻取軸6の中心軸13は中空パイプ材で形成されており、ワイヤー90は、この中心軸13の軸方向の途中に形成された孔から中心軸13の内部に挿入された後に、図2で示した左右一対のブラケット4A,4Bのうち、図11の切替操作器45が設けられている側に配置されている図22のブラケット4Bに達している。なお、巻取軸6の前述した回転体14を構成している複数のホイール部材51のうち、ブラケット4Bに最も近い箇所に配置されているホイール部材51を、中心軸13に固定配置したボス部材に対して回転自在とし、このボス部材に形成した孔にワイヤー90を挿通することにより、ワイヤー90がブラケット4Bに達するようにしてもよい。
ブラケット4Bに達したワイヤー90は、このブラケット4Bに形成されている孔97に挿入されて、巻取軸6の軸方向におけるブラケット4Bの外側へ導出され、また、ワイヤー90は、ブラケット4Bに孔97よりも下側に設けられている孔98に挿入されて、巻取軸6の軸方向におけるブラケット4Bの内側へ導入されている。このようにワイヤー90をブラケット4Bの外側へ一旦出した後に、ブラケット4Bの内側へ入れている理由は、ワイヤー90が巻取軸6に巻き取られるシャッターカーテン1と干渉しないようにするためである。
なお、ブラケット4Bの外側を含む部分は、図22の二点鎖線で示されているように、図1で示したシャッターケース7により覆われるため、ワイヤー90が外部に露出することはない。
孔98に挿入されることにより巻取軸6の軸方向におけるブラケット4Bの内側に導入されたワイヤー90は、図22に示されているように、図1に示した左右一対のガイドレール2A,2Bのうち、切替操作器45が配置されているガイドレール2Bの内部に挿入されている。このようにワイヤー90をブラケット4Bの内側からガイドレール2Bの内部に挿入するために、図8及び図9で示した補助部材21のベース部24に形成されている第1孔30が用いられる。すなわち、図4には、ガイドレール2B側であるブラケット4Bに配置されている補助部材21A,21Bのうち、切替操作器45が配置されるガイドレール2Bにおける図11で示したガイドレール副体42側に配置されている補助部材21Bのベース部24に設けられた大径の第1孔30が示されており、この第1孔30からワイヤー90はガイドレール2Bのガイドレール副体42の内部に挿入されている。
なお、図4で示されている補助部材21Bのベース部24の第1孔30は、一部がブラケット4Bの前述した分離下面フランジ部17Cと一致したものとなっているため、本実施形態では、この分離下面フランジ部17Cに第1孔30と対応する孔を設けて、この孔にもワイヤー90を挿入するようにしている。しかし、第1孔30を分離下面フランジ部17Cから外れたベース部24の箇所に設けることにより、この第1孔30だけに通したワイヤー90をガイドレール2Bのガイドレール副体42の内部に挿入するようにしてもよい。
前述したように本来の補助部材21Bは、シャッターカーテン1をブラケット4Bの分離下面フランジ部17Cよりも上側に案内するためのものであり、この補助部材21Bに、前述したように本実施形態では、シャッターカーテン1の座板11がシャッターカーテン1の全開時に当接する当接部材35を取り付けることにより、補助部材21Bを戸当り部材としているとともに、補助部材21Bのベース部24にワイヤー90を挿通させるための第1孔30を設けることにより、本実施形態では、この補助部材21Bを、クラッチ78のオン、オフを切り替えるための紐状部材となっているワイヤー90を挿通案内するための紐状部材用挿通案内部材としても活用しており、このため、補助部材21Bがワイヤー90を配線するときに影響することはない。
なお、図1〜図4等で示されている本実施形態に係るシャッター装置は、シャッターカーテン1を巻き取るための巻取軸6が、シャッターカーテン1で開閉される出入口20に対して室外側に配置された外巻き式のシャッター装置であるが、本実施形態では、図2で示した左右一対のブラケット4A,4Bのうち、図11で示されている切替操作器45が配置されている側に配置されているブラケット4Bには、図4に示されているように、上述の補助部材21Bだけではなく、補助部材21Aも配置されており、この補助部材21Aにも第1孔30が設けられているため、巻取軸6が、シャッターカーテン1で開閉される出入口20に対して室内側に配置される内巻き式のシャッター装置については、切替操作器45が配置されるガイドレール2Bにおけるガイドレール副体42を図4で示されている補助部材21Aの側に配置することにより、この補助部材21Aの第1孔30にワイヤー90を通すことによって切替操作器45までこのワイヤー90を配線することができる。
すなわち、本実施形態によると、補助部材21A,21Bの両方に第1孔30を設けているため、外巻き式のシャッター装置にも、内巻き式のシャッター装置にも有効に対処することができる。
なお、前述したように、左右のブラケット4A,4Bにおける図4で示した分離下面フランジ部17C,17Dを省略し、補助部材21A,21Bをブラケット4A,4Bの図2及び図3で示されている鉛直の基板部16に溶接で結合することにより、第1孔30の全体を露出させて補助部材21A,21Bをブラケット4A,4Bに取り付けてもよい。これによると、ブラケット4A,4Bには第1孔30の一部を塞ぐものがないため、第1孔30にワイヤー90を挿通する作業を容易に行える。
また、図11で示したガイドレール副体42又はこのガイドレール副体42と同様の構造のガイドレール副体を、ガイドレール本体41に対しシャッターカーテン1の厚さ方向両側に設け、これにより、外巻き式のシャッター装置と内巻き式のシャッター装置について、切替操作器45を配置するガイドレール副体を外巻きと内巻きに応じて選択できるようにしてもよい。
図23は、ガイドレール2Bのガイドレール副体42に取り付けられている切替操作器45を示す図22のS23矢視図である。図11で説明したように、ガイドレール2Bは、シャッターカーテン1の厚さ方向に並設されたガイドレール本体41とガイドレール副体42とを図11でも示されている止着具44で止着したものであり、切替操作器45はガイドレール副体42に配置されている。図24には切替操作器45だけが示され、図24(A)(B)は、切替操作器45をシャッターカーテン1の幅方向内側から見た図と、シャッターカーテン1の厚さ方向から見た図である。
図24(A)(B)に示されているように、切替操作器45は、上下方向に長い寸法を有するフランジ部材100と、このフランジ部材100と一体化されているガイド部101と、このガイド部101に上下2個設けられている突起部101A,101Bの孔101C,101Dに挿入されることにより、ガイド部101で上下方向にスライド自在に案内されるスライド部材102とを有するものとなっており、このスライド部材102のスライド移動案内のために、それぞれの突起部101A,101Bには一対のガイドローラ103,104が取り付けられている。スライド部材102にはシリンダ部材105が結合一体化されており、このシリンダ部材105の一部は、ガイド部101に上下方向に長く形成されたガイド孔106に挿入され、これにより、シリンダ部材105は、ガイド孔106に案内されてスライド部材102と共にガイド部101に対し上下にスライド移動できるようになっている。
シリンダ部材105の内部にはピストン部材107が移動自在に収納配置されており、このピストン部材107には、シリンダ部材105の内部に収納されているコイルばねによる弾性部材108の弾発力によりフランジ部材100側への押圧力が常時作用している。また、フランジ部材100には、上下方向が長さ方向となっている操作レバー部材109を収納するための上下に長い寸法の凹部100Aがガイド孔106と連通して形成されており、操作レバー部材109は、この操作レバー部材109の長さ方向の一方の端部109A側に偏在してフランジ部材100に設けられた中心軸110を中心に回動自在となっている。操作レバー部材109の端部109Aは、ピストン部材107と連結部材111によって連結されており、この連結部材111の両端部は、軸112,113により操作レバー部材109の端部109Aとピストン部材107とに回動自在に連結されている。
このため、操作レバー部材109における端部109A側と反対側の端部109Bに形成された指掛け凹部114に掛けた指により、操作レバー部材109を中心軸110を中心に往復回動操作すると、連結部材111を介してピストン部材107がシリンダ部材105の内部で移動するため、操作レバー部材109を、中心軸110の上下両側でフランジ部材100と平行になって凹部100Aに収納させた状態にすることができるため、操作レバー部材109の位置を、中心軸110に対して下向きと上向きの上下2箇所の位置に回動変位させることができる。また、このように操作レバー部材109の位置を上下2箇所の位置に回動変位させた後には、ピストン部材107は弾性部材108の弾発力で移動限位置まで達しているため、操作レバー部材109は、それぞれの位置において、節度的に回動不能状態となっている。
図24(B)に示されているように、スライド部材102の上端部には、ワイヤー90における切替操作器45側の端部がビス等による接続具115で接続され、このワイヤー90が内部に挿通されているアウター部材94における切替操作器45側の端部は、フランジ部材100に連結部材116に結合されている。
上述したように、操作レバー部材109を中心軸110を中心に往復回動操作すると、シリンダ部材105はガイド孔106に案内されて上下に移動するとともに、このシリンダ部材105が結合一体化されているスライド部材102も、ガイド部101のガイドローラ103,104で案内されて上下に往復移動するため、スライド部材102が下方へ移動したときには、ワイヤー90に引っ張り力が作用する。この引っ張り力は、図21等で示したクラッチ78をオフとさせるものとなる。また、操作レバー部材109を、図24で示されているように、中心軸110に対して下向きとしたときには、前述したように、巻取軸6と開閉機56の電動モータとの間に介設されているクラッチ78をオンとすることができ、また、操作レバー部材109を中心軸110に対して上向きとしたときには、このクラッチ78をオフとすることができる。
そして、クラッチ78がオンとなっているときには、「開」「閉」「停」の操作ボタンが設けられた操作装置の操作により、巻取軸6の回転体14を開閉機56の電動モータからの駆動力で正逆開閉させることができるため、電動によってシャッターカーテン1を開閉移動させることができる。また、クラッチ78がオフとなっていることにより、開閉機56の電動モータと巻取軸6の回転体14との間が遮断されているときには、図1で示した手掛けスラット8Bの手掛け部材10等により、手動によってシャッターカーテン1を開閉移動させることができる。
図24で示されている切替操作器45は、図11に示されているように、フランジ部材100に設けられているガイド部101と、スライド部材102と、シリンダ部材105等がガイドレール2Bのガイドレール副体42の内部に収納されることにより、このガイドレール副体42に取り付けられている。このようにガイドレール副体42の内部へのガイド部101等の収納を行うために、図23に示されているように、ガイドレール副体42の前述した前壁部42Bには上下に長い寸法の窓孔117が形成されており、この窓孔117から上記収納を行った後に、フランジ部材100を、このフランジ部材100に上下2個設けられている図24(A)の孔118,119に挿入した図23のビス等の止着具120,121により、前壁部42Bの外面に止着している。
また、フランジ部材100には、止着具120,121を覆う上下2箇所において、図23に示されているように、表示物122A,123Aが表示された第1表示部材122と第2表示部材123とが接着等で取り付けられ、これらの表示部材122,123の間に操作レバー部材109が中心軸110を中心に回動自在に配置されている。第1表示部材122と第2表示部材123のうち、上側の第1表示部材122の配置位置は、操作レバー部材109が中心軸110に対して上向きとなったときの操作レバー部材109の位置と対応しており、このときのクラッチ78はオフとなっていて、巻取軸6の回転体14を手動により回転させることができて、シャッターカーテン1を手動で開閉移動させることができるため、第1表示部材122の表示物122Aは、手動を意味するもの、本実施形態では「手動」としている。下側の第1表示部材123の配置位置は、操作レバー部材109が中心軸110に対して下向きとなったときの操作レバー部材109の位置と対応しており、このときのクラッチ78はオンとなっていて、巻取軸6の回転体14を電動モータの駆動力により回転させることができて、シャッターカーテン1が電動で開閉移動させることができるため、第2表示部材123の表示物123Aは、電動を意味するもの、本実施形態では「電動」としている。
なお、切替操作器45をガイドレール2Bのガイドレール副体42に配置する高さ位置は、この切替操作器45の使い勝手よさ等を考慮して、図1の出入口20の床20Aから1300mm程度でもよいが、例えば、誤って誤操作しないようにするために、大人ならば手が届く1600mm程度としてもよい。
以上説明した本実施形態では、切替操作器45を構成する部材のうちの一部、すなわち、スライド移動することによりクラッチ78のオン、オフを切り替えるための部材となっているスライド部材102は、シャッターカーテン1の開閉移動を案内するガイドレール2Bのガイドレール副体42の内部に収納されているため、スライド部材102が外力からの影響を受けることをガイドレール副体42によってなくして又は少なくして、切替操作器45をこのガイドレール副体42に配置することができる。
また、スライド部材102は上下方向にスライド移動することでクラッチ78のオン、オフを切り替えるものであり、スライド部材102のスライド移動方向は、ガイドレール副体42の長さ方向でもあるため、スライド部材102をガイドレール副体42の内部に合理的に収納することができる。
また、クラッチ78を構成する前述の動作部材91から切替操作器45まで延びていて、クラッチ78をオン、オフを切り替えるための紐状部材となっているワイヤー90の一部は、ガイドレール副体42の内部に収納されて配線されているため、この部分も外力からの影響を受けることをガイドレール副体42によってなくして又は少なくして配線することができる。
また、図11で説明したように切替操作器45が配置されたガイドレール副体42は、シャッターカーテン1の開閉移動が案内されるガイドレール本体41に対し、室内側に配置されているため、シャッターカーテン1が全閉となっているときに、切替操作器45が第三者により室外側から操作されることを防止することができ、これにより、第三者が切替操作器45を室外側から操作してシャッターカーテン1を手動で開閉移動することも防止できるため、防犯上の点で有効である。
さらに、切替操作器45が配置されているガイドレール副体42は、図1に示されている左右一対のガイドレール2A,2Bのうち、右側のガイドレール2Bの一部を構成するものであって、この右側のガイドレール2Bは、左側のガイドレール2Aよりもクラッチ78に近い位置に配置されているため、クラッチ78をオン、オフを切り替えるための紐状部材であるワイヤー90の全長を短くすることができ、このため、ワイヤー90の取り回し作業を容易に行え、また、操作レバー部材109の操作によりワイヤー90に上述の引っ張り力を作用させたときに、このワイヤー90にアウター部材94等から作用する抵抗力を小さくすることができる。
さらに、切替操作器45は、ガイドレール副体42の外面に取り付けられたフランジ部材100を有するものであり、このフランジ部材100に、クラッチ78のオン、オフを切り替えるために回動操作される操作レバー部材109が配置されているとともに、フランジ部材100には、クラッチ78のオン、オフを切り替えるために回動操作されたときの操作レバー部材109の位置と対応した箇所において、シャッターカーテン1が手動で開閉移動可能となっていることを表示した第1表示部材122と、シャッターカーテン1が電動で開閉移動可能となっていることを表示した第2表示部材123とが取り付けられているため、シャッター装置の使用者は、これらの表示部材122,123により、シャッターカーテン1が電動と手動のどちらで開閉移動させることができる状態になっているかを容易に認識できる。
また、切替操作器45のフランジ部材100は、ガイドレール副体42の外面に止着具120,121で止着されているが、第1表示部材122と第2表示部材123はこれらの止着具120,121を覆うものとなっているため、止着具120,121が緩むことを第1表示部材122と第2表示部材123により防止でき、これにより、切替操作器45を安定させてガイドレール副体42に取り付けることができる。
なお、本実施形態では、図24の(B)で説明したように、切替操作器45のスライド部材102の上端部にワイヤー90における切替操作器45側の端部をビス等による接続具115で接続したが、スライド部材102の上端部にビス等の止着具により中間部材を止着し、この中間部材に、ワイヤー90における切替操作器45側の端部に形成したループ部等を挿入、係止することができる孔を設けることにより、切替操作器45のスライド部材102の上端部とワイヤー90における切替操作器45側の端部とを上述の中間部材を介して接続できるようにしてもよい。
図25には、図3で説明したように、全開位置に達したときのシャッターカーテン1の座板11が当接する当接部材35を、補助部材21の底面部となっているベース部24の下面に取り付けている状態の断面図が示されている。補助部材21のベース部24には、まぐさ部材18,19が、上向きとなっているタッピングビス又はドリルねじによる結合具130で結合されるため、ベース部24に接着等で取り付けられている当接部材35には、結合具130の頭部130Aが没入状態で収納される凹部35Aが設けられている。これにより、座板11が当接部材35に当接しても、座板11が頭部130Aに当接することを防止できる。
図26の実施形態では、当接部材135を補助部材21のベース部24に、まぐさ部材18,19と共に、上向きのタッピングビス又はドリルねじによる結合具131による共締め結合によって取り付けている。これによると、結合具131は、補助部材21のベース部24にまぐさ部材18,19を結合するための結合具になるとともに、補助部材21のベース部24に当接部材135を結合するための結合具にもなるため、当接部材135を補助部材21のベース部24に接着等する作業を省略できる。また、当接部材135には、結合具131の頭部131Aが没入状態で収納される凹部135Aが設けられているため、座板11が当接部材135に当接しても、座板11が頭部131Aに当接することを防止できる。