JP2020026440A - ポリブタジエンゴム及びゴルフボール用ゴム組成物 - Google Patents

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Ko Kambayashi
洸 神林
勇斗 鹿野
Yuto Kano
勇斗 鹿野
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Mitsuharu Abe
光春 安部
恭芳 岡部
Yasuyoshi Okabe
恭芳 岡部
毅 仲島
Takeshi Nakajima
毅 仲島
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Abstract

【課題】良好な加工性を保ちつつ、反発性に優れたポリブタジエンゴムを提供する。【解決手段】本発明に係るポリブタジエンゴムは、分岐度が3.5以上、重量平均分子量が60.0×104以上、及び、ムーニー粘度が56以上の条件を満たすポリブタジエン(A)と、分岐度が2.0以下、及び重量平均分子量が56.0×104以下の条件を満たすポリブタジエン(B)と、分岐度が2.1以上、ムーニー粘度が30以上55以下、及び、分子量分布が3.6以上の条件を満たすポリブタジエン(C)と、を含み、前記ポリブタジエン(A)/前記ポリブタジエン(B)の重量比が、10/90〜80/20であり、(前記ポリブタジエン(A)+前記ポリブタジエン(B))/前記ポリブタジエン(C)の重量比が、10/90〜90/10である。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリブタジエンゴム及びゴルフボール用ゴム組成物に関する。
ゴルフボールなどに用いられるポリブタジエンゴムには、一般に、他のゴムに比べて反発性に優れているとともに、加工性にも優れるといった特性が要求される。高反発性と良好な加工性の両立を図るために、ポリブタジエンの改良が試みられ、種々の提案がなされている。
例えば、ニッケル触媒を用いて合成されたポリブタジエンのムーニー粘度(ML)との比(Tcp/ML)と分子量分布(Mw/Mn)とを規定することで、反発性と加工性をより両立させる試みがなされている(特許文献1)。
また、例えば、コバルト触媒を用いて合成されたポリブタジエンのムーニー粘度(ML)との比(Tcp/ML)と分子量分布(Mw/Mn)の規定に加え、ムーニー粘度速度依存性指数(n値)を規定することで、反発性と加工性をより両立させる試みがなされている(特許文献2)。
特開平2−177973号公報 国際公開第2007/062748号
しかしながら、近年、市場では、さらに高度な反発性と良好な加工性を備えたポリブタジエンゴムが要求されている。
そこで、本発明は、良好な加工性を保ちつつ、反発性に優れたポリブタジエンゴム及びゴルフボール用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明に係るポリブタジエンゴムは、
(a1)5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)とムーニー粘度(ML1+4,100℃)の比(Tcp/ML1+4,100℃)が3.5以上、
(a2)重量平均分子量(Mw)が60.0×10以上、及び、
(a3)ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が56以上、
の条件を満たすポリブタジエン(A)と、
(b1)5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)とムーニー粘度(ML1+4,100℃)の比(Tcp/ML1+4,100℃)が2.0以下、及び、
(b2)重量平均分子量(Mw)が56.0×10以下、
の条件を満たすポリブタジエン(B)と、
(c1)5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)とムーニー粘度(ML1+4,100℃)の比(Tcp/ML1+4,100℃)が2.1以上、
(c2)ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が30以上55以下、及び、
(c3)分子量分布(Mw/Mn)が3.6以上、
の条件を満たすポリブタジエン(C)と、
を含み、
前記ポリブタジエン(A)/前記ポリブタジエン(B)の重量比が、10/90〜80/20であり、
(前記ポリブタジエン(A)+前記ポリブタジエン(B))/前記ポリブタジエン(C)の重量比が、10/90〜90/10である。
本発明によれば、良好な加工性を保ちつつ、反発性に優れたポリブタジエンゴム及びゴルフボール用ゴム組成物を提供することができる。
実施例及び比較例における、縦軸を反発特性、横軸を硬度とした場合のグラフである。
以下、本発明のポリブタジエンゴム及びゴルフボール用ゴム組成物について詳細に説明する。
<ポリブタジエンゴム>
本発明のポリブタジエンは、ポリブタジエン(A)とポリブタジエン(B)とポリブタジエン(C)とを含む。
以下、各成分について説明する。
(ポリブタジエン(A))
本発明のポリブタジエンゴムの一構成成分であるポリブタジエン(A)は、高分子量かつ低分岐なポリブタジエンであり、特に反発性を改良するのに有効な成分である。ポリブタジエン(A)は、以下のような物性を有することが好ましい。
ポリブタジエン(A)の5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)とムーニー粘度(ML1+4,100℃)の比(Tcp/ML1+4,100℃)は、3.5以上である。ここで、Tcp/ML1+4,100℃は分岐度(リニアリティ)の指標であって、Tcp/ML1+4,100℃が大きい場合は分岐度が低く(高リニアリティ)、Tcp/ML1+4,100℃が小さい場合は分岐度が高い(低リニアリティ)ことを意味する。Tcp/ML1+4,100℃が3.5以上であれば、分岐度が低くなることから、反発性が向上する。Tcp/ML1+4,100℃は、3.8以上であることが好ましく、4.0以上であることがより好ましく、4.2以上であることがさらに好ましい。また、分岐度があまりに低すぎると、コールドフローが生じやすくなり、製品の保存安定性が低下する場合があることから、Tcp/ML1+4,100℃は、15.0以下が好ましく、10.0以下がより好ましく、6.0以下がさらに好ましい。
ポリブタジエン(A)のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、56以上である。ML1+4,100℃を56以上とすることで、反発性がより向上する。なお、ML1+4,100℃は、56〜250であることが好ましい。ML1+4,100℃を250以下とすることで、加工性がより向上する。ML1+4,100℃は、60〜200であることがより好ましく、80〜150であることがさらに好ましい。なお、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、後述する実施例に記載された方法により測定したものである(以下、同様)。
ポリブタジエン(A)の重量平均分子量(Mw)は、60.0×10以上である。Mwが60.0×10以上であれば、高分子量体の混合による低ロス性の向上につながり、反発性がより向上する。Mwは、70.0×10以上であることが好ましく、80.0×10以上であることがより好ましい。一方、Mwが高すぎると加工性が低下する傾向が見られるが、本発明ではポリブタジエン(A)以外に加工性の良好なポリブタジエン(B)を併用することから、例えばMwが100.0×10超でも構わない。ただし、加工性をより改善する観点から、Mwは100.0×10以下であることが好ましく、90.0×10以下であることがより好ましい。
ポリブタジエン(A)の数平均分子量(Mn)は、15.0×10〜65.0×10であることが好ましい。Mnを15.0×10以上とすることで、反発性がより向上する。また、Mnを65.0×10以下とすることで、加工性がより向上する。Mnは、20.0×10〜55.0×10であることがより好ましく、25.0×10〜45.0×10であることがさらに好ましい。
ポリブタジエン(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、2.0〜4.5であることが好ましい。Mw/Mnを2.0以上とすることで、加工性がより向上する。また、Mw/Mnを4.5以下とすることで、反発性がより向上する。Mw/Mnは、2.2〜3.5であることがより好ましく、2.4〜3.0であることがさらに好ましい。なお、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、及び分子量分布(Mw/Mn)は、後述する実施例に記載された方法により測定したものである(以下、同様)。
ポリブタジエン(A)の5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)は、150以上であることが好ましい。Tcpを150以上とすることで、反発性がより向上する。Tcpは、250以上であることがより好ましく、350以上であることがさらに好ましい。一方、Tcpが高すぎると加工性が低下する傾向が見られるが、本発明ではポリブタジエン(A)以外に加工性の良好なポリブタジエン(B)を併用することから、例えばTcpが1000超(測定限界を超える)でも構わない。ただし、加工性をより改善する観点から、Tcpは1000以下であることが好ましく、800以下であることがより好ましい。なお、5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)は、後述する実施例に記載された方法により測定したものである(以下、同様)。
ポリブタジエン(A)の応力緩和時間(T80)は、2.0秒以上であることが好ましい。なお、T80とは、ML1+4,100℃測定終了時のトルクを100%としたとき、その値が80%減衰するまでの時間を言い、T80が小さすぎると、ゴム分子の絡み合いが少なく剪断応力の保持力が不十分なため、良好なフィラーの分散状態が得られにくくなる。T80は、3.5秒以上であることがより好ましく、5.0秒以上であることがさらに好ましい。一方、T80が大きすぎると、成形加工時の残留応力が増大するため、寸法安定性が劣り加工性が低下する傾向が見られるが、本発明ではポリブタジエン(A)以外に加工性の良好なポリブタジエン(B)を併用することから、例えばT80が60.0秒超(測定限界を超える)でも構わない。ただし、加工性をより改善する観点から、T80は60.0秒以下であることが好ましく、40.0秒以下であることがより好ましい。なお、応力緩和時間(T80)は、後述する実施例に記載された方法により測定したものである(以下、同様)。ゴムの応力緩和の推移は、弾性成分と粘性成分の組み合わせにより決まるものであり、応力緩和が遅いことは弾性成分が多いことを示し、応力緩和が速いことは粘性成分が多いことを示す。
ポリブタジエン(A)において、ミクロ構造分析におけるシス構造の割合は、99.4モル%以下であることが好ましく、97.0〜99.0モル%であることがより好ましく、98.0〜98.6モル%であることがさらに好ましい。ポリブタジエン(A)において、ミクロ構造分析におけるビニル構造の割合は、1.5モル%以下であることが好ましく、1.0モル%以下であることがより好ましい。ポリブタジエン(A)において、ミクロ構造分析におけるビニル構造の割合は、できるだけ少ない方が好ましいが、例えば、0.3モル%以上でもよい。ポリブタジエン(A)において、ミクロ構造分析におけるトランス構造の割合は、1.5モル%以下であることが好ましく、1.0モル%以下であることがより好ましい。ミクロ構造分析におけるトランス構造の割合は、できるだけ少ない方が好ましいが、例えば0.3モル%以上でもよい。なお、ミクロ構造の割合は、後述する実施例に記載された方法により測定したものである(以下、同様)。
ポリブタジエン(A)は、二塩化二硫黄、一塩化一硫黄、その他硫黄化合物、有機過酸化物、t−ブチルクロライド等で変性されていてもよく、変性されていなくてもよい。
(ポリブタジエン(B))
本発明のポリブタジエンゴムの一構成成分であるポリブタジエン(B)は、低分子量かつ高分岐なポリブタジエンであり、特に加工性を改良するのに有効な成分である。ポリブタジエン(B)は、以下のような物性を有することが好ましい。
ポリブタジエン(B)の5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)とムーニー粘度(ML1+4,100℃)の比(Tcp/ML1+4,100℃)は、2.0以下である。Tcp/ML1+4,100℃が2.0以下であれば、分岐度が適度に高くなることから、コールドフローが生じにくくなり、製品の保存安定性が向上する。Tcp/ML1+4,100℃は、1.9以下であることが好ましく、1.7以下であることがより好ましく、1.6以下であることがさらに好ましい。また、分岐度があまりに高すぎると、反発性が十分に得られない場合があることから、Tcp/ML1+4,100℃は、0.8以上が好ましく、1.0以上がより好ましい。
ポリブタジエン(B)の5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)は、120以下であることが好ましい。Tcpを120以下とすることで、加工性がより向上する。Tcpは、100以下であることがより好ましく、70以下であることがさらに好ましい。一方、Tcpが低すぎると十分な反発性が得られない場合があるが、本発明ではポリブタジエン(B)以外に反発性の良好なポリブタジエン(A)を併用することから、例えばTcpが20未満でも構わない。ただし、反発性をより改善する観点から、Tcpは20以上であることが好ましく、40以上であることがより好ましい。
ポリブタジエン(B)のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、20〜70であることが好ましい。ML1+4,100℃を20以上とすることで、反発性がより向上する。また、ML1+4,100℃を70以下とすることで、加工性がより向上する。ML1+4,100℃は、30〜60であることがより好ましく、40〜50であることがさらに好ましい。
ポリブタジエン(B)の応力緩和時間(T80)は、60.0秒以下であることが好ましい。T80が大きすぎると、成形加工時の残留応力が増大するため、寸法安定性が劣り加工性が低下する傾向が見られる。T80は、40.0秒以下であることがより好ましく、26.0秒以下であることがさらに好ましい。一方、T80が小さすぎると、ゴム分子の絡み合いが少なく剪断応力の保持力が不十分なため、良好なフィラーの分散状態が得られにくくなるが、本発明ではポリブタジエン(B)以外にフィラーの分散性の良好なポリブタジエン(A)を併用することから、例えば、T80が2.0秒未満でも構わない。ただし、フィラーの分散性をより改善する観点から、T80は2.0秒以上であることが好ましく、6.0秒以上であることがより好ましく、11.0秒以上であることが更に好ましい。
ポリブタジエン(B)の重量平均分子量(Mw)は、56.0×10以下である。Mwが56.0×10以下であれば、低分子量体の混合による加工性の向上につながる。Mwは、53.0×10以下であることが好ましく、50.0×10以下であることがより好ましい。一方、Mwが低すぎると反発性が低下する傾向が見られるが、本発明ではポリブタジエン(B)以外に反発性の良好なポリブタジエン(A)を併用することから、例えばMwが20.0×10未満でも構わない。ただし、反発性をより改善する観点から、Mwは20.0×10以上であることが好ましく、35.0×10以上であることがより好ましい。
ポリブタジエン(B)の数平均分子量(Mn)は、5.0×10〜35.0×10であることが好ましい。Mnを5.0×10以上とすることで、反発性がより向上する。また、Mnを35.0×10以下とすることで、加工性がより向上する。Mnは、10.0×10〜30.0×10であることがより好ましく、15.0×10〜25.0×10であることがさらに好ましい。
ポリブタジエン(B)の分子量分布(Mw/Mn)は、2.0〜4.5であることが好ましい。Mw/Mnを2.0以上とすることで、加工性がより向上する。また、Mw/Mnを4.5以下とすることで、反発性がより向上する。Mw/Mnは、2.5〜4.2であることがより好ましく、3.0〜3.9であることがさらに好ましい。
ポリブタジエン(B)において、ミクロ構造分析におけるシス構造の割合は、99.0モル%以下であることが好ましく、95.0〜98.5モル%であることがより好ましく、96.0〜98.0モル%であることがさらに好ましい。ポリブタジエン(B)において、ミクロ構造分析におけるビニル構造の割合は、2.5モル%以下であることが好ましく、2.0モル%以下であることがより好ましい。ポリブタジエン(B)において、ミクロ構造分析におけるビニル構造の割合は、できるだけ少ない方が好ましいが、例えば、0.5モル%以上でもよい。ポリブタジエン(B)において、ミクロ構造分析におけるトランス構造の割合は、2.5モル%以下であることが好ましく、2.0モル%以下であることがより好ましい。ミクロ構造分析におけるトランス構造の割合は、できるだけ少ない方が好ましいが、例えば0.5モル%以上でもよい。
ポリブタジエン(B)は、二塩化二硫黄、一塩化一硫黄、その他硫黄化合物、有機過酸化物、t−ブチルクロライド等で変性されていてもよく、変性されていなくてもよい。
(ポリブタジエン(C))
本発明のポリブタジエンゴムの一構成成分であるポリブタジエン(C)は、分子量分布が広く、かつ、比較的低分岐なポリブタジエンであり、特に反発性と加工性のバランスを調整するのに有効な成分である。ポリブタジエン(C)は、以下のような物性を有することが好ましい。
ポリブタジエン(C)の5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)とムーニー粘度(ML1+4,100℃)の比(Tcp/ML1+4,100℃)は、2.1以上である。Tcp/ML1+4,100℃が2.1以上であれば、分岐度が適度に低くなることから、反発性を比較的高いものとすることができる。Tcp/ML1+4,100℃は、2.4以上であることが好ましく、2.8以上であることがより好ましく、3.0以上であることがさらに好ましい。また、分岐度があまりに低すぎると、コールドフローが生じやすくなり、製品の保存安定性が低下する場合があることから、Tcp/ML1+4,100℃は、6.0以下が好ましく、4.0以下がより好ましく、3.5以下がさらに好ましい。
ポリブタジエン(C)のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、30以上55以下である。ML1+4,100℃を30以上55以下とすることで、反発性をより効率よく向上させることができる。ML1+4,100℃を30以上とすることで、反発性がさらに向上する。また、ML1+4,100℃を55以下とすることで、加工性がさらに向上する。ML1+4,100℃は、30〜50であることがより好ましく、32〜45であることがさらに好ましい。
ポリブタジエン(C)の重量平均分子量(Mw)は、40.0×10以上であることが好ましく、48.0×10以上であることがより好ましく、50.0×10以上であることが更に好ましい。Mwが40.0×10以上であれば、高分子量体の混合による低ロス性の向上につながり、反発性がより向上する。一方、Mwが高すぎると加工性が低下する傾向が見られるが、本発明ではポリブタジエン(C)以外に加工性の良好なポリブタジエン(A)及びポリブタジエン(B)を用いることから、例えばMwが100.0×10超でも構わない。ただし、加工性をより改善する観点から、Mwは100.0×10以下であることが好ましく、90.0×10以下であることがより好ましい。
ポリブタジエン(C)の数平均分子量(Mn)は、5.0×10〜25.0×10であることが好ましい。Mnを5.0×10以上とすることで、反発性がより向上する。また、Mnを25.0×10以下とすることで、加工性がより向上する。Mnは、7.0×10〜20.0×10であることがより好ましく、10.0×10〜18.0×10であることがさらに好ましい。
ポリブタジエン(C)の分子量分布(Mw/Mn)は、3.6以上である。Mw/Mnを3.6以上とすることで、良好な反発性を保持しつつ、加工性を向上させることができる。Mw/Mnは、3.8以上であることが好ましく、4.0以上であることがより好ましい。
ポリブタジエン(C)の5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)は、50〜250であることが好ましい。Tcpを50以上とすることで、反発性がより向上する。また、Tcpを250以下とすることで、加工性がより向上する。Tcpは、80〜200であることがより好ましく、100〜150であることが更に好ましい。
ポリブタジエン(C)の応力緩和時間(T80)は、2.0〜60.0秒であることが好ましい。T80が小さすぎると、ゴム分子の絡み合いが少なく剪断応力の保持力が不十分なため、良好なフィラーの分散状態が得られにくくなる。T80が大きすぎると、成形加工時の残留応力が増大するため、寸法安定性が劣り加工性が低下する傾向が見られる。T80は、4.0〜40.0秒であることがより好ましく、6.0〜20.0秒であることが更に好ましい。
ポリブタジエン(C)において、ミクロ構造分析におけるシス構造の割合は、99.0モル%以下であることが好ましく、95.0〜98.5モル%であることがより好ましく、96.0〜98.0モル%であることがさらに好ましい。ポリブタジエン(C)において、ミクロ構造分析におけるビニル構造の割合は、2.5モル%以下であることが好ましく、2.0モル%以下であることがより好ましい。ポリブタジエン(C)において、ミクロ構造分析におけるビニル構造の割合は、できるだけ少ない方が好ましいが、例えば、0.5モル%以上でもよい。ポリブタジエン(C)において、ミクロ構造分析におけるトランス構造の割合は、2.5モル%以下であることが好ましく、2.0モル%以下であることがより好ましい。ミクロ構造分析におけるトランス構造の割合は、できるだけ少ない方が好ましいが、例えば、0.5モル%以上でもよい。
ポリブタジエン(C)は、二塩化二硫黄、一塩化一硫黄、その他硫黄化合物、有機過酸化物、t−ブチルクロライド等で変性されていてもよく、変性されていなくてもよい。
(ポリブタジエンの製造方法)
ポリブタジエン(A)、ポリブタジエン(B)及びポリブタジエン(C)は、遷移金属触媒により1,3−ブタジエンを重合することで製造することができる。より詳しくは、遷移金属触媒、有機アルミニウム化合物、及び水からなる触媒系により1,3−ブタジエンを重合することで製造することができる。
遷移金属触媒としては、コバルト触媒又はネオジム触媒が好適である。コバルト触媒としては、塩化コバルト、臭化コバルト、硝酸コバルト、オクチル酸(エチルヘキサン酸)コバルト、ナフテン酸コバルト、酢酸コバルト、マロン酸コバルト等のコバルト塩;コバルトビスアセチルアセトネート、コバルトトリスアセチルアセトネート、アセト酢酸エチルエステルコバルト、コバルト塩のピリジン錯体及びピコリン錯体等の有機塩基錯体又はエチルアルコール錯体などが挙げられる。なかでも、オクチル酸(エチルヘキサン酸)コバルトが好ましい。ネオジム触媒としては、塩化ネオジム、臭化ネオジム、硝酸ネオジム、オクチル酸(エチルヘキサン酸)ネオジム、ナフテン酸ネオジム、酢酸ネオジム、マロン酸ネオジム等のネオジム塩;ネオジムビスアセチルアセトネート、ネオジムトリスアセチルアセトネート、アセト酢酸エチルエステルネオジム、ネオジム塩のピリジン錯体及びピコリン錯体等の有機塩基錯体又はエチルアルコール錯体などが挙げられる。なかでも、オクチル酸(エチルヘキサン酸)ネオジムが好ましい。なお、所望の物性を有するポリブタジエンが得られるのであれば、ニッケル触媒等の他の触媒を用いることもできる
遷移金属触媒の使用量に関しては、所望の物性を有するポリブタジエンとするように適宜調整することができる。
有機アルミニウム化合物としては、トリアルキルアルミニウム;ジアルキルアルミニウムクロライド、ジアルキルアルミニウムブロマイド、アルキルアルミニウムセスキクロライド、アルキルアルミニウムセスキブロマイド、アルキルアルミニウムジクロライド、アルキルアルミニウムジブロマイド等のハロゲン含有有機アルミニウム化合物;ジアルキルアルミニウムハイドライド、アルキルアルミニウムセスキハイドライト等の水素化有機アルミニウム化合物などが挙げられる。有機アルミニウム化合物は、1種を単独で用いることもでき、2種以上併用することもできる。
トリアルキルアルミニウムの具体的な化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどが挙げられる。
ジアルキルアルミニウムクロライドとしては、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライドなどが挙げられる。ジアルキルアルミニウムブロマイドとしては、ジメチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムブロマイドなどが挙げられる。アルキルアルミニウムセスキクロライドとしては、メチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライドなどが挙げられる。アルキルアルミニウムセスキブロマイドとしては、メチルアルミニウムセスキブロマイド、エチルアルミニウムセスキブロマイドなどが挙げられる。アルキルアルミニウムジクロライドとしては、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどが挙げられる。アルキルアルミニウムジブロマイドとしては、メチルアルミニウムジブロマイド、エチルアルミニウムジブロマイドなどが挙げられる。
ジアルキルアルミニウムハイドライドとしては、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどが挙げられる。アルキルアルミニウムセスキハイドライトとしては、エチルアルミニウムセスキハイドライド、イソブチルアルミニウムセスキハイドライドなどが挙げられる。
有機アルミニウム化合物と水との混合比に関しては、所望の物性を有するポリブタジエンが得られやすいことから、アルミニウム/水(モル比)で1.0〜3.0であることが好ましく、1.2〜2.5であることがより好ましい。
さらに、所望の物性を有するポリブタジエンとするため、シクロオクタジエン、アレン、メチルアレン(1,2−ブタジエン)等の非共役ジエン類;エチレン、プロピレン、1−ブテン等のα−オレフィン類などの分子量調節剤を用いることもできる。使用することができる。分子量調節剤は、1種を単独で用いることもでき、2種以上併用することもできる。
重合方法には特に制限はなく、1,3−ブタジエンなどの共役ジエン化合物モノマーを重合溶媒としながらモノマーを重合する塊状重合(バルク重合)や、モノマーを溶媒に溶解させた状態で重合する溶液重合等を適用できる。溶液重合で用いる溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素;n−ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の飽和脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン等のオレフィン系炭化水素;ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の石油系溶媒;塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素などが挙げられる。なかでも、トルエン、シクロヘキサン、又はシス−2−ブテンとトランス−2−ブテンとの混合溶媒が好適に用いられる。
重合温度は、−30〜150℃の範囲が好ましく、30〜100℃の範囲がより好ましく、所望の物性を有するポリブタジエンが得られやすいことから50〜80℃がさらに好ましい。重合時間は、1分〜12時間の範囲が好ましく、5分〜5時間の範囲がより好ましい。
重合反応が所定の重合率に達した後、必要に応じて老化防止剤を添加することができる。老化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)等のフェノール系老化防止剤、トリノニルフェニルフォスファイト(TNP)等のリン系老化防止剤、並びに4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール及びジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート(TPL)等の硫黄系老化防止剤などが挙げられる。老化防止剤は、1種を単独で用いることもでき、2種以上併用することもできる。老化防止剤の添加量は、ポリブタジエン100重量部に対して0.001〜5重量部とすることが好ましい。
所定時間の重合を行った後、重合槽内部を必要に応じて放圧し、さらに洗浄や乾燥工程等の後処理を行うことで、所望の物性を有するポリブタジエンを製造することができる。
(ポリブタジエンゴム)
本発明のポリブタジエンゴムは、ポリブタジエン(A)とポリブタジエン(B)とポリブタジエン(C)とを含有する。ポリブタジエン(A)/ポリブタジエン(B)の重量比は、10/90〜80/20である。このような重量比でポリブタジエン(A)とポリブタジエン(B)を混合することで、加工性を保ちつつ、反発性が改良されたポリブタジエンゴムが得られる。ポリブタジエン(A)/ポリブタジエン(B)の重量比は、15/85〜45/55であることが好ましく、20/80〜35/65であることがさらに好ましい。
また、(ポリブタジエン(A)+ポリブタジエン(B))/ポリブタジエン(C)の重量比が、10/90〜90/10である。このような重量比でポリブタジエン(A)とポリブタジエン(B)とポリブタジエン(C)とを混合することで、加工性と反発性の双方に優れたポリブタジエンゴムとすることができる。(ポリブタジエン(A)+ポリブタジエン(B))/ポリブタジエン(C)の重量比は、25/85〜85/25であることがより好ましく、30/70〜70/30であることがさらに好ましく、40/60〜60/40であることが特に好ましい。
ポリブタジエン(A)とポリブタジエン(B)とポリブタジエン(C)とを混合する方法としては、各ポリブタジエンの溶液を混合する方法、ポリブタジエン(A)、ポリブタジエン(B)、ポリブタジエン(C)のうちの少なくとも1つが溶液状で、他の固形状のポリブタジエンを溶液状のポリブタジエンに添加する方法等が挙げられる。ポリブタジエン(A)〜(C)を混合し、必要に応じて溶媒等を除去することで、ポリブタジエンゴムが得られる。各ポリブタジエンの溶液としては、例えば、前述のポリブタジエンの製造方法における重合溶液を用いることができる。また固形状のポリブタジエン(A)〜(C)を乾燥状態のまま、所定の配合割合で混ぜ合わせても良い。
こうして得られるポリブタジエンゴム(ポリブタジエン(A)とポリブタジエン(B)とポリブタジエン(C)の混合物)は、以下のような物性を有することが好ましい。
ポリブタジエンゴムの5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)とムーニー粘度(ML1+4,100℃)の比(Tcp/ML1+4,100℃)は、1.0〜6.0であることが好ましい。Tcp/ML1+4,100℃を1.0以上とすることで、分岐度が適度に低くなることから、反発性が向上する。また、Tcp/ML1+4,100℃を6.0以下とすることで、分岐度が適度に高くなることから、コールドフローが生じにくくなり、製品の保存安定性が向上する。Tcp/ML1+4,100℃は、1.2〜5.0であることがより好ましく、1.4〜4.0であることがさらに好ましく、1.6〜3.5であることが特に好ましい。
ポリブタジエンゴムの5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)は、40〜600であることが好ましい。Tcpを40以上とすることで、反発性がより向上する。また、Tcpを600以下とすることで、加工性がより向上する。Tcpは、70〜400であることがより好ましく、100〜200であることがさらに好ましい。
ポリブタジエンゴムのムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、30〜120であることが好ましい。ML1+4,100℃を30以上とすることで、反発性がより向上する。また、ML1+4,100℃を120以下とすることで、加工性がより向上する。ML1+4,100℃は、35〜100であることがより好ましく、40〜80であることがさらに好ましい。
ポリブタジエンゴムの応力緩和時間(T80)は、3.0〜50.0秒であることが好ましい。T80を3.0秒以上とすることで、ゴム分子の絡み合いが多く剪断応力の保持力が十分になるため、良好なフィラーの分散状態が得られやすくなる。また、T80を50.0秒以下とすることで、成形加工時の残留応力が減少するため、寸法安定性が高まり加工性が向上する。T80は、5.0〜30.0秒であることがより好ましく、8.0〜15.0秒であることがさらに好ましい。
ポリブタジエンゴムの重量平均分子量(Mw)は、30.0×10〜90.0×10であることが好ましい。Mwを30.0×10以上とすることで、反発性がより向上する。また、Mwを90.0×10以下とすることで、加工性がより向上する。Mnは、40.0×10〜80.0×10であることがより好ましく、50.0×10〜70.0×10であることがさらに好ましい。
ポリブタジエンゴムの数平均分子量(Mn)は、8.0×10〜40.0×10であることが好ましい。Mnを8.0×10以上とすることで、反発性がより向上する。また、Mnを40.0×10以下とすることで、加工性がより向上する。Mnは、10.0×10〜30.0×10であることがより好ましく、12.0×10〜25.0×10であることがさらに好ましい。
ポリブタジエンゴムの分子量分布(Mw/Mn)は、2.0〜6.0であることが好ましい。Mw/Mnを2.0以上とすることで、加工性がより向上する。また、Mw/Mnを6.0以下とすることで、反発性がより向上する。Mw/Mnは、2.5〜5.5であることがより好ましく、3.0〜5.0であることがさらに好ましい。
ポリブタジエンゴムにおいて、ミクロ構造分析におけるシス構造の割合は、99.0モル%以下であることが好ましく、95.0〜98.5モル%であることがより好ましく、96.0〜98.0モル%であることがさらに好ましい。ポリブタジエンゴムにおいて、ミクロ構造分析におけるビニル構造の割合は、2.5モル%以下であることが好ましく、2.0モル%以下であることがより好ましい。ポリブタジエンゴムにおいて、ミクロ構造分析におけるビニル構造の割合は、できるだけ少ない方が好ましいが、例えば、0.5モル%以上でもよい。ポリブタジエンゴムにおいて、ミクロ構造分析におけるトランス構造の割合は、2.5モル%以下であることが好ましく、2.0モル%以下であることがより好ましい。ミクロ構造分析におけるトランス構造の割合は、できるだけ少ない方が好ましいが、例えば0.5モル%以上でもよい。
<ゴルフボール用ゴム組成物>
本発明のゴルフボール用ゴム組成物は、本発明のポリブタジエンゴムと、不飽和カルボン酸及び/又はその塩(D)と、有機過酸化物(E)と、を配合したゴム組成物の加熱成形物を有する。なお、このゴム組成物は、ゴルフボールの用途だけでなく、タイヤ、防振ゴム、ベルト、ホース、免震ゴム、ゴムクローラ及び履物部材などの用途にも用いることができる。
(1)不飽和カルボン酸及び/又はその塩(D)
不飽和カルボン酸及び/又はその塩(D)は、共架橋剤として機能する成分である。
本発明のゴルフボール用ゴム組成物に配合される不飽和カルボン酸及び/又はその塩(D)は、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸及び/又はその1価又は2価の金属塩であることが好ましく、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の1価又は2価の金属塩であることがより好ましい。
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の1価又は2価の金属塩の具体例としては、例えば、アクリル酸亜鉛、ジアクリル酸亜鉛、塩基性メタクリル酸亜鉛、ジメタクリル酸亜鉛等が挙げられる。これらのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩は、そのままで基材ゴム等と混合する通常の方法以外に、あらかじめ酸化亜鉛等の金属酸化物を練り混んだゴム組成物中にアクリル酸、メタクリル酸等のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸を添加し練り混んでゴム組成物中でα,β−エチレン性不飽和カルボン酸と金属酸化物とを反応させて、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩としたものであってもよい。
上記不飽和カルボン酸及び/又はその塩(D)の配合量は、上記ポリブタジエンゴム100重量部に対して10〜50重量部が好ましい。不飽和カルボン酸及び/又はその塩(D)の配合量が上記範囲の下限未満では、架橋が充分に進行せず、その結果、低エネルギーロス性、反撥性、耐久性等の向上が期待できないおそれがある。また、不飽和カルボン酸及び/又はその塩(D)の配合量が上記範囲の上限を超えると、コンプレッションが大きくなりすぎるため打球感が低下するおそれがある。
(2)有機過酸化物(E)
有機過酸化物(E)は、ポリブタジエンゴムおよび共架橋剤の架橋、グラフト、重合等の開始剤として作用する。
この有機過酸化物(E)の好適な具体例としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。この有機過酸化物(E)の配合量は、基材ゴム100重量部に対して0.2〜5重量部が好ましい。有機過酸化物(E)の配合量が上記範囲の下限未満の場合は、架橋等を充分に進行させることができず、その結果、反撥性能、耐久性の向上等が期待できないおそれがある。また、有機過酸化物(E)の配合量が上記範囲の上限を超えると、オーバーキュアー(過架橋)となって脆くなり、耐久性が低下するおそれがある。
本発明のゴルフボール用ゴム組成物には、不飽和カルボン酸及び/又はその塩(D)がジアクリル酸亜鉛やジメタクリル酸亜鉛の場合に、架橋助剤としても作用する酸化亜鉛を配合してもよいし、さらに必要に応じて、硫酸バリウム等の充填剤、ステアリン酸亜鉛等の添加材等を配合してもよい。
(3)その他の成分
本発明のゴルフボール用ゴム組成物には、ジエン系ゴム成分、カーボンブラック、ホワイトカーボン(シリカ)、活性化炭酸カルシウム等のゴム補強材成分を添加することもできる。また、本発明のゴルフボール用ゴム組成物には、必要に応じて、シランカップリング剤、加硫剤、加硫促進剤、充填材、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸等、通常ゴム業界で用いられる成分を混練してもよい。尚、加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば、硫黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウム等の金属酸化物が挙げられ、加硫促進剤としては、公知の加硫助剤、例えば、アルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類等が挙げられる。
充填材としては、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、クレー、リサージュ、珪藻土等の無機充填材;再生ゴム、粉末ゴム等の有機充填材が挙げられる。プロセスオイルとしては、アロマティック系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、パラフィン系プロセスオイルのいずれを用いてもよい。また、低分子量の液状ポリブタジエンやタッキファイヤーを用いてもよい。
(4)ゴルフボール用ゴム組成物の混練方法
本発明のゴルフボール用ゴム組成物は、上記成分を、通常行われているバンバリー、オープンロール、ニーダー、二軸混練り機等を用いて混練りすることで製造することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。
以下に本発明に基づく実施例について具体的に記載する。
(5重量%トルエン溶液粘度(Tcp))
ポリブタジエン及びポリブタジエンゴムの5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)は、ポリマー2.28gをトルエン50mlに溶解させた後、キャノンフェンスケ粘度計No.400を用いて25℃で測定した。なお、標準液としては、粘度計校正用標準液(JIS Z8809)を用いた。
(ムーニー粘度(ML1+4,100℃))
ポリブタジエン、ポリブタジエンゴム及び配合物のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、JIS−K6300に準拠して100℃にて測定した。なお、配合物のML1+4,100℃については、比較例1を100とした指数を算出した(指数が大きいほど配合物のML1+4,100℃が小さく、加工性が良好となる)。
(応力緩和時間(T80))
ポリブタジエン及びポリブタジエンゴムの応力緩和時間(T80)は、D1646−7に準じた応力緩和測定により算出した。具体的には、ML1+4,100℃の測定条件下、測定4分後にローターが停止した時(0秒)のトルクを100%とし、その値が80%緩和するまで(すなわち20%に減衰するまで)の時間(単位:秒)を応力緩和時間T80として測定した。
(数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn))
ポリブタジエン及びポリブタジエンゴムの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、及び分子量分布(Mw/Mn)は、GPC法(東ソー社製、商品名:HLC−8220)により、標準ポリスチレン換算により算出した。溶媒はテトラヒドロフランを用い、カラムはShodex製KF−805L(商品名)を2本直列に接続し、検出器は示差屈折計(RI)を用いた。
(ミクロ構造)
ポリブタジエン及びポリブタジエンゴムのミクロ構造は、赤外吸収スペクトル分析によって算出した。具体的には、ミクロ構造に由来するピーク位置(cis:740cm−1、vinyl:910cm−1、trans:967cm−1)の吸収強度比から、ポリマーのミクロ構造を算出した。
(押出特性)
MPT(モンサント社製加工性試験機)により、80℃、50/secの条件で押出成型を行い、以下の基準に従い評価した。
◎:押し出されたポリブタジエン組成物の表面が平滑である。
○:押し出されたポリブタジエン組成物の表面がやや粗い。
×:押し出されたポリブタジエン組成物の表面がかなり粗い。
(硬度)
ゴム組成物の硬度は、JIS K6253に規定されている測定法に従って、デュロメーター式(タイプD)で測定した。比較例1を100の指数(基準値)として評価した。指数が大きいほど硬度が低い。
(反発特性)
JIS−K6251に規定されている測定法に従って、トリプソ式で測定した。比較例1を100の指数(基準値)として評価した。指数が大きいほど反発弾性が大きく良好である。
(ポリブタジエンA−1溶液の調製)
窒素ガスで置換した内容量1.5Lの撹拌機つきステンレス製反応槽中に、重合溶液1.0L(ブタジエン(BD):40.0重量%、シクロヘキサン(CH):36.0重量%、残りは2−ブテン類)を投入した。さらに、水(HO)1.67mmol、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)2.26mmol、トリエチルアルミニウム(TEA)0.25mmol(全アルミニウム/水=1.51(混合モル比))、コバルトオクトエート(Cocat)3.87μmol、及びシクロオクタジエン(COD)8.80mmolを加え、60℃で20分間撹拌することで、1,4シス重合を行った。その後、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを含むエタノールを加えて重合を停止することで、ポリブタジエンA−1溶液を得た。なお、溶液を調製する際の条件を表1に示す。
(ポリブタジエンA−2溶液の調製)
ポリブタジエンA−1溶液の調製と同様の手順でポリブタジエンA−2溶液の調製を行った。なお、各溶液を調製する際の条件を表1に示す。
(ポリブタジエンA−3溶液の調製)
窒素置換されたナス型フラスコに水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBALH)3.20mmol及びバーサチック酸ネオジウム(Ndv3)0.16mmolを加え、室温で5分間攪拌した。次に、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)0.48mmolを加え、更に25分間室温下で接触させた。次に予め窒素ガスで置換した内容量1.5Lの撹拌機つきステンレス製反応槽中に、重合溶液1.0L(ブタジエン(BD):26.2重量%、シクロヘキサン(CH):73.8重量%)が添加されているオートクレーブを60℃に保持した中に、上記熟成した触媒成分を特殊シリンジにて注入し反応を開始した。60℃で1時間攪拌することで、1,4シス重合を行った。その後、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを含むエタノールを加えて重合を停止することで、ポリブタジエンA−3溶液を得た。なお、溶液を調製する際の条件を表1に示す。

Figure 2020026440
得られたポリブタジエンA−1溶液〜ポリブタジエンA−3溶液から未反応のブタジエン及び2−ブテン類と溶媒を蒸発除去することでポリブタジエンA−1〜ポリブタジエンA−3を得て、各種物性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2020026440
(ポリブタジエンB−1溶液の調製)
窒素ガスで置換した内容量1.5Lの撹拌機つきステンレス製反応槽中に、重合溶液1.0L(ブタジエン(BD):36.0重量%、シクロヘキサン(CH):27.0重量%、残りは2−ブテン類)を投入した。さらに、水(HO)1.72mmol、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)2.32mmol、トリエチルアルミニウム(TEA)0.26mmol(全アルミニウム/水=1.51(混合モル比))、コバルトオクトエート(Cocat)20.00μmol、及びシクロオクタジエン(COD)7.00mmolを加え、65℃で20分間撹拌することで、1,4シス重合を行った。その後、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを含むエタノールを加えて重合を停止することで、ポリブタジエンB−1溶液を得た。なお、溶液を調製する際の条件を表3に示す。
(ポリブタジエンB−2溶液の調製)
ポリブタジエンB−1溶液の調製と同様の手順でポリブタジエンB−2溶液及びポリブタジエンB−5溶液の調製を行った。なお、各溶液を調製する際の条件を表3に示す。
(ポリブタジエンB−3溶液の調製)
窒素ガスで置換した内容量1.5Lの撹拌機つきステンレス製反応槽中に、重合溶液1.0L(ブタジエン(BD):33.0重量%、シクロヘキサン(CH):22.0重量%、残りは2−ブテン類)を投入した。さらに、水(HO)1.71mmol、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)3.00mmol(アルミニウム/水=1.75(混合モル比))、コバルトオクトエート(Cocat)10.40μmol、及びシクロオクタジエン(COD)8.20mmol、ジラウリルチオジプロピオネート(DLTP)15μmolを加え、65℃で20分間撹拌することで、1,4シス重合を行った。その後、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを含むエタノールを加えて重合を停止することで、ポリブタジエンB−1溶液を得た。なお、溶液を調製する際の条件を表3に示す。
(ポリブタジエンB−4溶液の調製)
ポリブタジエンB−3溶液の調製と同様の手順でポリブタジエンB−4溶液の調製を行った。なお、各溶液を調製する際の条件を表3に示す。
(ポリブタジエンゴムC−1)
市販のポリブタジエン(宇部興産(株)製、商品名:BR230)を用いた。
(ポリブタジエンゴムC−2)
市販のポリブタジエン(JSR(株)製、商品名BR01)を用いた。
Figure 2020026440
得られたポリブタジエンB−1溶液〜ポリブタジエンB−4溶液、ポリブタジエンC−1溶液及びポリブタジエンC−2溶液から未反応のブタジエン及び2−ブテン類を蒸発除去することでポリブタジエンB−1〜ポリブタジエンB−4、ポリブタジエンC−1及びポリブタジエンC−2を得て、各種物性を評価した。結果を表4に示す。
Figure 2020026440
(実施例1〜12)
表5に示す割合でポリブタジエン(A)とポリブタジエン(B)を溶液混合した。そして、得られた混合溶液から溶媒を蒸発除去することで、ポリブタジエンゴム(A)+(B)を得た。
次に、得られたポリブタジエンゴムを用いて、ゴム組成物を作製した。具体的には、上記で調製したポリブタジエン(A)+(B)とポリブタジエン(C)を表5に示す割合で6インチロール((株)安田精機製作所製)に巻き付けた。1分後、ポリブタジエン100重量部に対して20質量部の酸化亜鉛(堺化学工業社製)を投入した。4分後、30質量部のアクリル酸亜鉛(浅田化学社製)を投入し、混練りした。次に1重量部のジクミルペルオキシド(DCP)を加えて混練りして、ゴルフボール用ゴム組成物を得た。このゴム組成物を用いて押出特性の評価を行った。結果を表5に示す。次に、このゴム組成物を所定の金型に入れ、155℃で15分間プレス加硫してゴム組成物の加硫物を得た。この加硫物の硬度、反発特性を評価した結果を表5に示す。
(比較例1、2)
表5のポリブタジエンゴムの代わりに、表6に示すポリブタジエンを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリブタジエンゴム及びゴム組成物、加硫物を作製した。ポリブタジエンゴムの押出特性、並びにゴム組成物の硬度及び反発特性を評価した結果を表6に示す。
また、実施例及び比較例における、縦軸を反発特性、横軸を硬度とした場合のグラフを図1に示す。
Figure 2020026440
Figure 2020026440
表5、表6、及び図1のグラフからも解るように、本発明のポリブタジエンゴムを用いることで、加工性を保持しつつ、より優れた反発性を得ることができる。

Claims (5)

  1. (a1)5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)とムーニー粘度(ML1+4,100℃)の比(Tcp/ML1+4,100℃)が3.5以上、
    (a2)重量平均分子量(Mw)が60.0×10以上、及び、
    (a3)ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が56以上、
    の条件を満たすポリブタジエン(A)と、
    (b1)5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)とムーニー粘度(ML1+4,100℃)の比(Tcp/ML1+4,100℃)が2.0以下、及び、
    (b2)重量平均分子量(Mw)が56.0×10以下、
    の条件を満たすポリブタジエン(B)と、
    (c1)5重量%トルエン溶液粘度(Tcp)とムーニー粘度(ML1+4,100℃)の比(Tcp/ML1+4,100℃)が2.1以上、
    (c2)ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が30以上55以下、及び、
    (c3)分子量分布(Mw/Mn)が3.6以上、
    の条件を満たすポリブタジエン(C)と、
    を含み、
    前記ポリブタジエン(A)/前記ポリブタジエン(B)の重量比が、10/90〜80/20であり、
    (前記ポリブタジエン(A)+前記ポリブタジエン(B))/前記ポリブタジエン(C)の重量比が、10/90〜90/10である、
    ポリブタジエンゴム。
  2. 前記ポリブタジエン(A)が、コバルト触媒又はネオジウム触媒を用いて製造されたものである、
    請求項1に記載のポリブタジエンゴム。
  3. 前記ポリブタジエン(B)が、コバルト触媒又はネオジウム触媒を用いて製造されたものである、
    請求項1又は2に記載のポリブタジエンゴム。
  4. 前記ポリブタジエン(C)が、コバルト触媒又はニッケル触媒を用いて製造されたものである、
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載のポリブタジエンゴム。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリブタジエンゴムと、不飽和カルボン酸及び/又はその塩(D)と、有機過酸化物(E)と、を配合したゴム組成物の加熱成形物を有する、
    ゴルフボール用ゴム組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023163233A1 (ja) * 2022-02-28 2023-08-31 株式会社ブリヂストン ゴム組成物及びゴム製品

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WO2023163233A1 (ja) * 2022-02-28 2023-08-31 株式会社ブリヂストン ゴム組成物及びゴム製品

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