JP2020025487A - 電気調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼き時間を短縮できるとともに、焼きムラの発生を抑制できる電気調理器を提供することを目的とする。【解決手段】食品を焼いて成形する加熱調理部10を備える電気調理器1において、加熱調理部10は、互いに回動可能に連結された第一焼きプレート11と第二焼きプレート12とを有する加熱プレート13と、加熱プレート13を回転可能に支持する支持脚14(37,38)と、第一焼きプレート11に取り付けられた電気式の第一加熱部31と、第二焼きプレート12に取り付けられた電気式の第二加熱部32と、を備えている。加熱調理部10は、当該加熱調理部10の中心部に位置する回転軸35を中心に回転する。【選択図】図1

Description

本発明は、電気調理器に関する。
カステラや人形焼き等の加熱食品を調理する調理器としては、従来より種々の構成のものがあった(例えば特許文献1または2参照)。従来の調理器は、加熱食品を成形する焼きプレートと加熱部とを備えている。焼きプレートは、上型と下型とを備えており、回転可能に支持されている。加熱部は、ガス燃焼式や電気加熱式のものがあり、焼きプレートの下方に配置されている。加熱部によって焼きプレートを下側から加熱し、焼きプレートを回転させることで、加熱食品の上下両面を加熱するようになっている。
特開2012−157305号公報 特開2007−300901号公報
しかしながら、前記した調理器では、焼きプレートを下側のみから加熱しているので、加熱食品を片面ずつ焼くことになる。そのため、多くの焼き時間を要するとともに、焼きムラが発生する問題があった。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、焼き時間を短縮できるとともに、焼きムラの発生を抑制できる電気調理器を提供することを目的とする。
このような課題を解決するための本発明は、食品を焼いて成形する加熱調理部を備える電気調理器において、前記加熱調理部は、互いに回動可能に連結された第一焼きプレートと第二焼きプレートとを有する加熱プレートと、前記加熱プレートを回転可能に支持する支持脚と、前記第一焼きプレートに取り付けられた電気式の第一加熱部と、前記第二焼きプレートに取り付けられた電気式の第二加熱部と、を備え、前記加熱調理部は、当該加熱調理部の中心部に位置する回転軸を中心に回転することを特徴とする電気調理器である。
本発明における加熱調理部の中心部とは、重心部分を含むその近傍部分であって、加熱調理部の側面の高さ方向および長さ方向の中間部分である。前記構成の電気調理器によれば、第一加熱部で第一焼きプレートを加熱するとともに、第二加熱部で第二焼きプレートを加熱するので、食品を両面から同時に焼くことができる。したがって、焼き時間を短縮できるとともに、焼きムラの発生を抑制することができる。また、回転軸が加熱調理部の中心部に位置しているので、加熱調理部の回転に要する力を小さくできる。
また、前記電気調理器では、前記加熱調理部の加熱状態を制御する加熱制御部をさらに備え、前記第一焼きプレートには、前記第一加熱部を覆う第一カバー体が取り付けられ、前記第二焼きプレートには、前記第二加熱部を覆う第二カバー体が取り付けられている。前記加熱制御部と前記第一加熱部間には、第一電気ケーブルが架け渡され、前記第一電気ケーブルの一端部は、前記第一カバー体の側面のうち前記第一焼きプレートと前記第二焼きプレートの開閉基端側に接続されている。さらに、前記加熱制御部と前記第二加熱部間には、第二電気ケーブルが架け渡され、前記第二電気ケーブルの一端部は、前記第二カバー体の側面のうち前記第一焼きプレートと前記第二焼きプレートの開閉基端側に接続されている。そして、前記第一電気ケーブルの前記第一カバー体への接続部分と、前記第二電気ケーブルの前記第二カバー体への接続部分は、前記加熱調理部が回転する際に前記支持脚の上方を通過するものが好ましい。
かかる電気調理器によれば、各電気ケーブルが支持脚に干渉することなく、加熱調理部がスムーズに回転することができる。
さらに、前記電気調理器では、前記第一電気ケーブルの一端には、コネクタが設けられており、当該コネクタは、前記第一カバー体に対して回動可能に接続されており、前記第二電気ケーブルの一端には、コネクタが設けられており、当該コネクタは、前記第二カバー体に対して回動可能に接続されているものが好ましい。
かかる電気調理器によれば、加熱調理部を回転させる際に、第一電気ケーブルおよび第二電気ケーブルが捩れにくくなるので、第一電気ケーブルおよび第二電気ケーブルの耐用年数を延ばすことができる。
本発明の電気調理器によれば、焼き時間を短縮できるとともに、焼きムラの発生を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る電気調理器を正面側から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係る電気調理器を背面側から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係る電気調理器を示した平面図である。 本発明の実施形態に係る電気調理器を示した正面図である。 本発明の実施形態に係る電気調理器を示した背面図である。 (a)は本発明の実施形態に係る電気調理器を示した左側側面図、(b)は右側側面図である。 図4のVII−VII線断面図である。 加熱プレートが開いた状態の電気調理器を示した斜視図である。 (a)は係止状態にある係止具を示した正面図、(b)は解錠状態にある係止具を示した正面図である。 図3のX−X線断面図である。 コネクタを示した斜視図である。 加熱調理部が回転した状態を示した斜視図である。 加熱調理部が回転する状態を示した側面図である。
本発明の実施形態に係る電気調理器について、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、人形型の焼き菓子(以下「カステラ」という)を調理する電気調理器を例に挙げて説明する。図1乃至図6に示すように、かかる電気調理器1は、加熱調理部10と加熱制御部50と食品収容部60とを備えている。
加熱調理部10は、加熱食品を焼いて成形する部位である。加熱調理部10は、第一焼きプレート11と第二焼きプレート12とを有する加熱プレート13と、支持脚14と、第一加熱部31と、第二加熱部32(図7参照)と、を備えている。なお、本実施形態の説明における方向は、加熱プレート13に向かってカステラを調理する調理者を基準に、「前後方向」、「左右方向」、「上下方向」とする。
図7および図8に示すように、第一焼きプレート11は、鉄やアルミニウム等の熱伝導率が高い金属材料にて構成されており、平面視で左右方向に長い長方形の板状を呈している。第一焼きプレート11は、第二焼きプレート12に対向する一方の面に食品加熱面15を有し、食品加熱面15の裏面となる他方の面に加熱部設置面16(図7参照)を有する。食品加熱面15は、第二焼きプレート12の食品加熱面21と当接する面である。食品加熱面15には、カステラ生地が収容される凹部17が複数形成されている。凹部17は、食品加熱面15の表面部に凹設されており、半割りしたカステラの外形に沿った内面形状を備えている。凹部17は、複数形成されており、本実施形態では、12個の凹部17が3列並列されている。
図7に示すように、加熱部設置面16は、第一加熱部31が設置される面であって、第一焼きプレート11の裏面に凹設された平面視長方形の平面にて構成されている。加熱部設置面16には、板状の第一加熱部31が敷設されてボルト止めされている。加熱部設置面16の周囲の枠状部には、第一カバー体18が取り付けられている。
第一カバー体18は、第一加熱部31を覆う部材である。第一カバー体18は、アルミニウム等の軽量の金属材料にて構成されており、一面が開口した箱型形状を呈している。第一カバー体18の開口縁部には、鍔部20が形成されている。第一カバー体18の鍔部20は、加熱部設置面16の周囲の枠状部上に載置され、ボルト止めされている。
図7および図8に示すように、第二焼きプレート12は、鉄やアルミニウム等の熱伝導率が高い金属材料にて構成されており、第一焼きプレート11と同等の平面視で左右方向に長い長方形の板状を呈している。第二焼きプレート12は、第一焼きプレート11に対向する一方の面に食品加熱面21を有し、食品加熱面21の裏面となる他方の面に加熱部設置面22(図7参照)を有する。食品加熱面21は、第一焼きプレート11の食品加熱面15と当接する面である。食品加熱面21には、カステラ生地が収容される凹部23が複数形成されている。凹部23は、食品加熱面21の表面部に凹設されており、半割りしたカステラ(第一焼きプレート11の凹部17の形状の残部)の外形に沿った内面形状を備えている。凹部23は、凹部17に対向する位置に複数形成されており、凹部17と合わさってカステラの外形を形成する型となる。凹部23は、本実施形態では、12個の凹部17が3列並列されている。
図7に示すように、加熱部設置面22は、第二加熱部32が設置される面であって、第二焼きプレート12の裏面に凹設された平面視長方形の平面にて構成されている。加熱部設置面22には、板状の第二加熱部32が敷設されてボルト止めされている。加熱部設置面22の周囲の枠状部には、第二カバー体19が取り付けられている。
第二カバー体19は、第二加熱部32を覆う部材である。第二カバー体19は、アルミニウム等の軽量の金属材料にて構成されており、第一カバー体18と同等の形状である。第二カバー体19の鍔部20は、加熱部設置面22の周囲の枠状部上に載置され、ボルト止めされている。
加熱調理部10は、第一焼きプレート11が上側に位置し、第二焼きプレート12が下側に位置する状態(図1参照)を基準位置とし、上下逆(第一焼きプレート11が下側に位置し、第二焼きプレート12が上側に位置する)になった状態(図12参照)を回転位置とする。
図1,図4および図7に示すように、第一焼きプレート11と第二焼きプレート12は、ヒンジ24を介して回動可能に連結されている。これによって、加熱プレート13が開閉可能となっている。ヒンジ24は、加熱プレート13の一方の長辺部(加熱プレート13が基準状態にあるときに、調理者に近い側(後側)の長辺部)に設けられている。ヒンジ24は、第一焼きプレート11の側面と、第二焼きプレート12の側面に架け渡されている。ヒンジ24は、加熱プレート13の長辺部の長手方向両端部の二ヶ所に、それぞれ設けられている。ヒンジ24の側部の第二焼きプレート12の側面には、第一焼きプレート11を所定の開き位置で支持する位置決め部材25が設けられている。位置決め部材25は、L字状に屈曲した鉄板材からなる。位置決め部材25の一方の板部は、第二焼きプレート12の側面に固定されている。位置決め部材25の他方の板部が第二焼きプレート12の側面から後方に突出しており、第一焼きプレート11を開いたときに、第一焼きプレート11の側面のヒンジ24側の長辺部を支持する。位置決め部材25の一対の板部の交差角度は、鋭角になっており、第一焼きプレート11と第二焼きプレート12の開き角度が鈍角になるようになっている。
図2に示すように、加熱調理部10が基準状態にあるときに、調理者から遠い側(前側)となる、加熱プレート13の他方の長辺部(第一焼きプレート11と第二焼きプレート12の開放端側の長辺部)には、把持部材26とロック部材27が設けられている。把持部材26は、第一焼きプレート11の側面に設けられており、第一焼きプレート11を第二焼きプレート12から持ち上げて回動させる際に把持する部分である。把持部材26は、U字状に形成された棒状部材からなる。棒状部材の両端部は、第一焼きプレート11の側面に固定されている。
図9にも示すように、ロック部材27は、鉤部材28とピン部材29とを備えている。鉤部材28は、板状部材からなり、第一焼きプレート11の側面に回動可能に取り付けられている。鉤部材28の先端部は、第一焼きプレート11から第二焼きプレート12側に突出している。鉤部材28の先端部には、ピン部材29が係止される凹部28aが形成されている。ピン部材29は、第二焼きプレートの側面から直交して突出している。鉤部材28は、ピン部材29が凹部28aに係止されるロック位置(図9の(a)参照)と、凹部28aがピン部材29から離反する非ロック位置(図9の(b)参照)との間で回動する。
図2および図3に示すように、第二焼きプレート12の他方の長辺部(第一焼きプレート11と第二焼きプレート12の開放端側の長辺部)には、張出しプレート30が設けられている。張出しプレート30は、長辺部の全長に亘って設けられており、加熱プレート13と食品収容部60との隙間を覆う。張出しプレート30は、焼き上がったカステラを食品収容部60に移動させる際に、カステラが隙間から落下するのを防止する。張出しプレート30の長手方向中間部には、切欠き30aが形成されている。切欠き30aには、第一焼きプレート11と第二焼きプレート12を閉じた際に、鉤部材28が挿通する。
図3および図4に示すように、加熱プレート13の短辺部には、外側に突出する円柱状の回転軸35が設けられている。回転軸35は、加熱プレート13の両側の短辺部にそれぞれ設けられている。各回転軸35は、両側に設けられた支持脚14にそれぞれ係止されている。回転軸35の軸芯は、加熱調理部10の中心部に位置している。中心部は、加熱調理部10の重心位置が好ましい。重心位置は、具体的には、第一焼きプレート11と第二焼きプレート12との当接面であって、第一焼きプレート11と第二焼きプレート12の短辺方向の中央部である。なお、回転軸35の軸芯は、略重心位置であればよく、若干上下前後にずれた位置であってもよい。回転軸35は、第二焼きプレート12の短辺部に取り付けられたブラケット36に取り付けられている。ブラケット36は、第二焼きプレート12の側面に固定されたベース部36aと、ベース部36aに取り付けられた突出部36bとからなる。突出部36bは、ベース部36aの幅方向中間部に取り付けられ、先端部が第一焼きプレート11側に突出している。突出部36bの先端部に回転軸35が固定されている。
加熱プレート13の両側の一対の回転軸35,35のうち、一方(本実施形態では右側)の回転軸35には、回転操作ハンドル41が設けられている。回転操作ハンドル41は、加熱プレート13を回転させる際に使用される部位である。回転操作ハンドル41は、ベース部42と把持部43とを備えており、調理者が把持部43を把持して回転させる。ベース部42は、回転軸35の先端部に取り付けられ、回転軸35と直交する方向に延在している。把持部43は、ベース部42と直交し、回転軸35と平行な方向に延在している。把持部43には、加熱プレート13側に出没するロックピン44(図3参照)が設けられている。ベース部42が水平な状態にあるときに、ロックピン44を突出させると、ロックピン44は、支持脚14に係止される。
図6に示すように、支持脚14は、加熱プレート13を回転可能に支持する。支持脚14は、加熱制御部50の上面から立ち上がる第一支持脚37と第二支持脚38とを備えてなる。左側に配置された第一支持脚37が加熱プレート13の左側端部を支持し、右側に配置された第二支持脚38が加熱プレート13の右側端部を支持する。
図6の(a)に示すように、第一支持脚37の上端部には、回転軸35を回転可能に係止する切欠き部39が形成されている。切欠き部39は、回転軸35の外径と同等の幅寸法を備えており、上方に向かって開放されている。第一支持脚37の上端部は窄まっており、第一焼きプレート11と第二焼きプレート12の側面の短手方向両端部が、第一支持脚37と重ならずに露出されるようになっている。
図6の(b)に示すように、第二支持脚38の上端部には、回転軸35を回転可能に係止する切欠き部40が形成されている。切欠き部40は、切欠き部39と同様に、回転軸35の外径と同等の幅寸法を備えており、上方に向かって開放されている。第二支持脚38の上端部は前後方向に広がっている、第二支持脚38の上端部には、回転操作ハンドル41の回転を所定位置で停止するストッパ45と、回転操作ハンドル41を所定位置で固定するための固定孔46とが形成されている。
ストッパ45は、切欠き部39の側部で第二支持脚38の板材表面から張り出すプレートにて構成されており、水平方向に延在している。ストッパ45は、下側から回転操作ハンドル41が当接することで、回転操作ハンドル41の回転を停止させる。ストッパ45は、切欠き部39の前後両側にそれぞれ設けられている。
固定孔46は、ストッパ45の側部で、回転操作ハンドル41の把持部43に相当する位置に形成されている。固定孔46には、把持部43から突出するロックピン44が挿通されることで、回転操作ハンドル41の位置が固定される。固定孔46は、前後のストッパ45,45の外側にそれぞれ形成されている。
第一支持脚37と第二支持脚38の間には、カステラの破片等を収容するトレイ47が設けられている。トレイ47は、加熱制御部50のケーシング53の上に載置されており、着脱可能である。
第一加熱部31は、第一焼きプレート11を加熱する電気式の加熱板である。第一加熱部31は、たとえばIH方式の加熱板である。なお、第一加熱部31の加熱方式は、IH方式に限定されるものではなく、シーズヒータ等、他の方式であってもよい。第一加熱部31の加熱面は、第一焼きプレート11の加熱部設置面16に当接することで、食品加熱面15の全体を均一に加熱する。第一加熱部31の加熱面の裏側面には、受電部33が形成されている。また、第一加熱部31の裏側面には、加熱板の長手方向の略全長に亘って延在するアングル材34が敷設されている。このアングル材34を介して第一加熱部31を第一焼きプレート11にボルト止めすることで、加熱面全体が加熱部設置面16に密着する。第一加熱部31の裏側には、断熱材(図示せず)が敷設されており、第一カバー体18から熱が逃げるのを抑制している。
第二加熱部32は、第二焼きプレート12を加熱する電気式の加熱板である。第二加熱部32は、第一加熱部31と同等の構成である。第二加熱部32の加熱面は、第二焼きプレート12の加熱部設置面22に当接することで、食品加熱面21の全体を均一に加熱する。
図1および図4に示すように、加熱制御部50は、電気調理器1の下部に設けられており、箱状のケーシング53内に収容されている。加熱制御部50は、第一加熱部31を制御する第一制御部51と、第二加熱部32を制御する第二制御部52とを備えている。第一制御部51の表面の操作パネルには、第一加熱部31の加熱スイッチ54と温度調整つまみ55とが設けられている。第二制御部52の表面の操作パネルには、第二加熱部32の加熱スイッチ56と温度調整つまみ57とが設けられている。加熱制御部50の操作パネルの上部には、張出し板58が設けられており、カステラの破片や生地が操作パネルに落下するのを防止している。
図1乃至図3に示すように、食品収容部60は、焼き上がったカステラを収容して、購買者から見えるように展示する部分である。食品収容部60は、収容トレイ61と、窓部62とを備えている。収容トレイ61は、断面半円形の溝状部を備えた上部開放型の容器である。収容トレイ61は、アルミニウム等の軽量の金属材料にて形成されている。収容トレイ61は、加熱制御部50のケーシング53の前部から前側斜め上方に立ち上がるブラケット63にて支持されている。収容トレイ61は、加熱プレート13の前方に位置している。収容トレイ61の上端面は、第二焼きプレート12の食品加熱面21と同等の高さになっている。収容トレイ61の左側には、風避け板64が設けられており、カステラが冷めるのを抑制している。なお、風避け板64は、右側に設けてもよいし、左右両側に設けてもよい。窓部62は、収容トレイ61の全部に立ち上げられた透明なガラス板または樹脂板からなる。
図1に示すように、加熱制御部50と第一加熱部31間には、第一電気ケーブル71が架け渡されている。第一電気ケーブル71は、電線69(図7参照)と、電線69を覆う保護管73とを備えている。電線69の一端は加熱制御部50の給電部(図示せず)に接続され、電線69の他端は第一加熱部31の受電部33に接続されている。保護管73は、螺旋状のリブを備えた金属製のフレキシブルな筒状部材からなる。保護管73は、第一焼きプレート11に設けられた第一カバー体18の側面と、加熱制御部50のケーシング53の側面とに架け渡されている。保護管73の一端には、保護管73を第一カバー体18に接続する第一コネクタ74が設けられている。保護管73の他端には、保護管73をケーシング53に接続する第二コネクタ75が設けられている。
第一コネクタ74は、加熱調理部10が基本位置にあるときに、第一カバー体18の左側面の後端部寄り部分に接続されている。第一コネクタ74は、第一カバー体18に対して回動可能に接続されている。
具体的には、図10および図11に示すように、第一コネクタ74は、本体部76とワッシャ77と止めナット78と軸力受部材79とを備えている。本体部76は、円筒部76aと、円筒部76aの端部に設けられたナット部76bと、ナット部76bから突出するオネジ部76cとを備えている。円筒部76aは、保護管73の端部を収容する部分である。円筒部76aには、ネジ孔(図示せず)が形成されている。ネジ80を円筒部76aの外側からネジ孔に螺合させて、ネジ80の先端を内部の保護管73の外周面に当接させることで、保護管73が円筒部76aに固定されている。ナット部76bは、第一コネクタ74を締め付けるときに、本体部76を固定するための部位である。オネジ部76cは、第一カバー体18の貫通孔に挿通される部分である。オネジ部76cの先端部は、第一カバー体18の内側に挿入されている。ワッシャ77は、オネジ部76cが挿通されるもので、第一カバー体18の外側に配置されている。止めナット78と軸力受部材79は、オネジ部76cが挿通されるもので、第一カバー体18の内側に配置されている。止めナット78は、軸力受部材79よりもオネジ部76cの基端側に配置されている。軸力受部材79は、U字状の金属部材であって、オネジ部76cのネジ山に嵌合されている。止めナット78は、軸力受部材79に向けて締め付けられている。止めナット78が軸力受部材79を押圧することで、止めナット78と軸力受部材79がオネジ部76cに固定されている。このとき、ワッシャ77と止めナット78との隙間寸法は、第一カバー体18の板厚寸法より大きくなっている。これによって、第一コネクタ74は、第一カバー体18に対して回転可能となる。なお、軸力受部材79は、U字状の金属部材に限定されるものではなく、オネジ部76cに螺合できるものであれば、ナット等の他の構造であってもよい。
第二コネクタ75は、第一コネクタ74から軸力受部材79を除いたものであって、本体部76とワッシャ77と止めナット78とを備えている。第二コネクタ75では、本体部76のオネジ部76cは、ケーシング53の貫通孔に挿通され、オネジ部76cの先端部は、ケーシング53の内側に挿入されている。止めナット78は、ケーシング53の内面に向けて締め付けられている。これによって、止めナット78とナット部76bとで、ワッシャ77とケーシング53の貫通孔の周縁部を挟持するので、第二コネクタ75が、ケーシング53に対して回転不能な状態で固定される。
加熱制御部50と第二加熱部32間には、第二電気ケーブル72が架け渡されている。第二電気ケーブル72は、第一電気ケーブル71と同様の構成であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
次に、以上のような構成の電気調理器1を用いてカステラを調理する工程を説明しつつ、作用効果を説明する。
カステラを調理するに際しては、まず、加熱調理部10を基準位置(図1参照)に回転し、ロック部材27を開錠する。そして、図8に示すように、第一焼きプレート11を上方に回動させて、加熱プレート13を開く。このとき、第一焼きプレート11は、位置決め部材25に係止され、第二焼きプレート12に対して所定の角度で保持される。
そして、第二焼きプレート12の各凹部23にカステラの生地を所定量流し込む。その後、第一焼きプレート11を倒して、第二焼きプレート12上に戻し、ロック部材27を施錠する。これによって、第一焼きプレート11と第二焼きプレート12が一体的に固定される。上型と下型とを固定する方式としては、下型の食品加熱面に設けられた突起を上型の食品加熱面に形成された凹部に挿入する方式を採用してもよいが、本実施形態のように、外側面に設けたロック部材27を用いて固定した方が、食品加熱面15(21)の全面に亘って凹部17(23)を形成することができるので好ましい。よって、本実施形態では、加熱プレート13の所定の面積に対して多くの凹部17,23を形成できるので、効率的にカステラを調理することができる。
加熱制御部50の加熱スイッチ54,56をオンにして、第一加熱部31と第二加熱部32の加熱を開始する。加熱を開始してすぐに加熱プレート13を回転させて回転位置に反転させる。これによって、まだやわらかい状態の生地が第一焼きプレート11の凹部17に流れ込み、カステラの外形が形成される。その後、加熱プレート13を適宜回転させながら、加熱を継続する。このとき、第一加熱部31で第一焼きプレート11を加熱するとともに、第二加熱部32で第二焼きプレート12を加熱するので、カステラを両面から同時に焼くことができる。したがって、焼き時間を短縮できる。さらに、電気式の第一加熱部31は、第一焼きプレート11の全体を均一に加熱できるとともに、第二加熱部32は、第二焼きプレート12の全体を均一に加熱できる。したがって、焼きムラの発生を抑制することができる。また、加熱プレート13の加熱を開始して間もなく回転させているので、やわらかい状態の生地が第一焼きプレート11の凹部17に円滑に隙間なく流れ込む。よって、外形が整ったカステラを作ることができる。
図13に示すように、加熱調理部10の回転軸35は、加熱調理部10の重心位置に設けられているので、比較的小さい力で加熱調理部10を回転させることができる。また、加熱調理部10を回転させる際に、第一電気ケーブル71の第一カバー体18への接続部分(第一コネクタ74)と、第二電気ケーブル72の第二カバー体19への接続部分(第一コネクタ74)は、第一支持脚37の上方を通過するので、各電気ケーブル71,72が支持脚に干渉しない。したがって、加熱調理部10がスムーズに回転する。
さらに、第一電気ケーブル71を第一カバー体18へ固定する第一コネクタ74は、第一カバー体18に対して回動可能に接続されているので、図13に示すように、第一コネクタ74は、第一カバー体18の回転に追従せず、第一カバー体18の回転角度(180度)までは回転しない。つまり、第一コネクタ74は、保護管73の回動に応じて適宜回転するだけであるので、保護管73が過度に捩られない。よって、保護管73の耐用年数を長くすることができる。第二電気ケーブル72を第二カバー体19へ固定する第一コネクタ74も、第二カバー体19に対して回動可能に接続されているので、同様の作用効果が得られる。
また、回転操作ハンドル41はストッパ45によって、位置決めされるので、加熱プレート13が正確な位置で係止され、水平状態を保持できる。さらに、回転操作ハンドル41のロックピン44を第二支持脚38の固定孔46に挿通することで、回転操作ハンドル41の位置が固定される。これによって、加熱プレート13が誤って回転するのを防止できる。
焼き上がったカステラは、食品収容部60の収容トレイ61に投入される。所定数のカステラが焼き上がったら、袋に入れて販売する。食品収容部60には、窓部62が設けられているので、購入者が、カステラを焼いている工程や焼き上がったカステラを見ることができる。これによって、購入者の購入意欲を刺激することができる
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において適宜設計変更が可能である。例えば、前記実施形態では、 保護管73の他端に接続された第二コネクタ75は、ケーシング53に対して回転不能であるが、これに限定されるものではない。第二コネクタ75を、第一コネクタ74と同様の構成として、ケーシング53に対して回転可能に接続してもよい。
1 電気調理器
10 加熱調理部
11 第一焼きプレート
12 第二焼きプレート
13 加熱プレート
14 支持脚
18 第一カバー体
19 第二カバー体
31 第一加熱部
32 第二加熱部
35 回転軸
37 第一支持脚
38 第二支持脚
50 加熱制御部
60 食品収容部
71 第一電気ケーブル
72 第二電気ケーブル
74 第一コネクタ
75 第二コネクタ
76 本体部
76a 円筒部
76b ナット部
76c オネジ部
77 ワッシャ
78 ナット
79 軸力受部材
80 ネジ

Claims (3)

  1. 食品を焼いて成形する加熱調理部を備える電気調理器において、
    前記加熱調理部は、互いに回動可能に連結された第一焼きプレートと第二焼きプレートとを有する加熱プレートと、前記加熱プレートを回転可能に支持する支持脚と、前記第一焼きプレートに取り付けられた電気式の第一加熱部と、前記第二焼きプレートに取り付けられた電気式の第二加熱部と、を備え、
    前記加熱調理部は、当該加熱調理部の中心部に位置する回転軸を中心に回転する
    ことを特徴とする電気調理器。
  2. 前記加熱調理部の加熱状態を制御する加熱制御部をさらに備え、
    前記第一焼きプレートには、前記第一加熱部を覆う第一カバー体が取り付けられ、
    前記第二焼きプレートには、前記第二加熱部を覆う第二カバー体が取り付けられており、
    前記加熱制御部と前記第一加熱部間には、第一電気ケーブルが架け渡され、
    前記第一電気ケーブルの一端部は、前記第一カバー体の側面のうち前記第一焼きプレートと前記第二焼きプレートの開閉基端側に接続されており、
    前記加熱制御部と前記第二加熱部間には、第二電気ケーブルが架け渡され、
    前記第二電気ケーブルの一端部は、前記第二カバー体の側面のうち前記第一焼きプレートと前記第二焼きプレートの開閉基端側に接続されており、
    前記第一電気ケーブルの前記第一カバー体への接続部分と、前記第二電気ケーブルの前記第二カバー体への接続部分は、前記加熱調理部が回転する際に前記支持脚の上方を通過する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気調理器。
  3. 前記第一電気ケーブルの一端には、コネクタが設けられており、当該コネクタは、前記第一カバー体に対して回動可能に接続されており、
    前記第二電気ケーブルの一端には、コネクタが設けられており、当該コネクタは、前記第二カバー体に対して回動可能に接続されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の電気調理器。
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