JP2020023034A - 位相割出し方法及び研削加工方法 - Google Patents

位相割出し方法及び研削加工方法 Download PDF

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晃平 山田
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雅也 疋田
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Ryota Toshimitsu
良太 利光
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Abstract

【課題】研削盤においてピンやキー等の位相基準や位相決め用のタッチセンサ等を用いることなく、短時間で高精度にワークの位相を割出すことができる位相割出し方法及び研削加工方法を提供する。【解決手段】研削盤1は、任意の回転位置で停止したワークWの被加工部である偏心部Waに対し、砥石台16を接近する方向へ相対移動させて砥石車17を偏心部Waへ接触させ、接触検知時の主軸1aの回転位相と砥石台16の送り位置とを取得し、これらに基づいてワークWの加工基準位相を演算することができる。【選択図】図6

Description

本発明は、位相割出し方法及び研削加工方法に関する。
従来、ワークとしてのクランクシャフトを、ジャーナル中心と一致する主軸の回転軸心回りに回転させ、回転位相に応じて砥石車をワークに対する切り込み方向に相対移動させて、回転軸心から偏心したクランクピンを研削する研削盤が用いられている。
この種の公知の研削盤では、ワークにピンやキー等の位相基準を設け、ワークの位相基準と主軸の位相とを合わせて研削する構成のものが知られている。しかしながら、ワークに位相基準を設ける場合、位相基準の位置や大きさが変化すると、それに対応した駆動金具やクランプ装置に交換する必要があるため、それら駆動金具やクランプ装置を設計、製作してそれらに交換しなければならず、生産性が低いという問題がある。
一方、上述した問題を解決する技術として、従来、タッチセンサを用いて、ワークを一方の方向に回転させ、センサの出力があったときの検出値と、ワークを他方の方向に回転させてセンサの出力があったときの検出値との中間値を位相基準の角度位置とする研削盤が提案されている(例えば、特許文献1等参照。)。このような研削盤では、ワークと主軸との位相を位相基準の位置や大きさに係わらず自動的に一致させることができる。
特開平9−160619号公報
しかしながら、上述した従来技術では、位相決め用にタッチセンサを設けることで構成が複雑で高価になると共に、加工動作開始前にタッチセンサを用いて実行される位相検知動作に時間がかかるという問題がある。
本発明は、研削盤においてピンやキー等の位相基準や位相決め用のタッチセンサ等を用いることなく、短時間で高精度にワークの位相を割出すことができる位相割出し方法及び研削加工方法を提供することを目的とする。
本発明に係る位相割出し方法は、回転軸心に対し偏心した被加工部を有するワークを主軸で回転させながら、砥石台を前記回転軸心との交差方向に相対移動させ、砥石車を前記被加工部に接触させて研削加工する研削盤において、前記ワークの位相を割出す方法である。
そして、位相割出し方法は、前記ワークを前記主軸に取付ける取付け工程と、前記ワークが取付けられた前記主軸を所定角度回転させて前記被加工部を任意の回転位置で停止させる位相決め工程と、前記砥石車を回転させながら、前記砥石台を前記被加工部と離間する所定位置から前記被加工部へ接近する方向に相対移動させる砥石台送り工程と、前記任意の回転位置で停止する前記被加工部に対し前記砥石車が接触したことを検知する接触検知工程と、前記接触検知工程における接触検知時の前記主軸の回転位相を取得する主軸位相取得工程と、前記接触検知工程における接触検知時の前記砥石台の送り位置を取得する送り位置取得工程と、前記主軸位相取得工程で取得した前記主軸の回転位相及び前記送り位置取得工程で取得した前記砥石台の送り位置に基づいて、前記ワークの加工基準位相を演算する演算工程とを備える。
この方法によれば、任意の回転位置で停止したワークの被加工部に対し、砥石台を接近する方向へ相対移動させて砥石車を被加工部へ接触させ、接触検知時の主軸の回転位相と砥石台の送り位置とを取得し、これらに基づいてワークの加工基準位相を演算することができる。よって、研削盤においてピンやキー等の位相基準や位相決め用のタッチセンサ等を用いることなく、短時間で高精度にワークの位相を割出すことができるという効果を奏する。
本発明に係る研削加工方法は、位相割出し方法を実施した後、前記加工基準位相を基準として前記主軸の回転に同期して前記砥石台を相対移動させ、前記砥石車により前記被加工部を研削する研削工程を備える。
この方法によれば、ワークの位相割出しに引き続いて、研削工程を実行することができるため、位相割出しから研削加工完了までの全体時間の短縮化を図ることができるという効果を奏する。
第1実施形態に係る研削盤の全体構成を示す平面図である。 第1実施形態に係るCNC装置を示すブロック図である。 第1実施形態に係る位相の割出し及び研削加工の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態に係る接触検知工程の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態に係る研削準備及び研削工程の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態において主軸を所定角度回転させて位相決めしたワークの偏心部に砥石車が接近して接触する様子を模式的に示す説明図である。 第2実施形態における位相の割出し及び研削加工の流れを示すフローチャートの前半部分である。 第2実施形態における位相の割出し及び研削加工の流れを示すフローチャートの後半部分である。 第2実施形態における接触検知工程の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態においてワークを2箇所の回転位置で位相決めして偏心部に砥石車を接触させる様子を模式的に示す説明図である。 偏心部が領域III〜IV内で停止した例を示す説明図である。 偏心部が領域III〜IV内で停止した状態でワークを180°回転させて領域I〜II内で停止させる様子を模式的に示す説明図である。 α1が正、α2が負となる場合におけるワーク回転の流れ及び1、2回目の接触検知位置の例を示す説明図である。 α1が負、α2が正となる場合におけるワーク回転の流れ及び1、2回目の接触検知位置の例を示す説明図である。
以下、本発明の位相割出し方法及び研削加工方法を実施する研削盤の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(1.第1実施形態)
(1−1.研削盤1の全体構成)
第1実施形態の研削盤1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る研削盤1の全体構成を示す平面図である。研削盤1は、ワークWを加工するための研削盤である。ワークWは、軸状部材であって、被加工部である偏心部Waを有する。偏心部Waは、ワークWの回転軸線に対して偏心した軸線を中心とした部位である。特に、偏心部Waは、円筒状外周面を有し、偏心部Waの中心軸線が、ワークWの回転軸線に対して偏心している。
本実施形態においては、ワークWとして、クランクシャフトを例に挙げる。ただし、ワークWは、クランクシャフトに限られるものではない。クランクシャフトであるワークWは、偏心部Waとしてクランクピンを備える。図1においては、例えば、クランクシャフト(ワークW)は、被加工部である4個のクランクピン(偏心部Wa)を備える。クランクシャフトの回転軸線は、クランクジャーナルの中心軸線に一致する。研削盤1は、ワークWを回転軸線であるC軸回りに回転しながら、偏心部Waであるクランクピンの外周面を研削加工する。
研削盤1は、砥石台トラバース型を例示する。ただし、研削盤1は、テーブルトラバース型を適用することもできる。研削盤1は、円板状の砥石車17を1個だけ備える構成を例示するが、2個の砥石車17を備える構成を適用することもできる。
研削盤1は、ベッド11、主軸台12、チャック13、心押台14、トラバースベース15、砥石台16、砥石車17、駆動部20、及び、CNC装置30を備えて構成される。
ベッド11は、設置面上に載置されている。ベッド11の上面には、Z軸方向に延びるガイドレール11aが形成されている。ベッド11の上面には、Z軸方向に平行な方向に延びるボールねじ11b、及び、ボールねじ11bを回転駆動するZ軸送り用モータ11cが設けられている。
主軸台12は、ワークWを回転可能に支持する支持装置として機能する。主軸台12は、は、ベッド11の上面において、X軸方向の手前側且つZ軸方向の一端側(前端側)に設けられている。主軸台12は、C軸回りに回転可能な主軸12a、主軸12aを回転駆動する主軸モータ12b、及び主軸モータ12bの回転位相を検出する主軸エンコーダ12cを備える。主軸12aは、ワークWの一端の中心を支持する。
チャック13及び主軸センタ12dは、主軸12aの端面に設けられており、主軸モータ12bによって回転駆動される。チャック13は、ワークWの一端の外周面を把持する。主軸センタ12dは、ワークWの一端の中心を支持する。つまり、チャック13及び主軸センタ12dは、主軸12aと共に、ワークWを回転可能に支持した状態で回転する。
心押台14は、ベッド11の上面において、主軸台12に対してZ軸方向に対向する位置、すなわち、X軸方向の手前側(図1の下側)且つZ軸方向の他端側(図1の左側)に設けられている。心押台14は、ワークWの他端の中心を支持する心押センタ14aを備える。なお、心押センタ14aは、ワークWと共に回転するように設けられてもよいし、回転せずにワークWに対して滑るように設けられてもよい。
トラバースベース15は、ガイドレール11a上にZ軸方向に移動可能に設けられる。トラバースベース15は、ボールねじ11bのナットに固定されており、Z軸送り用モータ11cの駆動によりZ軸方向に移動する。トラバースベース15の上面には、Z軸方向に直交するX軸方向に延びるガイドレール15aが形成されている。トラバースベース15の上面には、X軸方向に平行な方向に延びるボールねじ15b、ボールねじ15bを回転駆動するX軸送り用モータ15c、及びX軸送り用モータ15cの回転位相を検出するX軸エンコーダ15dを備える。また、トラバースベース15は、X軸方向のボールねじ15b及びX軸送り用モータ15cによる駆動に換えて、リニアモータによる駆動としてもよい。
砥石台16は、トラバースベース15のガイドレール15a上に、ワークWに対する砥石車17の切り込み方向であるX軸方向に直線移動可能に設けられる。砥石台16は、X軸送り用モータ15cの回転駆動によりX軸方向に移動する。砥石台16は、工具としての円板状の砥石車17を、Z軸回りに回転可能に支持する。砥石台16は、砥石車17における研削部位を露出させつつ、他の部位を被覆するカバー16aを備える。さらに、砥石台16は、砥石車17を回転駆動する砥石回転用モータ16b、及びAEセンサ16cを備える。AEセンサ16cは、ワークWと砥石車17との接触によって発生するAE(Acoustic Emission)波を検出し、検出信号をCNC装置30に出力する。
駆動部20は、CNC装置30からの制御指令に基づいて、上述した各モータを駆動する駆動回路であり、砥石回転用モータ駆動回路21と、X軸送り用モータ駆動回路22と、Z軸送り用モータ駆動回路23と、主軸モータ駆動回路24とを備える。
砥石回転用モータ駆動回路21は、砥石回転用モータ16bを回転駆動し、砥石車17を回転させる。X軸送り用モータ駆動回路22は、X軸送り用モータ15cを回転駆動し、砥石台16を砥石車17のワークWに対する切り込み方向であるX軸方向に移動させる。Z軸送り用モータ駆動回路23は、Z軸送り用モータ11cを回転駆動し、トラバースベース15をZ軸方向に移動させる。主軸モータ駆動回路24は、主軸モータ12bを回転駆動し、主軸12aと共にワークWをC軸回りに回転させる。
(1−2.CNC装置30の構成)
次に、CNC装置30の構成について、図2を参照しつつ説明する。図2は、第1実施形態に係るCNC装置30を示すブロック図である。CNC装置30は、駆動部20へ制御指令を行うコンピュータ数値制御装置であって、図2に示すように、NCプログラム記憶部31と、データ記憶部33と、プロフィール演算部34と、制御部35とを備えて構成される。
NCプログラム記憶部31は、NCプログラムを記憶する記憶領域であって、ワークWを加工するためのNCプログラムを外部から入力して登録、すなわち記憶する。NCプログラムは、一文字のアルファベットと、それに続く数字とからなるコードを含むものであり、主軸の移動や座標系の設定などを処理するためのGコードがコードの一つとして含まれる。Gコードには、早送りを示すコードG00、加工送りを示すコードG01や、プロフィール演算を示すG106等が含まれる。データ記憶部33は、加工制御に用いる各種のデータを記憶する記憶領域である。
プロフィール演算部34は、NCプログラムに基づき、プロフィールデータを演算する。プロフィールデータは、ワークWの回転軸心Wcの回転位相θ(例えば、1度毎の角度位置)と、各回転位相に対応する砥石車17の移動位置(回転軸心Wcと砥石軸心Tcとの心間距離x)とを定義する点群データである。
NCプログラムに基づき、砥石回転用モータ駆動回路21により砥石回転用モータ16bを回転駆動して砥石車17を回転させる。主軸モータ駆動回路24により主軸モータ12bを回転駆動して主軸12aと共にワークWをC軸回りに回転させる。Z軸送り用モータ駆動回路23によりZ軸送り用モータ11cを回転駆動してトラバースベース15をZ軸方向に移動させ、砥石車17を偏心部Waであるクランクピンに対向させる。そして、制御部35は、プロフィールデータに基づいて駆動部20の各駆動回路を制御する。ワークWの回転軸心である主軸12aの回転位相に応じて、X軸送り用モータ駆動回路22によりX軸送り用モータ15cを回転駆動して砥石台16をX軸方向へ移動させる。そして、回転する砥石車17により偏心部Waであるクランクピンの研削加工が行われる。
(1−3.位相割出し及び研削加工の流れ)
次に、位相割出し及び研削加工の流れについて、図3〜図5のフローチャートに沿って、適宜、図6〜図8の各説明図を参照しつつ説明する。本実施形態ではクランクピンである偏心部Waが予め所定の概略方向を向くようにワークWを主軸12aに取付けて位相割出し及び研削加工を行う。図3は、制御部35において実行されるワークの割出し及び研削加工の流れを示すフローチャートである。図4は、接触検知工程の流れを示すフローチャートである。図5は、研削準備及び研削工程の流れを示すフローチャートである。図6は、回転軸心Wcを中心に回転する偏心部Waに砥石車17が接近して接触する様子を模式的に示す説明図である。
まず、ステップ1(以下、S1と略記する。他のステップも同様。)の取付け工程において、ワークWを主軸12aに取付ける。すなわち、ワークWの軸線方向における第1端において、クランクジャーナルの中心を主軸台12の主軸センタ12dに支持させ且つチャック13により外周面を把持させる。また、ワークWの第2端において、クランクジャーナルの中心を心押台14の心押センタ14aに支持させる。ここで、S1の取付け工程では、偏心部Wa(クランクピン)が予め定められた方向を向くようにワークWを取付ける。例えば、偏心部Waが下向きとなるようにワークWを取付けてもよい。この場合、偏心部Waを、回転軸心Wcを中心として正確に時計6時方向へ向ける必要は無く、概ね時計6時前後を向く下向きに取付ければよい。
次に、S2の位相決め工程において、ワークWが取付けられた主軸12aをC軸回りに所定角度だけ回転させ、任意の回転位置で停止させて位相決めを行う。すなわち、制御部35は、主軸モータ駆動回路24を制御して主軸モータ12bを回転駆動させ、図6に示すように、主軸12aと共に回転軸心Wcを中心としてワークWを反時計回りに所定角度だけ回転させ、任意の回転位置で停止させる。例えば、S1の取付け工程で主軸12aにワークWを偏心部Waが下向きとなる姿勢で取付けた場合、S2の位相決め工程において、反時計回りに135°だけ回転させて停止させる。これにより、回転軸心Wcを中心として時計回りに時計12時〜3時を領域I、3時〜6時を領域II、6時〜9時を領域III、9時〜12時を領域VIと定義したとき、偏心部Waは、図6に示すように領域I内で位相決めされる。
次に、S3の砥石台送り工程において、砥石車17を所定の回転数で回転させると共に、砥石台16をワークWに近接する方向へ、粗加工時の移動速度で移動させる。すなわち、制御部35は、砥石回転用モータ駆動回路21を制御して砥石回転用モータ16bを所定の回転数で回転駆動し、砥石車17を回転させる。また、制御部35は、X軸送り用モータ駆動回路22を制御してX軸送り用モータ15cを粗加工時の回転速度で回転駆動し、砥石台16をX軸方向にワークW近接側へ粗加工時の移動速度で移動させる。例えば、砥石台16の移動速度は、15[mm/min]程度とすることができる。
次に、S4の接触検知工程において、砥石車17とワークWとの接触検知を行う。図6は、任意の回転位置で停止したワークWに向かって接近移動する砥石車17が、偏心部Waと接触する時の様子を表している。砥石車17が偏心部Waと接触する時、図6に示すように、偏心部Waの中心Wac、回転軸心Wc、及び砥石軸心Tcの3点を頂点とする三角形が形成される。
ここで、S4の接触検知工程の具体的な内容について、図4のフローチャートを参照しつつ説明する。まず、S11において、砥石台16の内部に収容されたAEセンサ16cの出力に基づいて、接触波形が検知されたか否かを判定する。S11で接触波形が検知されなかった場合(S11:No)、S11を繰り返す。
S11で接触波形が検知された場合(S11:Yes)、S12において、砥石台16の送り動作を停止する。すなわち、制御部35は、X軸送り用モータ駆動回路22を制御してX軸送り用モータ15cの回転駆動を停止する。
続いて、S13において、接触波形の開始時を接触検知時Tdとして決定する。S13終了後、図3のフローチャートの処理へ戻り、S5へ進む。
S5の主軸位相取得工程において、接触検知時TdにおけるC軸回転座標を主軸エンコーダ12cの出力から読み取り、偏心部Waの停止した回転位置における主軸12aの回転位相としてデータ記憶部33に記憶する。
また、S6の送り位置取得工程において、接触検知時Tdにおける砥石台16の送り位置をX軸エンコーダ15dの出力から読み取り、偏心部Waの停止した回転位置における砥石台16の送り位置X1としてデータ記憶部33に記憶する。尚、送り位置X1は、回転軸心Wcと砥石軸心Tcとの心間距離である。
次に、S7の演算工程において、S6の送り位置取得工程で取得した砥石台16の送り位置X1を用いて、偏心部Waの停止した回転位置における絶対回転位相α1を演算する。偏心部Waの絶対回転位相α1は、回転軸心Wcを中心として時計3時の位置を基準(0°)とし、反時計回り方向を正とする回転位相である。以下、α1の演算方法について、図6を参照しつつ数式を用いて説明する。Sは偏心部Waの回転軸心Wcを中心とする回転半径(Wc〜Wacの距離)、rは偏心部Wa(クランクピン)の半径、Rは砥石車17の半径であり、いずれも既知数である。β1は、線分Wc−Tcと線分Wac−Tcとのなす角である。図6において、ワークWの偏心部Waが任意の回転位置に停止した状態で、砥石車17が偏心部Waに接触したとき、幾何学的に以下の式1〜式3が成立する。
S*sinα1=(r+R)sinβ1・・・式1
X1=S*cosα1+(r+R)cosβ1・・・式2
sinβ1+cosβ1=1・・・式3
ここで、式3に式1と式2を代入してβ1を消去することにより、S,r,R,X1,α1を用いた式4が得られる。
〔S/(r+R)*sinα1〕+〔X1−Scosα1〕/(r+R)=1・・・式4
上記の式4へ、既知数S,r,R、及びS6送り位置取得工程で取得されたX1を代入することにより、偏心部Waの絶対回転位相α1を求めることができる。尚、式4を満たすα1の値は、正の場合と負の場合とが存在するが、偏心部Waが領域I内であることが予め判明している場合は正の値、領域II内であることが判明している場合は負の値を、それぞれα1の解として確定する。例えば、図6の例では、偏心部Waが領域I内であることが確定している場合は正の値をα1の解として確定する。
一方、偏心部Waの停止した回転位置における主軸エンコーダ12cの値をλ1、時計3時の位置における主軸エンコーダ12cの値をλとしたとき、α1との関係を以下の式で表すことができる。
α1=λ1−λ → λ=λ1−α1・・・式11
式11から明らかなように、λは、主軸エンコーダ12cの値である主軸12aの回転位相λ1と偏心部Waの絶対回転位相との位相差を表している。S7演算工程では、式11で求めた位相差λをワークWの加工基準位相として設定し、データ記憶部33に記憶する。そして、ワークWの加工基準位相を基準として、主軸12aの回転位相に同期させて砥石台16の送り位置を制御することで、砥石車17で偏心部Waを研削加工することが可能となる。以上で、ワークWの位相割出し処理が終了する。
次に、S22において、主軸12aを加工時の回転速度で連続回転させる。すなわち、制御部35は、主軸モータ駆動回路24を制御して、主軸モータ12bの回転速度を加工時の回転数で回転させる。例えば、主軸12aを、粗加工時の回転数50〜70[rpm]で回転させる。
次に、S23において、砥石台16をバックオフ位置からS6で設定した基準位置の近傍、つまり砥石車17が偏心部Waと近接する位置まで早送りで前進移動させる動作を行う。続いて、S24において、砥石台16の送りを加工時の送り速度へ減速すると共に、主軸回転位相に同期させて研削送り動作を行う。これにより、偏心部Waの研削加工が行われる。
(1−4.まとめ)
上述したように、本実施形態の位相割出し方法によれば、任意の回転位置で停止したワークWの被加工部である偏心部Waに対し、砥石台16を接近する方向へ相対移動させて砥石車17を偏心部Waへ接触させ、接触検知時の主軸1aの回転位相と砥石台16の送り位置とを取得し、これらに基づいてワークWの加工基準位相を演算することができる。よって、研削盤1においてピンやキー等の位相基準や位相決め用のタッチセンサ等を用いることなく、短時間で高精度にワークWの位相を割出すことができるという効果を奏する。また、ワークWの位相割出しに引き続いて、S24で研削工程を実行することができるため、位相割出しから研削加工完了までの全体時間の短縮化を図ることができるという効果を奏する。
また、S7の演算工程は、偏心部Waの任意の回転位置で停止した状態で形成される、回転軸心Wc、砥石車17を軸支する砥石軸心Tc、及び偏心部Waの中心Wacの3点を頂点とする三角形に基づいて、偏心部Waの絶対回転位相α1を幾何学的に演算し、主軸12aの回転位相λ1と偏心部Waの絶対回転位相α1とからワークWの加工基準位相λを演算する。よって、幾何学的演算によってワークWの加工基準位相を正確に求めることができる。
また、接触検知工程(S4)は、砥石車17に生じる振動の検知に基づいて接触検知を行うので、接触検知用のデバイスを別途設けることなく、砥石台16に既存のAEセンサ16cの出力を利用して接触検知を行うことができる。
また、砥石台送り工程(S3)は、砥石台16を粗加工時の移動速度で相対移動させるので、S4の接触検知工程に要する時間の短縮化を図ることができる。
続いて、S7の研削準備及び研削工程を実施する。研削準備及び研削工程の内容について、図5のフローチャートを参照しつつ説明する。まず、S21でバックオフ動作を行う。バックオフ動作は、砥石台16を、S4の接触検知工程で送り動作を停止した位置から砥石車17が偏心部Waから離間する所定のバックオフ位置まで後退移動させる動作である。
(2.第2実施形態)
(2−1.位相割出し及び研削加工の流れ)
上述した第1実施形態では、クランクピンである偏心部Waが予め所定の概略方向を向くようにワークWを主軸12aに取付けて位相割出し及び研削加工を行う例を示した。これに対し、第2実施形態は、主軸12aに取付けられるワークWの姿勢が不定、すなわち、偏心部Waの概略方向が不明である場合に位相割出し及び研削加工を行う例を示すものである。
より具体的には、第1実施形態は、被加工部である偏心部Waの1箇所の回転位置に対して、位相決め工程(S2)、砥石台送り工程(S3)、接触検知工程(S4)、主軸位相取得工程(S5)、及び送り位置取得工程(S6)を実施し、演算工程(S7)では1箇所の回転位置について取得された主軸回転位相及び砥石台送り位置に基づいてワークWの加工基準位相を演算することとしたが、第2実施形態は、偏心部Waを2箇所で位相決めして砥石車17の接触検知を行い、2箇所の回転位置について取得された主軸回転位相及び砥石台送り位置に基づいてワークWの加工基準位相を演算するものである。尚、第2実施形態において、研削盤1の全体構成及びCNC装置30の構成は、第1実施形態と同一であるので詳細な説明を省略する。また、同一の構成には同一の符号を付し、それらについての詳細な説明を省略する。
本実施形態における位相割出し及び研削加工の流れについて、図7〜図9のフローチャートに沿って、図10〜図14を適宜参照しつつ説明する。図10は、第2実施形態においてワークを2箇所の回転位置で位相決めして偏心部に砥石車を接触させる様子を模式的に示す説明図である。まず、S31の取付け工程において、ワークWを主軸12aに取付ける(S1取付け工程と同様)。このとき、主軸12aに取付けられたワークWの姿勢は不定、すなわち、偏心部Waの概略方向は不明である。次に、S32の第1位相決め工程において、ワークWが取付けられた主軸12aをC軸回りに所定角度だけ回転させ、1箇所目の回転位置で停止させ、ワークWを位相決めする(S2位相決め工程と同様)。例えば、S32の第1位相決め工程において、反時計回りに30°だけ回転させて停止するようにしてもよい。次に、S33の第1砥石台送り工程において、砥石車17を所定の回転数で回転させると共に、砥石台16をワークWに近接する方向へ、粗加工時の移動速度で移動させる(S3砥石台送り工程と同様)。
次に、S34の第1接触検知工程において、砥石車17とワークWとの接触検知を行う。すなわち、図9に示す接触検知工程を実行する。まず、S51において、接触波形が検知された否かを判定する。S51で接触波形が検知されなかった場合(S51:No)、S54において、砥石台16の送り位置を示すX軸エンコーダ15dの出力X1が定数XC以上か否かを判定する。X1がXC以上の場合(X1≧XC、S54:Yes)、S51へ戻る。定数XCは、偏心部中心Wacが領域I〜IIと領域III〜IVとの境界上、すなわち、時計12時又は6時の位置にあるときに砥石車17が偏心部Waに接触した状態における心間距離X1の値である。定数XCは、上記状態における角度β1をβCと表すとき、XC=(R+r)cosβCと表すことができる。
X1がXCよりも小さい場合(X1<XC、S54:No)、偏心部Waが領域III又はIV内で停止したと判定する。図11は、偏心部が領域III〜IV内で停止した例を示す説明図である。偏心部Waが領域III又はIV内で停止したと判定された場合、S55において、砥石台16のバックオフ動作を実行する。すなわち、砥石台16を所定のバックオフ位置まで後退移動させる。次に、S56において、主軸12aを反時計回りに180°だけ回転させて領域I又はII内で停止させる。すなわち、制御部35は、主軸モータ駆動回路24を制御して主軸モータ12bを回転駆動させ、主軸12aと共に回転軸心Wcを中心としてワークWを反時計回りに180°度だけ回転させ、停止させる。図12は、偏心部が領域III〜IV内で停止した状態でワークを180°回転させて領域I〜II内で停止させる様子を模式的に示す説明図である。図12に示すように、偏心部Waが領域III又はIV内にある状態で180°だけ回転させることで、偏心部Waは必ず領域I又はII内で停止することになる。S56の後、S33へ戻り、再び、第1砥石台送り工程を実行する。
S51で接触波形が検知された場合(S51:Yes)、S12において、砥石台16の送り動作を停止する。すなわち、制御部35は、X軸送り用モータ駆動回路22を制御してX軸送り用モータ15cの回転駆動を停止する。
続いて、S53において、接触波形の開始時を接触検知時Tdとして決定する。S53終了後、図7のフローチャートの処理へ戻り、S35へ進む。
続いて、S35の第1主軸位相取得工程において、接触検知時TdにおけるC軸回転座標を主軸エンコーダ12cの出力から読み取り、偏心部Waの停止した回転位置における主軸12aの回転位相としてデータ記憶部33に記憶する(S5主軸位相取得工程と同様)。また、S36の第1送り位置取得工程において、接触検知時Tdにおける砥石台16の送り位置をX軸エンコーダ15dの出力から読み取り、偏心部Waの停止した回転位置における砥石台16の送り位置X1としてデータ記憶部33に記憶する(S6送り位置取得工程と同様)。次に、S37において、バックオフ動作を実行する。すなわち、砥石台16を、砥石車17がワークWから離間する所定のバックオフ位置まで後退移動させる。
次に、S38の第2位相決め工程において、ワークWが取付けられた主軸12aをC軸回りに所定角度だけ回転させ、2箇所目の回転位置で停止させる。例えば、S32の第1位相決め工程において反時計回りに30°だけ回転させて1箇所目の回転位置で停止させた場合、S38の第2位相決め工程において反時計回りに90°だけ回転させて2箇所目の回転位置で停止させてもよい。次に、S39の第2砥石台送り工程において、砥石車17を所定の回転数で回転させると共に、砥石台16をワークWに近接する方向へ、粗加工時の移動速度で移動させる。
次に、S40の第2接触検知工程において、砥石車17とワークWとの接触検知を行う。すなわち、図9に示す接触検知工程を実行する。接触検知工程の内容は、S56の後、S39へ戻る点のみが第1接触検知工程と異なり、他は同様であるので、説明を省略する。次に、S41の第2主軸位相取得工程において、接触検知時TdにおけるC軸回転座標を主軸エンコーダ12cの出力から読み取り、偏心部Waの2箇所目の停止した回転位置における主軸12aの回転位相としてデータ記憶部33に記憶する。また、S42の第2送り位置取得工程において、接触検知時Tdにおける砥石台16の送り位置をX軸エンコーダ15dの出力から読み取り、偏心部Waの2箇所目の停止した回転位置における砥石台16の送り位置X2としてデータ記憶部33に記憶する。尚、送り位置X2は、偏心部Waの2箇所目の停止した回転位置における回転軸心Wcと砥石軸心Tcとの心間距離である。
次に、S43の演算工程において、S36の第1送り位置取得工程で取得した偏心部Waの1箇所目の回転位置における砥石台16の送り位置X1及びS42の第2送り位置取得工程で取得した偏心部Waの2箇所目の回転位置における砥石台16の送り位置X2を用いて、偏心部Waの停止した回転位置における絶対回転位相α1、α2を演算する。以下、α1、α2の演算方法について、図10を参照しつつ数式を用いて説明する。Sは偏心部Waの回転軸心Wcを中心とする回転半径(Wc〜Wacの距離)、rは偏心部Wa(クランクピン)の半径、Rは砥石車17の半径である。β1は、偏心部Waが1箇所目の回転位置に停止したときの線分Wc−Tcと線分Wac−Tcとのなす角である。β2は、偏心部Waが2箇所目の回転位置に停止したときの線分Wc−Tcと線分Wac−Tcとのなす角である。
S*sinα1=(r+R)sinβ1・・・・・・式1
X1=S*cosα1+(r+R)cosβ1・・・・式2
sinα1+cosα1=1・・・・・・・・式3
式3に式1と式2を代入すれば、S,r,R,X1,α1を使った式4で表される。
〔S/(r+R)*sinα1〕+〔X1−Scosα1〕/(r+R)=1・・・・式4
S*sinα2=(r+R)sinβ2・・・・・・式5
X2=S*cosα2+(r+R)cosβ2・・・・式6
sinα2+cosα2=1・・・・・・・・式7
式6に式4と式5を代入すれば、S,r,R,X2,α2を使った式8で表される。
〔S/(r+R)*sinα2〕+〔X1−Scosα2〕/(r+R)=1・・・式8
X1,X2の値は既知であり、S,r,Rのいずれかの値が未知の場合、式4を式8で除算すると、α1とα2との関係を表す式9が導き出される。
sinα1/sinα2+〔X1−Scosα1〕/〔X1−Scosα2〕=1・・・式9
α1位相からα2位相までθだけ回転させたことは確定しているが、α1とα2が不明である。そこで、式10でα1の適当な値を選ぶことにより、α2が求まる。
θ=α1+α2・・・式10
θ=α2―α1・・・式10
sin(α1−α2)=sinα1*cosα2−cosα1*sinα2・・・式11
cos(α1−α2)=cosα1*cosα2+sinα1*sinα2・・・式12
式11あるいは式12が成り立つまで、α1の適当な値を選ぶ作業を繰り返す。式11あるいは式12が成り立つα1とα2を、式9に適用すると、Sの値が未知であっても求まる。
式11あるいは式12が成り立つα1とα2を、式4および式8に適用すると、r,Rのいずれか一方の値が既知であれば、他方が求まる。
つまり、Sの値が未知であり、r,Rのいずれかの値が未知であっても、2つの位相、すなわち停止した2箇所の回転位置で偏心部Waと砥石車17とを接触させてX1,X2を取得すれば、α1、α2の値が求まる。
そして、α1、α2が正の値であるか、負の値であるかは、第2接触検知工程において確定する。すなわち、S40の第2接触検知工程においてS54でYesとなってS55へ進むのは、偏心部Waの1回目接触検知時の位置が領域I内の場合であるため、α1は正の値となる。また、2回目接触検知時の位置は、S56で反時計回りに180°回転して領域II内となるため、α2は負の値となる。図13は、α1が正、α2が負となる場合におけるワークWの回転の流れと1回目及び2回目の接触検知位置とを示す説明図である。
一方、S40の第2接触検知工程においてS55へ進むことなくS51で接触波形が検知されるのは(S51:Yes)、偏心部Waの1回目接触検知時の位置が領域II内の場合であるため、α1は負の値となる。また、2回目接触検知時の位置は、反時計回りに90°回転して領域I内となるため、α2は正の値となる。図14は、α1が負、α2が正となる場合におけるワークWの回転の流れと1回目及び2回目の接触検知位置とを示す説明図である。
(2−2.まとめ)
上述したように、本実施形態の位相割出し方法によれば、被加工部である偏心部Waの異なる2箇所の停止した回転位置に対して、第1、第2位相決め工程(S32、S38)、第1、第2砥石台送り工程(S33、S39)、第1、第2接触検知工程(S34、S40)、第1、第2主軸位相取得工程(S35、S41)、及び第1、第2送り位置取得工程(S36、S42)を実施する。そして、演算工程(S43)は、2箇所の回転位置についてそれぞれ取得された主軸12aの回転位相及び砥石台16の送り位置に基づいて、ワークWの加工基準位相を演算するので、ワークW各部の寸法の一部が未知であっても、ワークWの加工基準位相を演算によって求めることができる。
(3.その他の変形例)
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々に変更を施すことが可能である。上記実施形態では、本発明をクランクシャフトのクランクピンを研削加工する研削盤に適用した例を示したが、これには限られない。例えば、カムシャフトを研削するカム研削盤にも適用可能である。要するに、本発明は、回転軸心から偏心した偏心部を有するワークを研削する研削盤に適用することができる。
また、上述した実施形態では、砥石台16に設けられて砥石車17に生じる振動を検知するAEセンサ16cの出力に基づいて、砥石車17とワークWとの接触を検知する例を示したがこれには限られない。主軸台12に設けられた主軸12aに生じる振動を検知するセンサの出力に基づいて、砥石車17とワークWとの接触を検知するようにしてもよい。また、AEセンサに限らず、砥石車17とワークWとの接触によって生じる振動を如何なるセンサで検出するようにしてもよい。
或いは、砥石車17又は主軸12aに生じる振動の検知に変えて、砥石車17又は主軸12aにかかる負荷の検出により、接触検知を行うようにしてもよい。例えば、砥石車17にかかる負荷の検出は、砥石回転用モータ16bへ実際に供給されている電流を検出することで行うようにしてもよい。同様に、主軸12aにかかる負荷の検出は、主軸モータ12bへ実際に供給されている電流を検出することで行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、S7の研削準備及び研削工程において、S21のバックオフ工程及びS23の早送り工程を実施する例を示したが、これらの工程を省略し、接触検知時の砥石台16の送り位置から引き続いて研削工程S24を実施するようにしてもよい。
また、上記第2実施形態では、被加工部である偏心部Waの異なる2箇所の停止した回転位置に対して、砥石車17による接触検知を行い、主軸12aの回転位相及び砥石台16の送り位置を取得してワークWの加工基準位相を演算する例を示したが、3箇所以上の複数箇所の停止した回転位置に対して、砥石車17による接触検知を行い、主軸12aの回転位相及び砥石台16の送り位置を取得してワークWの加工基準位相を演算するようにしてもよい。
また、上記第2実施形態では、主軸12aに取付けられるワークWの姿勢が不定、すなわち、偏心部Waの概略方向が不明である場合に2箇所で位相決めして砥石車17の接触検知を行う例を示したが、第1実施形態のように偏心部Waが予め所定の概略方向を向くようにワークWを主軸12aに取付けた場合において、2箇所で位相決めして砥石車17の接触検知を行い位相割出し及び研削加工を行うようにしてもよい。このよう複数個所で接触検知すれば、偏心部Waの径が均一でない場合等にも、高精度に位相割り出しを行うことができる。
W…ワーク、Wc…回転軸心、Wa…偏心部(被加工部)、1…研削盤、12a…主軸、16…砥石台、17…砥石車、35…制御部、S1…取付け工程、S2…位相決め工程、S3…砥石台送り工程、S4…接触検知工程、S5…主軸位相取得工程、S6…送り位置取得工程、S7…演算工程、S21…バックオフ工程、S23…早送り工程、S24…研削工程、S32…第1位相決め工程、S33…第1砥石台送り工程、S34…第1接触検知工程、S35…第1主軸位相取得工程、S36…第1送り位置取得工程、S38…第2位相決め工程、S39…第2砥石台送り工程、S40…第2接触検知工程、S41…第2主軸位相取得工程、S42…第2送り位置取得工程、S43…演算工程。

Claims (8)

  1. 回転軸心に対し偏心した被加工部を有するワークを主軸で回転させながら、砥石台を前記回転軸心との交差方向に相対移動させ、砥石車を前記被加工部に接触させて研削加工する研削盤において、前記ワークの位相を割出す方法であって、
    前記ワークを前記主軸に取付ける取付け工程と、
    前記ワークが取付けられた前記主軸を所定角度回転させて前記被加工部を任意の回転位置で停止させる位相決め工程と、
    前記砥石車を回転させながら、前記砥石台を前記被加工部と離間する所定位置から前記被加工部へ接近する方向に相対移動させる砥石台送り工程と、
    前記任意の回転位置で停止する前記被加工部に対し前記砥石車が接触したことを検知する接触検知工程と、
    前記接触検知工程における接触検知時の前記主軸の回転位相を取得する主軸位相取得工程と、
    前記接触検知工程における接触検知時の前記砥石台の送り位置を取得する送り位置取得工程と、
    前記主軸位相取得工程で取得した前記主軸の回転位相及び前記送り位置取得工程で取得した前記砥石台の送り位置に基づいて、前記ワークの加工基準位相を演算する演算工程と、を備える位相割出し方法。
  2. 前記被加工部の異なる複数の回転位置に対して、前記位相決め工程、前記砥石台送り工程、前記接触検知工程、前記主軸位相取得工程、及び前記送り位置取得工程を、それぞれ実施し、
    前記演算工程は、前記複数の回転位置についてそれぞれ取得された前記主軸の回転位相及び前記砥石台の送り位置に基づいて、前記ワークの加工基準位相を演算する、請求項1に記載の位相割出し方法。
  3. 前記演算工程は、前記被加工部の前記任意の回転位置で停止した状態で形成される、前記回転軸心、前記砥石車を軸支する砥石軸心、及び前記被加工部の中心の3点を頂点とする三角形に基づいて、前記被加工部の絶対回転位相を幾何学的に演算し、前記主軸の回転位相と前記被加工部の絶対回転位相とから前記ワークの加工基準位相を演算する、請求項1又は2に記載の位相割出し方法。
  4. 前記接触検知工程における前記砥石台の所定距離の相対移動において前記被加工部との接触が検知されなかった場合、
    前記被加工部から離間する所定のバックオフ位置まで前記砥石台を相対的に後退移動させる工程と、
    前記ワークが取付けられた前記主軸を所定角度回転させて前記被加工部を任意の回転位相で停止させる工程と、を実施し、
    その後、再度、前記砥石台送り工程と前記接触検知工程とを実施する請求項1乃至3の何れか一項に記載の位相割出し方法。
  5. 前記接触検知工程は、前記砥石車又は前記主軸に生じる振動の検知に基づいて接触検知を行う、請求項1乃至4の何れか一項に記載の位相割出し方法。
  6. 前記接触検知工程は、前記砥石車又は前記主軸にかかる負荷の検知に基づいて接触検知を行う、請求項1乃至4の何れか一項に記載の位相割出し方法。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の位相割出し方法を実施した後、前記加工基準位相を基準として前記主軸の回転に同期して前記砥石台を相対移動させ、前記砥石車により前記被加工部を研削する研削工程を備える、研削加工方法。
  8. 前記研削工程を実施する前に、
    前記砥石台を前記砥石車が前記被加工部から離間する所定のバックオフ位置まで相対的に後退移動させるバックオフ工程と、
    前記所定位置から前記砥石車が前記被加工部と近接する位置まで前記砥石台を早送りで相対的に前進移動させる早送り工程と、を実施する、請求項7に記載の研削加工方法。
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