JP2020022376A - 風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物 - Google Patents

風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2020022376A
JP2020022376A JP2018147951A JP2018147951A JP2020022376A JP 2020022376 A JP2020022376 A JP 2020022376A JP 2018147951 A JP2018147951 A JP 2018147951A JP 2018147951 A JP2018147951 A JP 2018147951A JP 2020022376 A JP2020022376 A JP 2020022376A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
fat
roll
mass
fat composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018147951A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7248389B2 (ja
Inventor
健太郎 兼子
Kentaro Kaneko
健太郎 兼子
友枝 哲太郎
Tetsutaro Tomoe
哲太郎 友枝
和洋 佐々木
Kazuhiro Sasaki
和洋 佐々木
麻美 針生
Asami Hario
麻美 針生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Adeka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Adeka Corp filed Critical Adeka Corp
Priority to JP2018147951A priority Critical patent/JP7248389B2/ja
Publication of JP2020022376A publication Critical patent/JP2020022376A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7248389B2 publication Critical patent/JP7248389B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】良好な浮き、内相、呈味、食感を有する層状ベーカリー製品を得ることができ、且つ、延展性が良好である、ロールイン油脂組成物を提供すること。【解決手段】風味成分と、融点が38℃以上であるエステル交換油脂を含有する風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物。風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物は、油相の油脂融点が38℃以上であることが好ましい。風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物は、油分の含有量が30〜60質量%であることはも好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物に関する。
層状ベーカリー製品には、ロールイン油脂を使用したパイやデニッシュなどの網目状の層状を呈する内相のベーカリー製品と、フラワーペーストを使用したスイートロールなどの呈味相がドウ生地と交互の層状になっている内相のベーカリー製品とがある。
網目状の層状を呈する内相を有し、且つ呈味を有するベーカリー製品を得るためには、一般的に、呈味成分を均質に含有するロールイン油脂を使用する方法(例えば特許文献1参照)、ロールイン油脂とフラワーペーストとを併用する方法(例えば特許文献2〜4参照)、或いは、油脂とフラワーペーストとをヘテロに含有するロールイン油脂を使用する方法(例えば特許文献5参照)などが行われる。
呈味成分を均質に含有するロールイン油脂を使用する方法は、浮きが高く良好な網目状の内相を得るためには高油分の油中水型ロールイン油脂であることを必要とする。しかし、高油分の油中水型ロールイン油脂を用いた場合、呈味発現性が極めて悪いという問題があった。ロールイン油脂とフラワーペーストとを併用する方法は、2種のロールイン素材を別個用意する必要があり煩雑であるという問題があった。油脂とフラワーペーストとをヘテロに含有するロールイン油脂を使用する方法は、油脂とフラワーペーストを別個に製造し組み合わせるという特殊な製造方法が必要であり、煩雑であるという問題があった。
特開平1−231841号公報 特開平11−289978号公報 特開2001−178354号公報 特開2001−321064号公報 特開2006−333735号公報
従って、本発明の課題は、良好な浮き、内相、呈味、食感を有する層状ベーカリー製品を得ることができ、且つ、延展性が良好であるロールイン油脂組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく種々検討した結果、ロールイン油脂について、従来の層状ベーカリー製品に使用しているような油中水型ではなく水中油型とし、該油相に高融点のエステル交換油脂を使用することで、上記問題を解決することが可能であることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、風味成分と、融点が38℃以上であるエステル交換油脂とを含有する風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物を提供するものである。
本発明のロールイン油脂組成物によれば、層の浮きがよく、層が明瞭であり、風味発現性が良好で、油性感の少ない層状ベーカリー製品を得ることができる。また、ロールイン時の延展性が良好である。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明で使用するエステル交換油脂について述べる。該エステル交換油脂は、油脂をエステル交換して得られるものである。エステル交換油脂は、その融点が38℃以上、好ましくは40℃以上、より好ましくは43℃以上、更に好ましくは45℃以上、最も好ましくは50℃以上である。融点が38℃未満のエステル交換油脂を使用すると本発明の効果が得られない。融点の上限値については特に制限はないが、好ましくは60℃以下、より好ましくは58℃以下である。本発明における融点は上昇融点である。エステル交換油脂の融点は、例えば、「日本油化学会制定 基準油脂分析試験法 2.2.4.2(1996)1996年版」に準じて測定することができる(以下、融点の測定について同様である。)。以下、本明細書において融点と記載する場合、上昇融点を意味し、その測定方法は上述のとおりである。
融点が38℃以上であるエステル交換油脂(以下、「エステル交換油脂A」ともいう。)の製造に使用される油脂としては、食用に使用可能な食用油脂であれば特に制限なく使用することができる。該食用油脂の具体例としては、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油及びひまわり油等の常温で液体の油脂、パーム油、パーム核油、ヤシ油、サル脂、マンゴ脂、乳脂、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油及び鯨油等の常温で固体の油脂、並びにこれらの油脂に水素添加、分別及びエステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂を使用することができる。本発明においては、上記食用油脂の1種を単独で使用してもよく、或いは2種以上を含有する油脂配合物を使用してもよい。
エステル交換反応は、常法に従って行うことができ、化学的触媒によるエステル交換反応でもよく、酵素によるエステル交換反応でもよい。また、位置選択性のエステル交換反応であっても、ランダムエステル交換反応であってもよいが、ランダムエステル交換反応が好ましい。
化学的触媒によるエステル交換反応を行う場合、使用できる化学的触媒としては、例えば、ナトリウムメチラート等のアルカリ金属系触媒が挙げられる。
酵素によるエステル交換反応を行う場合、使用できる酵素としては、位置選択性のない酵素、例えば、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、リゾープス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、ペニシリウム(Penicillium)属等に由来するリパーゼが挙げられる。なお、該リパーゼは、イオン交換樹脂或いはケイ藻土及びセラミック等の担体に固定化して、固定化リパーゼとして用いることができ、粉末の形態で用いることもできる。
本発明において、エステル交換油脂Aは油相に含まれる。本発明のロールイン油脂組成物におけるエステル交換油脂Aの含有量は、ロールイン時に良好な延展性を示すこと、及び、得られるベーカリー製品がより良好な浮きと、より明瞭な層状構造が有するものとなる点、更に、風味発現性が良好である点から、油相の全油脂量の30%質量以上であることが好ましく、より好ましくは40〜100質量%、更に好ましくは50〜100質量%である。
本発明では、エステル交換油脂Aがパーム系油脂のランダムエステル交換油脂を含有することが好ましい。また、エステル交換油脂Aがパーム系油脂のランダムエステル交換油脂のみからなることも好ましい。上記パーム系油脂としては、パーム油、及び、パーム油に対し水素添加、分別及びエステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂が挙げられる。エステル交換油脂Aに占める上記パーム系油脂のランダムエステル交換油脂の含有量は、好ましくは40〜100質量%、更に好ましくは50〜100質量%である。
本発明では、上記パーム系油脂のランダムエステル交換油脂として、口溶けの点で、パームオレインをランダムエステル交換して得られたエステル交換油脂を使用することが好ましい。本発明のロールイン油脂組成物が、上記パームオレインをランダムエステル交換して得られたエステル交換油脂を含む場合、該エステル交換油脂を油脂中40〜100質量%、より好ましくは50〜100質量%含有することが好ましい。
本発明では、上記パーム系油脂のランダムエステル交換油脂が以下の(1)〜(3)の何れかを含有することが、層の浮きがよりよく、層がより明瞭である層状ベーカリー製品を得ることができることから好ましい。
(1)パーム油とパーム極度硬化油とを含有する油脂配合物のランダムエステル交換油脂
ランダムエステル交換油脂(1)の製造に使用できるパーム分別油としては、パームステアリン、パームオレイン及びパーム分別中融点部が挙げられる。上記油脂配合物におけるパーム油とパーム極度硬化油との配合比(質量比)は、20:80〜80:20であることが好ましく、51:49〜80:20であることがより好ましい。上記油脂配合物におけるパーム極度硬化油の配合比が80質量%以下であると、得られるロールイン油脂組成物の低温での延展性が良好となり、得られる層状ベーカリー製品の口溶けが良好となる。また、パーム極度硬化油の配合比が20質量%以上であると、得られる層状ベーカリー製品の浮きが良好となり、また良好な網目状の内相が得られる。
(2)パーム分別油とパーム極度硬化油とを含有する油脂配合物のランダムエステル交換油脂
ランダムエステル交換油脂(2)の製造に使用できるパーム分別油としては、上述のものが挙げられる。上記油脂配合物におけるパーム分別油とパーム極度硬化油との配合比(質量比)は、20:80〜80:20であることが好ましく、51:49〜80:20であることがより好ましい。上記油脂配合物におけるパーム極度硬化油の配合比が80質量%以下であると、得られるロールイン油脂組成物の低温での延展性が良好となり、得られる層状ベーカリー製品の口溶けが良好となる。また、パーム極度硬化油の配合比が20質量%以上であると、得られる層状ベーカリー製品の浮きが良好となり、また良好な網目状の内相が得られる。
(3)パーム油とパーム分別油とパーム極度硬化油とを含有する油脂配合物のランダムエステル交換油脂
ランダムエステル交換油脂(3)の製造に使用できるパーム分別油としては、上述のものが挙げられる。上記油脂配合物におけるパーム油及びパーム分別油と、パーム極度硬化油との配合比(質量比)は、20:80〜80:20であることが好ましく、51:49〜80:20がより好ましい。上記油脂配合物におけるパーム極度硬化油の配合比が80質量%以下であると、得られるロールイン油脂組成物の低温での延展性が良好となり、得られる層状ベーカリー製品の口溶けが良好となる。また、パーム極度硬化油の配合比が20質量%以上であると、得られる層状ベーカリー製品の浮きが良好となり、また良好な網目状の内相が得られる。
本発明のロールイン油脂組成物が上記ランダムエステル交換油脂(1)〜(3)の何れかを含有する場合、油脂中に合計で5〜70質量%含有することが好ましく、10〜49質量%含有することがより好ましい。
本発明のロールイン油脂組成物が、エステル交換油脂Aとしてパーム系油脂のランダムエステル交換油脂を含有する場合、該パーム系油脂のランダムエステル交換油脂は、パームオレインをランダムエステル交換して得られたエステル交換油脂と、ランダムエステル交換油脂(1)〜(3)から選択されるエステル交換油脂を1種以上とを含有することが好ましい。パームオレインをランダムエステル交換して得られたエステル交換油脂とランダムエステル交換油脂(1)〜(3)との配合比(質量比)は、前者:後者で、50〜95:5〜50であることが好ましく、70〜90:10〜30でることが好ましい。
本発明のロールイン油脂組成物は、エステル交換油脂A以外のその他の油脂を含有してもよい。その他の油脂の具体例としては、上述の食用油脂が挙げられる。当該食用油脂の1種を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、本発明のロールイン油脂組成物は、トランス酸を実質的に含有しないことが好ましい。ここでいう「トランス酸を実質的に含有しない」とは、トランス酸の含有量が、本発明のロールイン油脂組成物に含まれている油脂の全構成脂肪酸中、好ましくは10質量%未満、更に好ましくは5質量%未満、最も好ましくは2質量%未満であることを意味する。トランス酸の含有量は、例えば、「日本油化学会制定 基準油脂分析試験法 2.4.4.3−2013」により測定することができる。
水素添加は油脂の融点を上昇させる典型的な方法であるが、これによって得られる水素添加油脂は、完全水素添加油脂を除いて、通常構成脂肪酸中にトランス酸が10〜50質量%程度含まれている。一方、天然油脂中にはトランス酸が殆ど存在せず、反芻動物由来の油脂に10質量%未満含まれているにすぎない。近年、化学的な処理、特に水素添加に付されていない油脂組成物、即ち実質的にトランス酸を含まない油脂組成物であって、適切なコンシステンシーを有するものが要求されている。
本発明では、上記油脂配合物に使用する油脂、及び上記その他の油脂(上記融点が38℃以上であるエステル交換油脂以外の油脂)として、それぞれ実質的にトランス酸を含有しない油脂を使用することで、水素添加油脂を使用せずとも良好なコンシステンシーを有し、トランス酸を実質的に含有しないロールイン油脂組成物を簡単に得ることができる。
本発明のロールイン油脂組成物は、良好な浮き、内相、呈味、食感を有する層状ベーカリー製品を得ることができる点で、油相の油脂の融点が38℃以上であることが好ましく、40℃以上であることがより好ましい。油相の油脂の融点の上限値は、口溶けの点で、好ましくは55℃、より好ましくは50℃、更に好ましくは45℃である。
本発明のロールイン油脂組成物は、その油分の含有量が、好ましくは30〜60質量%、より好ましくは35〜60質量%、特に好ましくは40〜60質量%である。油分の含有量が30質量%以上であると、ロールイン時に生地に練り込まれにくくなり、明瞭な層状構造が得られる。また、60質量%以下であると、安定して水中油型乳化が得られ、また、風味成分の味が濃厚になることに加え、油性感が弱い食感となる。なお、ロールイン油脂組成物の油分の含有量は、直接配合する油脂以外に、油脂分を含有する食品素材や食品添加物を使用した場合には、それらに含まれる油脂分をあわせて算出するものとする。ロールイン油脂組成物における油分の含有量は、例えば、レーゼゴットリーブ法によって測定することができる。
本発明のロールイン油脂組成物における水分の含有量は、好ましくは30〜70質量%、より好ましくは35〜60質量%、特に好ましくは40〜60質量%である。水分の含有量が30質量%以上であると、ロールイン時に油脂組成物が割れにくくなる。また、70質量%以下であると、ロールイン時に生地に練り込まれにくくなり、より明瞭な層状構造が得られる。なお、ロールイン油脂組成物の水分の含有量は、直接配合する水以外に、水分を含有する食品素材や食品添加物を使用した場合には、それらに含まれる水分をあわせて算出するものとする。
本発明のロールイン油脂組成物は、その乳化型が水中油型乳化型であることが必要である。乳化型が油中水型であると、呈味発現性が大きく低下することに加え、延展性が悪化し、その結果内相が不均一で浮きも悪い積層状ベーカリー製品となってしまう。
なお、本発明において水中油型乳化という場合は、水中油中水型などの外相が水相である乳化物を含むものとする。
本発明のロールイン油脂組成物は風味成分を含有する。本発明において風味成分とは、単独或いは多様な風味を食品に付与する食品素材や食品添加物を意味する。風味成分としては、甘味、辛味、苦味、酸味及び旨み等の呈味を有する食品素材、甘味料、香料並びに香辛料等を使用することができる。ベースとなるベーカリー生地との風味のマッチングが良好であることから、糖類、カカオ製品、コーヒー、茶類、豆類、堅果類、果物類、及び乳製品からなる風味成分から選択される1種又は2種以上を使用することが好ましい。本発明のロールイン油脂組成物は、上記の風味成分のなかでも、パン類における呈味の基本として各種風味成分とのマッチングが良好であること、発酵阻害をおこすことなく甘味度の高いパン類を得ることが可能であること、及びロールイン油脂組成物自体の保存性を良好なものとすることができる点から、糖類を含有することが好ましい。
上記糖類としては、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ショ糖、液糖、はちみつ、ブドウ糖、果糖、黒糖、麦芽糖、乳糖、シクロデキストリン、酵素糖化水飴、酸糖化水飴、還元澱粉糖化物、還元糖、ポリデキストロース、還元乳糖、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、異性化液糖、ショ糖結合水飴、キャラメル、かえで糖、オリゴ糖、キシロース、トレハロース、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、アラビノース、パラチノースオリゴ糖、アガロオリゴ糖、キチンオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ヘミセルロース、モラセス、イソマルトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、カップリングシュガー、ラフィノース、ラクチュロース、テアンデオリゴ糖及びゲンチオリゴ糖等が挙げられる。本発明のロールイン油脂における上記糖類の含有量は、固形分として、好ましくは10〜30質量%、より好ましくは10〜25質量%である。なお、該糖類の含有量には、他の風味成分や下記のその他の成分に含まれる糖分もあわせて算出するものとする。ロールイン油脂組成物における糖類の含有量は、例えば、HPLCにより測定することができる。
上記カカオ製品としては、ココアパウダー、カカオマス、チョコレート等が挙げられ、これらのなかの1種又は2種以上を使用することができる。
上記茶類としては、緑茶、紅茶、ウーロン茶、プアール茶等が挙げられる。
上記豆類としては、ピーナツ、大豆、小豆等が挙げられる。
堅果類としては、アーモンド、へーゼルナッツ、栗、松の実等が挙げられる。
上記果物類としては、マンゴー、日向夏、キンカン、へべス、パパイヤ、キウイフルーツ、パイナップル、イチジク、オレンジ、みかん、レモン、すだち、かぼす、アップル、アプリコット、チェリー、ブドウ(レーズン)、ラズベリー、ストロベリー、ブルーベリー、クランベリー、プラム等が挙げられる。
上記乳製品としては生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、クリーム、チーズ、濃縮ホエイ、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖練乳、無糖脱脂練乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、蛋白質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、乳清ミネラル、加糖粉乳、調製粉乳、発酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料等が挙げられる。
なお、カカオ製品、茶類、豆類、堅果類、果物類及び乳製品の添加量は特に制限されず、求める風味によって適宜決定される。
本発明のロールイン油脂組成物は、上記以外のその他の成分を含有することができる。該成分としては、乳化剤、安定剤、甘味料、調味料、食塩、酸味料、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤等の、その他の成分を、必要に応じ任意に配合してもよい。このその他の成分の配合量は、本発明の効果を阻害しない範囲において、通常の使用量の範囲で使用することができる。
上記乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等が挙げられる。これらの乳化剤は単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。乳化剤を使用する場合、本発明のロールイン油脂組成物中の乳化剤の含有量は0.1〜2質量%とすることが好ましい。
上記安定剤としては、リン酸塩(ヘキサメタリン酸、第2リン酸、第1リン酸)、クエン酸のアルカリ金属塩(カリウム、ナトリウム等)や、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギーナン、アルギン酸塩、ファーセルラン、ローカストビーンガム、ペクチン、カードラン、澱粉、化工澱粉、結晶セルロース、ゼラチン、デキストリン、寒天、デキストラン等の増粘安定剤等が挙げられる。これらの安定剤は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。安定剤を使用する場合、本発明のロールイン油脂組成物中の安定剤の含有量は0.01〜3質量%とすることが好ましい。
次に、本発明の水中油型ロールイン油脂組成物の製造方法を説明する。
本発明の水中油型ロールイン油脂組成物は、その製造方法が特に制限されるものではなく、融点が38℃以上であるエステル交換油脂に、必要によりその他の油脂や油溶性物質を添加し、油相を調製する。一方、風味成分、必要により水溶性物質を水に添加し、水相を調製する。増粘安定剤など、水溶性の物質であっても水相中で継粉になりやすい原材料については油相中に分散してもよい。
次に上記水相に上記油相を添加して混合物を得、該混合物を水中油型に乳化し乳化物を得る。そして、必要により乳化物に殺菌処理を行う。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。
次に、乳化物を容器に入れ、冷却固化し水中油型ロールイン油脂組成物を得る。また、本発明の水中油型ロールイン油脂組成物を製造する際の何れかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、含気させなくても構わない。
このようにして得られた本発明の水中油型ロールイン油脂組成物は、調温後(0〜30℃)、シート状、ブロック状、円柱状等の形状に加工してもよい。各々の形状についての好ましいサイズは以下のとおりである。
シート状:縦40〜1000mm、横40〜1000mm、厚さ1〜50mm
ブロック状:縦4〜1000mm、横4〜1000mm、厚さ4〜500mm
円柱状:直径1〜40mm、長さ5〜100mmである。
本発明のロールイン油脂組成物は、ロールイン用としてデニッシュ・ペストリー、クロワッサン及びパイ等の積層状ベーカリー生地に好適に用いられる。本発明のロールイン油脂組成物を含有する積層状ベーカリー生地を焼成することにより、層状構造を有する本発明の層状ベーカリー製品を製造することができる。
次に本発明の積層状ベーカリー生地について説明する。
本発明の積層状ベーカリー生地は本発明のロールイン油脂組成物を含有するものであり、例えば、澱粉類主体のドウに対し、上記ロールイン油脂組成物をロールインすることによって得られるものである。
上記澱粉類としては、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉及び全粒粉等の小麦粉類、ライ麦粉、大麦粉及び米粉等のその他の穀粉類、アーモンド粉、へーゼルナッツ粉、カシュ―ナッツ粉、オーナッツ粉及び松実粉等の堅果粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉及び米澱粉等の澱粉並びにこれらの澱粉に酵素処理、α化処理、分解処理、エーテル化処理、エステル化処理、架橋処理及びグラフト化処理から選択される1以上の処理を施した化工澱粉等が挙げられる。上記澱粉類は、小麦粉類を好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、最も好ましくは100質量%含有することが望ましい。
上記澱粉類主体のドウとは、澱粉類、油脂、卵、粉乳、食塩、糖類、呈味剤、イースト菌及び膨張剤等を加えて練り上げたものであり、例えば、パイ生地、デニッシュ生地、クロワッサン生地、ドーナツ生地、イーストドーナツ生地、タルト生地等が挙げられる。なお上記生地名称はここではロールイン油脂組成物をロールインする前の生地をさす。
本発明の積層状ベーカリー生地における本発明のロールイン油脂組成物のロールイン量は、上記小麦粉主体のドウに含まれる澱粉類100質量部に対し、好ましくは10〜100質量部、より好ましくは10〜50質量部である。
本発明の積層状ベーカリー生地の好ましい層数は3〜512層、より好ましくは16〜256層である。層数が3層以上であると、得られる層状ベーカリー製品の層状構造部分が堅く、損壊しにくくなり、また、油っぽい食感とならず、且つ焼成時に油脂漏れが発生しにくくなる。また層数が512層以下であると、得られる層状ベーカリー製品が確実に層状構造を有するものとなる。
本発明のロールイン油脂組成物をドウにロールインする方法としては、シート状のロールイン油脂組成物を使用した折パイ方式であってもよく、小片状のロールイン油脂組成物を使用した練りパイ方式であってもよいが、より良好な食感と均質な層状構造を有する層状ベーカリー製品が得られる点で、シート状のロールイン油脂組成物を使用した折パイ方式が好ましい。折パイ方式で使用するシート状のロールイン油脂組成物とは、厚さ2〜30mmのもので、成形済みのものでもよいし、ブロック状のロールイン油脂組成物をバターポンプ等で送りだし、連続的に生地上にシート状に合わせていく方法によるものでもよい。
次に、本発明の層状ベーカリー製品について述べる。
本発明の層状ベーカリー製品は、上記の本発明の積層状ベーカリー生地を、適宜、分割、成形し、必要に応じホイロ、リタード、レストをとった後、焼成することにより得ることができる。焼成の条件については特に制限はなく、公知の条件を採用することができる。
上記成形は、どのような形状に成形してもよく、型詰めを行っても構わない。成形は、手作業で行っても、連続ラインを用いて全自動で行っても構わない。
また、得られた本発明のベーカリー製品を、冷蔵、冷凍保存したり、該保存後に電子レンジ加熱することも可能である。
次に、実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明を何等制限するものではない。なお、以下の実施例等における「%」は、特に記載がない限り「質量%」である。
<エステル交換油脂の調製>
(エステル交換油脂a)
ヨウ素価52のパーム油65質量部及びヨウ素価0.8のパーム油の極度硬化油脂35質量部を70℃にて混合溶解して得られた油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行った後、漂白(白土3%、85℃、0.93kPa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、0.4kPa以下の減圧下)を行い、トランス脂肪酸の含有量が0.5%であり、融点が51℃であるエステル交換油脂aを得た。
(エステル交換油脂b)
ヨウ素価52のパーム油50質量部及びヨウ素価0.8のパーム油の極度硬化油脂50質量部を70℃にて混合溶解して得た油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行った後、漂白(白土3%、85℃、0.93kPa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、0.4kPa以下の減圧下)を行い、トランス脂肪酸の含有量が0.5%であり、融点が53℃であるエステル交換油脂bを得た。
(エステル交換油脂c)
パーム油をドライ分別して得られた低融点部であるヨウ素価55のパームオレインを、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行った後、漂白(白土3%、85℃、0.93kPa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、0.4kPa以下の減圧下)を行い、トランス脂肪酸の含有量が1.0%であり、融点が39℃であるエステル交換油脂cを得た。
(エステル交換油脂d)
パーム油をドライ分別して得られた低融点部であるヨウ素価60のパームオレインを、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行った後、漂白(白土3%、85℃、0.93kPa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、0.4kPa以下の減圧下)を行い、トランス脂肪酸の含有量が1.0%であり、融点が34℃であるエステル交換油脂dを得た。
<ロールイン油脂組成物の調製>
〔実施例1〕
エステル交換油脂aを25%及びエステル交換油脂cを75%含む配合油脂40質量部に、ココアパウダー4質量部、寒天0.2質量部、キサンタンガム0.1質量部及びローカストビーンガム0.1質量部を添加・分散し、油相とした。油相の油脂の融点は42℃であった。
水30.35質量部、糊化リン酸架橋澱粉2質量部、ゼラチン0.7質量部、上白糖5質量部、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖(固形分75%)15質量部、WPC2質量部、乾燥卵白0.2質量部、ゼラチン0.7質量部、50%発酵乳酸0.15質量部及び香料0.2質量部を混合し、水相とした。
この油相と水相とを混合、乳化、均質化した後、加熱殺菌し、次いで、22℃まで冷却した後、長さ400mm、幅200mm、厚さ8mmのシート状に成形し、チョコレート風味を有し、且つシート状の風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Aを得た。
〔実施例2〕
エステル交換油脂aをエステル交換油脂bに変更した以外は、実施例1の配合及び製法により、チョコレート風味を有し、且つシート状の風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Bを得た。なお、油相の油脂の融点は42.5℃であった。
〔実施例3〕
配合油脂の量を15質量部に変更し、水の量を33.35質量部に、糊化リン酸架橋澱粉の量を4質量部に、上白糖の量を10質量部に、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖の量を30質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法により、チョコレート風味を有し、且つシート状の風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Cを得た。なお、油相の油脂の融点は42℃であった。
〔実施例4〕
エステル交換油脂aをエステル交換油脂bに変更し、配合油脂の量を15質量部に変更し、水の量を33.35質量部に、糊化リン酸架橋澱粉の量を4質量部に、上白糖の量を10質量部に、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖の量を30質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法により、チョコレート風味を有し、且つシート状の風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Dを得た。なお、油相の油脂の融点は42.5℃であった。
〔実施例5〕
エステル交換油脂aを25%及びエステル交換油脂cを75%含む配合油脂を、エステル交換油脂c100%からなる油脂に変更した以外は、実施例1の配合及び製法により、チョコレート風味を有し、且つシート状の風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Eを得た。なお、油相の油脂の融点は39℃であった。
〔比較例1〕
エステル交換油脂aを25%及びエステル交換油脂cを75%含む配合油脂を、エステル交換油脂dを90%及びヨウ素価0.8のパーム油の極度硬化油脂を10%含む配合油脂に変更した以外は、実施例1の配合及び製法により、比較例である、チョコレート風味を有し、且つシート状の風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Fを得た。なお、油相の油脂の融点は37℃であった。
〔比較例2〕
エステル交換油脂aを25%及びエステル交換油脂cを75%含む配合油脂を、エステル交換油脂dを90%及びヨウ素価0.8のパーム油の極度硬化油脂を10%含む配合油脂に変更し、且つ配合油脂の量を15質量部に変更し、水の量を33.35質量部に、糊化リン酸架橋澱粉の量を4質量部に、上白糖の量を10質量部に、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖の量を30質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法により、比較例である、チョコレート風味を有し、且つシート状の風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Gを得た。なお、油相の油脂の融点は37℃であった。
〔比較例3〕
エステル交換油脂aを25%及びエステル交換油脂cを75%含む配合油脂を、エステル交換油脂dを99.5%及びヨウ素価0.8のパーム油の極度硬化油脂を0.5%含む配合油脂に変更し、且つ配合油脂の量を15質量部に変更し、水の量を33.35質量部に、糊化リン酸架橋澱粉の量を4質量部に、上白糖の量を10質量部に、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖の量を30質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法により、比較例である、チョコレート風味を有し、且つシート状の風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Hを得た。なお、油相の油脂の融点は34℃であった。
<積層状ベーカリー生地及び層状ベーカリー製品の製造>
〔実施例6〕
強力粉100質量部、イースト4質量部、イーストフード0.1質量部、上白糖12質量部、食塩1.5質量部、脱脂粉乳4質量部、全卵(正味)6質量部、及び水60質量部をミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーにて低速3分、中速3分ミキシングし、ここに練込用ショートニング5質量部を投入し、更に低速3分中速3分ミキシングし、小麦粉主体のドウ(1)を得た。捏上げ温度は26℃であった。この小麦粉主体のドウ(1)をフロアタイムを60分とった後、5℃の冷蔵庫内でリタードした。1時間後、ロールイン油脂として、上記風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Aをドウに含まれる小麦粉100質量部に対し60質量部となる量を積置し、リバースシーターを用いて常法によりロールイン(4つ折り2回)し、層数が16層である積層状ベーカリー生地(1)を得た。風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Aのロールイン時の延展性は良好であった。
上記積層状ベーカリー生地(1)をリバースシーターを用いて厚さ6.5mmまで最終圧延を行い、底辺70mm、高さ140mm(生地重量:35g)の2等辺三角形の生地を切り出し、クロワッサン成形を行った。これを展板上に並べ、温度34℃ 相対湿度80%のホイロで50分発酵させた後、190℃に設定した固定オーブンで15分焼成し、クロワッサンである層状ベーカリー製品(1)を得た。
得られた層状ベーカリー製品(1)は、良好な浮きを示し、内相は網目状の内相であり、チョコレート風味が良好であり、油性感のない良好な口溶けであった。
〔実施例7〕
風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Aを風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Bに変更した以外は、実施例6と同様の配合及び製法で、積層状ベーカリー生地(2)及び層状ベーカリー製品(2)を得た。風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Bのロールイン時の延展性は良好であった。
得られた層状ベーカリー製品(2)は、良好な浮きを示し、内相は網目状の内相であり、チョコレート風味が良好であり、油性感のない良好な口溶けであった。
〔実施例8〕
風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Aを風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Cに変更した以外は、実施例6と同様の配合及び製法で、積層状ベーカリー生地(3)及び層状ベーカリー製品(3)を得た。風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Cのロールイン時の延展性は良好であった。
得られた層状ベーカリー製品(3)は、層状ベーカリー製品(1)に比べやや劣るものの良好な浮きを示し、内相は網目状の内相であり、チョコレート風味が良好であり、油性感のない良好な口溶けであった。
〔実施例9〕
風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Aを風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Dに変更した以外は、実施例6と同様の配合及び製法で、積層状ベーカリー生地(4)及び層状ベーカリー製品(4)を得た。風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Dのロールイン時の延展性は良好であった。
得られた層状ベーカリー製品(4)は、層状ベーカリー製品(1)に比べやや劣るものの良好な浮きを示し、内相は網目状の内相であり、チョコレート風味が良好であり、油性感のない良好な口溶けであった。
〔実施例10〕
風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Aを風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Eに変更した以外は、実施例6と同様の配合及び製法で、積層状ベーカリー生地(5)及び層状ベーカリー製品(5)を得た。風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Eのロールイン時の延展性は良好であった。
得られた層状ベーカリー製品(5)は、層状ベーカリー製品(1)に比べやや劣るものの良好な浮きを示し、内相は層状ベーカリー製品(1)に比べやや劣るものの網目状の内相であり、チョコレート風味が良好であり、油性感のない良好な口溶けであった。
〔比較例4〕
風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Aを風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Fに変更した以外は、実施例5と同様の配合及び製法で、積層状ベーカリー生地(6)及び層状ベーカリー製品(6)を得た。風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Fのロールイン時の延展性は良好であった。
得られた層状ベーカリー製品(6)は、層状ベーカリー製品(1)に比べ浮きが悪く、内相はパン目状の内相であった。また、油性感が強く口溶けも悪く、チョコレート風味の発現性が悪かった。
〔比較例5〕
風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Aを風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Gに変更した以外は、実施例5と同様の配合及び製法で、積層状ベーカリー生地(7)及び層状ベーカリー製品(7)を得た。風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Gのロールイン時の延展性は良好であった。
得られた層状ベーカリー製品(7)は、層状ベーカリー製品(1)に比べ浮きが悪く、内相はパン目状の内相であった。また、油性感がやや強く口溶けも悪く、チョコレート風味の発現性が悪かった。
〔比較例6〕
風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Aを風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Hに変更した以外は、実施例5と同様の配合及び製法で、積層状ベーカリー生地(8)及び層状ベーカリー製品(8)を得た。風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物Hのロールイン時の延展性は良好であった。
得られた層状ベーカリー製品(8)は、層状ベーカリー製品(1)に比べ浮きが悪く、内相はパン目状の内相であった。また、油性感のない良好な口溶けであるが、チョコレート風味の発現性が悪かった。

Claims (6)

  1. 風味成分と、融点が38℃以上であるエステル交換油脂とを含有する、風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物。
  2. 油相の油脂の融点が38℃以上である、請求項1記載の風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物。
  3. 油分の含有量が30〜60質量%である、請求項1又は2記載の風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物。
  4. 糖類を10〜30質量%含有する、請求項1〜3の何れか一項に記載の風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物を含有する積層状ベーカリー生地。
  6. 請求項5記載の積層状ベーカリー生地の焼成品である層状ベーカリー製品。
JP2018147951A 2018-08-06 2018-08-06 風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物 Active JP7248389B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018147951A JP7248389B2 (ja) 2018-08-06 2018-08-06 風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018147951A JP7248389B2 (ja) 2018-08-06 2018-08-06 風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020022376A true JP2020022376A (ja) 2020-02-13
JP7248389B2 JP7248389B2 (ja) 2023-03-29

Family

ID=69617791

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018147951A Active JP7248389B2 (ja) 2018-08-06 2018-08-06 風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7248389B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021161622A1 (ja) 2020-02-13 2021-08-19 日本電気株式会社 Ranノード、無線端末、及びこれらのための方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015204790A (ja) * 2014-04-21 2015-11-19 日油株式会社 ロールイン用水中油型乳化組成物
JP2017169476A (ja) * 2016-03-23 2017-09-28 日油株式会社 ロールイン用水中油型乳化組成物

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015204790A (ja) * 2014-04-21 2015-11-19 日油株式会社 ロールイン用水中油型乳化組成物
JP2017169476A (ja) * 2016-03-23 2017-09-28 日油株式会社 ロールイン用水中油型乳化組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021161622A1 (ja) 2020-02-13 2021-08-19 日本電気株式会社 Ranノード、無線端末、及びこれらのための方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7248389B2 (ja) 2023-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011234660A (ja) バターケーキ生地
JP6319832B2 (ja) 製パン練り込み用油中水型乳化油脂組成物
JP6227088B1 (ja) 可塑性油脂組成物及び食品
JP6914627B2 (ja) 可塑性油脂組成物、食品、焼成品の食感を向上させる方法、及び焼成品の保存安定性を向上させる方法
JP7248389B2 (ja) 風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物
JP5859292B2 (ja) チルドパンの製造方法
JP7195364B2 (ja) 可塑性油脂組成物、食品、食感向上剤、保存安定性向上剤及び方法
JP2010075138A (ja) パン生地
JP2009201468A (ja) ベーカリー製品用湯種生地、及び該湯種生地を用いたベーカリー製品
JP7174737B2 (ja) 可塑性油脂組成物及び可塑性油脂組成物が添加された食品
JP2013085483A (ja) パン生地
JP2013236597A (ja) 可塑性油脂組成物
JP7103732B2 (ja) 水中油型乳化油脂組成物
JP5460433B2 (ja) フラワーペースト類
JP6931275B2 (ja) 可塑性油脂組成物及び焼成品
JP5459464B2 (ja) スフレ様菓子の製造法
WO2014157697A1 (ja) フラワーペースト及びその製造方法
JP2013215163A (ja) パン生地及びパン類
JP2022120560A (ja) パイ生地用水中油型加糖ロールイン油脂組成物
JP2012217432A (ja) ベーカリー用上掛け生地
JP2018174849A (ja) 可塑性油脂組成物
JP7051285B2 (ja) 製パン練り込み用油脂組成物
JP2022119273A (ja) 層状ベーカリー製品の製造方法
JP2016086740A (ja) パン生地及びパン生地の製造方法
JP2023045333A (ja) 冷凍喫食用焼成食品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210719

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220510

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230228

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230316

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7248389

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150