JP2020021038A - 異方性拡散板、バックライトユニット、液晶表示装置および電子機器 - Google Patents

異方性拡散板、バックライトユニット、液晶表示装置および電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2020021038A
JP2020021038A JP2018147149A JP2018147149A JP2020021038A JP 2020021038 A JP2020021038 A JP 2020021038A JP 2018147149 A JP2018147149 A JP 2018147149A JP 2018147149 A JP2018147149 A JP 2018147149A JP 2020021038 A JP2020021038 A JP 2020021038A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
diffusion plate
incident
anisotropic diffusion
liquid crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018147149A
Other languages
English (en)
Inventor
将志 澤田
Masashi Sawada
将志 澤田
畑尾 卓也
Takuya Hatao
卓也 畑尾
伊東 寿
Hisashi Ito
寿 伊東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2018147149A priority Critical patent/JP2020021038A/ja
Publication of JP2020021038A publication Critical patent/JP2020021038A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Planar Illumination Modules (AREA)

Abstract

【課題】優れた異方性をもった光拡散性および優れた光透過性の両立が図られた異方性拡散板、優れた異方性をもった光拡散性および優れた光透過性の両立が図られたバックライトユニット、かかるバックライトユニットを備え、信頼性に優れた液晶表示装置および電子機器を提示すること。【解決手段】本発明の異方性拡散板10は、入射面40から入射された入射光を出射面50から拡散された出射光として出射させる際に、左右方向の光拡散能と前後方向の光拡散能とが異なるものであり、平面視における縦1cm×横1cmの任意の領域において、下記要件Aを満足する領域を有している。要件A:前記入射面に対して垂直に前記入射光を入射させたとき、入射角=0の関係を満足する領域が1%以下、入射角>臨界角の関係を満足する領域が18%以下であり、かつ、前記入射光の前後方向の入射角分布と、前記入射光の左右方向の入射角分布とが異なっていること。【選択図】図1

Description

本発明は、異方性拡散板、バックライトユニット、液晶表示装置および電子機器に関する。
液晶表示装置として、画像表示部としての液晶パネルと、この液晶パネルの背面側に配置された、バックライトとしての面発光光源とを備える液晶表示装置が知られている。
この液晶表示装置では、面発光光源は、ランプボックス(筐体)と、ランプボックス内に格子状(マトリクス状)に配置された複数の点光源としての発光素子とを備えており、液晶表示装置は、さらに、面発光光源の前面側、すなわち、面発光光源と液晶パネルとの間に配置された光拡散板(異方性拡散板)を備えている(例えば、特許文献1参照)。
かかる構成の液晶表示装置において、近年、省エネおよび発光素子ひいては液晶表示装置の小型化等の観点から、発光素子(点光源)として発光ダイオード(LED)を用いることが提案されている。
しかしながら、LEDは、発光する光を、前方に対して集中的に発する指向性が、白色電球や蛍光灯と比較して、極めて高い発光素子である。さらに、液晶表示装置の小型化の観点から、LEDは、光拡散板との離間距離が小さい位置に配置されることが求められる。
そのため、面発光光源が備える発光素子としてLEDを使用すると、光拡散板において、光拡散性が十分に得られないことに起因して、LEDが透けて見える発光素子(LED)の点在性が発生し、その結果、液晶表示装置により表示される画像に表示ムラが生じると言う問題があった。また、LEDの点在性を抑制することを目的に、光拡散板の光透過性を低下させること、すなわち、光拡散板に用いる拡散材料の含有量を増やすことも考えられるが、この場合、光拡散板を介した面発光光源からの光量が十分に得られず、液晶表示装置における画像の表示特性の低下を招くと言う問題が生じる。
また、液晶表示装置は、一般的に、その液晶パネルが長方形状をなしている。そのため、指向性の高い点光源であるLEDからの発光光を、等方的に光拡散板により拡散させると、液晶パネルの短手方向では、拡散させた光が液晶パネルの表示領域よりも外側に拡散されることとなる。そのため、拡散させた光のうちの一部に無駄が生じることから、発光光を異方的に光拡散板により拡散させることが求められる。
特開2009−63998号公報
本発明の目的は、優れた異方性をもった光拡散性および優れた光透過性の両立が図られた異方性拡散板、優れた異方性をもった光拡散性および優れた光透過性の両立が図られたバックライトユニット、かかるバックライトユニットを備え、信頼性に優れた液晶表示装置および電子機器を提示することにある。
このような目的は、下記(1)〜(11)に記載の本発明により達成される。
(1) 入射面から入射された入射光を出射面から拡散された出射光として出射させる際に、左右方向の光拡散能と前後方向の光拡散能とが異なる異方性拡散板であって、
平面視における縦1cm×横1cmの任意の領域において、下記要件Aを満足する領域を有していることを特徴とする異方性拡散板。
要件A:前記入射面に対して垂直に前記入射光を入射させたとき、入射角=0の関係を満足する領域が1%以下、入射角>臨界角の関係を満足する領域が18%以下であり、かつ、前記入射光の前後方向の入射角分布と、前記入射光の左右方向の入射角分布とが異なっていること。
(2) 前記出射面は、その平面視において、紡錘形状をなす複数の最密充填配置された紡錘体が、隣接するもの同士間で互いの縁部を重ね合わせることで形成された凸形状または凹形状をなしている上記(1)に記載の異方性拡散板。
(3) 当該異方性拡散板は、屈折率nの透明樹脂で構成され、
前記入射面に対して垂直に前記入射光を入射させたとき、前記紡錘体の任意の位置において、該任意の位置の法線と前記入射光とがなす角度θが、0≦θ<Sin−1(1/n)なる関係を満足する上記(2)に記載の異方性拡散板。
(4) 前記透明樹脂は、ポリカーボネート系樹脂を主材料として構成される上記(3)に記載の異方性拡散板。
(5) 前記出射面は、その表面粗さRaが0.1μm以下である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の異方性拡散板。
(6) 前記入射面に、当該異方性拡散板の屈折率より低い低屈折率層が形成されている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の異方性拡散板。
(7) 前記入射面に、誘電体多層膜が形成されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の異方性拡散板。
(8) 当該異方性拡散板は、その光学的位相差が200nm以下である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の異方性拡散板。
(9) 上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の異方性拡散板と、該異方性拡散板に対向配置された発光基板とを備え、
前記発光基板は、ベース基板と、該ベース基板の前記異方性拡散板に対向する側の面に格子状に配列された複数の発光ダイオードとを有することを特徴とするバックライトユニット。
(10) 上記(9)に記載のバックライトユニットと、該バックライトユニットの前記異方性拡散板側に対向配置された液晶パネルとを備えることを特徴とする液晶表示装置。
(11) 上記(10)に記載の液晶表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
本発明によれば、入射面から入射された入射光を出射面から拡散された出射光として出射させる際に、左右方向の光拡散能と前後方向の光拡散能とが異なる異方性拡散板は、平面視における縦1cm×横1cmの任意の領域において、下記要件Aを満足する領域を有している。
要件A:前記入射面に対して垂直に前記入射光を入射させたとき、入射角=0の関係を満足する領域が1%以下、入射角>臨界角の関係を満足する領域が18%以下であり、かつ、前記入射光の前後方向の入射角分布と、前記入射光の左右方向の入射角分布とが異なっていること。
このように、前記要件Aを満足する領域を有しているため、この異方性拡散板は、優れた異方性をもった光拡散性および優れた光透過性の両立が図られたものであると言うことができる。よって、かかる異方性拡散板を備える液晶表示装置において、光学素子としてLEDを用いたとしても、異方性拡散板を介してLEDが透けて見えてしまう点在性を的確に抑制または防止し、かつ、拡散させた光が無駄となるのを的確に抑制または防止して、画像を優れた表示特性で表示することができる。その結果、この液晶表示装置を備える電子機器は、優れた信頼性を有するものとなる。
本発明の液晶表示装置の実施形態を示す縦断面図である。 図1に示す液晶表示装置が備える異方性拡散板における出射面の構成を説明するための平面図である。 図1に示す液晶表示装置が備える異方性拡散板における出射面の構成を説明するために、出射面が備える凸部を拡大した部分拡大平面図である。 本発明の液晶表示装置を、表示部として有する、自動車の表示パネルの実施形態を示す側面図である。
以下、本発明の異方性拡散板、バックライトユニット、液晶表示装置および電子機器を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の異方性拡散板は、入射面から入射された入射光を出射面から拡散された出射光として出射させる際に、左右方向の光拡散能と前後方向の光拡散能とが異なるものであり、平面視における縦1cm×横1cmの任意の領域において、下記要件Aを満足する領域を有していることを特徴とする。
要件A:前記入射面に対して垂直に前記入射光を入射させたとき、入射角=0の関係を満足する領域が1%以下、入射角>臨界角の関係を満足する領域が18%以下であり、かつ、前記入射光の前後方向の入射角分布と、前記入射光の左右方向の入射角分布とが異なっていること。
以上の通り、本発明によれば、異方性拡散板の入射面に対して垂直に入射光を入射させたとき、入射光の前後方向の入射角分布と、入射光の左右方向の入射角分布とが異なることを満足する縦1cm×横1cmの領域を有している。そのため、この異方性拡散板は、優れた異方性をもった光拡散性が図られたものであると言うことができる。さらに、異方性拡散板の入射面に対して垂直に入射光を入射させたとき、入射角=0の関係を満足する領域が1%以下、かつ、入射角>臨界角の関係を満足する領域が18%以下を満足する縦1cm×横1cmの領域を有している。そのため、この異方性拡散板は、優れた光透過性が図られたものであると言うことができる。よって、かかる構成をなす異方性拡散板を備える液晶表示装置において、光学素子としてLEDを用いたとしても、異方性拡散板を介してLEDが透けて見えてしまう点在性を的確に抑制または防止し、かつ、拡散させた光が無駄となるのを的確に抑制または防止して、画像を優れた表示特性で表示することができる。その結果、この液晶表示装置を備える電子機器は、優れた信頼性を有するものとなる。
以下では、まず、本発明の異方性拡散板を備える液晶表示装置、すなわち、本発明の液晶表示装置について説明する。
<液晶表示装置>
図1は、本発明の液晶表示装置の実施形態を示す縦断面図、図2は、図1に示す液晶表示装置が備える異方性拡散板における出射面の構成を説明するための平面図、図3は、図1に示す液晶表示装置が備える異方性拡散板における出射面の構成を説明するために、出射面が備える凸部を拡大した部分拡大平面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図2、図3中のX方向を「左右方向」、Y方向を「前後方向」、Z方向を「上下方向」と言う。また、使用する図面(図1〜図3および以下で示す図を含む)は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
液晶表示装置100は、図1に示すように、画像表示部を構成する液晶パネル20と、液晶パネル20の表示面の反対側(背面側)に配置された、バックライトとしての面発光光源30と、液晶パネル20と面発光光源30との間に配置された異方性拡散板10とを有している直下型液晶表示装置(直下型液晶ディスプレイ)である。
液晶パネル20は、液晶セル21と、液晶セル21の前面(上面)および背面(下面)にそれぞれ配置された2つの偏光板22とを有している、透過型の画像表示部を構成している。ここで、液晶セル21は、例えば、一対の透明電極と、これら透明電極間に封入された、液晶化合物を含む封入体とを有する構成をなし、さらに、前面側の透明電極に対応して配置されたカラーフィルターを有することで、カラー画像を表示可能となっている。
面発光光源30(発光基板)は、平板状をなす基材(ベース基板)と、この基材の縁部から立設する壁部とを有することで、前面側(上面側)に開口する開口部が形成されたランプボックス31(筐体)、および、前記基材の前面(上面)側に格子状に配列されることでランプボックス31内に配置された複数の点光源としての発光素子32を備えている。
この面発光光源30において、発光素子32は、前方に対して集中的に発光光を発する指向性が、白色電球や蛍光灯と比較して、極めて高い発光ダイオード(LED)で構成されている。
また、異方性拡散板10は、前記開口部を塞ぐようにランプボックス31に固定されている。これにより、異方性拡散板10は、ランプボックス31と液晶パネル20との間に配置される。すなわち、異方性拡散板10は、下面側においてランプボックス31と対向配置され、上面側において液晶パネル20と対向配置される。そのため、発光素子により発光された光(入射光)が、異方性拡散板10を通過(透過)して、拡散された出射光として出射される際に、左右方向の光拡散能と前後方向の光拡散能とが異なる異方性をもって拡散される。そして、異方性をもって拡散された光(出射光)が液晶パネル20に対して照射される。
なお、面発光光源30と異方性拡散板10との間には、発光素子32により発光された光を等方的に拡散させる等方性拡散板が少なくとも1つ配置されていてもよいし、さらに、異方性拡散板10と液晶パネル20との間には、異方性拡散板10からの拡散光を液晶パネル20に向けて分散・屈折させるプリズムシートが少なくとも1つ配置されていてもよい。
また、このような液晶表示装置100において、異方性拡散板10と面発光光源30とによりバックライトユニット(本発明のバックライトユニット)が構成される。
以上のような構成の液晶表示装置100においては、異方性拡散板10が本発明の異方性拡散板で構成されている。したがって、異方性拡散板10は、面発光光源30側の入射面40から入射された入射光を、液晶パネル20側の出射面50から拡散された出射光として出射させる際に、左右方向の光拡散能と前後方向の光拡散能とが異なる異方性をもって拡散させる。この際、平面視における縦1cm×横1cmの任意の領域において、下記要件Aを満足する領域を有している。
要件A:前記入射面に対して垂直に前記入射光を入射させたとき、入射角=0の関係を満足する領域が1%以下、入射角>臨界角の関係を満足する領域が18%以下であり、かつ、前記入射光の前後方向の入射角分布と、前記入射光の左右方向の入射角分布とが異なっていること。
このように、異方性拡散板10は、前記要件Aを満足する領域を有しているため、優れた異方性をもった光拡散性および優れた光透過性の両立が図られたものであると言うことができる。
そのため、液晶表示装置100において、発光素子32としてLEDを用い、さらに、ランプボックス31が備える基材(ベース基板)と異方性拡散板10との間の離間距離を、例えば、0.5mm以上10.0mm以下のように、液晶表示装置100の小型化(薄型化)のために、近く設定したとしても、異方性拡散板10を介して発光素子32(LED)が透けて見えてしまう点在性を的確に抑制または防止することができる。よって、液晶表示装置100を、画像を優れた表示特性で表示し得るものとすることができる。
さらに、液晶パネル20の表示領域における左右方向での長さをAとし、前後方向での長さをBとしたときのアスペクト比A/Bを、1.2以上3.0以下、好ましくは1.3以上2.7以下のように、液晶パネル20の表示領域を、長方形状をなすものとしても、液晶パネル20の短手方向である前後方向において、拡散させた光(出射光)が液晶パネル20の表示領域よりも外側に拡散されるのを的確に抑制または防止することができる。すなわち、拡散させた光(出射光)に無駄が生じるのを的確に抑制または防止することができる。その結果、液晶表示装置100で消費される電力の低減が図られる。
このような異方性拡散板10は、本実施形態では、液晶パネル20および面発光光源30と同様に、平面視において長方形状の平板をなし、面発光光源30側の入射面40および液晶パネル20側の出射面50が、それぞれ、平坦面および凸面で構成されており、透明樹脂を主材料として含有するものである。
かかる形状をなす異方性拡散板10において、前記要件Aを満足するものとし得るのは、液晶パネル20側の出射面50が凸面で構成されることによるが、出射面50の凸形状に関する詳細な説明は後に行うこととし、まず、異方性拡散板10を構成する透明樹脂等の構成材料について説明する。
透明樹脂(ベース樹脂)は、異方性拡散板10に、その主材料として含まれ、異方性拡散板10を、平板状(基板状)に成型するためのものである。
この透明樹脂としては、透明性を有するものであれば、特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアセタール系樹脂等の透明性を備えるものが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にポリカーボネート系樹脂であるのが好ましい。ポリカーボネート系樹脂は、透明性(透光性)や剛性等の機械的強度に富み、さらに耐熱性も高いため、透明樹脂にポリカーボネート系樹脂を用いることで、異方性拡散板10における透明性や異方性拡散板10の耐衝撃性、耐熱性を向上させることができる。また、ポリカーボネート系樹脂は、その比重が1.2程度であり、樹脂材料のなかでも軽いものに分類されることから、透明樹脂としてポリカーボネート系樹脂を用いることで、異方性拡散板10の軽量化を図ることができる。
このポリカーボネート系樹脂としては、各種のものを用いることができるが、中でも、芳香族系ポリカーボネート系樹脂であることが好ましい。芳香族系ポリカーボネート系樹脂は、その主鎖に芳香族環を備えており、これにより、異方性拡散板10の強度をより優れたものとすることができる。
この芳香族系ポリカーボネート系樹脂は、例えば、ビスフェノールとホスゲンとの界面重縮合反応、ビスフェノールとジフェニルカーボネートとのエステル交換反応等により合成される。
ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールAや、下記式(1)に示すポリカーボネートの繰り返し単位の起源となるビスフェノール(変性ビスフェノール)等が挙げられる。
Figure 2020021038
(式(1)中、Xは、炭素数1〜18のアルキル基、芳香族基または環状脂肪族基であり、RaおよびRbは、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基であり、mおよびnは、それぞれ0〜4の整数であり、pは、繰り返し単位の数である。)
なお、前記式(1)に示すポリカーボネートの繰り返し単位の起源となるビスフェノールとしては、具体的には、例えば4,4’−(ペンタン−2,2−ジイル)ジフェノール、4,4’−(ペンタン−3,3−ジイル)ジフェノール、4,4’−(ブタン−2,2−ジイル)ジフェノール、1,1’−(シクロヘキサンジイル)ジフェノール、2−シクロヘキシル−1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、2,3−ビスシクロヘキシル−1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
特に、ポリカーボネート系樹脂としては、ビスフェノールに由来する骨格を有するビスフェノール型ポリカーボネート系樹脂を主成分とするのが好ましい。かかるビスフェノール型ポリカーボネート系樹脂を用いることにより、異方性拡散板10は、さらに優れた強度を発揮するものとなる。
また、異方性拡散板10には、さらに、蛍光増白剤が含まれていてもよい。異方性拡散板10を蛍光増白剤が含まれる構成とすることで、異方性拡散板10により、面発光光源30からの入射光を液晶パネル20側に出射光として出射させる際に、白色系の光(出射光)をより確実に出射させることができる。
具体的には、異方性拡散板10に蛍光増白剤が含まれることで、異方性拡散板10が設けられた面発光光源は、そのxy色度図において、0.28≦x≦0.40、かつ、0.28≦y≦0.40の関係を満足する光を出射するものであることが好ましく、0.30≦x≦0.36、かつ、0.30≦y≦0.36の関係を満足する光を出射するものであることがより好ましい。これにより、異方性拡散板10を、面発光光源30からの光を液晶パネル20側に、白色系の光を出射するものであると言うことができる。
この蛍光増白剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾフェノン型、ベンゾトリアゾール型、ヒドロキシフェニルトリアジン型およびベンゾオキザゾリルチオフェン型のものが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、中でも、ベンゾオキザゾリルチオフェン型であることが好ましい。これにより、xy色度図において、xおよびyを、比較的容易に前記関係を満足するものとすることができる。
また、異方性拡散板10における蛍光増白剤の含有量は、好ましくは0.001wt%以上0.07wt%以下、より好ましくは0.003wt%以上0.01wt%以下に設定される。これにより、xy色度図において、xおよびyを、容易に前記関係を満足するものとすることができる。
異方性拡散板10は、必要に応じて、上述した、透明樹脂および蛍光増白剤の他に、さらに、酸化防止剤、フィラー、可塑剤、光安定剤、紫外線吸収剤、熱線吸収剤、難燃剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
さて、前述の通り、異方性拡散板10は、本実施形態では、面発光光源30側の入射面40および液晶パネル20側の出射面50が、それぞれ、平坦面および凸面で構成される。このような異方性拡散板10において、平面視における縦1cm×横1cmの任意の領域において、下記要件Aを満足する領域を有しているのは、面発光光源30側の入射面40および液晶パネル20側の出射面50のうち、液晶パネル20側の出射面50を凸面で構成することによるが、以下、この凸面で構成される出射面50について説明する。
要件A:前記入射面に対して垂直に前記入射光を入射させたとき、入射角=0の関係を満足する領域が1%以下、入射角>臨界角の関係を満足する領域が18%以下であり、かつ、前記入射光の前後方向の入射角分布と、前記入射光の左右方向の入射角分布とが異なっていること。
出射面50は、本実施形態では、その平面視において、図2(b)に示すような、平面55上において、最密充填配置された紡錘形状をなす複数の紡錘体56を、隣接するもの同士間で互いの縁部を重ね合わせるようにすることで形成された、凸形状をなす複数の凸部51が配列される(図2(a)参照)ことにより凸面を構成している。
このような出射面50において、凸部51(凸状体)は、異方的に光(出射光)を拡散させる光拡散手段として機能する。この凸部51は、前述の通り、紡錘形をその中心軸を通る面で縦割(半割)した形状(縦割紡錘形状)をなす紡錘体56に由来する(図2(b)参照)。すなわち、凸部51は、最密充填配置された紡錘体56が、隣接するもの同士間で互いの縁部を重ね合わせることで形成されたものであり、隣接するもの同士が接触する縁部は、平面視において、直線成分で構成されている。
かかる構成の凸部51は、その長軸(中心軸)がY方向(前後方向)と平行となり、短軸がX方向(左右方向)と平行となるように配置されている。そのため、この凸部51は、そのY方向の断面形状が半楕円状をなし、そのX方向の断面形状が前記半楕円より曲率が大きい半楕円状をなしている。凸部51をこのような配置とすることで、異方性拡散板10は、X方向とY方向との双方に光拡散能を有し、かつ、X方向(左右方向)の光拡散能がY方向(前後方向)の光拡散能よりも大きい異方性をもった拡散能を発揮する。
また、凸部51が上述した構成をなすことにより、平面55において複数の紡錘体56同士間に形成される平坦部57が、出射面50において形成されるのを的確に抑制または防止することができる。そのため、出射面50の凸部51が形成されている位置において、平面視で縦1cm×横1cmの領域を選択して、入射面40に対して垂直に、面発光光源30から入射光を入射させたとき、入射角=0の関係を満足する領域、すなわち、平坦部が形成されている領域が1%以下、好ましくは0.5%以下に設定される。これにより、平坦部を入射光が異方性をもって拡散されることなく透過するのを的確に抑制または防止することができる。そのため、異方性拡散板10による異方性をもった光拡散効率の向上を図ることができる。
さらに、凸部51が上述した構成をなすことにより、凸部51において、入射光が全反射してしまう全反射光域52の占有域を減少させることができる。そのため、出射面50の凸部51が形成されている位置において、平面視で縦1cm×横1cmの領域を選択して、入射面40に対して垂直に、面発光光源30から入射光を入射させたとき、入射角>臨界角の関係を満足する領域、すなわち、入射光が全反射してしまう全反射光域52が18%以下、好ましくは0.3%以上15%以下に設定される。これにより、凸部51に入射した入射光が、出射面50側から出射されることなく全反射されるのを的確に抑制することができる。そのため、異方性拡散板10の全光線透過率の向上を図ること、すなわち、異方性拡散板10を優れた光透過性を備えるものとすることができる。
ここで、凸部51において、前述の通り、入射角>臨界角の関係を満足する領域が、入射光が全反射してしまう全反射光域52を構成する。そして、入射角≦臨界角の関係を満足する領域が、入射光を出射面50側に出射光として出射する透過光域53を構成する。このような凸部51の透過光域53(任意の位置)では、異方性拡散板10が屈折率nの透明樹脂で構成されているとしたとき、入射面40に対して垂直に、面発光光源30から入射光を入射させたとすると、透過光域53(任意の位置)の法線と前記入射光とがなす角度θが、0≦θ<Sin−1(1/n)なる関係を満足する。そのため、屈折率nの透明樹脂で構成される異方性拡散板10では、凸部51の透過光域53において、入射光を全反射させることなく、出射面50側に出射光としてより確実に出射させることができる。そして、出射面50の凸部51が形成されている位置において、平面視で縦1cm×横1cmの領域を選択して、入射面40に対して垂直に、面発光光源30から入射光を入射させたとき、前述の通り、凸部51のY方向(前後方向)の断面形状が半楕円状をなし、凸部51のX方向(左右方向)の断面形状が前記半楕円より曲率が大きい半楕円状をなしていることから、凸部51の透過光域53では、前記入射光のY方向の入射角分布と、前記入射光のX方向の入射角分布とが異なることとなるため、異方性拡散板10は、異方性をもった拡散能を発揮する。
前記入射光のY方向の入射角分布と、前記入射光のX方向の入射角分布との違いは、具体的には、入射面40に対して垂直に前記入射光を入射させたとき、Y方向の入射角θが0°<θ≦20°の領域において80%以上、X方向の入射角θが20°<θ≦40°の領域において30%以上50%以下となることが好ましく、Y方向の入射角θが0°<θ≦10°の領域において60%以上、X方向の入射角θが20°<θ≦30°の領域において20%以上30%以下となることがより好ましい。かかる関係を満足することで、前記入射光のY方向の入射角分布と、前記入射光のX方向の入射角分布とが異なっており、異方性拡散板10は、異方性をもった拡散能を発揮するものであると言える。
また、平面視において、凸部51のY方向(前後方向)における長さLは、好ましくは50μm以上200μm以下、より好ましくは70μm以上150μm以下に設定され、凸部51のX方向(左右方向)における長さLは、好ましくは25μm以上80μm以下、より好ましくは40μm以上70μm以下に設定される。さらに、長さLと長さLとのアスペクト比L/Lは、1.5以上5.0以下、好ましくは1.8以上2.2以下に設定される。これにより、凸部51の透過光域53において、前記入射光のY方向の入射角分布と、前記入射光のX方向の入射角分布とがより顕著な差異を有するものとなるため、異方性拡散板10を、より優れた異方性をもった拡散能を発揮するものとし得る。
さらに、出射面50は、その表面に凸部51が形成されることで、凸面を構成するが、その表面粗さRaは、0.1μm以下であることが好ましく、0.005μm以上0.08μm以下であることがより好ましい。このような微細な表面粗さRaとなっている凸部51を出射面50に形成することで、凸部51が形成されている領域において、より均一な異方性をもってX方向およびY方向に出射光を分散させることができる。
以上の通り、異方性拡散板10を、前記凸部51を出射面50に備える構成とすることで、前記要件Aを満足するものとすることができる。
また、異方性拡散板10は、出射面50を前述したような構成をなす凸部51を備える凸面として、前記要件Aを満足することで、優れた異方性をもった光拡散性および優れた光透過性の両立が図られたものとなる。異方性拡散板10の異方性は、出射光の前後方向の光度分布における半値角と、出射光の左右方向の光度分布における半値角との半値角差で表すことができ、異方性拡散板10の透過性は、入射光に対する出射光の全光線透過率で表すことができる。
そこで、凸部51が形成されている領域において、入射面40に対して垂直に3mmΦの大きさの入射光を光源から入射させたとき、出射光のY方向(前後方向)の光度分布における半値角と、出射光のX方向(左右方向)の光度分布における半値角との半値角差は、3°以上15°未満の異方性を示すことが好ましく、4.5°以上13°以下の異方性を示すことがより好ましい。これにより、異方性拡散板10を、優れた異方性をもった拡散能を発揮するものであると言うことができる。そのため、液晶表示装置100において、異方性拡散板10を介して発光素子32(LED)が透けて見えてしまう点在性を的確に抑制または防止することができる。
また、本実施形態では、凸部51は、その中心軸がY方向(前後方向)と平行となるように配置されているため、X方向(左右方向)の光拡散能がY方向(前後方向)の光拡散能よりも大きい異方性をもった拡散能を発揮することから、出射光のX方向の光度分布における半値角がY方向の光度分布における半値角よりも大きくなっている。そして、前記半値角差が前記範囲内となっているとき、出射光のX方向の光度分布における半値角は、5°以上30°以下であることが好ましく、8°以上20°以下であることがより好ましく、10°以上15°以下であることがさらに好ましい。前記半値角差を前記範囲内とし、かつ、出射光のX方向の光度分布における半値角を前記範囲内とすることで、表示領域におけるアスペクト比A/Bが前述した範囲内となっている液晶パネル20に対して、拡散させた光(出射光)を照射させる際に、拡散させた光が液晶パネル20の表示領域よりも外側に拡散されるのをより的確に抑制または防止することができる。さらに、面発光光源30が備える発光素子32がランプボックス31において、X方向とY方向との双方に等間隔となるように格子状に配置されていたとしても、前記半値角差を前記範囲内とし、かつ、出射光のX方向の光度分布における半値角を前記範囲内とすることで、液晶パネル20が備える、アスペクト比A/Bが前述した範囲内となっている表示領域に対して、分散された出射光をより均一に照射することができる。
なお、「半値角差」とは、出射面50から出射された出射光の光拡散能を示すパラメーター(特性値)である。具体的には、異方性拡散板10の入射面40側から垂直に入射光を入射させると、出射面50側における、出射光の光度分布は、出射面50の法線方向が大きく、出射面50の接線方向に近いほど小さくなる。かかる出射光の光度分布を、横軸(X軸)を法線方向からの角度θ、縦軸(Y軸)を光度Iとしてプロットすると、山形をなす光度分布曲線が得られ、この光度分布曲線において、光度の最大値I0の2分の1(I0/2;半分)に対応する光度分布曲線の角度幅θHを半値角と言う。そして、本実施形態では、出射光のX方向の光度分布における半値角は、Y方向の光度分布における半値角よりも大きくなっている。そのため、出射光のX方向の光度分布における半値角と出射光のY方向の光度分布における半値角との差を求めることで、「半値角差」がえられる。また、この「半値角差」が大きいほど、異方性拡散板10は、異方性が大きい光拡散能を有しているものであることを示す。
凸部51が形成されている領域において、入射面40に対して垂直に3mmΦの大きさの入射光を光源から入射させたとき、この入射光が出射光として出射される光の全光線透過率は、70%以上99%以下であることが好ましく、80%以上99%以下であることがより好ましい。これにより、異方性拡散板10を、優れた光透過性を発揮するものであると言うことができる。そのため、液晶表示装置100において、面発光光源30からの光量を十分に得ることができ、液晶表示装置100を、消費電力の低減が図られつつ、優れた画像の表示特性を備えるものとすることができる。
さらに、異方性拡散板10は、その平均厚さが好ましくは0.1mm以上2.0mm以下程度、好ましくは0.5mm以上1.0mm以下程度に設定される。異方性拡散板10の平均厚さがかかる範囲内に設定されることで、異方性拡散板10の薄型化を図りつつ、異方性拡散板10に撓みが生じるのを的確に抑制または防止することができる。そのため、異方性拡散板10は、その全体に亘って、より均一な異方性をもった光拡散性および光透過性を発揮し得るものとなる。
また、異方性拡散板10は、その光学的位相差が200nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましい。ここで、異方性拡散板10は、例えば、凸部51の形状に対応した凹部を備える上型と、平坦面を備える下型とを有する金型を用いた熱プレスにより製造することができる。この際、異方性拡散板10の構成材料を含む平板を用意し、溶融または軟化状態とされた平板を、前記上型と前記下型との間に挾持し、この状態で平板を固化させることで異方性拡散板10が製造される。このような金型を用いた異方性拡散板10の成形時に、前記光学的位相差が前記上限値以下であることで、異方性拡散板10の金型の形状に対する賦形性が良好となるため、前記光学的位相差を前記上限値以下とする光学設計を高精度で再現することができる。特に、異方性拡散板10の位相差が150nm以下であると、出射配向角の配向分布の設計からの変動を抑制できると言う利点が得られる。
さらに、異方性拡散板10は、入射面40に形成された低屈折率層を備えるものであってもよい。この低屈折率層は、異方性拡散板10の屈折率よりも低い屈折率を有するものであり、異方性拡散板10をかかる構成をなすものとすることで、面発光光源30からの入射光が、面発光光源30側に反射される反射率を低減させることができる。そのため、出射面50から出射光として出射される光量の増大が図られる。
低屈折率層は、無機系、有機系または有機系と無機系の複合体のいずれのものであってもよい。
無機系の低屈折率層としては、金属フッ化物微粒子等が挙げられる。金属フッ化物微粒子としては、フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、金属フッ化物微粒子の密着性を付与するために、入射面40に紫外線または電子線硬化樹脂等による樹脂下地層を形成しても良い。
有機系の低屈折率層としては、樹脂中にフッ素原子を多く含有していることで低屈折率となっている含フッ素樹脂が挙げられる。含フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンが好ましく、例えば、入射面40に接着剤を介して含フッ素樹脂からなるシートを積層することで形成し得る。
また、有機系と無機系の複合体による低屈折率層としては、例えば、紫外線または電子線硬化樹脂と空隙を有する無機微粒子、金属フッ化物微粒子等とを含有するものが挙げられる。空隙を有する無機微粒子としては、無機微粒子の内部に気体が充填されたもの、気体を内部に含む多孔質構造のもの等が挙げられる。具体的には、中空シリカ微粒子、ナノポーラス構造を有するシリカ微粒子等が挙げられる。また、金属フッ化物微粒子としては、フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム等が挙げられる。無機微粒子、金属フッ化物微粒子の平均粒径は、5〜100nmが好ましく、20〜80nmがより好ましく、40〜70nmがさらに好ましい。微粒子の平均粒子径がこの範囲にあることにより、低屈折率層に優れた透明性を付与することができる。
また、異方性拡散板10は、入射面40に形成された誘電体多層膜を備えるものであってもよい。この誘電体多層膜により、面発光光源30からの入射光が、面発光光源30側に反射される反射率を低減させることができる。そのため、出射面50から出射光として出射される光量の増大が図られる。
この誘電体多層膜は、高屈折率誘電体材料を含む高屈折率層と低屈折率誘電体材料を含む低屈折率層との繰り返しにより構成されるが、これら高屈折率誘電体材料および低屈折率誘電体材料としては、例えば、セラミックス材料、ガラス材料および樹脂材料等が挙げられ、これらのもののうち、高屈折率層が低屈折率層よりも屈折率が高くなるように、1種または2種以上を組み合わせて用いられる。
セラミックス材料としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、シリカ、酸化チタン、五酸化ニオブ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、チタン酸バリウム、ペロブスカイト型チタン酸ジルコン酸バリウムカルシウム結晶粒子(BCTZ型結晶粒子)、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム等が挙げられる。また、ガラス材料としては、例えば、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス等が挙げられる。さらに、樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、本実施形態では、出射面50は、複数の凸部51を備える凸面で構成される場合について説明したが、この場合に限定されず、凸部51の形状に対して、対称な形状を有する凹形状をなす凹部を複数備える凹面で構成されるものであってもよい。
さらに、本実施形態では、凸部51を、その中心軸がY方向(前後方向)と平行となるように配置することとしたが、これに限らず、例えば、液晶パネル20がY方向に長い長方形状をなす場合には、凸部51の中心軸がX方向(左右方向)と平行となるように凸部51を配置することもできる。
<電子機器>
次に、上述した液晶表示装置100を備える電子機器(本発明の電子機器)として、自動車の表示パネルに適用した場合を一例に説明する。
図4は、本発明の液晶表示装置を、表示部として有する、自動車の表示パネルの実施形態を示す側面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図4に示すように、センターインフォメーションディスプレイ、スピードメーター、タコメーター、水温計、燃料計等を表示する表示部を備える表示パネル150(本発明の電子機器)は、表示部が液晶表示装置100で構成され、自動車200に搭載して用いられる。この表示パネル150は、自動車200が有するダッシュボード201の上部に内蔵されており、これにより、液晶表示装置100により表示された自動車の速度、エンジンの回転数等の情報を画像として、運転手Hに認識される。
なお、本発明の電子機器は、図4の自動車の表示パネルの他にも、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、テレビ、ビデオカメラ、電子手帳、医療機器(例えば血圧計、血糖計、内視鏡用液晶表示装置)、タッチパネルを備えた機器(例えば自動券売機)のような表示部を備える電子機器に適用することができる。
以上、本発明の異方性拡散板、バックライトユニット、液晶表示装置および電子機器について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、前記実施形態では、本発明の異方性拡散板を備える液晶表示装置を、直下型液晶表示装置に適用する場合について説明したが、これに限定されず、例えば、エッジライト型液晶表示装置にも適用することができる。
また、前記実施形態では、本発明の異方性拡散板を、液晶表示装置が備える液晶ディスプレイ用拡散板に適用する場合について説明したが、本発明の異方性拡散板は、照明用のカバー、窓ガラス、採光用の屋根部材等にも適用し得る。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
1.異方性拡散板の製造
(実施例1)
[1]まず、厚さ0.5mmの平板状をなすポリカーボネート基板(住友ベークライト社製、「EC105」)を用意し、さらに、形成すべき凸部51(L=70μm、L=40μm、高さ=15μm)の形状に対応した凹部を備える上型と、平坦面を備える下型とを有する金型を用意した。
[2]次いで、ポリカーボネート基板を上型と下型との間に挾持した状態で、加熱する熱プレスにより、実施例1の異方性拡散板10を得た。
(実施例2〜実施例7、比較例1〜比較例3)
表1に示す大きさの凸部51に対応する凹部を備える上型を備える金型を用意したこと以外は前記実施例1と同様にして、実施例2〜実施例7、比較例1〜比較例3の異方性拡散板10を得た。
2.評価
各実施例および各比較例の異方性拡散板10を、以下の方法で評価した。
1)半値角、半値角差
各実施例および各比較例の異方性拡散板10について、それぞれ、出射面50の凸部51が形成されている領域に対応する、入射面40に対して垂直に3mmΦの大きさの入射光を光源から入射させた。そして、このときに出射面50から出射される、出射光のY方向(前後方向)の光度分布と、出射光のX方向(左右方向)の光度分布とをゴニオフォトメータ(村上色彩技術研究所社製、「GP−200」)を用いて測定した。
その後、得られた光度分布に基づいて、出射光のX方向(左右方向)の光度分布における半値角と、出射光のY方向(前後方向)の光度分布における半値角とを求め、さらに、これら半値角から半値角差を求めた。
2)入射光の前後方向の入射角分布と、左右方向の入射角分布との測定
各実施例および各比較例の異方性拡散板10について、それぞれ、出射面50の凸部51が形成されている、平面視で縦1cm×横1cmの領域における、入射光の前後方向の入射角分布と、入射光の左右方向の入射角分布とを、レーザー顕微鏡(KEYENCE社製、「VK−9700」)を用いて測定した。
なお、各実施例および各比較例の異方性拡散板10の臨界角は、約40°であった。そこで、本明細書中では、出射光のX方向と、Y方向とのうちの少なくとも一方で、臨界角が40°超となっている領域を、全反射光域52であると判断することとした。
3)全光線透過率
各実施例および各比較例の異方性拡散板10について、それぞれ、ヘーズメーター(村上色彩技術研究所製、「HR−100」)を使用して、その厚み方向の全光線透過率をASTM D1003に従い測定した。
4)バックライトユニットの正面輝度
まず、各実施例および各比較例の異方性拡散板10について、それぞれ、面発光光源30が備えるランプボックス31に、その開口部を塞ぐようにして、固定することでバックライトユニットを作製した。
次いで、ランプボックス31が備える発光素子32を点灯し、バックライトユニットにおける正面輝度を、輝度計測装置(HI-LAND社製、「RISA-COLOR/ONE」)を用いて測定し、次のように評価した。
◎:2200cd/m以上 2500cd/m以下である。
○:2000cd/m以上 2200cd/m未満である。
×:1800cd/m以上 2000cd/m未満である。
5)バックライトユニットの輝度ムラ
まず、各実施例および各比較例の異方性拡散板10について、それぞれ、面発光光源30が備えるランプボックス31に、その開口部を塞ぐようにして、固定することでバックライトユニットを作製した。
次いで、ランプボックス31が備える発光素子32を点灯し、バックライトユニットにおける輝度ムラを、次のように評価した。
◎:異方性拡散板10において、LEDの点在性が生じることなく、
出射光が均一に出射している。
○:異方性拡散板10において、LEDの点在性が若干生じているが、
出射光がほぼ均一に出射していると言える。
×:異方性拡散板10において、LEDの点在性が明らかに生じ、
出射光が均一に出射しているとは言えない。
以上のようにして得られた各実施例および各比較例の異方性拡散板10における評価結果を、それぞれ、下記の表1に示す。
Figure 2020021038
表1に示したように、各実施例における異方性拡散板10では、前記要件Aを満足して優れた光拡散性および光透過性の両立が図れることで、正面輝度が高く、輝度ムラが生じていないことから、LEDが透けて見えてしまう点在性を抑制または防止しつつ、拡散させた光が無駄となるのを抑制または防止し得ることが判った。
これに対して、各比較例における異方性拡散板10では、前記要件Aを満足しておらず、優れた光拡散性および光透過性の両立が図れないことから、正面輝度向上と輝度ムラ抑制を両立できない結果、すなわち、LEDが透けて見えてしまう点在性の抑制と、拡散させた光が無駄になることの抑制との双方が図られない結果を示した。
10 異方性拡散板
20 液晶パネル
21 液晶セル
22 偏光板
30 面発光光源
31 ランプボックス
32 発光素子
40 入射面
50 出射面
51 凸部
52 全反射光域
53 透過光域
55 平面
56 紡錘体
57 平坦部
100 液晶表示装置
150 表示パネル
200 自動車
201 ダッシュボード
H 運転手

Claims (11)

  1. 入射面から入射された入射光を出射面から拡散された出射光として出射させる際に、左右方向の光拡散能と前後方向の光拡散能とが異なる異方性拡散板であって、
    平面視における縦1cm×横1cmの任意の領域において、下記要件Aを満足する領域を有していることを特徴とする異方性拡散板。
    要件A:前記入射面に対して垂直に前記入射光を入射させたとき、入射角=0の関係を満足する領域が1%以下、入射角>臨界角の関係を満足する領域が18%以下であり、かつ、前記入射光の前後方向の入射角分布と、前記入射光の左右方向の入射角分布とが異なっていること。
  2. 前記出射面は、その平面視において、紡錘形状をなす複数の最密充填配置された紡錘体が、隣接するもの同士間で互いの縁部を重ね合わせることで形成された凸形状または凹形状をなしている請求項1に記載の異方性拡散板。
  3. 当該異方性拡散板は、屈折率nの透明樹脂で構成され、
    前記入射面に対して垂直に前記入射光を入射させたとき、前記紡錘体の任意の位置において、該任意の位置の法線と前記入射光とがなす角度θが、0≦θ<Sin−1(1/n)なる関係を満足する請求項2に記載の異方性拡散板。
  4. 前記透明樹脂は、ポリカーボネート系樹脂を主材料として構成される請求項3に記載の異方性拡散板。
  5. 前記出射面は、その表面粗さRaが0.1μm以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の異方性拡散板。
  6. 前記入射面に、当該異方性拡散板の屈折率より低い低屈折率層が形成されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の異方性拡散板。
  7. 前記入射面に、誘電体多層膜が形成されている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の異方性拡散板。
  8. 当該異方性拡散板は、その光学的位相差が200nm以下である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の異方性拡散板。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の異方性拡散板と、該異方性拡散板に対向配置された発光基板とを備え、
    前記発光基板は、ベース基板と、該ベース基板の前記異方性拡散板に対向する側の面に格子状に配列された複数の発光ダイオードとを有することを特徴とするバックライトユニット。
  10. 請求項9に記載のバックライトユニットと、該バックライトユニットの前記異方性拡散板側に対向配置された液晶パネルとを備えることを特徴とする液晶表示装置。
  11. 請求項10に記載の液晶表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
JP2018147149A 2018-08-03 2018-08-03 異方性拡散板、バックライトユニット、液晶表示装置および電子機器 Pending JP2020021038A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018147149A JP2020021038A (ja) 2018-08-03 2018-08-03 異方性拡散板、バックライトユニット、液晶表示装置および電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018147149A JP2020021038A (ja) 2018-08-03 2018-08-03 異方性拡散板、バックライトユニット、液晶表示装置および電子機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020021038A true JP2020021038A (ja) 2020-02-06

Family

ID=69588498

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018147149A Pending JP2020021038A (ja) 2018-08-03 2018-08-03 異方性拡散板、バックライトユニット、液晶表示装置および電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020021038A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022250489A1 (ko) * 2021-05-27 2022-12-01 삼성전자주식회사 수지막, 수지막의 제작 방법 및 표시 장치
WO2023096338A1 (ko) * 2021-11-25 2023-06-01 삼성전자주식회사 액정 표시 장치 및 표시 장치

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05297366A (ja) * 1992-02-19 1993-11-12 Sharp Corp 液晶表示装置
JPH11223711A (ja) * 1998-02-06 1999-08-17 Teijin Ltd 透過光散乱性制御フィルム及びそれを用いた液晶表示装置
JP2001215312A (ja) * 2000-02-02 2001-08-10 Nitto Denko Corp 光学フィルム
JP2002333509A (ja) * 2001-05-10 2002-11-22 Keiwa Inc 光拡散シート及びこれを用いたバックライトユニット
WO2007015328A1 (ja) * 2005-08-03 2007-02-08 Hitachi Chemical Co., Ltd. 面光源装置及びプリズムシート
JP2007286261A (ja) * 2006-04-14 2007-11-01 Sony Corp 光学シート、バックライト装置および液晶表示装置
WO2008038754A1 (fr) * 2006-09-29 2008-04-03 Toray Industries, Inc. Source lumineuse en surface et dispositif d'affichage à cristaux liquides utilisant celle-ci
JP2010055998A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Toshiba Corp バックライトユニットおよびこれを備えた液晶表示装置
JP2010237338A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Fujifilm Corp 透過性基材及びその製造方法、光学フィルム、偏光板、並びに画像表示装置
WO2016125824A1 (ja) * 2015-02-04 2016-08-11 大日本印刷株式会社 透過型スクリーン及びそれを用いたヘッドアップディスプレイ装置

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05297366A (ja) * 1992-02-19 1993-11-12 Sharp Corp 液晶表示装置
JPH11223711A (ja) * 1998-02-06 1999-08-17 Teijin Ltd 透過光散乱性制御フィルム及びそれを用いた液晶表示装置
JP2001215312A (ja) * 2000-02-02 2001-08-10 Nitto Denko Corp 光学フィルム
JP2002333509A (ja) * 2001-05-10 2002-11-22 Keiwa Inc 光拡散シート及びこれを用いたバックライトユニット
WO2007015328A1 (ja) * 2005-08-03 2007-02-08 Hitachi Chemical Co., Ltd. 面光源装置及びプリズムシート
JP2007286261A (ja) * 2006-04-14 2007-11-01 Sony Corp 光学シート、バックライト装置および液晶表示装置
WO2008038754A1 (fr) * 2006-09-29 2008-04-03 Toray Industries, Inc. Source lumineuse en surface et dispositif d'affichage à cristaux liquides utilisant celle-ci
JP2010055998A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Toshiba Corp バックライトユニットおよびこれを備えた液晶表示装置
JP2010237338A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Fujifilm Corp 透過性基材及びその製造方法、光学フィルム、偏光板、並びに画像表示装置
WO2016125824A1 (ja) * 2015-02-04 2016-08-11 大日本印刷株式会社 透過型スクリーン及びそれを用いたヘッドアップディスプレイ装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022250489A1 (ko) * 2021-05-27 2022-12-01 삼성전자주식회사 수지막, 수지막의 제작 방법 및 표시 장치
WO2023096338A1 (ko) * 2021-11-25 2023-06-01 삼성전자주식회사 액정 표시 장치 및 표시 장치
US12019331B2 (en) 2021-11-25 2024-06-25 Samsung Electronics Co., Ltd. Liquid crystal display device and display apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5089960B2 (ja) 面光源装置とこれを備えたバックライトユニット、及びこのバックライトユニットを備えた液晶表示装置
WO2011030594A1 (ja) 点光源用光拡散板及び直下型点光源バックライト装置
US20090128738A1 (en) Light-Transmitting Resin Board
JP5218931B2 (ja) エッジライト型バックライト用白色反射フィルム及びそれを用いた液晶ディスプレイ用バックライト
JP2007304553A (ja) プリズムシート、それを備えたバックライトユニット及び液晶表示装置
TW201516485A (zh) 稜鏡片、面光源裝置、映像源單元及液晶顯示裝置
JP2009539137A (ja) 多層構造光拡散板及びそれらを含む液晶ディスプレイ装置
JP2011081036A (ja) 光学ユニット及びこれを用いたバックライトユニット
JPWO2007049618A1 (ja) 光拡散板及び直下型バックライト装置
JP2020021038A (ja) 異方性拡散板、バックライトユニット、液晶表示装置および電子機器
JP2010044270A (ja) 光拡散板、光学シート、バックライトユニット及びディスプレイ装置
JP2003315560A (ja) 導光体及びこれを用いた面光源装置と液晶ディスプレイ装置
JP2019194690A (ja) 突起部を有する光学板、光学構造、バックライトモジュール、および表示装置
JP2007178875A (ja) 光拡散シート
JP2007047257A (ja) 光学シートとそれを用いたバックライト・ユニットおよびディスプレイ
US11256125B2 (en) Optical sheet, image source unit and image display device
JP2010044269A (ja) 光拡散板、光学シート、バックライトユニット及びディスプレイ装置
JP2010197919A (ja) 光学シート及びこれを用いたバックライトユニット
JP2020021037A (ja) 異方性拡散板、バックライトユニット、液晶表示装置および電子機器
TW201300854A (zh) 導光板及面狀照明裝置
JP6816845B2 (ja) 異方性拡散板、バックライトユニット、液晶表示装置および電子機器
JP6195882B2 (ja) 突起を有する光透過板
JP2001166114A (ja) 光学シート及びこれを用いたバックライトユニット
JP6042650B2 (ja) 導光板
JPH11160504A (ja) 光制御シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210709

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220329

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20221004