以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。また、説明中、「上」、「下」等の方向を示す語は、図面に示された状態に基づいた便宜的な語である。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る導光板の第1実施形態を適用した透過型画像表示装置の概略構成を示す模式図である。図1では、透過型画像表示装置10の断面構成を分解して示している。透過型画像表示装置10は、携帯電話や各種電子機器の表示装置やテレビ装置として好適に利用することができる。
透過型画像表示装置10は、透過型画像表示部20と、透過型画像表示部20に供給するための面状の光を出力する面光源装置30と、透過型画像表示部20と面光源装置30との間に配置されたプリズム板40とを備える。以下、説明の便宜のため、図1に示すように、面光源装置30に対して、透過型画像表示部20及びプリズム板40が配列されている方向をZ軸方向又は正面方向と称する。また、Z軸方向に直交する2つの方向をX軸方向及びY軸方向と称する。X軸方向及びY軸方向は互いに直交する。
透過型画像表示部20は、面光源装置30から出射される面状の光で照明されることによって画像を表示する。透過型画像表示部20の例は、液晶セル21の両面に偏光板22,23が配置された偏光板貼合体としての液晶表示パネルである。この場合、透過型画像表示装置10は、液晶表示装置(又は液晶テレビ)である。液晶セル21及び偏光板22,23は、従来の液晶表示装置等の透過型画像表示装置で用いられているものを用いることができる。液晶セル21の例は、TFT(Thin Film Transistor)型の液晶セルやSTN(SuperTwisted Nematic)型の液晶セル等である。
面光源装置30は、透過型画像表示部20に光を供給するエッジライト型のバックライトユニットである。面光源装置30は、導光板50と、導光板50において互いに対向する側面(入射面)51c,51dのそれぞれに対向して配置された光源部60,60とを備える。
光源部60,60は、ライン状に配列(図1では、Y軸方向に配列)された複数の点状光源61を有する。点状光源61の例は、発光ダイオードである。光源部60は、導光板50に光を効率的に入射するために、導光板50と反対側に、光を反射させる反射部としてのリフレクターを備えてもよい。ここでは、複数の点状光源61を有する光源部60を例示したが、光源部60は、冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)などの線状光源であってもよい。
プリズム板40は、導光板50から出射された光を正面方向に集光するために用いられる。プリズム板40は、複数のプリズム部41が透過型画像表示部20側とは反対側の面である表面40aに形成された光学シートである。プリズム板40の平面視形状の例は、略長方形及び略正方形を含む。また、プリズム板40は、後段にて詳述する導光板50からの出射角が50°以上など、比較的大きな出射角で出射される光を正面方向に集光させるのに都合がよい。
プリズム板40は、透光性材料(又は透明材料)からなる。透光性材料の屈折率の例は、1.46〜1.62であり、好ましくは、1.49〜1.59である。透光性材料の例は、透光性樹脂材料、透光性ガラス材料である。透光性樹脂材料の例は、ポリカーボネート樹脂(屈折率:1.59)、MS樹脂(メチルメタクリレート・スチレン共重合樹脂)(屈折率:1.56〜1.59)、ポリスチレン樹脂(屈折率:1.59)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂)(屈折率:1.56〜1.59)、アクリル系紫外線硬化樹脂(屈折率:1.46〜1.58)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)(屈折率:1.49)などである。なお、プリズム板40には、本発明の趣旨を逸脱しない程度であれば、拡散剤などが添加されていてもよい。また、プリズム板40の裏面40bは、通常、平滑な面である。裏面40bは、本発明の趣旨を逸脱しない程度の粗さを有する粗面であってもよい。
面光源装置30は、導光板50に対して透過型画像表示部20と反対側に位置する反射板70を備えていてもよい。反射板70は、導光板50から反射板70側に出射した光を導光板50に再度入射させるためのものである。反射板70は、図1に示すようにシート状であってもよい。また、反射板70は、導光板50を収容する面光源装置30の筐体底面であって、鏡面加工が施された底面であってもよい。
導光板50は、光源部60から出射された光を透過型画像表示部20に出射するために用いられる。導光板50の平面視形状の例は略長方形及び略正方形を含む。
導光板50は、透光性材料(又は透明材料)を主成分として構成されている。透光性材料の屈折率の例は、1.515以上1.62以下であり、好ましくは、1.565以上1.60以下である。透光性材料の例は、透光性樹脂材料、透光性ガラス材料である。透光性樹脂材料の例は、ポリカーボネート樹脂(屈折率:1.59、吸水率:0.15)、MS樹脂(メタクリル酸メチル−スチレン共重合樹脂)(屈折率:1.56〜1.59)、ポリスチレン樹脂(屈折率:1.59)などであり、例えば、ポリスチレン樹脂(PS樹脂)(屈折率:1.59、吸水率:0.03〜0.04)とすることができる。
図1に示すように、導光板50は、プリズム板40と互いに対向し、略平坦に形成された出射面51aと、後述する複数の凸条部52が形成された背面(反射面)51bと、出射面51a及び背面51bに交差する4つの側面51c,51d,51e,51fを有する。図1に示すように、側面51c及び側面51dは、X軸方向において互いに対向している。側面51c,51dは、光源部60,60とそれぞれ対向する。この場合、側面51c,51dは、光源部60からの光が入射される入射面である。
導光板50が有する4つの側面51c,51d,51e,51fのうち残りの2つの側面51e,51fはY軸方向において互いに対向している。図1では、側面51c及び側面51dと出射面51a及び背面51bとの配置関係の一例として、側面51c及び側面51dは出射面51a及び背面51bに直交している状態を示している。第1実施形態では、導光板50の他の側面51e,51fも出射面51a及び背面51bと直交しているとする。
このような導光板50において、入射面となる側面51cと直交する方向における反射面51bの長さを板長さLI、当該反射面51bと出射面51aとの距離を板厚さtIとしたとき、板長さLIに対する板厚さtIの比である相対板厚(tI/LI)を定義する。板厚さtIは、2.0mm以下である。導光板50の相対板厚(tI/LI)は0.0056以下である。導光板50の相対板厚(tI/LI)は、0.004以下とすることが好ましく、0.002とすることが更に好ましい。これらの相対板厚(tI/LI)に基づけば、例えば、板長さLIが930mmの導光板50について板厚さtIを2.0mmとすることができ、この場合の相対板厚(tI/LI)は0.0022となる。
また、上記相対板厚(tI/LI)の上限値に対して下限値は、150インチ用の導光板50における板長さLIが3430mm程度、板厚さtIが2mm程度であることを考慮して、0.0005程度とすることができる。
複数の凸条部52は、図1に示すように、Y軸方向(入射面の長手方向)に沿って延在すると共に、X軸方向において並列配置されている。凸条部52の延在する方向は、入射面である側面51c及び出射面51aの両方の法線に直交する方向でもある。凸条部52の延在方向に直交する断面形状はほぼ均一である。各凸条部52は透明であり、導光板50内を伝搬する光を出射面51a側から出射させるためのものである。各凸条部52の外形形状は、レンチキュラーレンズの形状となっている。
複数の凸条部52は、光源部60から離れるにしたがって隣接する凸条部52同士の距離が密に配置されている。第1実施形態の導光板50においては、図1に示すようにX軸方向に沿って配置密度が異なっており、X軸方向中心ほど密に配置されている。言い換えれば、互いに隣接する凸条部52の底部52b(図3参照)同士の距離SIが、図1に示すようにX軸方向中心部に近いほど短くなっている。すなわち、導光板50から出射される光が均一となるように最適に凸条部52が配置されている。
各凸条部52の外形形状について説明する。凸条部52は、凸条部52によって反射された光が出射面51aから出射される場合、出射位置である点P50(図2(a)参照)から出射される光のピーク角度θP50が50°以上、好ましくは60°以上となるような外形形状を有する。点P50は、例えば、出射面51aの中央部の点(一点)、すなわち、出射面51aの中心とすることができる。ピーク角度θP50とは、入射面である側面51cから入射され出射面51aから出射される光の出射強度が最も強くなる方向を示し、出射面51aの法線からの傾きθをいう。
図2を参照してより具体的に説明する。図2(a)は、出射面51a上での局所的な座標系の設定状態を示す図面である。図2(b)は、図2(a)に示した座標系におけるz軸及びx軸からの角度の規定方法を説明するための図面である。
xyz座標系においてz軸は出射面51aに直交している。すなわち、z軸は出射面51aの法線に対応する。x軸は、X軸方向に略平行である。すなわち、x軸は、入射面である側面51c,51dに略直交する方向である。この場合、y軸はY軸方向に略一致する。x軸、y軸及びz軸が、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に対応していることは、図2(b)においても同様である。図2(b)に示すように、点P50からの出射光の方向とz軸との間のなす角度(偏角)をθとし、出射光の方向とx軸とのなす角度(偏角)をφとする。この設定において、ピーク角度θP50とは、凸条部52の延在する方向に直交する平面であるxz平面内におけるz軸からの角度θである。換言すれば、ピーク角度θP50は、θ=θP50、且つφ=0°で規定される方向である。
図3は、凸条部52の外形形状の例を説明するための図面であり、凸条部52を含む導光板50の断面構成の模式図である。
凸条部52における頂部を凸条部52の先端部52aと称し、凸条部52における裾部を凸条部52の底部52bと称する。第1実施形態では、凸条部52の外形形状は、延在方向に直交する断面形状が図3に示すように、中心線Cに対して略対称となる外形形状を有している。また、凸条部52は、凸条部52に接する接平面PLIと背面51bとのなす角度が、凸条部52の底部52b側から先端部52a側にかけて単調に減少するような外形形状を有している。すなわち、凸条部52の表面は、滑らかであり得る。
図3を参照して、凸条部52の外形形状の例について説明する。ここでは、説明の便宜のために、基準面51gを定義する。すなわち、基準面51gを、図3に示すように凸条部52の断面において、底部52b同士を結ぶ線と平行な面(図3において二点鎖線で示す)、言い換えれば、凸条部52の底面を形成する平面と定義する。第1実施形態では、導光板50における出射面51a(図1参照)と基準面51gとは互いに平行となっている。なお、第1実施形態における導光板50は、図3において基準面51gより下側の部分である板状の本体部51と、本体部51の背面51b側に設けられる凸条部52とは、同一の透光性樹脂によって一体成形されている。
ピーク角度θP50(°)が50°以上となるような凸条部52の外形形状は、例えば、アスペクト比〔hIa/wIa〕、幅に対する曲率半径〔rI/wIa〕及び底部角度γIなどの要素を単独又は組み合わせて定めることができる。以下、図3を参照して、アスペクト比〔hIa/wIa〕、幅に対する曲率半径〔rI/wIa〕、及び底部角度γIについて説明する。
(I)アスペクト比〔hIa/wIa〕
アスペクト比〔hIa/wIa〕とは、図3において、凸条部52の幅をwIa(μm)、凸条部52の最大高さ(基準面51gと先端部52aとの距離)をhIa(μm)としたとき、幅wIaに対する最大高さhIaの比である。
(II)幅に対する曲率半径〔rI/wIa〕
幅に対する曲率半径〔rI/wIa〕とは、凸条部52の幅をwIa(μm)、凸条部52の先端部52aの曲率半径をrI(μm)としたとき、幅wIaに対する曲率半径rIの比である。先端部52aの曲率半径rIは、凸条部52の頂部としての先端部52aの曲がり具合を表すものである。例えば、先端部52aの曲率半径rIは、図3に示すように、先端部52aに接する円(図3中の破線で示す円)を仮定した場合の円の半径である。
(III)底部角度γI
底部角度γIは、中心線CIをとおる断面での凸条部52の輪郭線と基準面51gとの交点の位置での凸条部52の接平面PLIと基準面51gとの間のなす角度である。また、先端部52aに対して底部は凸条部52の裾部でもある。よって、底部角度γIは裾部角度でもある。
例えば、凸条部52の外形形状について、アスペクト比〔hIa/wIa〕を0.15以下にすることができる。幅wIaの例は、10μm以上2mm以下であり、好ましくは、20μm以上1mm以下である。
上記構成の導光板50は、単独の透光性材料で構成された単層の板状体であってもよいし、互いに異なる上記の透光性材料で構成された層が積層された多層構造の板状体でもよい。
更に、導光板50を構成する透光性材料として透光性樹脂材料を用いる場合、この透光性樹脂材料に紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、加工安定剤、難燃剤、滑剤等の添加剤を添加することもできる。これらの添加剤はそれぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、導光板50に紫外線吸収剤が添加されていれば、光源部60から出力される光に紫外線が多く含まれている場合などにおいて、紫外線による導光板50の劣化を防止できるため好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられ、好ましくはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤である。
透光性樹脂材料は、通常、添加剤として光拡散剤を添加することなく用いられるが、本発明の趣旨を逸脱しない僅かな量であれば、光拡散剤を添加して用いてもよい。
光拡散剤としては、導光板50を主に構成する上述したような透光性材料(又は透明材料)とは屈折率が異なる粉末が用いることができ、これを透光性材料中に分散させて用いられる。このような光拡散剤としては、例えばスチレン樹脂粒子、メタクリル樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子などの有機粒子、炭酸カリウム粒子、シリカ粒子、酸化チタン粒子、炭酸カルシウム粒子などの無機粒子が用いられ、その粒子径は通常0.8μm以上50μm以下である。
また、導光板50を主に構成する上述したような透光性材料(又は透明材料)と屈折率が同じ粉末を用いることも可能である。例えば、導光板50が表層を有する多層構成の場合、導光板50の表層に、当該表層を構成する透光性材料(透明材料)と同じ屈折率の粒子であるマット化剤が添加され得る。表層の表面から突出した状態のマット化剤が存在することにより、表面がマット化(粗面化)され拡散性能が備わる。
例えば、導光板50の表層は、厚みを150μm〜200μmとし、ポリスチレン樹脂により構成することができる。また、例えば、表層には、マット化剤として粒径12μmのスチレン樹脂の粒子を、3〜5重量%濃度添加することができる。かかるマット化剤としては、例えばスチレン樹脂粒子、メタクリル樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子などの有機粒子が構成樹脂に応じて用いられ、その粒子径は通常1μm〜50μmである。
出射面51aは、平坦であることが好ましい。また、モアレ低減のために出射面51aは、僅かに表層拡散を有していてもよい。例えば、上述のマット化剤を添加することにより出射面51aの表面に微細な凹凸が形成され、拡散性能を備えることができる。
上記凸条部52を備えた導光板50は、例えば透光性材料(又は透明材料)からなる板材を削り出す方法により製造することができる。また、透光性材料として透明樹脂材料を用いる場合は、例えば射出成形法、押出成形法、フォトポリマー法、プレス成形法などの通常の方法により製造することができる。また、フォトポリマー法を用いて導光板50を製造する際には、凸条部52の材料として、紫外線硬化樹脂を利用することができ、紫外線硬化樹脂としては、アクリル系紫外線硬化樹脂を用いることができる。
次に、上記導光板50の作用効果について、図1に示すように面光源装置30の一部として透過型画像表示装置10に適用した場合を例にして説明する。
光源部60が有する点状光源61を発光させると、点状光源61からの光は、点状光源61に対向する導光板50の側面51cから導光板50に入射する。導光板50に入射した光は、導光板50内を全反射しながら伝搬する。導光板50内を伝搬する光が、凸条部52に入射すると、凸条部52内では光が全反射条件以外の条件で反射する。そのため、凸条部52で反射した光は出射面51aから出射される。導光板50は、屈折率が1.515以上であり1.59のポリスチレン樹脂によって形成されているので、反りの発生を低減することができる。また、背面51bと出射面51aとの距離である厚さtIが2mm以下であるので、屈折率が1.49のPMMA樹脂で形成された導光板の出射効率を維持することができる。つまり、反りの低減を図ることができるが出射効率を悪くするポリスチレン樹脂で導光板を形成した場合であっても、PMMA樹脂で形成された導光板の出射効率を維持することができる。
本実施形態の導光板50では、上記厚さtIが2mm以下であるので、出射面51aから出射される光のピーク角度θP50が50°以上となるような外形形状の凸条部52を有する場合であっても、適切な出射効率を維持することができる。そして、本実施形態の透過型画像表示装置10では、このような構成の導光板50上に透過型画像表示部20が設けられているので、適切な輝度の光で透過型画像表示部20が照明される。その結果、透過型画像表示部20で表示される画像を適切な輝度とすることができる。
また、上記実施形態の導光板50では、相対板厚に基づいて厚さtIを設定されている。導光板の相対板厚に着目した理由は次のようなものである。すなわち、本願発明者らは、導光方向の長さが長いほど反射部としての凸条部に衝突(入射)する確率が高くなること、また、板厚が小さくなるほど反射部としての凸条部に衝突するまでの距離が短くなることに着目し、光出射効率が高めることができる指標として相対板厚を適切に設定することが有効ではないかと考えた。言い換えれば、導光板の相対板厚が大きいほど反射部に衝突するまでの距離が長くなり、光が導光板から出射されにくくなる。この結果、導光板の光出射効率が低くなる。一方、導光板の相対板厚が小さいほど反射部に衝突するまでの距離が短くなり、光が導光板から出射されやすくなる。この結果、導光板の光出射効率が高くなる。そして、鋭意検討を重ねた結果、導光板に入射した光の出射効率が十分に高くなる相対板厚(0.0056以下)が存在することを見出した。
さらに、本願発明者らは、出射面から出射される光のピーク角度が50°以上と、比較的大きなピーク角度で出射されるような外形形状を有する凸条部(反射部)は、多くの場合で、アスペクト比が小さく、比較的偏平な形状になることを見出した。そして、このような形状の凸条部は、光取り出し効率が悪く、このような凸条部を備えた導光板は一般的に光出射効率が悪くなる。一方、導光板と透過型画像表示部との間に配置される光学部材との関係から、比較的大きなピーク角度で出射するような導光板が求められる場合もある。そこで、出射効率を高める上で不利なポリスチレン樹脂で構成されることに加え、比較的大きなピーク角度で出射させる形状の凸条部が設けられた導光板であっても、上記相対板厚に基づいて厚みtIを設定することにより、適切な光出射効率を維持が図れるようにしたものである。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について、主に図4〜図7を参照して説明する。図4は、本発明に係る導光板の第2実施形態を適用した透過型画像表示装置の概略構成を示す模式図である。図5は、凸部が形成された背面を示す平面図である。第2実施形態の透過型画像表示装置110が、上記第1実施形態の透過型画像表示装置10と異なる点は、導光板150の背面151bとなる面に設けられる凸部(反射部)152が、一方向に延在すると共に延在方向に直交する方向に並列配置されるのではなく、ドット状に複数配置される点である。その他の部分(相対板厚tII/LIIなど)は、上記第1実施形態と同一である。ここでは、主に、凸部152の配置及び形状について詳細に説明する。説明の簡略化のため、複数の凸部152の大きさは同じであるとして説明する。
凸部152は、図4及び図5に示すように、背面151bにドット状に複数形成されている。凸部152は透明であり、導光板150内を伝搬する光を乱反射させて、出射面151a側から出射させるためのものである。凸部152の外形形状は、マイクロレンズの形状となっている。なお、凸部152の外形形状については、後段にて詳述する。
凸部152は、図5に示すように、導光板150の短辺方向(Y軸方向)及び長辺方向(X軸方向)に格子状に配列されている。凸部152は、X軸方向に沿って配置密度が異なっており、X軸方向中心ほど配置密度が高い。言い換えれば、互いに隣接する凸部152の底部152b(図6参照)同士の距離SIIが、図5に示すようにX軸方向中心部に近いほど短くなっている。すなわち、導光板150から出射される光が均一となるように最適に凸部152が配置されている。
次に、凸部152の外形形状について説明する。凸部152は、凸部152によって反射された光が出射面151aから出射される場合、出射位置である点P150(図6(a)参照)から出射される光のピーク角度θP150が50°以上となるような外形形状を有する。点P150は、例えば、出射面51aの中央部の点(一点)、すなわち、出射面151aの中心とすることができる。ピーク角度θP150とは、入射面である側面151cから入射され出射面151aから出射される光の出射強度が最も強くなる方向を示し、出射面151aの法線からの傾きθをいう。
図6を参照してより具体的に説明する。図6(a)は、出射面151a上での局所的な座標系の設定状態を示す図面である。図6(b)は、図6(a)に示した座標系におけるz軸及びx軸からの角度の規定方法を説明するための図面である。
xyz座標系においてz軸は出射面151aに直交している。すなわち、z軸は出射面151aの法線に対応する。x軸は、X軸方向に略平行である。すなわち、x軸は、入射面である側面151c,151dに略直交する方向である。この場合、y軸はY軸方向に略一致する。x軸、y軸及びz軸が、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に対応していることは、図6(b)においても同様である。図6(b)に示すように、点P150からの出射光の方向とz軸との間のなす角度(偏角)をθとし、出射光の方向とx軸とのなす角度(偏角)をφとする。この設定において、ピーク角度θP150とは、xz平面内におけるz軸からの角度θである。換言すれば、ピーク角度θP150は、θ=θP150、且つφ=0°で規定される方向である。
図7は、凸部152の外形形状の例を説明するための図面であり、凸部152を含む導光板150の断面構成の模式図である。
凸部152において、凸部152の頂部を凸部152の先端部152aと称し、凸部152の裾部を凸部152の底部152bと称する。第2実施形態では、凸部152の形状は、図7に示した断面形状を、中心軸線CIIを回転軸として回転させた形状であるとする。よって、凸部152の外形形状は、中心軸線CIIを含む任意の断面において左右対称となる。また、凸部152は、凸部152に接する接平面PLIIと基準面151gとのなす角度γIIが、凸部152の底部152b側から先端部152a側にかけて単調に減少するような外形形状を有している。すなわち、凸部152の表面は、滑らかであり得る。
ピーク角度θP150(°)が上記範囲を満たす凸部152の外形形状は、例えば、アスペクト比〔hIIa/wIIa〕、幅に対する曲率半径〔rII/wIIa〕及び底部角度γIIなどの要素を単独又は組み合わせて定めることができる。以下、図7を参照して、アスペクト比〔hIIa/wIIa〕、幅に対する曲率半径〔rII/wIIa〕、及び底部角度γIIについて説明する。
(I)アスペクト比〔hIIa/wIIa〕
アスペクト比とは、側面151c(図4参照)に直交する方向である光入射方向(図4で示すX軸方向)における凸部152の最大長さを幅wIIaとし、出射面151a(図6参照)に直交する方向である光出射方向(図6で示すZ軸方向)における凸部152の最大長さ(図7では、基準面151gと先端部152aとの距離)を高さhIIaとしたときの、幅wIIaに対する高さhIIaの比[hIIa/wIIa]である。
(II)幅に対する曲率半径〔rII/wIIa〕
幅に対する曲率半径〔rII/wIIa〕とは、凸部152の幅をwIIa(μm)、凸部152の先端部152aの曲率半径をrII(μm)としたとき、幅wIIaに対する曲率半径rIIの比である。先端部152aの曲率半径rIIは、凸部152の頂部としての先端部152aの曲がり具合を表すものである。例えば、先端部152aの曲率半径rIIは、図7に示すように、先端部152aに接する円(図7中の破線で示す円)を仮定した場合の円の半径である。
(III)底部角度γII
底部角度γIIは、中心軸線CIIを通る断面での凸部152の輪郭線と基準面151gとの交点の位置での凸部152の接平面PLIIと基準面151gとの間のなす角度である。また、先端部152aに対して底部は凸部152の裾部でもある。よって、底部角度γIIは裾部角度でもある。
例えば、凸条部52の外形形状について、アスペクト比〔hIa/wIa〕を0.15以下にすることができる。凸部152の幅wIIaの例は、5μm以上1mm以下であり、好ましくは、10μm以上500μm以下である。
次に、上記導光板150の作用効果について、図4に示すように面光源装置130の一部として透過型画像表示装置110に適用した場合を例にして説明する。
光源部60が有する点状光源61を発光させると、点状光源61からの光は、点状光源61に対向する導光板150の側面151cから導光板150に入射する。導光板150に入射した光は、導光板150内を全反射しながら伝搬する。導光板150内を伝搬する光が、凸部152に入射すると、凸部152内では光が全反射条件以外の条件で反射する。そのため、凸部152で反射した光は出射面151aから出射される。導光板150は、屈折率が1.515以上であり1.59のポリスチレン樹脂によって形成されているので、反りの発生を低減することができる。また、背面151bと出射面151aとの距離である厚さtIIが2mm以下であるので、屈折率が1.49のPMMA樹脂で形成された導光板の出射効率を維持することができる。つまり、反りの低減を図ることができるが出射効率を悪くするポリスチレン樹脂で導光板を形成した場合であっても、PMMA樹脂で形成された導光板の出射効率を維持することができる。
(シミュレーション例)
次に、導光板50,150(本体部51,151)を構成する透光性材料の屈折率が1.515以上であり、板厚が2mm以下である導光板50(150)が、PMMA樹脂で形成された従来の導光板と同等の出射効率が維持できる点について、以下のシミュレーションに基づいて説明する。ただし、本発明はこれらのシミュレーションに限定されるものではない。
図8は、シミュレーションモデルを示す模式図である。説明の便宜のため、図1に示した構成要素に対応する構成要素には、導光板150MのようにMを付して記載する。シミュレーションは、図8に示したように、後段にて詳述する評価の対象となる導光板150Mについて、短辺側の側面151Mc,151Mdに対向する位置にそれぞれ点状光源61M,61Mを配置すると共に、導光板150Mの下方に反射板70Mとしての反射シートを配置したモデルにおいて、光線追跡法を用いて光出射効率Eを算出した。
シミュレーション条件は、次のとおりである。
・導光板150Mの厚さt:図10の図表の厚さ欄に示すとおり(凸部152を含まない)
・導光板150Mの構成材料及び屈折率:凸部152Mを含めて図10の図表の構成材料欄に示すとおり
・導光板150Mの平面視形状(板厚方向からみた形状):長方形
・導光板150Mの長辺の長さL:400mm
・導光板150Mの短辺の長さW: 20mm
・導光板150Mの相対板厚[t/L]:図10の図表の相対板厚欄に示すとおり
・導光板150Mの凸部152Mの先端部152Maと反射板70Mとの間の距離:0.1mm
・反射板70M:ソニー株式会社製「KDL40EX7」に使用されているバックライトユニットから取り出した白色反射板と同等の反射特性を仮定
次に、点状光源61Mについて詳細に説明する。点状光源61M,61Mは、導光板150Mの短辺側の側面151Mc,151Mdと対向する位置にそれぞれ2つずつ配置されており、それぞれの端部からの距離L1が5mmであり、互いの光源間隔L2が10mmである。点状光源61Mは、横方向(奥行き方向)の長さが5.5mm、縦方向(導光板の厚み方向)の長さが2mmの大きさの面光源である。
図9は、点状光源61Mの指向特性(配光特性)の一例を示す図面である。図9の横軸は出射角度θ(°)を示しており、縦軸は、最大の出射光強度で規格化した規格化出射光強度を示している。本実施形態において、θ=0は、図1におけるX軸方向に対応する。点状光源61Mは、いわゆるランバーシアン(Lambertian)型の光源を仮定し、点状光源61Mの例としては、発光ダイオードが挙げられる。ランバーシアン型の光源は、出射光強度が最大である最大出射光強度の出射角度が0°付近(正面方向)にあり、正面方向からの傾き(出射角度)が大きくなるにしたがって略単調減少していくという特徴を有している。図9中のPDは、理論的な完全拡散の場合の指向特性を示しており、本シミュレーションにおいてはこの特性が得られる光源を仮定した。点状光源61Mに関連するその他の条件は以下のとおりである。
・点状光源61Mから出射される光の波長:550nmを仮定
・点状光源61Mからの入射光線数は、10,000,000本(=2,500,000本×4)、入射光量は4W(=1W×4)
・点状光源61Mと導光板150Mとの距離:0.05mm
なお、導光板150Mの側面151Me及び側面151Mfでは周期的境界条件を仮定した。すなわち、側面151Me及び151Mfでは光はすべて反射し導光板150M内に戻るとした。このように、導光板150Mにおける短辺方向(Y軸方向)に周期的境界条件を設けることによって、短辺方向の長さが実質的に無限の導光板を想定したシミュレーションを実施していることになる。
次に、評価の対象となる、No.1〜6の6つの導光板150Mについてそれぞれ説明する。まず、本体部151Mと凸部152Mとを形成する透光性樹脂及び屈折率は、図10の図表に示す透光性樹脂欄のとおりである。透光性樹脂欄の[ ]で囲まれた数値は、透光性樹脂の屈折率を示している。次に、導光板150Mのサイズについて説明する。導光板150Mの板長さL及び厚みtは、図10に示す図表の厚み欄及び相対板厚欄に示すとおりである。ここで、相対板厚[t/L]とは、板長さLに対する板厚さtの比のことをいう。板長さLとは、入射面としての側面151Mcと直交する方向における反射面151bの長さ、すなわち、側面151Mcと側面151Mdとの距離をいい、板厚さtを反射面151Mbと出射面151Maとの距離をいう。
次に、導光板150Mの反射面151Mbに形成される凸部152Mの配置について説明する。導光板150Mは、反射面151Mb側に、マイクロレンズとして形成された凸部152Mが、長辺方向に沿って配列させたものを設定した。本シミュレーションの導光板150Mでは、図8に示すようにX軸方向に沿って配置密度が異なっており、X軸方向中心ほど密となるように設定した。すなわち、導光板150Mから出射される光が均一となるように最適に凸部152Mが配置されているものを設定した。
具体的には、No.1〜6の導光板150Mの反射面151Mbに形成される凸部152MのX軸方向(図8参照)におけるそれぞれの被覆率が、図11に示すように、最大70.88%(1mm四方の領域に950μm幅のマイクロレンズを一つ配置)となるような分布に設定した。図11の横軸は、X軸方向中心部からの距離を示している。このときのNo.1〜6のそれぞれの導光板150Mについて、X軸方向における照度(W/mm2)の分布を算出すると図12に示す結果となる。図12に示す照度の変化において、輝度均斉度は、例えば、照度の最小値を最大値で除した値とすることができる。本シミュレーションにおけるNo.1〜6の導光板150Mの出射面151Maから出射される光のX軸方向における輝度均斉度は、全て95%以上となっている。
次に、導光板150
Mの反射面151
Mbに形成される凸部152
Mの外形形状について説明する。凸部152
Mの外形形状は、図7に示す凸部152
Mの断面構成において、凸部152
Mの輪郭線を円錐曲線で表した。具体的には、図13に示すように、uv座標系を設定し、凸部152
Mの断面形状を式(1)で示す円錐曲線v(u)により規定した。uv座標系のv軸は、図7における凸部152
Mの中心軸線C
IIに対応する。また、u軸は、図4に示すX軸方向に対応する。
式(1)において、kaは、式(1)で表される円錐曲線の尖り方を示すパラメータであり、凸部152Mの先端部152Maの尖り方を表している(以下、尖り度kaとも称す)。例えば尖り度kaが0のとき、凸部152Mの外形は放物線形状となり、尖り度kaが1のとき、凸部152Mの外形はプリズム形状となり、尖り度kaが−1のとき、凸部152Mの外形は楕円を半分に切った形状となる。本シミュレーションでは、尖り度kaが0.2、アスペクト比[ha/wa]が0.08の外形形状の凸部152Mを設定した。
このような条件の下、評価の対象となるNo.1〜6の導光板150Mのそれぞれに入射する光の量Eiに対する出射面151Maから出射する全ての光の量Eoの比を算出することで光出射効率E(=Eo/Ei)を得る。光出射効率E(=Eo/Ei)を算出するにあたっては、No.1の導光板150MとNo.2〜6の導光板150Mとの透光性材料の違い、すなわち、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)とポリスチレン(PS)との違いを考慮するために、それぞれの内部透過率Tinを算出した。内部透過率Tinとは、入射側及び出射側における表面反射損失を除いた透過率であり、素材自体の透過率のことをいう。本シミュレーション例では、光線追跡法により光出射効率Eを算出する際に、この内部透過率Tinを用いている。
以下、内部透過率Tinの算出方法について、図14を用いて説明する。図14は、内部透過率を説明するための説明図である。まず、透光性樹脂がPMMA及びPSのそれぞれについて、長さ250mm、幅50mm、厚み2mmのサイズの導光板サンプル250を準備した。これらのサンプルに対して、一方の側面251cに入光部260から光を入射させ、この側面251cに対向する他方の側面251dから出射される光を受光部(長光路測定器:株式会社日立ハイテクノロジーズ製(U−4100))280で測定した。入射面となる側面251cに入光する光の量をLin、及び側面251cに入光する光の量をLoutとすると、透過率Tは以下の式(2)によって表される。
T=Lout/Lin・・・(2)
PMMA及びPSのそれぞれのサンプル250の透過率Tは、以下のとおりとなった。
PMMAサンプル250の透過率 T=0.9137
PSサンプル250の透過率 T=0.8594
このようにして算出されたそれぞれの透過率Tには、入光時における側面251cでの反射損失Rinと、出光時における側面251dでの反射損失Routとが含まれている。これらの損失Rin,Routを排除したサンプル250の透過率を内部透過率Tinとしたとき、Lin、Lout、Rin、Rout及びTinの関係は下記式(3)のとおりとなる。
Lout=Lin×Rin×Tin×Rout・・・(3)
上記式(3)に基づけば、内部透過率T
inは、下記式(4)で表される。
次に、PMMA樹脂の屈折率1.49及びPS樹脂の屈折率1.59と、反射率Rを算出する下記式(5)とに基づいて、PMMA樹脂及びPS樹脂それぞれの反射率Rを算出した。
ここで、n
1は空気の屈折率、n
2はPMMA樹脂の屈折率1.49及びPS樹脂の屈折率1.59を示している。それぞれの反射率Rは、以下のとおりとなった。
PMMA樹脂の反射率 R=0.0387
PS樹脂の反射率 R=0.0519
上記式(4)と、PMMA樹脂及びPS樹脂のそれぞれの反射率Rとに基づけば、PMMA樹脂及びPS樹脂のそれぞれの内部透過率Tinは、以下のとおりとなる。
PMMA樹脂の内部透過率 Tin=0.9888
PS樹脂の内部透過率 Tin=0.9561
評価の対象となるNo.1〜6の導光板150Mの光出射効率E(=Eo/Ei)を、図10の図表の出射効率欄に示す。図10によれば、導光板150Mを構成する透光性樹脂の屈折率が1.515以上である1.59のPS樹脂で形成したとき、厚みtを2.0mm以下(No.4の導光板150M)とすることで、PMMA樹脂で導光板150Mを構成した時と同様の出射効率を維持できることが確認できた。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態及び上記シミュレーションに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記実施形態では、光のピーク角度θP50(θP150)が50°以上となるような外形形状を有すると凸条部52(凸部152)が形成されている例を挙げて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
更に、光源部60の配置位置は、互いに対向する2辺に対向する位置(2箇所)に限定されない。例えば、光源部60は、任意の一辺に対向する位置(1箇所)に配置することもできる。この場合、光源部60は、図1に示した側面51c,51d,51e,51fの何れか一つに対向する位置に配置することができる。光源部60から光が入射される側面と対向する側面には、光漏れを防止するための、ミラーテープや白色拡散テープなどの反射テープが貼付することができる。
また、上記シミュレーションにおいては、理論的な完全拡散の場合の指向特性を有する点状光源61の例を示したが、本実施形態の面光源装置30、透過型画像表示装置10ではこれに限定されるものではない。例えば、図9に示すように、完全拡散を示す指向特性PDに対して、出射角度が30°のとき−0.6%、出射角度が60°のとき−11.0%ずれるような曲線PD1(図9において点線で示す)と、出射角度が30°のとき6.9%、出射角度が60°のとき16.4%ずれるような曲線PD2(図9において破線で示す)との間の領域の出射角度と規格化放射強度とを満たすランバーシアン型の指向特性を有する点状光源であればよい。
また、上記実施形態では、凸条部52(凸部152)が一体的に形成された導光板50(150)について説明したが、本発明の導光板はこれに限定されるものではない。例えば、フォトポリマー法を用いて、図3(図7)に示す基準面51g(151g)より下の部分である板状の本体部51(151)に対して、基準面51g(151g)より上の部分である凸条部52(凸部152)を形成してもよい。この場合、本体部51(151)となる以下の光学シートに、反射部としての凸条部(凸部)を設けることにより、導光板となり得る。その光学シートは、光が入射される入射面と、入射面と交差する面であり、光を反射させる反射部を設けるための反射面と、反射面と反対側の面であり、光を出射する出射面と、を備え、光学シートを構成する透光性材料の屈折率が1.515以上であり、反射面と出射面との距離である厚さが2mm以下とすることができる。
また、この光学シートに反射部としての凸部を形成する方法には、インクジェット印刷(インクジェット法)がある。この場合、凸部152の材料として、紫外線硬化樹脂を利用することができ、紫外線硬化樹脂には、アクリル系紫外線硬化樹脂などが含まれる。
凸部152の材料をアクリル系紫外線硬化樹脂とし、インクジェット法を利用する場合の導光板150の製造方法の一例について説明する。この場合、板状体としての導光板原板を押出成形又は射出成形などにより形成する。次に、導光板原板の背面となるべき面に、インクジェットヘッドを操作しながら、紫外線硬化樹脂を滴下(印刷)する。次いで、紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させることで凸部152を得る。
また、上記実施形態では、導光板50と透過型画像表示部20との間にプリズム板40を配置する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、出射面51aから50°以上のピーク角度で出射される光を正面方向に集光するような他の光学材料が配置されてもよい。導光板50と透過型画像表示部20との間に設ける光学部材の例は、反射型偏光分離シート、光拡散シート、マイクロレンズシート、及びレンチキュラーレンズシート及びプリズムシートなどが含まれ、本発明の趣旨を逸脱しなければ、単独又は組み合わせて配置され得る。
上記実施形態では、導光板50(150)は、図1(図4)に示すように、出射面51a(151a)に対し、側面51c(151c)及び側面51d(151d)と、側面51e(151e)及び側面51f(151f)とが直交する例を挙げて説明したがこれに限定されるものではなく、互いに交差する導光板であってもよい。
第1及び第2実施形態における凸条部52(凸部152)の外形形状について、アスペクト比、幅に対する曲率半径、及び底部角度を単独又は組み合わせて定める例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、これらの要素の他に円錐曲線の式で外形形状を定義する方法を組み合わせてもよい。