JP2020020718A - 時計用部品、ムーブメント、時計および時計用部品の製造方法 - Google Patents

時計用部品、ムーブメント、時計および時計用部品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造効率を高めることができる時計用部品、ムーブメント、時計および時計用部品の製造方法を提供する。【解決手段】表面14と、裏面15と、表面14および裏面15と交差する側面とを有するシリコン製の時計用部品10であって、表面14側に形成される第1凹部141と、裏面15側に形成される第2凹部151と、第1凹部141および第2凹部151のいずれか一方と側面とを連通する連通溝18とを有する。【選択図】図5

Description

本発明は、時計用部品、ムーブメント、時計および時計用部品の製造方法に関する。
機械式時計には、歯車等に代表される数多くの時計用部品が搭載されている。従来、時計用部品は金属材料を機械加工することにより形成されているが、近年では、時計用部品の材料としてシリコンを含む基材が用いられるようになっている。特に、表裏で形状が異なる複雑な構造を有する時計用部品が、シリコンを含む基材から製造されることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、第1シリコン・ウェハおよび第2シリコン・ウェハをそれぞれエッチング加工し、シリコン製部品の一方の面側を構成する第1要素と、他方の面側を構成する第2要素とを別々に製造する。そして、この第1要素と第2要素とを接着させることにより、表裏で形状の異なるシリコン製部品を製造している。
特表2010−509076号公報
しかしながら、特許文献1に記載のシリコン製部品では、別々に製造した第1要素と第2要素とを接着させる際に、これらを高温の炉内で2〜4時間加熱酸化処理する必要がある。つまり、特許文献1では、シリコン製部品を製造するために、エッチング加工工程の他に、長い時間を要する加熱酸化処理工程を必要とする。そのため製造効率が低下するといった問題がある。
本発明の時計用部品は、表面と、裏面と、前記表面および前記裏面と交差する側面とを有するシリコン製の時計用部品であって、前記表面側に形成される第1凹部と、前記裏面側に形成される第2凹部と、前記第1凹部および前記第2凹部のいずれか一方と前記側面とを連通する連通溝とを有することを特徴とする。
本発明の時計用部品において、平面視で前記第1凹部と前記第2凹部とが重なる位置に、前記表面側と前記裏面側とを貫通する貫通部が形成されることが好ましい。
本発明の時計用部品において、前記第1凹部は前記第2凹部と異なる形状であることが好ましい。
本発明の時計用部品は、アンクルであることが好ましい。
本発明のムーブメントは、上記時計用部品を備えることを特徴とする。
本発明の時計は、上記ムーブメントを備えることを特徴とする。
本発明の時計用部品の製造方法であって、シリコン基板の一方の面部に第1レジストパターンを形成する第1レジストパターン形成工程と、前記第1レジストパターンが形成された前記一方の面部側をエッチングする第1エッチング工程と、前記一方の面部側にドライフィルムを貼付するドライフィルム貼付工程と、前記シリコン基板の前記一方の面部とは反対側の他方の面部に第2レジストパターンを形成する第2レジストパターン形成工程と、前記第2レジストパターンが形成された前記他方の面部側をエッチングする第2エッチング工程とを有することを特徴とする。
本発明の一実施形態の時計を示す正面図。 前記実施形態のムーブメントを示す図。 前記実施形態のアンクルを示す正面図。 前記実施形態のアンクルを示す背面図。 前記実施形態のアンクルを示す斜視図。 前記実施形態のアンクルを示す断面図。 前記実施形態のアンクルの製造工程を示す概略図。 前記実施形態のアンクルを製造するエッチング装置を示す概略図。 前記実施形態のアンクルの製造途中の状態を示す概略図。 他の実施形態に係るアンクルの製造途中を示す概略図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[ムーブメントおよび時計]
図1は、本実施形態の時計1を示す正面図であり、図2は、ムーブメント100を裏蓋側から見た図である。
時計1は、ユーザーの手首に装着される腕時計であり、外装ケース2と、外装ケース2内に設けられた文字板3と、時針4Aと、分針4Bと、秒針4Cと、日車6と、外装ケース2の側面に設けられたりゅうず7とを備えている。
時計1は、図2に示すような外装ケース2内に収容されたムーブメント100を備えている。ムーブメント100は、地板110、一番受け120、テンプ受け130を備えている。地板110と一番受け120との間には、図示略のぜんまいが収納された香箱車81と、図示略の二番車と、三番車83と、四番車84と、ガンギ車85とが配置されている。また、地板110とテンプ受け130との間には、アンクル10、テンプ87等が配置されている。ムーブメント100は、指針である時針4A、分針4B、秒針4Cを駆動する。
また、ムーブメント100には、ぜんまいを巻き上げる巻上げ機構90として、巻真91、つづみ車92、きち車93、丸穴車94、第1中間車95、第2中間車96が設けられている。これにより、りゅうず7の回転操作による回転を、図示略の角穴車に伝達し、図示略の香箱真を回転して、ぜんまいを巻き上げることができる。これらは一般的な機械式ムーブメントと同じであるため、説明を省略する。
[アンクル]
次に、アンクル10の構成について、図3から図6を用いて説明する。
図3は、アンクル10の概略を示す正面図であり、図4は、アンクル10の概略を示す背面図であり、図5は、アンクル10の概略を示す斜視図であり、図6は、図5のVI−VI線に沿った断面図である。
図3から図6に示すように、アンクル10は、単結晶のシリコン製の時計用部品であり、表面である第1面14と、裏面である第2面15と、第1面14および第2面15と交差する側面16とを有する。本実施形態では、アンクル10の厚さtは約430μmとされている。
アンクル10には、アンクル腕11A,11B、アンクル竿11Cの3つのアンクルビーム11が形成される。
3つのアンクルビーム11のうち、2つのアンクル腕11A,11Bの先端には爪石部12A,12Bが一体に形成されている。また、残り1つのアンクル竿11Cの先端には剣先13が一体に形成されている。
また、アンクル10には、第1面14側に第1凹部141が形成され、第2面15側に第2凹部151が形成されている。さらに、第1面14側のアンクル竿11Cの先端には段差142が形成されている。
第1凹部141は、平面視において、三角形の底面に半円が結合されたような形状となっており、3つのアンクルビーム11が交わる箇所に形成されている。
第2凹部151は、平面視において、五角形の2つの辺に台形が結合されたような形状となっている。このように、本実施形態では、第1凹部141は第2凹部151と異なる形状とされている。
また、第2凹部151は、平面視において、第1凹部141の底面部に形成されている。すなわち、平面視において、第1凹部141と第2凹部151とが重なる位置には、アンクル10の第1面14側と第2面15側とを貫通する貫通部17が形成されている。この貫通部17には、軸真であるアンクル真19が挿通される。
このように構成されたアンクル10は、アンクル真19を中心に回転した際に、爪石部12Aまたは爪石部12Bが、図2に示すガンギ車85の歯部の先端に接触するようになっている。また、この際、アンクル竿11Cが、地板110に設けられた図示略の2本のドテピンに接触し、これによってアンクル10は、同方向にそれ以上回転しないようになっている。その結果、ガンギ車85の回転も一時的に停止する。
また、第1凹部141には、側面16に連通する連通溝18が形成されている。連通溝18は、後述するアンクル10の製造工程において、第1凹部141内の空気を排気する際の通路として利用される。そのため、連通溝18は空気を排気するのに好適な寸法とされており、例えば、幅Wは約50μmとされている。ただし、連通溝18の幅Wはこれに限られるものではなく、後述するアンクル10の製造工程において空気を短時間で排出可能な寸法であればよく、例えば、3μm以上とされていればよい。
[アンクルの製造工程]
次に、上記のようなアンクルの製造方法について、図面に基づいて説明する。
図7A〜図7Gは、アンクルの製造工程を示す断面図である。
本実施形態では、図7Aに示すような厚さt1のシリコン基板20を母材とし、当該シリコン基板20の一方の面部21側と、一方の面部21とは反対側の面である他方の面部22側との両側をエッチングすることにより、アンクル10を製造する。本実施形態では、例えば、厚さt1が約430μmのシリコン基板20を母材としてアンクル10を製造する。なお、シリコン基板20の厚さt1はこれに限られるものではなく、製造する時計用部品の仕様によって適宜選択できる。
具体的には、まず、図7Aに示すシリコン基板20の一方の面部21に対して、例えばフォトリソグラフィー法を用いて、第1レジストパターンR1を形成する(第1レジストパターン形成工程)。図7Bは、シリコン基板20の一方の面部21に第1レジストパターンR1が形成された状態を示す図である。第1レジストパターンR1は、開口部R1Aを有する。なお、後述する第1エッチング工程において、一方の面部21の開口部R1Aに対応する位置がエッチングされる。
次に、図7Cに示すように、第1レジストパターンR1をマスクとして、シリコン基板20にエッチングを施す。エッチングとしては、例えば、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)によるディープ・リアクティブ・イオンエッチング(Deep Reactive Ion Etching:DRIE)を用いることができる。
図8は、エッチング装置200を示す概略図である。
図8に示すエッチング装置200は、真空チャンバー201と、ステージ202と、コイル203とを有する。
真空チャンバー201は、エッチングが行われる反応室であり、その内部にステージ202およびコイル203を収容している。
上記のエッチング装置200のステージ202上に、図7Bに示すシリコン基板20をセットする。この際、シリコン基板20の他方の面部22側がステージ202の上面に対向するようにセットする。そして、当該真空チャンバー201内の気圧を所定の真空圧、例えば1〜30Pa程度にまで低下させる。
続いて、例えば、SF等のエッチングガスを真空チャンバー201内に導入し、コイル203に高周波数の大電流を流すことによって、エッチングガスによるプラズマを発生させる。そして、ステージ202にバイアスをかけることにより、エッチングガスによるプラズマの粒子が第1レジストパターンR1の開口部R1Aからシリコン基板20の一方の面部21に引き込まれる。これにより、シリコン基板20が一方の面部21側から第1レジストパターンR1に沿って厚さ方向に略垂直にエッチングされ、凹部が形成される。
次に、例えば、C等のデポジションガスを真空チャンバー201内に導入し、コイル203に高周波数の大電流を流すことによって、デポジションガスによるプラズマを発生させる。そして、ステージ202にバイアスをかけることにより、デポジションガスによるプラズマの粒子が第1レジストパターンR1の開口部R1Aからシリコン基板20の一方の面部21に引き込まれる。これにより、上記エッチングにより形成された凹部の側壁に保護膜が形成される。つまり、凹部の側壁がデポジションされる。
そして、上記のようなエッチングとデポジションとを繰り返し実施する、いわゆるボッシュプロセスと呼ばれるサイクルエッチング処理を実施することにより、シリコン基板20の一方の面部21に深さt2の凹部を形成する(第1エッチング工程)。本実施形態では、深さt2として、例えば、約260μmの凹部が形成される。なお、第1エッチング工程で形成される凹部の深さはこれに限られるものではなく、製造する時計用部品の形状に応じて、適宜変更できる。
また、この際、シリコン基板20の他方の面部22側、すなわちシリコン基板20のステージ202にセットされた面側は、ヘリウムガス等の冷却ガスにより冷却される。これにより、第1エッチング工程において、シリコン基板20は10℃程度の温度に維持される。そのため、シリコン基板20の温度上昇を抑制できるので、温度上昇によってエッチングガスによるプラズマとシリコン基板20とが過剰に反応してしまうことを抑制できる。したがって、エッチングの垂直性が損なわれることを防ぐことができ、一方の面部21側のエッチングの加工精度を高くすることができる。
次に、シリコン基板20を真空チャンバー201内から取り出し、第1レジストパターンR1を除去して、図7Dに示す状態にする。第1レジストパターンR1の除去は、発煙硝酸や有機溶剤等でのウェットエッチング、あるいは、酸素プラズマアッシング等により行うことができる。
図9は、図7Dの状態のシリコン基板20の斜視図である。
図9に示すように、シリコン基板20は、この段階でアンクル10の第1面14側が形成された状態になっている。すなわち、シリコン基板20の一方の面部21は、アンクル10の第1面14を構成する。また、上記したように、アンクル10の第1面14側には、第1凹部141と、当該第1凹部141とアンクル10の側面16とを連通する連通溝18とが形成されている。
さらに、アンクル10の側面16を切り出すための外周凹部23が形成されており、当該外周凹部23は、溝部24によりシリコン基板20の側面部25と連通している。
なお、段差142は外周凹部23と連続して形成される。
次に、図7Eに示すように、シリコン基板20の一方の面部21にドライフィルムFを貼付する(ドライフィルム貼付工程)。本実施形態では、ドライフィルムFとして、ポリエステルフィルム等の支持体にフォトレジストを均一に塗布したものを使用する。これにより、後述する第2エッチング工程において、プラズマ化したエッチングガスによりドライフィルムFが損傷することを防ぐことができる。
また、シリコン基板20の他方の面部22に対して、例えばフォトリソグラフィー法を用いて、第2レジストパターンR2を形成する(第2レジストパターン形成工程)。第2レジストパターンR2は、開口部R2Aを有する。後述する第2エッチング工程において、他方の面部22の開口部R2Aに対応する位置がエッチングされる。なお、図7Eでは、シリコン基板20の上下を反転させ、他方の面部22側を上側にした状態を示している。
次に、図7Eの状態のシリコン基板20を、再び真空チャンバー201内のステージ202にセットする。この際、上記とは逆に、一方の面部21側がステージ202の上面に対向するようにセットする。そして、上記と同様に、真空チャンバー201内の気圧を所定の真空圧にまで低下させる。この際、第1凹部141内の空気は、図9に示す連通溝18、外周凹部23および溝部24を介してシリコン基板20の側面部25から排気される。
続いて、7Eの状態のシリコン基板20にボッシュプロセスによるエッチングを施す(第2エッチング工程)。これにより、図7Fに示すように、シリコン基板20が他方の面部22側から第2レジストパターンR2に沿って厚さ方向に略垂直にエッチングされ、深さt3の凹部が形成される(第2エッチング工程)。本実施形態では、深さt3として、例えば、約260μmの凹部が形成される。なお、第1エッチング工程と同様に、第2エッチング工程で形成される凹部の深さはこれに限られるものではなく、製造する時計用部品の形状に応じて、適宜変更できる。
また、一方の面部21側と他方の面部22側とでエッチングした箇所が重なる部分には、一方の面部21側から他方の面部22側までシリコン基板20を貫通する貫通孔が形成される。すなわち、図3に示す貫通部17が形成される。
この際、第1エッチング工程と同様に、一方の面部21側は冷却ガスにより冷却されているが、当該一方の面部21側にはドライフィルムFが貼付されているので、貫通部17を介して冷却ガスが一方の面部21側から他方の面部22側に抜けてしまうことがない。そのため、第2エッチング工程においても、シリコン基板20を効率的に冷却することができるので、温度上昇によってエッチングガスによるプラズマとシリコン基板20とが過剰に反応することを抑制できる。したがって、エッチングの垂直性が損なわれることを防ぐことができ、他方の面部22側のエッチングの加工精度を高くすることができる。
そして、シリコン基板20を真空チャンバー内から取り出し、第2レジストパターンR2およびドライフィルムFを除去して、図7Gに示す状態にする。
最後に、シリコン基板20からアンクル10を構成する部分を取り外して、アンクル10を製造する。
[本実施形態の作用効果]
このような本実施形態によれば、以下のような作用効果が得られる。
アンクル10は、表面である第1面14と、裏面である第2面15と、第1面14および第2面15と交差する側面16とを有する単結晶のシリコン製の時計用部品であって、第1面14側に形成される第1凹部141と、第2面15側に形成される第2凹部151と、第1凹部141と側面16とを連通する連通溝18とを有する。
本実施形態では、母材としてのシリコン基板20に対して、一方の面部21側をエッチングし、その後、他方の面部22側をエッチングすることにより、上記のようなアンクル10を製造する。この際、一方の面部21側を加工後、他方の面部22側を加工する前に、一方の面部21側にドライフィルムFを貼付する。これにより、他方の面部22側を加工する際に、一方の面部21側を冷却ガスで冷却することを可能にして、シリコン基板20の温度上昇によるプラズマとシリコン基板20との過剰反応を防止している。
ここで、仮に、第1凹部141に連通溝18が形成されない場合、一方の面部21にドライフィルムFを貼付すると第1凹部141は密閉空間となる。そのため、他方の面部22側を加工する際に真空チャンバー内の気圧を真空圧に低下させても、第1凹部141の内部は大気圧で維持されることになる。そうすると、第1凹部141内外の気圧差が発生するため、ドライフィルムFが損傷してしまうおそれがある。
一方、本実施形態では、連通溝18、外周凹部23および溝部24を介して第1凹部141内の空気が排気される。すなわち、第1凹部141の内部は真空圧になるので、第1凹部141内外において気圧差が発生することはない。そのため、ドライフィルムFが気圧差によって損傷することはない。
このように、本実施形態では、第1凹部141と側面16と連通する連通溝18を設けることにより、冷却ガスにより冷却しながら、シリコン基板20の両側をエッチングすることを可能にしている。つまり、1枚のシリコン基板20の両側を高い加工精度でエッチングすることができる。そのため、アンクル10の製造工程において、第1面14側と第2面15側とを別々のシリコン基板から製造し、それらを接着させてアンクル10を製造する必要がないので、アンクル10の製造効率を高めることができる。
また、本実施形態では、アンクル10を1枚のシリコン基板20から製造することができる。そうすると、第1面14側と第2面15側とを別々に製造し、それらを接着させて製造した場合に形成されるような接着部が存在しない。そのため、接着部が剥離するおそれがなく、部品強度を高くすることができる。
本実施形態では、平面視において、第1凹部141と第2凹部151とが重なる位置に、第1面14側と第2面15側とを貫通する貫通部17が形成される。これにより、当該貫通部17にアンクル真19を挿通することができるので、アンクル真19を軸真にして、アンクル10を回転可能に構成することができる。すなわち、回転可能とされる部品に本実施形態の時計用部品を適用することができる。
本実施形態では、第1凹部141は第2凹部151とは異なる形状である。そのため、アンクル10のように、表裏で形状が異なるような複雑な構造を有する部品に、形状の部品に本実施形態の時計用部品を適用することができる。
[他の実施形態]
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記実施形態では、シリコン基板20から1個のアンクル10を製造する場合を例示して説明したが、これに限られず、1枚のシリコン基板から複数のアンクルを製造するようにしてもよい。
図9は、シリコン基板20Aから複数のアンクルを製造する場合の、製造途中を示す概略図である。図10に示すように、シリコン基板20Aからアンクル10A、10B、10Cの3つのアンクルを製造するようにしてもよい。
また、この場合、図10に示すように、アンクル10A、10B、10Cの側面16A、16B、16Cを切り出すための外周凹部23A,23B,23Cをそれぞれ互いに連通させ、さらに当該外周凹部23A,23B,23Cを溝部24A,24Bにてシリコン基板20Aの側面部25A,25Bに連通させるようにしてもよい。これにより、上記の製造工程において、第1凹部141A,141B,141C内の空気を、連通溝18A,18B,18C、外周凹部23A,23B,23Cおよび溝部24A,24Bを介して、シリコン基板20Aの側面部25A,25Bから排気することができる。なお、外周凹部23A,23B,23Cをそれぞれ互いに連通させず、外周凹部23A,23B,23Cのそれぞれが、シリコン基板20Aの側面部25A,25Bに連通するようにしてもよい。
上記実施形態では、第1凹部141と側面16とを連通する連通溝18が形成されていたが、これに限られない。例えば、第2凹部151と側面16とを連通する連通溝18が形成されていてもよい。この場合、アンクル10の製造工程において、第2凹部151が形成される第2面15側からエッチングするようにする。これにより、第2面15側をエッチングした後、第1面14側をエッチングする際に、第2面15側にドライフィルムFが貼付されても第2凹部151は密閉空間にならないので、気圧差によってドライフィルムFが損傷してしまうことを防ぐことができる。
また、第1凹部141および第2凹部151の両方に連通溝18が形成されるようにしてもよい。この場合、第1凹部141が形成される第1面14側および第2凹部151が形成される第2面15側のどちらを先にエッチングしても、上記のようにドライフィルムFの損傷を防ぐことができるので、製造工程の自由度を高くすることができる。
上記実施形態では、第1面14側と第2面15側とを貫通する貫通部17が形成されていたが、これに限られず、例えば、貫通部17が形成されないような部品に本実施形態の時計用部品を適用することができる。
この場合、当該時計用部品の外周を切り出すための貫通部から冷却ガスが抜けてしまうことを防ぐことを目的にして、ドライフィルムが貼付される。
上記実施形態では、第1凹部141と第2凹部151とは異なる形状であったが、これに限られず、例えば、第1面14側に形成される第1凹部141と第2面15側に形成される第2凹部151とは同じ形状であってもよい。すなわち、第1面14側と第2面15側とが同じ形状であるような部品に、本実施形態の時計用部品を適用してもよい。
上記実施形態では、時計用部品として、アンクル10を例示したがこれに限られず、例えば、丸穴車などであってもよい。また、これらの時計用部品は、1種類単独で、または、2種類以上を組み合わせて、ムーブメントに搭載してもよい。
1…時計、2…外装ケース、3…文字板、4A…時針、4B…分針、4C…秒針、6…日車、7…りゅうず、10,10A,10B,10C…アンクル、11…アンクルビーム、11A,11B…アンクル腕、11C…アンクル竿、12A,12B…爪石部、13…剣先、14…第1面(表面)、15…第2面(裏面)、16,16A,16B,16C…側面、17…貫通部、18,18A,18B,18C…連通溝、20,20A…シリコン基板、21…一方の面部、22…他方の面部、23,23A,23B,23C…外周凹部、24,24A,24B…溝部、25,25A,25B…側面部、100…ムーブメント、141,141A,141B,141C…第1凹部、151…第2凹部、R1…第1レジストパターン、R2…第2レジストパターン。

Claims (7)

  1. 表面と、裏面と、前記表面および前記裏面と交差する側面とを有するシリコン製の時計用部品であって、
    前記表面側に形成される第1凹部と、
    前記裏面側に形成される第2凹部と、
    前記第1凹部および前記第2凹部のいずれか一方と前記側面とを連通する連通溝とを有する
    ことを特徴とする時計用部品。
  2. 請求項1に記載の時計用部品において、
    平面視で前記第1凹部と前記第2凹部とが重なる位置に、前記表面側と前記裏面側とを貫通する貫通部が形成される
    ことを特徴とする時計用部品。
  3. 請求項1または請求項2に記載の時計用部品において、
    前記第1凹部は前記第2凹部と異なる形状である
    ことを特徴とする時計用部品。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の時計用部品がアンクルであることを特徴とする時計用部品。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の時計用部品を備えることを特徴とするムーブメント。
  6. 請求項5に記載のムーブメントを備えることを特徴とする時計。
  7. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の時計用部品の製造方法であって、
    シリコン基板の一方の面部に第1レジストパターンを形成する第1レジストパターン形成工程と、
    前記第1レジストパターンが形成された前記一方の面部側をエッチングする第1エッチング工程と、
    前記一方の面部側にドライフィルムを貼付するドライフィルム貼付工程と、
    前記シリコン基板の前記一方の面部とは反対側の他方の面部に第2レジストパターンを形成する第2レジストパターン形成工程と、
    前記第2レジストパターンが形成された前記他方の面部側をエッチングする第2エッチング工程とを有する
    ことを特徴とする時計用部品の製造方法。
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