JP2020020437A - トランスミッションの潤滑構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】トランスミッションのアウトプットシャフト付近に潤滑油を好適に供給することができる潤滑構造を提供する。【解決手段】アウトプットシャフト11に対応して回転するカウンタシャフト12と一体に回転するように設けられ、潤滑油を掻き上げる第1回転体と、アウトプットシャフト11と各メインギヤとの間に設けられたニードルベアリングNBに対して潤滑油を供給する油供給路と、を備え、アウトプットシャフト11の軸方向に垂直な平面における油供給路は、アウトプットシャフト11の回転時において、第1回転体によって掻き上げられた潤滑油の飛沫の軌跡を包含する形状に形成される。【選択図】図1

Description

本開示は、トランスミッションの潤滑構造に関する。
トランスミッション(変速機)は、アウトプットシャフト(メインシャフト)にギヤ、ハブ、ベアリング等の部材を軸方向に並べた構造を有する。このような構造を有するトランスミッションにおいて、部材同士の焼き付きを防止するため、他部材との接触面に潤滑油を供給することが一般的に行われている。また、シャフトの回転を円滑にするため、各部材の内周側に潤滑油を供給することが一般的に行われている。
各部材への潤滑油の供給方法として、トランスミッションケースの下部に貯留された潤滑油を、カウンタギヤ等により掻き上げ(跳ね上げ)て飛沫とし、この飛沫を所望の方向に飛散させることで出力軸の中心付近に配置された各部材に供給する方法がある。このような方法は、例えば特許文献1に開示されている。
特開2017−82954号公報
しかしながら、特許文献1に開示された潤滑油の供給方法では、アウトプットシャフトがある程度以上高速で回転している場合、遠心力により供給された潤滑油が外周方向に吐き出されてしまい、アウトプットシャフト付近に潤滑油が供給されなくなることがあった。
このような事態を防止するため、オイルポンプ等で潤滑油を吸い上げて回転軸の中心付近に強制的に潤滑油を供給する方法が採用されることがある。しかしながら、オイルポンプを余分に設ける必要があるため、オイルポンプの設置スペースが別途必要になる、オイルポンプの駆動損失が発生する、等の問題が新たに生じうる。
本開示は、トランスミッションのアウトプットシャフト付近に潤滑油を好適に供給することができる潤滑構造を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係るトランスミッションの潤滑構造は、カウンタシャフトと一体に回転し、潤滑油を掻き上げる第1回転体と、アウトプットシャフトと、前記アウトプットシャフトに相対回転可能に取り付けられたギヤとの間に設けられたベアリングに向けて潤滑油を誘導する誘導部材と、を備え、前記誘導部材は、前記アウトプットシャフトの回転時において、前記アウトプットシャフトの軸方向に垂直な平面における、前記第1回転体によって掻き上げられた潤滑油の飛沫を包含する形状の誘導路を有する。
本開示によれば、トランスミッションのアウトプットシャフト付近に、潤滑油を好適に供給することができる。
第1の実施の形態に係るトランスミッションの構成の一例を示す図 第1スペーサの斜視図 第1スペーサの正面図 第1掻き上げ板によって掻き上げられた潤滑油の飛沫の軌跡を例示した図 潤滑油の飛沫の位置の算出方法を説明するための図 第1スペーサのテーパー部に突き当たった後の潤滑油の流れの一例を示す図 第2の実施の形態に係るトランスミッションの構成の一例を示す図 導入孔、末端部、及び中心孔の一部について説明するための図 図6に示すD−D線における断面図 第3の実施の形態に係るトランスミッションの構成の一例を示す図 メインギヤの軸方向に垂直な断面図
以下、本開示の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明、例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明等は省略する場合がある。
<第1の実施の形態>
まず、本開示の第1の実施の形態に係るトランスミッション100について説明する。図1は、第1の実施の形態に係るトランスミッション100の構成の一例を示す図である。トランスミッション100は、ケース1と、インプットシャフト10と、アウトプットシャフト(メインシャフト)11と、カウンタシャフト12とを備えている。アウトプットシャフト11は、インプットシャフト10と同軸に配置されている。例えばエンジン等の内燃機関やモータから供給される動力は、インプットシャフト10に対して入力され、アウトプットシャフト11を介して出力される。カウンタシャフト12は、インプットシャフト10及びアウトプットシャフト11と平行に配置されている。
インプットシャフト10には、インプットメインギヤ13がインプットシャフト10と一体回転するように設けられている。アウトプットシャフト11には、入力側(インプットシャフト10側)から順に、3速メインギヤM3、2速メインギヤM2、1速メインギヤM1、及びリバースメインギヤMRが設けられている。3速メインギヤM3、2速メインギヤM2、1速メインギヤM1、及びリバースメインギヤMRは、ニードルベアリングNBを介してアウトプットシャフト11に相対回転するように取り付けられている。
カウンタシャフト12には、入力側から順に、インプットカウンタギヤ14、3速カウンタギヤC3、2速カウンタギヤC2、1速カウンタギヤC1、及びリバースカウンタギヤCRが設けられている。インプットカウンタギヤ14は、インプットメインギヤ13と噛合する。3速カウンタギヤC3は、3速メインギヤM3と噛合する。2速カウンタギヤC2は、2速メインギヤM2と噛合する。1速カウンタギヤC1は、1速メインギヤM1と噛合する。リバースカウンタギヤCRは、アイドラギヤ(図示せず)を介してリバースメインギヤMRと噛合する。インプットカウンタギヤ14、3速カウンタギヤC3、2速カウンタギヤC2、1速カウンタギヤC1、及びリバースカウンタギヤCRは、カウンタシャフト12と一体回転するように設けられている。
第1シンクロ機構20は、第1ハブ21、インプットドグギヤ22、3速ドグギヤ23、第1スリーブ24、及び一対のシンクロナイザリング(ブロックリング)SRを備えている。第1ハブ21は、アウトプットシャフト11に固定されている。インプットドグギヤ22は、インプットメインギヤ13に固定されている。3速ドグギヤ23は、3速メインギヤM3に固定されている。第1スリーブ24は、第1ハブ21に対して回転しないように、かつ軸方向に移動可能に取り付けられている。一対のシンクロナイザリングSRは、第1スリーブ24と各ドグギヤ22,23との間にそれぞれ設けられている。
第1スリーブ24が図中矢印A方向に移動してインプットドグギヤ22とスプライン噛合すると、動力はインプットシャフト10からアウトプットシャフト11に直接伝達され、アウトプットシャフト11は4速相当で回転する。一方、第1スリーブ24が図中矢印B方向に移動して3速ドグギヤ23とスプライン噛合すると、動力はインプットメインギヤ13、インプットカウンタギヤ14、3速カウンタギヤC3、3速メインギヤM3を介して伝達され、アウトプットシャフト11は3速相当で回転する。
第2シンクロ機構30は、第2ハブ31、2速ドグギヤ32、1速ドグギヤ33、第2スリーブ34、及び一対のシンクロナイザリングSRを備えている。第2ハブ31は、アウトプットシャフト11に固定されている。2速ドグギヤ32は、2速メインギヤM2に固定されている。1速ドグギヤ33は、1速メインギヤM1に固定されている。第2スリーブ34は、第2ハブ31に対して回転しないように、且つ軸方向に移動可能に取り付けられている。一対のシンクロナイザリングSRは、第2スリーブ34と各ドグギヤ32,33との間にそれぞれ設けられている。
第2スリーブ34が図中矢印A方向に移動して2速ドグギヤ32とスプライン噛合すると、動力はインプットメインギヤ13、インプットカウンタギヤ14、2速カウンタギヤC2、2速メインギヤM2を介して伝達され、アウトプットシャフト11は2速相当で回転する。第2スリーブ34が図中矢印B方向に移動して1速ドグギヤ33とスプライン噛合すると、動力はインプットメインギヤ13、インプットカウンタギヤ14、1速カウンタギヤC1、1速メインギヤM1を介して伝達され、アウトプットシャフト11は1速相当で回転する。
第3シンクロ機構40は、第3ハブ41、リバースドグギヤ42、第3スリーブ43、及び一対のシンクロナイザリングSRを備えている。第3ハブ41は、アウトプットシャフト11に固定されている。リバースドグギヤ42は、リバースメインギヤMRに固定されている。第3スリーブ43は、第3ハブ41に対して回転しないように、且つ軸方向に移動可能に取り付けられている。シンクロナイザリングSRは、第3スリーブ43とリバースドグギヤ42との間に設けられている。
第3スリーブ43が図中矢印A方向に移動してリバースドグギヤ42とスプライン噛合すると、動力はインプットメインギヤ13、インプットカウンタギヤ14、リバースカウンタギヤCR、アイドラギヤ、リバースメインギヤMRを介して伝達され、アウトプットシャフト11は逆回転する。
上記説明したトランスミッション100において、いずれかのメインギヤに固定されたドグギヤがスリーブと噛み合って動力を伝達しているとき、そのメインギヤはアウトプットシャフト11と一体に回転している。一方、その他のメインギヤはアウトプットシャフト11に対して相対回転している。この際、各メインギヤの焼き付きを生じさせないため、特に相対回転する各メインギヤとアウトプットシャフト11との間に介在する各ニードルベアリングNBに対して潤滑油LOが供給される。
潤滑油LOは、ケース1の下部に貯留されている。以下では、この潤滑油LOを各ニードルベアリングNBに好適に供給するための潤滑構造について詳細に説明する。
図1に示すように、3速メインギヤM3と2速メインギヤM2との間には、第1スペーサ51がアウトプットシャフト11と一体回転するように設けられている。1速メインギヤM1とリバースメインギヤMRとの間には、第2スペーサ52がアウトプットシャフト11と一体回転するように設けられている。
また、図1に示すように、3速カウンタギヤC3と2速カウンタギヤC2との間には、ケース1内の下部に貯留される潤滑油LOを掻き上げるための第1掻き上げ板53が、カウンタシャフト12と一体回転するように設けられている。1速カウンタギヤC1とリバースカウンタギヤCRとの間には、第2掻き上げ板54がカウンタシャフト12と一体回転するように設けられている。カウンタシャフト12の回転とともに第1掻き上げ板53及び第2掻き上げ板54が回転すると、潤滑油LOが掻き上げられ、飛沫(油滴)となってケース1内を飛散する。
第1掻き上げ板53は第1スペーサ51のほぼ直下に設けられている。このため、第1掻き上げ板53によって掻き上げられた潤滑油LOの大部分は第1スペーサ51に向かって飛来する。また、第2掻き上げ板54は第1スペーサ51のほぼ直下に設けられている。このため、第2掻き上げ板54によって掻き上げられた潤滑油LOの大部分は第2スペーサ52に向かって飛来する。
図2A及び図2Bは、第1スペーサ51の形状を説明するための図である。図示は省略するが、第2スペーサ52も図2A及び図2Bに示す第1スペーサ51と同様の形状を有する。ただし、第1スペーサ51と第2スペーサ52とは完全に同じ形状でなくてもよく、例えば外径等が異なっていてもよい。
図2Aは、第1スペーサ51の斜視図である。図2Aに示すように、第1スペーサ51は、中空の円板形状に形成された本体部511と、溝部512と、テーパー部513と、を有する。第1スペーサ51がトランスミッション100に取り付けられた状態では、本体部511の中空部511Hを通るようにアウトプットシャフト11が配置される。溝部512及びテーパー部513は、第1スペーサ51の回転軸方向(すなわちアウトプットシャフト11の軸方向)に垂直な両側面に設けられている。
溝部512は、第1スペーサ51がトランスミッション100に取り付けられた状態で、第1掻き上げ板53によって掻き上げられた潤滑油LOを、第1スペーサ51に隣接して設けられるメインギヤのニードルベアリングNBに誘導する誘導路を構成する。溝部512により構成される誘導路は、第1スペーサ51の回転軸方向に垂直な側面において、第1掻き上げ板53によって掻き上げられた潤滑油LOの飛沫の軌跡を包含する形状に形成される。特に、溝部512の形状は、第1スペーサ51の回転軸方向に垂直な側面において、第1掻き上げ板53によって掻き上げられた潤滑油LOの飛沫が、第1スペーサ51の本体部511に接触しないように溝部512を通過することができるように設計されている。このような溝部512の形状の設計方法については、後述する。
テーパー部513は、溝部512の一部であって、第1スペーサ51の回転軸中心方向に近づくにつれて、溝部512の溝底面から回転軸に平行な方向に向かって高くなるようなテーパー形状に形成された部位である。このような形状により、溝部512を通過してきた潤滑油LOの飛沫が、テーパー部513に突き当たることで、アウトプットシャフト11の軸方向に沿って流れるように方向転換される。
図2Aに示す例では、第1スペーサ51において、溝部512及びテーパー部513が複数組設けられている。第1スペーサ51に設けられる溝部512及びテーパー部513の数については特に限定しない。第1スペーサ51に設けられる溝部512及びテーパー部513は1組であってもよいし、より多数であってもよい。図2Aに示す例では、それぞれ形状の異なる溝部512A及びテーパー部513Aと、溝部512B及びテーパー部513Bと、が2組ずつ設けられている。なお、本明細書では、簡単のため、それぞれ形状の異なる溝部512を溝部512A及び512B、それぞれ形状の異なるテーパー部513をテーパー部513A及び513Bと記載している。
図2Bは、第1スペーサ51の正面図である。図2Bに示すように、第1スペーサ51の回転軸方向に垂直な側面において、溝部512A及びテーパー部513A、溝部512B及びテーパー部513Bは、それぞれ異なる屈曲形状に形成されている。このような溝部512A及びテーパー部513A、溝部512B及びテーパー部513Bの形状は、上記したように、第1掻き上げ板53によって掻き上げられた潤滑油LOの飛沫(油滴)を、テーパー部513A、513Bに突き当たるまで第1スペーサ51の本体部511に接触しないように通過させることができるように設計されている。
以下、溝部512及びテーパー部513の屈曲形状の設計方法について説明する。図3Aは、第1掻き上げ板53によって掻き上げられた潤滑油LOの飛沫の軌跡を例示した図である。第1掻き上げ板53によって掻き上げられる潤滑油LOの飛沫の軌跡は、第1掻き上げ板53の接線方向に沿う直線となる。掻き上げられた潤滑油LOの飛沫のうち、アウトプットシャフト11の中心軸に到達するのは、図3Aに示すように、第1掻き上げ板53の接線方向とアウトプットシャフト11の中心軸とを結ぶ直線l1に沿って飛ぶ飛沫となる。
一方、第1スペーサ51は、アウトプットシャフト11と一体に回転している。回転する第1スペーサ51を基準とした場合の潤滑油LOの飛沫の軌跡は、図3Aに示す曲線c1のように曲線状を成す。第1掻き上げ板53によって掻き上げられた潤滑油LOの飛沫が、上記したように第1スペーサ51の溝部512を、第1スペーサ51の本体部511に接触しないように通過するためには、溝部512が曲線c1を含むような形状に形成されればよいことになる。
図3Bは、潤滑油LOの飛沫の位置の算出方法を説明するための図である。第1掻き上げ板53(カウンタシャフト12)の回転速度(角速度)をω1、第1スペーサ51(アウトプットシャフト11)の回転速度(角速度)をω2、第1掻き上げ板53の半径をr1、第1スペーサ51の半径をr2とする。この場合、第1掻き上げ板53の接線方向から飛び出した飛沫の飛行速度はr1ω1である。従って、第1スペーサ51(アウトプットシャフト11)の回転軸の中心を原点とした極座標径における、第1掻き上げ板53の接線方向から飛び出してから時間t後の飛沫の位置(r、θ)は、以下の式(1)で与えられる。
(r、θ)=(r2−r1ω1t、ω2t) (1)
これを図3Aに示す、第1スペーサ51(アウトプットシャフト11)の回転軸の中心を原点としたxy座標系に変換すると、第1掻き上げ板53の接線方向から飛び出してから時間t後の飛沫の位置(x、y)は、以下の式(2)で与えられる。
(x、y)=((r2−r1ω1t)*cos(ω2t)、(r2−r1ω1t)*sin(ω2t)) (2)
式(2)により、アウトプットシャフト11の軸方向に垂直な平面における、回転する第1スペーサ51を基準とした潤滑油LOの飛沫の軌跡を示す曲線c1を算出することができる。なお、ω1とω2との比は、選択されているメインギヤとカウンタギヤとのギヤ比によって決まる。
溝部512により構成される潤滑油LOの誘導路は、図2Bに示す第1スペーサ51の回転軸に垂直な側面において、曲線c1を包含する形状に形成される。このような形状により、第1掻き上げ板53によって掻き上げられた潤滑油LOの飛沫(油滴)が、テーパー部513に突き当たるまで第1スペーサ51の本体部511に接触しないように誘導路を通過する。なお、潤滑油LOの飛沫が溝部512の壁面に接触しないように余裕を設けるため、また溝部512の加工を簡単にするため、溝部512の形状は、曲線c1を包含する形状であればよく、例えば曲線c1を包含する長方形等であってもよい。ただし、第1スペーサ51の側面全体の面積における溝部512の専有面積が大きくなると第1スペーサ51の強度が低下するので、溝部512の形状は余裕の大きさ、加工の容易さ、及び強度のバランスを考慮した形状に決定されることが望ましい。
なお、式(1)及び式(2)に示すように、第1スペーサ51(アウトプットシャフト11)の回転速度ω2や第1掻き上げ板53(カウンタシャフト12)の回転速度ω1が変化すれば、曲線c1の形状も変化する。図2Bに示す溝部512A、512B及びテーパー部513A、513Bの形状の相違は、このような回転速度の相違に対応するためのものである。屈曲の度合いが比較的大きい溝部512A及びテーパー部513Aは、高速段(例えば4速)が選択されている場合の潤滑油LOの飛沫の軌跡を想定したものである。一方、屈曲の度合いが比較的小さい溝部512B及びテーパー部513Bは、低速段が選択されている場合の潤滑油LOの飛沫の軌跡を想定したものである。
このように、第1スペーサ51にそれぞれ形状が異なる複数の誘導路が設けられていることにより、選択されているメインギヤとカウンタギヤとのギヤ比に応じた形状の誘導路を用いて潤滑油LOが誘導される。なお、図2A及び図2Bでは、第1スペーサ51に設けられる誘導路の形状を2種類としたが、本開示はこれに限定されない。例えば各メインギヤと対応するカウンタギヤとのギヤ比に合わせてあらかじめ異なる形状の誘導路を設けておけば、どのメインギヤが選択されている場合でも好適にニードルベアリングを潤滑することができる。
なお、潤滑油LOによる潤滑は、アウトプットシャフト11と相対回転するメインギヤのニードルベアリングNBに対して行われ、選択されアウトプットシャフト11と一体に回転するメインギヤのニードルベアリングNBに対しては潤滑の必要がない。このため、あるメインギヤに対応する第1スペーサ51または第2スペーサ52に設けられた誘導路の形状は、そのメインギヤ以外のメインギヤが選択された場合のギヤ比に基づいて設計されればよい。例えば第2スペーサ52の1速メインギヤM1側に設けられた誘導路の形状は、1速以外のメインギヤが選択された場合を想定して設計されればよい。第1スペーサ51及び第2スペーサ52の他の誘導路の形状についても同様である。
次に、潤滑油LOの飛沫が第1スペーサ51の誘導路において、溝部512を通過してテーパー部513に突き当たった後における、潤滑油LOの流れについて説明する。図4は、テーパー部513に突き当たった後の潤滑油LOの流れの一例を示す図である。図4は、図1の点線で囲まれた領域R1の部分拡大図である。
図4に示す矢印Dは、第1掻き上げ板53によって掻き上げられた潤滑油LOの飛沫の流れを示す。矢印Dに示すように、溝部512を通過した潤滑油LOは、テーパー部513に突き当たってアウトプットシャフト11の軸方向に方向転換される。
テーパー部513に隣接するように、3速メインギヤM3とアウトプットシャフト11とを接続するニードルベアリングNBが配置されている。このため、テーパー部513により方向転換された潤滑油LOは、このニードルベアリングNBを潤滑するように、メインギヤM3とアウトプットシャフト11との間を流れる。
図4に示すように、3速メインギヤM3の内周面の第1スペーサ51側には、突起M3Tが設けられている。この突起M3Tは、第1スペーサ51側から流れ込んだ潤滑油LOが第1スペーサ51側へ逆流することを防止するために設けられている。
図4の矢印Dに示すように、ニードルベアリングNBを潤滑した潤滑油LOは、3速メインギヤM3の他方側から3速ドグギヤ23及びシンクロナイザリングSRの隙間を通って流れ落ちる。これにより、潤滑油LOはケース1(図1参照)の下部に戻る。
以上のような構成により、アウトプットシャフト11と3速メインギヤM3との間に設けられたニードルベアリングNBを好適に潤滑することができる。なお、図4では3速メインギヤM3のニードルベアリングNBが潤滑される様子について詳細に説明したが、本実施の形態では、他のメインギヤのニードルベアリングNBも図4と同様に好適に潤滑される。具体的には、第1スペーサ51の3速メインギヤM3側に設けられた誘導路(溝部512及びテーパー部513)によって、3速メインギヤM3のニードルベアリングNBが好適に潤滑される。第1スペーサ51の2速メインギヤM2側に設けられた誘導路(溝部512及びテーパー部513)によって、2速メインギヤM2のニードルベアリングNBが好適に潤滑される。同様に、第2スペーサ52の1速メインギヤM1側に設けられた誘導路(溝部522及びテーパー部523(図1参照))によって、1速メインギヤM1のニードルベアリングNBが好適に潤滑される。第2スペーサ52のリバースメインギヤMR側に設けられた誘導路(溝部522及びテーパー部523)によって、リバースメインギヤMRのニードルベアリングNBが好適に潤滑される。
<第2の実施の形態>
次に、本開示の第2の実施の形態に係るトランスミッション200について説明する。図5は、第2の実施の形態に係るトランスミッション200の構成の一例を示す図である。以下の説明において、上記第1の実施の形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略することがある。
図5に示すように、第2の実施の形態に係るトランスミッション200では、カウンタシャフト12の図中矢印B方向における端部付近に掻き上げ板61が設けられている。そして、アウトプットシャフト11には、図中矢印B方向における端部付近に導入孔111が設けられる。アウトプットシャフト11の中心軸に沿って中心孔113が設けられる。中心孔113の一端に導入孔111が接続されている。そして、中心孔113からニードルベアリングNBに対応する位置に向かって排出孔114が設けられている。
掻き上げ板61は、上記説明した第1の実施の形態の第1掻き上げ板53及び第2掻き上げ板54と同様に、ケース1内の下部に貯留される潤滑油LOを掻き上げるための構成である。掻き上げ板61は、カウンタシャフト12と一体回転するように設けられている。図5に示すように、掻き上げ板61は、アウトプットシャフト11の導入孔111のほぼ直下に設けられている。
導入孔111は、アウトプットシャフト11の周方向における一部に設けられている。アウトプットシャフト11に設けられる導入孔111の数については特に限定されない。導入孔111は1つだけ設けられていてもよいし、複数設けられていてもよい。
掻き上げ板61によって掻き上げられた潤滑油LOの飛沫は、導入孔111からアウトプットシャフト11の内部に導入される。導入孔111から導入された潤滑油LOは、導入孔111の末端部112において、アウトプットシャフト11の軸方向に沿って形成される中心孔113に流れるように方向転換される。末端部112は、図5の図中矢印A方向からB方向へ向かうにつれて先が細くなるほぼ直円錐形の側面の形状に形成されており、導入孔111に飛び込んできた潤滑油LOを好適に方向転換できるように構成されている。
中心孔113は、アウトプットシャフト11の軸方向に沿ってアウトプットシャフト11の中心軸に設けられた孔である。中心孔113には、各メインギヤのニードルベアリングNBに対応する位置に、排出孔114が設けられている。導入孔111からアウトプットシャフト11の内部に導入された潤滑油LOは、末端部112で方向を転換された後中心孔113に沿って流れ、各排出孔114から排出される。これにより、各メインギヤのニードルベアリングNBが潤滑される。
図6は、導入孔111、その末端部112、及び中心孔113の一部について説明するための図である。図6は、図5の点線で囲まれた領域R2の部分拡大断面図である。
図6に示すように、末端部112は直円錐の側面形状に形成されているため、導入孔111から導入された潤滑油LOが末端部112に突き当たると、アウトプットシャフト11の軸方向へ方向転換される。なお、末端部112を構成する直円錐の側面形状は、導入孔111から導入された潤滑油LOが好適に軸方向へ方向転換されるように、直円錐の断面において側面が潤滑油LOの飛来方向に対してほぼ45°の角度をなすように形成されていることが望ましい。
また、末端部112は、末端部112を構成する直円錐の底面部の直径(換言すれば末端部112の底面に平行な直径の最大値)は、中心孔113の末端部112と接続された箇所における直径より小さくなるように形成されている。このような構成により、導入孔111から導入された潤滑油LOが末端部112により方向転換されて中心孔113に流れ込んだ後、中心孔113から末端部112へ逆流する事態を防止することができる。
図7は、図6に示すD−D線における断面図である。換言すれば、図7は、アウトプットシャフト11の軸方向に垂直な断面図である。図7に示すように、アウトプットシャフト11の軸方向に垂直な平面における導入孔111の形状は、上記説明した第1の実施の形態の溝部512、522及びテーパー部513、523により構成される誘導路と同様に、屈曲した形状を有する。このような形状は、上記第1の実施の形態と同様に、掻き上げ板61によって掻き上げられ飛来する潤滑油LOの飛沫を、導入孔111の壁面に接触させずにアウトプットシャフト11の中心軸(末端部112)まで到達させるための形状である。
アウトプットシャフト11の軸方向に垂直な平面における導入孔111の形状は、図3Bを用いて説明した、潤滑油LOの飛沫の位置の算出方法と同様の方法を用いて決定することができる。具体的には、アウトプットシャフト11の軸方向に垂直な平面における、軸を原点としたxy平面上の潤滑油LOの飛沫の位置(x、y)は、以下の式(3)で与えられる。
(x、y)=((r4−r3ω1t)*cos(ω2t)、(r4−r3ω1t)*sin(ω2t)) (3)
ただし、ω1は掻き上げ板61(カウンタシャフト12)の回転速度(角速度)、ω2はアウトプットシャフト11の回転速度、r3は掻き上げ板61の半径、r4はアウトプットシャフト11の半径である。
式(3)により、アウトプットシャフト11の軸方向に垂直な平面における、回転するアウトプットシャフト11を基準とした潤滑油LOの飛沫の軌跡を示す曲線c2を算出することができる。なお、ω1とω2との比は、選択されているメインギヤと対応するカウンタギヤとのギヤ比によって決まる。
アウトプットシャフト11の軸方向に垂直な平面における導入孔111は、曲線c2を包含する形状に形成される。このような形状により、第1掻き上げ板53によって掻き上げられた潤滑油LOの飛沫(油滴)を、末端部112に突き当たるまで導入孔111の壁面に接触しないように導入孔111内を通過させることができる。
以上のような構成により、アウトプットシャフト11と各メインギヤとの間に設けられたニードルベアリングNBを好適に潤滑することができる。なお、図7ではアウトプットシャフト11に設けられる導入孔111が1つのみの場合を図示したが、本開示はこれに限定されない。例えばトランスミッション200の有する各メインギヤと対応するカウンタギヤとのギヤ比に合わせてあらかじめ異なる形状の導入孔111を設けておいてもよい。このような場合、どのメインギヤが選択されている場合でも好適にニードルベアリングを潤滑することができる。
<第3の実施の形態>
次に、本開示の第3の実施の形態に係るトランスミッション300について説明する。図8は、第3の実施の形態に係るトランスミッション300の構成の一例を示す図である。以下の説明において、上記第1の実施の形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略することがある。
図8に示すように、第3の実施の形態に係るトランスミッション300では、各メインギヤに導入孔301が設けられている。また、図9は、メインギヤMGの軸方向に垂直な断面図である。なお、本第3の実施の形態において、1速メインギヤM1、2速メインギヤM2、3速メインギヤM3、リバースメインギヤMRを総称してメインギヤMGと記載する。図9では、メインギヤMGの歯を省略して図示している。図9では図示を省略するが、メインギヤMGの中心部に設けられた穴MGHには、図8に示すようにニードルベアリングNBを介してアウトプットシャフト11が通される。図9に示すように、導入孔301は、メインギヤMGの外周面から、内周面(ニードルベアリングNBを介してアウトプットシャフト11と接する側の面)まで形成されている。なお、導入孔301は、メインギヤMGの外周面において、例えば歯と歯の間に形成されていてもよいし、歯の先端部に形成されていてもよい。
メインギヤMGの軸方向に垂直な断面における導入孔301の形状は、上記説明した第1の実施の形態の溝部512、及び第2の実施の形態の導入孔111と同様に、屈曲した形状を有する。このような形状は、メインギヤMGに対応するカウンタギヤCGによって掻き上げられ飛来する潤滑油LOを、導入孔301の壁面に接触させずに、アウトプットシャフト11とメインギヤMGとの間に設けられたニードルベアリングNBまで到達させるための形状である。なお、本第3の実施の形態において、1速カウンタギヤC1、2速カウンタギヤC2、3速カウンタギヤC3、リバースカウンタギヤCRを総称してカウンタギヤCGと記載する。
メインギヤMGの軸方向に垂直な平面における導入孔301の形状は、図3Bを用いて説明した、潤滑油LOの飛沫の位置の算出方法と同様の方法を用いて決定することができる。具体的には、メインギヤMGの軸方向に垂直な平面における、軸を原点としたxy平面上の潤滑油LOの飛沫の位置(x、y)は、以下の式(4)で与えられる。
(x、y)=((r6−r5ω1t)*cos(ω2t)、(r6−r5ω1t)*sin(ω2t)) (4)
ただし、ω1は対応するカウンタギヤCG(カウンタシャフト12)の回転速度(角速度)、ω2はメインギヤMG(アウトプットシャフト11)の回転速度、r5は対応するカウンタギヤCGの半径、r6はメインギヤMGの半径である。
式(4)により、メインギヤMGの軸方向に垂直な平面における、回転するアウトプットシャフト11を基準とした潤滑油LOの飛沫の軌跡を示す曲線c3を算出することができる。なお、ω1とω2との比は、選択されているメインギヤMGと対応するカウンタギヤCGとのギヤ比によって決まる。
メインギヤMGの軸方向に垂直な平面における導入孔301は、曲線c3を包含する形状に形成される。このような形状により、対応するカウンタギヤCGによって掻き上げられた潤滑油LOの飛沫(油滴)を、導入孔301の壁面に接触しないように導入孔301内を通過させることができる。
以上のような構成により、アウトプットシャフト11と各メインギヤMGとの間に設けられたニードルベアリングNBを好適に潤滑することができる。従って、アウトプットシャフト11と相対回転する各メインギヤの焼き付きが効果的に防止される。
<作用・効果>
本開示の第1から第3の実施の形態に係るトランスミッション100、200、300は、カウンタシャフト12と一体に回転し、潤滑油を掻き上げる第1回転体と、アウトプットシャフト11と、アウトプットシャフト11に相対回転可能に取り付けられた各メインギヤとの間に設けられたニードルベアリングNBに向けて潤滑油を誘導する誘導部材と、を備え、誘導部材は、アウトプットシャフト11の回転時において、アウトプットシャフト11の軸方向に垂直な平面における、第1回転体によって掻き上げられた潤滑油の飛沫の軌跡を包含する形状の誘導路を有する。
第1の実施の形態に係るトランスミッション100において、誘導部材は、アウトプットシャフト11と一体に回転し、かつメインギヤに隣接して設けられる第1スペーサ51または第2スペーサ52である。また、第1回転体は、各メインギヤに対応するカウンタギヤに隣接して設けられる第1掻き上げ板53または第2掻き上げ板54である。
第1の実施の形態に係るトランスミッション100によれば、誘導路は、第1スペーサ51または第2スペーサ52の回転軸方向に垂直な側面に形成された溝部512、522によって構成される、また、溝部512、522には、第1スペーサ51、第2スペーサ52の回転軸方向に垂直な側面における、溝部512、522より回転軸に近い部位に、回転軸に近づくにつれて溝部512、522の溝底面から回転軸に平行な方向に向かって高くなるテーパー形状に形成されたテーパー部513、523が設けられている。
さらに、第1の実施の形態に係るトランスミッション100によれば、各メインギヤの内周面に、誘導路を介して供給された潤滑油を誘導路側へ逆流させないための突起が設けられている。
このような構成により、第1掻き上げ板53または第2掻き上げ板54によって掻き上げられた潤滑油LOが、好適に溝部512、522及びテーパー部513、523を通過してニードルベアリングNBに供給される。従って、オイルポンプ等を用いてケース1の下部に貯留された潤滑油LOをニードルベアリングNBまで強制的に循環させる強制潤滑構造と比較して、オイルポンプの設置スペースを省略できるためトランスミッション100の小型化が可能となる。また、オイルポンプの駆動損失がなくなるため効率よく潤滑することができる。さらに、オイルポンプを用いるよりトランスミッション100の構造を簡単にできるので、製造コストが低下し、信頼性を向上させることができる。
また、このような構成により、テーパー部513、523からニードルベアリングNB側へ流れ込んだ潤滑油LOがテーパー部513、523側へ逆流してしまう事態を防止できる。
第2の実施の形態に係るトランスミッション200によれば、誘導部材は、アウトプットシャフト11の中心軸に沿って設けられた中心孔113、中心孔113からニードルベアリングNBに向かって設けられた排出孔114、及び第1回転体によって掻き上げられた潤滑油を中心孔113へ導入する導入孔111によって構成される。また、第1回転体は、導入孔111のほぼ直下に設けられた掻き上げ板61である。
さらに、第1の実施の形態に係るトランスミッション100によれば、導入孔111の中心部側末端である末端部112は、アウトプットシャフト11の軸方向に垂直な底面を有する直円錐の側面形状を備える。
このような構成により、掻き上げ板61によって掻き上げられた潤滑油LOが、好適に導入孔111、中心孔113、及び排出孔114を通過してニードルベアリングNBに供給される。従って、オイルポンプ等を用いてケース1の下部に貯留された潤滑油LOをニードルベアリングNBまで強制的に循環させる強制潤滑構造と比較して、オイルポンプの設置スペースを省略できるためトランスミッション200の小型化が可能となる。また、オイルポンプの駆動損失がなくなるため効率よく潤滑することができる。さらに、オイルポンプを用いるよりトランスミッション200の構造を簡単にできるので、製造コストが低下し、信頼性を向上させることができる。
また、このような構成により、導入孔111から中心孔113側へ流れ込んだ潤滑油LOが導入孔111側へ逆流する事態を防止できる。
第3の実施の形態に係るトランスミッション300によれば、誘導部材は、各メインギヤMGである。そして、誘導路は、メインギヤMGの外周面から内周面まで貫通するように設けられた導入孔301である。さらに、第1回転体は、メインギヤMGに対応するカウンタギヤCGである。
このような構成により、カウンタギヤCGによって掻き上げられた潤滑油LOが、好適に導入孔301を通過してニードルベアリングNBに供給される。従って、オイルポンプ等を用いてケース1の下部に貯留された潤滑油LOをニードルベアリングNBまで強制的に循環させる強制潤滑構造と比較して、オイルポンプの設置スペースを省略できるためトランスミッション300の小型化が可能となる。また、オイルポンプの駆動損失がなくなるため効率よく潤滑することができる。さらに、オイルポンプを用いるよりトランスミッション300の構造を簡単にできるので、製造コストが低下し、信頼性を向上させることができる。
また、第1から第3の実施の形態に係るトランスミッション100、200、300において、誘導部材は、互いに形状の異なる誘導路を複数有する。このような構成により、誘導部材に例えば各メインギヤと対応するカウンタギヤとのギヤ比に合わせてあらかじめ異なる形状の誘導路が設けられている場合、どのメインギヤが選択されている場合でも好適にニードルベアリングを潤滑することができる。
以上、図面を参照しながら本開示に係る実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素は任意に組み合わせてられてもよい。
本開示は、トランスミッションのアウトプットシャフトとメインギヤとの間に設けられたニードルベアリングを潤滑する潤滑構造に有用である。
100,200,300 トランスミッション
1 ケース
10 インプットシャフト
11 アウトプットシャフト
12 カウンタシャフト
13 インプットメインギヤ
14 インプットカウンタギヤ
20 第1シンクロ機構
21 第1ハブ
22 インプットドグギヤ
23 3速ドグギヤ
24 第1スリーブ
30 第2シンクロ機構
31 第2ハブ
32 2速ドグギヤ
33 1速ドグギヤ
34 第2スリーブ
40 第3シンクロ機構
41 第3ハブ
42 リバースドグギヤ
43 第3スリーブ
M1 1速メインギヤ
M2 2速メインギヤ
M3 3速メインギヤ
M3T 突起
MR リバースメインギヤ
MG メインギヤ
MGH 穴
C1 1速カウンタギヤ
C2 2速カウンタギヤ
C3 3速カウンタギヤ
CR リバースカウンタギヤ
SR シンクロナイザリング
NB ニードルベアリング
LO 潤滑油
51 第1スペーサ
511 本体部
511H 中空部
512,512A,512B 溝部
513,513A,513B テーパー部
52 第2スペーサ
522 溝部
523 テーパー部
53 第1掻き上げ板
54 第2掻き上げ板
111 導入孔
112 末端部
113 中心孔
114 排出孔
61 掻き上げ板
301 導入孔

Claims (8)

  1. カウンタシャフトと一体に回転し、潤滑油を掻き上げる第1回転体と、
    アウトプットシャフトと、前記アウトプットシャフトに相対回転可能に取り付けられたギヤとの間に設けられたベアリングに向けて潤滑油を誘導する誘導部材と、
    を備え、
    前記誘導部材は、前記アウトプットシャフトの回転時において、前記アウトプットシャフトの軸方向に垂直な平面における、前記第1回転体によって掻き上げられた潤滑油の飛沫を包含する形状の誘導路を有する、
    トランスミッションの潤滑構造。
  2. 前記誘導部材は、互いに形状の異なる誘導路を複数有する、
    請求項1に記載のトランスミッションの潤滑構造。
  3. 前記誘導部材は、前記アウトプットシャフトと一体に回転し、かつ前記ギヤに隣接して設けられるスペーサである、
    請求項1または2に記載のトランスミッションの潤滑構造。
  4. 前記第1回転体は、前記ギヤに対応するカウンタギヤに隣接して設けられる掻き上げ板である、
    請求項3に記載のトランスミッションの潤滑構造。
  5. 前記誘導路は、前記スペーサの回転軸方向に垂直な側面に形成された溝部によって構成される、
    請求項3または4に記載のトランスミッションの潤滑構造。
  6. 前記溝部には、前記スペーサの前記回転軸方向に垂直な側面における、前記溝部より前記回転軸に近い部位に、前記回転軸に近づくにつれて前記溝部の溝底面から回転軸に平行な方向に向かって高くなるテーパー形状に形成されたテーパー部が設けられている、
    請求項5に記載のトランスミッションの潤滑構造。
  7. 前記ギヤの内周面に、前記誘導路を介して供給された前記潤滑油を前記誘導路側へ逆流させないための突起が設けられている、
    請求項1から6のいずれか一項に記載のトランスミッションの潤滑構造。
  8. 前記誘導部材は、前記アウトプットシャフト又は前記ギヤである、
    請求項1または2に記載のトランスミッションの潤滑構造。
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