JP2020019829A - ガドリニウム酸硫化物焼結体、並びにガドリニウム酸硫化物焼結体を含むシンチレータ、シンチレータアレイ、放射線検出器、及び放射線検査装置 - Google Patents

ガドリニウム酸硫化物焼結体、並びにガドリニウム酸硫化物焼結体を含むシンチレータ、シンチレータアレイ、放射線検出器、及び放射線検査装置 Download PDF

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【課題】20msの残光が短く、優れた光出力を有するガドリニウム酸硫化物焼結体、並びにガドリニウム酸硫化物焼結体を含むシンチレータ、シンチレータアレイ、放射線検出器、及び放射線検査装置を提供する。【解決手段】20K/分の昇温速度で熱ルミネッセンス強度を測定した時、熱ルミネッセンススペクトルの210K±1Kの熱ルミネッセンス強度(TL210)に対する239K±1Kの熱ルミネッセンス強度(TL239)の比(TL239/TL210)が、0.50以上1.60以下であるガドリニウム酸硫化物焼結体。【選択図】図1

Description

本発明は、ガドリニウム酸硫化物焼結体、並びにガドリニウム酸硫化物焼結体を含むシンチレータ、シンチレータアレイ、放射線検出器、及び放射線検査装置に存する。
医療診断や工業用非破壊検査を目的として、X線透過撮影による画像診断やX線CT(Computed Tomography)撮影による画像診断が利用されている。これらの画像診断装置では、X線を可視光に変換するために、プラセオジム賦活の酸硫化ガドリニウム(Gd22S:Pr)(以下、GOS:Prとも称する)等の希土類酸硫化物の焼結体からなるセラミックシンチレータが用いられている。
これらX線の診断画像の解像度は、シンチレータアレイが具備する各セラミックシンチレータを小型化することで向上するが、一方でX線に対する感度が低下するといった課題があった。一般に、残光を低減するためにCeが共賦活されるが、その吸収端はGd22S:Prの発光波長と重なるため、残光と光出力には逆相関の関係が存在する。一般非破壊検査用途および医療用途においては測定時間の短縮が課題であり、残光が長い場合は画像へのアーチファクトが出現し、正確な判断に影響を与える。残光を低減する手段としては、例えば、特許文献1に示されるように、熱ルミネッセンス強度を測定したとき、グロ―曲線の140K±10Kのピ―クに対する270±20Kのピ―ク比が0.01以下であり、かつ410K±20Kの熱ルミネッセンスを分解能2nmで測定したときの発光スペクトルにおいて、波長512±3nmのピ―ク強度に対する波長630±3nmのピ―ク強度が1以下であるGd22S:Pr焼結体を用いることや、特許文献2に示されるように、焼結体の体色を特定の範囲とした、Gd22S:Prを用いることが知られている。
特許文献1及び2では、目的のGd22S:Pr焼結体を得るために、Gd22S:Pr焼結体のアニール条件を調整しており、特許文献1ではGd22S:Pr焼結体を窒素雰囲気でアニールすること、特許文献2ではGd22S:Pr焼結体をアルミナ性の容器に収納し、その容器の周囲にGd22S粉末を配置した状態でアニールすることが開示されている。
特開平7−238281号 特開2002−275465号
しかしながら、特許文献1及び2では、X線検出器の励起停止後100msにおける残光強度が数十ppmのセラミックシンチレータを得ることができるが、光出力は不十分であった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、20msでの残光が十分に低減されかつ優れた光出力を有するガドリニウム酸硫化物焼結体を提供することを目的とする。
本発明者等は鋭意検討を行った結果、特定の熱ルミネッセンス強度を有するガドリニウム酸硫化物焼結体を用いることで、上記課題を解決しうることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は20K/分の昇温速度で熱ルミネッセンス強度を測定した時、熱ルミネッセンススペクトルの210K±1Kの熱ルミネッセンス強度(TL210)に対する239K±1Kの熱ルミネッセンス強度(TL239)の比(TL239/TL210)が、0.50以上1.60以下であるガドリニウム酸硫化物焼結体を含む。
また、前記のガドリニウム酸硫化物焼結体を含むシンチレータを含み、前記のシンチレータを含むシンチレータアレイを含み、前記のシンチレータ又は前記のシンチレータアレイを含む放射線検出器を含み、また、前記の放射線検出器を備えた、放射線検査装置を含む。
本発明により、20msでの残光が十分に低減されかつ優れた光出力を有するガドリニウム酸硫化物焼結体を提供することが可能になる。
実施例1、2及び比較例1のガドリニウム酸硫化物焼結体の熱ルミネッセンススペクトルを示す。
以下、本発明について実施形態や例示物を示して説明するが、本発明は以下の実施形態や例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
<ガドリニウム酸硫化物焼結体>
本発明のガドリニウム酸硫化物焼結体は、20K/分の昇温速度で熱ルミネッセンス強度を測定した時、熱ルミネッセンススペクトルの210K±1Kの熱ルミネッセンス強度(TL210)に対する239K±1Kの熱ルミネッセンス強度(TL239)の比(TL239/TL210)が、0.50以上1.60以下である。
(ガドリニウム酸硫化物焼結体の熱ルミネッセンス強度)
ガドリニウム酸硫化物焼結体は、20K/分の昇温速度で熱ルミネッセンス強度を測定した時、熱ルミネッセンススペクトルの210K±1Kの熱ルミネッセンス強度(TL210)に対する239K±1Kの熱ルミネッセンス強度(TL239)の比(TL239/TL210)が0.50以上であり、好ましくは0.52以上、より好ましくは0.54以上、更に好ましくは0.58以上、特に好ましくは0.60以上、最も好ましくは0.70以上であり、1.60以下、好ましくは1.50以下、より好ましくは1.40以下、更に好ましくは1.30以下、特に好ましくは1.20以下、最も好ましくは1.10以下である。TL239/TL210が大きすぎる場合、十分な光出力が得られない場合がある。また、TL239/TL210が低すぎる場合、十分に残光が低減されず、十分な光出力が得られない場合がある。
ガドリニウム酸硫化物焼結体のTL239/TL210を上記範囲とする方法としては、例えば散乱を抑制するため十分な密度を得られる条件で焼結することや欠陥密度を低減する条件でアニールすること、プラセオジム、テルビウムまたはセリウムを含むこと、などの方法があげられる。
なお、ガドリニウム酸硫化物焼結体の熱ルミネッセンスは浜松ホトニクス社製の光電子増倍管(R456)によって検出できる。測定条件は試料を100Kまで冷却し、Hgランプを5分照射し、照射終了後2分経過した後、20K/分の昇温速度で昇温する。なお熱ルミネッセンスのデータ収集間隔は、0.5K〜2.0K間隔で行うことが好ましい。
本発明のガドリニウム酸硫化物焼結体は、20K/分の昇温速度で熱ルミネッセンス強度を測定した時、熱ルミネッセンススペクトルの100〜180Kの範囲に存在する波形のピーク数が通常5つ以下であり、3つ以下であることが好ましく、結晶性がより高く光出力が優れる点から2つ以下であることが特に好ましく、通常1つ以上である。
ここで波形のピークとは断続するデータポイントをスムージングして結んで得られる曲線において極大を示すものをいう。なお、熱ルミネッセンススペクトルはスペクトル分解を行っていないものを用いればよい。
(ガドリニウム酸硫化物焼結体の構成元素)
ガドリニウム酸硫化物焼結体は、Gd22Sの基本構造からなるものであり、プラセオジム(Pr)、テルビウム(Tb)及びセリウム(Ce)からなる群から選択される1種以上の元素を含有することが好ましく、中でも残光特性を向上させる点から、プラセオジム(Pr)がより好ましい。
ガドリニウム酸硫化物焼結体中の賦活剤の含有量としては特に限定されないが、Gd22Sに対して、通常100wtppm以上、好ましくは200wtppm以上、より好ましくは300wtppm以上、更に好ましくは500wtppm以上、通常2000wtppm以下、好ましくは1500wtppm以下、より好ましくは1300wtppm以下、更に好ましくは1000wtppm以下である。
上記範囲内であれば、残光を低減でき、光出力を高めることができる。
ガドリニウム酸硫化物焼結体は、プラセオジム、テルビウム、セリウム以外にも、その他のランタノイドを含有してもよい。また、本発明の効果を奏する範囲でフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン元素を含有していてもよい。
(ガドリニウム酸硫化物焼結体の密度)
ガドリニウム酸硫化物焼結体は、密度が通常99.0%以上、好ましくは99.2%以上、より好ましくは99.4%以上、更に好ましくは99.5%以上、特に好ましくは99.6%以上である。
密度が上記範囲であれば、ボイドによる散乱が抑制され焼結体内での吸収が低減されるため好ましい。
ガドリニウム酸硫化物焼結体の密度を高くする方法としては、例えば適切な焼結助剤の使用などの方法があげられる。
なお、ガドリニウム酸硫化物焼結体の密度は、島津製作所社製分析天びんAUW220Dと比重測定キットSMK−401を用いて、6mm×6mm×3mm厚の焼結体を4回測定し2〜4回目を平均して算出できる。
<ガドリニウム酸硫化物焼結体の製造方法>
ガドリニウム酸硫化物焼結体の製造方法は特に制限されないが、好ましくは、ガドリニウム酸硫化物蛍光体粉末を焼結させて、前記ガドリニウム酸硫化物の焼結体を作製する焼結工程と、前記工程で得られた焼結体を、ガドリニウム酸硫化物と接触させた状態で、900℃以上1100℃以下で熱処理するアニール工程と、を含む方法が例示される。
(焼結工程)
焼結工程は、ガドリニウム酸硫化物蛍光体粉末(例えばGOS:Pr)を焼結させて、前記ガドリニウム酸硫化物の焼結体を作製する工程である。
原料に用いるガドリニウム酸硫化物蛍光体粉末は、Pr、Tb及びCeからなる群から選択される1種以上を賦活剤として含むものであれば特に制限されず、市販のものでもよいし、特開平03−192187号公報や特開平9−63122号公報等に記載のものを用いてもよい。
また、GOS:Pr以外にも、更にセリウム(Ce)を含有したGOS:Pr,Ceや、テルビウム(Tb)を含有したGOS:Tb、セリウム(Ce)を含有したGOS:Ce等を、単独または混合して使用することができる。
原料に用いるガドリニウム酸硫化物蛍光体粉末の体積基準の平均粒子径は、通常0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.0μm以上、更に好ましくは1.5μm以上、特に好ましくは2.5μm以上、また通常30μm以下、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、更に好ましくは10μm以下である。
上記範囲内であると、焼結後のボイドが低減される点で好ましい。
次に、上記したガドリニウム酸硫化物蛍光体粉末を焼結して、セラミックシンチレータの構成材料となるガドリニウム酸硫化物の焼結体を作製する。ガドリニウム酸硫化物蛍光体粉末を焼結するにあたっては、ホットプレスやHIPなどの公知の焼結法(特開2002−275465号公報や国際公開第2016/047139号等参照)、反応焼結などを適用することができるが、特に高密度のガドリニウム酸硫化物焼結体を容易に得ることが可能であることから、HIP法を適用して焼結工程を実施することが好ましい。
HIP法を適用した焼結工程は、まずガドリニウム酸硫化物蛍光体粉末を適当な形に成型した後、金属容器などに充填封入してHIP処理を施すことにより実施する。
HIPの温度は、通常2000℃以下、好ましくは1800℃以下、より好ましくは1600℃以下、更に好ましくは1500℃以下、特に好ましくは1400℃以下であり、一方通常800℃以上、好ましくは900℃以上、より好ましくは950℃以上、更に好ましくは1000℃以上、特に好ましくは1050℃以上である。
HIPの圧力は通常200MPa以下、好ましくは180MPa以下、より好ましくは160MPa以下、更に好ましくは150MPa以下、特に好ましくは140MPa以下であり、一方通常50MPa以上、好ましくは60MPa以上、より好ましくは70MPa以上、更に好ましくは80MPa以上、特に好ましくは90MPa以上である。
HIPの時間は通常48時間以下、好ましくは36時間以下、より好ましくは24時間以下、更に好ましくは12時間以下、特に好ましくは10時間以下であり、一方通常0.5時間以上、好ましくは0.8時間以上、より好ましくは。1時間以上、更に好ましくは1.5時間以上、特に好ましくは2時間以上である。
典型的には上記条件でHIP処理を行うことによって、ガドリニウム酸硫化物焼結体が得られる。
なお、焼結工程では、前処理工程(洗浄、乾燥、真空脱気などを行う工程)、後処理工程(洗浄、乾燥などを行う工程)等を任意に含んでいてもよい。
(アニール工程)
アニール工程は、上記焼結工程で得られたガドリニウム酸硫化物焼結体を、900℃以上1150℃以下で熱処理する工程である。
ガドリニウム酸硫化物焼結体の表面に硫酸塩ができないように、アニール工程の温度、時間、雰囲気を調整することで、特定の光透過率を有するガドリニウム酸硫化物焼結体を得ることが可能となる。
アニール工程前にガドリニウム酸硫化物焼結体をブレードソーやワイヤーソーなどにより所望の形状および寸法に切り出しておくことが好ましい。
アニール工程は、ガドリニウム酸硫化物と接触させた状態で、アルゴンガス、窒素等の不活性ガス雰囲気に酸素を含ませることでガドリニウム酸硫化物から発生するSOxガス濃度を調整することが好ましい。
アニール工程中のSOxガス濃度としては、通常100ppm以上、好ましくは500ppm以上、より好ましくは1000ppm以上、さらに好ましくは2500ppm以上、特に好ましくは4000ppm以上であり、通常100000ppm以下、好ましくは50000ppm以下、さらに好ましくは10000ppm以下、特に好ましくは7000ppm以下である。
上記範囲であれば、残光が低減され、十分な光出力が得られる。
不活性ガスの流量としては特段限定されないが、0.1L/分以上、20L/分以下が好ましい。
熱処理温度は、通常900℃以上、好ましくは950℃以上、より好ましくは1000℃以上、更に好ましくは1050℃以上であり、一方、通常1150℃以下、好ましくは1140℃以下、更に好ましくは1100℃以下である。
また、熱処理時間は、通常8時間以上、好ましくは8.5時間以上、より好ましくは9時間以上、更に好ましくは9.5時間以上、通常19時間以下、好ましくは17時間以下、更に好ましくは15時間以下である。
アニール工程は、不活性ガス雰囲気で行うとともに、ガドリウム酸硫化物粉末と焼結体が接触した状態で行うことが好ましい。アニール工程でガドリウム酸硫化物粉末と焼結体とを接触させることで、光出力が優れたガドリウム酸硫化物焼結体を得ることができる。
ガドリニウム酸硫化物焼結体を製造する際には、上記工程の他に任意の工程を含んでよい。
<シンチレータ>
本発明の別の形態はシンチレータであり、上記の実施形態に係るガドリニウム酸硫化物焼結体を含むものであれば特に制限されず、ガドリニウム酸硫化物焼結体をそのまま用いた物であっても、任意の形状に加工したものであってもよい。
また、シンチレータはシンチレーション光を漏れなく検出器へ到達させるため、ガドリニウム酸硫化物焼結体の表面に反射層を設けてもよい。
反射層としては、TiO2、Al23、ZnO等の無機粒子とバインダー樹脂を含むものがあげられる。
反射層の厚さとしては、通常0.01μm以上、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上、更に好ましくは0.15μm以上、また通常10000μm以下、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、更に好ましくは300μm以下である。上記範囲であれば焼結体で発光した光を効率的に受光面へ到達させることができる。
<シンチレータアレイ>
本発明の別の形態はシンチレータアレイであり、上記のシンチレータを複数含み、シンチレータの間に反射層及び/又は空隙を含むことが好ましい。シンチレータアレイは、より低いX線照射量においても使用可能である。
<放射線検出器>
本発明の別の形態は放射線検出器であり、光検出器と、上記シンチレータ又はシンチレータアレイを含むものである。
光検出器は、シンチレータ又はシンチレータアレイに対向して光電変換部を備え、シンチレータ又はシンチレータアレイで発せられた蛍光を、電気信号等に変換する機能を有する。このような機能を有する限り光検出器は特段限定されず、既知の光検出器を適宜用いることができる。
<放射線検査装置>
放射線検査装置の一例としては、X線CT装置が挙げられる。X線CT装置としては、被検体にX線を照射するX線照射部と、前記被検体を介して前記X線照射部と対向し、前記被検体を透過した透過X線のうちの前記被検体の内部の検査対象物に応じた特定のエネルギ範囲における前記透過X線の個数を測定するX線測定部と、前記X線測定部で測定した前記透過X線の個数に基づいて前記検査対象物の厚さを演算する厚さ演算部と、前記厚さ演算部で演算された前記検査対象物の厚さに基づいてCT画像を再構成する画像再構成部とを備える。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[放射線像変換スクリーンの作製]
(実施例1)
・焼結工程
体積基準の平均粒子径9μmのGd22S:Prの粉末を、軟鋼カプセルに封入し、温度1300℃、2時間、圧力100MPaにてHIP処理を行い、Gd22S:Prの焼結体を得た。
次いで、得られた焼結体をダイシングソーにて6mm×6mm×3mm厚に加工した。
・アニール工程
得られた焼結体片をGd22S:Prの粉末の中に入れ、モトヤマ社製タンマン炉SUPER−BURNに入れた。酸素を含むアルゴンガス(0.3L/分)雰囲気で、1100℃まで200℃/時間で昇温し、10時間保持した後、200℃/時間で降温し熱処理後のGd22S:Pr焼結体を得た。
なお、アニール雰囲気中のSOxガス濃度はMALT計算で5000ppmとした。
・光出力の測定
試料を光取り出し面(6mm×6mm)以外の5面に100um厚の反射材コクヨTW−40を塗布し、ジョブ製PORTA 100HFを80kV12mAsに設定し、10cmのファントムを設置し750mmの距離でRadEye Image Sensorを用いて試料から発せられるシンチレーション光を測定した。
光出力は同一条件で測定した三菱ケミカル社製DRZ−highの光出力を1とした相対強度である。
・熱ルミネッセンスの測定
試料を100Kまで冷却し、Hgランプを5分照射し、照射終了後2分経過した後、20K/分の昇温速度で昇温した。熱ルミネッセンススペクトルは浜松ホトニクス社製の光電子増倍管(R456)によって検出した。
・20msの残光の測定
試料にX線を80kV、16mGy/sの条件で2秒照射し、シンチレーション光を集光レンズで集光し、ワイドダイナミックレンジ光電子増倍管ユニット(浜松ホトニクス社製H13126、C12918−A1)を用いて検出した。
実施例1で得られた熱ルミネッセンス強度比(TL239/TL210)と残光を表1に示す。また、熱ルミネッセンススペクトルを図1に示す。熱ルミネッセンススペクトルの100〜180Kの範囲に存在する波形のピーク数は2つであった。
(実施例2)
導入する酸素濃度を低減しSOx濃度を1000ppmに変更した以外は、実施例1と同様にアニールされたGd22S:Pr焼結体を得た。また、熱ルミネッセンススペクトルを図1に示す。熱ルミネッセンススペクトルの100〜180Kの範囲に存在する波形のピーク数は2つであった。
(比較例1)
導入する酸素濃度を低減しSOx濃度を6ppmに変更した以外は、実施例1と同様にアニールされたGd22S:Pr焼結体を得た。また、熱ルミネッセンススペクトルを図1に示す。熱ルミネッセンススペクトルの100〜180Kの範囲に存在する波形のピーク数は2つであった。
Figure 2020019829
表1の結果から、熱ルミネッセンス強度比(TL239/TL210)を0.5以上1.6以下としたGd22S:Pr焼結体は、20msの残光が短く、優れた光出力を有しており、シンチレータとして有用であることがわかった。

Claims (7)

  1. 20K/分の昇温速度で熱ルミネッセンス強度を測定した時、熱ルミネッセンススペクトルの210K±1Kの熱ルミネッセンス強度(TL210)に対する239K±1Kの熱ルミネッセンス強度(TL239)の比(TL239/TL210)が、0.50以上1.60以下であるガドリニウム酸硫化物焼結体。
  2. プラセオジム、テルビウム、及びセリウムからなる群から選択される1種以上の元素を含有する、請求項1に記載のガドリニウム酸硫化物焼結体。
  3. 20K/分の昇温速度で熱ルミネッセンス強度を測定した時、熱ルミネッセンススペクトルの100〜180Kの範囲に存在する波形のピーク数が5つ以下である、請求項1又は2に記載のガドリニウム酸硫化物焼結体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のガドリニウム酸硫化物焼結体を含むシンチレータ。
  5. 請求項4に記載のシンチレータを複数含み、前記シンチレータの間に反射層を含む、シンチレータアレイ。
  6. 光検出器と、請求項4に記載のシンチレータ又は請求項5に記載のシンチレータアレイを含む放射線検出器。
  7. 請求項6に記載の放射線検出器を備えた、放射線検査装置。

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