JP2020018993A - 洗浄装置、表面処理装置および洗浄方法 - Google Patents

洗浄装置、表面処理装置および洗浄方法 Download PDF

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寛明 三河
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Hirotsugu Nagayasu
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耕平 川崎
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Abstract

【課題】処理液を洗浄する洗浄液の使用量および廃液量の低減、洗浄対象面の十分な洗浄ならびに作業時間の短縮を図る。【解決手段】洗浄装置200は、内面(11a、11b)により処理空間15を画成し、内面に撥水コーティングが施された処理槽10と、処理空間15に、金属部品Sの表面に付着した表面処理のための処理液PLおよび内面に付着した処理液PLの少なくとも一方を洗浄する洗浄液CLを、ミスト状に噴射するノズル部24a(洗浄液噴射ノズル)を有する洗浄液供給装置と、エアコンプレッサ23aを有し、エアコンプレッサ23aで圧縮した乾燥用エアを処理空間15に供給する乾燥装置とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、洗浄装置、表面処理装置および洗浄方法に関する。
従来、被処理対象物に施される表面処理の一つとして、クロメート処理が知られている。クロメート処理は、鉄、亜鉛、マグネシウム、又はアルミニウムのような金属部品を、クロム酸を主成分とするクロメート処理液で表面処理する方法である。一方、クロムが環境及び人体に与える有害性を考慮して、クロメート処理液の使用が制限されつつある。近年では、クロム酸を含まないノンクロメート処理液で金属部品を表面処理するノンクロメート処理が注目されている。例えば、特許文献1には、金属部品が配置された処理槽内に、ノンクロメート処理液をミスト状に噴射し、処理空間をノンクロメート処理液のミストで充填することで、金属部品に表面処理を施す表面処理装置が記載されている。
特開2018−59158号公報
ノンクロメート処理では、例えばすべての金属部品に対する処理が完了した後等に、処理槽等の洗浄を行う。処理槽の洗浄方法としては、例えば、シャワーヘッドから洗浄液(洗浄水)を噴射する方法、回転式または固定式のスプレーノズルから洗浄液を噴射する方法、作業員の手作業により洗浄対象面を吹き上げる方法等が挙げられる。特許文献1に記載の表面処理装置では、洗浄液をスプレーノズルから処理空間へと噴射することで、処理槽を洗浄する。
しかしながら、シャワーヘッドあるいは回転式のスプレーノズルを用いる方法では、洗浄液の使用量が多くなってしまう。洗浄液の使用量の増加は、廃液の増加を招く。また、固定式のスプレーノズルを用いる方法では、処理槽の形状に応じてノズルを多数、多方面に設けなければ、洗浄対象面を十分に洗浄できない可能性がある。また、作業員の手作業により洗浄対象面を吹き上げる方法では、作業時間が長くなってしまう。このように、上記従来の洗浄方法では、洗浄液の使用量の増加、廃液の増加、洗浄対象面の十分な洗浄および作業時間の増加といった問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、処理液を洗浄する洗浄液の使用量および廃液量の低減、洗浄対象面の十分な洗浄ならびに作業時間の短縮を図ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる洗浄装置は、内面により処理空間を画成し、前記内面に撥水コーティングが施された処理槽と、前記処理空間に、被処理対象物の表面に付着した表面処理のための処理液および前記内面に付着した前記処理液の少なくとも一方を洗浄する洗浄液を、ミスト状に噴射する洗浄液噴射ノズルを有する洗浄液供給装置と、を備えることを特徴とする。
この構成により、洗浄液を処理空間へとミスト状に噴射して充満させることで、少量の洗浄液で洗浄対象面(被処理対象物の表面、処理槽の内面)に万遍なく洗浄液を供給することができる。さらに、処理槽に撥水コーティングが施されているため、ミスト状に噴射された洗浄液が処理槽の内面に残留することを抑制することができる。その結果、余分な洗浄液を用いる必要がなくなり、さらに洗浄液の使用量を低減させることができる。また、洗浄液を速やかに処理槽から排出することができる。したがって、本発明によれば、処理液を洗浄する洗浄液の使用量および廃液量の低減、洗浄対象面の十分な洗浄ならびに作業時間の短縮を図ることが可能となる。
また、本発明にかかる洗浄装置は、エアコンプレッサを有し、前記エアコンプレッサで圧縮した乾燥用エアを前記処理空間に供給する乾燥装置をさらに備えることが好ましい。
この構成により、洗浄液による処理槽の洗浄を行った後、乾燥装置によって処理槽を速やかに乾燥させて、処理槽内に洗浄液が残留することを抑制することができる。その結果、洗浄後の処理へと速やかに移行することが可能となり、作業時間の短縮を図ることができる。
また、前記乾燥装置は、前記エアコンプレッサで圧縮されて前記処理空間に供給される乾燥用エアを加熱する加熱器を有することが好ましい。
この構成により、洗浄液による処理槽の洗浄を行った後、乾燥装置によって処理槽をさらに速やかに乾燥させることができる。
また、前記洗浄液供給装置は、前記洗浄液噴射ノズルに前記洗浄液を供給する供給ラインを有し、前記乾燥装置は、前記エアコンプレッサで圧縮した乾燥用エアを、前記供給ラインを介して前記洗浄液噴射ノズルから前記処理空間へと供給することが好ましい。
この構成により、乾燥装置によって、供給ラインおよび洗浄液噴射ノズルにも圧縮した乾燥用エアを供給し、供給ラインおよび洗浄液噴射ノズルに洗浄液が残留することを抑制することが可能となる。また、乾燥装置と洗浄液供給装置とで、供給ラインおよび洗浄液噴射ノズルを共有することができるため、装置構成の単純化を図ることができる。
また、前記洗浄液噴射ノズルは、1流体スプレーノズルであることが好ましい。
この構成により、不活性ガスを用いてミスト状の洗浄液を噴射する構成に比べて、設備導入コストやランニングコスト、維持管理コストを低減させることができる。
また、本発明にかかる洗浄装置は、前記処理槽の内部および外部の湿度を計測する湿度計測器をさらに備えることが好ましい。
この構成により、処理槽から洗浄液を排出する際に、処理槽の内部および外部の湿度を比較することにより、洗浄液の排出が完了したか否かを精度良く判定することができる。
また、本発明にかかる洗浄装置は、前記処理空間から回収される前記洗浄液が流れる回収ラインと、前記回収ラインを流れる前記洗浄液の汚染度を計測する電気伝導度計と、をさらに備えることが好ましい。
この構成により、処理槽から洗浄液を排出する際に、回収ラインを流れる洗浄液の汚染度を電気伝導度計によって計測し、計測した汚染度を所定の基準値と比較すれば、洗浄が完了したか否かを精度良く判定することができる。
また、本発明にかかる洗浄装置は、前記処理槽の上部に設けられた開口からのおよび前記洗浄液の漏出を抑制する抑制装置をさらに備えることが好ましい。
この構成により、洗浄液のロスを抑制することができる。
また、前記抑制装置は、前記開口をエアの流れでシールするエアカーテン装置であることが好ましい。
この構成により、処理槽の開口を開閉する機構を設ける場合に比べて、より軽量・簡易な構成の抑制装置を構成することができる。また、既存の処理槽にエアカーテン装置を取り付けるだけで、容易に抑制装置を構成することができる。
また、本発明にかかる洗浄装置は、前記洗浄液噴射ノズルに供給される前記洗浄液の温度を調節する温調装置をさらに備えることが好ましい。
この構成により、洗浄液の温度を細やかに調整し、処理槽からノンクロメート処理液をより良好に洗浄することができる。
また、本発明にかかる洗浄装置は、前記処理空間の内部のミスト濃度を計測するミスト濃度計測器をさらに備えることが好ましい。
この構成により、処理空間に充填させる洗浄液のミスト濃度を管理し、適切に調整することができる。
また、前記洗浄液のミストの平均液滴径は、70[μm]以下であることが好ましい。
この構成により、ミストの平均液滴径を十分に小さくし、処理空間においてミストをゆっくりと漂わせることができる。その結果、洗浄対象面に洗浄液を十分に供給することが可能となる。
また、前記処理空間における前記洗浄液のミスト濃度は、前記処理空間の1[m]当たり100[mL]以上5000[mL]以下であることが好ましい。
この構成により、処理空間に供給される洗浄液の使用量増加を抑制しつつ、洗浄対象面に洗浄液を十分に供給することができる。
また、前記洗浄液噴射ノズルから前記処理空間に供給される前記洗浄液の供給量は、前記処理空間の1[m]当たり1.5[L/min]以下であることが好ましい。
この構成により、処理空間に供給される洗浄液の使用量増加を抑制しつつ、洗浄対象面に洗浄液を十分に供給することができる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる表面処理装置は、上記洗浄装置と、前記処理槽の前記処理空間に配置された被処理対象物に、表面処理を施すための処理液を供給する処理液供給装置と、を備えることを特徴とする。
この構成により、処理液供給装置と洗浄装置とを備えた表面処理装置において、処理液を洗浄する洗浄液の使用量および廃液量の低減、洗浄対象面の十分な洗浄ならびに作業時間の短縮を図ることが可能となる。また、内面に撥水コーティングが施された処理槽の処理空間において、被処理対象物に処理液を供給するため、処理液が処理槽の内面に残留することを抑制することができる。その結果、余分な処理液を用いる必要がなくなり、処理液の使用量を低減させることができる。また、処理液を速やかに処理槽から排出することができる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる洗浄方法は、内面により処理空間を画成し、前記内面に撥水コーティングが施された処理槽の前記処理空間に、被処理対象物の表面に付着した表面処理のための処理液および前記内面に付着した前記処理液の少なくとも一方を洗浄する洗浄液を、ミスト状に噴射する洗浄処理ステップを備えることを特徴とする。
この構成により、洗浄液を処理空間へとミスト状に噴射して充満させることで、少量の洗浄液で洗浄対象面に万遍なく洗浄液を供給することができる。さらに、処理槽に撥水コーティングが施されているため、ミスト状に噴射された洗浄液が処理槽の洗浄対象面に残留することを抑制することができる。その結果、余分な洗浄液を用いる必要がなくなり、さらに洗浄液の使用量を低減させることができる。したがって、本発明によれば、処理液を洗浄する洗浄液の使用量および廃液量の低減、洗浄対象面の十分な洗浄ならびに作業時間の短縮を図ることが可能となる。
また、本発明にかかる洗浄方法は、前記洗浄処理ステップの後、前記処理空間に、エアコンプレッサで圧縮した乾燥用エアを供給する乾燥処理ステップをさらに備えることが好ましい。
この構成により、洗浄液による処理槽の洗浄を行った後、乾燥処理ステップによって処理槽を速やかに乾燥させて、処理槽内に洗浄液が残留することを抑制することができる。その結果、洗浄後の処理へと速やかに移行することが可能となり、作業時間の短縮を図ることができる。
図1は、実施形態にかかる表面処理装置の一例を模式的に示す説明図である。 図2は、処理槽を模式的に示す説明図である。 図3は、実施形態にかかる表面処理装置による処理の一例を示すフローチャートである。 図4は、本実施形態にかかる表面処理装置においてポンプ流量を変化させた場合の洗浄時間と処理空間のミスト濃度との関係を示す説明図である。 図5は、本実施形態にかかる表面処理装置においてポンプ流量を変化させた場合の洗浄時間と汚染度との関係を示す説明図である。
以下に、本発明にかかる洗浄装置、表面処理装置および洗浄方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、実施形態にかかる表面処理装置の一例を模式的に示す説明図である。表面処理装置100は、ノンクロメート処理液PLを使って、被処理対象物である金属部品Sにノンクロメート処理を施す装置である。本実施形態では、表面処理装置100が、ノンクロメート処理液PLを洗浄するための洗浄液CLを供給する洗浄装置200を含んで構成される例を説明する。なお、洗浄液CLは、例えば洗浄水を用いることができるが、洗浄対象面に付着したノンクロメート処理液PLを洗浄できるものであれば、これに限られない。
ノンクロメート処理は、クロムを含まないノンクロメート処理液PLを金属部品Sの表面において化学反応させることによって、金属部品Sの素材とは異なる性質を金属部品Sの表面に付与する化成処理である。ノンクロメート処理された金属部品Sは、例えば航空機のような構造物に使用される。
金属部品Sは、鉄、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、ステンレス又はチタンのような金属の表面を有する部材である。金属部品Sは、冷延鋼材、熱延鋼材、ステンレス鋼材、電気亜鉛めっき鋼材、溶融亜鉛めっき鋼材、亜鉛−アルミニウム合金系めっき鋼材、亜鉛−鉄合金系めっき鋼材、亜鉛−マグネシウム合金系めっき鋼材、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金系めっき鋼材、アルミニウム系めっき鋼材、アルミニウム−シリコン合金系めっき鋼材、錫系めっき鋼材、鉛−錫合金系めっき鋼材、クロム系めっき鋼材、及びニッケル系めっき鋼材の少なくとも一つでもよい。
ノンクロメート処理液PLは、複数種類の薬液を混合することによって作成され、ポットライフ(pot life)を有する。本実施形態において、ノンクロメート処理液PLは、シラン化合物を主成分とする処理液である。ノンクロメート処理液PLは、シランカップリング剤を含み、金属部品Sに有機系皮膜を形成する。ノンクロメート処理液PLは、例えば、2種類以上のシランカップリング剤を含んでもよいし、シランカップリング剤、水分散性シリカ、及びジルコニウム又はチタニウムイオンを含んでもよいし、水系エマルションと反応する特定官能基を有するシランカップリング剤を含んでもよいし、水系エマルションと3価遷移金属イオンとβ−ジケトン2分子と水2分子とが配位した化合物、及びシランカップリング剤を含んでもよい。
シランカップリング剤は、水と接触すると加水分解してシラノール基を生成する。シラノール基は、自己縮合により高分子化するとともに、金属表面のOH基と酸塩基反応で化学結合し、塗装下地として安定化する。また、塗料成分と化学結合又は架橋して強固に結合し、良好な密着性を達成する。
複数種類の薬液を混合することによってノンクロメート処理液PLを作製する場合、複数種類の薬液を混合してからの経過時間に伴って、シランカップリング剤が徐々に重合する。ノンクロメート処理液PLが重合物になると、金属部品Sの表面に良好に塗布されることが困難となる。そのため、ノンクロメート処理液PLには、使用可能時間が設定されており、これをポットライフという。本実施形態において、表面処理装置100は、ポットライフが終了する前のノンクロメート処理液PLを金属部品Sの表面に塗布する。表面処理装置100は、ポットライフを迎えた場合、ノンクロメート処理液PLを交換する必要があり、この場合には交換に先立って洗浄を実施する。
表面処理装置100について、図面を参照しながら詳細に説明する。表面処理装置100は、図1に示すように、処理槽10と、供給部20と、回収部30と、抑制装置40と、制御装置50とを備える。以下の説明では、ノンクロメート処理液PLを単に「処理液PL」と称する。
[処理槽]
処理槽10は、金属部品Sが配置され、金属部品Sにノンクロメート処理を施すための処理空間15を形成する。金属部品Sは、図示しない搬送装置により、開口10aを介して処理空間15に搬出入される。本実施形態において、金属部品Sは、処理空間15に複数配置される。
図2は、処理槽を模式的に示す説明図である。処理槽10は、本体部11と、収集部12とを有する。本体部11は、処理空間15を画成する内面として、内側面11aと底面11bとを有する。本体部11の上部には、上述した開口10aが形成されている。収集部12は、本体部11の底面11bに設けられ、処理空間15と連通している。収集部12は、処理空間15から沈降する処理液PLおよび洗浄液CL、内側面11aおよび底面11bから伝ってくる処理液PLおよび洗浄液CLを回収する。収集部12に回収された処理液PLおよび洗浄液CLは、排出口12aから槽外へと排出される。
本実施形態において、本体部11の底面11bは、収集部12に向かうにつれて下方に傾斜する。また、収集部12の底面は、排出口12aに向かうにつれて下方に傾斜する。これにより、本体部11の底面11bおよび収集部12の底面に、処理液PLおよび洗浄液CLが滞留することを抑制し、処理液PLおよび洗浄液CLを速やかに回収、排出することができる。
また、本実施形態において、処理槽10は、少なくとも本体部11の内側面11aおよび底面11bに、撥水コーティングが施されている。撥水コーティングとしては、例えば、フッ素樹脂コーティングを用いることができる。なお、撥水コーティングは、少なくとも洗浄液CL(本実施形態では、温水)を良好にはじくコーティング剤で施されれば良く、処理液PLをはじくコーティング剤で施されることが、より好ましい。
[供給装置]
図1の説明に戻る。本実施形態において、供給部20は、処理空間15に処理液PLを供給する処理液供給装置、洗浄液CLを供給する洗浄液供給装置、乾燥用エアAを供給する乾燥装置を構成する。供給部20は、処理液供給系統21と、洗浄液供給系統22と、エア供給系統23と、共通供給系統24とを有している。表面処理装置100において、処理液供給系統21を除いた構成が、実施形態にかかる洗浄装置200となる。
処理液供給系統21は、処理液貯留部21aと、処理液供給ライン21bと、処理液供給バルブ21cとを有する。処理液貯留部21aは、処理液PLを貯留するタンクである。処理液供給ライン21bは、処理液貯留部21aに接続された配管であり、内部に処理液貯留部21aからの処理液PLが流れる。処理液供給バルブ21cは、処理液供給ライン21bに設けられ、処理液貯留部21aからの処理液PLの供給および供給の停止を切り替える開閉弁である。処理液供給バルブ21cは、制御装置50により制御される。
洗浄液供給系統22は、洗浄液貯留部22aと、洗浄液供給ライン22bと、洗浄液供給バルブ22cとを有する。洗浄液貯留部22aは、洗浄液CLを貯留するタンクである。洗浄液供給ライン22bは、洗浄液貯留部22aに接続された配管であり、洗浄液貯留部22aからの洗浄液CLが流れる。洗浄液供給バルブ22cは、洗浄液供給ライン22bに設けられ、洗浄液貯留部22aからの洗浄液CLの供給および供給の停止を切り替える開閉弁である。洗浄液供給バルブ22cは、制御装置50により制御される。
エア供給系統23は、エアコンプレッサ23aと、エア供給ライン23bと、エア供給バルブ23cとを有する。エアコンプレッサ23aは、図示しないエア供給源(例えば大気空間)からの乾燥用エアAを圧縮して送出する圧縮機である。なお、乾燥用エアAは、空気であってもよいし、その他の気体であってもよい。エア供給ライン23bは、エアコンプレッサ23aに接続された配管であり、エアコンプレッサ23aで圧縮された乾燥用エアAが流れる。エア供給バルブ23cは、エア供給ライン23bに設けられ、エアコンプレッサ23aからの乾燥用エアAの供給および供給の停止を切り替える開閉弁である。エアコンプレッサ23aおよびエア供給バルブ23cは、制御装置50により制御される。
共通供給系統24は、複数のノズル部24aと、共通供給ライン24bと、共通供給バルブ24cと、ポンプ24dと、温調装置24eと、加熱器24fとを有する。
複数のノズル部24aは、処理槽10内に配置される。各ノズル部24aは、図1に示すように、処理槽10の両側部に、高さ方向において2列に分けて配置される。両側部の各ノズル部24aは、図1に示すように互いに対向して配置される。各ノズル部24aは、図2に示すように、処理槽10の側壁に沿って延在する。各ノズル部24aは、長手方向に沿って互いに間隔を空けて、複数の噴射口241aが形成されている。なお、ノズル部24aの数、配置構成、噴射口241aの向き等は、例示であり、処理液PLおよび洗浄液CLを十分に供給することができれば、いかなるものであってもよい。例えば、ノズル部24aは、高さ方向において千鳥状に配置されてもよい。
各ノズル部24aは、複数の噴射口241aから、上述した処理液供給系統21からの処理液PLおよび洗浄液供給系統22からの洗浄液CLを、ミスト状に噴射する1流体スプレーノズルとして構成される。すなわち、各ノズル部24aは、処理液PLまたは洗浄液CLと圧縮空気とを混合することなく、ポンプ24dで昇圧された処理液PLまたは洗浄液CLを噴射口241aから噴射して、処理空間15を処理液PLまたは洗浄液CLのミスト雰囲気にする。また、各ノズル部24aは、上述したエア供給系統23からの乾燥用エアAを処理空間15に向けて噴射する。
共通供給ライン24bは、各ノズル部24aに接続されると共に、処理液供給ライン21b、洗浄液供給ライン22bおよびエア供給ライン23bに接続されている。共通供給ライン24bの内部には、処理内容に応じて、処理液供給ライン21bから処理液PL、洗浄液供給ライン22bから洗浄液CL、エア供給ライン23bから乾燥用エアAが供給される。共通供給バルブ24cは、共通供給ライン24bに設けられ、処理液PL、洗浄液CLまたは乾燥用エアAの供給および供給の停止を切り替える開閉弁である。ポンプ24dは、処理液供給バルブ21cよりも各ノズル部24a側で共通供給ライン24bに設けられ、共通供給ライン24bを流れる処理液PLまたは洗浄液CLを各ノズル部24aへと圧送する。処理液供給バルブ21cおよびポンプ24dは、制御装置50により制御される。
温調装置24eは、ポンプ24dよりも各ノズル部24a側で共通供給ライン24bに設けられる。温調装置24eは、ポンプ24dで圧送された処理液PLおよび洗浄液CLを加熱または冷却し、その温度を適温に調節する。加熱器24fは、少なくともエア供給ライン23bとの接続部よりも各ノズル部24a側で、共通供給ライン24bに設けられる。加熱器24fは、共通供給ライン24bを流れる乾燥用エアAを加熱して昇温させる。なお、加熱器24fは、共通供給ライン24bを流れる処理液PLおよび洗浄液CLを加熱して昇温させてもよい。温調装置24eおよび加熱器24fは、制御装置50により制御される。
これにより、処理液供給系統21、共通供給系統24および後述する循環系統が処理空間15に処理液PLを供給する処理液供給装置を構成する。また、洗浄液供給系統22および共通供給系統24が処理空間15に洗浄液CLを供給する洗浄液供給装置を構成する。そのため、本実施形態では、ノズル部24aが洗浄液噴射ノズルとなる。また、エア供給系統23および共通供給系統24が処理空間15に乾燥用エアAを供給する乾燥装置を構成する。
[回収部]
回収部30は、ポットライフを迎えた処理液PLや洗浄に使用された後の洗浄液CLを回収する。回収部30は、廃液ピット31と、回収ライン32と、回収用バルブ33とを有する。廃液ピット31は、処理槽10の収集部12から回収された処理液PLおよび洗浄液CLを一時的に貯留する。回収ライン32は、処理槽10の収集部12と廃液ピット31とに接続された配管であり、内部に処理槽10から回収された処理液PLおよび洗浄液CLが流れる。回収用バルブ33は、回収ライン32に設けられ、処理槽10からの処理液PLおよび洗浄液CLの回収および回収の停止を切り替える開閉弁である。回収用バルブ33は、制御装置50により制御される。なお、廃液ピット31は、処理液PLと洗浄液CLとを回収するピットを個別に設けてもよい。
また、本実施形態において、表面処理装置100は、ポットライフを迎えていない処理液PLを循環させて使用するための循環系統を有している。より詳細には、表面処理装置100は、循環系統として、循環ライン35と、循環用バルブ36とを有している。循環ライン35は、回収用バルブ33よりも処理槽10側で、回収ライン32から分岐する。また、循環ライン35は、共通供給バルブ24cとポンプ24dとの間で、共通供給ライン24bに接続されている。循環用バルブ36は、循環ライン35に設けられ、処理槽10からの処理液PLの循環および循環の停止を切り替える開閉弁である。循環用バルブ36は、制御装置50により制御される。これにより、表面処理装置100では、循環用バルブ36を開とし、共通供給バルブ24cおよび回収用バルブ33を閉とした状態で、ポンプ24dを駆動することにより、処理槽10から回収された処理液PLを、循環ライン35および共通供給ライン24bを介して、再び各ノズル部24aへと供給することができる。すなわち、ポットライフを迎えていない処理液PLを循環させて使用することができる。
[抑制装置]
抑制装置40は、処理槽10の上部に設けられた開口10aからのノンクロメート処理液PLおよび洗浄液CLの漏出を抑制する装置である。本実施形態において、抑制装置40は、エアカーテン装置である。抑制装置40は、エア噴出部41と、エア吸引部42と、ミスト回収器43と、送風機44とを有する。
エア噴出部41およびエア吸引部42は、開口10aの下部において、互いに対向して配置される。エア噴出部41およびエア吸引部42は、処理槽10の側壁に沿って延在する。エア噴出部41には、図2に示すように、長手方向に沿って互いに間隔を空けて、複数の噴出口41aが形成されている。また、エア吸引部42は、長手方向に沿って互いに間隔を空けて、複数の吸引口42aが形成されている(図1参照)。抑制装置40は、送風機44から送られたエアをエア噴出部41の複数の噴出口41aから噴出し、エア吸引部42の複数の吸引口42aで吸引することで、開口10aをシールするエアの流れを形成する。なお、エアカーテン装置で用いられるエアは、空気であってもよいし、その他の気体であってもよい。
ミスト回収器43は、エア吸引部42に接続されており、エア吸引部42でエアと共に吸引された処理液PLおよび洗浄液CLを回収する。ミスト回収器43は、気液分離機能を有しており、ミスト回収器43によって気液分離されたエアは、再び送風機44によってエア噴出部41へと送られる。なお、ミスト回収器43の上流側に、エア吸引部42から吸引された処理液PLおよび洗浄液CLの温度を調整する温調器を設けてもよい。ミスト回収器43に回収された処理液PLは、図示しない配管を介して上述した循環系統または廃液ピット31に送られる。また、ミスト回収器43に回収された洗浄液CLは、廃液ピット31に送られる。
[各種センサ]
また、表面処理装置100(および洗浄装置200)は、各種処理の実行時に、処理状態を管理するための複数のセンサを有している。より詳細には、表面処理装置100(および洗浄装置200)は、ミスト濃度計測器61と、湿度計測器62と、温度計測器63、64と、電気伝導度計65とを有する。
ミスト濃度計測器61は、処理槽10の上部に設けられる。ミスト濃度計測器61は、処理空間15における処理液PLおよび洗浄液CLのミスト濃度を計測する。ミスト濃度計測器61としては、例えば吸光光度計を用いることができる。湿度計測器62は、処理槽10の内部の湿度および外部の湿度を計測可能な湿度計である。温度計測器63は、処理槽10の収集部12における処理液PLの温度を計測する。温度計測器64は、エアコンプレッサ23aに供給される乾燥用エアAの温度を計測する。なお、温度計測器64は、エア供給ライン23bまたは共通供給ライン24bなどに設けられてもよい。電気伝導度計65は、回収用バルブ33よりも廃液ピット31側で回収ライン32に設けられる。電気伝導度計65は、回収ライン32を流れる洗浄液CLの電気伝導度(電気伝導率)を計測する。洗浄液CLの電気伝導度は、汚染度の指標となる値である。すなわち、電気伝導度計65は、回収ライン32を流れる洗浄液CLの汚染度を計測するものである。これらのミスト濃度計測器61と、湿度計測器62と、温度計測器63、64と、電気伝導度計65は、計測結果を制御装置50へと出力する。
[制御装置]
制御装置50は、ミスト濃度計測器61、湿度計測器62、温度計測器63、64および電気伝導度計65からの信号が入力される。また、制御装置50は、入力された検出信号を参照しつつ、表面処理装置100に含まれる各バルブ、ポンプ24d、温調装置24e、加熱器24f、抑制装置40といった構成要素を制御して、表面処理装置100による各種処理を実行する。以下、制御装置50による各処理の内容について説明する。以下の説明において、処理液供給バルブ21c、洗浄液供給バルブ22c、エア供給バルブ23c、共通供給バルブ24c、回収用バルブ33および循環用バルブ36については、特に言及する場合を除き、閉状態とされているものとする。
制御装置50は、金属部品Sが処理空間15に配置されているとき、複数のノズル部24aから処理空間15へと処理液PLのミストを供給し、金属部品Sの表面に処理液PLを付着させるノンクロメート処理を実行する。より詳細には、制御装置50は、抑制装置40を駆動して、処理槽10の開口10aをシールさせる。制御装置50は、処理空間15へと処理液PLの新液を供給する場合、処理液供給バルブ21cおよび共通供給バルブ24cを開状態とする。そして、制御装置50は、ポンプ24dを駆動し、処理液貯留部21aに貯留された処理液PLを、処理液供給ライン21bおよび共通供給ライン24bを介して各ノズル部24aへと昇圧して圧送させる。それにより、各ノズル部24aから処理空間15に処理液PLのミストが供給され、処理空間15に処理液PLのミストが充填されることで、金属部品Sの表面に処理液PLが付着する。その結果、少量の処理液PLを用いて、金属部品Sの表面に万遍なくノンクロメート処理を施すことが可能となる。
また、制御装置50は、ノンクロメート処理において、処理液PLがポットライフを迎えていない場合、処理液PLを循環させて使用する。処理液PLがポットライフを迎えているか否かは、例えば処理液PLの使用時間に基づいて判断することができる。制御装置50は、処理液PLを循環させる場合、循環用バルブ36を開状態とする。これにより、処理槽10の収集部12において回収された処理液PLを、回収ライン32、循環ライン35および共通供給ライン24bを介して、再び各ノズル部24aへと供給することができる。なお、制御装置50は、ノンクロメート処理において、ミスト濃度計測器61により計測された処理空間15のミスト濃度を一定に保つように、各ノズル部24aおよびポンプ24dを制御する。また、制御装置50は、温度計測器63により計測された収集部12内の処理液PLの温度に基づいて、温調装置24eを制御して、処理液PLのミストを適温に調整する。
また、制御装置50は、所定条件で表面処理装置100の洗浄処理を実行する。所定条件は、例えば、表面処理装置100による金属部品Sへのノンクロメート処理がすべて終了したとき、または、ポットライフを迎えた処理液PLを新たな処理液PLに交換するとき等が挙げられる。なお、洗浄処理は、処理空間15に金属部品Sが配置されていない状態および配置されている状態のいずれの場合に実行されてもよい。
制御装置50は、洗浄処理に際して、ポンプ24dの駆動を停止させ、処理液PLのミストの供給を停止させる。また、制御装置50は、回収用バルブ33を開状態とする。それにより、処理空間15の処理液PLが沈降すると共に、処理槽10の内側面11a、底面11bを伝って収集部12へと流れ、回収ライン32を介して廃液ピット31へと回収される。
そして、制御装置50は、洗浄液供給バルブ22c、共通供給バルブ24cおよび回収用バルブ33を開状態とする。また、制御装置50は、抑制装置40を駆動して、処理槽10の開口10aをシールさせる。制御装置50は、ポンプ24dを再び駆動し、洗浄液貯留部22aに貯留された洗浄液CLを、洗浄液供給ライン22bおよび共通供給ライン24bを介して各ノズル部24aに昇圧して圧送させる。それにより、各ノズル部24aから処理空間15に洗浄液CLのミストが供給され、洗浄液CLのミストが処理空間15に充填される。制御装置50は、洗浄処理において、ミスト濃度計測器61により計測された処理空間15のミスト濃度を一定に保つように、各ノズル部24aおよびポンプ24dを制御する。その結果、少量の洗浄液CLを用いて、処理槽10の内側面11a、底面11bに万遍なく洗浄液CLを付着させ、洗浄することが可能となる。制御装置50は、電気伝導度計65から入力される汚染度の値に基づいて、洗浄が完了したか否かを判定する。すなわち、電気伝導度計65から入力される汚染度の値と所定の基準値と比較することで、洗浄が完了したと判定することができる。なお、ノンクロメート処理と同様に、温度計測器63により計測された収集部12内の洗浄液CLの温度に基づいて、温調装置24eを制御して、洗浄液CLのミストを調温してもよい。また、ノンクロメート処理と同様に、循環用バルブ36を開状態とすることで、洗浄液CLを例えば一定時間に渡って循環させて使用してもよい。
さらに、制御装置50は、乾燥処理を実行する。制御装置50は、ポンプ24dの駆動を停止させ、洗浄液供給バルブ22cを閉状態とする。制御装置50は、エア供給バルブ23cを開状態とし、エアコンプレッサ23aを駆動する。それにより、エアコンプレッサ23aで圧縮された乾燥用エアAが、エア供給ライン23bおよび共通供給ライン24bを介して各ノズル部24aに供給され、各ノズル部24aから処理空間15へと供給される。また、制御装置50は、温度計測器64により検出された乾燥用エアAの温度に基づいて、加熱器24fを制御し、共通供給ライン24bを流れる乾燥用エアAを加熱させる。その結果、処理槽10を乾燥用エアAによって乾燥させ、処理槽10に洗浄液CLが残留することを抑制することができる。さらに、共通供給ライン24bを介して各ノズル部24aから乾燥用エアAを噴射することで、処理槽10のみならず、共通供給ライン24bおよび各ノズル部24aに洗浄液CLが残留することをも、抑制することができる。
このとき、制御装置50は、湿度計測器62から入力される処理槽10の内部の湿度と、処理槽10の外部の湿度との差に基づいて、処理槽10に洗浄液CLが残留しているか否かを判定する。処理槽10に洗浄液CLが残留している場合、処理槽10に残留した洗浄液CLが気化することで、処理槽10の内部の湿度が外部の湿度より高くなる。そのため、処理槽10の内部の湿度と外部の湿度との差が十分に小さくなった場合に、処理槽10から洗浄液CLが十分に排除されたと判定することができる。
このように、洗浄処理および乾燥処理を実行することで、処理槽10、共通供給ライン24bおよび各ノズル部24aから処理液PLを洗浄し、さらに洗浄に用いた洗浄液CLを速やかに排出することができる。その結果、例えば新たな処理液PLを用いたノンクロメート処理の実行へと、速やかに移行することが可能となる。
[洗浄条件]
上述した洗浄処理における条件について説明する。なお、洗浄処理における条件は、ここに例示するものに限られない。
本実施形態において、各ノズル部24aから処理空間15に供給される洗浄液CLのミストの平均液滴径は、70[μm]以下であることが好ましい。ミストの平均液滴径は、20[μm]以上40[μm]以下であることが、より好ましい。
また、制御装置50は、処理空間15のサイズ(容積)に基づいて、単位時間当たりに各ノズル部24aから処理空間15に供給される洗浄液CLの供給量を調整する。本実施形態において、各ノズル部24aから処理空間15に供給される洗浄液CLの供給量は、処理空間15の1[m]当たり100[mL]以上5000[mL]以下であることが好ましい。
各ノズル部24aは、処理空間15における洗浄液CLのミスト濃度が十分に高くかつ均一になるように、洗浄液CLを噴射する。ミスト濃度とは、処理空間15の単位体積当たりに存在する洗浄液CLのミストの量(割合)をいう。制御装置50は、処理空間15におけるミスト濃度が均一になるように、各ノズル部24aの噴射口241aから噴射される洗浄液CLのミストの流量を調整する。処理槽10の洗浄対象面(内面)に洗浄液CLが十分に塗布されるように、処理空間15における洗浄液CLのミスト濃度は、高いことが好ましい。本実施形態において、処理空間15における洗浄液CLのミスト濃度は、処理空間15の1[m]当たり1.0[L]以上1.50[L]以下であることが好ましい。
処理空間15は、各ノズル部24aから供給された洗浄液CLのミストで充満する。ミストの平均液滴径は十分に小さく、ミストは、処理空間15をゆっくりと漂う。処理空間15を漂うミストは、各ノズル部24aと対面している処理槽10の表面のみならず、各ノズル部24aと対面していない処理槽10の表面にも付着する。すなわち、各ノズル部24aから噴射されたミストは、処理槽10全体に拡散するため、各ノズル部24aと対面していない処理槽10の表面にも付着する。また、ミストは、処理槽10の形状に制限されることなく、処理槽10の表面に満遍なく付着する。また、処理空間15に複数の金属部品Sが配置されている場合、ミストは、それら複数の金属部品Sそれぞれの表面にも満遍なく付着する。それにより、金属部品Sをも洗浄することができる。
[表面処理装置の動作]
次に、実施形態にかかる洗浄方法を含む表面処理装置の動作の一例について、図3を参照しながら説明する。図3は、実施形態にかかる表面処理装置による処理の一例を示すフローチャートである。図3に示す処理は、制御装置50により実行される。
制御装置50は、ステップST1として、金属部品Sを処理空間15に搬入する搬入ステップを実行する。搬入ステップでは、図示しない搬出入機構を用いて、金属部品Sを処理空間15の所定位置に搬入させる。
次に、制御装置50は、ステップST2として、複数のノズル部24aから処理空間15へと処理液PLのミストを供給し、金属部品Sの表面に処理液PLを付着させるノンクロメート処理ステップを実行する。ノンクロメート処理ステップでは、上述したように、まず、抑制装置40を駆動して、処理槽10の開口10aをシールさせる。そして、処理液供給バルブ21cおよび共通供給バルブ24cを開状態として、ポンプ24dを駆動する。これにより、処理液貯留部21aからの処理液PLの新液が、ノズル部24aからミスト状に噴射される。その後、一旦ポンプ24dを駆動停止し、処理液供給バルブ21cおよび共通供給バルブ24cを閉状態、循環用バルブ36を開状態として、再びポンプ24dを駆動することで、処理液PLを循環させて使用する。ノンクロメート処理は、金属部品Sに十分に処理液PLが付着する時間だけ実行される。
制御装置50は、ステップST3として、ノンクロメート処理が施された金属部品Sを処理槽10から搬出する搬出ステップを実行する。搬出ステップでは、ポンプ24dを駆動停止し、処理空間15の処理液PLが沈降した後、抑制装置40の駆動を停止させる。そして、図示しない搬出入機構を用いて、金属部品Sを処理空間15の所定位置から搬出させる。
制御装置50は、ステップST4として、すべての金属部品Sに対するノンクロメート処理が完了したか否かを判定する。制御装置50は、すべての金属部品Sに対するノンクロメート処理が完了したと判定した場合、ステップST5に進む。
制御装置50は、ステップST5として、処理液PLの液交換が必要か否かを判定する。制御装置50は、循環させている処理液PLの使用時間が所定時間を超えていない場合、液交換が必要でないと判定し、再びステップST1以降の処理を実行し、新たな金属部品Sに対するノンクロメート処理を実行する。一方、制御装置50は、循環させている処理液PLの使用時間が所定時間を超えた場合、処理液PLがポットライフを迎えたため液交換が必要であると判定し、実施形態にかかる洗浄方法であるステップST6からステップS8の処理に進む。
制御装置50は、ステップST6として、洗浄処理ステップを実行する。制御装置50は、上述したように、一旦ポンプ24dの駆動を停止させ、回収用バルブ33を開状態とし、洗浄液供給バルブ22c、共通供給バルブ24cおよび回収用バルブ33を開状態とする。また、制御装置50は、抑制装置40を駆動する。そして、制御装置50は、ポンプ24dを再び駆動し、洗浄液CLを各ノズル部24aからミスト状に噴射させる。この際、制御装置50は、上述した洗浄条件に従って、各ノズル部24aから洗浄液CLのミストを噴射させる。それにより、少量の洗浄液CLを用いて、処理槽10の内側面11a、底面11bに万遍なく洗浄液CLを付着させ、洗浄することが可能となる。制御装置50は、電気伝導度計65により計測された回収ライン32を流れる洗浄液CLの汚染度の値と所定の基準値とを比較して、処理槽10が十分に洗浄された場合に、洗浄が完了したと判定し、ステップST7に進む。ただし、制御装置50は、例えば予め定められた洗浄時間にわたって、洗浄処理を継続してもよい。
次に、制御装置50は、ステップST7として、乾燥処理ステップを実行する。制御装置50は、上述したように、一旦ポンプ24dの駆動を停止させ、洗浄液供給バルブ22cを閉状態とし、エア供給バルブ23cを開状態として、エアコンプレッサ23aを駆動する。また、制御装置50は、温度計測器64の検出結果に基づいて加熱器24fを制御し、乾燥用エアAを加熱する。それにより、圧縮および加熱された乾燥用エアAにより、処理槽10、共通供給ライン24bおよび各ノズル部24aを速やかに乾燥させ、洗浄液CLの残留を抑制する。
制御装置50は、ステップST8として、乾燥が完了したか否かを判定する。乾燥が完了したか否かは、湿度計測器62から入力される処理槽10の内部の湿度と、処理槽10の外部の湿度との差が十分に小さくなったか否かに基づいて判定することができる。制御装置50は、乾燥が完了していないと判定した場合、ステップST7の処理を継続する。一方、制御装置50は、乾燥が完了したと判定した場合、再びステップST1以降の処理を実行し、新たな金属部品Sに対するノンクロメート処理を実行する。
制御装置50は、ステップST4において、すべての金属部品Sに対するノンクロメート処理が完了したと判定した場合、ステップST9として洗浄処理ステップを実行する。さらに、制御装置50は、ステップST10として乾燥処理ステップを実行し、ステップST11として乾燥処理が完了したか否かを判定する。ステップST9からステップST11の処理は、ステップST6からステップST8の処理と同様であるため、詳細な説明を省略する。制御装置50は、ステップST11で乾燥が完了したと判定した場合には、本ルーチンを終了させる。
以上説明したように、本実施形態にかかる洗浄装置200、表面処理装置100および洗浄方法では、洗浄液CLを処理空間15へとミスト状に噴射して充満させることで、少量の洗浄液CLで洗浄対象面(内面)に万遍なく洗浄液CLを供給することができる。さらに、処理槽10に撥水コーティングが施されているため、ミスト状に噴射された洗浄液CLが洗浄対象面に残留することを抑制することができる。その結果、余分な洗浄液CLを用いる必要がなくなり、さらに洗浄液CLの使用量を低減させることができる。また、洗浄液CLを速やかに処理槽10から排出することができる。したがって、本実施形態にかかる表面処理装置100および表面処理方法によれば、処理液PLを洗浄する洗浄液CLの使用量および廃液量の低減、洗浄対象面の十分な洗浄ならびに作業時間の短縮を図ることが可能となる。
また、本実施形態にかかる表面処理装置100では、処理槽10に撥水コーティングが施されているため、ノンクロメート処理においても、処理液PLが洗浄対象面に残留することが抑制される。その結果、余分な処理液PLを用いる必要がなくなり、処理液PLの使用量を低減させることができる。また、処理液PLを速やかに処理槽10から排出することができる。
また、表面処理装置100および洗浄装置200は、エアコンプレッサ23aを有し、エアコンプレッサ23aで圧縮した乾燥用エアAを処理空間15に供給する乾燥装置をさらに備える。
この構成により、洗浄液CLによる処理槽10の洗浄を行った後、乾燥装置によって処理槽10を速やかに乾燥させて、処理槽10内に洗浄液CLが残留することを抑制することができる。その結果、洗浄後の処理へと速やかに移行することが可能となり、作業時間の短縮を図ることができる。なお、乾燥装置は、省略されてもよい。
また、乾燥装置は、エアコンプレッサ23aで圧縮されて処理空間15に供給される乾燥用エアAを加熱する加熱器24fを有する。
この構成により、洗浄液CLによる処理槽10の洗浄を行った後、乾燥装置によって処理槽10をさらに速やかに乾燥させることができる。なお、加熱器24fは、省略されてもよい。
また、洗浄液供給装置は、ノズル部24aに洗浄液CLを供給する洗浄液供給ライン22bおよび共通供給ライン24bを有し、乾燥装置は、エアコンプレッサ23aで圧縮した乾燥用エアAを、共通供給ライン24bを介してノズル部24aから処理空間15へと供給する。
この構成により、乾燥装置によって、共通供給ライン24bおよびノズル部24aにも圧縮した乾燥用エアAを供給し、共通供給ライン24bおよびノズル部24aに洗浄液CLが残留することを抑制することが可能となる。また、乾燥装置と洗浄液供給装置とで、共通供給ライン24bおよびノズル部24aを共有することができるため、装置構成の単純化を図ることができる。
なお、乾燥装置と洗浄液供給装置とは、共通供給ライン24bおよびノズル部24aを共有しなくてもよい。すなわち、共通供給ライン24bとは別のエア供給専用ラインおよびノズル部24aとは別のエア噴射ノズルを設け、エアコンプレッサ23aで圧縮された乾燥用エアAを、エア供給専用ラインおよびエア噴射ノズルから処理槽10へと供給してもよい。この場合、加熱器24fは、エア供給専用ラインに設けられればよい。また、同様に、処理液PLを処理槽10へと供給するために、処理液専用ラインおよび処理液噴射ノズルを別に設けてもよい。
また、ノズル部24aは、1流体スプレーノズルである。
この構成により、不活性ガスを用いてミスト状の洗浄液CLを噴射する構成に比べて、設備導入コストやランニングコスト、維持管理コストを低減させることができる。なお、不活性ガスを用いてミスト状の洗浄液CLを噴射する構成としてもよい。
また、表面処理装置100および洗浄装置200は、処理槽10の内部および外部の湿度を計測する湿度計測器62をさらに備える。
この構成により、処理槽10から洗浄液CLを排出する際に、処理空間15の内部および外部の湿度を比較することにより、洗浄液CLの排出が完了したか否かを精度良く判定することができる。なお、湿度計測器62は、省略されてもよい。
また、表面処理装置100および洗浄装置200は、処理空間15から回収される洗浄液CLが流れる回収ライン32と、回収ライン32を流れる洗浄液CLの汚染度を計測する電気伝導度計65と、をさらに備える。
この構成により、処理槽10から洗浄液CLを排出する際に、回収ライン32を流れる洗浄液CLの汚染度を電気伝導度計65によって計測し、計測した汚染度を所定の基準値と比較すれば、洗浄が完了したか否かを精度良く判定することができる。なお、電気伝導度計65は、省略されてもよい。
また、表面処理装置100および洗浄装置200は、処理槽10の上部に設けられた開口10aからの処理液PLおよび洗浄液CLの漏出を抑制する抑制装置40をさらに備える。
この構成により、処理液PLおよび洗浄液CLのロスを抑制することができる。なお、抑制装置40は、省略されてもよい。
また、抑制装置40は、開口10aをエアの流れでシールするエアカーテン装置である。
この構成により、処理槽10の開口10aを開閉する機構を設ける場合に比べて、より軽量・簡易な構成の抑制装置40を構成することができる。また、既存の処理槽10にエアカーテン装置を取り付けるだけで、容易に抑制装置40を構成することができる。なお、抑制装置40は、エアカーテン装置に限られない。例えば、抑制装置40として、処理槽10の開口10aを開閉可能な蓋状部材および蓋状部材を移動させる駆動機構を設けてもよい。
また、ノズル部24aに供給される洗浄液CLの温度を調節する温調装置24eをさらに備える。
この構成により、洗浄液CLの温度を細やかに調整し、処理槽10から処理液PLをより良好に洗浄することができる。なお、温調装置24eは、省略されてもよい。
また、処理空間15の内部のミスト濃度を計測するミスト濃度計測器61をさらに備える。
この構成により、処理空間15に充填させる洗浄液CLのミスト濃度を管理し、適切に調整することができる。なお、ミスト濃度計測器61は、省略されてもよい。
また、洗浄液CLのミストの平均液滴径は、70[μm]以下であることが好ましく、
20[μm]以上40[μm]以下であることが、より好ましい。
この構成により、ミストの平均液滴径を十分に小さくし、処理空間15においてミストをゆっくりと漂わせることができる。その結果、洗浄対象面に洗浄液CLを十分に供給することが可能となる。
また、処理空間15における洗浄液CLのミスト濃度は、処理空間15の1[m]当たり100[mL]以上5000[mL]以下であることが好ましい。
この構成により、処理空間15に供給される洗浄液CLの使用量増加を抑制しつつ、洗浄対象面に洗浄液を十分に供給することができる。
また、ノズル部24aから処理空間15に供給される洗浄液CLの供給量は、処理空間15の1[m]当たり1.5[L/min]以下であることが好ましく、1.0[L/min]以上1.5[L/min]以下であることが、より好ましい。
この構成により、処理空間15に供給される洗浄液CLの使用量増加を抑制しつつ、洗浄対象面に洗浄液CLを十分に供給することができる。図4は、本実施形態にかかる表面処理装置においてポンプ流量を変化させた場合の洗浄時間と処理空間のミスト濃度との関係を示す説明図である。図5は、本実施形態にかかる表面処理装置においてポンプ流量を変化させた場合の洗浄時間と汚染度との関係を示す説明図である。図5における汚染度は、処理槽10内における伝導率を示す。伝導率が高いほど、洗浄液CLが残留していると考えることができる。また、図4および図5におけるポンプ流量は、ポンプ24dにおける洗浄液CLの吐出流量であり、ここでは、ノズル部24aから処理空間15の1[m]当たりに供給される流量と一致するものとする。
図5に示すように、処理槽10の汚染度は、ポンプ流量が1.0[L/min]以上で、特に速やかに低下することがわかる。一方で、汚染度は、ポンプ流量が1.0[L/min]以上1.5[L/min]以下の範囲では、低下度合にそれほど大きな差がない。したがって、ポンプ流量を1.0[L/min]以上1.5[L/min]以下とすることで、汚染度の速やかな低下と洗浄液CLの使用量の増加抑制の両立を図ることができる。また、図4に示すように、処理空間15のミスト濃度は、ポンプ流量が0.5[L/min]の場合よりも、ポンプ流量が1.0[L/min]の場合に大きく増加する。
なお、本実施形態では、ノンクロメート処理において、ノズル部24aから処理液PLをミスト状に噴射して、処理空間15に供給するものとしたが、処理液PLを金属部品Sに十分に付着させることさせできれば、処理液PLをいかなる手法で供給するものとしてもよい。
また、本実施形態では、図3の搬出ステップ(ステップST3)の後、洗浄処理および乾燥処理を実行するものとした。ただし、金属部品Sにノンクロメート処理を施した後、金属部品Sを処理槽10から搬出する前に、洗浄処理および乾燥処理を実行してもよい。それにより、処理槽10等だけではなく、金属部品Sにも洗浄処理および乾燥処理を施すことができる。
また、本実施形態では、表面処理装置100に、実施形態にかかる洗浄装置200(図1において処理液供給系統21を除いた構成)が含まれるものとした。ただし、洗浄装置200は、表面処理装置100とは別の装置であってもよい。すなわち、洗浄装置200は、他の装置において表面に処理液PLが供給された金属部品Sを処理空間15に配置し、金属部品Sに付着した処理液PLを洗浄するための装置として構成されてもよい。
また、本実施形態では、被処理対象物を金属部品Sとし、金属部品Sの表面に処理液PLを供給する表面処理に対して、洗浄装置200を用いて処理液PLを洗浄する例を説明した。ただし、被処理対象物は、金属部品Sに限られず、処理液PLは、ノンクロメート処理液に限られない。洗浄装置200は、なんらかの被処理対象物の表面になんらかの表面処理を施すための処理液を洗浄するものであればよい。
10 処理槽
10a 開口
11 本体部
11a 内側面
11b 底面
12 収集部
12a 排出口
15 処理空間
20 供給部
21 処理液供給系統
21a 処理液貯留部
21b 処理液供給ライン
21c 処理液供給バルブ
22 洗浄液供給系統
22a 洗浄液貯留部
22b 洗浄液供給ライン
22c 洗浄液供給バルブ
23 エア供給系統
23a エアコンプレッサ
23b エア供給ライン
23c エア供給バルブ
24 共通供給系統
24a ノズル部
241a 噴射口
24b 共通供給ライン
24c 共通供給バルブ
24d ポンプ
24e 温調装置
24f 加熱器
30 回収部
31 廃液ピット
32 回収ライン
33 回収用バルブ
35 循環ライン
36 循環用バルブ
40 抑制装置
41 エア噴出部
41a 噴出口
42 エア吸引部
42a 吸引口
43 ミスト回収器
44 送風機
50 制御装置
61 ミスト濃度計測器
62 湿度計測器
63、64 温度計測器
65 電気伝導度計
100 表面処理装置
A 乾燥用エア
CL 洗浄液
PL ノンクロメート処理液(処理液)
S 金属部品

Claims (17)

  1. 内面により処理空間を画成し、前記内面に撥水コーティングが施された処理槽と、
    前記処理空間に、被処理対象物の表面に付着した表面処理のための処理液および前記内面に付着した前記処理液の少なくとも一方を洗浄する洗浄液を、ミスト状に噴射する洗浄液噴射ノズルを有する洗浄液供給装置と、
    を備えることを特徴とする洗浄装置。
  2. エアコンプレッサを有し、前記エアコンプレッサで圧縮した乾燥用エアを前記処理空間に供給する乾燥装置をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
  3. 前記乾燥装置は、前記エアコンプレッサで圧縮されて前記処理空間に供給される乾燥用エアを加熱する加熱器を有することを特徴とする請求項2に記載の洗浄装置。
  4. 前記洗浄液供給装置は、前記洗浄液噴射ノズルに前記洗浄液を供給する供給ラインを有し、
    前記乾燥装置は、前記エアコンプレッサで圧縮した乾燥用エアを、前記供給ラインを介して前記洗浄液噴射ノズルから前記処理空間へと供給することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の洗浄装置。
  5. 前記洗浄液噴射ノズルは、1流体スプレーノズルであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の洗浄装置。
  6. 前記処理槽の内部および外部の湿度を計測する湿度計測器をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の洗浄装置。
  7. 前記処理空間から回収される前記洗浄液が流れる回収ラインと、
    前記回収ラインを流れる前記洗浄液の汚染度を計測する電気伝導度計と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の洗浄装置。
  8. 前記処理槽の上部に設けられた開口からの前記洗浄液の漏出を抑制する抑制装置をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の洗浄装置。
  9. 前記抑制装置は、前記開口をエアの流れでシールするエアカーテン装置であることを特徴とする請求項8に記載の洗浄装置。
  10. 前記洗浄液噴射ノズルに供給される前記洗浄液の温度を調節する温調装置をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の洗浄装置。
  11. 前記処理空間の内部のミスト濃度を計測するミスト濃度計測器をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の洗浄装置。
  12. 前記洗浄液のミストの平均液滴径は、70[μm]以下であることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の洗浄装置。
  13. 前記処理空間における前記洗浄液のミスト濃度は、前記処理空間の1[m]当たり100[mL]以上5000[mL]以下であることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の洗浄装置。
  14. 前記洗浄液噴射ノズルから前記処理空間に供給される前記洗浄液の供給量は、前記処理空間の1[m]当たり1.5[L/min]以下であることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の洗浄装置。
  15. 請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の洗浄装置と、
    前記処理槽の前記処理空間に配置された被処理対象物に、表面処理を施すための処理液を供給する処理液供給装置と、
    を備えることを特徴とする表面処理装置。
  16. 内面により処理空間を画成し、前記内面に撥水コーティングが施された処理槽の前記処理空間に、被処理対象物の表面に付着した表面処理のための処理液および前記内面に付着した前記処理液の少なくとも一方を洗浄する洗浄液を、ミスト状に噴射する洗浄処理ステップを備えることを特徴とする洗浄方法。
  17. 前記洗浄処理ステップの後、前記処理空間に、エアコンプレッサで圧縮した乾燥用エアを供給する乾燥処理ステップをさらに備えることを特徴とする請求項16に記載の洗浄方法。
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