JP2004077378A - 電解洗浄液の劣化測定装置及び該装置を用いた電解洗浄液の劣化度評価方法 - Google Patents

電解洗浄液の劣化測定装置及び該装置を用いた電解洗浄液の劣化度評価方法 Download PDF

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冨田 美智雄
Yasutaka Koyama
小山 保貴
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茨木 健守
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Abstract

【課題】電解洗浄液の劣化を簡易かつ迅速に、精度良く測定し、電解洗浄液の良否の判定を正確に行う。
【解決手段】+側と−側の一対のプローブを有する二極式のセンサーを洗浄槽内の電解洗浄液中に浸漬させ、上記+側プローブは信号発生回路、水晶発信式タイマーを介在させて電源に接続する一方、上記−側プローブは信号増幅回路を介して表示部に接続し、上記+側プローブから電解洗浄液中を通り−側プローブへと信号を通過させ、電気抵抗として作用する上記電解洗浄液の劣化に応じて低下する出力信号の電圧を上記表示部で表示させる構成とした測定装置により電解洗浄液の劣化を測定する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解洗浄液の劣化測定装置及び該装置を用いた電解洗浄液の劣化度評価方法に関し、詳しくは、電解洗浄液の劣化状況を精度良く測定し、電解洗浄液の劣化度を簡易に評価可能とするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、金型等の金属材に付着した汚れを洗浄するには、アルカリ溶液等の電解洗浄液を用いることが一般に行われている。このような電解洗浄液による洗浄において、汚れ成分により劣化した電解洗浄液を用いて金型等の被洗浄物を洗浄すると、被洗浄物に汚れ成分が付着し、十分な洗浄効果が得られないことがある。
【0003】
特に、電解洗浄液を洗浄槽内に貯留して用いる場合には、洗浄作業の繰り返しにより洗浄槽内の電解洗浄液の汚れが徐々に進行し、洗浄能力に影響を及ぼすこととなる。このため、良好な洗浄能力を得るには、電解洗浄液の汚れを頻繁に測定し、その劣化度を管理する必要がある。よって、正確に電解洗浄液の劣化度を測定することが望まれており、種々の提案がなされている。
【0004】
例えば、特開平9−281098号では、洗浄液の吸光度と電気伝導度とを測定し、これにより得られた劣化指標値を用いてアルカリ洗浄剤を含有する洗浄液の洗浄力を評価する洗浄液の洗浄力評価方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電解洗浄液において、吸光度と電気伝導度を安定して精度良く測定するのは困難である上に、汚れ成分によっては測定できない場合もあるため、特開平9−281098号の方法では、正確な評価結果が得られないという問題がある。
【0006】
電解洗浄液の組成等を手作業により分析し、電解洗浄液の劣化状況を解析することも考えられるが、分析・解析には手間と時間を要するという問題もある。よって、電解洗浄液の劣化状況は、主に外観により判断せざるを得ないという問題がある
【0007】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、電解洗浄液の劣化を簡易かつ迅速に、精度良く測定可能な電解洗浄液の劣化測定装置を提供すると共に、電解洗浄液の良否の判定や交換時期の予測を正確に行うことができる電解洗浄液の劣化度評価方法を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、+側と−側の一対のプローブを有する二極式のセンサーを洗浄槽内の電解洗浄液中に浸漬させ、上記+側プローブは信号発生回路、水晶発信式タイマーを介在させて電源に接続する一方、上記−側プローブは信号増幅回路を介して表示部に接続し、
上記+側プローブから電解洗浄液中を通り−側プローブへと信号を通過させ、電気抵抗として作用する上記電解洗浄液の劣化に応じて低下する出力信号の電圧を上記表示部で表示させる構成としていることを特徴とする電解洗浄液の劣化測定装置を提供している。
【0009】
電解洗浄液が汚れ成分により劣化すると、汚れ成分が電気抵抗として作用し、この電気抵抗の影響により、上記プローブ間を通過する信号の流れに変化が生じる。具体的には、電解洗浄液が劣化すると、汚れ成分がない状態に比べて、−側プローブに出力される信号の電圧が低下する。よって、上記のように、+側プローブから電解洗浄液中を通り−側プローブへと信号を通過させ、電解洗浄液中の信号の変化を検出し、出力信号の低下を表示することにより、電解洗浄液の劣化度を測定することができる。従って、上記構成とすることにより、上記センサーを電解洗浄液中に浸漬させるだけで、精度良く、簡易かつ迅速に電解洗浄液の劣化を測定することができる。
【0010】
電源と上記信号発生回路との間に定電圧保証回路を介設して交流電源を直流安定化電源に変換し、上記信号発生回路で直流安定化電源を測定用信号に変換すると共に、該信号発生回路をスタートスイッチおよびリセットスイッチに接続し、上記スタートスイッチのオンで上記信号発生回路より測定用信号を上記水晶発信式タイマーを通過して上記+側プローブに送信し、上記水晶発信式タイマーで信号発信から0.5〜1秒後に上記−側プローブに接続される表示部の表示内容の固定(ホールド)を行い診断値として表示している。なお、水晶発信式タイマーの信号発信から0.7秒後に表示部でのホールドを行うのが最適である。
【0011】
上記のように水晶発信式タイマーを使用し、安定化電源を変換した信号の発信から上記所定時間後に表示部の表示内容を固定している。このため、表示部に正確に信号が送信されると共に、電解洗浄液の蓄電作用による電圧低下の影響を防止することができ、安定して正確な診断値を得ることができる。また、水晶発信式タイマーは、誤差が10万分の1秒程度であり、アナログタイマー(誤差100分の1秒程度)に比べ非常に誤差が少ないため、所定時間後に正確にホールドを行うことができると共に、温度等の環境の影響も少なく、よって、瞬時に測定可能であり、良好な測定精度を得ることができる。なお、診断値の2〜5回の平均値、好ましくは3回の平均値を劣化度の指標とするのが良い。
【0012】
上記+側プローブと−側プローブとは電解洗浄液を介して信号が流れる程度の間隔をあけて配置しており、具体的には、上記+側プローブと−側プローブとは3mm〜20mm、好ましくは3mm〜6mmの間隔をあけて、略平行に配置している。
【0013】
上記間隔とすることにより、信号が流れやすく測定精度をさらに高めることができる。また、測定する洗浄液の種類や劣化度等に応じて、設定電圧あるいは/及び上記プローブ間の間隔を適宜設定することができる。
【0014】
電源と上記定電圧保証回路との間には漏電及び過電流遮断装置を有する安全装置を介設するのが好ましい。表示部は、デジタル表示とすることが好ましい。また、本発明の電解洗浄液の劣化測定装置は、簡易な構成であり、大型の部品等を用いることもないので、持ち運びも容易であり携帯用とすることができる。
【0015】
また、本発明の電解洗浄液の劣化測定装置は、電解洗浄液の液温を測定する温度計、温度センサー等の液温測定機構を有しても良い。電解洗浄液は、液温により導電性が異なるため、液温も測定可能とすることで、温度補正を行うことができ、電解洗浄液の劣化度を精度良く評価できる。液温測定機構は、電解洗浄液の劣化測定装置と一体的に設けられるのが好ましいが、別体としても良い。
【0016】
さらに、電解洗浄液の測定データをコンピュータにより蓄積可能な構成としていることが好ましい。出力信号の電圧や液温等の電解洗浄液に関する測定データをコンピュータにより蓄積し管理することで、電解洗浄液の劣化度の傾向等を把握し、電解洗浄液の交換の目安等を求めることができる。具体的には、電解洗浄液の劣化測定装置とコンピュータをケーブル等を介して接続し、あるいは無線等により、電解洗浄液の劣化測定装置から測定データをコンピュータに送信する構成が好ましい。また、電解洗浄液の劣化測定装置において測定データを記録媒体等に保存可能とし、記録媒体等に保存されたデータを外部コンピュータで蓄積する構成としても良い。
【0017】
測定対象となる電解洗浄液は、アルカリ性溶液が好ましく、特に、水酸化ナトリウムを含むアルカリ溶液が好ましい。水酸化ナトリウム以外に、水酸化カリウム、グルコン酸ナトリウム、EDTA、界面活性剤、アンモニア化合物、イミノジ酢酸、コハク酸系化合物、アスパラギン酸系化合物、pH調整剤、その他各種溶剤等を含んでも良い。なお、電解洗浄液の組成や濃度は、要求される洗浄能力に応じて適宜設定されたものとすることができる。
【0018】
具体的には、金型等の金属材に付着した樹脂カスやガス焼け等の有機性の付着物を洗浄する電解洗浄液等が挙げられる。この種の電解洗浄液は、金型等の被洗浄物の洗浄の繰り返しにより、洗浄により落とされた上記付着物が電解洗浄液中に汚れ成分として蓄積され、徐々に電解洗浄液が劣化し、洗浄能力に影響を及ぼす。本発明の電解洗浄液の劣化測定装置は、このような有機物を主とする汚れ成分の測定に最適であり、金型洗浄用等の電解洗浄液の劣化度を精度良く測定することができる。
【0019】
本発明は、また、本発明の電解洗浄液の劣化測定装置を用い、上記出力信号の電圧を求めると共に、電解洗浄液の液温を測定し、
電解洗浄液毎に、電解洗浄液の液温と電解洗浄液の劣化に応じて変化する出力信号の電圧との関係を予め導出し、該関係に基づいて電解洗浄液の洗浄能力許容範囲を求めておき、
評価対象である電解洗浄液の出力信号の電圧と液温を、上記洗浄能力許容範囲と照合することにより電解洗浄液の劣化度を判定することを特徴とする電解洗浄液の劣化度評価方法を提供している。
【0020】
上記のように予め求めた洗浄能力許容範囲と、測定で得られた出力信号の電圧及び測定時の液温との関係を照合することにより、電解洗浄液の良否の判定及び交換時期の予測等を容易に精度良く行うことができる。
【0021】
電解洗浄液の良否の判定基準は、電解洗浄液の種類や要求洗浄能力等により異なるが、各電解洗浄液毎に、実際の電解洗浄液の劣化状況等に基づいて洗浄能力許容範囲を適宜設定することができる。また、液温を考慮して劣化度の判定ができるため、信頼性の高い評価を行うことができる。なお、電解洗浄液の種類にもよるが液温が0℃〜60℃、好ましくは5℃〜55℃の範囲等の使用条件下で洗浄能力許容範囲を求めるのが良い。液温の測定は、電圧の測定とほぼ同時に行われるのが好ましいが、電圧測定の前後としても良い。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2は本発明の第1実施形態の電解洗浄液の劣化測定装置10を示す。電解洗浄液の劣化測定装置10は、本体部11と、+側と−側の一対のプローブ12A、12Bを有する二極式のセンサー12と、電源を供給する電源プラグ13とを備えている。
【0023】
また、本体部11は、複数の回路を有する回路部14と、出力信号の電圧を測定結果として表示する表示部15と、主電源スイッチ16、スタートスイッチ17及びリセットスイッチ18とを備えている。回路部14は、定電圧保証回路、信号発生回路、水晶発信式タイマー、信号増幅回路、漏電及び過電流遮断機を有する安全装置とを有している。主電源スイッチ16、スタートスイッチ17及びリセットスイッチ18を押すと、それぞれ、主電源ランプ、クロックモニタリングランプ、チェック終了確認ランプが点灯する構成としている。
【0024】
センサー12において+側プローブ12Aと−側プローブ12Bとは、略円柱棒状のセンサー本体12Cの一端から互いに平行に棒状に突設されており、4.5mmの間隔をあけて配置され、電解洗浄液を介して信号が流れる程度の間隔としている。プローブ12A、12Bの周囲は、円筒状の透明カバー12Dで覆われており、センサー12はセンサー本体12Cの他端からコード12Eを通じて本体部11と連結されている。
【0025】
図2は、電解洗浄液の劣化測定装置10の回路部14における回路の基本構成を示す。
+側と−側の一対のプローブ12A、12Bからなる二極式のセンサー12の+側プローブ12Aは信号発生回路、水晶発信式タイマーを介在させて電源に接続する一方、−側プローブは信号増幅回路を介して表示部15に接続している。
【0026】
電源と信号発生回路との間に定電圧保証回路を介設して交流電源を直流安定化電源に変換し、信号発生回路で直流安定化電源を測定用信号に変換する構成としている。また、電源と定電圧保証回路の間には安全装置を設け、漏電及び過電流を防止する構成としている。
【0027】
信号発生回路は、スタートスイッチ17およびリセットスイッチ18に接続しており、スタートスイッチ17をオンにすることで、信号発生回路から水晶発信式タイマーを通過して、測定用信号を+側プローブ12Aに送信する構成としている。
【0028】
+側プローブ12Aから電解洗浄液中を通り−側プローブ12Bへと信号を通過させ、電気抵抗として作用する電解洗浄液の劣化に応じて低下する出力信号を信号増幅回路で増幅し、増幅した信号の電圧を表示部に送信する構成としている。
【0029】
水晶発信式タイマーは表示部15と接続され、水晶発信式タイマーにより、信号発信から所定時間後(本実施形態では0.7秒後)に表示部15の表示内容の固定(ホールド)を行い、この固定された値を診断値として表示する構成としている。
【0030】
電解洗浄液の劣化測定装置10の仕様は、電源はAC100V、消費電力は210W、測定方式は電圧降下測定とし、使用温度は5℃〜45℃、測定液温は15℃〜50℃としている。センサー12の最大進入寸法は200mmとし、最小進入寸法は80mmとしている。
【0031】
上記構成とすることにより、汚れ成分に起因する電解洗浄液中の電気抵抗の変化を、センサー12のプローブ12A、12B間を通過する信号の流れの変化により検出することができ、よって、電解洗浄液の汚れ成分に起因する劣化度を測定することができる。また、水晶発信式タイマーを使用し、直流安定化電源を変換した信号を発信してから0.7秒後に表示部15の表示内容を固定しているため、電解洗浄液の蓄電作用による電圧低下の影響を防止することができ、安定して正確な診断値を得ることができる。従って、センサー12を電解洗浄液中に浸漬させるだけで、精度良く、容易かつ迅速に電解洗浄液の劣化度を測定することができる。
【0032】
以下、電解洗浄液の劣化測定装置10を用いた電解洗浄液の劣化測定方法について詳述する。
【0033】
本実施形態では、測定対象となる電解洗浄液として、図3(A)に示すように、合成樹脂用金型を繰り返し洗浄した後の電解洗浄液Qを用いている。この電解洗浄液Qは、水酸化ナトリウム等を含むアルカリ溶液であり、上記金型を洗浄することにより金型に付着していた樹脂カス等が洗浄液中に汚れ成分として含まれており、金型洗浄装置の洗浄槽P内に貯留されている。
【0034】
まず、電解洗浄液の劣化測定装置10の主電源スイッチ16を入れる。主電源スイッチ16を入れることにより、定電圧保証回路で交流電源が直流安定化電源に変換されると共に、信号発生回路で直流安定化電源が測定用信号に変換され、信号発信待ち、即ち、スタートスイッチ入力待ちの状態となる。
【0035】
次に、温度計(図示せず)を用い電解洗浄液Qの温度を測定する。その後、図3(B)に示すように、電解洗浄液の劣化測定装置10のセンサー12を、液温測定を行った位置と同じ位置で、プローブ12A、12Bが完全に電解洗浄液Q中に浸漬するように洗浄槽P内の電解洗浄液Q中に垂下し浸漬させる。
【0036】
このようにセンサー12を洗浄液中に垂下し浸漬させた状態で、スタートスイッチ17を押す。スタートスイッチ17を押すことにより、信号が水晶発信式タイマーを通過しセンサーの+側プローブ12Aへ送信される。
【0037】
そして、+側プローブ12Aから電解洗浄液中Qを通り−側プローブ12Bへと信号を通過させる。プローブ12A、12B間を信号が通過する際、電解洗浄液Q中に含まれる汚れ成分が電気抵抗となり、信号が減少して信号増幅回路に送信される。減少した信号を信号増幅回路で設定した比率で増幅し、表示部15に送信される。水晶発信式タイマーで信号発信から0.7秒後に表示部15の表示内容の固定(ホールド)を行い、出力信号の電圧を診断値として表示部15に表示する。このようにして、電解洗浄液Qの劣化度を測定する。
【0038】
さらに、電解洗浄液の劣化測定装置10を用いた電解洗浄液の劣化度評価方法について詳述する。
【0039】
まず、電解洗浄液の劣化測定装置10を用い、上記出力信号の電圧を求めると共に、電解洗浄液の液温を測定し、電解洗浄液毎に、電解洗浄液の液温と電解洗浄液の劣化に応じて変化する出力信号の電圧との関係を予め導出しておく。この関係と経験則による実際の電解洗浄液の劣化状況とに基づいて、図4に示すように、電解洗浄液の洗浄能力許容範囲K(図中斜線部)を求めておく。図4中、洗浄能力許容範囲の上限線L1は劣化していない新しい電解洗浄液の電圧と液温の関係を示し、下限線L2は劣化が進行し劣化度が使用限界に達している電解洗浄液の電圧と液温の関係を示す。
【0040】
上述した方法により出力信号の電圧を診断値として表示部15に表示し、診断値を得ている。1つの診断値を得た後、リセットスイッチ18を押して初期化を行い、再度、スタートスイッチ17を押し、上記同様の測定を行い診断値を表示する。このような診断値の表示を3回行い、その平均値を求める。
【0041】
評価対象である電解洗浄液の出力信号の電圧である診断値の平均値と液温を、予め求めておいた洗浄能力許容範囲Kと照合することにより電解洗浄液の劣化度を判定する。
【0042】
具体的には、評価対象である電解洗浄液の診断値の平均値と液温を図4にプロットし、プロット点が許容範囲内であれば使用可能、許容範囲外であれば使用不能と判定することができる。また、プロット点に位置により、劣化の進行状況を評価することができる。
【0043】
図5は、第2実施形態の電解洗浄液の劣化測定装置20を示す。電解洗浄液の劣化測定装置20は、電解洗浄液の液温を測定する液温測定機構としてサーミスタ29を一体的に有している。サーミスタ29は、プローブ22A、22Bを備えたセンサー22のコード22Eと連結されており、センサー本体22Cと略平行に並設されている。サーミスタ29で測定された液温は、コード22Eを介して本体部21の回路部24に送信し、液温表示部25Aにその液温が表示される構成としている。その他の構成は第1実施形態と同様としている。
【0044】
図6は、第3実施形態の電解洗浄液の劣化測定装置30を示す。図6(A)に示すように、電解洗浄液の劣化測定装置30とコンピュータCPとは、ケーブル31により接続されている。センサー32で測定された電解洗浄液Qの電圧や液温等の測定データは、ケーブル31を介して電解洗浄液の劣化測定装置30からコンピュータCPに送信され、測定データをコンピュータCPにより蓄積、管理可能な構成としている。また、図6(B)に示すように、ケーブルを介さずに、電解洗浄液の劣化測定装置30’からコンピュータCPに無線で測定データを送信しても良い。図6(C)に示すように、電解洗浄液の劣化測定装置30”は、測定データを記録媒体Dに保存可能な構成としている。このように、測定データを送信する構成ではなく、記録媒体Dに測定データを保存し、記録媒体Dにより測定データを取り出し可能としても良い。なお、測定データは、装置本体内に保存しても良い。これらデータの送信と記録媒体への保存を併せ持つ構成としても良い。コンピュータグラフィックで測定結果のイメージ図等を表示しても良い。
【0045】
また、上記実施形態では、センサーと装置の本体部とはコードを通じて連結されているが、センサーで検出された電圧信号等をコードを通じず無線により本体部へ送信する構成としても良い。
【0046】
なお、異なる組成の電解洗浄液を連続して測定する場合には、センサを水洗い等することにより次の測定を行う前に、電解洗浄液を洗い流しておくのが良く、洗浄液の組成は、アルカリ溶液に限らず、その他、種々の電解洗浄液を測定することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、汚れ成分に起因する電解洗浄液中の電気抵抗の変化を、二極式のセンサーのプローブ間を通過する信号の流れの変化により検出することができる。よって、電解洗浄液の汚れ成分に起因する劣化を測定することができる。従って、センサーを電解洗浄液中に浸漬させるだけで、精度良く、簡易かつ迅速に電解洗浄液の劣化を測定することができる。
【0048】
また、水晶発信式タイマーを使用し、直流安定化電源を変換した信号を発信してから0.7秒後に表示部の表示内容を固定しているため、電解洗浄液の蓄電作用による電圧低下の影響を防止することができ、安定して正確な診断値を得ることができる。さらに、水晶発信式タイマーは、アナログタイマーに比べ非常に誤差が少ないため、所定時間後に正確にホールドを行うことができると共に、温度等の環境の影響も少なく、良好な測定精度を得ることができる。
【0049】
さらには、センサーを浸漬させるだけでよいため、洗浄槽内に電解洗浄液が貯留された状態においても簡易かつ迅速に劣化度を測定することができる。また、大型設備等も必要でないため、持ち運びも容易であり、非常に作業性、汎用性に優れ、かつ低コストで劣化度を測定することができる。
【0050】
本発明は、特に、水酸化ナトリウム等を含むアルカリ溶液中の有機物を主とする汚れ成分の測定に最適であり、具体的には、洗浄槽内で合成樹脂用金型を繰り返し洗浄した後の電解洗浄液の樹脂カス等に起因する劣化を精度良く測定することができる。
【0051】
また、本発明の電解洗浄液の劣化度評価方法によれば、予め求めた洗浄能力許容範囲と、測定で得られた出力信号の電圧及び測定時の液温との関係を照合することにより、電解洗浄液の良否の判定及び交換時期の予測等を容易に精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の電解洗浄液の劣化測定装置の概略構成図である。
【図2】本発明の電解洗浄液の劣化測定装置の回路の基本構成図である。
【図3】(A)(B)は電解洗浄液の劣化測定装置の測定方法を示す図である。
【図4】電解洗浄液の液温と出力電圧の関係を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態の電解洗浄液の劣化測定装置の概略構成図である。
【図6】(A)(B)(C)は、本発明の第3実施形態の電解洗浄液の劣化測定装置の概略図である。
【符号の説明】
10 電解洗浄液の劣化測定装置
11 本体部
12 センサー
12A +側プローブ
12B −側プローブ
13 電源プラグ
14 回路部
15 表示部
16 主電源スイッチ
17 スタートスイッチ
18 リセットスイッチ
29 サーミスタ
P 洗浄槽
Q 電解洗浄液
CP コンピュータ

Claims (7)

  1. +側と−側の一対のプローブを有する二極式のセンサーを洗浄槽内の電解洗浄液中に浸漬させ、上記+側プローブは信号発生回路、水晶発信式タイマーを介在させて電源に接続する一方、上記−側プローブは信号増幅回路を介して表示部に接続し、
    上記+側プローブから電解洗浄液中を通り−側プローブへと信号を通過させ、電気抵抗として作用する上記電解洗浄液の劣化に応じて低下する出力信号の電圧を上記表示部で表示させる構成としていることを特徴とする電解洗浄液の劣化測定装置。
  2. 電源と上記信号発生回路との間に定電圧保証回路を介設して交流電源を直流安定化電源に変換し、上記信号発生回路で直流安定化電源を測定用信号に変換すると共に、該信号発生回路をスタートスイッチおよびリセットスイッチに接続し、
    上記スタートスイッチのオンで上記信号発生回路より測定用信号を上記水晶発信式タイマーを通過して上記+側プローブに送信し、上記水晶発信式タイマーで信号発信から0.5〜1秒後に上記−側プローブに接続される表示部の表示内容の固定(ホールド)を行い診断値として表示している請求項1に記載の電解洗浄液の劣化測定装置。
  3. 上記水晶発信式タイマーの信号発信から0.7秒後に上記表示部でのホールドを行っている請求項2に記載の電解洗浄液の劣化測定装置。
  4. 上記+側プローブと−側プローブとは電解洗浄液を介して信号が流れる程度の間隔をあけて配置している請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電解洗浄液の劣化測定装置。
  5. 上記+側プローブと−側プローブとは3mm〜20mmの間隔をあけて配置している請求項4に記載の電解洗浄液の劣化測定装置。
  6. 上記電解洗浄液の液温を測定する液温測定機構を有すると共に、
    上記電解洗浄液の測定データをコンピュータにより蓄積可能な構成としている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電解洗浄液の劣化測定装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電解洗浄液の劣化測定装置を用い、上記出力信号の電圧を求めると共に、電解洗浄液の液温を測定し、
    電解洗浄液毎に、電解洗浄液の液温と電解洗浄液の劣化に応じて変化する出力信号の電圧との関係を予め導出し、該関係に基づいて電解洗浄液の洗浄能力許容範囲を求めておき、
    評価対象である電解洗浄液の出力信号の電圧と液温を、上記洗浄能力許容範囲と照合することにより電解洗浄液の劣化度を判定することを特徴とする電解洗浄液の劣化度評価方法。
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