JPH0511008A - ガス絶縁変電機器の監視装置 - Google Patents

ガス絶縁変電機器の監視装置

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JPH0511008A
JPH0511008A JP3249222A JP24922291A JPH0511008A JP H0511008 A JPH0511008 A JP H0511008A JP 3249222 A JP3249222 A JP 3249222A JP 24922291 A JP24922291 A JP 24922291A JP H0511008 A JPH0511008 A JP H0511008A
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JP
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gas
insulated
sampling
carbon dioxide
analyzer
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JP3249222A
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English (en)
Inventor
Tetsuji Yoshikawa
哲司 吉川
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
  • Gas-Insulated Switchgears (AREA)
  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)
  • Testing Relating To Insulation (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガス絶縁変電機器の監視を自動化することを
可能として省力化を図り得るものであって、有害な分解
ガスからガス分析計などを極力保護することができるガ
ス絶縁変電機器の監視装置を提供する。 【構成】 ガス絶縁変圧器1(密閉タンク3)内に充填
された六フッ化イオウガスは、サンプリングされて検査
ユニット11に取り込まれ、赤外線ガス分析計12によ
り二酸化炭素濃度が測定される。自動診断装置はその二
酸化炭素濃度により、劣化の診断を行う。そして、この
二酸化炭素濃度の測定の前の段階として、検査ユニット
36(ガス検出器37)によるフッ化チオニル成分の測
定を行い、予め設定されたレベルを越えているときに
は、検査ユニット11へのサンプリングガスの供給を停
止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス絶縁変電機器の信
頼性向上を図るために、密閉タンク内の絶縁ガスの状態
を監視するようにしたガス絶縁変電機器の監視装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、変電機器において事故が発生
した場合には、電力供給が不用意に停止して負荷及びそ
の周辺機器に甚大な悪影響を及ぼすと共に、変電機器そ
のものが修復不可能となって大きな経済的損失を招く虞
がある。このため従来より、変電機器の状態を定期的に
監視することによって変電機器での事故発生を未然に防
止し、以て電力供給の安定化を図ると共に、不具合部分
の軽微な改修だけで済ませることにより経済的損失の軽
減を図ることが行われている。
【0003】斯様な監視を行う場合、ガス絶縁変圧器,
ガス絶縁開閉装置などのようなガス絶縁変電機器にあっ
ては、主たる構成部分が密閉タンク内に収納されている
関係上、異常状態の前兆を直接的に監視することが困難
である。そこで、近年では、ガス絶縁変電機器内で異常
過熱部分或はコロナ放電などが発生したときに、内部の
絶縁ガス(SF6 )が化学変化して分解ガスを発生する
現象があること、並びに内部の絶縁紙,プラスチックフ
ィルム等の薄葉絶縁物が自然劣化したときに、高分子物
質の分解によりH2 O,CO,CO2 を発生する現象が
あることに着目し、事故に至る虞がある前兆状態を密閉
タンク内に充填されたガスの成分変化に基づいて監視す
ることが考えられていた。
【0004】具体的には、作業者が、ガス絶縁変電機器
内の充填ガスを携帯可能なボンベに試料として必要量採
取すると共に、そのボンベを検査装置が整った施設に持
込んで試料ガスの成分を例えばガス分析計により検査
し、その検査結果に基づいて事故に至る虞がある前兆現
象の有無を判定するのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来構
成では、ガス絶縁変電機器内の充填ガスの検査毎に、試
料ガスを採取し且つその試料ガスをガス分析計により検
査するという面倒な手順が必要となり、その検査のため
の労力が大きくなる等の問題点があった。
【0006】そこで、本出願人は、先に出願(特願平2
−48586号)したように、ガス絶縁変電機器の監視
を自動化することを可能として省力化を図り得るガス絶
縁変電機器の監視装置を開発した。このものは、密閉タ
ンク内から電磁弁を介して赤外線ガス分析計にサンプリ
ングガスを定期的に取込み、赤外線ガス分析計にてサン
プリングガス中の二酸化炭素ガスの濃度を測定し、この
測定濃度を示すデータ信号に基づいて変電機器の劣化を
診断するようになっている。
【0007】ところで、コロナ放電やアーク放電などに
伴い密閉タンク内に充填されているSF6 ガスは、有毒
なSOF2 やHFなどに分解されるが、上述のようなサ
ンプリングガスを自動的に取込んで分析を行う監視装置
にあっては、その有害な分解ガス成分がガス分析計に取
込まれることにより、配管やバルブなどの腐蝕を招く虞
がある。
【0008】従って、本発明の目的は、ガス絶縁変電機
器の監視を自動化することを可能として省力化を図り得
るものであって、有害な分解ガスからガス分析計などを
極力保護することができるガス絶縁変電機器の監視装置
を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のガス絶縁変電機
器の監視装置は、変電機器を収容した密閉タンクに六フ
ッ化イオウガスを充填してなるガス絶縁変電機器内か
ら、サンプリングガスを取込んで成分を分析することに
より、変電機器の劣化を診断するようにしたものであっ
て、ガス絶縁変電機器内から取込んだサンプリングガス
中に六フッ化イオウの分解ガス成分が含まれていること
を検出するための有害ガス検出手段を設けた構成に特徴
を有するものである。
【0010】また、ガス絶縁変電機器内からのガスのサ
ンプリングを、数日若しくはそれ以上の間隔で行うよう
にすると効果的である。
【0011】
【作用】上記手段によれば、ガス絶縁変電機器内からサ
ンプリングガスを取込んで成分を分析することに基づい
て、変電機器の劣化に伴う分解ガスなどの発生を検出す
ることができ、もって、ガス絶縁変電機器が事故に至る
前兆状態にあるか否かを判定できるようになる。
【0012】そして、サンプリングガス中に六フッ化イ
オウの分解ガス成分が含まれていることを検出するため
の有害ガス検出手段を設けたので、この検出に基づい
て、有害ガスによる配管などへの悪影響を防止する措置
をとることが可能となる。
【0013】ところで、一般に、サンプリングガスの成
分分析や六フッ化イオウの分解ガスの検出に用いられる
センサの寿命は、ガス絶縁変電機器の寿命に比べて短い
ものとなっている。その他、劣化診断には、電気回路を
構成する電子部品やサンプリングのための電磁弁など、
比較的寿命が短く、消耗品として扱われる部品が必要と
なってくる。
【0014】本発明者等の実験・研究によれば、実際の
サンプリングガスの成分の変化は緩やかであり、例えば
12時間間隔にてサンプリング,成分分析を行った場合
と、数日間隔にてサンプリング,成分分析を行った場合
とでは得られる情報に大差はないことが明らかとなっ
た。
【0015】従って、ガスのサンプリングを、数日若し
くはそれ以上の間隔で行っても、十分に変電機器の劣化
の診断を行うことができ、これにより、センサや各消耗
品をサンプリングが行われる間は駆動せずに済み、その
分センサや各消耗品を長期間に渡って使用することがで
きるのである。
【0016】
【実施例】以下本発明の第1の実施例について、図1乃
至図7を参照して説明する。ここで、ガス絶縁変電機器
の劣化診断は、サンプリングガス中の例えば水分量や二
酸化炭素濃度を測定することに基づいて行うことができ
るのであるが、本実施例では、サンプリングガス中の二
酸化炭素濃度の測定に基づいて劣化診断を行う場合につ
いて述べる。
【0017】図1において、ガス絶縁変電機器たるガス
絶縁変圧器1は、巻線などの変電機器2を収納した圧力
容器状の密閉タンク3内に絶縁ガスとして六フッ化イオ
ウ(SF6 )ガスを充填すると共に、タンク3の外側に
ガスが循環する冷却器4を取付けて成る。斯かるガス絶
縁変圧器1には、その側部に例えばガス絶縁断路器5が
一体的に取付けられてユニット化されている。
【0018】このガス絶縁断路器5は、断路機講(図示
せず)を収納した圧力容器状の密閉タンク5a内に六フ
ッ化イオウガスを充填して成り、ガス絶縁変圧器1の一
次側に貫通ブッシング6を介して接続されていると共
に、図示しない電力供給源に対し貫通ブッシング7を介
して接続される構成となっている。尚、ガス絶縁変圧器
1の充填ガス圧は例えば1.5kg/cm2 程度に設定さ
れ、ガス絶縁断路器5の充填ガス圧は例えば0.3kg/
cm2 程度に設定されている。
【0019】ガス絶縁変圧器1内の充填ガスは、検査ユ
ニット11に取り込まれるようになっている。即ち、密
閉タンク3は、コック10,フィルタ9,電磁弁32,
キャピラリチューブ33,切換弁34,電磁弁8を介し
て検査ユニット11に連結されている。従って、コック
10が開放された状態で、電磁弁32,切換弁34の弁
34a,電磁弁8が開放されたときに、サンプリングガ
スが検査ユニット11に与えられるようになっている。
この場合、前記電磁弁32及び切換弁34は、後述する
制御回路35にて通断電制御されるようになっており、
電磁弁8は、検査ユニット11を構成する制御回路31
により通断電制御されるようになっている。
【0020】前記検査ユニット11は、以下のように構
成されている。即ち、電磁弁8を通じて与えられるサン
プリングガスは、赤外線ガス分析計12に対し減圧用の
キャピラリチューブ13を介して供給されるようになっ
ている。また、上記分析計12には、その測定出力校正
用の窒素ガス及び基準ガスが、夫々外部のボンベ14及
び15から与えられるようになっている。
【0021】具体的には、ボンベ14には窒素(N2 )
ガスが充填されており、その窒素ガスは、電磁弁16,
圧力調整弁17及びキャピラリチューブ18を介して赤
外線ガス分析計12に供給される。また、ボンベ15に
は例えば窒素ガス中に二酸化炭素(CO2 )ガスを濃度
2000PPM にて混入して成る基準ガスが充填されてお
り、その基準ガスは、電磁弁19及び前記圧力調整弁1
7,キャピラリチューブ18を介して赤外線ガス分析計
12に供給される。
【0022】また、赤外線ガス分析計12は、供給され
たガスを順次排出する構成となっており、その排気ガス
は、圧力差により、流量計20及び配管パイプ21を介
して前記ガス絶縁断路器5の密閉タンク5a内に供給さ
れるようになっている。
【0023】図5には赤外線ガス分析計12の概略構成
が示されており、以下これについて説明する。即ち、こ
のガス分析計12は、良く知られているように、二酸化
炭素ガスが特定波長の赤外線を吸収する性質を持ってい
ることを利用したもので、赤外線光源22からは、二酸
化炭素ガスが吸収性を示す波長を中心波長とした赤外線
が出力される。
【0024】このように出力された赤外線は、ガス流入
口23a及びガス流出口23bを備えた試料室23内に
対して、二酸化炭素ガスが吸収性を示す特定波長の赤外
線を主に通過させるフィルタ24を介して入射される。
試料室23内を通過した赤外線は、スリット付円板25
の扇形スリット25a及びフィルタ26を介して赤外線
センサユニット27に入射される。このとき、円板25
は、モータ28により一定速度で回転されるようになっ
ており、従ってセンサユニット27には赤外線が断続的
に入射されてその出力信号がリフレッシュされるように
なる。
【0025】上記センサユニット27は、入射された赤
外線のレベルを測定するためのもので、その測定レベル
と基準レベルとの差に対応した電流信号を、プリアンプ
29を通じて二酸化炭素ガスの濃度を示すデータ信号S
dとして出力する。
【0026】そして、斯様に出力されたデータ信号Sd
は、インジケータ30にガス絶縁変圧器1内の二酸化炭
素ガス濃度を示すデータとして表示されると共に、図1
に示す制御回路31に与えられる。この制御回路31
は、マイクロコンピュータを含んで構成されたもので、
後述するように、予め設定されたシーケンスプログラム
に基づいて、検査ユニット11による二酸化炭素ガス濃
度の測定を制御する構成となっている。
【0027】さて、前記ガス絶縁変圧器1内の充填ガス
は、上記検査ユニット11とは別途にサンプリングされ
て有害ガス検出手段たる検査ユニット36に取込まれる
ようになっている。この検査ユニット36には、ガス室
内に図4に示すようなガスセンサ37aを配設して構成
されたガス検出器37が設けられている。
【0028】このガス検出器37には、前記切換弁34
の弁34bの開放によりサンプリングガスが与えられる
ようになっていると共に、コンプレッサ38から空気が
供給されるようになっている。また、ガス検出器37か
らは、供給されたサンプリングガスや空気が電磁弁39
の開放により順次排出されるようになっており、その排
気ガスは、圧力差により、シリカゲルなどの乾燥剤を収
容した乾燥室40を通ったのち、配管パイプ41及びコ
ック42を介して前記ガス絶縁断路器5の密閉タンク5
a内に供給されるようになっている。
【0029】前記ガス検出器37に設けられたガスセン
サ37aは、この場合多孔質の酸化第二スズ(SnO2
)焼結体を用いた半導体ガスセンサからなり、六フッ
化イオウガスの分解により生ずるフッ化チオニル(SO
F2 )を主に検出するようになっている。具体的には、
図4に示すように、多孔質の酸化第二スズ焼結体43
に、リード線44a,44bを介して所定の電圧が印加
される一対の電極45a,45bを配し、また、焼結体
43内に加熱用のヒータ46を配設して構成されてい
る。
【0030】かかるガスセンサ37aは、周知のよう
に、焼結体43の表面に吸着されていた酸素が検出対象
となるガスと反応して奪われることにより、抵抗値が変
化することに基づいてガスの有無や濃度を検出するよう
になっている。
【0031】前記制御回路35は、マイクロコンピュー
タを含んで構成されたもので、後述するように、予め設
定されたシーケンスプログラムに基づいて、上述のガス
検出器37によるフッ化チオニル成分の検出動作を制御
するようになっている。そして、本実施例では、制御回
路35は、サンプリングガス中に有毒なフッ化チオニル
成分が含まれていることを検出したときには、電磁弁3
2を閉塞して、フッ化チオニルを含んだ充填ガスが前記
検査ユニット11に流入することを禁止するようになっ
ている。
【0032】次に、上記構成の作用について述べる。上
述のように、検査ユニット11によりサンプリングガス
中の二酸化炭素の濃度が測定され、検査ユニット36に
よりサンプリングガス中にフッ化チオニル成分が含まれ
ているかどうかが検出されるものであるが、このとき、
制御回路31及び制御回路35は、次に述べるような制
御を行うようになっている。
【0033】まず、制御回路31の制御内容並びに関連
した操作手順について図1の全体構成を主として図5の
赤外線ガス分析計の構成及び図6のタイミングチャート
も参照しながら順に説明する。この場合、検査ユニット
11による二酸化炭素の濃度の測定は、後述するような
検査ユニット36によるフッ化チオニル成分の測定の結
果、サンプリングガス中にフッ化チオニル成分が含まれ
ていなかったことを条件として行われるようになってい
る。
【0034】例えば24時間が経過する毎に電源投入
パルスPsを出力する(図6中時刻t1 )。斯様に電源
投入パルスPsが出力されたときには赤外線ガス分析計
12の電源が投入される。
【0035】上記のような電源投入と同時に、電磁弁
16を例えば1分間だけ連続して開放させる。これによ
り、赤外線ガス分析計12の試料室23には、ボンベ1
4から供給される窒素ガスが充満されるようになる。
【0036】上記窒素ガスの供給開始から、1分より
短い所定時間Δtが経過した時刻t2 (試料室23内に
窒素ガスが充満したタイミング)で、プリアンプ29を
通じて出力されるデータ信号Sdのレベルが例えば4m
Aとなるように赤外線ガス分析計12及びプリアンプ2
9を校正する。ここで、試料室23内に窒素ガスが充満
した状態では二酸化炭素ガスの濃度が零であるから、上
記データ信号Sdのレベルが4mAある状態は、赤外線
ガス分析計12による測定濃度が零の状態を示すことに
なり、これにより零点校正が行われる。
【0037】窒素ガスの供給が1分間行われた時刻t
3 に至ったときには、電磁弁16を遮断すると共に、電
磁弁19を1分間だけ連続して開放させる。これによ
り、ボンベ15内の二酸化炭素ガス濃度2000PPM の
基準ガスが赤外線ガス分析計12に供給されるようにな
る。この結果、試料室23内の窒素ガスが基準ガスに置
換されて二酸化炭素ガス濃度が増えるため、データ信号
Sdのレベルが上昇するようになる。
【0038】基準ガスの供給開始から所定時間Δtが
経過した時刻t4 (試料室23内に基準ガスが充満する
ことにより、データ信号Sdのレベル上昇が飽和したタ
イミング)において、データ信号Sdのレベルが例えば
20mAとなるように赤外線ガス分析計12及びプリア
ンプ29を校正する。ここで、試料室23内に基準ガス
が充満した状態では二酸化炭素ガスの濃度が2000PP
M であるから、このデータ信号Sdのレベルが20mA
ある状態は、赤外線ガス分析計12による測定濃度が2
000PPM の状態を示すことになり、これにより、スパ
ン校正が行われる。
【0039】基準ガスの供給が1分間行われた時刻t
5 に至ったときには、電磁弁19を遮断すると共に、電
磁弁16を1分間だけ連続して開放させる。これによ
り、ボンベ14内の窒素ガスが赤外線ガス分析計12に
供給され、試料室23内の基準ガスが窒素ガスに置換さ
れる。尚、このようなガス置換後にデータ信号Sdのレ
ベルが零点に相当した4mAよりずれている場合に、前
述した零点校正及びスパン校正を再度行う構成とするこ
ともできる。
【0040】窒素ガスの供給が1分間行われた時刻t
6 に至ったときには、電磁弁16を遮断すると共に、電
磁弁8を所定の測定所要時間Tだけ連続して開放させ
る。これにより、ガス絶縁変圧器1内の充填ガスがサン
プリングされて赤外線ガス分析計12に供給される。す
ると、データ信号Sdのレベルが、上記サンプリングガ
スの二酸化炭素濃度に応じて変化するようになる。
【0041】上記充填ガスのサンプリング開始から、
測定所要時間Tが経過した時刻t7(データ信号Sdの
レベルが飽和するタイミング)に至ったときに、その時
点のデータ信号Sdをガス絶縁変圧器1内の二酸化炭素
ガスの濃度を示す信号として記憶する。そして、記憶し
たデータ信号Sdを、オンライン通信手段を通じて上位
装置である変電系の自動診断装置に送信する。
【0042】この後には、電磁弁8を遮断した時刻t
7 後に所定時間ΔTが経過した時刻t8 において、デー
タ信号Sdのレベルが4mAとなる強制零状態に切換え
ると共に、さらに所定時間が経過した時刻t9 において
電源遮断パルスPeを出力して赤外線ガス分析計12の
電源を遮断する。
【0043】尚、赤外線ガス分析計12の電源が投入さ
れた状態で、データ信号Sdのレベルが図6に二点鎖線
で示すように0mAとなった場合には、制御回路31に
割り込みがかかるようになっており、これに伴い制御回
路31は、ガス分析計12に異常が発生したものとして
警報信号を発生する。
【0044】以上のような制御が行われる結果、24時
間が経過する毎に、赤外線ガス分析計12の零点調整及
びスパン調整が行われると共に、ガス絶縁変圧器1内の
充填ガスのサンプリング及びサンプリングガス中の二酸
化炭素濃度の測定が行われるものである。尚、図7に
は、上述した制御回路31による制御動作の理解の一助
となるように、その制御内容の概略をフローチャートに
て示した。
【0045】さて、以上のようにして検査ユニット11
によりサンプリングガス中の二酸化炭素濃度の測定が行
われるものであるが、本実施例では、この二酸化炭素濃
度の測定の前の段階として、検査ユニット36によるフ
ッ化チオニル成分の測定を行うようにしている。この場
合、制御回路35は、図2に示すタイミングチャートに
従って制御を行う。
【0046】例えば24時間が経過する毎に電源投入
パルスPsを出力する(図2中時刻u1 )。斯様に電源
投入パルスPsが出力されたときにはガス検出器37の
電源が投入される。
【0047】上記のような電源投入と同時に、コンプ
レッサ38を例えば5分間だけオンすると共に、電磁弁
39を同時間だけ開放させる。これにより、前回の測定
時にガス検出器37内に満たされていたサンプリングガ
スがそのガス室内から排出されると共に、ガス検出器3
7内が空気で満たされてガスセンサ37aがその表面に
酸素が吸着されることによる高抵抗の初期状態に戻る。
【0048】5分間が経過して時刻u2 になると、コ
ンプレッサ38が停止すると共に電磁弁39が閉塞さ
れ、こののち、例えば1分間だけ、切換弁34の弁34
aが閉鎖されて弁34bが開放されると共に、電磁弁3
2が開放される。これにより、ガス絶縁変圧器1内の充
填ガスがサンプリングされてガス検出器37に供給され
る。
【0049】サンプリングガスのガス検出器37への
供給が1分間行われたのち(時刻u3 )、電磁弁32が
遮断され、サンプリングガス中の分解ガス成分(フッ化
チオニル)の測定が行われる。このとき、サンプリング
ガス中にフッ化チオニル成分が含まれていると、その濃
度に応じて、ガスセンサ37aの抵抗値が変化する。つ
まり、フッ化チオニルの濃度が大きくなると、焼結体4
3の表面から奪われる酸素の量が多くなり、電子が余っ
てガスセンサ37aの抵抗値が小さくなるものである。
ガス検出器37は、この抵抗値に対応した電流信号をデ
ータ信号として出力する。
【0050】サンプリングガスの供給が終わった後、
測定所要時間Tが経過した時刻u4(データ信号のレベ
ルが飽和するタイミング)に至ったときに、その時点の
データ信号をガス絶縁変圧器1内のフッ化チオニルガス
の濃度の測定値として記憶する。そして、記憶したデー
タ信号を、オンライン通信手段を通じて上位装置である
変電系の自動診断装置に送信する。このとき、データ信
号が、六フッ化イオウガスが分解して配管等に有害とな
る濃度のフッ化チオニルが発生したとして予め設定され
たレベルを越えているときには、ここで全測定を停止
し、電磁弁32などを全て遮断する。
【0051】これにより、上述の二酸化炭素濃度の測定
のために、有害な分解ガス成分がガス分析計12などに
取込まれることがなくなり、配管やバルブなどの腐食な
どを極力防止することができるのである。
【0052】一方、データ信号が所定レベル以下であ
るときには、前記時刻u4 からさらに所定時間が経過し
た時刻u5 において電源遮断パルスPeを出力してガス
検出器37の電源を遮断すると共に、切換弁34の弁3
4bを遮断し弁34aを開放する。しかる後、上述のよ
うな検査ユニット11によるに二酸化炭素の濃度の測定
が行われるのである。
【0053】尚、図3には、上述した制御回路35によ
る制御動作の理解の一助となるように、その制御内容の
概略をフローチャートにて示した。
【0054】上記した本実施例によれば、検査ユニット
11によりガス絶縁変圧器1内で発生する二酸化炭素ガ
ス濃度の測定が自動的に行われると共に、検査ユニット
36により六フッ化イオウガスの分解により発生するフ
ッ化チオニルガスの検出及び濃度の測定が自動的に行わ
れる。
【0055】従って、ガス絶縁変圧器1において絶縁紙
などの劣化が進行して二酸化炭素ガスが発生するような
状態及び異常過熱部分或はコロナ放電などが発生して絶
縁ガス(六フッ化イオウ)が化学変化した状態、つまり
事故に至る前兆状態を、各検査ユニット11,36の測
定結果に基づいて自動的に監視・診断できるようにな
る。
【0056】そして、万一、六フッ化イオウガスの分解
により有毒なフッ化チオニルガスが発生したときには、
検査ユニット36の検出に基づいて、検査ユニット11
にはその有害成分を含むサンプリングガスが供給されな
いように構成したので、有害な分解ガスによるガス分析
計12などに対する悪影響を未然に防止することがで
き、構成部品などの保護を図ることができるものであ
る。
【0057】また、本実施例では、各検査ユニット1
1,36において濃度の測定に供されたサンプリングガ
スは、被検査対象のガス絶縁変圧器1より低い内圧のガ
ス絶縁断路器5の密閉タンク5a内に供給されるように
なる。従って、測定のためにサンプリングした六フッ化
イオウを主成分とするガスを大気に放出することなく回
収できて、大気の環境保全に寄与することができるよう
になる。しかも、この場合のガスの回収は、ガス絶縁変
圧器1及びガス絶縁断路器5間の内圧差を利用して行っ
ているから、ポンプなどの装置が不要となって検査装置
の構造が複雑化する虞がなくなると共に、メンテナンス
フリーを実現できる。
【0058】尚、本実施例では、ガス検出器37により
フッ化チオニル成分が検出されたときに、検査ユニット
11にサンプリングガスが供給されなくなるように構成
したが、例えば有害成分が検出されたときには警報を発
するといった構成としても良い。また、ガス濃度の測定
に供されたサンプリングガスを絶縁開閉装置(GIS)
に供給する構成としても良い。
【0059】次に、本発明の第2の実施例について、図
8乃至図10を参照して説明する。尚、上記第1の実施
例と共通する点については新たな図示や詳しい説明を省
略し、以下要点についてのみ述べることとする。
【0060】本実施例では、上記実施例における二酸化
炭素濃度の測定に代えて、サンプリングガス中の水分量
の測定に基づいて変電機器2の劣化の診断を行うように
しており、また、そのためのサンプリングを5日間隔に
て行うようにしている。
【0061】本実施例において用いられる水分測定装置
51は、図9に示す如き構成とされている。この水分測
定装置51は、周知の電気容量式の湿度計からなり、プ
ローブ52,信号処理部53及び表示部54から構成さ
れている。図示はしないが、プローブ52は、コンデン
サを構成する2電極間に、アルミナ等の多孔質セラミッ
クスからなる薄膜状の中間絶縁物を配置して構成されて
いる。このプローブ52は、タンク3に、周囲を密封し
た状態で差込まれるようにして取付けられるようになっ
ている。
【0062】そして、信号処理部53は、そのプローブ
52の中間絶縁物の気孔に水蒸気の吸脱着があると、2
電極間の電気抵抗及び静電容量(インピーダンス)が変
化することに基づいて湿度(露点)を測定するものであ
り、その測定結果を表示部54に表示すると共に、外部
(出力表示モニタ)に出力するようになっている。
【0063】図8は、本実施例に係る監視装置の構成を
ブロック化して示している。ここで、電源供給装置55
は、前記水分測定装置51に対し、直流または交流の電
源をタイマカウンタ56(トランジスタ56b)を介し
て供給するようになっている。本実施例では、耐ノイズ
性を考慮してD/Dコンバータを用いており、DC11
0VをDC24Vにステップダウンして供給するように
なっている。
【0064】そして、前記タイマカウンタ56は、水晶
発振子を用いた発振部56aを有し、約10MHzの交
流信号を分周して、1時間,2時間,……24時間、並
びに、1日,2日,……7日、といった時間クロックが
取出せるようになっている。このクロック信号に基づい
て、スイッチング用のトランジスタ56bが所定の間隔
(本実施例では5日間隔)でオンされて水分測定装置5
1が作動し、一定時間経過後(測定の終了後)、ワンシ
ョットマルチバイブレータ56cにより、トランジスタ
56bがオフされるようになっている。
【0065】これにより、水分測定装置51によるタン
ク3内のガス中の水分量の測定が、5日間隔で行われる
ようになっている。そして、その測定結果は出力表示モ
ニタ(現場盤)57に出力され、この出力表示モニタ5
7にて、得られた情報のICメモリへの記憶、出力LE
Dによる表示が行われると共に、その情報が出力表示モ
ニタ(中央監視盤)58に伝送されるようになってい
る。
【0066】出力表示モニタ57は、さらに、測定され
た水分量が予め設定された範囲から外れた場合に、異常
を報知したり、水分測定装置51自体の故障を報知する
ようになっている。前記出力表示モニタ58は、中央監
視向きのシステムであり、上記出力表示モニタ57の機
能に加え、人工知能(エキスパートシステム)を用いた
診断,判定などの機能を有している。
【0067】ところで、一般に、上述したような水分測
定装置51や、上記第1の実施例にて説明した赤外線ガ
ス分析計12やガス検出器37等のセンサにあっては、
寿命が5〜10年程度と言われている。また、水分測定
装置51には電解コンデンサ等の比較的寿命の短い電子
部品が用いられている。さらに、上記第1の実施例にて
説明したように、監視装置には、多数個の電磁弁や駆動
用のモータ28、加熱用のヒータ46などの比較的寿命
が短くいわば消耗品として扱われる部品が不可欠とな
る。
【0068】これに対し、ガス絶縁変圧器1等のガス絶
縁変電機器の寿命は、一般に、20〜30年となってい
る。このため、監視装置による劣化の診断を、連続的あ
るいは比較的頻繁(例えば12時間間隔)にて行うと、
上述のように、装置の各構成部品の寿命が比較的短い事
情により、点検や部品交換作業などを何度も行わなけれ
ばならないという不具合が生じ、信頼性にも欠けること
となる。
【0069】ところが、本発明者等の実験・研究によれ
ば、実際のサンプリングガスの成分の変化は極めて緩や
かであり、12時間間隔でサンプリング,成分分析を行
った場合と、数日(例えば5日)間隔でサンプリング,
成分分析を行った場合とで、得られる情報に大差がない
ことが明らかとなったのである。
【0070】図10は、水分測定装置51により測定さ
れた月間の水分量の変化の様子を示したものである。実
線で示す12時間間隔でプロットしたデータに対し、×
印及び破線で示す5日間隔でプロットしたデータであっ
ても、全体の水分量の変化を把握することが十分に可能
であることが理解できる。逆に、通常では水分量の変化
は急激には起こるものではなく、水分量を頻繁に測定し
てもさほど意味があるとは言えないのである。
【0071】このように本実施例によれば、水分測定装
置51による水分量の測定を、5日間隔にて行うように
しているので、変電機器2の劣化診断を十分な信頼性を
もって行うことができるものであって、水分測定装置5
1等を5日に一度駆動させるだけで済んで、各部品の耐
用時間を長期間に延ばすことができるものである。この
結果、各部品等を交換することなしに、装置を長期間に
渡って使用することが可能となり、その信頼性を大幅に
向上することができるのである。
【0072】尚、この第2の実施例では、水分量を5日
間隔で測定する場合について述べたが、上記第1実施例
のように二酸化炭素濃度を測定する場合においても、数
日若しくはそれ以上の間隔で行うようにしても良い。図
11は、赤外線ガス分析計12により測定された月間の
二酸化炭素濃度の変化の様子を示したものである。やは
り、実線で示す12時間間隔でプロットしたデータに対
し、×印及び破線で示す5日間隔でプロットしたデータ
であっても、二酸化炭素濃度の変化を把握することが十
分に可能であることが理解できる。
【0073】
【発明の効果】以上の説明にて明らかなように、本発明
のガス絶縁変電機器の監視装置によれば、ガス絶縁変電
機器内からサンプリングガスを取込んで成分を分析する
ことにより、変電機器の劣化を診断するようにしたもの
であって、ガス絶縁変電機器内から取込んだサンプリン
グガス中に六フッ化イオウの分解ガス成分が含まれてい
ることを検出するための有害ガス検出手段を設けたの
で、ガス絶縁変電機器の監視を自動化することを可能と
して省力化を図り得るものであって、有害な分解ガスか
らガス分析計などを極力保護することができるという優
れた効果を奏するものである。
【0074】また、ガス絶縁変電機器内からのガスのサ
ンプリングを、数日若しくはそれ以上の間隔で行うよう
にすれば、各部品等を交換することなしに、装置を長期
間に渡って使用することが可能となり、信頼性を大幅に
向上することができるという実用的効果を奏するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すもので、配管状態
を実体的に示す全体の構成図
【図2】SOF2 濃度測定の動作説明用のタイミングチ
ャート
【図3】同動作内容の概略を示すフローチャート
【図4】ガスセンサの概略構成図
【図5】赤外線ガス分析計の概略構成図
【図6】CO2 濃度測定の動作説明用のタイミングチャ
ート
【図7】同動作内容の概略を示すフローチャート
【図8】本発明の第2の実施例を示すもので、監視装置
の概略構成を示すブロック図
【図9】水分測定装置の概略構成図
【図10】水分測定装置の測定による水分量の変化の様
子を示す図
【図11】赤外線ガス分析計の測定による二酸化炭素濃
度の変化の様子を示す図
【符号の説明】
図面中、1はガス絶縁変圧器(ガス絶縁変電機器)、3
は密閉タンク、5はガス絶縁断路器、8は電磁弁、11
は検査ユニット、12は赤外線ガス分析計、31は制御
回路、32は電磁弁、34は切換弁、35は制御回路、
36は検査ユニット(有害ガス検出手段)、37はガス
検出器、37aはガスセンサ、51は水分測定装置、5
2はプローブ、53は信号処理部、55は電源供給装
置、56はタイマカウンタ、57,58は出力表示モニ
タを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02B 13/055 H02H 5/00 D 9061−5G H02J 4/00 7373−5G

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変電機器を収容した密閉タンクに六フッ
    化イオウガスを充填してなるガス絶縁変電機器内から、
    サンプリングガスを取込んで成分を分析することによ
    り、前記変電機器の劣化を診断するようにしたものにお
    いて、前記ガス絶縁変電機器内から取込んだサンプリン
    グガス中に六フッ化イオウの分解ガス成分が含まれてい
    ることを検出するための有害ガス検出手段を設けたこと
    を特徴とするガス絶縁変電機器の監視装置。
  2. 【請求項2】 ガス絶縁変電機器内からのガスのサンプ
    リングを、数日若しくはそれ以上の間隔で行うようにし
    たことを特徴とする請求項1記載のガス絶縁変電機器の
    監視装置。
JP3249222A 1990-11-09 1991-09-27 ガス絶縁変電機器の監視装置 Pending JPH0511008A (ja)

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JP2-304659 1990-11-09
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