JP2020018629A - 荷電粒子線治療装置 - Google Patents

荷電粒子線治療装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020018629A
JP2020018629A JP2018145280A JP2018145280A JP2020018629A JP 2020018629 A JP2020018629 A JP 2020018629A JP 2018145280 A JP2018145280 A JP 2018145280A JP 2018145280 A JP2018145280 A JP 2018145280A JP 2020018629 A JP2020018629 A JP 2020018629A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
charged particle
particle beam
electromagnet
deflection
bending
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018145280A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7145000B2 (ja
Inventor
三上 行雄
Yukio Mikami
行雄 三上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP2018145280A priority Critical patent/JP7145000B2/ja
Publication of JP2020018629A publication Critical patent/JP2020018629A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7145000B2 publication Critical patent/JP7145000B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】小型化を図ることができる荷電粒子線治療装置を提供する。【解決手段】第1偏向電磁石21の偏向角を第1偏向角θ1とし、第2偏向電磁石22Aの偏向角を第2偏向角θ2とした場合、第2偏向電磁石22Aの第2偏向角θ2は、第1偏向角θ1の二倍の大きさで当該第1偏向角θ1と反対側へ向かう角度となる。これにより、第2偏向電磁石22Aは、第1偏向角θ1と同じ大きさの照射角θ3にて、患者Wに荷電粒子線Bを照射することができる。このようなシンプルな関係性を有するため、第1偏向電磁石21及び第2偏向電磁石22Aの磁場強度を調整するだけで、所望の照射角θ3で患者Wに荷電粒子線Bを照射することができる。荷電粒子線治療装置1は、回転ガントリ方式の装置に比して高さ方向のサイズを低減することができ、且つ、多数の偏向電磁石を用いる場合に比してフットプリントを低減することができる。【選択図】図5

Description

本発明は、荷電粒子線治療装置に関するものである。
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載の荷電粒子線治療装置が知られている。この荷電粒子線治療装置は、加速器から出射した荷電粒子線の上流側から下流側へ向かって、第1偏向電磁石、第2偏向電磁石、及び第3偏向電磁石を備えている。この荷電粒子線治療装置は、これらの偏向電磁石で荷電粒子線を曲げることで、患者に対して所望の角度で荷電粒子線を照射している。第1偏向電磁石は、加速器からの荷電粒子線を偏向させ、第2偏向電磁石は、第1偏向電磁石からの荷電粒子線を一度水平となるように偏向させている。第3偏向電磁石は、第2偏向電磁石からの荷電粒子線を偏向させて、患者へ照射する。
特開2012−011038号公報
近年、荷電粒子線治療装置の小型化が求められている。上述の荷電粒子線治療装置は、回転ガントリ方式の装置に比べれば、特に高さ方向におけるサイズを小型化することができる。しかしながら、上述の荷電粒子線治療装置は、第1偏向電磁石から第3偏向電磁石までの距離が長くなるため、フットプリントの低減に改善の余地があった。
本発明は、小型化を図ることができる荷電粒子線治療装置を提供することを目的とする。
本発明の荷電粒子線治療装置は、被照射体に荷電粒子線を照射する荷電粒子線治療装置であって、加速器側から入射した荷電粒子線をエネルギーに応じた第1偏向角で偏向する第1偏向電磁石と、荷電粒子線の進行方向において、第1偏向電磁石の下流側に当該第1偏向電磁石と隣接するように設けられ、第1偏向電磁石から入射した荷電粒子線を第2偏向角で偏向する第2偏向電磁石と、進行方向において、第2偏向電磁石の下流側に設けられ、被照射体が載置される載置部と、を備え、第2偏向角は、第1偏向角の二倍の大きさで当該第1偏向角と反対側へ向かう角度である。
荷電粒子線治療装置は、加速器側から入射した荷電粒子線をエネルギーに応じた第1偏向角で偏向する第1偏向電磁石と、荷電粒子線の進行方向において、第1偏向電磁石の下流側に当該第1偏向電磁石と隣接するように設けられ、第1偏向電磁石から入射した荷電粒子線を第2偏向角で偏向する第2偏向電磁石と、を備える。これにより、加速器側からの荷電粒子線は、第1偏向電磁石で偏向され、第2偏向電磁石で偏向された後、載置部に載置された被照射体へ照射される。ここで、第1偏向電磁石の偏向角を第1偏向角とし、第2偏向電磁石の偏向角を第2偏向角とした場合、第2偏向電磁石の第2偏向角は、第1偏向角の二倍の大きさで当該第1偏向角と反対側へ向かう角度となる。これにより、第2偏向電磁石は、第1偏向角と同じ大きさの照射角にて、被照射体に荷電粒子線を照射することができる。このようなシンプルな関係性を有するため、第1偏向電磁石及び第2偏向電磁石の磁場強度を調整するだけで、所望の照射角で被照射体に荷電粒子線を照射することができる。また、荷電粒子線の被照射体に対する照射角は、多数の偏向電磁石を用いなくとも、互いに隣接する第1偏向電磁石及び第2偏向電磁石を用いて、調整可能となる。従って、荷電粒子線治療装置は、回転ガントリ方式の装置に比して高さ方向のサイズを低減することができ、且つ、多数の偏向電磁石を用いる場合に比してフットプリントを低減することができる。以上より、小型化を図ることができる荷電粒子線治療装置を提供できる。
第1偏向電磁石は、加速器側から入射する荷電粒子線の基軸上に中心点を有する仮想的な円を設定し、円と基軸との上流側の第1交点及び下流側の第2交点のうち、第1交点の位置に荷電粒子線の入射点を有し、円の上側の円弧のうち、第2交点から第1交点へ向かって90°の範囲の少なくとも何れかの部分に円弧状の第1側面を有し、第2偏向電磁石は、第1偏向電磁石の第1側面の外周側の領域に配置され、横方向から見て、第1側面と対応する形状を有する円弧状の第2側面と、横方向から見て、基軸と垂直をなして第2交点を通過する基準線に対して、第2側面と線対称をなす円弧状の第3側面と、を有する。このような構成では、第1偏向電磁石は、入射点から入射した荷電粒子線を偏向させて第1側面の何れかの位置から出射する。第1側面から出射した荷電粒子線は、直ちに第2側面から第2偏向電磁石へ入射する。このとき、第2側面は円弧状の第1側面に対応する形状を有している。また、第3側面は、基準線に対して第2側面と線対称をなす円弧状の形状を有している。従って、荷電粒子線は、第2偏向電磁石内において基準線を基準として線対称な軌道を描き、第2側面での入射態様と線対称な態様にて、第3側面から出射する。
本発明の荷電粒子線治療装置は、被照射体に荷電粒子線を照射する荷電粒子線治療装置であって、加速器側から入射した荷電粒子線をエネルギーに応じて偏向する第1偏向電磁石と、荷電粒子線の進行方向において、第1偏向電磁石の下流側に当該第1偏向電磁石と隣接するように設けられ、第1偏向電磁石から入射した荷電粒子線を偏向する第2偏向電磁石と、進行方向において、第2偏向電磁石の下流側に設けられ、被照射体が載置される載置部と、を備え、第1偏向電磁石は、加速器側から入射する荷電粒子線の基軸上に中心点を有する仮想的な円を設定し、円と基軸との上流側の第1交点及び下流側の第2交点のうち、第1交点の位置に荷電粒子線の入射点を有し、円の上側の円弧のうち、第2交点から第1交点へ向かって90°の範囲の少なくとも何れかの部分に円弧状の第1側面を有し、第2偏向電磁石は、第1偏向電磁石の第1側面の外周側の領域に配置され、横方向から見て、第1側面と対応する形状を有する円弧状の第2側面と、横方向から見て、基軸と垂直をなして第2交点を通過する基準線に対して、第2側面と線対称をなす円弧状の第3側面と、を有する。
荷電粒子線治療装置は、加速器側から入射した荷電粒子線をエネルギーに応じて偏向する第1偏向電磁石と、荷電粒子線の進行方向において、第1偏向電磁石の下流側に当該第1偏向電磁石と隣接するように設けられ、第1偏向電磁石から入射した荷電粒子線を偏向する第2偏向電磁石と、を備える。これにより、加速器側からの荷電粒子線は、第1偏向電磁石で偏向され、第2偏向電磁石で偏向された後、載置部に載置された被照射体へ照射される。ここで、第1偏向電磁石は、入射点から入射した荷電粒子線を偏向させて第1側面の何れかの位置から出射する。第1側面から出射した荷電粒子線は、直ちに第2側面から第2偏向電磁石へ入射する。このとき、第2側面は円弧状の第1側面に対応する形状を有している。また、第3側面は、基準線に対して第2側面と線対称をなす円弧状の形状を有している。従って、荷電粒子線は、第2偏向電磁石内において基準線を基準として線対称な軌道を描き、第2側面での入射態様と線対称な態様にて、第3側面から出射する。このようなシンプルな関係性を有するため、第1偏向電磁石及び第2偏向電磁石の磁場強度を調整するだけで、所望の照射角で被照射体に荷電粒子線を照射することができる。また、荷電粒子線の被照射体に対する照射角は、多数の偏向電磁石を用いなくとも、互いに隣接する第1偏向電磁石及び第2偏向電磁石を用いて、調整可能となる。従って、荷電粒子線治療装置は、回転ガントリ方式の装置に比して高さ方向のサイズを低減することができ、且つ、多数の偏向電磁石を用いる場合に比してフットプリントを低減することができる。以上より、小型化を図ることができる荷電粒子線治療装置を提供できる。
荷電粒子線は、荷電粒子線の進行方向において、第1偏向電磁石の下流側に当該第1偏向電磁石と隣接するように設けられ、第1偏向電磁石から入射した荷電粒子線を偏向する第3偏向電磁石を更に備え、第1偏向電磁石は、円の下側の円弧のうち、第2交点から第1交点へ向かって90°の範囲の少なくとも何れかの部分に円弧状の第4側面を有し、第3偏向電磁石は、第1偏向電磁石の第4側面の外周側の領域に配置され、横方向から見て、第4側面と対応する形状を有する円弧状の第5側面と、横方向から見て、基軸と垂直をなして第2交点を通過する基準線に対して、第4側面と線対称をなす円弧状の第6側面と、を有してよい。このような構成によれば、第3偏向電磁石を用いることで、下側から所望の照射角で荷電粒子線を被照射体へ照射することができる。
第2偏向電磁石による第2偏向角は、第1偏向電磁石による第1偏向角の二倍の大きさで当該第1偏向角と反対側へ向かう角度であってよい。これにより、第2偏向電磁石は、第1偏向角と同じ大きさの照射角にて、被照射体に荷電粒子線を照射することができる。
本発明によれば、小型化を図ることができる荷電粒子線治療装置を提供することができる。
実施形態に係る荷電粒子線治療装置を示す概略側面図である。 (a)は図1に示すIIa−IIa線に沿った断面図であり、(b)は図1に示すIIb−IIb線に沿った断面図である。 照射ノズル付近の具体的な構成を示す概略側面図である。 各偏向電磁石の位置関係を示す概略側面図である。 荷電粒子線の挙動を説明するための概略側面図である。 荷電粒子線の挙動を説明するための概略側面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態に係る荷電粒子線治療装置について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る荷電粒子線治療装置1は、放射線療法によるがん治療等に利用される装置であり、イオン源(不図示)で生成した荷電粒子を加速して荷電粒子線として出射する加速器2と、荷電粒子線を被照射体へ照射する照射部3と、患者を載置する載置部4と、加速器2から出射された荷電粒子線を照射部3へ輸送するビーム輸送ライン6と、を備えている。加速器2は加速器室10内に配置されている。照射部3及び載置部4は、照射室11内に配置されている。加速器室10及び照射室11はそれぞれ壁で囲まれた空間によって構成される。加速器室10と照射室11との間は、壁12で隔てられている。ビーム輸送ライン6は、壁12を貫通している。
なお、以下の説明においては、「X軸方向」、「Y軸方向」という語を用いて説明する。X軸方向は、加速器2から照射部3へ向かう方向である。X軸方向の正側が照射部3側に該当し、負側が加速器2側に該当する。Y軸方向は、水平方向であってX軸方向と直交する方向であり、請求項における「横方向」に対応する方向である。Y軸方向の正側が図1における紙面裏側に該当し、負側が図1における紙面表側に該当する。
加速器2は、荷電粒子を加速して予め設定されたエネルギーの荷電粒子線Bを出射する装置である。加速器2として、例えば、サイクロトロン、シンクロトロン、シンクロサイクロトロン、ライナック等が挙げられる。加速器2で発生した荷電粒子線Bは、ビーム輸送ライン6によって照射部3へ輸送される。ビーム輸送ライン6は、加速器2と、照射部3と、を接続し、加速器2から出射された荷電粒子線Bを照射部3へ輸送する。ビーム輸送ライン6には、四極電磁石などが設けられている。なお、荷電粒子線Bは、加速器2から照射部3へ向かってビーム輸送ライン6をX軸方向の正側へ向かって真っ直ぐに進行する。当該進行状態における荷電粒子線Bの基軸を基軸AXとする。
照射部3は、患者W(被照射体)の患部に対し、荷電粒子線Bを照射するものである。荷電粒子線Bとは、電荷をもった粒子を高速に加速したものであり、例えば陽子線、重粒子(重イオン)線、電子線等が挙げられる。照射部3は、患者Wに対して所望の照射角で荷電粒子線Bを照射することができる。照射部3は、第1偏向電磁石21と、第2偏向電磁石22Aと、第3偏向電磁石22Bと、を備える。なお、各偏向電磁石21,22A,22Bは、Y軸方向に互い離間した状態で対向するように一対設けられる(図2参照)。
第1偏向電磁石21は、加速器2側から入射した荷電粒子線Bをエネルギーに応じて偏向する電磁石である。第1偏向電磁石21は、ビーム輸送ライン6を介して加速器2から進行してきた荷電粒子線Bを上側へ向けて偏向させることで第2偏向電磁石22Aへ導く。または、第1偏向電磁石21は、ビーム輸送ライン6を介して加速器2から進行してきた荷電粒子線Bを下側へ向けて偏向させることで第3偏向電磁石22Bへ導く。
Y軸方向から見て、第1偏向電磁石21は、D字状の形状を有している。第1偏向電磁石21は、基軸AXを基準として、上下に線対称な形状を有している。第1偏向電磁石21は、X軸方向の負側の領域(すなわち荷電粒子線Bの進行方向の上流側)において矩形状に構成され、X軸方向の正側の領域(すなわち荷電粒子線Bの進行方向の下流側)においてX軸方向の正側へ凸となる半円状に構成される。第1偏向電磁石21は、X軸方向の負側の端部において、上下方向に広がる側面31を有する。側面31は基軸AXに対して垂直な平面となる。従って、加速器2からの荷電粒子線Bは、側面31を入射面として第1偏向電磁石21へ入射する。第1偏向電磁石21は、X軸方向の正側の円弧状の側面のうち、上半分に対応する部分である側面32A(第1側面)を有する。また、第1偏向電磁石21は、X軸方向の正側の円弧状の側面のうち、下半分に対応する部分である側面32B(第4側面)を有する。なお、側面32Aと側面32Bは、互いに連続した曲面である。第1偏向電磁石21内で偏向した荷電粒子線Bは、側面32A又は側面32Bを出射面として第1偏向電磁石21から出射する。第1偏向電磁石21は、芯部21aと、芯部21aの外周部に巻かれたコイル部21bと、を備える。
図2(b)に示すように、一対の第1偏向電磁石21は、Y軸方向に互いに離間するように配置されている。これにより、一対の第1偏向電磁石21間には空間SP1が形成される。一対の第1偏向電磁石21は、空間SP1と反対側において壁部43で支持される。空間SP1は荷電粒子線Bが進行する空間であるため、真空とされている。
図1に示すように、第2偏向電磁石22Aは、荷電粒子線Bの進行方向において、第1偏向電磁石21の下流側に当該第1偏向電磁石21と隣接するように設けられ、第1偏向電磁石21から入射した荷電粒子線Bを偏向する電磁石である。第2偏向電磁石22Aは、第1偏向電磁石21に対し、X軸方向の正側の位置で斜め上方に設けられている。第2偏向電磁石22Aは、第1偏向電磁石21から入射してきた荷電粒子線Bを上側に凸となるように円弧状に曲げた後、載置部4へ向けて出射する。
Y軸方向から見て、第2偏向電磁石22Aは、略扇状の形状を有している。第2偏向電磁石22Aは、上下方向に延びる基準線CL1に対して線対称な形状を有している。基準線CL1は、基軸AXと垂直をなして、第1偏向電磁石21のX軸方向の正側の頂点TPを通過する線である(図4参照)。第2偏向電磁石22Aは、側面32Aと対応する形状を有する円弧状の側面33A(第2側面)を有する。第1偏向電磁石21からの荷電粒子線Bは、側面33Aを入射面として第2偏向電磁石22Aに入射する。側面33Aは、第2偏向電磁石22Aの内部へ向かって凹をなすように湾曲する曲面である。第2偏向電磁石22Aは、基準線CL1に対して、側面33Aと線対称をなす円弧状の側面34A(第3側面)を有する。第2偏向電磁石22A内で偏向した荷電粒子線Bは、側面34Aを出射面として第2偏向電磁石22Aから出射する。また、第2偏向電磁石22Aは、側面33Aの上端部と側面34Aの上端部との間で上方へ向かって凸となる半円弧状をなす側面36Aを有する。第2偏向電磁石22Aは、芯部22Aaと、芯部22Aaの外周部に巻かれたコイル部22Abと、を備える。
第3偏向電磁石22Bは、荷電粒子線Bの進行方向において、第1偏向電磁石21の下流側に当該第1偏向電磁石21と隣接するように設けられ、第1偏向電磁石21から入射した荷電粒子線Bを偏向する電磁石である。第3偏向電磁石22Bは、第1偏向電磁石21に対し、X軸方向の正側の位置で斜め下方に設けられている。第3偏向電磁石22Bは、第1偏向電磁石21から入射してきた荷電粒子線Bを下側に凸となるように円弧状に曲げた後、載置部4へ向けて出射する。
Y軸方向から見て、第3偏向電磁石22Bは、略扇状の形状を有している。第3偏向電磁石22Bは、基軸AXを基準として、第2偏向電磁石22Aと線対称な形状を有している。第3偏向電磁石22Bは、側面32Bと対応する形状を有する円弧状の側面33B(第5側面)を有する。第1偏向電磁石21からの荷電粒子線Bは、側面33Bを入射面として第3偏向電磁石22Bに入射する。第3偏向電磁石22Bは、基準線CL1に対して、側面33Bと線対称をなす円弧状の側面34B(第6側面)を有する。第3偏向電磁石22B内で偏向した荷電粒子線Bは、側面34Bを出射面として第3偏向電磁石22Bから出射する。また、第3偏向電磁石22Bは、側面33Bの下端部と側面34Bの下端部との間で下方へ向かって凸となる半円弧状をなす側面36Bを有する。第3偏向電磁石22Bは、芯部22Baと、芯部22Baの外周部に巻かれたコイル部22Bbと、を備える。
図2(a)に示すように、一対の第2偏向電磁石22A及び一対の第3偏向電磁石22Bは、Y軸方向に互いに離間するように配置されている。これにより、一対の第2偏向電磁石22A間及び一対の第3偏向電磁石22B間には空間SP2が形成される。一対の第2偏向電磁石22A及び一対の第3偏向電磁石22Bは、空間SP2と反対側において壁部44で支持される。空間SP2は荷電粒子線Bが進行する空間であるため、真空とされている。また、空間SP2は、空間SP1と連通している。
図2に示すように、第1偏向電磁石21が荷電粒子線Bを上側へ偏向させる場合、空間SP1内での磁場の方向(図中、矢印で示す)は、Y軸方向の正側となる。また、第2偏向電磁石22Aによる空間SP2内での磁場の方向は、Y軸方向の負側となる。一方、第1偏向電磁石21が荷電粒子線Bを下側へ偏向させる場合、空間SP1内での磁場の方向は、Y軸方向の正側となる。また、第3偏向電磁石22Bによる空間SP2内での磁場の方向は、Y軸方向の正側となる。
図1に示すように、第2偏向電磁石22Aの側面34A及び第3偏向電磁石22Bの側面34Bは、荷電粒子線Bの出射面として機能する。従って、照射部3は、側面34A,34Bと載置部4との間に照射ノズル7を備える。照射ノズル7内には、スキャニング電磁石(スキャニング法で照射を行う場合)、四極電磁石、モニタ、ディグレーダなどの各種構成要素が収容されていてよい。照射部3は、側面34A,34Bの荷電粒子線Bの出射位置を調整することができる。従って、照射ノズル7は、出射位置に合わせて移動することができる。ここで、上述のように、荷電粒子線Bが進行する空間SP1,SP2(図2参照)は、真空に保たれている。従って、各偏向電磁石21,22A,22Bが配置される空間は、載置部4が配置される外部空間から気密性が保たれた状態で封止されている。
例えば、図3に示すように、各偏向電磁石21,22A,22Bが配置される空間は、壁部47によって載置部4が配置される外部空間に対して封止されている。ここで、壁部47は、側面34A,34Bに沿って円弧状に湾曲する湾曲部47aと、載置部4が設けられる床面F1と同じ高さ位置にて水平に広がる床部47bと、床面F1から下方へ向かって延びる段差面F2に沿って床部47bから下方へ延びる下壁部47cと、湾曲部47aから上方へ向かって延びる上壁部47dと、を備える。湾曲部47aには、照射ノズル7が気密性を保った状態で設けられる。
ここで、照射ノズル7は、壁部47の気密性を保ちつつも、荷電粒子線Bの出射位置に追従して移動しなくてはならない。従って、照射ノズル7が側面34A,34Bに沿って移動する時は、壁部47ごと移動する。すなわち、壁部47のうちの湾曲部47aであった箇所が、照射ノズル7が下側に下がることに伴って、床部47bや下壁部47cとなる場合もある。このため、壁部47は、照射ノズル7に合わせた移動を行うための移動代として、折り畳み部47eを有する。折り畳み部47eは、壁部47を構成する部材が複数回、折り畳まれた箇所である。折り畳み部47eは、上壁部47dに設けられる。折り畳み部47eの一部は、照射ノズル7が下側へ移動する場合、下方へ引き伸ばされる。
載置部4は、荷電粒子線Bの進行方向において、第2偏向電磁石22A及び第3偏向電磁石22Bの下流側に設けられ、患者Wが載置される部分である。載置部4は、治療台51と、治療台51の位置調整が可能な位置調整機構52と、を備える。載置部4は、患者Wの患部が照射点RPに配置されるように、位置合わせがなされる。照射点RPは、荷電粒子線Bの照射の目標位置である。照射点RPは、側面34A,34Bの中心点に設定される。
次に、第1偏向電磁石21、第2偏向電磁石22A及び第3偏向電磁石22Bの構成について、更に詳しく説明する。なお、以降の形状の説明は、Y軸方向の負側から正側を見た場合の形状について行われているものとする。まず、図4を参照して、第1偏向電磁石21及び第2偏向電磁石22Aの形状について説明する。なお、照射部3の偏向電磁石の構成は基軸AXを基準として上下対称であるため、図4では、基軸AXより上側の構成のみを示している。
まず、基軸AX上に中心点CP1を有する仮想的な円CR1を設定する。当該円CR1と基軸AXとの上流側の第1交点P1及び下流側の第2交点P2のうち、第1交点P1の位置には、第1偏向電磁石21に対する荷電粒子線Bの入射点IPが設定される。また、第2交点P2の位置に、第1偏向電磁石21の頂点TPが設定される。なお、基軸AXと垂直であり中心点CP1を通過する線を基準線CL2とし、入射点IPを通過する線を基準線CL3とする。基準線CL3の位置では、入射点IPから上方へ向かって側面31が延びている。側面31の高さは、円CR1の半径と同じである。
第1偏向電磁石21は、円CR1の上側の円弧のうち、第2交点P2から第1交点P1へ向かって90°の範囲の部分に円弧状の側面32Aを有する。側面32Aの下端部は、頂点TP(第2交点P2)に対応する。側面32Aの上端部は、円CR1と基準線CL2との第3交点P3に対応する。また、第1偏向電磁石21は、側面31の上端部31aと第3交点P3との間にX軸方向に延びる平面35を有する。
第2偏向電磁石22Aは、第1偏向電磁石21の側面32Aの外周側の領域に配置される。第2偏向電磁石22Aは、上述の通り、側面32Aと対応する形状を有する円弧状の側面33Aを有する。側面33Aの下端部は頂点TPに対応し、側面33Aの上端部は第3交点P3に対応する。第2偏向電磁石22Aは、基準線CL1に対して、側面33Aと線対称をなす円弧状の側面34Aを有する。側面34Aの下端部は頂点TPに対応し、側面34Aの上端部は第3交点P3と基準線CL1に対して線対称な点P4に対応する。点P3,P4を結ぶ基準線CL4と基準線CL1との交点を中心点CP2として設定した場合、側面36Aは中心点CP2を中心とし、点P3,P4を通過する円弧となる。
次に、照射部3での荷電粒子線Bの挙動について説明する。図5に示すように、第1偏向電磁石21の偏向角を第1偏向角θ1とする。このときの側面32Aの荷電粒子線Bの出射点である点P10は、側面32Aの中心点CP1を通過し、基軸AXに対して第1偏向角θ1の角度をなす法線NL1上に設定される。荷電粒子線Bは、一定の磁場の中では円弧を描くように移動するため、第1偏向電磁石21内では、荷電粒子線Bは、側面31に対して入射点IPにて垂直に入射し、側面32Aに対し点P10にて垂直(点P10に対する接線TL1に垂直)に出射する。従って、荷電粒子線Bの円弧軌道の中心点CP3は、基準線CL3と接線TL1との交点に設定される。すなわち、第1偏向角θ1で荷電粒子線Bを偏向させるための偏向半径は、中心点CP3と入射点IPとの間の距離によって求められる。
点P10は、第1偏向電磁石21の出射点であると共に、第2偏向電磁石22Aの入射点である。従って、点P10を通過する法線NL1が入射する荷電粒子線Bの基準となる。第2偏向電磁石22Aの偏向角を第2偏向角θ2とする。第2偏向角θ2は、第2偏向電磁石22Aへ入射してきた荷電粒子線Bに対する、第2偏向電磁石22Aを出射する荷電粒子線Bの角度である。ここで、側面34Aは、側面33Aと線対称な関係にある。従って、基準線CL1に対して点P10と対称な点P11が側面34Aの出射点となる。荷電粒子線Bは、出射面である側面34Aに対して点P11にて垂直に出射する。また、点P11を通過する法線NL2が出射する荷電粒子線Bの基準となる。法線NL1と法線NL2は、中心点CP2にて交わる。法線NL1に対する法線NL2の角度が、第2偏向電磁石22Aの第2偏向角θ2となる。第2偏向角θ2は、第1偏向角θ1とは反対側へ向かう角度である。点P11から出射された荷電粒子線Bは、法線NL2に沿って照射点RPへ向かって進行する。よって、基軸AXに対する法線NL2の角度が照射角θ3となる。
側面33Aの円弧と側面34Aの円弧は基準線CL1を基準として線対称な関係にある。よって、中心点CP1から中心点CP2までの距離と、照射点RPから中心点CP2までの距離とは、等しくなる。すなわち、中心点CP1、中心点CP2及び照射点RPによって形成される三角形は、二等辺三角形となる。従って、第2偏向角θ2は、底角である第1偏向角θ1と照射角θ3とを足し合わせた大きさとなる。底角である第1偏向角θ1の大きさと照射角θ3の大きさとは、互いに等しくなる。従って、第2偏向角θ2は、第1偏向角θ1の二倍の大きさであり、第1偏向角θ1と反対側へ向かう角度となる。
荷電粒子線Bの円弧軌道の中心点CP4は、基準線CL1と接線TL1との交点に設定される。すなわち、第2偏向角θ2で荷電粒子線Bを偏向させるための偏向半径は、中心点CP4と点P10との間の距離によって求められる。
ここで、偏向半径Rは、以下の式(1)で示される。ただし、pは荷電粒子の運動量を示し、qは荷電粒子の電荷を示し、Bは磁束密度を示す。このうち、運動量p及び電荷qは一定であるため、磁束密度Bを調整するだけで、偏向半径Rを所望の値に設定することができる。従って、第1偏向電磁石21にて第1偏向角θ1で荷電粒子線Bを偏向させるためには、中心点CP3と入射点IPとの間の距離で示される偏向半径Rが得られるように、第1偏向電磁石21の磁束密度Bを調整する。また、第2偏向電磁石22Aにて第2偏向角θ2で荷電粒子線Bを偏向させるためには、中心点CP4と点P10との間の距離で示される偏向半径Rが得られるように、第2偏向電磁石22Aの磁束密度Bを調整する。

R=p/qB …(1)
また、図6に示すように、図5に示すものより照射角θ3を大きくしたい場合は、第1偏向角θ1を大きくする。この場合、第1偏向電磁石21内では荷電粒子線Bが小さい円弧を描くため、図5に示すものより第1偏向電磁石21の磁束密度が大きくなるように調整する。また、第2偏向電磁石22A内では荷電粒子線Bが大きな円弧を描くため、図5に示すものより第2偏向電磁石22Aの磁束密度が小さくなるように調整する。このように、偏向電磁石21,22Aの磁束密度を調整することによって、所望の照射角θ3にて患者Wに対して荷電粒子線Bの照射を行うことができる。
なお、図4〜図6では、偏向電磁石同士の境界部付近でも均一に磁場が発生している前提で説明を行った。ただし、図1,2に示すように、偏向電磁石同士の境界部付近にはコイルなどが配置されることで、必ずしも均一な磁場が発生するとは限らない場合もある。このような場合は、境界部の状況に合わせて、角偏向電磁石の磁場強度を調整する。
次に、本実施形態の荷電粒子線治療装置1の作用・効果について説明する。
本実施形態に係る荷電粒子線治療装置1は、患者Wに荷電粒子線Bを照射する荷電粒子線治療装置1であって、加速器2側から入射した荷電粒子線Bをエネルギーに応じた第1偏向角θ1で偏向する第1偏向電磁石21と、荷電粒子線Bの進行方向において、第1偏向電磁石21の下流側に当該第1偏向電磁石21と隣接するように設けられ、第1偏向電磁石21から入射した荷電粒子線Bを第2偏向角θ2で偏向する第2偏向電磁石22Aと、進行方向において、第2偏向電磁石22Aの下流側に設けられ、患者Wが載置される載置部4と、を備える。第2偏向角θ2は、第1偏向角θ1の二倍の大きさで当該第1偏向角θ1と反対側へ向かう角度である。
荷電粒子線治療装置1は、加速器2側から入射した荷電粒子線Bをエネルギーに応じた第1偏向角θ1で偏向する第1偏向電磁石21と、荷電粒子線Bの進行方向において、第1偏向電磁石21の下流側に当該第1偏向電磁石21と隣接するように設けられ、第1偏向電磁石21から入射した荷電粒子線Bを第2偏向角θ2で偏向する第2偏向電磁石22Aと、を備える。これにより、加速器2側からの荷電粒子線Bは、第1偏向電磁石21で偏向され、第2偏向電磁石22Aで偏向された後、載置部4に載置された患者Wへ照射される。ここで、第1偏向電磁石21の偏向角を第1偏向角θ1とし、第2偏向電磁石22Aの偏向角を第2偏向角θ2とした場合、第2偏向電磁石22Aの第2偏向角θ2は、第1偏向角θ1の二倍の大きさで当該第1偏向角θ1と反対側へ向かう角度となる。これにより、第2偏向電磁石22Aは、第1偏向角θ1と同じ大きさの照射角θ3にて、患者Wに荷電粒子線Bを照射することができる。このようなシンプルな関係性を有するため、第1偏向電磁石21及び第2偏向電磁石22Aの磁場強度を調整するだけで、所望の照射角θ3で患者Wに荷電粒子線Bを照射することができる。また、荷電粒子線Bの患者Wに対する照射角θ3は、多数の偏向電磁石を用いなくとも、互いに隣接する第1偏向電磁石21及び第2偏向電磁石22Aを用いて、調整可能となる。従って、荷電粒子線治療装置1は、回転ガントリ方式の装置に比して高さ方向のサイズを低減することができ、且つ、多数の偏向電磁石を用いる場合に比してフットプリントを低減することができる。以上より、小型化を図ることができる荷電粒子線治療装置1を提供できる。
第1偏向電磁石21は、加速器2側から入射する荷電粒子線Bの基軸AX上に中心点CP1を有する仮想的な円CR1を設定し、円CR1と基軸AXとの上流側の第1交点P1及び下流側の第2交点P2のうち、第1交点P1の位置に荷電粒子線Bの入射点IPを有し、円CR1の上側の円弧のうち、第2交点P2から第1交点P1へ向かって90°の範囲の少なくとも何れかの部分に円弧状の側面32Aを有し、第2偏向電磁石22Aは、第1偏向電磁石21の側面32Aの外周側の領域に配置され、横方向から見て、側面32Aと対応する形状を有する円弧状の側面33Aと、横方向から見て、基軸AXと垂直をなして第2交点P2を通過する基準線CL1に対して、側面33Aと線対称をなす円弧状の側面34Aと、を有する。このような構成では、第1偏向電磁石21は、入射点IPから入射した荷電粒子線Bを偏向させて側面32の何れかの位置から出射する。側面32Aから出射した荷電粒子線Bは、直ちに側面33Aから第2偏向電磁石22Aへ入射する。このとき、側面33Aは円弧状の側面32Aに対応する形状を有している。また、側面34Aは、基準線CL1に対して側面33Aと線対称をなす円弧状の形状を有している。従って、荷電粒子線Bは、第2偏向電磁石22A内において基準線CL1を基準として線対称な軌道を描き、側面33Aでの入射態様と線対称な態様にて、側面34Aから出射する。
本実施形態の荷電粒子線治療装置1は、患者Wに荷電粒子線Bを照射する荷電粒子線治療装置1であって、加速器2側から入射した荷電粒子線Bをエネルギーに応じて偏向する第1偏向電磁石21と、荷電粒子線Bの進行方向において、第1偏向電磁石21の下流側に当該第1偏向電磁石21と隣接するように設けられ、第1偏向電磁石21から入射した荷電粒子線Bを偏向する第2偏向電磁石22Aと、進行方向において、第2偏向電磁石22Aの下流側に設けられ、患者Wが載置される載置部4と、を備え、第1偏向電磁石21は、加速器2側から入射する荷電粒子線Bの基軸AX上に中心点CP1を有する仮想的な円を設定し、円CR1と基軸AXとの上流側の第1交点P1及び下流側の第2交点P2のうち、第1交点P1の位置に荷電粒子線Bの入射点IPを有し、円CR1の上側の円弧のうち、第2交点P2から第1交点P1へ向かって90°の範囲の少なくとも何れかの部分に円弧状の側面32Aを有し、第2偏向電磁石22Aは、第1偏向電磁石21の側面32Aの外周側の領域に配置され、横方向から見て、側面32Aと対応する形状を有する円弧状の側面33Aと、横方向から見て、基軸AXと垂直をなして第2交点P2を通過する基準線CL1に対して、側面33Aと線対称をなす円弧状の側面34Aと、を有する。
荷電粒子線治療装置1は、加速器2側から入射した荷電粒子線Bをエネルギーに応じて偏向する第1偏向電磁石21と、荷電粒子線Bの進行方向において、第1偏向電磁石21の下流側に当該第1偏向電磁石21と隣接するように設けられ、第1偏向電磁石21から入射した荷電粒子線Bを偏向する第2偏向電磁石22Aと、を備える。これにより、加速器2側からの荷電粒子線Bは、第1偏向電磁石21で偏向され、第2偏向電磁石22Aで偏向された後、載置部4に載置された患者Wへ照射される。ここで、第1偏向電磁石21は、入射点IPから入射した荷電粒子線Bを偏向させて側面32Aの何れかの位置から出射する。側面32Aから出射した荷電粒子線Bは、直ちに側面33Aから第2偏向電磁石22Aへ入射する。このとき、側面33Aは円弧状の側面32Aに対応する形状を有している。また、側面34Aは、基準線CL1に対して側面33Aと線対称をなす円弧状の形状を有している。従って、荷電粒子線Bは、第2偏向電磁石22A内において基準線CL1を基準として線対称な軌道を描き、側面33Aでの入射態様と線対称な態様にて、側面34Aから出射する。このようなシンプルな関係性を有するため、第1偏向電磁石21及び第2偏向電磁石22Aの磁場強度を調整するだけで、所望の照射角θ3で患者Wに荷電粒子線をB照射することができる。また、荷電粒子線Bの患者Wに対する照射角θ3は、多数の偏向電磁石を用いなくとも、互いに隣接する第1偏向電磁石21及び第2偏向電磁石22Aを用いて、調整可能となる。従って、荷電粒子線治療装置1は、回転ガントリ方式の装置に比して高さ方向のサイズを低減することができ、且つ、多数の偏向電磁石を用いる場合に比してフットプリントを低減することができる。以上より、小型化を図ることができる荷電粒子線治療装置1を提供できる。
荷電粒子線治療装置1は、荷電粒子線Bの進行方向において、第1偏向電磁石21の下流側に当該第1偏向電磁石21と隣接するように設けられ、第1偏向電磁石21から入射した荷電粒子線Bを偏向する第3偏向電磁石22Bを更に備える。と、第1偏向電磁石21は、円CR1の下側の円弧のうち、第2交点P2から第1交点P1へ向かって90°の範囲の少なくとも何れかの部分に円弧状の側面32Bを有し、第3偏向電磁石22Bは、第1偏向電磁石21の側面32Bの外周側の領域に配置され、横方向から見て、側面32Bと対応する形状を有する円弧状の側面33Bと、横方向から見て、基軸AXと垂直をなして第2交点P2を通過する基準線CL1に対して、側面32Bと線対称をなす円弧状の側面34Bと、を有してよい。このような構成によれば、第3偏向電磁石22Bを用いることで、下側から所望の照射角θ3で荷電粒子線Bを患者Wへ照射することができる。
第2偏向電磁石22Aによる第2偏向角θ2は、第1偏向電磁石21による第1偏向角θ1の二倍の大きさで当該第1偏向角θ1と反対側へ向かう角度である。これにより、第2偏向電磁石22Aは、第1偏向角θ1と同じ大きさの照射角θ3にて、患者Wに荷電粒子線Bを照射することができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、偏向電磁石22A,22Bは、第2交点P2から第1交点P1へ向かって90°の範囲の全域に円弧状の側面33A,33Bを有していた。これに代えて、0°〜90°の範囲のうちの一部が円弧状出ない部分が存在してもよい。例えば、第2交点P2付近の一部の領域や、90°付近の一部の領域が円弧状になっていなくともよい。あるいは、第2交点P2から90°の範囲のみならず、90°よりも第1交点P1側の部分まで円弧状の側面33A,33Bが広がっていてもよい。
また、照射部3は少なくとも第2偏向電磁石22Aを備えていればよく、第3偏向電磁石22Bが省略されてもよい。
第1偏向電磁石21の基準線CL2よりもX軸方向の負側の領域の形状は、荷電粒子線Bの軌道に影響を与えない限り、どのような形状であってもよい。また、偏向電磁石22A,22Bのうち、側面33A,33B,34A,34B以外の部分の形状は、荷電粒子線Bの軌道に影響を与えない限り、どのような形状であってもよい。例えば、側面36Aは円弧状をなしているが、矩形状などであってもよい。
1…荷電粒子線治療装置、4…載置部、21…第1偏向電磁石、22A…第2偏向電磁石、22B…第3偏向電磁石、32A…側面(第1側面)、32B…側面(第4側面)、33A…側面(第2側面)、33B…側面(第5側面)、34A…側面(第3側面)、34B…側面(第6側面)、B…荷電粒子線。

Claims (5)

  1. 被照射体に荷電粒子線を照射する荷電粒子線治療装置であって、
    加速器側から入射した前記荷電粒子線をエネルギーに応じた第1偏向角で偏向する第1偏向電磁石と、
    前記荷電粒子線の進行方向において、前記第1偏向電磁石の下流側に当該第1偏向電磁石と隣接するように設けられ、前記第1偏向電磁石から入射した前記荷電粒子線を第2偏向角で偏向する第2偏向電磁石と、
    前記進行方向において、前記第2偏向電磁石の下流側に設けられ、前記被照射体が載置される載置部と、を備え、
    前記第2偏向角は、前記第1偏向角の二倍の大きさで当該第1偏向角と反対側へ向かう角度である、荷電粒子線治療装置。
  2. 前記第1偏向電磁石は、
    前記加速器側から入射する前記荷電粒子線の基軸上に中心点を有する仮想的な円を設定し、前記円と前記基軸との上流側の第1交点及び下流側の第2交点のうち、前記第1交点の位置に前記荷電粒子線の入射点を有し、
    前記円の上側の円弧のうち、前記第2交点から前記第1交点へ向かって90°の範囲の少なくとも何れかの部分に円弧状の第1側面を有し、
    前記第2偏向電磁石は、前記第1偏向電磁石の前記第1側面の外周側の領域に配置され、
    横方向から見て、前記第1側面と対応する形状を有する円弧状の第2側面と、
    前記横方向から見て、前記基軸と垂直をなして前記第2交点を通過する基準線に対して、前記第2側面と線対称をなす円弧状の第3側面と、を有する、請求項1に記載の荷電粒子線治療装置。
  3. 被照射体に荷電粒子線を照射する荷電粒子線治療装置であって、
    加速器側から入射した前記荷電粒子線をエネルギーに応じて偏向する第1偏向電磁石と、
    前記荷電粒子線の進行方向において、前記第1偏向電磁石の下流側に当該第1偏向電磁石と隣接するように設けられ、前記第1偏向電磁石から入射した前記荷電粒子線を偏向する第2偏向電磁石と、
    前記進行方向において、前記第2偏向電磁石の下流側に設けられ、前記被照射体が載置される載置部と、を備え、
    前記第1偏向電磁石は、
    前記加速器側から入射する前記荷電粒子線の基軸上に中心点を有する仮想的な円を設定し、前記円と前記基軸との上流側の第1交点及び下流側の第2交点のうち、前記第1交点の位置に前記荷電粒子線の入射点を有し、
    前記円の上側の円弧のうち、前記第2交点から前記第1交点へ向かって90°の範囲の少なくとも何れかの部分に円弧状の第1側面を有し、
    前記第2偏向電磁石は、前記第1偏向電磁石の前記第1側面の外周側の領域に配置され、
    横方向から見て、前記第1側面と対応する形状を有する円弧状の第2側面と、
    前記横方向から見て、前記基軸と垂直をなして前記第2交点を通過する基準線に対して、前記第2側面と線対称をなす円弧状の第3側面と、を有する、荷電粒子線治療装置。
  4. 前記荷電粒子線の進行方向において、前記第1偏向電磁石の下流側に当該第1偏向電磁石と隣接するように設けられ、前記第1偏向電磁石から入射した前記荷電粒子線を偏向する第3偏向電磁石を更に備え、
    前記第1偏向電磁石は、前記円の下側の円弧のうち、前記第2交点から前記第1交点へ向かって90°の範囲の少なくとも何れかの部分に円弧状の第4側面を有し、
    前記第3偏向電磁石は、前記第1偏向電磁石の前記第4側面の外周側の領域に配置され、
    横方向から見て、前記第4側面と対応する形状を有する円弧状の第5側面と、
    前記横方向から見て、前記基軸と垂直をなして前記第2交点を通過する基準線に対して、前記第4側面と線対称をなす円弧状の第6側面と、を有する、請求項3に記載の荷電粒子線治療装置。
  5. 前記第2偏向電磁石による第2偏向角は、前記第1偏向電磁石による第1偏向角の二倍の大きさで当該第1偏向角と反対側へ向かう角度である、請求項3又は4に記載の荷電粒子線治療装置。
JP2018145280A 2018-08-01 2018-08-01 荷電粒子線治療装置 Active JP7145000B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018145280A JP7145000B2 (ja) 2018-08-01 2018-08-01 荷電粒子線治療装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018145280A JP7145000B2 (ja) 2018-08-01 2018-08-01 荷電粒子線治療装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020018629A true JP2020018629A (ja) 2020-02-06
JP7145000B2 JP7145000B2 (ja) 2022-09-30

Family

ID=69588052

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018145280A Active JP7145000B2 (ja) 2018-08-01 2018-08-01 荷電粒子線治療装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7145000B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5267294A (en) * 1992-04-22 1993-11-30 Hitachi Medical Corporation Radiotherapy apparatus
JPH07227435A (ja) * 1993-12-20 1995-08-29 Mitsubishi Electric Corp 三次元放射線治療装置
JP2003528659A (ja) * 2000-03-07 2003-09-30 ジー エス アイ ゲゼルシャフト フュア シュベールイオーネンフォルシュンク エム ベー ハー 腫瘍組織を照射するためのイオンビームシステム
JP6364141B1 (ja) * 2018-04-05 2018-07-25 株式会社ビードットメディカル 収束電磁石及び荷電粒子ビーム照射装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5267294A (en) * 1992-04-22 1993-11-30 Hitachi Medical Corporation Radiotherapy apparatus
JPH07227435A (ja) * 1993-12-20 1995-08-29 Mitsubishi Electric Corp 三次元放射線治療装置
JP2003528659A (ja) * 2000-03-07 2003-09-30 ジー エス アイ ゲゼルシャフト フュア シュベールイオーネンフォルシュンク エム ベー ハー 腫瘍組織を照射するためのイオンビームシステム
JP6364141B1 (ja) * 2018-04-05 2018-07-25 株式会社ビードットメディカル 収束電磁石及び荷電粒子ビーム照射装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7145000B2 (ja) 2022-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6387476B1 (ja) 荷電粒子ビーム照射装置
US10090132B2 (en) Charged particle beam irradiation apparatus
JP6144175B2 (ja) 中性子捕捉療法装置
JP6364141B1 (ja) 収束電磁石及び荷電粒子ビーム照射装置
JP6053938B2 (ja) 粒子線治療システム
JP5763218B2 (ja) 荷電粒子線照射システム
KR20210122128A (ko) 하전입자선 조사장치
JP7145000B2 (ja) 荷電粒子線治療装置
JP5902205B2 (ja) 荷電粒子線照射装置
US20200303165A1 (en) Charged particle beam treatment apparatus
WO2013157116A1 (ja) ガントリー型粒子線照射装置、およびこれを備えた粒子線治療装置
JP7169163B2 (ja) 粒子線照射システム
US20220288421A1 (en) Particle beam irradiation system and particle beam irradiation facility
KR102545231B1 (ko) 초고선량 방사선 조사장치 및 이를 이용한 초고선량 방사선 조사 방법
WO2022210278A1 (ja) 中性子線発生装置、及び中性子線治療設備
JP7072196B1 (ja) Bnctにおける低エネルギーの荷電粒子線輸送システム及び荷電粒子線輸送方法
JP2018094147A (ja) 荷電粒子線治療装置
JP2004121654A (ja) 医療用荷電粒子照射装置
JP2020141944A (ja) 走査電磁石
JP2023140712A (ja) 粒子線治療装置
JP2023063024A (ja) 粒子線治療装置
JP2022176617A (ja) セプタム電磁石、加速器および粒子線治療システム
JP3574334B2 (ja) 荷電粒子輸送装置
WO2017187593A1 (ja) 粒子線治療装置
JP2020010887A (ja) 荷電粒子線治療装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210616

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220322

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220519

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220913

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220916

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7145000

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150