JP2023140712A - 粒子線治療装置 - Google Patents

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Figure 2023140712000001
【課題】磁気共鳴イメージング部の磁場によって粒子線が曲がることによる影響を低減することができる粒子線治療装置を提供する。
【解決手段】粒子線治療装置1は、患者15の腫瘍14に対して粒子線Bを照射する照射部2と、磁場MFによって患者15の腫瘍14の画像を取得するMRI装置60と、を備える。従って、照射部2は、MRI装置60で取得された画像に基づいて、患者15の腫瘍14に対する粒子線Bの照射を行うことができる。ここで、粒子線治療装置1は、MRI装置60の磁場MFによる粒子線Bの曲げ量に応じて、患者15の腫瘍14に対する照射部2による粒子線Bの照射態様を補正する補正部70と、を備える。そのため、補正部70は、MRI装置60の磁場MFの影響で粒子線Bが曲がっても、当該曲げ量に応じた照射態様に補正する。
【選択図】図5

Description

本発明は、粒子線治療装置に関する。
従来、患者の患部に粒子線を照射することによって治療を行う粒子線治療装置として、例えば、特許文献1に記載された装置が知られている。特許文献1に記載の粒子線治療装置では、粒子線を照射部から照射している。
特開2017-209372号公報
ここで、治療の対象物の画像を取得する方法として、磁場によって画像を取得する磁気共鳴イメージング(MRI)を用いることが知られている。粒子線治療装置に磁気共鳴イメージング部を組み込むことにより、粒子線を照射する被照射体の状態を取得した画像に基づいて把握することが可能となる。しかし、磁気共鳴イメージング部の磁場の影響により、照射部から照射された粒子線が曲がる場合がある。
従って、本発明は、磁気共鳴イメージング部の磁場によって粒子線が曲がることによる影響を低減することができる粒子線治療装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る粒子線治療装置は、被照射体に対して粒子線を照射する照射部と、磁場によって被照射体の画像を取得する磁気共鳴イメージング部と、磁気共鳴イメージング部の磁場による粒子線の曲げ量に応じて、被照射体に対する照射部による粒子線の照射態様を補正する補正部と、を備える。
粒子線治療装置は、被照射体に対して粒子線を照射する照射部と、磁場によって被照射体の画像を取得する磁気共鳴イメージング部と、を備える。従って、照射部は、磁気共鳴イメージング部で取得された画像に基づいて、被照射体に対する粒子線の照射を行うことができる。ここで、粒子線治療装置は、磁気共鳴イメージング部の磁場による粒子線の曲げ量に応じて、被照射体に対する照射部による粒子線の照射態様を補正する補正部と、を備える。そのため、補正部は、磁気共鳴イメージング部の磁場の影響で粒子線が曲がっても、当該曲げ量に応じた照射態様に補正する。以上より、磁気共鳴イメージング部の磁場によって粒子線が曲がることによる影響を低減することができる。
補正部は、照射部の位置を調整可能な照射部位置調整部を有してよい。この場合、照射部位置調整部は、粒子線の曲げ量に応じて照射部の位置を調整することで、粒子線の曲げを解消するような位置から、被照射体に粒子線を照射することができる。
補正部は、照射部の磁石の磁場を調整する磁場調整部を有してよい。この場合、磁場調整部は、粒子線の曲げ量に応じて照射部の磁石の磁場を調整することで、粒子線の曲げを解消するような傾きに補正して、被照射体に粒子線を照射することができる。
補正部は、被照射体を固定可能であり、照射部に対する位置調整が可能な被照射体固定部を有してよい。この場合、被照射体固定部は、粒子線の曲げ量に応じて被照射体を移動させることで、曲げを解消できるような位置にて、被照射体に粒子線を照射することができる。
照射部は、被照射体の周りを回転可能に構成されてよい。この場合、補正部は、照射部の回転位置において、粒子線の曲げ量に応じた照射態様に補正できる。
照射部は、固定された照射ポートとして構成されてよい。この場合、粒子線が一方のみから照射されるため、補正部による補正が容易となる。
補正部は、粒子線の運動エネルギーに基づいて照射態様を補正してよい。粒子線の運動エネルギーに応じて曲げ量が変化する。従って、補正部は、当該変化に応じて適切な照射態様に補正することができる。
磁気共鳴イメージング部は、磁場を発生するコイルを有し、コイルの中心軸は、照射部から照射される粒子線の基軸と直交する方向へ延びてよい。この場合、粒子線は、コイルの中心軸、及び基軸と直交する方向へ曲がる。補正部は、当該方向への曲げを補正する。
本発明によれば、磁気共鳴イメージング部の磁場によって粒子線が曲がることによる影響を低減することができる粒子線治療装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る粒子線治療装置を示す概略構成図である。 図1の粒子線治療装置の照射部付近の概略構成図である。 腫瘍に対して設定されたレイヤーを示す図である。 補正部による照射部の位置の補正を行わない場合(基準状態)の照射の様子をY軸方向から見た概念図である。 照射部位置調整部による位置調整後の照射部の照射の様子を示す概念図である。 照射部位置調整部による位置調整後の照射部の照射の様子を示す概念図である。 磁場調整部による磁場調整後の照射部の照射の様子を示す概念図である。 被照射体固定部が位置調整を行っているときの照射部の照射の様子を示す概念図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態に係る粒子線治療装置について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る粒子線治療装置1を示す概略構成図である。粒子線治療装置1は、放射線療法によるがん治療等に利用されるシステムである。粒子線治療装置1は、イオン源装置で生成した荷電粒子を加速して粒子線Bとして出射する加速器3と、粒子線Bを患者15へ照射する照射部2と、加速器3から出射された粒子線Bを照射部2へ輸送するビーム輸送ライン20と、を備えている。照射部2は、治療台6を取り囲むように設けられた回転ガントリ17(ガントリ構造)に取り付けられている。照射部2は、回転ガントリ17によって中心軸CLを回転中心として、患者15を配置する配置部である治療台6の周りに回転可能とされている。また、粒子線治療装置1は、磁場によって患者15の画像を取得するMRI装置60(MRI:Magnetic Resonance Imaging、磁気共鳴イメージング部)を備える。なお、加速器3、照射部2、ビーム輸送ライン20、及びMRI装置60の更に詳細な構成については、後述する。
ビーム輸送ライン20は、粒子線Bを輸送するビームダクト21と、粒子線Bを絞る四極電磁石等の電磁石22と、粒子線Bの軌道を曲げる偏向電磁石23A,23B,23C,22Dと、を備える。偏向電磁石23A,23Bは、加速器3から回転ガントリ17へ向かう粒子線Bを、中心軸CLに対する外周側へ軌道を曲げる。偏向電磁石23C,23Dは、中心軸CLから外周側へ離間した位置にて、中心軸CLに対して外周側へ向かう粒子線Bの軌道を曲げて、内周側へ向かわせる。また、偏向電磁石23Dは、中心軸CLと垂直をなす方向へ向かうように、粒子線Bの軌道を曲げて照射部2へ案内する。
図2は、図1の粒子線治療装置1の照射部付近の概略構成図である。なお、以下の説明においては、「X軸方向」、「Y軸方向」、「Z軸方向」という語を用いて説明する。「Z軸方向」とは、粒子線Bの基軸AXが延びる方向であり、粒子線Bの照射の深さ方向である。なお、「基軸AX」とは、後述の走査電磁石50で偏向しなかった場合の粒子線Bの照射軸とする。図2では、基軸AXに沿って粒子線Bが照射されている様子を示している。「X軸方向」とは、Z軸方向と直交する平面内における一の方向である。「Y軸方向」とは、Z軸方向と直交する平面内においてX軸方向と直交する方向である。
まず、図2を参照して、本実施形態に係る粒子線治療装置1の概略構成について説明する。粒子線治療装置1はスキャニング法に係る照射装置である。なお、スキャニング方式は特に限定されず、ラインスキャニング、ラスタースキャニング、スポットスキャニング等を採用してよい。図2に示されるように、粒子線治療装置1は、加速器3と、照射部2と、ビーム輸送ライン20と、制御部7と、MRI装置60と、治療計画装置90と、記憶部95と、を備えている。
加速器3は、荷電粒子を加速して予め設定されたエネルギーの粒子線Bを出射する装置である。加速器3として、例えば、サイクロトロン、シンクロサイクロトロン等が挙げられる。この加速器3は、制御部7に接続されており、供給される電流が制御される。加速器3で発生した粒子線Bは、ビーム輸送ライン20によって照射部2へ輸送される。ビーム輸送ライン20は、加速器3と、照射部2と、を接続し、加速器3から出射された粒子線Bを照射部2へ輸送する。
照射部2は、患者15の体内の腫瘍(被照射体)14に対し、粒子線Bを照射するものである。粒子線Bとは、電荷をもった粒子を高速に加速したものであり、例えば陽子線、重粒子(重イオン)線、電子線等が挙げられる。具体的に、照射部2は、イオン源(不図示)で生成した荷電粒子を加速する加速器3から出射されてビーム輸送ライン20で輸送された粒子線Bを腫瘍14へ照射する装置である。照射部2は、走査電磁石50、四極電磁石8、プロファイルモニタ11、ドーズモニタ12、ポジションモニタ13a,13b、コリメータ40、及びディグレーダ30を備えている。走査電磁石50、各モニタ11,12,13a,13b、四極電磁石8、及びディグレーダ30は、収容体としての照射ノズル9に収容されている。このように、照射ノズル9に各主構成要素を収容することによって照射部2が構成されている。なお、四極電磁石8、プロファイルモニタ11、ドーズモニタ12、ポジションモニタ13a,13b、及びディグレーダ30は省略してもよい。
走査電磁石50として、X軸方向走査電磁石50A及びY軸方向走査電磁石50Bが用いられる。X軸方向走査電磁石50A及びY軸方向走査電磁石50Bは、それぞれ一対の電磁石から構成され、制御部7から供給される電流に応じて一対の電磁石間の磁場を変化させ、当該電磁石間を通過する粒子線Bを走査する。X軸方向走査電磁石50Aは、X軸方向に粒子線Bを走査し、Y軸方向走査電磁石50Bは、Y軸方向に粒子線Bを走査する。これらの走査電磁石50は、基軸AX上であって、加速器3よりも粒子線Bの下流側にこの順で配置されている。なお、走査電磁石50は、治療計画装置90で予め計画されたスキャンパターンで粒子線Bが照射されるように、粒子線Bを走査する。走査電磁石50をどのように制御するかについては、後述する。
四極電磁石8は、X軸方向四極電磁石8a及びY軸方向四極電磁石8bを含む。X軸方向四極電磁石8a及びY軸方向四極電磁石8bは、制御部7から供給される電流に応じて粒子線Bを絞って収束させる。X軸方向四極電磁石8aは、X軸方向において粒子線Bを収束させ、Y軸方向四極電磁石8bは、Y軸方向において粒子線Bを収束させる。四極電磁石8に供給する電流を変化させて絞り量(収束量)を変化させることにより、粒子線Bのビームサイズを変化させることができる。四極電磁石8は、基軸AX上であって加速器3と走査電磁石50との間にこの順で配置されている。なお、ビームサイズとは、XY平面における粒子線Bの大きさである。また、ビーム形状とは、XY平面における粒子線Bの形状である。
プロファイルモニタ11は、初期設定の際の位置合わせのために、粒子線Bのビーム形状及び位置を検出する。プロファイルモニタ11は、基軸AX上であって四極電磁石8と走査電磁石50との間に配置されている。ドーズモニタ12は、粒子線Bの線量を検出する。ドーズモニタ12は、基軸AX上であって走査電磁石50に対して下流側に配置されている。ポジションモニタ13a,13bは、粒子線Bのビーム形状及び位置を検出監視する。ポジションモニタ13a,13bは、基軸AX上であって、ドーズモニタ12よりも粒子線Bの下流側に配置されている。各モニタ11,12,13a,13bは、検出した検出結果を制御部7に出力する。
ディグレーダ30は、通過する粒子線Bの強度を低下させて当該粒子線Bの強度の微調整を行う。本実施形態では、ディグレーダ30は、照射ノズル9の先端部9aに設けられている。なお、照射ノズル9の先端部9aとは、粒子線Bの下流側の端部である。
コリメータ40は、少なくとも走査電磁石50よりも粒子線Bの下流側に設けられ、粒子線Bの一部を遮蔽し、一部を通過させる部材である。ここでは、コリメータ40は、ポジションモニタ13a,13bの下流側に設けられている。コリメータ40は、当該コリメータ40を移動させるコリメータ駆動部51と接続されている。
制御部7は、例えばCPU、ROM、及びRAM等により構成されている。この制御部7は、各モニタ11,12,13a,13bから出力された検出結果に基づいて、加速器3、走査電磁石50、四極電磁石8、及びコリメータ駆動部51を制御する。
また、粒子線治療装置1の制御部7は、粒子線治療の治療計画を行う治療計画装置90、及び各種データを記憶する記憶部95と接続されている。治療計画装置90は、治療前に患者15の腫瘍14をCT等で測定し、腫瘍14の各位置における線量分布(照射すべき粒子線の線量分布)を計画する。具体的には、治療計画装置90は、腫瘍14に対してスキャンパターンを作成する。治療計画装置90は、作成したスキャンパターンを制御部7へ送信する。治療計画装置90が作成したスキャンパターンでは、粒子線Bがどのような走査経路をどのような走査速度で描くかが計画されている。
スキャニング法による粒子線の照射を行う場合、腫瘍14をZ軸方向に複数のレイヤーに仮想的に分割し、一のレイヤーにおいて粒子線を治療計画において定めた走査経路に従うように走査して照射する。そして、当該一のレイヤーにおける粒子線の照射が完了した後に、隣接する次のレイヤーにおける粒子線Bの照射を行う。
図2に示す粒子線治療装置1により、スキャニング法によって粒子線Bの照射を行う場合、通過する粒子線Bが収束するように四極電磁石8を作動状態(ON)とする。
続いて、加速器3から粒子線Bを出射する。出射された粒子線Bは、走査電磁石50の制御によって治療計画において定めたスキャンパターンに従うように走査される。これにより、粒子線Bは、腫瘍14に対してZ軸方向に設定された一のレイヤーにおける照射範囲内を走査されつつ照射されることとなる。一のレイヤーに対する照射が完了したら、次のレイヤーへ粒子線Bを照射する。
制御部7の制御に応じた走査電磁石50の粒子線照射イメージについて、図3(a)及び(b)を参照して説明する。図3(a)は、深さ方向において複数のレイヤーに仮想的にスライスされた被照射体を、図3(b)は、深さ方向から見た一のレイヤーにおける粒子線の走査イメージを、それぞれ示している。
図3(a)に示すように、被照射体は照射の深さ方向において複数のレイヤーに仮想的にスライスされており、本例では、深い(粒子線Bの飛程が長い)レイヤーから順に、レイヤーL、レイヤーL、…レイヤーLn-1、レイヤーL、レイヤーLn+1、…レイヤーLN-1、レイヤーLとNレイヤーに仮想的にスライスされている。また、図3(b)に示すように、粒子線Bは、走査経路TLに沿ったビーム軌道を描きながら、連続照射(ラインスキャニング又はラスタースキャニング)の場合はレイヤーLの走査経路TLに沿って連続的に照射され、スポットスキャニングの場合はレイヤーLの複数の照射スポットに対して照射される。粒子線Bは、X軸方向に延びる走査経路TL1に沿って照射され、走査経路TL2に沿ってY軸方向に僅かにシフトし、隣の走査経路TL1に沿って照射される。このように、制御部7に制御された照射部2から出射した粒子線Bは、走査経路TL上を移動する。
次に、図1を参照して、MRI装置60について説明する。MRI装置60は、照射部2と共に回転ガントリ17に設けられている。MRI装置60は、回転ガントリ17によって中心軸CLを回転中心として、治療台6の周りに回転可能とされている。MRI装置60は、磁場MFの発生源である複数(図1では一対)のコイル61を備える。MRI装置60は、コイル61で発生する磁束を鉄のヨーク62で戻すパッシブシールド式の装置である。MRI装置60は、磁気共鳴現象を起こしかつその信号を収集するための図示されない傾斜磁場コイル及び高周波送受信系を備える。また、MRI装置60は、傾斜磁場コイルへの通電制御、高周波送受信系の検出値からMRI画像を生成して制御部7へ出力する処理部63(図2参照)を備える。
一対のコイル61は、中心軸CLを中心とする円環状の形状を有する。一対のコイル61は、照射部2を挟んで、中心軸CLが延びる方向に互いに離間している。これにより、MRI装置60が発生する磁場は、中心軸CLが延びる方向と平行、すなわち粒子線Bの基軸AXと垂直となる。このとき、コイル61の中心軸CLは、照射部2から照射される粒子線Bの基軸AXと直交する方向へ延びる。これにより、MRI装置60のコイル61が生成する均一磁場MF内に腫瘍14(図2参照)が入るように患者15が治療台6に設置され、腫瘍14の周辺のMRI画像が撮影される。
MRI装置60のヨーク62は、シールド部材66と、リターンヨーク部67と、を備える。シールド部材66は、中心軸CLを中心とする円筒状の部材である。シールド部材66には、照射部2と径方向に対向する位置に開口部68が形成される。開口部68は、照射部2から照射された粒子線Bを通過させてシールド部材66の内部へ導く。リターンヨーク部67は、回転ガントリ17の奥側でシールド部材66の内部で中心軸CLと垂直な方向へ広がり、シールド部材66の内周面に接続される部材である。このリターンヨーク部67とシールド部材66とが磁束の通過経路、すなわち磁気回路となる。
次に、図4を参照して、照射部2から照射される粒子線Bに対するMRI装置60の磁場MFの影響について説明する。図4は、後述の補正部70による照射部2の位置の補正を行わない場合(基準状態)の照射の様子をY軸方向から見た概念図である。図4には、照射部2が最も上側に配置されたときの照射部2が実線で示されている。このときの走査電磁石50の位置を「位置PG1」とする。なお、以降の説明においては、図4の実線で示す照射部2の状態を基準としたときの状態でXYZ軸座標が固定されたものとして、説明を行う。当該位置PG1から180°回転した位置、すなわち照射部2が最も下側に配置されたときの走査電磁石50(仮想線で示す)の位置を「位置PG2」とする。図4には、アイソセンターACが設定されている。アイソセンターACは、回転ガントリ17の中心軸CL上に設定される中心点である。アイソセンターACは、中心軸CLと基軸AXとが交差する点である。このときの基軸AXを基準線SL1とする。また、基準線SL1に直交してアイソセンターACを通過する線を基準線SL2とする。
ここで、MRI装置60の磁場MFが存在していないと仮定した場合、位置PG1の走査電磁石50で走査される粒子線Bの照射範囲を「VRE1」とする。位置PG2の走査電磁石50で走査される粒子線Bの照射範囲を「VRE2」とする。このとき、照射範囲VRE1と照射範囲VRE2とは、基準線SL2において同じ範囲となる。そのため、両者が重なり合う照射野の大きさは「W1」となる。
しかし、MRI装置60の磁場MFが存在している場合、当該磁場MFの影響によって粒子線Bが、X軸方向における正側へ偏向する。位置PG1の走査電磁石50で走査される偏向した粒子線Bの照射範囲を「RE1」とする。位置PG2の走査電磁石50で走査される偏向した粒子線Bの照射範囲を「RE2」とする。この場合、照射範囲RE1は、X軸方向における正側へ偏った形状となる。照射範囲RE2は、X軸方向における負側へ偏った形状となる。このとき、照射範囲RE1と照射範囲RE2とは、基準線SL2において互いにずれた範囲となる。そのため、両者が重なり合う照射野の大きさは、大きさW1よりも小さい「W2」となる。
これに対し、粒子線治療装置1は、MRI装置60の磁場MFによる粒子線Bの曲げ量に応じて、腫瘍14に対する照射部2による粒子線Bの照射態様を補正する補正部70を備える。粒子線Bの曲げ量は、設定された粒子線Bの運動エネルギーと、設計された磁場MFの強度によって演算可能である。図5に示す例では、補正部70は、照射部2の位置を調整可能な照射部位置調整部71を有する。図5(a)は、照射部位置調整部71による位置調整後の照射部2の照射の様子をY軸方向から見た概念図である。図5(b)は、照射部位置調整部71による位置調整後の照射部2の照射の様子をX軸方向から見た概念図である。
図5に示すように、照射部位置調整部71は、粒子線Bの曲げ量の分だけ、基軸AXの位置が基準線SL1に対してずれるように、照射部2をシフトさせる。照射部位置調整部71は、照射範囲RE1が基準線SL1に対してX軸方向における負側へずれるように、照射部2をX軸方向における負側へシフトする。そして、照射範囲RE2が基準線SL1に対してX軸方向における正側へずれるように、照射部2をX軸方向における正側へシフトする。このとき、照射範囲RE1と照射範囲RE2とは、基準線SL2において略同じ範囲となる。そのため、両者が重なり合う照射野の大きさを大きくすることができる。
補正部70は、粒子線Bの運動エネルギーに基づいて照射態様を補正してよい。例えば、補正部70の照射部位置調整部71は、照射範囲RE1と照射範囲RE2とが、基準線SL2において同じ範囲となるように、照射部2のシフト量を調整する。照射部位置調整部71は、粒子線Bの運動エネルギーが変化したら、変化後の運動エネルギーに合わせて、照射部2のシフト量を変更してよい。
照射部位置調整部71は、照射部2を傾けるように位置を調整してもよい。図6(a)は、照射部位置調整部71による位置調整後の照射部2の照射の様子をY軸方向から見た概念図である。図6(b)は、照射部位置調整部71による位置調整後の照射部2の照射の様子をX軸方向から見た概念図である。
図6に示すように、照射部位置調整部71は、粒子線Bの曲げ量の分だけ、基軸AXの位置が基準線SL1に対して傾くように、照射部2を傾ける。照射部位置調整部71は、照射範囲RE1が基準線SL1に対してX軸方向における負側へずれるように、照射部2の照射口をX軸方向における負側へ傾ける。そして、照射部位置調整部71は、照射範囲RE2が基準線SL1に対してX軸方向における正側へずれるように、照射部2の照射口をX軸方向における正側へ傾ける。このとき、照射範囲RE1と照射範囲RE2とは、基準線SL2において略同じ範囲となる。そのため、両者が重なり合う照射野の大きさを大きくすることができる。
補正部70は、粒子線Bの運動エネルギーに基づいて照射態様を補正してよい。例えば、補正部70の照射部位置調整部71は、照射範囲RE1と照射範囲RE2とが、基準線SL2において同じ範囲となるように、照射部2の傾斜量を調整する。照射部位置調整部71は、粒子線Bの運動エネルギーが変化したら、変化後の運動エネルギーに合わせて、照射部2の傾斜量を変更してよい。
補正部70は、照射部2の走査電磁石50の磁場を調整する磁場調整部72を有してよい。図7(a)は、磁場調整部72による磁場調整後の照射部2の照射の様子をY軸方向から見た概念図である。図7(b)は、走査電磁石50に対する電源回路を示す図である。
図7(a)に示すように、磁場調整部72は、粒子線Bの曲げ量の分だけ、基軸AXが基準線SL1に対して傾くように、走査電磁石50を傾ける。磁場調整部72は、照射範囲RE1が基準線SL1に対してX軸方向における負側へずれるように、走査電磁石50の下流側をX軸方向における負側へ傾ける。そして、磁場調整部72は、照射範囲RE2が基準線SL1に対してX軸方向における正側へずれるように、走査電磁石50の下流側をX軸方向における正側へ傾ける。このとき、照射範囲RE1と照射範囲RE2とは、基準線SL2において略同じ範囲となる。そのため、両者が重なり合う照射野の大きさを大きくすることができる。
補正部70は、粒子線Bの運動エネルギーに基づいて照射態様を補正してよい。例えば、補正部70の磁場調整部72は、照射範囲RE1と照射範囲RE2とが、基準線SL2において同じ範囲となるように、走査電磁石50の傾斜量を調整する。磁場調整部72は、粒子線Bの運動エネルギーが変化したら、変化後の運動エネルギーに合わせて、走査電磁石50の傾斜量を変更してよい。
図7(b)に示すように、走査電磁石50に対し、走査のための両極性の走査電源76に加えて、片側の極性にバイアス電流を流すための単極性のバイアス電源77を接続することが好ましい。この場合、走査電磁石50の励磁において、バイアス電源77が、常に片方の極性に磁場の曲がり代分だけ、電流が流れている状態とすることができる。例えば、走査電源76が、両極性に対し対称でないような状態となるように電流を流してもよいが、当該方法だと、電源として出力できる電流の範囲を大きくする必要があるのでコストが増大してしまう。これに対し、バイアス電源77を追加して、掃引電流をオフセットすることで、コストを抑制することができる。
補正部70は、腫瘍14を有する患者15を固定可能であり、照射部2に対する位置調整が可能な被照射体固定部73を有してよい。被照射体固定部73は、治療台6に移動機構を設けることによって構成される。図8(a)は、被照射体固定部73が位置調整を行っているときの照射部2の照射の様子をY軸方向から見た概念図である。図8(b)は、被照射体固定部73の動作を示す概念図である。
図8(a)に示すように、被照射体固定部73は、粒子線Bの曲げ量の分だけ、当該曲げ量に追従するように、患者15の腫瘍14を移動させる。被照射体固定部73は、X軸方向の正側へずれる照射範囲RE1に追従するように、患者15の腫瘍14と共にX軸方向の正側へ移動する。そして、被照射体固定部73は、X軸方向の負側へずれる照射範囲RE2に追従するように、患者15の腫瘍14と共にX軸方向の負側へ移動する。このとき、照射範囲RE1と照射範囲RE2とは、患者15の腫瘍14に対して同様な照射態様となる。これにより、患者15の腫瘍14に対する実質的な照射野の大きさを大きくすることができる。
図8(b)に示すように、照射部2の回転角度(回転ガントリ17の回転角度)に応じて、被照射体固定部73の位置が回転するように移動してよい。
補正部70は、粒子線Bの運動エネルギーに基づいて照射態様を補正してよい。例えば、補正部70の被照射体固定部73は、照射範囲RE1及び照射範囲RE2の曲げ量に応じて、患者15の腫瘍14の移動量を調整する。被照射体固定部73は、粒子線Bの運動エネルギーが変化したら、変化後の運動エネルギーに合わせて、移動量を変更してよい。
次に、本実施形態に係る粒子線治療装置1の作用・効果について説明する。
粒子線治療装置1は、患者15の腫瘍14に対して粒子線Bを照射する照射部2と、磁場MFによって患者15の腫瘍14の画像を取得するMRI装置60と、を備える。従って、照射部2は、MRI装置60で取得された画像に基づいて、患者15の腫瘍14に対する粒子線Bの照射を行うことができる。ここで、粒子線治療装置1は、MRI装置60の磁場MFによる粒子線Bの曲げ量に応じて、患者15の腫瘍14に対する照射部2による粒子線Bの照射態様を補正する補正部70と、を備える。そのため、補正部70は、MRI装置60の磁場MFの影響で粒子線Bが曲がっても、当該曲げ量に応じた照射態様に補正する。以上より、MRI装置60の磁場MFによって粒子線Bが曲がることによる影響を低減することができる。
補正部70は、照射部2の位置を調整可能な照射部位置調整部71を有してよい。この場合、照射部位置調整部71は、粒子線Bの曲げ量に応じて照射部2の位置を調整することで、粒子線Bの曲げを解消するような位置から、患者15の腫瘍14に粒子線Bを照射することができる。
補正部70は、照射部2の走査電磁石50の磁場を調整する磁場調整部72を有してよい。この場合、磁場調整部72は、粒子線Bの曲げ量に応じて照射部2の走査電磁石50の磁場を調整することで、粒子線Bの曲げを解消するような傾きに補正して、患者15の腫瘍14に粒子線Bを照射することができる。
補正部70は、患者15の腫瘍14を固定可能であり、照射部2に対する位置調整が可能な被照射体固定部73を有してよい。この場合、被照射体固定部73は、粒子線Bの曲げ量に応じて患者15の腫瘍14を移動させることで、曲げを解消できるような位置にて、患者15の腫瘍14に粒子線Bを照射することができる。
照射部2は、患者15の腫瘍14の周りを回転可能に構成されてよい。この場合、補正部70は、照射部2の回転位置において、粒子線Bの曲げ量に応じた照射態様に補正できる。
補正部70は、粒子線Bの運動エネルギーに基づいて照射態様を補正してよい。粒子線Bの運動エネルギーに応じて曲げ量が変化する。従って、補正部70は、当該変化に応じて適切な照射態様に補正することができる。
MRI装置60は、磁場MFを発生するコイル61を有し、コイル61の中心軸CLは、照射部2から照射される粒子線Bの基軸AXと直交する方向へ延びてよい。この場合、粒子線Bは、コイル61の中心軸CL、及び基軸AXと直交する方向へ曲がる。補正部70は、当該方向への曲げを補正する。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
図1では、加速器としてサイクロトロンが例示されていたが、例えば、シンクロサイクロトロン、直線加速器(ライナック)等、種々の加速器に対しても本発明の構成が採用されてよい。
図5~図8に示した補正部70は、何れか一つのみが単独で採用されてもよいし、二つ以上の組み合わせが採用されてよい。
上述の実施形態では、照射部は回転ガントリによって被照射体の周りを回転することができた。これに代えて、照射部は、固定された照射ポートとして構成されてよい。この場合、粒子線が一方のみから照射されるため、補正部による補正が容易となる。補正部70において、種々の態様で、粒子線Bの運動エネルギーに基づいて照射態様の補正を行ったが、粒子線Bの速度に基づいて照射態様の補正を行ってもよい。
1…粒子線治療装置、2…照射部、3…加速器、14…腫瘍(被照射体)、50…走査電磁石、60…MRI装置(磁気共鳴イメージング部)、70…補正部、71…照射部位置調整部、72…磁場調整部、73…被照射体固定部。

Claims (8)

  1. 被照射体に対して粒子線を照射する照射部と、
    磁場によって前記被照射体の画像を取得する磁気共鳴イメージング部と、
    前記磁気共鳴イメージング部の磁場による前記粒子線の曲げ量に応じて、前記被照射体に対する前記照射部による前記粒子線の照射態様を補正する補正部と、を備える粒子線治療装置。
  2. 前記補正部は、前記照射部の位置を調整可能な照射部位置調整部を有する、請求項1に記載の粒子線治療装置。
  3. 前記補正部は、前記照射部の磁石の磁場を調整する磁場調整部を有する、請求項1又は2に記載の粒子線治療装置。
  4. 前記補正部は、前記被照射体を固定可能であり、前記照射部に対する位置調整が可能な被照射体固定部を有する、請求項1~3の何れか一項に記載の粒子線治療装置。
  5. 前記照射部は、前記被照射体の周りを回転可能に構成される、請求項1~4の何れか一項に記載の粒子線治療装置。
  6. 前記照射部は、固定された照射ポートとして構成される、請求項1~4の何れか一項に記載の粒子線治療装置。
  7. 前記補正部は、前記粒子線の運動エネルギーに基づいて前記照射態様を補正する、請求項1~6の何れか一項に記載の粒子線治療装置。
  8. 前記磁気共鳴イメージング部は、磁場を発生するコイルを有し、
    前記コイルの中心軸は、前記照射部から照射される粒子線の基軸と直交する方向へ延びる、請求項1~7の何れか一項に記載の粒子線治療装置。
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