JP2023148368A - 粒子線治療装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】照射部の磁気共鳴イメージング部の磁場に対する影響を低減できる粒子線治療装置を提供できる。【解決手段】粒子線治療装置1は、腫瘍14に対して粒子線Bを照射する照射部2と、磁場によって腫瘍14の画像を取得するMRI装置60と、を備える。従って、照射部2は、MRI装置60で取得された画像に基づいて、腫瘍14に対する粒子線Bの照射を行うことができる。ここで、粒子線治療装置1は、照射部2とMRI装置60との間に設けられた磁場遮蔽部材70と、を備える。そのため、磁場遮蔽部材70は、照射部2によるMRI装置60の磁場に対する影響を低減することができる。【選択図】図4

Description

本発明は、粒子線治療装置に関する。
従来、患者の患部に粒子線を照射することによって治療を行う粒子線治療装置として、例えば、特許文献1に記載された装置が知られている。特許文献1に記載の粒子線治療装置では、粒子線を照射部から照射している。
特開2017-209372号公報
ここで、治療の対象物の画像を取得する方法として、磁場によって画像を取得する磁気共鳴イメージング(MRI)を用いることが知られている。粒子線治療装置に磁気共鳴イメージング部を組み込むことにより、粒子線を照射する被照射体の状態を取得した画像に基づいて把握することが可能となる。しかし、粒子線治療装置の照射部に設けられた磁石が磁気共鳴イメージング部の磁場に影響を与える可能性がある。
従って、本発明は、照射部の磁気共鳴イメージング部の磁場に対する影響を低減できる粒子線治療装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る粒子線治療装置は、被照射体に対して前記粒子線を照射する照射部と、磁場によって被照射体の画像を取得する磁気共鳴イメージング部と、照射部と磁気共鳴イメージング部との間に設けられた磁場遮蔽部材と、を備える。
粒子線治療装置は、被照射体に対して前記粒子線を照射する照射部と、磁場によって被照射体の画像を取得する磁気共鳴イメージング部と、を備える。従って、照射部は、磁気共鳴イメージング部で取得された画像に基づいて、被照射体に対する粒子線の照射を行うことができる。ここで、粒子線治療装置は、照射部と磁気共鳴イメージング部との間に設けられた磁場遮蔽部材と、を備える。そのため、磁場遮蔽部材は、照射部による磁気共鳴イメージング部の磁場に対する影響を低減することができる。以上より、照射部の磁気共鳴イメージング部の磁場に対する影響を低減できる。
照射部は、走査電磁石を有し、粒子線を走査させながら粒子線を被照射体に照射してよい。照射部の走査電磁石は、磁気共鳴イメージング部の磁場に対して影響を及ぼし易い部材である。これに対し、粒子線治療装置が前述の磁場遮蔽部材を有することで、走査電磁石の影響を低減することができる。
磁場遮蔽部材は、前記磁気共鳴イメージング部を取り囲む形状の筒状の部材を有してよい。この場合、磁気共鳴イメージング部部付近を全周にわたって磁場遮蔽部材でシールドすることができる。
粒子線治療装置は、照射部を被照射体の周りを回転可能に支持する回転ガントリを更に備え、磁場遮蔽部材は、回転ガントリにおける構造部材として構成されてよい。この場合、磁場遮蔽部材を回転ガントリにおける構造部材として兼用することで、回転ガントリの小型化を図ることができる。
磁場遮蔽部材は、回転ガントリにおける筒状の回転軸部材として構成され、照射部に対して内周側に配置されてよい。この場合、磁場遮蔽部材を回転ガントリにおける構造部材である回転軸部材として兼用することができる。当該回転軸部材は、照射部に対して内周側に配置されているため、直径を小さく抑えることができる。以上より、回転ガントリの小型化を図ることができる。
磁気共鳴イメージング部は、磁場を発生するコイルを有し、コイルの中心軸は、照射部から照射される粒子線の基軸と直交する方向へ延びてよい。
照射部による粒子線の照射と、磁気共鳴イメージング部による撮影を交互に行ってよい。この場合、粒子線の照射に伴って電磁石が励起されるタイミングと、磁気共鳴イメージング部が撮影を行うタイミングとをずらすことができる。そのため、磁気共鳴イメージング部が撮影を行うときに、照射部の電磁石の励磁の影響を回避することができる。
本発明によれば、照射部の磁気共鳴イメージング部の磁場に対する影響を低減できる粒子線治療装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る粒子線治療装置を示す概略構成図である。 図1の粒子線治療装置の照射部付近の概略構成図である。 腫瘍に対して設定されたレイヤーを示す図である。 回転ガントリ周辺の構造を示す概略断面図である。 回転ガントリ周辺の構造を示す概略正面図である。 粒子線の照射及びMRI装置で撮影を行うときの制御部の動作を示す図である。 比較例に係る粒子線治療装置の回転ガントリ周辺の構造を示す概略断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態に係る粒子線治療装置について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る粒子線治療装置1を示す概略構成図である。粒子線治療装置1は、放射線療法によるがん治療等に利用されるシステムである。粒子線治療装置1は、イオン源装置で生成した荷電粒子を加速して粒子線Bとして出射する加速器3と、粒子線Bを患者15へ照射する照射部2と、加速器3から出射された粒子線Bを照射部2へ輸送するビーム輸送ライン20と、を備えている。照射部2は、治療台6及びMRI装置60を取り囲むように設けられた回転ガントリ17(ガントリ構造)に取り付けられている。照射部2は、回転ガントリ17によって中心軸CLを回転中心として、患者15を配置する配置部である治療台6の周りに回転可能とされている。また、粒子線治療装置1は、磁場によって患者15の画像を取得するMRI装置60(MRI:Magnetic Resonance Imaging、磁気共鳴イメージング部)を備える。なお、加速器3、照射部2、ビーム輸送ライン20、及びMRI装置60の更に詳細な構成については、後述する。
ビーム輸送ライン20は、粒子線Bを輸送するビームダクト21と、粒子線Bを絞る四極電磁石等の電磁石22と、粒子線Bの軌道を曲げる偏向電磁石23A,23B,23C,22Dと、を備える。偏向電磁石23A,23Bは、加速器3から回転ガントリ17へ向かう粒子線Bを、中心軸CLに対する外周側へ軌道を曲げる。偏向電磁石23C,23Dは、中心軸CLから外周側へ離間した位置にて、中心軸CLに対して外周側へ向かう粒子線Bの軌道を曲げて、内周側へ向かわせる。また、偏向電磁石23Dは、中心軸CLと垂直をなす方向へ向かうように、粒子線Bの軌道を曲げて照射部2へ案内する。
図2は、図1の粒子線治療装置1の照射部付近の概略構成図である。なお、以下の説明においては、「X軸方向」、「Y軸方向」、「Z軸方向」という語を用いて説明する。「Z軸方向」とは、粒子線Bの基軸AXが延びる方向であり、粒子線Bの照射の深さ方向である。なお、「基軸AX」とは、後述の走査電磁石50で偏向しなかった場合の粒子線Bの照射軸とする。図2では、基軸AXに沿って粒子線Bが照射されている様子を示している。「X軸方向」とは、Z軸方向と直交する平面内における一の方向である。「Y軸方向」とは、Z軸方向と直交する平面内においてX軸方向と直交する方向である。
まず、図2を参照して、本実施形態に係る粒子線治療装置1の概略構成について説明する。粒子線治療装置1はスキャニング法に係る照射装置である。なお、スキャニング方式は特に限定されず、ラインスキャニング、ラスタースキャニング、スポットスキャニング等を採用してよい。図2に示されるように、粒子線治療装置1は、加速器3と、照射部2と、ビーム輸送ライン20と、制御部7と、MRI装置60と、治療計画装置90と、記憶部95と、を備えている。
加速器3は、荷電粒子を加速して予め設定された強度の粒子線Bを出射する装置である。加速器3として、例えば、サイクロトロン、シンクロサイクロトロン等が挙げられる。この加速器3は、制御部7に接続されており、供給される電流が制御される。加速器3で発生した粒子線Bは、ビーム輸送ライン20によって照射部2へ輸送される。ビーム輸送ライン20は、加速器3と、照射部2と、を接続し、加速器3から出射された粒子線Bを照射部2へ輸送する。
照射部2は、患者15の体内の腫瘍(被照射体)14に対し、粒子線Bを照射するものである。粒子線Bとは、電荷をもった粒子を高速に加速したものであり、例えば陽子線、重粒子(重イオン)線、電子線等が挙げられる。具体的に、照射部2は、イオン源(不図示)で生成した荷電粒子を加速する加速器3から出射されてビーム輸送ライン20で輸送された粒子線Bを腫瘍14へ照射する装置である。照射部2は、走査電磁石50、四極電磁石8、プロファイルモニタ11、ドーズモニタ12、ポジションモニタ13a,13b、コリメータ40、及びディグレーダ30を備えている。走査電磁石50、各モニタ11,12,13a,13b、四極電磁石8、及びディグレーダ30は、収容体としての照射ノズル9に収容されている。このように、照射ノズル9に各主構成要素を収容することによって照射部2が構成されている。なお、四極電磁石8、プロファイルモニタ11、ドーズモニタ12、ポジションモニタ13a,13b、及びディグレーダ30は省略してもよい。
走査電磁石50として、X軸方向走査電磁石50A及びY軸方向走査電磁石50Bが用いられる。X軸方向走査電磁石50A及びY軸方向走査電磁石50Bは、それぞれ一対の電磁石から構成され、制御部7から供給される電流に応じて一対の電磁石間の磁場を変化させ、当該電磁石間を通過する粒子線Bを走査する。X軸方向走査電磁石50Aは、X軸方向に粒子線Bを走査し、Y軸方向走査電磁石50Bは、Y軸方向に粒子線Bを走査する。これらの走査電磁石50は、基軸AX上であって、加速器3よりも粒子線Bの下流側にこの順で配置されている。なお、走査電磁石50は、治療計画装置90で予め計画されたスキャンパターンで粒子線Bが照射されるように、粒子線Bを走査する。走査電磁石50をどのように制御するかについては、後述する。
四極電磁石8は、X軸方向四極電磁石8a及びY軸方向四極電磁石8bを含む。X軸方向四極電磁石8a及びY軸方向四極電磁石8bは、制御部7から供給される電流に応じて粒子線Bを絞って収束させる。X軸方向四極電磁石8aは、X軸方向において粒子線Bを収束させ、Y軸方向四極電磁石8bは、Y軸方向において粒子線Bを収束させる。四極電磁石8に供給する電流を変化させて絞り量(収束量)を変化させることにより、粒子線Bのビームサイズを変化させることができる。四極電磁石8は、基軸AX上であって加速器3と走査電磁石50との間にこの順で配置されている。なお、ビームサイズとは、XY平面における粒子線Bの大きさである。また、ビーム形状とは、XY平面における粒子線Bの形状である。
プロファイルモニタ11は、初期設定の際の位置合わせのために、粒子線Bのビーム形状及び位置を検出する。プロファイルモニタ11は、基軸AX上であって四極電磁石8と走査電磁石50との間に配置されている。ドーズモニタ12は、粒子線Bの線量を検出する。ドーズモニタ12は、基軸AX上であって走査電磁石50に対して下流側に配置されている。ポジションモニタ13a,13bは、粒子線Bのビーム形状及び位置を検出監視する。ポジションモニタ13a,13bは、基軸AX上であって、ドーズモニタ12よりも粒子線Bの下流側に配置されている。各モニタ11,12,13a,13bは、検出した検出結果を制御部7に出力する。
ディグレーダ30は、通過する粒子線Bの強度を低下させて当該粒子線Bの強度の微調整を行う。本実施形態では、ディグレーダ30は、照射ノズル9の先端部9aに設けられている。なお、照射ノズル9の先端部9aとは、粒子線Bの下流側の端部である。
コリメータ40は、少なくとも走査電磁石50よりも粒子線Bの下流側に設けられ、粒子線Bの一部を遮蔽し、一部を通過させる部材である。ここでは、コリメータ40は、ポジションモニタ13a,13bの下流側に設けられている。コリメータ40は、当該コリメータ40を移動させるコリメータ駆動部51と接続されている。
制御部7は、例えばCPU、ROM、及びRAM等により構成されている。この制御部7は、各モニタ11,12,13a,13bから出力された検出結果に基づいて、加速器3、走査電磁石50、四極電磁石8、及びコリメータ駆動部51を制御する。
また、粒子線治療装置1の制御部7は、粒子線治療の治療計画を行う治療計画装置90、及び各種データを記憶する記憶部95と接続されている。治療計画装置90は、治療前に患者15の腫瘍14をCT等で測定し、腫瘍14の各位置における線量分布(照射すべき粒子線の線量分布)を計画する。具体的には、治療計画装置90は、腫瘍14に対してスキャンパターンを作成する。治療計画装置90は、作成したスキャンパターンを制御部7へ送信する。治療計画装置90が作成したスキャンパターンでは、粒子線Bがどのような走査経路をどのような走査速度で描くかが計画されている。
スキャニング法による粒子線の照射を行う場合、腫瘍14をZ軸方向に複数のレイヤーに仮想的に分割し、一のレイヤーにおいて粒子線を治療計画において定めた走査経路に従うように走査して照射する。そして、当該一のレイヤーにおける粒子線の照射が完了した後に、隣接する次のレイヤーにおける粒子線Bの照射を行う。
図2に示す粒子線治療装置1により、スキャニング法によって粒子線Bの照射を行う場合、通過する粒子線Bが収束するように四極電磁石8を作動状態(ON)とする。
続いて、加速器3から粒子線Bを出射する。出射された粒子線Bは、走査電磁石50の制御によって治療計画において定めたスキャンパターンに従うように走査される。これにより、粒子線Bは、腫瘍14に対してZ軸方向に設定された一のレイヤーにおける照射範囲内を走査されつつ照射されることとなる。一のレイヤーに対する照射が完了したら、次のレイヤーへ粒子線Bを照射する。
制御部7の制御に応じた走査電磁石50の粒子線照射イメージについて、図3(a)及び(b)を参照して説明する。図3(a)は、深さ方向において複数のレイヤーに仮想的にスライスされた被照射体を、図3(b)は、深さ方向から見た一のレイヤーにおける粒子線の走査イメージを、それぞれ示している。
図3(a)に示すように、被照射体は照射の深さ方向において複数のレイヤーに仮想的にスライスされており、本例では、深い(粒子線Bの飛程が長い)レイヤーから順に、レイヤーL、レイヤーL、…レイヤーLn-1、レイヤーL、レイヤーLn+1、…レイヤーLN-1、レイヤーLとNレイヤーに仮想的にスライスされている。また、図3(b)に示すように、粒子線Bは、走査経路TLに沿ったビーム軌道を描きながら、連続照射(ラインスキャニング又はラスタースキャニング)の場合はレイヤーLの走査経路TLに沿って連続的に照射され、スポットスキャニングの場合はレイヤーLの複数の照射スポットに対して照射される。粒子線Bは、X軸方向に延びる走査経路TL1に沿って照射され、走査経路TL2に沿ってY軸方向に僅かにシフトし、隣の走査経路TL1に沿って照射される。このように、制御部7に制御された照射部2から出射した粒子線Bは、走査経路TL上を移動する。
次に、図1を参照して、MRI装置60について説明する。MRI装置60は、照射部2と共に回転ガントリ17に設けられている。MRI装置60は、回転ガントリ17によって中心軸CLを回転中心として、治療台6の周りに回転可能とされている。MRI装置60は、磁場の発生源である複数(図1では一対)のコイル61を備える。MRI装置60は、コイル61で発生する磁束を鉄のヨーク62で戻すパッシブシールド式の装置である。MRI装置60は、磁気共鳴現象を起こしかつその信号を収集するための図示されない傾斜磁場コイル及び高周波送受信系を備える。また、MRI装置60は、傾斜磁場コイルへの通電制御、高周波送受信系の検出値からMRI画像を生成して制御部7へ出力する処理部63(図2参照)を備える。
一対のコイル61は、中心軸CLを中心とする円環状の形状を有する。一対のコイル61は、照射部2を挟んで、中心軸CLが延びる方向に互いに離間している。これにより、MRI装置60が発生する磁場は、中心軸CLが延びる方向と平行、すなわち粒子線Bの基軸AXと垂直となる。このとき、コイル61の中心軸CLは、照射部2から照射される粒子線Bの基軸AXと直交する方向へ延びる。これにより、MRI装置60のコイル61が生成する均一磁場内に腫瘍14(図2参照)が入るように患者15が治療台6に設置され、腫瘍14の周辺のMRI画像が撮影される。
MRI装置60のヨーク62は、シールド部材66と、リターンヨーク部67と、を備える。シールド部材66は、中心軸CLを中心とする円筒状の部材である。シールド部材66には、照射部2と径方向に対向する位置に開口部68が形成される。開口部68は、照射部2から照射された粒子線Bを通過させてシールド部材66の内部へ導く。リターンヨーク部67は、回転ガントリ17の奥側でシールド部材66の内部で中心軸CLと垂直な方向へ広がり、シールド部材66の内周面に接続される部材である。このリターンヨーク部67とシールド部材66とが磁束の通過経路、すなわち磁気回路となる。
次に、図4及び図5を参照して、回転ガントリ17周辺の構造について説明する。加速器3について更に詳細に説明する。図4は、回転ガントリ17周辺の構造を示す概略断面図である。図5は、回転ガントリ17周辺の構造を示す概略正面図である。
粒子線治療装置1は、照射部2とMRI装置60との間に設けられた磁場遮蔽部材70を備える。磁場遮蔽部材70は、MRI装置60を取り囲む形状の筒状の部材を有する。本実施形態において、シールド部材66が、磁場遮蔽部材70の筒状の部材に該当する。
磁場遮蔽部材70は、回転ガントリ17における構造部材として構成される。磁場遮蔽部材70は、回転ガントリ17における筒状の回転軸部材71として構成される。磁場遮蔽部材70は、中心軸CLを中心として回転する。磁場遮蔽部材70は、Y軸方向から見て、治療台6及びMRI装置60を全周にわたって取り囲むように円形に構成される(図5参照)。開口部68は、照射部2と径方向に対向する領域に形成されている。照射部2の走査電磁石50は、コイル53及びヨーク52を有する。従って、ヨーク52をMRI装置60の近くに配置することによる影響、コイル53をMRI装置60の近くで励磁することによる影響が発生し得る。これらの影響は磁場遮蔽部材70で抑制することができるが、開口部68では磁場を遮蔽することができない。従って、開口部68は、照射部2の走査電磁石50が、MRI装置60へなるべく影響を及ぼさないように、小さい範囲に抑えられている。例えば、開口部68は、径方向から見たときに、照射部2からはみ出ない大きさに抑えられている。
磁場遮蔽部材70のY軸方向の負側(加速器3側)の端部70aは、リターンヨーク部67及び偏向電磁石23BよりもY軸方向の負側に延びて、偏向電磁石23A付近の位置まで延びている。磁場遮蔽部材70のY軸方向の正側の端部70bは、照射部2よりもY軸方向の正側に延びている。磁場遮蔽部材70の端部70a付近は、軸受72Aによって回転可能に支持されている。磁場遮蔽部材70の端部70b付近は、軸受72Bによって回転可能に支持されている。軸受72A,72Bは、建屋の構造物に固定されている。従って、磁場遮蔽部材70、すなわち回転軸部材71は、照射部2、電磁石22、偏向電磁石23A,23B,23C,23D、ビームダクト21、及びMRI装置60と共に中心軸CL周りに回転する。
磁場遮蔽部材70としての回転軸部材71は、照射部2に対して内周側に配置される。すなわち、回転軸部材71は、比較例に係る粒子線治療装置100の回転ガントリ107のように大きな直径を有するものとは異なり(図7参照)、照射部2に内周側の範囲に収まる小さい直径の部材として構成することができる。
次に、粒子線Bの照射及びMRI装置60で撮影を行うときの制御部7の動作について説明する。図6に示すように、制御部7は、照射部2による粒子線Bの照射と、MRI装置60による撮影を交互に行う。図6において、グラフG1は、照射部2の照射ゲートのON/OFF状況を示している。照射ゲートをONとしているときにグラフG1が立ち上がった状態となり、このとき照射部2による照射が可能となる。照射ゲートをOFFとしてるときにグラフG1が0となり、このとき照射部2による照射が許可されない状態となる。照射ゲートがONになっているときに、レイヤーLn-1に対する照射動作、レイヤーLn-1からレイヤーLへのレイヤーの切り替え動作、レイヤーLに対する照射動作、レイヤーLからレイヤーLn+1へのレイヤーの切り替え動作が行われる。
このように、照射ゲートがONになっているときに、所定のレイヤーへの照射動作と、レイヤーの切り替え動作が交互に行われる。照射動作が行われているとき、走査電磁石50の励磁が行われる。図6に示すように、レイヤーの切り替え動作のタイミングにて、MRI装置60による撮影制御S1が行われる。次に、所定のレイヤーの照射タイミングにて、照射部2による照射制御S2が行われる。このように、レイヤーの切り替え動作と照射動作が交互に行われることに伴い、撮影制御S1と照射制御S2が交互に行われる。照射ゲートがOFFとなっているときに、撮影制御S1が繰り返し行われる。一層のレイヤーに対する照射時間は0.2~0.6s程度であるため、各制御S1,S2の時間t1は、0.25s程度に設定してよい。照射部2は、撮影制御S1で得られた画像に基づいて、腫瘍14の移動に伴って照射位置を調整する動態追尾を行ってよい。
次に、本実施形態に係る粒子線治療装置1の作用・効果について説明する。
粒子線治療装置1は、腫瘍14に対して粒子線Bを照射する照射部2と、磁場によって腫瘍14の画像を取得するMRI装置60と、を備える。従って、照射部2は、MRI装置60で取得された画像に基づいて、腫瘍14に対する粒子線Bの照射を行うことができる。ここで、粒子線治療装置1は、照射部2とMRI装置60との間に設けられた磁場遮蔽部材70と、を備える。そのため、磁場遮蔽部材70は、照射部2によるMRI装置60の磁場に対する影響を低減することができる。以上より、照射部2のMRI装置60の磁場に対する影響を低減できる。なお、本実施形態に係る粒子線治療装置1のMRI装置60の磁場は、ビーム輸送系の磁石の影響も回避できる。
照射部2は、走査電磁石50を有し、粒子線Bを走査させながら粒子線Bを腫瘍14に照射してよい。照射部2の走査電磁石50は、MRI装置60の磁場に対して影響を及ぼし易い部材である。これに対し、粒子線治療装置1が前述の磁場遮蔽部材70を有することで、走査電磁石50の影響を低減することができる。
磁場遮蔽部材70は、MRI装置60を取り囲む形状の筒状のシールド部材66を有してよい。この場合、MRI装置60付近を全周にわたって磁場遮蔽部材70でシールドすることができる。
粒子線治療装置1は、照射部2を腫瘍14の周りを回転可能に支持する回転ガントリ17を更に備え、磁場遮蔽部材70は、回転ガントリ17における構造部材として構成されてよい。この場合、磁場遮蔽部材70を回転ガントリ17における構造部材として兼用することで、回転ガントリ17の小型化を図ることができる。
磁場遮蔽部材70は、回転ガントリ17における筒状の回転軸部材71として構成され、照射部2に対して内周側に配置されてよい。この場合、磁場遮蔽部材70を回転ガントリ17における構造部材である回転軸部材71として兼用することができる。当該回転軸部材71は、照射部2に対して内周側に配置されているため、直径を小さく抑えることができる。以上より、回転ガントリ17の小型化を図ることができる。
ここで、図7を参照して、比較例に係る粒子線治療装置100について説明する。比較例に係る粒子線治療装置100は、治療室空間を大きく確保するために、回転ガントリ107を支持し、ローラ111で回転可能に支持された支持リング110A,110Bを偏向電磁石23C,23Dよりも外周側へ配置する必要がある。そのため、回転ガントリ107が大型化するという問題がある。これに対し、本実施形態に係る粒子線治療装置100は、図4に示すように、回転ガントリ17が照射部2よりも内周側の範囲に収めることができる。このように、回転ガントリ17の小型化を図ることができる。
MRI装置60は、磁場を発生するコイル61を有し、コイル61の中心軸CLは、照射部2から照射される粒子線Bの基軸AXと直交する方向へ延びてよい。
照射部2による粒子線Bの照射と、MRI装置60による撮影を交互に行ってよい。この場合、粒子線Bの照射に伴って走査電磁石50が励起されるタイミングと、MRI装置60が撮影を行うタイミングとをずらすことができる。そのため、MRI装置60が撮影を行うときに、照射部2の走査電磁石50の励磁の影響を回避することができる。
なお、照射部2による粒子線Bの照射と、MRI装置60による撮影が交互に行うのみならず、照射シーケンスを計画することや、イメージング時間に合わせて照射時間を最適化することなどによって同様の効果を得てもよい。
MRI装置60とスキャニング式の照射部2を組み合わせた場合、走査電磁石50で励起される磁場が、MRI装置60の主磁場に影響を与える。従来のアクティブシールドでは照射部2の走査電磁石50や、ヨーク52の少量の鉄でも撮像領域の磁場に影響を与える。そこで、本実施形態では、パッシブシールド式の構造を採用して鉄の磁場遮蔽部材70を設けることで擾乱を受ける影響を小さくすることができる。更に、粒子線Bの照射に伴って走査電磁石50が励起されるタイミングと、MRI装置60が撮影を行うタイミングとをずらすことで、走査電磁石50の励磁の影響を回避することができる。この場合、磁場遮蔽部材70の大きさは、走査電磁石50のヨーク52の影響のみを相殺できる大きさに設定することができる。これにより、回転ガントリ17の小型化・軽量化を図ることができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
図1では、加速器としてサイクロトロンが例示されていたが、例えば、シンクロサイクロトロン、直線加速器(ライナック)等、種々の加速器に対しても本発明の構成が採用されてよい。
また、磁場遮蔽部材70は、照射部2とMRI装置60との間に設けられていればよく、具体的な構造は特に限定されない。上述の実施形態では、回転ガントリ17の回転軸部材71が磁場遮蔽部材70として構成されていたが、これに限定されない。また、シールド部材66が磁場遮蔽部材70として構成されていたが、これに限定されない。
1…粒子線治療装置、2…照射部、3…加速器、7…回転ガントリ、14…腫瘍(被照射体)、50…走査電磁石、60…MRI装置(磁気共鳴イメージング部)、61…コイル、66…シールド部材、70…磁場遮蔽部材、71…回転軸部材。

Claims (7)

  1. 被照射体に対して粒子線を照射する照射部と、
    磁場によって前記被照射体の画像を取得する磁気共鳴イメージング部と、
    前記照射部と前記磁気共鳴イメージング部との間に設けられた磁場遮蔽部材と、を備える、粒子線治療装置。
  2. 前記照射部は、走査電磁石を有し、前記粒子線を走査させながら前記粒子線を前記被照射体に照射する、請求項1に記載の粒子線治療装置。
  3. 前記磁場遮蔽部材は、前記磁気共鳴イメージング部を取り囲む形状の筒状の部材を有する、請求項1又は2に記載の粒子線治療装置。
  4. 前記照射部を前記照射体の周りを回転可能に支持する回転ガントリを更に備え、
    前記磁場遮蔽部材は、前記回転ガントリにおける構造部材として構成される、請求項1~3の何れか一項に記載の粒子線治療装置。
  5. 前記磁場遮蔽部材は、前記回転ガントリにおける筒状の回転軸部材として構成され、前記照射部に対して内周側に配置される、請求項4に記載の粒子線治療装置。
  6. 前記磁気共鳴イメージング部は、磁場を発生するコイルを有し、
    前記コイルの中心軸は、前記照射部から照射される粒子線の基軸と直交する方向へ延びる、請求項1~5の何れか一項に記載の粒子線治療装置。
  7. 前記照射部による前記粒子線の照射と、前記磁気共鳴イメージング部による撮影を交互に行う、請求項1~6の何れか一項に記載の粒子線治療装置。
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