JP2020018404A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベットボタンが操作されていない状態(OFF状態)で電断し、その後、ベットボタンが操作されている状態(ON状態)で電断復帰した場合でも、遊技者の意図しないメダルのベットが実行されることのない遊技機を提供する。【解決手段】遊技の制御を行うメイン制御基板と、遊技媒体をベットするためのベットボタンとを備え、メイン制御基板は、ベットボタンが押下されている状態で電断から復帰した場合に、当該押下に基づく遊技媒体のベットを行わないことを特徴とする。【選択図】図7

Description

本発明は、遊技機に関する。
遊技機として、複数の図柄が配列された複数のリール、スタートレバー、およびストップスイッチ等を備えたスロットマシンが知られている。スロットマシンは、遊技媒体(メダル)がベットされた後、スタートレバーが操作されたことを検出すると、複数のリールの回転を開始させる。また、各リールに対応して設けられたストップスイッチが操作されたことを検出すると、当該ストップスイッチに対応するリールの回転を停止させる。このとき、払い出しの対象となる有効ライン上に当選役に対応する図柄組み合わせが表示されると、所定枚数のメダルが払い出される等、遊技者に遊技上の利益が付与される。
また、スロットマシンにはベットボタンが設けられている。ベットボタンは、貯留(クレジット)されているメダルをベットするために設けられているボタンである。
特許文献1には、ベットボタンの押下操作を受け付けることが可能な制御状態となった後、すなわち、ベットボタンの押下操作が有効化された後に、ベットボタンの押下に基づくONエッジ(OFF状態からON状態への立ち上がりエッジ)を検出した場合、遊技媒体のベットを行う遊技機が開示されている。
特開2010−131133号公報
特許文献1に開示されたような遊技機において、ベットボタンが押下されていない状態(OFF状態)で電断し、その後、ベットボタンが押下されている状態(ON状態)で電断から復帰する場合がある。このとき、電断前にベットボタンの操作状態がOFF状態であったことはバックアップされているため、電断復帰時にベットボタンの操作状態がOFF状態からON状態に変化し、ONエッジが検出されてしまうことがある。このため、遊技者の意図しないメダルのベットが実行されてしまうという問題が生じるおそれがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ベットボタンが押下されていない状態で電断し、その後、ベットボタンが押下された状態で電源が投入された場合でも、遊技者の意図しないメダルのベットが実行されることのない遊技機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、
遊技の制御を行うメイン制御基板と、
遊技媒体をベットするためのベットボタンとを備え、
前記メイン制御基板は、前記ベットボタンが押下されている状態で電断から復帰した場合に、当該押下に基づく前記遊技媒体のベットを行わないことを特徴とする。
本発明によれば、ベットボタンが押下されていない状態で電断し、その後、ベットボタンが押下された状態で電源が投入された場合に、遊技者の意図しないメダルがベットされるのを防ぐことができる。
また、本発明の前記構成において、
前記メイン制御基板は、
一定間隔毎に前記ベットボタンの操作状態がOFF状態であるかON状態であるかを検出する定期処理を実行し、前記定期処理において、第1定期処理タイミングで前記OFF状態を検出し、前記第1定期処理タイミングの後の第2定期処理タイミングで前記ON状態を検出した場合は、このOFF状態からON状態への変化に基づきONエッジを検出可能であり、前記ONエッジを検出した場合に前記遊技媒体のベットを行い、
前記第1定期処理タイミングで前記OFF状態を検出した後、電断が発生し、前記ベットボタンが押下されている状態で電断から復帰して、電断復帰後の前記第2定期処理タイミングで前記ON状態を検出した場合には、前記ONエッジを検出しないことを特徴とする。
本構成によれば、ベットボタンが押下されていない状態で電断し、その後、ベットボタンが押下された状態で電断復帰した場合でも、処理負荷の大きな増大を招くことなく、意図しないONエッジの検出を防ぐことができる。
本発明によれば、ベットボタンが押下されていない状態で電断し、その後、ベットボタンが押下された状態で電源が投入された場合でも、遊技者の意図しないメダルのベットが実行されることのない遊技機を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。 同、前面扉を開いた状態を示す外観斜視図である。 同、電気的構成を示すブロック図である。 同、エッジ検出処理について説明するための図である。 同、エッジ検出処理を示すフローチャートである。 同、電断復帰時の更新処理を示すフローチャートである。 同、電断が発生した場合における処理について説明するための図である。 同、電断が発生した場合における処理の別の例について説明するための図である。 同、電断復帰時の更新処理の別の例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について添付の図面を参照しながら説明する。本実施の形態では本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例に説明する。ただし、本発明はスロットマシンに限ることなく、その他の遊技機に適用してもよい。また、本実施の形態に示す数値等は例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。また、以下では、実質的に同一の機能、構成を有する要素については同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、本発明とは直接関係のない要素については図示および説明を省略する。
図1は、スロットマシン(遊技機)10の外観斜視図である。図1に示すように、スロットマシン10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉12とを備えている。
筐体11には、回転自在なリール20a、リール20bおよびリール20cがユニット化されたリールユニットと、メダルの払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。
図2は、上扉12aおよび下扉12bを開いた状態を示す外観斜視図である。
以下、「前後」とは、スロットマシン10の前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシン10の上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシン10を遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
上扉12aには、液晶ディスプレイ13、スピーカ14等の演出装置、および、表示窓16が設けられている。液晶ディスプレイ13には、各種演出用の画像(動画、静止画)が表示される。また、スピーカ14からは、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)が出力される。なお、演出装置としては、液晶ディスプレイ13、スピーカ14の他に、ランプ(LED)等の電飾装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物等を備えていてもよい。
図1に示すように、リールユニットは、その一部が表示窓16の外から視認可能となるように表示窓16の奥に配置されている。各リール20a〜20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されている。各リール20a〜20cが停止している状態では、表示窓16を介して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が視認可能となる。表示窓16には、各リール20a〜20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a〜20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。
スロットマシン10では、1回の遊技(1遊技)を開始するために必要な遊技媒体(メダル)の数(規定数)が、設定されている。本実施の形態では、規定数を3とする。スロットマシン10に規定数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。なお、規定数を超える枚数のメダルが投入された場合、規定数を超えた分のメダルは、所定の値(例えば50とする)を上限とし、スロットマシン10の内部(図3に示すメインRAM203)に電気的に貯留される。
スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a〜20cが回転を開始するとともに、当選役抽選が実行されて当選役のいずれかの当選または不当選が決定される。次いで、各リール20a〜20cが停止したときに、当選役抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
下扉12bには、メダルを投入するためのメダル投入口22、貯留(クレジット)されているメダルをベットするためのベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー24、回転しているリール20a,20b,20cを停止させるためのストップボタン26a,26b,26c、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するためのメダルセンサ29(図2参照)が設けられている。
ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a〜26cは、操作を検出すると、操作されたことを示す信号を出力する。また、メダルセンサ29は、メダルの投入を検出すると、メダルが投入されたことを示す信号を出力する。なお、ベットボタン23には、1ベットボタンとMAXベットボタンとがある。1ベットボタンは、貯留されているメダルから1枚のメダルをベットする際に押下されるボタンである。MAXベットボタンは、貯留されているメダルから規定数のメダルをベットする際に押下されるボタンである。以下、ベットボタン23という場合、1ベットボタンまたはMAXベットボタンのいずれかを指すものとする。
ここで、1遊技について説明する。
スロットマシン10では、メダル投入口22を介してのメダルの投入、または、ベットボタン23の操作による規定数のメダルのベットを受け付けると、ベットボタン23の操作が無効化され、スタートレバー24の操作が有効化される。
次に、スロットマシン10は、有効化されたスタートレバー24の操作を受け付けると、遊技を開始する(すなわち各リール20a〜20cの回転を開始する)とともに、当選役抽選を行う。
次に、スロットマシン10は、各リール20a〜20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となると、ストップボタン26a〜26cの操作を有効化する。
次に、スロットマシン10は、有効化されたストップボタン26a〜26cの操作を受け付けると、操作されたストップボタン26a〜26cに対応する各リール20a〜20cの回転を停止する。
次に、スロットマシン10は、各リール20a〜20cの回転が停止したときに、当選役抽選で当選した当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたかを判定する。
スロットマシン10は、当選役抽選で当選した当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたと判定した場合、入賞処理(例えば、メダルの払い出し処理)を実行し、1遊技を終了する。
一方、スロットマシン10は、当選役抽選の結果が不当選であった場合、または、当選役抽選で当選した当選役に入賞しなかったと判定した場合、各リール20a〜20cが停止したことをもって1遊技を終了する。1遊技が終了すると、ベットボタン23の操作が有効化される。
また、図2に示すように、筐体11の内部には、スロットマシン10の電源をON/OFFするための電源スイッチ30が設けられている。電源スイッチ30は、スロットマシン10を管理する管理者等が操作し、電源のOFF状態(電断状態)と電源のON状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。電源スイッチ30は、電源をONにするための操作を受け付けると、電源ON信号を出力する。また、電源スイッチ30は、電源をOFFにするための操作を受け付けると、電源OFF信号を出力する。
図3は、スロットマシン10の電気的構成を示すためのブロック図である。
筐体11の内部には、メイン制御基板(主制御装置)200と、サブ制御基板(副制御装置)300とが設けられている。メイン制御基板200は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a〜26c、メダルセンサ29、電源スイッチ30等から出力される信号を取得し、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット、ホッパー装置等の制御を行う。
サブ制御基板300は、メイン制御基板200から取得した信号に基づき演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置の制御を行う。
メイン制御基板200とサブ制御基板300とは電気的に接続されており、メイン制御基板200からサブ制御基板300へは遊技状態を示す情報等各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板300からメイン制御基板200へは情報を送信できないようになっている。メイン制御基板200やサブ制御基板300等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
図3に示すように、本実施の形態では、メイン制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU201、プログラム等が格納されたメインROM202、ワークエリアとして機能するメインRAM203(主記憶部)等を含む各種半導体集積回路を有している。メインRAM203(内蔵RAM)にはバックアップ電源(不図示)が接続されていて、電源がOFF状態となった場合でも、設定変更が行われてメインRAM203の初期化処理が実行されない限り、記憶されたデータは消去されることなく保持される。なお、メインRAM203を内蔵RAMと外付けRAMとにより構成し、外付けRAMのバックアップ領域にバックアップデータが記憶されるようにしてもよい。この場合、外付けRAMにバックアップ電源(不図示)が接続される。電源がOFF状態となった後、電断から復帰する際に、内蔵RAMは、外付けRAMのバックアップ領域に記憶されたバックアップデータを読み出し、電断前の状態に復帰する。
メイン制御基板200は、メインCPU201が、メインROM202に格納されたプログラムに基づきメインRAM203と協働することで機能する機能部を有している。機能部には、後述するベット制御部210等がある。
また、図3に示すように、本実施の形態では、サブ制御基板300は、中央処理装置であるサブCPU301、プログラム等が格納されたサブROM302、ワークエリアとして機能するサブRAM303(副記憶部)等を含む各種半導体集積回路を有している。また、メインRAM203と同様に、サブRAM303にもバックアップ電源(不図示)が接続されていて、電源が切断された場合でも、データが消去されることなく保持される。
サブ制御基板300は、サブCPU301が、サブROM302に格納されたプログラムに基づき、サブRAM303と協働することで機能する。
次に、メイン制御基板200のベット制御部210について説明する。
ベット制御部210は、遊技ごとに、規定数のメダルがベットされたことに基づき、ベットボタン23の操作が無効化される処理を行い、スタートレバー24に対する遊技開始操作が有効化される処理を行う。
また、ベット制御部210は、ベットボタン23が押下操作された場合、規定数を限度として、貯留されているメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。以下、メダルをベット状態に設定することを、単にメダルをベットするという。
メイン制御基板200は、電源ON状態で、ベットボタン23が押下されたことを示す信号(ベット操作情報)を取得すると、メインRAM203の入力現在状態を「ON状態」とする。入力現在状態とは、現在のベットボタン23の操作状態、すなわち現在ベットボタン23が操作されている状態であるか否かを示す情報である。現在ベットボタン23が押下状態である場合、入力現在状態は「ON状態」となる。一方、現在ベットボタン23が非押下状態である場合、すなわち、メイン制御基板200がベット操作情報を取得していない場合、入力現在状態は「OFF状態」となる。入力現在状態は、後述するエッジ検出処理で用いられる情報である。
図3に示すように、ベット制御部210は、エッジ検出部211、ベット設定部212、情報制御部213等を備えている。
エッジ検出部211は、ベットボタン23の操作が有効化されてから、ベットボタン23の操作が無効化されるまでの間(ベット受付期間)、一定間隔(例えば、1.49ms)毎に、定期処理(タイマー割込み)であるエッジ検出処理を行う。
エッジ検出処理では、ベットボタン23の操作状態を示す情報が所定の条件に該当する場合にONエッジを検出する。具体的には、後述する入力前回状態と、入力現在状態とを比較し、図4(a)の太線枠に示すように、入力前回状態が「OFF状態」であり、かつ、入力現在状態が「ON状態」である場合(ONエッジ検出条件に該当する場合)に、ONエッジ(立ち上がりエッジ)を検出する。なお、エッジ検出処理には、後述する更新処理が含まれる。
また、図4(a)に示すように、入力前回状態が「OFF状態」であり、かつ、入力現在状態が「OFF状態」である場合(ONエッジ検出条件に非該当である場合)、ONエッジは検出されない。また、入力前回状態が「ON状態」であり、かつ、入力現在状態が「OFF状態」である場合(ONエッジ検出条件に非該当である場合)、ONエッジは検出されない。また、入力前回状態が「ON状態」であり、かつ、入力現在状態が「ON状態」である場合(ONエッジ検出条件に非該当である場合)、ONエッジは検出されない。
ベット設定部212は、エッジ検出部211が行うエッジ検出処理でONエッジが検出されると、メダルをベットする。具体的には、ベット設定部212は、1ベットボタンの押下に基づくONエッジが検出された場合には1枚のメダルをベットし、MAXベットボタンの押下に基づくONエッジが検出された場合には規定数(3枚)のメダルをベットする。
情報制御部213は、更新処理を行う。更新処理には、次回のエッジ検出処理で用いられる情報を決定する処理が含まれる。情報制御部213は、更新処理を行い、メインRAM203に記憶されている入力現在状態が示す情報を、次回のエッジ検出処理に用いられる入力前回状態として設定する。入力前回状態は、入力現在状態と同様に、メインRAM203に記憶される。
図4(b)はエッジ検出処理について説明するための図である。図4(b)中に矢印で示すように、情報制御部213は、n−1回目(nは2以上の整数)の入力現在状態が示す情報を、n回目の入力前回状態として設定する。換言すると、n回目の入力前回状態は、n−1回目の入力現在状態である。入力前回状態は、前回のエッジ検出処理のときのベットボタン23の操作状態に基づいて決定され、現在のエッジ検出処理で用いられる情報ともいえる。
次に、図5に示すフローチャートを用いてエッジ検出処理について説明する。
まず、エッジ検出部211は、入力現在状態をメインRAM203から取得する(ステップST1)。次に、エッジ検出部211は、入力前回状態をメインRAM203から取得する(ステップST2)。
次に、エッジ検出部211は、入力前回状態が「OFF状態」であり、かつ、入力現在状態が「ON状態」であるか、すなわち、ONエッジ検出条件に該当するか判定する(ステップST3)。
ステップST3において、エッジ検出部211は、ONエッジ検出条件に該当すると判定した場合(ステップST3:YES)、ONエッジを検出する(ステップST4)。ステップST4においてONエッジが検出されると、ベット設定部212は、メダルをベットする。
一方、ステップST3において、エッジ検出部211は、ONエッジ検出条件に該当しないと判定した場合(ステップST3:NO)、ステップST5の処理に進む。
次に、情報制御部213は、更新処理を行う(ステップST5)。すなわち、情報制御部213は、メインRAM203に記憶されている入力現在状態が示す情報を、次回の入力前回状態として設定する。ステップST5の処理が終了すると、再びステップST1の処理に戻る。なお、図5においてステップST5の処理はステップST3の処理の前に行うものとしてもよい。
次に、図4(b)で示したエッジ検出処理の2回目と3回目との間に、電断が発生した場合について説明する。以下、ベットボタン23が非押下状態(OFF状態)で当該電断が発生し、その後、ベットボタン23が押下状態(ON状態)で当該電断から復帰した場合について説明する。当該ベットボタン23の押下操作は、遊技者によるメダルのベットを意図するものではないため、3回目のエッジ検出処理でONエッジが検出されるのは好ましくない。
メイン制御基板200は、電源スイッチ30から電源ON信号を取得した際(電断から復帰する際)に復帰処理を行う。復帰処理には、メインRAM203の状態を、バックアップされているデータに基づいて電断前の状態に戻す処理が含まれる。
意図しないONエッジの検出を防ぐための対策を施さなかった場合、電断後における3回目のエッジ検出処理で用いられる入力前回状態は、電断が発生しなかった場合と同様に、2回目の入力現在状態である「OFF状態」となっている。また、電断後の3回目のエッジ検出処理で用いられる入力現在状態は、ベットボタン23が押下されているため「ON状態」となっている。このため、3回目のエッジ検出処理で意図しないONエッジが検出されてしまうこととなる。
本実施の形態に係るメイン制御基板200は、上記のような意図しないONエッジの検出を防ぐために、電断から復帰する際に更新処理(電断復帰時の更新処理という)を行う。
なお、電断からの復帰は、電源スイッチ30のON操作に起因するものだけではなく、停電の発生等によってスロットマシン10の電源が一旦OFFとなり、その後電源が再び供給されて復帰する場合等がある。
図6に示すフローチャートを用いて、電断復帰時の更新処理について説明する。図6のフローチャートの開始時点において、メイン制御基板200は、電源スイッチ30から電源ON信号を取得しているものとする。また、メインRAM203は、電断前の状態に復帰しているものとする。
情報制御部213は、入力現在状態をメインRAM203から取得する(ステップST11)。次に、情報制御部213は、メインRAM203の入力前回状態を、ステップST11で取得した入力現在状態が示す情報で書き換える(ステップST12)。換言すると、情報制御部213は、入力前回状態を、電断から復帰する際の実際のベットボタン23の操作状態で書き換える。これは、入力現在状態が示す情報を入力前回状態として設定するともいえる。具体的には、入力現在状態が「ON状態」である場合には入力前回状態を「ON状態」とし、入力現在状態が「OFF状態」である場合には入力前回状態を「OFF状態」とする。入力現在状態が示す情報で書き換えられた入力前回状態は、メインRAM203に記憶される。ステップST12の処理が終わると、電断復帰時の更新処理は終了する。
また、上記では、ステップST11でメインRAM203から入力現在状態を取得するものとしたが、情報制御部213は、ベットボタン23が操作されたことを示す情報(ベット操作情報)を直接ベットボタン23から取得するようにしてもよい。この場合、ステップST12において、情報制御部213は、当該ベット操作情報に基づいてメインRAM203の入力前回状態を書き換える。具体的には、ベット操作情報が「ON状態」を示す場合には入力前回状態を「ON状態」とし、ベット操作情報が「OFF状態」を示す場合には入力前回情報を「OFF状態」とする。
図7は、エッジ検出処理の2回目と3回目との間に、ベットボタン23が非押下状態(OFF状態)で電断が発生し、その後、ベットボタン23が押下状態(ON状態)で電断から復帰し、かつ電断復帰時の更新処理が行われた場合について説明する図である。電断から復帰する際にベットボタン23の操作状態が「ON状態」であるため、図7中に矢印Fで示すように、情報制御部213は、メインRAM203における3回目の入力前回状態を「ON状態」に設定する。
電断復帰時の更新処理後に、エッジ検出処理(3回目)が実行される。エッジ検出処理(3回目)は、例えば、電断復帰から1.49ms後に実行される。エッジ検出処理(3回目)において、エッジ検出部211は、メインRAM203から入力現在状態「ON状態」を取得する。次に、エッジ検出部211は、メインRAM203から入力前回状態「ON状態」を取得する。次に、エッジ検出部211は、入力前回状態が「ON状態」であり、かつ、入力現在状態が「ON状態」であるため、ONエッジ検出条件に該当しないと判定する。よって、電断を跨いだ、意図しないONエッジが検出されることはない。
また、図示は省略するが、電断から復帰する際にベットボタン23の操作状態が「OFF状態」である場合には、情報制御部213が、メインRAM203の入力前回状態を「OFF」とする。このため、エッジ検出処理(3回目)において、エッジ検出部211は、メインRAM203から入力現在状態「OFF状態」を取得する。次に、エッジ検出部211は、メインRAM203から入力前回状態「OFF状態」を取得する。次に、エッジ検出部211は、入力前回状態が「OFF状態」であり、かつ、入力現在状態が「OFF状態」であるため、ONエッジ検出条件に該当しないと判定する。
また、図5のステップST1は、メインCPU201が、ベットボタン23の操作が有効化されてから、ベットボタン23の操作が無効化されるまでの間、一定間隔(例えば、1.49ms)毎に、定期処理(タイマー割込み)を行い、入力現在状態の検出、すなわちベットボタン23の操作状態がOFF状態であるかON状態であるかを検出しているといえる。以下、当該検出を定期処理という。また、図5のステップST1〜ステップST4は、メインCPU201が、定期処理において、n−1回目の定期処理タイミング(第1定期処理タイミングとする)でベットボタン23の「OFF状態」を検出し、第1定期処理タイミングの後のn回目の定期処理タイミング(第2定期処理タイミングとする)でベットボタン23の「ON状態」を検出した場合に、この「OFF状態」から「ON状態」への変化に基づきONエッジを検出するといえる。例えば、メインCPU201は、2回目(第1定期処理タイミング)の操作状態が「OFF状態」であり、3回目(第2定期処理タイミング)の操作状態が「ON状態」である場合、この「OFF状態」から「ON状態」への変化に基づきONエッジを検出する。メインCPU201は、ONエッジを検出した場合に、メダルのベットを行う。
また、図7で示した内容は、メインCPU201が、第1定期処理タイミングで「OFF状態」を検出した後、電断が発生し、ベットボタン23が押下されている状態で電断から復帰して、電断復帰後の第2定期処理タイミングで「ON状態」を検出した場合には、第1定期処理タイミングにおける「OFF状態」を「ON状態」に更新することで、ONエッジを検出しないということができる。このため、電断を跨いでの、遊技者が意図しない操作によるONエッジが検出されることはない。
なお、図6では、ステップST12において、電断前の状態に復帰したメインRAM203の入力前回状態を入力現在状態が示す情報で書き換える場合について説明した。ただし、当該入力前回状態は必ずしもバックアップされていることを要するものではなく、仮に入力前回状態がバックアップされていない(復帰できない)場合には、電断から復帰する際に取得した入力現在状態が示す情報を入力前回状態に代入する(書き込む)ようにしてもよい。この場合でも、書き換えを行った場合と同様に、意図しないONエッジの検出を防ぐことができる。
次に、ベットボタン23が「ON状態」で電断が発生し、その後、ベットボタン23が「OFF状態」で当該電断から復帰した場合について説明する。
図8は、2回目のエッジ検出処理で入力前回状態および入力現在状態が「ON状態」であった後、電断が発生し、その後ベットボタン23が「OFF状態」で電断から復帰して、電断復帰時の更新処理が行われた場合について説明する図である。図8に示すように、電断から復帰する際のベットボタン23の操作状態(入力現在状態)は「OFF状態」となっている。このため、電断復帰時の更新処理が行われ、3回目の入力前回状態に「OFF状態」が設定される。これにより、3回目のエッジ検出処理において、入力前回状態および入力現在状態がともに「OFF状態」であるため、例えば、OFFエッジ(立ち下がりエッジ)の意図しない検出を防ぐことができる。なお、実際には、OFFエッジの検出を行わない構成であってもよい。
また、図6では、ステップST12において、入力現在状態が「ON状態」であるか「OFF状態」であるかを問わず入力前回状態を入力現在状態で書き換えるものとしたが、電断復帰時の更新処理の別の例として、入力現在状態が「ON状態」である場合にのみ、当該書き換えを行うようにしてもよい。図9に示すフローチャートを用いて当該別の例について説明する。
まず、情報制御部213は、入力現在状態をメインRAM203から取得する(ステップST21)。次に、情報制御部213は、メインRAM203の入力現在状態が「ON状態」であるか判定する(ステップST22)。
ステップST22において、情報制御部213は、メインRAM203の入力現在状態が「ON状態」であると判定した場合(ステップST22:YES)、情報制御部213は、メインRAM203の入力前回状態を、入力現在状態「ON状態」で書き換える(ステップST23)。すなわち、入力現在状態が示す情報を入力前回状態として設定する。ステップST23によって、「OFF状態」であった入力前回状態が「ON状態」に書き換えられることとなる。ステップST23の処理が終わると、電断復帰時の更新処理を終了する。
一方、ステップST22において、情報制御部213は、メインRAM203の入力現在状態が「ON状態」でないと判定した場合(ステップST22:NO)、電断復帰時の更新処理を終了する。
また、電断復帰時の更新処理において、入力現在状態が「ON状態」であるか「OFF状態」であるかに関わらず、入力前回状態を「ON状態」に設定することとしてもよい。このような構成でも、意図しないONエッジの検出を防ぐことができる。
以上のように、本実施の形態によれば、遊技の制御を行うメイン制御基板200と、遊技媒体をベットするためのベットボタン23とを備え、メイン制御基板200は、ベットボタン23が押下されている状態で電断から復帰した場合に、当該押下に基づく遊技媒体のベットを行わない。このため、ベットボタン23が押下されていない状態で電断し、その後、ベットボタン23が押下された状態で電源が投入された場合に、遊技者の意図しないメダルのベットが実行されるのを防ぐことができる。
また、メイン制御基板200は、一定間隔毎にベットボタン23の操作状態がOFF状態であるかON状態であるかを検出する定期処理を実行し、定期処理において、第1定期処理タイミングでOFF状態を検出し、第1定期処理タイミングの後の第2定期処理タイミングでON状態を検出した場合は、このOFF状態からON状態への変化に基づきONエッジを検出可能であり、ONエッジを検出した場合に遊技媒体のベットを行い、第1定期処理タイミングでOFF状態を検出した後、電断が発生し、ベットボタン23が押下されている状態で電断から復帰して、電断復帰後の第2定期処理タイミングでON状態を検出した場合には、ONエッジを検出しない。このため、処理負荷の大きな増大を招くことなく意図しないONエッジの検出を防ぐことができる。これにより、遊技者の意図しないメダルのベットが実行されるのを防ぐことができる。
また、メイン制御基板200は、ベットボタン23の操作状態を示す情報が所定の条件に該当する場合にONエッジを検出するエッジ検出処理を、一定間隔毎に行うエッジ検出部211と、エッジ検出処理でONエッジが検出された場合に、遊技媒体のベットを行うベット設定部212と、エッジ検出処理で用いられる情報を制御する情報制御部213とを備え、エッジ検出部211は、前回のエッジ検出処理のときのベットボタン23の操作状態に基づいて決定され、現在の前記エッジ検出処理で用いられる入力前回状態と、現在のベットボタン23の操作状態に基づいて決定される入力現在状態とを比較し、入力前回状態が、ベットボタン23が非押下状態であることを示すOFF状態であり、かつ入力現在状態が、ベットボタンが押下状態であることを示すON状態である場合にONエッジを検出し、情報制御部213は、ベットボタン23が押下されている状態で電断から復帰した場合に、当該復帰後のエッジ検出処理で用いられる入力前回状態をON状態に設定することを特徴とする。このため、処理負荷の大きな増大を招くことなく、意図しないONエッジの検出を防ぐことができる。
なお、図6で示した更新処理は、1遊技の終了時(または1遊技の開始時)にも行われる。このため、ベットボタン23の操作が有効化される前から、ベットボタン23が押下操作されていた場合でも、当該押下操作に基づくメダルのベットは行われない。換言すると、ベットボタン23の押下操作が、ベットボタン23の操作が無効化されている期間に開始され、ベットボタン23が押下操作され続けた状態でベットボタン23の操作が有効化された場合であっても、当該押下操作に基づくメダルのベットは行われない。例えば、ベットボタン23の操作が無効化される期間であるメダルの払い出し期間中にベットボタン23の押下操作を開始し、そのままの状態でベットボタン23の操作が有効化された場合であっても、当該押下操作に基づくメダルのベットは行われない。
また、図6で示した更新処理は、エラーからの復帰時に実行されるようにしてもよい。この場合、ベットボタン23の操作が無効化される期間であるエラー期間中にベットボタン23の押下操作を開始し、そのままの状態でベットボタン23の操作が有効化された場合であっても、当該押下操作に基づくメダルのベットは行われない。
10 スロットマシン(遊技機)
23 ベットボタン
200 主制御基板
211 エッジ検出部
212 ベット設定部
213 情報制御部

Claims (2)

  1. 遊技の制御を行うメイン制御基板と、
    遊技媒体をベットするためのベットボタンとを備え、
    前記メイン制御基板は、前記ベットボタンが押下されている状態で電断から復帰した場合に、当該押下に基づく前記遊技媒体のベットを行わないことを特徴とする遊技機。
  2. 前記メイン制御基板は、
    一定間隔毎に前記ベットボタンの操作状態がOFF状態であるかON状態であるかを検出する定期処理を実行し、前記定期処理において、第1定期処理タイミングで前記OFF状態を検出し、前記第1定期処理タイミングの後の第2定期処理タイミングで前記ON状態を検出した場合は、このOFF状態からON状態への変化に基づきONエッジを検出可能であり、前記ONエッジを検出した場合に前記遊技媒体のベットを行い、
    前記第1定期処理タイミングで前記OFF状態を検出した後、電断が発生し、前記ベットボタンが押下されている状態で電断から復帰して、電断復帰後の前記第2定期処理タイミングで前記ON状態を検出した場合には、前記ONエッジを検出しないことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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