JP2021013435A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】精算が行われている間または精算の完了が報知されている間の操作の有効または無効に起因する、遊技者が誤認をする虞および遊技者が不満を抱く虞が低減された遊技機を提供する。【解決手段】本発明の遊技機は、精算に用いられる精算操作部52と、演出に用いられる演出操作部62と、演出の設定を含む操作に用いられる演出設定操作部57と、演出の実行を制御する制御手段72と、を備え、制御手段72は、精算操作部52の操作に基づく遊技媒体の払い出し中は、演出設定操作部57の操作を無効とし、演出操作部52の操作を有効とすることを特徴とする。【選択図】図6

Description

本発明は遊技機に関する。
遊技機として、複数の図柄が配列された複数のリール、スタートレバー、およびストップボタン等を備えたスロットマシンが知られている。スロットマシンでは、遊技媒体(メダル)がベットされた後、スタートレバーが操作されたことを検出すると、複数のリールの回転が開始する。また、各リールに対応して設けられたストップボタンが操作されたことを検出すると、当該ストップボタンに対応するリールの回転が停止する。このとき、払い出しの対象となる有効ライン上に当選役に対応する図柄組み合わせが表示されると、所定枚数のメダルが払い出される等、遊技者に遊技上の利益が付与される。
スロットマシンには、クレジットされているメダルの払い出し(精算処理)を実行するための精算ボタンが設けられているものがあり、そのようなスロットマシンでは、精算ボタンの押下によってメダルが払い出される精算処理に関連した報知が成される場合がある。例えば、特許文献1では、メダルの精算が終了してから所定時間を経過するまで継続して精算音が出力される。また、特許文献2では、精算中に精算中である旨の音声が出力され、精算終了後に精算を終了した旨の音声が出力される。さらに、特許文献3では、クレジットが所定枚数未満のときに出力される精算音よりもクレジットが所定枚数以上のときに出力される精算音の方を大きくするなど、精算形態に応じて音を変更して、不正行為の発見等を容易にしている。また、特許文献4では、精算ボタンが操作されたときに光検知器および音声報知器が作動される。
特開2009−34352号公報 特開2015−107193号公報 特開2009−090039号公報 特開2007−130283号公報 特開2014−158572号公報
ところで、スロットマシンには、メニュー画面や音量変更画面への移行等を可能とする十字ボタン(十字キー)と、遊技者にとって勝負所等のタイミングで押下操作が可能となる演出ボタンとを備えたものがある。精算に関する報知が行われている間に十字ボタンの操作を有効とした場合、例えば精算に関する報知が行われている間に十字ボタンが操作された場合に、この十字ボタンの操作に基づき精算に関する報知が把握しにくくなり、遊技者が、精算処理が中断されたかのように誤認してしまう虞があった。
一方、精算に関する報知が行われている間に演出ボタンの操作を無効とした場合、精算に関する報知が行われている間は演出ボタンを押して演出を進めることができないため、遊技者が不満を抱く虞があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、精算が行われている間または精算の完了が報知されている間の操作の有効または無効に起因して生じる、遊技者が誤認をする虞および遊技者が不満を抱く虞が低減された遊技機を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の遊技機は、
精算に用いられる精算操作部と、演出に用いられる演出操作部と、演出の設定を含む操作に用いられる演出設定操作部と、演出の実行を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記精算操作部の操作に基づく遊技媒体の払い出し中は、前記演出設定操作部の操作を無効とし、前記演出操作部の操作を有効とすることを特徴とする。
本発明においては、精算操作部の操作に基づく遊技媒体の払い出し中は、演出設定操作部の操作が無効となっているため、前記払い出し中における演出設定操作部の操作に基づき遊技者が誤認する虞を低減できる。また、精算操作部の操作に基づく遊技媒体の払い出し中は、演出操作部の操作が有効となっているため、前記払い出し中に遊技者は演出操作部を操作して演出を進めることができ、遊技者が不満を抱く虞を低減できる。
また、本発明の遊技機は、
精算に用いられる精算操作部と、演出に用いられる演出操作部と、演出の設定を含む操作に用いられる演出設定操作部と、演出の実行を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記精算操作部の操作に基づく遊技媒体の払い出しの完了が報知されている間、前記演出設定操作部の操作を無効とし、前記演出操作部の操作を有効とすることを特徴とする。
本発明においては、精算操作部の操作に基づく遊技媒体の払い出しの完了が報知されている間は、演出設定操作部の操作が無効となっているため、前記払い出しの完了が報知されている間における演出設定操作部の操作に基づき遊技者が誤認する虞を低減できる。また、精算操作部の操作に基づく遊技媒体の払い出しの完了が報知されている間は、演出操作部の操作が有効となっているため、前記払い出しの完了が報知されている間に遊技者は演出操作部を操作して演出を進めることができ、遊技者が不満を抱く虞を低減できる。
また、本発明の遊技機は、
精算に用いられる精算操作部と、演出に用いられる演出操作部と、演出の設定を含む操作に用いられる演出設定操作部と、演出の実行を制御する制御手段、とを備え、
前記制御手段は、前記精算操作部の操作に基づく遊技媒体の払い出し中は、前記演出設定操作部の操作を無効とし、前記払い出しの完了が報知されている間は、前記演出操作部の操作を有効とすることを特徴とする。
本発明においては、精算操作部の操作に基づく遊技媒体の払い出し中は、演出設定操作部の操作が無効となっているため、前記払い出し中における演出設定操作部の操作に基づき遊技者が誤認する虞を低減できる。また、精算操作部の操作に基づく遊技媒体の払い出しの完了が報知されている間は、演出操作部の操作が有効となっているため、前記払い出しの完了が報知されている間に遊技者は演出操作部を操作して演出を進めることができ、遊技者が不満を抱く虞を低減できる。
また、本発明の遊技機は、
精算に用いられる精算操作部と、演出に用いられる演出操作部と、演出の設定を含む操作に用いられる演出設定操作部と、演出の実行を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記精算操作部の操作に基づく遊技媒体の払い出し中は、前記演出操作部の操作を有効とし、前記払い出しの完了が報知されている間は、前記演出設定操作部の操作を無効とすることを特徴とする。
本発明においては、精算操作部の操作に基づく遊技媒体の払い出し中は、演出操作部の操作が有効となっているため、前記払い出し中に遊技者は演出操作部を操作して演出を進めることができ、遊技者が不満を抱く虞を低減できる。また、精算操作部の操作に基づく遊技媒体の払い出しの完了が報知されている間は、演出設定操作部の操作が無効となっているため、前記払い出しの完了が報知されている間における演出設定操作部の操作に基づき遊技者が誤認する虞を低減できる。
本発明の遊技機によれば、精算が行われている間または精算の完了が報知されている間の操作の有効または無効に起因して生じる、遊技者が誤認をする虞および遊技者が不満を抱く虞を低減できる。
本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の一例を示す斜視図である。 同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。 同、遊技機の精算ボタンの操作に基づいて実行される精算処理に関するブロッカーの位置、メイン制御基板(主制御手段)の制御状態、および、サブ制御基板(副制御手段)の制御状態のタイミングチャートである。 同、遊技機の精算処理に係るメイン制御基板側での制御動作のフローチャートである。 同、遊技機の精算処理に係るサブ制御基板側での制御動作のフローチャートである。 同、遊技機の精算処理が行われている間およびその前後における処理を示すタイミングチャート(その1)である。 同、遊技機の精算処理が行われている間およびその前後における処理を示すタイミングチャート(その2)である。 同、遊技機のエラーの種類、エラーコード、および解除方法について示す図である。 同、遊技機の精算処理が行われている間およびその前後における処理を示すタイミングチャート(その3)である。 同、遊技機の精算処理が行われている間およびその前後における処理を示すタイミングチャート(その4)である。 同、遊技機の精算処理が行われている間およびその前後における処理を示すタイミングチャート(その5)である。 本発明の第2の実施の形態に係る遊技機の一例を示す斜視図である。 同、前面扉を開いた状態を示す外観斜視図である。 同、電気的構成を示すブロック図である。 同、エッジ検出処理について説明するための図である。 同、エッジ検出処理を示すフローチャートである。 同、電断復帰時の更新処理を示すフローチャートである。 同、電断が発生した場合における処理について説明するための図である。 同、電断が発生した場合における処理の別の例について説明するための図である。 同、電断復帰時の更新処理の別の例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の精算処理が行われている間およびその前後における処理を示すタイミングチャート(その6)である。
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施の形態について説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等のその他の遊技機に適用されてもよい。また、以下の説明において、基本的に、「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
まず、発明が適用されるスロットマシンMの概略構成について説明する。
図1はスロットマシンMを示す斜視図である。
このスロットマシンMは、筐体1を備えており、この筐体1は、底板、左右の側板、天板および背板を備え、当該筐体1の正面側に開口する正面開口部を有する箱形に形成されている。なお、底板の上面には、各部品に電力を供給するための電源装置を内蔵した電源ユニット、遊技媒体としてのメダルを貯留するとともにメダルを払い出す払い出し装置としてのホッパー装置150(図2参照)等が設けられている。
また、筐体1の正面には、筐体1の正面開口部を開閉可能に閉塞する前扉3が設けられており、この前扉3は、前記開口部の上部を開閉可能に閉塞する上扉30と、前記開口部の下部を開閉可能に閉塞する下扉40とを備えている。
筐体1内には、図示しない交換ユニットが着脱可能に設けられている。この交換ユニットは、略直方体状に組まれた金属枠である枠体と、枠体に支持されたリールユニットと、枠体に固定された基板ユニットとを備えている。
前記リールユニットは、枠体に設けられた3個のステッピングモータと、各々のステッピングモータの出力軸に固定された3個の回転リール100a,100b,100c(図2参照;図1には示されない)とを備えている。また、前記基板ユニットは、CPU、ROM、RAM、I/O等の電子部品を備えた基板を、基板ケースに収納したものである。そして、前記基板ユニットは、スロットマシンMの遊技を制御するための遊技制御装置として機能する。
図1に示すように、上扉30の下部には表示窓31が設けられている。この表示窓31は上側ほど後側に向かうように水平面に対して傾斜して設けられ、この表示窓31の奥には、3個の前記回転リールが横一列に設けられている。各回転リールの外周面には複数種類の図柄が配列されており、回転リールが停止すると表示窓31を通して1リール当たり3個の図柄が表示される。スロットマシンMでは、横3本と斜め2本とからなる計5本の入賞有効ラインが設定されている。
そして、3個の回転リールが停止したときに入賞有効ライン上に停止した図柄の組み合わせによって当選役が入賞したか否かが表示される。
また、上扉30の上部には、表示窓31よりも大きい表示窓32がほぼ鉛直に設けられている。この表示窓32は上扉30に設けられた画像表示装置の表示面を見るために設けられたものである。画像表示装置は液晶表示パネルを有し、画像表示装置では、その表示面に遊技機における演出用の画像が表示されるようになっている。また、表示窓32よりも上側に位置される上扉30の左右両側部位には、各種演出音(音楽、効果音、音声等)を出力するスピーカ14が設けられる。
また、上扉30の表示窓32の上側中央部には、ロゴシートの表示を遊技者に見せるようになっている横長のトップレンズ33が表示部として設けられている。
また、表示窓32と表示窓31との間には報知や演出などを行なうための横長の照明装置34,35,34が左右に隣接して設けられている。
また、表示窓31の左右両側には報知や演出などを行なうための演出用パネル61が設けられ、右側の演出用パネル61には演出ボタン62が設けられている。演出ボタン62は、遊技者によって押下操作されるものであり、押下されることで例えば表示窓32を通して見える画像表示装置に表示される演出画像の態様を変化させ、遊技者に対して遊技への参加意識を高めるとともに、興趣を高めるようにしたものである。例えば、演出ボタン62の操作に連動して画像表示装置に表示される演出画像を選択することができる。なお、演出ボタン62の配置は、これに限定されるものではなく、遊技者が押下操作可能な位置に設けられていればよい。
さらに、上扉30の左右両側にはそれぞれ報知や演出などを行なうための照明装置37が設けられている。
また、上扉30は、筐体1内に設けられた前記交換ユニットにヒンジを介して回動可能に連結されることで、筐体1の開口上部を開閉するようになっている。また、下扉40は筐体1にヒンジを介して回動可能に連結されることで、筐体1の開口下部を開閉するようになっている。
なお、このスロットマシンMは、分離型筐体タイプの構造を有するものであり、遊技店における機種の交換時に、上扉30が回動自在に取り付けられた交換ユニットを交換するようになっており、機種の交換時に筐体1、下扉40および筐体1内の電源ユニットやホッパー装置150(図2参照)等は、遊技店の島設備に取り付けられたままで、交換されないようになっている。また、スロットマシンMは、分離型筐体タイプに限られるものではなく、機種交換時にスロットマシン全体を交換するものであってもよい。この場合に、前扉3を上扉30と下扉40とに分けない一体の構造としてもよい。また、上扉30と下扉40とに分ける場合に、上扉30を、筐体1の側板にヒンジを介して回動自在に取り付けてもよい。
また、上扉30の下端部には、下扉40の前面より後方側で下扉40の上端より下側に突出する係合部が設けられ、下扉40が閉じた状態で、上扉30を開放することができない構造になっている。
また、下扉40の下部には、スロットマシンMの内部よりメダルを排出するためのメダル払い出し口と、メダル払い出し口から排出されたメダルを溜めておくためのメダル受け皿43とが形成されている。また、下扉40の上部にはスロットマシンMを操作するための操作部50が設けられており、この操作部50とメダル受け皿43との間には液晶表示パネル45が取り付けられている。また、この液晶表示パネル45の左右両側にはそれぞれ報知や演出などを行なうための照明装置33dが設けられている。
操作部50には、メダルを払い出す精算処理を指示するための精算操作部としての精算ボタン52が設けられる。この場合、精算ボタン52の操作に基づく精算処理では、ベットまたはクレジットのうちの少なくとも一方に設定されているメダルが払い出される。すなわち、本実施の形態における精算ボタン52の操作に基づく精算の対象は、クレジットに設定されているメダルのみならず、ベットに設定されているメダルも含む。ここで、ベットおよびクレジットの双方にメダルが設定されている場合の精算ボタン52の操作による精算パターンとしては、例えば、1回目の精算ボタン52の操作によってベットに設定されているメダルおよびクレジットに設定されているメダルの双方が一括して払い出される精算パターンや、1回目の精算ボタン52の操作によってベットに設定されているメダルのみが払い出され、ベットに設定されているメダルの清算後の2回目の精算ボタン52の操作によってクレジットに設定されているメダルが払い出される精算パターンなどを挙げることができる。
また、操作部50には、さらに、遊技を開始させるためのスタートレバー53、3個の回転リールそれぞれの回転を停止させるための3個のストップボタン54、メダルを投入するためのメダル投入口42、メダル投入口42の下方のメダル通路内で発生したメダル詰まりを解消するリジェクトボタン55、最大数の3枚のメダルをベットするときに操作されるMAXベットボタン56(ベットボタン:ベット操作部)等が設けられる他、遊技の演出等を選択するための操作盤57や、表示ユニット58も設けられている。操作盤57は操作部50の幅方向(左右方向)の略中央部に配置され、メダル投入口42およびリジェクトボタン55を挟んで、右側に表示ユニット58が配置されている。なお、操作盤57は、演出等の選択用の十字キー、決定ボタン、キャンセルボタン等を有している。
MAXベットボタン56は、上方を向くように配置されており、上方から下方に向かって押し込まれるように形成されている。MAXベットボタン56を動作させるために必要な力(以下、操作力という)は、約1.0Nとなっている。また、MAXベットボタン56は、押圧部と弾性部材とを備えている。押圧部は、遊技者の指等によって押し込み操作される部材であり、樹脂等で形成されている。また、押圧部は、弾性部材によって上方に付勢されている。弾性部材は、押圧部を付勢するとともに、押圧部が押し込み操作された場合には付勢力に抗して弾性変形するように形成されている部材であり、ばね等が用いられている。
また、ストップボタン54は、前方を向くように配置されており、前方から後方に向かって押し込まれるように形成されている。ストップボタン54の操作力は、約0.7Nとなっている。すなわち、ストップボタン54の操作力は、MAXベットボタン56の操作力よりも小さくなっている。
また、前述した演出ボタン62は、前方を向くように配置されており、前方から後方に向かって押し込まれるように形成されている。演出ボタン62の操作力は、MAXベットボタン56の操作力よりも大きいか、あるいは同等のものとなっている。演出ボタン62の操作力は、例えば、約3.0Nとなっている。
また、ストップボタン54および演出ボタン62は、MAXベットボタン56と同様に、押圧部と弾性部材とを備えており、ストップボタン54および演出ボタン62の押圧部は、弾性部材によって前方に付勢されている。
また、既述のとおり、MAXベットボタン56の操作力は約1.0Nとなっている。すなわち、押圧部を押し込んで弾性部材を弾性変形させ、MAXベットボタン56が備えるセンサからスイッチON信号(ボタンが押された旨の信号)が出力される位置まで押圧部を移動させるのに必要な荷重(センサ検知荷重)が約1.0Nとなっている。なお、本実施の形態の遊技機においては、センサには、フォトセンサが用いられているが、押圧部の押し込みを検知できるものであればその他のセンサを用いてもよい。フォトセンサは、例えば、押圧部の押し込みによって動く検出物体によって、発光素子から受光素子に向かう光が変化したことを検知すると、スイッチON信号を出力するようになっている。押圧部は、センサ検知荷重より大きな荷重が加えられると、弾性部材を弾性変形させながらさらに移動し、メカストッパーに当接して停止するようになっている。MAXベットボタン56の押圧部の初期位置からメカストッパーに当接するまでの移動距離(フルストローク)は、約2.0mmであり、ONストロークの約2倍となっている。また、MAXベットボタン56の押圧部を初期位置からメカストッパーに当接するまで移動させるために必要な荷重(最大荷重)は、約2.0Nであり、センサ検知荷重(操作力)の約2倍となっている。
ストップボタン54(操作力約0.7N)についても同様の構成となっている。また、ストップボタン54のONストロークは約1.0mmであり、フルストロークはその約2倍の約2.0mmとなっている。また、ストップボタン54のセンサ検知荷重(操作力)は約0.7Nであり、最大荷重はその約2倍の約1.4Nとなっている。
なお、以上の説明で操作力、荷重、ストロークに関して使用される「約」なる用語は、設計誤差や組み付け誤差に伴う±10%程度のばらつきを含む意味である。
ここで、本実施の形態の遊技機における基本的な遊技の流れを説明する。遊技者がMAXベットボタン56を押下すると、クレジットされたメダルが投入(ベット)され、遊技を開始することが可能な状態となる。そして、遊技者が遊技を開始する操作としてスタートレバー53を押下する操作を行なうと、回転リールが回転を始め、回転リールの回転速度が所定の速度まで上昇するとストップボタン54の押下操作が有効な状態となる。その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタン54を押下していくと、各回転リールが停止する。そして、すべての回転リールが停止すると、遊技の結果に応じて、メダルを払い出す処理や、メダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理等が行なわれ、1回の遊技が終了する。
また、演出ボタン62は、例えば、ボーナスに当たったことや、遊技者にとって有利な状態に移行することが決定したこと等の、遊技者にとって喜ばしいことを遊技者に報知する場合や、遊技者にとっての勝負所等の所定のタイミングで、演出の態様を変化させるための押下操作が有効な状態となる。そして、当該押下操作が有効な状態で、演出ボタン62が押下されると、画像表示装置に表示される演出画像の態様が変化したり、可動役物が動いたりして、演出の態様が変化する。
上記から明らかなように、ストップボタン54は、遊技毎に回転リールの数に応じた複数個押下する必要がある。このとき、ストップボタン54の操作力が、MAXベットボタン56および演出ボタン62の操作力よりも小さく設定されていることにより、遊技者は、ストップボタン54の操作に関して軽くて心地よい操作フィーリングを得ることができるとともに、テンポよくすべてのストップボタン54を押下することが可能となる。したがって、遊技者は快適に遊技を行なうことが可能となり、遊技性が向上する。また、このように使用頻度の高いストップボタン54の操作力が小さく設定されていることにより、遊技者の疲労の蓄積が軽減され、遊技性が向上する。
また、MAXベットボタン56は、遊技を開始するための操作に用いられることや、上から叩くようにして操作することが可能であることから、強い力で操作されることも多いが、ストップボタン54よりも操作力が大きく設定されていることにより、遊技者は適度に押しごたえのある操作フィーリングを得ることができ、遊技性が向上する。
また、演出ボタン62は、ストップボタン54やMAXベットボタン56よりも操作頻度が低い。また、演出ボタン62は、上記のように遊技者にとって喜ばしいことを遊技者に報知する場合や、遊技者にとっての勝負所等で、演出の態様を変化させるための押下操作が有効な状態となるので、気分が高揚した状態の遊技者によって強い力で操作される傾向がある。このような演出ボタン62の操作力が、ストップボタン54の操作力より大きく、かつMAXベットボタン56の操作力以上となるように設定されているので、遊技者は重くてずっしりとした操作フィーリングを得ることができ、遊技性が向上する。
図2に示すように、スロットマシンMの内部には、遊技に関するコマンドを決定して該コマンドを送信する主制御手段としてのメイン制御基板70と、メイン制御基板70から前記コマンドを受信してその受信したコマンドに対応する処理を実行する副制御手段としてのサブ制御基板72とが設けられている。メイン制御基板70は、MAXベットボタンを含むベットボタン56、スタートレバー53、ストップボタン54、メダル投入口42から投入されるメダルの通過を検知する通過検知センサ89、精算ボタン52等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行ない、演算結果に基づいてリールユニット(リール100a,100b,100c)、ホッパー装置150等の出力手段の制御を行なう。また、サブ制御基板72は、メイン制御基板70から送られてくる信号(コマンド)を受けて、演出を実行するための各種の演算を行ない、演算結果に基づいて、表示窓32に対応して上扉30に設けられた前述の液晶表示パネルやその他の液晶表示パネル45を含む画像表示装置の液晶ディスプレイDおよびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行なう。
また、メイン制御基板70とサブ制御基板72とは電気的に接続されており、メイン制御基板70からサブ制御基板72へは遊技状態を示す情報など各種情報(コマンド信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板72からメイン制御基板70へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板70やサブ制御基板72等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
メイン制御基板70は、後述するメダルセレクタ92(図2参照)の動作を制御するセレクタ制御手段93と、投入受付手段80と、乱数発生手段81と、当選役抽選を行なって役の当否を決定する当選役抽選手段82と、リールの回転を制御するリール制御手段83と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段84と、遊技状態制御手段85と、各種情報(コマンド信号)を送信するための情報送信手段86と、記憶手段90と、払出制御手段91と、精算制御手段95とを備える。
また、サブ制御基板72は、各種の演出を制御する演出制御手段73と、当選役判定処理を行なう当選役判定手段74と、当選した役が正しくない(エラー)と当選役判定手段74が判定した場合にサブ制御基板72をリセットして初期化する初期化手段75と、演出に関するデータを記憶するサブ側記憶手段76とを備える。
メイン制御基板70の投入受付手段80は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定枚数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー53に対する遊技開始操作を有効化する処理を行なう。具体的には、メダル投入口42にメダルが投入されると、通過検知センサ89がメダルの通過を検知することに伴って、投入受付手段80が、3枚を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段80は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン56が押下されると、3枚を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態の遊技機では、3枚のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー53に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール100a〜100cの回転が開始されるとともに、当選役抽選等の抽選が行われる。
また、メイン制御基板70の投入受付手段80は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口42にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限枚数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン56に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン56が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
メイン制御基板70の乱数発生手段81は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
メイン制御基板70の当選役抽選手段82は、有効化されたスタートレバー53が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて当選役抽選テーブルを用いた当選役抽選を行なう。当選役抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0〜65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段90のROMに設けられた当選役抽選テーブル記憶領域に複数格納されている。当選役抽選では、乱数発生手段81から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を当選役抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。
メイン制御基板70のリール制御手段83は、メイン制御基板70による制御のもと有効化されたスタートレバー53が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール100a,100b,100cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン54が操作されると、操作されたストップボタン54に対応するリールの停止制御を行なう。
すなわち、リール制御手段83は、ストップボタン54の各ボタンが操作される毎に、第一リール100a〜第三リール100cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行なう。したがって、3つあるストップボタン54の操作順序(打順)によって、第一リール100a〜第三リール100cの停止順序が変化する。
メイン制御基板70の入賞判定手段84は、リール100a〜100cの回転が停止されると作動され、リール100a〜100cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール100a〜100cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段90のROMに記憶されている入賞判定テーブル(図示せず)に照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。メイン制御基板70は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。
メイン制御基板70の遊技状態制御手段85は、複数の状態間、例えば、通常状態、CBB成立状態(第1ボーナス成立状態)、CBB状態(第1ボーナス状態)、RBB成立状態(第2ボーナス成立状態)、RBB状態(第2ボーナス状態)、RB1成立状態(特定ボーナス成立状態)、およびRB1状態(特定ボーナス状態)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行なう。
メイン制御基板70の情報送信手段86は、当選した役を通知する信号、当該役が当選した当選役抽選時の遊技状態を通知する信号、現在の遊技状態を通知する信号などの他、後述するメダル精算に関連するコマンド信号もサブ制御基板72に送信する。
また、メイン制御基板70の払出制御手段91は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払い出し制御処理を行なう。具体的には、例えば小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払い出し数を決定し、決定された払い出し数に相当するメダルをホッパー装置150に払い出させる制御を行なう。
また、メイン制御基板70のセレクタ制御手段93は、前述したように、後述するメダルセレクタ92の動作を制御するようになっている。具体的には、セレクタ制御手段93は、メダルセレクタ92を構成する前述した通過検知センサ89を含む各種のセンサから信号を受け、メダルセレクタ92を構成するブロッカー99の動作を制御する。なお、セレクタ制御手段93を別個に設けることなく、セレクタ制御手段93が投入受付手段80等によって兼ねられてもよい。
また、メイン制御基板70の精算制御手段95は、精算ボタン52の操作に基づいて、貯留されているメダル、すなわち、クレジットおよび/またはベットに設定されているメダルをホッパー装置150を通じて払い出す精算処理の実行を制御する。なお、精算制御手段95は、精算ボタン52の操作に基づく精算処理の実行を制御するだけでなく、後述するように、精算処理の完了後に通過検知センサ89による検知を伴うメダルの受け付けを所定期間にわたって許容しないようにブロッカー99の動作を制御してもよい。そのような制御形態の場合には、ブロッカー99を備えるメダルセレクタ92の動作を制御する前述のセレクタ制御手段93が精算制御手段95によって兼ねられてもよい。
一方、サブ制御基板72の演出制御手段73は、サブ側記憶手段76のROMに設けられた演出データ記憶領域に記憶されている演出データに基づいて、サブ側記憶手段76のRAMと協働して、液晶ディスプレイD、スピーカ14、および、照明装置33d,34,35,37等の演出用の装置を制御し、演出を行なう。具体的には、メダルの投入やベットボタン56、精算ボタン52、スタートレバー53、ストップボタン54に対する操作、遊技状態の変動等に応じて、液晶ディスプレイDの表示内容を変化させたり、スピーカ14から音を出力させたりすることにより、遊技の進行状況に応じて、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行なう。特に、本実施の形態において、演出制御手段73は、後述するように、精算ボタン52の操作に基づいて、具体的には後述する精算実行中状態および精算終了中状態において、それらの状態を報知する演出音、演出光、および、演出画像を出力するべく、液晶ディスプレイD(45)、スピーカ14、および、照明装置33d,34,35,37等の演出用の装置を制御するようになっている。
また、本実施の形態のスロットマシンMには、メダル通路からメダルを排除可能なブロッカー99によってメダル投入口42を通じて投入されるメダルをメダル払い出し口側または通過検知センサ89側へと選択的に導くメダルセレクタ92(図2参照)が設けられており、メダル投入が可能な投入許容期間以外の期間に投入されたメダルや規格外のメダルは、メダル受け付け不許可状態をもたらす不許可位置にある作動状態のブロッカー99によりメダル払い出し口へと導かれるとともに、投入許容期間内に投入された規格内のメダルは、メダル受け付け許可状態をもたらす許可位置にある作動解除状態のブロッカー99により通過検知センサ89へと導かれてメダル投入が検出されるようになっている。
具体的に、メダルセレクタ92は、メダル投入口42から続くメダル通路に、メダル投入口42の近傍に位置される投入検知センサ130(第1のセンサ:図2参照)と、ブロッカー99の下流側に位置される通過検知センサ89(第2のセンサ:図2参照)とを有する。
この場合、投入検知センサ130は、ブロッカー99よりも下流側にある通過検知センサ89とは異なり、ブロッカー99よりも上流側にあるセンサであり、メダル投入口42を通じたメダルの投入を検知してその検知信号をメイン制御基板70へ送る。メイン制御基板70は、投入検知センサ130のON状態が一定時間(例えば0.6秒)以上経過すると、例えば異物が不正にメダル投入口42からメダル通路に挿入されたことなどに起因する異常であると判定するようになっている。
また、通過検知センサ89は、ブロッカー99によってメダル通路から排除されることなく流下する投入許容期間内に投入された規格内のメダルの通過を検知して、その検知信号をメイン制御基板70へ送る。通過検知センサ89は、例えば、メダル通路を挟んで対向する発光部と受光部とにより構成されるフォトインタラプタタイプの赤外線センサから成り、発光部から照射されて受光部に入射する赤外光がメダル通路を流下してきたメダルによって遮られることによりメダルの通過を検知する。通過検知センサ89によってメダルの通過が検知されると、そのメダルによって遊技が可能となる。すなわち、そのメダルのベットまたはクレジットが加算可能となる。
また、通過検知センサ89の上流側に位置してメダルセレクタ92を構成するブロッカー99は、例えばソレノイドに連動して作動してもよい。その場合、例えば、ソレノイドが非励磁状態のときにブロッカー99がコイルバネの付勢力を受けて作動状態となり、ブロッカー99によってメダル通路からメダルを排除できる。一方、ソレノイドが励磁状態のときには、コイルバネの付勢力に抗してブロッカーが移動されて作動解除状態となり、メダルが通過検知センサ89側へと導かれてメダル投入が検出される。なお、このようなメダルセレクタ92の動作は、前述したようにメイン制御基板70のセレクタ制御手段93によって制御される。
なお、ブロッカー99の位置が不許可位置に移動するように制御されている状態にも拘わらず、不正行為等によりブロッカー99の位置を許可位置に移動させてメダルを通過検知センサ89に検知させた場合には、そのメダルの受け付けが許容されず、ベットまたはクレジットが加算されることなくエラー処理が実行される。ただし、必ずしもこのような構成にする必要は無い。すなわち、通過検知センサ89による検知を伴うメダルの受付を許容しないメダル受け付け不許可状態は、例えばブロッカー99の位置を不許可位置にすることによって実現可能であるが、このようなメダル受け付け不許可状態において誤動作あるいは不正等によって、通過検知センサ89をメダルが通過してしまう場合に、通過検知センサ89がメダルを検知しメダルがベットまたはクレジットされる構成としてもよく、通過検知センサ89がメダルを検知しエラー処理が実行される構成としてもよく、通過検知センサ89がメダルを検知しない(反応しない)構成としてもよい。
そして、さらに、本実施の形態のスロットマシンMでは、精算ボタン52の押下操作に基づく精算処理の完了後に、精算が終了した旨の音声等の精算終了演出音、すなわち、精算処理完了を報知する演出音が出力されるとともに、通過検知センサ89による検知を伴うメダルの受け付けを所定期間にわたって許容しない精算終了中状態を伴うようになっている。以下、これについて詳しく説明する。
なお、ここで、「通過検知センサ89による検知」とは、適正なメダルの通過検知および異常なメダルの通過検知の双方を含む。また、「通過検知センサ89による検知を伴うメダル(遊技媒体)の受け付け」とは、通過検知センサ89により適正にメダルの通過を検知してベットまたはクレジットがされることを指す。さらに、「通過検知センサ89による検知を伴うメダル(遊技媒体)の受け付けを所定期間にわたって許容しない精算終了中状態」とは、通過検知センサ89によるメダルの通過検知自体がブロッカー99によって阻止されるというハード的な意味と、通過検知センサ89によって異常なメダルの通過検知がなされた場合であってもベットまたはクレジットがされないというソフト的な意味とを含む概念である。
図3には、精算ボタン52の操作に基づいて実行される精算処理に関するブロッカー99の位置、メイン制御基板70の制御状態、および、サブ制御基板72の制御状態のタイミングチャートが示されている。また、図4には、精算処理に係るメイン制御基板70側での制御動作のフローチャートが示され、図5には、精算処理に係るサブ制御基板72側での制御動作のフローチャートが示されている。
図3に示されるように、所定の遊技の終了時には、スロットマシンMは、通常、ブロッカー99が許可位置に設定されたメダル受け付け許可状態Aにある。このとき、メイン制御基板70が精算ボタン52の押下操作に基づく精算処理を伴わない非精算中状態C1にあるとして(図4のステップS1)、以下、話を進める。
この非精算中状態C1はメイン制御基板70の制御によってもたらされる。この非精算中状態C1では、前述したようにメダルセレクタ92のブロッカー99が許可位置にあるため、メダル投入口42を通じて投入されたメダルは、通過検知センサ89へと導かれて検出され、ベットまたはクレジットされる。また、このメダル受け付け許可状態Aにおいて、サブ制御基板72は、非精算中演出状態C1’をもたらす制御を行ない(図5のステップS10)、それにより、液晶ディスプレイDおよびスピーカ14を通じて通常演出や通常演出から移行するデモ演出が実行される。
また、このようなメダル受け付け許可状態Aで、精算ボタン52が押下操作されると、スロットマシンMがメダル受け付け不許可状態Bとなる(図3参照)。具体的には、特定期間(例えば1秒)を超える精算ボタン52の押下操作に基づいて、メイン制御基板70の制御により、特に本実施の形態ではセレクタ制御手段93を兼ねてもよい精算制御手段95による制御によって、前述したメダルセレクタ92のブロッカー99が不許可位置に移動する。したがって、メダル投入口42を通じてメダルが投入されても、そのメダルは、不許可位置にある作動状態のブロッカー99によりメダル払い出し口へと導かれてメダル受け皿43へと排出される。なお、このように特定期間(例えば1秒)を超える精算ボタン52の押下操作に伴って精算処理が開始される場合、ブロッカー99が不許可位置に移動するタイミングは、精算ボタン52の押下操作と同時であってもよい。このように、精算処理が開始される前に予めブロッカー99を不許可位置に移動させておくと、精算処理とベットまたはクレジットの加算処理とが同時期に実行されてしまうという処理負担を発生させないようにすることができる。
また、メイン制御基板70(精算制御手段95)は、このように精算ボタン52が押下操作される(図4のステップS2においてYESの場合)と、情報送信手段86を介して精算開始コマンドをサブ制御基板72へ送信する(図4のステップS3)とともに、ホッパー装置150を作動させて、貯留されているメダル、すなわち、クレジットおよび/またはベットに設定されているメダルがメダル払い出し口からメダル受け皿43へ排出される精算実行中状態C2をもたらす制御を行なう(図4のステップS4)。
なお、この精算を開始させるための特定期間を超える精算ボタン52の押下操作に関し、メイン制御基板70は、精算ボタン52が押下操作されている当該特定期間中にベットボタン56が押下操作されても、クレジットされたメダルを投入状態に設定する処理(ベット処理)を行わないこととしてもよい。すなわち、特定期間中は、ベットボタン56の押下操作に基づくメダルのベットが行われないようにしてもよい。このような構成によれば、ベットと精算という相反する処理の両立を防止することができる。なお、このように構成する場合、特定期間中に押下されたベットボタン56が、精算ボタン52の押下操作が解除されるまで、または精算処理が終了するまで、押下され続けたとしても、メダルのベットが行われないようにしてもよい。また、ベットボタン56が押下されている状態において、精算ボタン52が押下され、特定期間を超える精算ボタン52の押下操作がされたとしても、精算処理が行われないようにしてもよい。
また、この精算を開始させるための特定期間を超える精算ボタン52の押下操作に関し、メイン制御基板70は、精算ボタン52が押下操作されている当該特定期間中にベットボタン56が押下操作された場合に、クレジットされたメダルを投入状態に設定する処理(ベット処理)を行うこととしてもよい。このような構成によれば、相反する処理を両立させることができる。
一方、サブ制御基板72は、メイン制御基板70から精算開始コマンドを受ける(図5のステップS11においてYESの場合)と、液晶ディスプレイD(45)を通じて精算実行中である旨を報知する演出画像を表示し、スピーカ14を通じてブザー音を鳴らすなどして精算実行中である旨を報知する第1の演出音(精算実行中演出音)を出力するとともに、照明装置33d、34,35,37のうちの少なくとも1つを通じて精算実行中である旨を報知する演出光を出力する精算実行中演出状態C2’をもたらす制御を行なう(図5のステップS12)。なお、図3には、精算実行中状態C2の期間および精算実行中演出状態C2’の期間が共にP1で示されている。
そして、ホッパー装置150の動作に伴ってメダルをメダル受け皿43へ排出させる精算処理が完全に終了する(図4のステップS5においてYESの場合)と、メイン制御基板70(精算制御手段95)は、情報送信手段86を介して精算終了コマンドをサブ制御基板72へ送信する(図4のステップS6)とともに、通過検知センサ89による検知を伴うメダルの受け付けを所定期間にわたって許容しない精算終了中状態C3をもたらす制御を行なう(図4のステップS7)。すなわち、メイン制御基板70の精算制御手段95は、メダルセレクタ92のブロッカー99を依然として不許可位置のまま維持し、そのため、スロットマシンMはメダル受け付け不許可状態Bに保たれる。したがって、メダル投入口42を通じてメダルが投入されても、そのメダルは、不許可位置にあるブロッカー99によりメダル払い出し口へと導かれてメダル受け皿43へと排出される。このことは、無論、前述した精算実行中状態C2においても当てはまる。すなわち、精算実行中状態C2においても、通過検知センサ89による検知を伴うメダルの受け付けが許容されない。
一方、サブ制御基板72は、メイン制御基板70から精算終了コマンドを受ける(図5のステップS13においてYESの場合)と、液晶ディスプレイDを通じた精算実行中である旨を報知する前述した演出画像の表示と照明装置33d、34,35,37のうちの少なくとも1つを通じた精算実行中である旨を報知する前述した演出光の出力とを維持しつつ、例えば約2秒程度にわたって前述した第1の演出音とは異なる精算処理完了を報知する第2の演出音(精算終了演出音)、具体的には本実施の形態では、精算処理完了を報知する音声(例えば「精算終了しました」などという音声)をスピーカ14を通じて出力する精算終了中演出状態C3’をもたらす制御を行なう(図5のステップS14)。
なお、第2の演出音は、精算処理の時間(メダルの払い出しにかかった時間)に関わらず、報知の時間(音の出力期間)が一定となっている。一方、第1の演出音は、精算処理の時間(メダルの払い出しにかかる時間)に応じて、報知の時間(音の出力期間)が異なるようになっている。
ここで、本実施の形態では、精算終了中状態C3の期間P2(図3参照)内に第2の演出音の出力が終了するようになっている。すなわち、精算終了中演出状態C3’は、精算終了中状態C3の期間P2と同じ期間P2にわたる一方で、第2の演出音を出力している期間P3と、第2の演出音を出力していない無音の期間P4とを有する。言い換えると、精算終了中状態C3の期間P2が第2の演出音を出力している精算終了中演出状態C3’の期間P3よりも長く設定されている。そして、本実施の形態では、さらに、第2の演出音の出力の終了(精算終了中演出状態C3’の期間P3の終了)時から精算終了中状態C3の期間P2の終了時までの時間(期間)P4、すなわち、第2の演出音を出力していない無音の期間P4は、メダルがメダル投入口42から投入されて通過検知センサ89によって検知されるまでの時間、すなわち、第2の演出音の出力中にメダル投入口42から投入されたメダルがメダル投入口42から通過検知センサ89へと至るメダル通路に残っている可能性がある期間よりも長く設定されている。本実施の形態の場合、メダルがメダル投入口42から投入されて通過検知センサ89によって検知されるまでの時間が約0.1秒〜0.65秒、例えば約0.3秒に設定され、あるいは、変形例では、メダルが投入検知センサ130により検知されてから通過検知センサ89によって検知されるまでの時間が約0.1秒〜0.65秒、例えば約0.3秒に設定されるため、期間P4は例えば約0.7秒に設定される。
具体的には、制御動作の流れとして、メイン制御基板70の精算制御手段95は、図4に示されるように、精算終了中状態C3になった後、所定時間が経過したか否かを判断する(図4のステップS8)。無論、この場合の「所定時間」(精算終了中状態C3の期間P2)は、前述したように、精算終了中演出状態C3’の期間P3よりも長い期間であり、本実施の形態では、精算終了中演出状態C3’の期間P3よりもさらに、メダルがメダル投入口42から投入されて通過検知センサ89によって検知されるまでの時間を超える時間、例えば約2.7秒にわたる。そして、メイン制御基板70の精算制御手段95は、精算終了中状態C3になった後、所定時間が経過する(図4のステップS8においてYESの場合)と、情報送信手段86を介して精算終了中状態終了コマンドをサブ制御基板72へ送信して(図4のステップS9)、前述した非精算中状態C1に戻るように制御を行なう(図4のステップS1)。したがって、スロットマシンMはメダル受け付け許可状態Aとなる。
一方、サブ制御基板72は、第2の演出音を出力する精算終了中演出状態C3’の期間P3に入った後、図5に示されるように、所定時間が経過したか否かを判断する(図5のステップS15)。無論、この場合の「所定時間」(精算終了中演出状態C3’の期間P3)は、前述したように、精算終了中状態C3の期間P2よりも短い期間である。そして、サブ制御基板72は、精算終了中演出状態C3’の期間P3に入った後、所定時間が経過する(図5のステップS15においてYESの場合)と、第2の演出音の出力を終了し(図5のステップS16)、前述した非精算中演出状態C1’に戻るように制御を行なう(図5のステップS10)。
ここで、精算終了中状態C3の終了時にメイン制御基板70からサブ制御基板72へ送信される精算終了中状態終了コマンドは、サブ制御基板72側での動作のための何らかのトリガ信号として作用してもよい。例えば、サブ制御基板72は、第2の演出音の出力終了後、メイン制御基板70から精算終了中状態終了コマンドを受けるまでの間、すなわち、期間P4の間、液晶ディスプレイDや照明装置等を通じてメダル受け付け不許可状態Bを報知する何らかの演出を実行し、その後、精算終了中状態終了コマンドを受信した時点で、非精算中演出状態に対応する演出(例えばデモ演出)を実行してもよい。無論、精算終了中状態C3の終了時にメイン制御基板70からサブ制御基板72へ精算終了中状態終了コマンドが送信されなくてもよい。また、この実施の形態では、ステップS15における所定時間の経過がサブ制御基板72自体により管理されているが、ステップS15における所定時間の経過は、メイン制御基板70によって管理されてもよく、例えばメイン制御基板70からのコマンド信号によってステップS16における第2の演出音の出力の終了がなされてもよい。
なお、以上のような制御動中、特に第2の演出音の出力中に、停電、瞬断を含めて電断(電源遮断)/電断復帰が生じた場合、メイン制御基板70側で、精算終了中状態C3の途中から復帰する動きになると、すなわち、電断時の精算終了中状態経過時間から残存時間の計測を再開すると、電断前に経過した時間分だけ復帰後の精算終了中状態C3の期間が短くなる。そのため、その状態で、サブ制御基板72側が第2の演出音を再び出力してしまうと、精算終了中演出状態C3’の期間P3が復帰後の精算終了中状態C3の期間よりも長くなってしまう虞がある。したがって、本実施の形態では、電断復帰後、サブ制御基板72が第2の演出音を出力させないようにする一方で、演出光および演出画像は初期状態で復帰するようにすることが好ましい。これは、第2の演出音の途中から再開されてしまうと、遊技者に適切な情報の報知ができないからである。
あるいは、そのような電断対策の他の例として、精算実行中状態C2の途中で電断/電断復帰(停電、瞬断を含む)した場合、メダルの精算処理は、電断前に既に精算されたメダルを除く残りのメダルの精算から再開されるとともに、精算実行中演出状態C2’における演出は、第1の演出音(効果音やブザー音)の出力から再開され、精算実行中である旨を報知する演出光(例えば赤点灯)の点灯も再開されるが、演出画像は初期状態であるデモ演出で復帰するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態においては、精算実行中状態C2の後、すなわち、精算ボタン52の操作に基づく精算処理の完了後、その精算処理完了を報知する第2の演出音が出力される状況で、通過検知センサ89による検知を伴うメダルの受け付けを許容しない精算終了中状態C3となるため、一般にメダル受け付け不許可状態であると遊技者に認識され易い第2の演出音の出力中に、スロットマシンM側でメダル受け付け不許可状態Bにすることが可能となり、したがって、メダルの投入受け付けの可否に関して遊技者の認識とスロットマシンMの実際の状態との間にずれを生じさせないようにすることができる。すなわち、遊技者がメダル受け付け不許可状態であると認識しているような状況でメダルをスロットマシンM側で受け付けないようにすることができ、したがって、前述したような誤認に伴う不測の不利益を遊技者に与えないで済む。
また、本実施の形態では、精算終了中状態C3の期間P2内に(すなわち、期間P3の終了時に)サブ制御基板72の制御によって第2の演出音の出力が終了するため、第2の演出音の出力中にメダル受け付け許可状態になることを確実に防止することができ、前述した作用効果を確実ならしめることができる。
さらに、本実施の形態において、第2の演出音の出力の終了(精算終了中演出状態C3’の期間P3の終了)時から精算終了中状態C3の期間P2の終了時までの時間P4は、メダルがメダル投入口42から投入されて通過検知センサ89によって検知されるまでの時間よりも長く設定されている。サブ制御基板72による第2の演出音の出力の終了(精算終了中演出状態C3’の期間P3の終了)時から精算終了中状態C3の期間P2の終了時までの時間が、メダル投入口42から投入されるメダルを通過検知センサ89によって検知するまでの時間よりも短い場合には、第2の演出音の出力中に投入されたメダルが通過検知センサ89を通過するまでに精算終了中状態C3の期間が終了してそのメダルが通過検知センサ89によって検知される場合もあり得るため、結果として、第2の演出音の出力中のメダルの投入受け付けを可能にしてしまうが、本実施の形態のようにサブ制御基板72による第2の演出音の出力の終了時から精算終了中状態C3の期間P2の終了時までの時間P4を、メダルがメダル投入口42から投入されて通過検知センサ89によって検知されるまでの時間よりも長く設定すれば、第2の演出音の出力中に投入されたメダルを受け付けることなく完全に無効にすることができ、メダルの投入受け付けの可否に関して遊技者の認識とスロットマシンMの実際の状態との間で生じ得るずれを確実に回避できる。さらに、変形例としては、前述のように、第2の演出音の出力の終了時から精算終了中状態C3の期間P2の終了時までの時間P4を、メダルが投入検知センサ130により検知されてから通過検知センサ89によって検知されるまでの時間よりも長く設定することが考えられる。このような変形例によっても、メダルの投入受け付けの可否に関して遊技者の認識とスロットマシンMの実際の状態との間で生じ得るずれを回避できる。また、このような変形例によれば、時間P4の長さを、投入検知センサ130から通過検知センサ89までのメダルの通過時間に基づいて規定できるので、メダル投入口42の形状等に関らず、投入検知センサ130と通過検知センサ89との間隔に基づいて画一的に時間P4の長さを決定することができ、設計が容易となる。
なお、精算終了中状態C3であって、第2の演出音の出力が終了した後においても(すなわち、期間P4においても)、サブ制御基板72は、液晶ディスプレイDを通じた演出画像の表示または/および照明装置33d,34,35,37のうちの少なくとも1つを通じた演出光の出力により、精算終了中状態C3であることを報知することとしてもよい。すなわち、例えば精算終了中状態C3(精算終了中演出状態C3’)であって、第2の演出音の出力中(期間P3)において、照明装置33d,34,35,37を赤く光らせることにより精算終了中状態C3であることを報知とともに、精算終了中状態C3(精算終了中演出状態C3’)であって、第2の演出音の出力が終了した後(期間P4)においても、照明装置33d,34,35,37を赤く光らせることにより精算終了中状態C3であることを報知することとしてもよい。これにより、精算が完了し、その旨を報知する第2の演出音の出力も終了したが、未だ精算終了中状態C3であり、メダル受け付け不許可状態(通過検知センサ89によるメダルの検知がされない状態)であることを遊技者が認識可能となる。換言すると、サブ制御基板72は、精算終了中状態C3において、演出音の報知中と、前記演出音の報知の終了時から前記精算終了中状態の終了時までの間とで、同様の演出光が発せられるようにする制御を行うようにしてもよい。また、このような液晶ディスプレイDあるいは照明装置33d,34,35,37を通じた精算終了中状態であることの報知は、精算終了中状態C3(精算終了中演出状態C3’)の終了(すなわち、期間P4の終了)とほぼ同時に終了するようにしてもよい。
なお、このような精算終了中状態C3であることを報知する演出光または演出画像は、精算実行中状態C2であることを報知する演出光または演出画像(実際にメダルを払い出している時の演出光または演出画像)と同様であってもよく、異なっていてもよい。例えば、前者の演出光を照明装置33d,34,35,37の赤色点灯とした場合に、後者の演出光を照明装置33d,34,35,37の赤色点灯(同系統色の点灯)としてもよく、白色点灯(異系統色の点灯)としてもよい。すなわち、精算終了中状態C3であることを報知する演出光または演出画像とは、精算に係る後処理を実行中であり、まだメダル受け付け不許可状態であること遊技者が認識可能なものであればよい。
一般に、精算処理に関連する音声等の演出音を出力する場合、とりわけ、遊技者にとってメダル投入を意識し易い精算処理終了時に精算を終了した旨の精算終了演出音を出力する場合には、メダル投入受け付けの可否に関して遊技者の認識とスロットマシン側の実際のメダル投入受け付け状態との間にずれを生じさせる場合がある。スロットマシンには、メダル通路からメダルを排除可能なブロッカーによってメダル投入口を通じて投入されるメダルを、メダル払い出し口側または通過検知センサ側へと選択的に導くメダルセレクタが設けられており、メダル投入が可能な投入許容期間以外の期間に投入されたメダルや規格外のメダルは、作動状態のブロッカーによりメダル払い出し口へと導かれる(メダル(遊技媒体)受け付け不許可状態とも称する)とともに、投入許容期間内に投入された規格内のメダルは、作動解除状態のブロッカーにより通過検知センサへと導かれてメダル投入が検出される(メダル(遊技媒体)受け付け許可状態とも称する)ようになっているが、精算処理終了後に精算終了演出音を出力すると、一般にこの精算終了演出音出力中は(精算終了演出音が止むまで)メダル受け付け不許可状態であると遊技者に認識され易く、したがって、この精算終了演出音出力中にスロットマシンM側でメダル受け付け許可状態になっている場合には、メダル受け付け許可状態になっていると認識できない遊技者と実際にメダル受け付け許可状態となっているスロットマシンMとの間でメダル投入受け付けの可否に関して一致しない時間帯が発生し得る。
このように遊技者がメダル受け付け不許可状態であると認識しているような状況で遊技機がメダルを受け付けると、遊技者に不測の不利益を生じさせる虞がある。例えば、精算終了演出音が出力されている最中に遊技者がメダルを投入してしまったような場合、遊技機側ではその投入されたメダルが受け付けられてベットされているにもかかわらず、精算終了演出音出力中はメダル受け付け不許可状態であると認識している遊技者は、その投入したメダルがブロッカーによってメダル払い出し口側から下皿へと返却されているものだと誤認してしまい、精算ボタンの操作によって投入したメダルを払い出すことなく遊技を終了してしまう場合がある。そのような事態は遊技者の利益を損ない、望ましくない。
本実施の形態に係るスロットマシンMにあっては、遊技媒体の投入受け付けの可否に関して遊技者の認識と実際の遊技機状態との間にずれを生じさせない。すなわち、精算操作部(精算ボタン52)の操作に基づく精算処理の完了後、その精算処理完了を報知する演出音が出力される状況で、通過検知センサ89による検知を伴う遊技媒体の受け付けを許容しない精算終了中状態となるため、一般に遊技媒体受け付け不許可状態であると遊技者に認識され易い前記演出音の出力中に、遊技機側で遊技媒体受け付け不許可状態にすることが可能となり、したがって、遊技媒体の投入受け付けの可否に関して遊技者の認識と実際の遊技機状態との間にずれを生じさせないようにすることができる。すなわち、遊技者が遊技媒体受け付け不許可状態であると認識しているような状況で遊技媒体を遊技機側で受け付けないようにすることができ、したがって、前述したような誤認に伴う不測の不利益を遊技者に与えないで済む。なお、上記構成において、「貯留されている遊技媒体」とは、遊技に関連して少なくとも電子的に遊技機に貯められている遊技媒体を指す。
また、副制御手段(サブ制御基板72)による演出音の出力は、精算終了中状態の期間内に終了することが好ましい。これによれば、演出音出力中に遊技媒体受け付け許可状態になることを確実に防止することができる。ここで、「精算終了中状態の期間内に副制御手段による演出音の出力が終了する」とは、精算終了中状態の期間の終了と同時に副制御手段による演出音の出力が終了することも含む。
また、前記演出音の出力の終了時から精算終了中状態の終了時までの時間は、遊技媒体が第1のセンサ(投入検知センサ130)によって検知されてから第2のセンサ(通過検知センサ89)によって検知されるまでの時間よりも長くされていることが好ましい。副制御手段(サブ制御基板72)による演出音の出力の終了時から精算終了中状態の終了時までの時間が、遊技媒体が第1のセンサ(投入検知センサ130)によって検知されてから第2のセンサ(通過検知センサ89)によって検知されるまでの時間よりも短い場合には、演出音出力中に投入された遊技媒体が第1のセンサを通過した後、第2のセンサによって検知されるまでの間に精算終了中状態の期間が終了してその遊技媒体が第2のセンサによって検知される場合もあり得るため、結果として、演出音出力中の遊技媒体の投入受け付けを可能にしてしまうが、副制御手段(サブ制御基板72)による演出音の出力の終了時から精算終了中状態の終了時までの時間を、遊技媒体が第1のセンサによって検知されてから第2のセンサによって検知されるまでの時間よりも長く設定すれば、演出音出力中に投入された遊技媒体を受け付けることなく無効にすることができ、遊技媒体の投入受け付けの可否に関して遊技者の認識と実際の遊技機状態との間で生じ得るずれを回避できる。
図1で示したように、スロットマシンMにおける演出用パネル61には、演出に用いられる演出操作部(演出に関する操作に用いられる第1の演出操作部)としての演出ボタン62が設けられている。この演出ボタン62は、例えば操作部50等に設けられていてもよい。また、演出ボタン62の押圧部は、円形状に限らず、四角形状等であってもよい。また、本実施の形態では、演出操作部を演出ボタン62としているが、演出操作部を、例えば、傾動操作が可能なレバーや、タッチ(指等の接触)を検出可能なタッチパネル、物体による遮光等を検出可能な光電センサ等としてもよい。
以下、3停止とは、その遊技で、ストップボタン54のうちいずれか2つのストップボタンが押下操作された状態において、ストップボタン54のうちいずれか有効なボタンを押下する操作をいう。本実施の形態では、例えば、遊技者にとって勝負所等のタイミングである場合、3停止以降に、サブ制御基板72が、演出ボタン62を、押下操作を受け付け可能な状態(すなわち押下操作が有効化された状態)とする。このとき、サブ制御基板72は、その旨を示す画面を液晶ディスプレイDに表示するとともに、演出ボタン62を点灯させる。
また、以下、図1で示した操作盤57を、演出設定操作部(演出に関する操作に用いられる第2の演出操作部)としての十字ボタン57とする。十字ボタン57は、演出の設定を含む操作に用いられる。演出の設定としては、例えば、音量の調整、キャラクターの選択等がある。
十字ボタン57は、少なくとも、中央に配置されたメインボタンと、メインボタンの周囲に配置された選択ボタン(方向操作ボタン)とを備えている。選択ボタンには、上ボタン、左ボタン、下ボタンおよび右ボタンがある。なお、選択ボタンは、複数からなるもの(上下左右が独立しているもの)であっても、一体となっているものでもよい。また、演出設定操作部は、十字ボタン(十字キー)に限らず、例えば、少なくとも2つのボタンを備えたものや、メインボタンとジョグダイヤルとを備えたもの、あるいはタッチ(指等の接触)を検出可能なタッチパネル等であってもよい。非遊技中に、十字ボタン57(例えばメインボタン)が押下されると、サブ制御基板72は、メニュー画面を液晶ディスプレイDに表示する。換言すると、十字ボタン57は、メニュー画面突入ボタンとしての機能を果たす。また、非遊技中に、十字ボタン57(例えば左右ボタン)が押下されると、サブ制御基板72は、音量変更画面を液晶ディスプレイDに表示する。換言すると、十字ボタン57は、音量変更画面突入ボタンとしての機能を果たす。
なお、メニュー画面からは、演出態様の設定(例えば、演出にメインで登場するキャラクターの設定や、役またはボーナス等の当選の報知態様の設定)、遊技履歴の参照やユーザー端末(遊技者のスマートフォン等)への転送、役の表示態様の確認等が可能となっている。また、メニュー画面から音量の設定や照明装置の発光強度の設定等が可能となっていてもよい。すなわち、メニュー画面が音量変更画面を兼ねていてもよい。
メイン制御基板70は、精算ボタン52が押下操作されたことを検出すると、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理(払出処理)を開始(実行)する。
サブ制御基板(制御手段)72は、精算開始コマンドをメイン制御基板70から受信すると、精算処理(精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出し)の実行を報知する。サブ制御基板72は、精算処理の実行の報知として、精算中である旨を報知する画面(以下、精算中報知画面という)を液晶ディスプレイDに表示するとともに、精算中である旨を報知する演出音(以下、精算中報知音という:例えば効果音やブザー音)を、スピーカ14を介して出力する。また、サブ制御基板72は、精算中である旨を報知する演出光(以下、精算中ランプという:例えば赤色)を、照明装置33d、34,35,37のうちの少なくとも1つを通じて出力(点灯)する。
メイン制御基板70は、精算処理が終了すると、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信する。サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算処理の実行の報知を停止し、精算処理の完了(精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出しの完了)の報知を行う。サブ制御基板72は、精算処理の完了の報知として、精算処理の完了を報知する演出音(以下、精算完了音声という)を、スピーカ14を介して出力する。精算完了音声としては、例えば「精算しました」というものがある。なお、本実施の形態では、サブ制御基板72は、精算処理の完了の報知として、精算中報知画面の表示および精算中ランプの点灯を行う。精算処理の完了の報知をしている間の画面(精算の完了を示す画面)は、精算中の画面(精算中を示す画面)と同じものであっても異なるものであってもよい。
以下、精算処理の実行が報知されている間(期間)を「精算報知中」という。精算報知中は、サブ制御基板72が、精算開始コマンドを受信してから精算終了コマンドを受信するまでの間を指す。この精算報知中は、精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出し中ともいえる。
また、精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出しの完了が報知されている間、すなわち精算処理の完了が報知されている間(期間)を「精算完了報知中」という。精算完了報知中は、精算終了コマンドを受信してから精算完了音声の出力が終了するまでの間を指す。なお、精算完了報知中には、精算処理終了後(サブ制御基板72が精算終了コマンドを受信した後)、精算完了音声の最初の1音(例えば「せ」)が出力されるまでの間も含まれる。また、精算完了報知中には、図3で示した無音の期間P4が含まれるものとしてもよい。
次に、図6に示すタイミングチャートを用いて、精算処理が行われている間およびその前後における処理の構成例を説明する。以下、演出ボタン62、十字ボタン57、精算ボタン52等の「押下操作」を単に「押下」または「操作」ということがある。
(A5、A6)3停止以降、サブ制御基板72は、演出ボタン62を、押下を受け付け可能な状態(すなわち操作が有効な状態)とし、演出ボタン62を押下可能である旨を示す画面(操作指示画面)を液晶ディスプレイDに表示する。このときの演出ボタン62の押下は、演出を進行させる契機となるもので、演出ボタン62が押下されると、遊技の結果が遊技者に報知される。具体的には、例えばボーナスの当選(いわゆる疑似ボーナス(AT演出状態への移行)の当選も含む))を期待させる演出中、すなわち遊技者にとって有利な状態に移行することを期待させる演出中に、演出ボタン62の押下が有効となり操作指示画面が表示され、演出ボタン62が押下されると、有利な状態に移行するか否かが報知される。
(A4)このタイミングチャートの開始時点は遊技中であるため、十字ボタン57は無効となっている。
(A1、A2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理(払出処理)を開始する。
(A2、A3)メイン制御基板70は、精算処理の終了に伴い、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信し、サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算完了音声の出力を開始する。
(A4)サブ制御基板72は、精算報知中および精算完了報知中に、十字ボタン57の操作を無効とする。すなわち、サブ制御基板72は、精算報知中および精算完了報知中は、十字ボタン57が押下されても、当該押下を受け付けないように制御する。換言すると、精算報知中および精算完了報知中に十字ボタン57を押下しても、液晶ディスプレイDにはメニュー画面や音量変更画面は表示されない(メニュー画面や音量変更画面に移行しない)。サブ制御基板72は、精算完了音声の出力(精算完了報知中)の終了に伴い、十字ボタン57の操作を有効とする。
このように、精算報知中に十字ボタン57の操作を無効とすることで、精算処理の実行の報知が、十字ボタン57の操作によって遮られ(妨げられ)精算中であることを把握できなくなることや、例えば、メニュー画面と精算中を示す画面とが同時に表示され、メニュー画面は情報量(文字数)が多いことから、精算中であることが把握しにくくなるという問題が回避される。これにより、遊技者は確実に精算処理の実行の報知を把握でき、遊技者による誤認(例えば精算が中断されたかのように認識することを含む)を防止できる。また、精算報知中にメニュー画面が開くと、精算報知中であることが周囲にわかりにくくなってしまい、これを利用した不正等が行われる虞があるが、そのような問題を回避することができる。
また、精算完了報知中に十字ボタン57の操作を無効とすることで、精算処理の完了の報知が、十字ボタン57の操作によって遮られ(妨げられ)精算完了の報知を把握できなくなることや、例えば、メニュー画面と精算の完了を示す画面とが同時に表示され、メニュー画面は情報量(文字数)が多いことから、精算完了を示す画面が把握しにくくなるという問題が回避される。これにより、遊技者は確実に精算処理の完了の報知を把握でき、遊技者による誤認(例えば精算が中断されたかのように認識することを含む)を防止できる。また、精算完了報知中にメニュー画面が開くと、精算完了報知中であることが周囲にわかりにくくなってしまい、これを利用した不正等が行われる虞があるが、そのような問題を回避することができる。
(A5、A6)精算ボタン52が押下され、精算報知中および精算完了報知中となっても、サブ制御基板72は、演出ボタン62を押下可能である旨を示す画面を液晶ディスプレイDに表示しつつ、演出ボタン62を有効のままとする。換言すると、サブ制御基板72は、精算報知中または精算完了報知中に演出ボタン62が押下された場合、当該押下を受け付ける。また、精算完了報知が終了した後も演出ボタン62は有効となっている。すなわち、3停止を契機として演出ボタン62が有効化されると、精算処理に移行し精算が終了しても、演出ボタン62の有効化が解除されないようになっている。
なお、精算報知中または精算完了報知中において演出ボタン62が押下された場合、演出が進行するが、この間も、液晶ディスプレイDには、精算の実行中あるいは精算の完了を報知する表示がなされる。このとき、精算に係る表示を優先し、精算に係る表示によって、遊技に係る演出の一部が隠された状態となる。
このように、演出ボタン62の操作については精算報知中に無効とせずに有効とすることで、遊技者は演出ボタン62を押下して演出を進めることができる。このため、遊技者は、精算報知中に演出ボタン62を押下できないことによる不満を抱くことがない。例えば、演出ボタン62の押下指示画面が表示されている場合、遊技者は演出ボタン62を押下し、遊技の結果を見てから席を立ちたいと思うこともあるが、精算報知中であっても演出ボタン62が有効となっていることで、精算報知中に演出を進め、結果を見てから席を立つということがスムーズに行えるようになる。なお、押下指示画面は、メニュー画面のように情報量(文字数)が多いものではないため、精算中を示すが画面と同時に表示しても遊技者が誤認することはない。
また、精算完了報知中に演出ボタン62の操作を無効とせず有効とすることで、遊技者は演出ボタン62を押下して演出を進めることができる。このため、遊技者は、精算完了報知中に演出ボタン62を押下できないことによる不満を抱くことがない。例えば、演出ボタン62の押下指示画面が表示されている場合、遊技者は演出ボタン62を押下し、遊技の結果を見てから席を立ちたいと思うこともあるが、精算完了報知中であっても演出ボタン62が有効となっていることで、精算完了報知中に演出を進め、結果を見てから席を立つということがスムーズに行えるようになる。なお、押下指示画面は、メニュー画面のように情報量(文字数)が多いものではないため、精算完了を示す画面と同時に表示しても遊技者が誤認することはない。
なお、サブ制御基板72は、精算報知中または精算完了報知中において、演出ボタン62の操作を有効としつつ、演出ボタン62を消灯させている。すなわち、演出ボタン62を点灯させ、操作の有効を積極的には報知はしないが、押下された場合にはその押下を受け付けるようになっている。このようにすることで、基本的には精算報知中または精算完了報知中に演出を進めさせることを推奨しないが、仮に演出ボタン62を押下された場合には、遊技者の意思を優先し、演出を進めることが可能となる。なお、サブ制御基板72は、精算報知中または精算完了報知中に、演出ボタン62の操作を有効としつつ、演出ボタン62を点灯させてもよい。
図6では、演出ボタン62が押下されていない状態で精算ボタン52が押下された場合を示した。図7では、3停止以降に、有効となった演出ボタン62が押下され、演出ボタン62の押下に基づく演出が実行されている間に、精算ボタン52が押下された場合の構成例について説明する。
(B4、B5)サブ制御基板72は、演出ボタン62を押下可能である旨を示す画面を液晶ディスプレイDに表示するとともに、演出ボタン62を有効とする。
(B6、B7、B8)有効化された演出ボタン62が押下されると、サブ制御基板72は、演出ボタン62の押下に基づく(対応する)液晶演出および音声演出の出力を開始する。具体的には、サブ制御基板72は、演出ボタン62の押下に基づく演出画像を液晶ディスプレイDに表示するとともに、演出ボタン62の押下に基づく音声演出(BGM、セリフ、効果音等)を、スピーカ14を介して出力する。なお、サブ制御基板72は、演出ボタン62の押下に基づく演出光を、照明装置33d、34,35,37のうちの少なくとも1つを通じて出力してもよい。
(B1、B2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理を開始する。
(B1、B7、B8)演出ボタン62の押下に基づく液晶演出および音声演出の出力中に、精算ボタン52が押下されると、サブ制御基板72は、精算開始コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、音声演出の出力を停止する。ただし、サブ制御基板72は、精算開始コマンドを受信しても、液晶演出の出力は停止しない(継続する)。
(B2、B3)メイン制御基板70は、精算処理の終了に伴い、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信し、サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算完了音声の出力を開始する。
(B8)サブ制御基板72は、精算完了音声の出力の終了に伴い(精算完了音声の出力の終了を待って)、音声演出(演出ボタン62の押下に基づく音声演出)の出力を開始する。なお、サブ制御基板72は、音声演出の出力を停止している間、音を外部に出力せずに、精算完了音声の出力の裏(精算完了音声の裏のレイヤ)では音声演出を実行している。すなわち、サブ制御基板72は、演出ボタン62の押下に基づく音声演出の出力中に精算開始コマンドを受信すると、音声演出を実行しているが音は出力しない状態とし、精算完了音声の出力が終了すると、再び音声演出の音を出力するように制御する。これは、音声演出が飛ぶようになっているともいえる。
このように、演出ボタン62の押下に基づく音声演出が出力されている際に精算処理が実行された場合、音声演出の出力を停止し、精算に関する報知(精算中報知音および精算完了音声)の出力を優先させることで、遊技者は音を介して精算処理が実行されていることを把握できる。ただし、精算中報知音および精算完了音声が出力されている間であっても、演出ボタン62の押下に基づく液晶演出は継続されるため、遊技者は、視覚的に演出が進行していることを把握できる。
図7では、有効となった演出ボタン62が押下され、演出ボタン62の押下に基づく演出が実行されている間に、精算ボタン52が押下された場合を示した。図21では、先に精算ボタン52が押下され、精算処理が実行されている間に演出ボタン62が押下された場合を示す。
(G4、G5)サブ制御基板72は、演出ボタン62を押下可能である旨を示す画面を液晶ディスプレイDに表示するとともに、演出ボタン62を有効とする。
(G1、G2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理を開始する。
(G6、G7、G8)精算処理が実行されている間に、有効状態の演出ボタン62が押下されると、サブ制御基板72は、その旨の情報(信号)の受信に基づき、演出ボタン62の押下に基づく液晶演出の出力を開始する。このとき、サブ制御基板72は、演出ボタン62の押下に基づく音声演出を出力しない。この「音声演出を出力しない」は「音声演出の出力を停止する」に含まれる。換言すると、サブ制御基板72は、精算に関する報知(精算報知中および精算完了報知中)を実行している間に、演出ボタン62が押下された旨の情報(信号)を受信しても、音声演出を出力しない。すなわち、精算に関する報知を演出ボタン62の押下に基づく音声演出よりも優先させる。
(G2、G3)メイン制御基板70は、精算処理の終了に伴い、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信し、サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算完了音声の出力を開始する。
(G8)サブ制御基板72は、精算完了音声の出力の終了に伴い(精算完了音声の出力の終了を待って)、音声演出の出力を開始する。なお、サブ制御基板72は、音声演出の出力を停止している間、音を外部に出力せずに、精算完了音声の出力の裏(精算完了音声の裏のレイヤ)では音声演出を実行している。すなわち、サブ制御基板72は、精算に関する報知を実行している間、演出ボタン62が押下された旨の信号を受信しても、精算完了音声の出力が終了するまでは音声演出を実行するが音は出力しない状態とし、精算完了音声の出力が終了すると、音声演出の音を出力するように制御する。
なお、図7および図21の例において、精算完了音声を音声演出の音声に「優先させる」には、音声演出の音声を無音にする場合だけでなく、音声演出の音声を精算完了音声に比べ小さくして出力(流す)ことが含まれる。
次に、「精算中」にエラーが発生した場合について説明する。
まず、メイン制御基板70が検出(検知)する各エラーについて説明する。なお、図示は省略しているが、メイン制御基板70は、エラー検出手段とエラー管理手段とを備えている。エラー検出手段は、各種センサの信号状態等に基づいて、逆流エラー、エンプティエラー、払出詰まりエラー、払出異常エラー、オーバーエラー、滞留エラー、バックアップエラー、ドア開放エラー、投入異常エラー、表示判定異常エラー、RAM異常エラー、設定値異常エラーを検出する。
(1)逆流エラーは、メダルが流路において逆流していることに起因するエラーである。
(2)エンプティエラーは、ホッパー装置150に貯蔵されているメダルがなくなったことに起因するエラーである。具体的には、メダルの払い出しが行われている状況において、払出センサの信号状態がオフ状態(払い出されるメダルが検知されていない状態)で一定期間(約2100ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
(3)払出詰まりエラーは、ホッパー装置150において払い出されるべきメダルが詰まって排出されていないことに起因するエラーである。具体的には、メダルの払い出しが行われている状況において、払出センサ(払出メダルスイッチ)の信号状態がオン状態(払い出されるメダルが検知されている状態)で一定期間(約172ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
(4)払出異常エラーは、メダルの払い出しを行うべきではない状況でメダルの払い出しがあったことに起因するエラーである。具体的には、メダルの払い出しが行われていない状況において、払出センサ(払出メダルスイッチ)の信号状態がオン状態で一定期間(約6ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
(5)オーバーエラーは、キャッシュボックスに貯蔵されている余剰メダルが所定量を超えたことに起因するエラーである。具体的には、オーバーフローセンサの信号状態がオン状態(余剰メダルが所定量を超えたこと示す信号状態)で一定期間(約100ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
(6)滞留エラーは、メダルセレクタ92内でメダルが詰まっていることに起因するエラーである。具体的には、投入検知センサ130の下流であり、ブロッカー99よりも上流にある第一メダル通過センサまたは第二メダル通過センサの信号状態がオン状態(メダルの存在を検知していることを示す信号状態)で一定期間(約113ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
(7)バックアップエラーは、RWMのバックアップに不具合が生じたことに起因するエラーである。具体的には、電源投入時において、RWMのバックアップ異常を検出した場合に検出されるエラーである。あるいは、電源投入時において、スタックポインタの保存値が特定の範囲でない場合に検出されるエラーである。
(8)ドア開放エラーは、下扉40(前扉3)が開いていることに起因するエラーである。具体的には、下扉40が開くことによって作動するドア開閉スイッチの信号状態がオン状態(下扉40が開いていることを示す信号状態)で一定期間(約48ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
(9)投入異常エラーは、ブロッカー99を作動させてメダルシュートへの流路を閉塞したことによってメダルの流路が切り替えられたにも関わらずに、メダルが正規の流路(ここではメダル払出口に返却される流路)とは異なる流路を通過していることに起因するエラーである。具体的には、ブロッカー99の作動後に第二メダル通過センサによってメダルセレクタ92を通過してメダルシュートへ向かって流れるメダルを検知した場合に検出されるエラーである。本実施形態の遊技機では、ブロッカー99が閉塞してから一定期間(約250ms)以上経過後に、第二メダル通過センサがON状態となった場合に、エラーを検出する。
また、投入異常エラーには、シュートエラーがある。シュートエラーは、メダルセレクタ92を通過したメダルの数とメダルシュートを通過したメダルの数とに一定以上の差が生じたことに起因するエラーである。具体的には、投入されたメダルが第一メダル通過センサおよび第二メダル通過センサを正しい順序で通過してから一定期間を経過するまでの間に、第一メダル通過センサおよび第二メダル通過センサを正しい順序で通過したと検知されたメダルの数と、シュートセンサの信号状態がオン状態(メダルの存在を検知している信号状態)となった回数との差が、所定範囲に収まっていない場合、または投入されたメダルが第一メダル通過センサおよび第二メダル通過センサを正しい順序で通過してから一定期間を経過した時点において、第一メダル通過センサおよび第二メダル通過センサを正しい順序で通過したと検知されたメダルの数と、シュートセンサの信号状態がオン状態(メダルの存在を検知している信号状態)となった回数との差が、所定数以上となった場合に検出されるエラーである。
また、投入異常エラーには投入検知エラーがある。投入検知エラーは、メダル投入口42付近でメダルが詰まっていることに起因するエラーである。具体的には、メダルセレクタ92内の投入検知センサ130がオン状態(メダルの存在を検知している信号状態)で一定期間(約602ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
(10)表示判定異常エラーは、当選役でない図柄が表示された場合に検出されるエラーである。
(11)RAM異常エラーは、RAMの読み書きが正常に行われなかった場合に検出されるエラーである。
(12)設定値異常エラーは、内部抽選時において、設定値が許容範囲外の場合に検出されるエラーである。
各エラーには、図8に示すように、エラーの種類に応じてE1〜ECまでのエラーコードが割り当てられている。エラー管理手段は、エラー検出手段によってエラーが検出されると、検出されたエラーを、液晶ディスプレイDやメイン表示器(図1の表示ユニット58)を介して報知する処理を実行する。具体的には、エラー管理手段は、検出されたエラーの種類に対応したエラーコードを設定して、設定されたエラーコードを、液晶ディスプレイDやメイン表示器(図1の表示ユニット58)に表示させる。
また、エラー管理手段は、所定の解除操作(エラー解除操作)が行われたことに基づいてエラー検出フラグ等をクリアする解除処理を行う。所定の解除操作(エラー解除操作)としては、例えば、ドアキーシリンダにドアキーを挿入し、ドアキーを反時計回りに回転させる(捻る)という操作と、設定変更ボタンが押下するという操作とがある。図8に示すように、エラーの種類(エラーコードE1〜EC)ごとに、エラー解除操作が設定されている。エラー管理手段は、エラー解除操作によって設定変更ボタンまたはドアセンサから信号が入力されると、エラー解除操作が行われたと判断し、エラー検出フラグやタイマの計時情報等のエラーに関連する情報をクリア(消去)する解除処理を行う。
メイン制御基板70は、エラーを検出すると、エラーが発生した旨を示すコマンド(エラーコマンド)をサブ制御基板72に送信する。サブ制御基板72は、エラーコマンドを主制御装置70から受信すると、エラーの発生内容に対応する画像(以下、エラー画面という)を液晶ディスプレイDに表示する制御や、エラー発生に対応する警告音(以下、エラー音という)を、スピーカ14を介して出力する制御等を行う。
図9に示すタイミングチャートを用いて、精算報知中にエラーが発生した場合の処理の構成例を説明する。なお、以下ではエラーとして逆流エラーが発生した場合について説明するが、他のエラーであってもよい。
(C1、C2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理を開始する。
(C4)メイン制御基板70は、逆流エラーを検出すると(逆流エラーの条件を満たすと)、逆流エラーが発生した旨を示すコマンド(逆流エラーコマンド)をサブ制御基板72に送信する。
(C2、C5)サブ制御基板72は、精算開始コマンドを受信し、かつ、エラーコマンド(逆流エラーコマンド)を受信しても、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信するまでは、逆流エラーコマンドの受信に基づく処理を実行しない。
サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、逆流エラーコマンドの受信に基づく処理を実行する。サブ制御基板72は、逆流エラーコマンドの受信に基づく処理として、逆流エラーの報知を行う。サブ制御基板72は、逆流エラーの報知として、逆流エラーに対応する画面(逆流エラー画面)を液晶ディスプレイDに表示し、逆流エラーに対応する警告音(エラー音)を、スピーカ14を介して出力し、エラー中である旨を報知する演出光(以下、エラーランプという:例えば赤色)を、照明装置33d、34,35,37のうちの少なくとも1つを通じて出力(点灯)する。
このようにサブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信しても、エラーコマンドを先に受信している場合には、当該エラーコマンドに基づく処理(エラー報知)を優先して行う。そして、以下に示すように、サブ制御基板72は、エラーが解除されてから、精算終了コマンドに基づく処理(精算完了音声の出力)を行う。
(C6)作業者等により、逆流エラーに対応するエラー解除動作(エラー復帰処理)が入力(実行)されると、メイン制御基板70は、逆流エラーが解除された旨を示すコマンド(逆流エラー解除コマンド)をサブ制御基板72に送信する。
(C3、C5)サブ制御基板72は、逆流エラー解除コマンドの受信に基づき、逆流エラーの報知を停止するとともに、精算完了音声(「精算しました」)の出力を開始する。サブ制御基板72は、逆流エラーの報知の停止として、液晶ディスプレイDの表示をエラー画面から通常画面に移行させ、エラー音の出力を停止し、エラーランプを消灯する。なお、サブ制御基板72は、精算完了音声を出力している間(精算完了報知中)に、精算の完了を示す画面を表示させ、その後、通常画面を表示させてもよい。また、サブ制御基板72は、エラーランプを消灯するとともに、精算完了報知中に精算中ランプを点灯させてもよい。その場合、例えば、エラーランプと精算中ランプの点灯パターン(点灯色)が同一である場合には、見た目上の変化はない。
なお、C3、C5、C6について、エラー解除の立上りエッジでエラー報知を停止し、精算完了音声の出力を開始しているが、これらをエラー解除の立下りエッジに基づき行うものとしてもよい。
このように、精算報知中にエラー(例えば逆流エラー)が発生した場合、精算処理が終了するのを待ってからエラーの発生を報知するため、遊技者が、精算が終了したことを確実に把握できる。換言すると、遊技者が、誤認する(例えば精算が中断されたかのような認識を抱くこと)のを防止できる。一方で、エラーの発生の報知を精算完了音声の出力よりは優先させているため、エラー発生からエラーが報知されるまでの時間をより短縮でき、エラーに対して早期に処置を施すことができる。また、精算報知中にエラー発生を報知する構成とする場合には処理が複雑となるが、上述の構成とすれば、そのような処理の複雑化を招くことはない。
なお、精算処理の終了後にエラーの発生を報知し、その後精算完了音声を出力するための処理は、上述の処理に限られない。例えば、上述の例では、サブ制御基板72は、エラーコマンドを受信しても、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信するまでは、エラーコマンドの受信に基づく処理を実行しないこととしたが、精算処理中にエラーが発生した場合、メイン制御基板70は精算処理が終了してから、エラーコマンドをサブ制御基板72に送信することとしてもよい。また、メイン制御基板70は、エラーの解除後(エラー解除コマンドの送信後)に、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信することとしてもよい。
次に、図10に示すタイミングチャートを用いて、精算完了報知中にエラーが発生した場合の処理の構成例を説明する。
(D1、D2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理を開始する。
(D7)サブ制御基板72は、精算開始コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、液晶ディスプレイDの表示を通常画面から精算中報知画面に移行させる。
(D2、D3)メイン制御基板70は、精算処理の終了に伴い、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信し、サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算完了音声の出力を開始する。
(D4)メイン制御基板70は、逆流エラーを検出すると、逆流エラーコマンドをサブ制御基板72に送信する。
(D3、D5)サブ制御基板72は、精算完了音声の出力を実行している間(すなわち精算完了報知中)に、逆流エラーコマンドをメイン制御基板70から受信した場合、当該受信に基づき、精算完了音声(「精算しました」)の出力を停止(キャンセル)して(例えば「精算し」で止めて)、逆流エラーの報知を行う。具体的には、サブ制御基板72は、逆流エラー画面を液晶ディスプレイDに表示し、エラー音を出力し、エラーランプを点灯させる。
(D6)作業者等により、逆流エラーに対応するエラー解除動作が入力(実行)されると、メイン制御基板70は、逆流エラー解除コマンドをサブ制御基板72に送信する。
(D5、D7)サブ制御基板72は、逆流エラー解除コマンドの受信に基づき、逆流エラーの報知を停止し(エラー音の出力を停止して、エラーランプを消灯し)、液晶ディスプレイDの表示をエラー画面から通常画面に移行させる。
(D3)なお、本例では、サブ制御基板72は、エラーから復帰しても(逆流エラー解除コマンドを受信しても)、逆流エラーコマンドの受信に従い停止した精算完了音声の出力を、再開(出力)することはしない。ただし、サブ制御基板72は、エラーの復帰(通常画面への移行)とともに、精算完了音声を出力することとしてもよい。その場合、サブ制御基板72は、停止した箇所からではなくもう一度最初から精算完了音声を出力することとしてもよい。
なお、D5、D6において、エラー解除の立上りエッジでエラー報知が停止するものとしているが、エラー解除の立下りエッジでエラー報知が停止するものとしてもよい。
また、D6、D7において、エラー解除の立下りエッジで通常画面に移行するものとしているが、エラー解除の立上りエッジで通常画面に移行するものとしてもよい。
このように、精算完了報知中にエラー(例えば逆流エラー)が発生した場合、精算完了音声の出力が終了するのを待たずに(精算完了音声の出力の途中でも)、エラーの発生の報知を優先する。すなわち、より優先度(緊急度)の高いエラーの報知が精算完了音声よりも優先して出力される。これにより、エラーに対して早期に対策を施すことができる。すなわち、エラーに対する処理が遅れるのを防止できる。
なお、D3およびD4では、精算完了音声が出力されている間にエラーが発生した場合を示したが、精算処理終了後(精算終了コマンドの受信後)、精算完了音声の最初の1音(例えば「せ」)が出力される前にエラーが発生する場合がある。そのような場合でも、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力をせず(出力を停止し)、エラーの報知を実行する。すなわち、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力よりもエラーの報知を優先する。
次に、図11に示すタイミングチャートを用いて、精算完了報知中に十字ボタン57が押下された場合の処理の構成例を説明する。
(F1、F2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理を開始する。
(F4、F7)サブ制御基板72は、精算開始コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、遊技中のランプの点灯(例えば白色)を停止し、精算中ランプの点灯(例えば赤色)を開始する。なお、本実施の形態では、精算中ランプの点灯とエラーランプの点灯とは、同パターンとなっている。
(F2、F3)メイン制御基板70は、精算処理の終了に伴い、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信し、サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算完了音声の出力を開始する。
(F3、F5)サブ制御基板72は、精算完了音声の出力を実行している間(すなわち精算完了報知中)に、十字ボタン57が操作(押下)されると当該操作(押下)を受け付ける。本例では、サブ制御基板72は、精算完了報知中(すなわち精算終了コマンドを受信してから精算完了音声の出力が終了するまでの間)に、十字ボタン57の操作を有効な状態としている。そして、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力を実行している間に、十字ボタン57が押下された旨を示す情報(信号)(コマンド)を受信すると、当該受信に基づき、精算完了音声の出力を停止する(例えば「精算しま」で止める)。
(F5、F6、F7)また、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力を実行している間に、十字ボタン57が押下された旨を示す情報(信号)(コマンド)を受信すると、当該受信に基づき、精算中ランプを消灯して遊技中ランプを点灯させ、液晶ディスプレイDの表示を、精算中報知画面からメニュー画面(なお音量変更画面でもよい)に移行させる。すなわち、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力を実行している間に、十字ボタン57が押下された旨を示す情報を受信すると、当該受信に基づき、十字ボタン57の押下に基づく処理を行う。
なお、F3およびF5では、精算完了音声が出力されている間に十字ボタン57が押下された場合を示したが、精算処理終了後、精算完了音声の最初の1音(例えば「せ」)が出力される前に十字ボタン57が押下される場合がある。そのような場合でも、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力をせず(出力を停止し)、十字ボタン57の押下に基づく処理を実行する。すなわち、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力よりも十字ボタン57の押下に基づく処理を優先する。
また、F5およびF6について、十字ボタン57の立下りエッジでメニュー画面に移行するものとしているが、十字ボタン57の立上りエッジでメニュー画面に移行するようにしてもよい。
このように、精算完了報知中に十字ボタン57が操作された場合、精算完了音声の出力が終了するのを待たずに(精算完了音声の出力の途中でも)、十字ボタン57の操作を受け付け(十字ボタン57の操作が優先され)、当該操作に基づく処理(メニュー画面への移行等)が実行されるため、例えば、遊技者は、精算完了音声を最後まで聞かずにメニュー画面を早く開いて所望の設定を行うことができる。すなわち、精算完了音声の出力が終わるのを待たなければ十字ボタン57を操作できないことによって、遊技者が不満を抱く(ストレスを感じる)のを防止できる。
ここで、図11のF4における破線部Zについて説明する。破線部Zは、本来実行される予定であった精算中ランプの点灯を示している。ここで、仮に、精算完了音声出力中に十字ボタン57が押下されなかった場合を考える。その場合、精算完了音声(「精算しました」)の出力が終了した後であっても、精算中ランプの点灯が一定時間継続するようになっている。換言すると、サブ制御基板72は、精算処理の完了の報知である、精算完了音声の出力および精算中ランプの点灯を行うが、前者(精算完了音声の出力)が終了した後も後者(精算中ランプの点灯)を一定時間継続させる。なお、サブ制御基板72は、画面(液晶ディスプレイD)については、精算完了音声出力の終了とともに通常画面へ移行させている。このように、精算中ランプの点灯を、精算完了音声の出力よりも長くすることで、精算処理が終わった後、一定時間の間、精算処理が終了したことを認識できる。すなわち、精算処理が終わった後、一定時間の間、精算処理が終了したことが周囲に報知されるため、例えば、ホールスタッフ等が認識しやすくなる。
(第2の実施の形態)
次に、図面を参照しながら本発明の第2の実施の形態について説明する。以下、第1実施形態で説明した構成と同一または相当する機能を有する構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
図12は、第2の実施の形態に係るスロットマシン(遊技機)100の外観斜視図である。図12に示すように、スロットマシン100は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体111と、当該筐体111の前面側開口を開閉する前面扉112とを備えている。
筐体111には、回転自在なリール120a、リール120bおよびリール120cがユニット化されたリールユニットと、メダルの払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉112は、上扉112aと下扉112bとに分割されており、上扉112aおよび下扉112bはそれぞれ筐体111に対して開閉自在となっている。
図13は、上扉112aおよび下扉112bを開いた状態を示す外観斜視図である。
以下、「前後」とは、スロットマシン100の前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシン100の上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシン100を遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
上扉112aには、液晶ディスプレイ113、スピーカ114等の演出装置、および、表示窓116が設けられている。液晶ディスプレイ113には、各種演出用の画像(動画、静止画)が表示される。また、スピーカ114からは、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)が出力される。なお、演出装置としては、液晶ディスプレイ113、スピーカ114の他に、ランプ(LED)等の電飾装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物等を備えていてもよい。
図13に示すように、リールユニットは、その一部が表示窓116の外から視認可能となるように表示窓116の奥に配置されている。各リール120a〜120cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されている。各リール120a〜120cが停止している状態では、表示窓116を介して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が視認可能となる。表示窓116には、各リール120a〜120cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール120a〜120cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。
スロットマシン100では、1回の遊技(1遊技)を開始するために必要な遊技媒体(メダル)の数(規定数)が、設定されている。本実施の形態では、規定数を3とする。スロットマシン100に規定数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。なお、規定数を超える枚数のメダルが投入された場合、規定数を超えた分のメダルは、所定の値(例えば50とする)を上限とし、スロットマシン100の内部(図14に示すメインRAM203)に電気的に貯留される。
スロットマシン100では、遊技開始に伴って各リール120a〜120cが回転を開始するとともに、当選役抽選が実行されて当選役のいずれかの当選または不当選が決定される。次いで、各リール120a〜120cが停止したときに、当選役抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
下扉112bには、メダルを投入するためのメダル投入口122、貯留(クレジット)されているメダルをベットするためのベットボタン123、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー124、回転しているリール120a,120b,120cを停止させるためのストップボタン126a,126b,126c、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口127、払い出し口127から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿128が設けられている。また、メダル投入口122の奥には、メダル投入口122から投入されたメダルの通過を検知するためのメダルセンサ129(図2参照)が設けられている。
ベットボタン123、スタートレバー124、ストップボタン126a〜126cは、操作を検出すると、操作されたことを示す信号を出力する。また、メダルセンサ129は、メダルの投入を検出すると、メダルが投入されたことを示す信号を出力する。なお、ベットボタン123には、1ベットボタンとMAXベットボタンとがある。1ベットボタンは、貯留されているメダルから1枚のメダルをベットする際に押下されるボタンである。MAXベットボタンは、貯留されているメダルから規定数のメダルをベットする際に押下されるボタンである。以下、ベットボタン123という場合、1ベットボタンまたはMAXベットボタンのいずれかを指すものとする。
ここで、1遊技について説明する。
スロットマシン100では、メダル投入口122を介してのメダルの投入、または、ベットボタン123の操作による規定数のメダルのベットを受け付けると、ベットボタン123の操作が無効化され、スタートレバー124の操作が有効化される。
次に、スロットマシン100は、有効化されたスタートレバー124の操作を受け付けると、遊技を開始する(すなわち各リール120a〜120cの回転を開始する)とともに、当選役抽選を行う。
次に、スロットマシン100は、各リール120a〜120cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となると、ストップボタン126a〜126cの操作を有効化する。
次に、スロットマシン100は、有効化されたストップボタン126a〜126cの操作を受け付けると、操作されたストップボタン126a〜126cに対応する各リール200a〜200cの回転を停止する。
次に、スロットマシン100は、各リール120a〜120cの回転が停止したときに、当選役抽選で当選した当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたかを判定する。
スロットマシン100は、当選役抽選で当選した当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたと判定した場合、入賞処理(例えば、メダルの払い出し処理)を実行し、1遊技を終了する。
一方、スロットマシン100は、当選役抽選の結果が不当選であった場合、または、当選役抽選で当選した当選役に入賞しなかったと判定した場合、各リール120a〜120cが停止したことをもって1遊技を終了する。1遊技が終了すると、ベットボタン123の操作が有効化される。
また、図13に示すように、筐体111の内部には、スロットマシン100の電源をON/OFFするための電源スイッチ500が設けられている。電源スイッチ500は、スロットマシン100を管理する管理者等が操作し、電源のOFF状態(電断状態)と電源のON状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。電源スイッチ500は、電源をONにするための操作を受け付けると、電源ON信号を出力する。また、電源スイッチ500は、電源をOFFにするための操作を受け付けると、電源OFF信号を出力する。
図14は、スロットマシン100の電気的構成を示すためのブロック図である。
筐体111の内部には、メイン制御基板(主制御装置)200と、サブ制御基板(副制御装置)300とが設けられている。メイン制御基板200は、ベットボタン123、スタートレバー124、ストップボタン126a〜126c、メダルセンサ129、電源スイッチ500等から出力される信号を取得し、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット、ホッパー装置等の制御を行う。
サブ制御基板300は、メイン制御基板200から取得した信号に基づき演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ113およびスピーカ114等の演出装置の制御を行う。
メイン制御基板200とサブ制御基板300とは電気的に接続されており、メイン制御基板200からサブ制御基板300へは遊技状態を示す情報等各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板300からメイン制御基板200へは情報を送信できないようになっている。メイン制御基板200やサブ制御基板300等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
図14に示すように、本実施の形態では、メイン制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU201、プログラム等が格納されたメインROM202、ワークエリアとして機能するメインRAM203(主記憶部)等を含む各種半導体集積回路を有している。メインRAM203(内蔵RAM)にはバックアップ電源(不図示)が接続されていて、電源がOFF状態となった場合でも、設定変更が行われてメインRAM203の初期化処理が実行されない限り、記憶されたデータは消去されることなく保持される。なお、メインRAM203を内蔵RAMと外付けRAMとにより構成し、外付けRAMのバックアップ領域にバックアップデータが記憶されるようにしてもよい。この場合、外付けRAMにバックアップ電源(不図示)が接続される。電源がOFF状態となった後、電断から復帰する際に、内蔵RAMは、外付けRAMのバックアップ領域に記憶されたバックアップデータを読み出し、電断前の状態に復帰する。
メイン制御基板200は、メインCPU201が、メインROM202に格納されたプログラムに基づきメインRAM203と協働することで機能する機能部を有している。機能部には、後述するベット制御部210等がある。
また、図14に示すように、本実施の形態では、サブ制御基板300は、中央処理装置であるサブCPU301、プログラム等が格納されたサブROM302、ワークエリアとして機能するサブRAM303(副記憶部)等を含む各種半導体集積回路を有している。また、メインRAM203と同様に、サブRAM303にもバックアップ電源(不図示)が接続されていて、電源が切断された場合でも、データが消去されることなく保持される。
サブ制御基板300は、サブCPU301が、サブROM302に格納されたプログラムに基づき、サブRAM303と協働することで機能する。
次に、メイン制御基板200のベット制御部210について説明する。
ベット制御部210は、遊技ごとに、規定数のメダルがベットされたことに基づき、ベットボタン123の操作が無効化される処理を行い、スタートレバー124に対する遊技開始操作が有効化される処理を行う。
また、ベット制御部210は、ベットボタン123が押下操作された場合、規定数を限度として、貯留されているメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。以下、メダルをベット状態に設定することを、単にメダルをベットするという。
メイン制御基板200は、電源ON状態で、ベットボタン123が押下されたことを示す信号(ベット操作情報)を取得すると、メインRAM203の入力現在状態を「ON状態」とする。入力現在状態とは、現在のベットボタン123の操作状態、すなわち現在ベットボタン123が操作されている状態であるか否かを示す情報である。現在ベットボタン123が押下状態である場合、入力現在状態は「ON状態」となる。一方、現在ベットボタン123が非押下状態である場合、すなわち、メイン制御基板200がベット操作情報を取得していない場合、入力現在状態は「OFF状態」となる。入力現在状態は、後述するエッジ検出処理で用いられる情報である。
図14に示すように、ベット制御部210は、エッジ検出部211、ベット設定部212、情報制御部213等を備えている。
エッジ検出部211は、ベットボタン123の操作が有効化されてから、ベットボタン123の操作が無効化されるまでの間(ベット受付期間)、一定間隔(例えば、1.49ms)毎に、定期処理(タイマー割込み)であるエッジ検出処理を行う。
エッジ検出処理では、ベットボタン123の操作状態を示す情報が所定の条件に該当する場合にONエッジを検出する。具体的には、後述する入力前回状態と、入力現在状態とを比較し、図15(a)の太線枠に示すように、入力前回状態が「OFF状態」であり、かつ、入力現在状態が「ON状態」である場合(ONエッジ検出条件に該当する場合)に、ONエッジ(立ち上がりエッジ)を検出する。なお、エッジ検出処理には、後述する更新処理が含まれる。
また、図15(a)に示すように、入力前回状態が「OFF状態」であり、かつ、入力現在状態が「OFF状態」である場合(ONエッジ検出条件に非該当である場合)、ONエッジは検出されない。また、入力前回状態が「ON状態」であり、かつ、入力現在状態が「OFF状態」である場合(ONエッジ検出条件に非該当である場合)、ONエッジは検出されない。また、入力前回状態が「ON状態」であり、かつ、入力現在状態が「ON状態」である場合(ONエッジ検出条件に非該当である場合)、ONエッジは検出されない。
ベット設定部212は、エッジ検出部211が行うエッジ検出処理でONエッジが検出されると、メダルをベットする。具体的には、ベット設定部212は、1ベットボタンの押下に基づくONエッジが検出された場合には1枚のメダルをベットし、MAXベットボタンの押下に基づくONエッジが検出された場合には規定数(3枚)のメダルをベットする。
情報制御部213は、更新処理を行う。更新処理には、次回のエッジ検出処理で用いられる情報を決定する処理が含まれる。情報制御部213は、更新処理を行い、メインRAM203に記憶されている入力現在状態が示す情報を、次回のエッジ検出処理に用いられる入力前回状態として設定する。入力前回状態は、入力現在状態と同様に、メインRAM203に記憶される。
図15(b)はエッジ検出処理について説明するための図である。図15(b)中に矢印で示すように、情報制御部213は、n−1回目(nは2以上の整数)の入力現在状態が示す情報を、n回目の入力前回状態として設定する。換言すると、n回目の入力前回状態は、n−1回目の入力現在状態である。入力前回状態は、前回のエッジ検出処理のときのベットボタン123の操作状態に基づいて決定され、現在のエッジ検出処理で用いられる情報ともいえる。
次に、図16に示すフローチャートを用いてエッジ検出処理について説明する。
まず、エッジ検出部211は、入力現在状態をメインRAM203から取得する(ステップST1)。次に、エッジ検出部211は、入力前回状態をメインRAM203から取得する(ステップST2)。
次に、エッジ検出部211は、入力前回状態が「OFF状態」であり、かつ、入力現在状態が「ON状態」であるか、すなわち、ONエッジ検出条件に該当するか判定する(ステップST3)。
ステップST3において、エッジ検出部211は、ONエッジ検出条件に該当すると判定した場合(ステップST3:YES)、ONエッジを検出する(ステップST4)。ステップST4においてONエッジが検出されると、ベット設定部212は、メダルをベットする。
一方、ステップST3において、エッジ検出部211は、ONエッジ検出条件に該当しないと判定した場合(ステップST3:NO)、ステップST5の処理に進む。
次に、情報制御部213は、更新処理を行う(ステップST5)。すなわち、情報制御部213は、メインRAM203に記憶されている入力現在状態が示す情報を、次回の入力前回状態として設定する。ステップST5の処理が終了すると、再びステップST1の処理に戻る。なお、図5においてステップST5の処理はステップST3の処理の前に行うものとしてもよい。
次に、図15(b)で示したエッジ検出処理の2回目と3回目との間に、電断が発生した場合について説明する。以下、ベットボタン123が非押下状態(OFF状態)で当該電断が発生し、その後、ベットボタン123が押下状態(ON状態)で当該電断から復帰した場合について説明する。当該ベットボタン123の押下操作は、遊技者によるメダルのベットを意図するものではないため、3回目のエッジ検出処理でONエッジが検出されるのは好ましくない。
メイン制御基板200は、電源スイッチ500から電源ON信号を取得した際(電断から復帰する際)に復帰処理を行う。復帰処理には、メインRAM203の状態を、バックアップされているデータに基づいて電断前の状態に戻す処理が含まれる。
意図しないONエッジの検出を防ぐための対策を施さなかった場合、電断後における3回目のエッジ検出処理で用いられる入力前回状態は、電断が発生しなかった場合と同様に、2回目の入力現在状態である「OFF状態」となっている。また、電断後の3回目のエッジ検出処理で用いられる入力現在状態は、ベットボタン123が押下されているため「ON状態」となっている。このため、3回目のエッジ検出処理で意図しないONエッジが検出されてしまうこととなる。
本実施の形態に係るメイン制御基板200は、上記のような意図しないONエッジの検出を防ぐために、電断から復帰する際に更新処理(電断復帰時の更新処理という)を行う。
なお、電断からの復帰は、電源スイッチ500のON操作に起因するものだけではなく、停電の発生等によってスロットマシン10の電源が一旦OFFとなり、その後電源が再び供給されて復帰する場合等がある。
図17に示すフローチャートを用いて、電断復帰時の更新処理について説明する。図17のフローチャートの開始時点において、メイン制御基板200は、電源スイッチ500から電源ON信号を取得しているものとする。また、メインRAM203は、電断前の状態に復帰しているものとする。
情報制御部213は、入力現在状態をメインRAM203から取得する(ステップST11)。次に、情報制御部213は、メインRAM203の入力前回状態を、ステップST11で取得した入力現在状態が示す情報で書き換える(ステップST12)。換言すると、情報制御部213は、入力前回状態を、電断から復帰する際の実際のベットボタン123の操作状態で書き換える。これは、入力現在状態が示す情報を入力前回状態として設定するともいえる。具体的には、入力現在状態が「ON状態」である場合には入力前回状態を「ON状態」とし、入力現在状態が「OFF状態」である場合には入力前回状態を「OFF状態」とする。入力現在状態が示す情報で書き換えられた入力前回状態は、メインRAM203に記憶される。ステップST12の処理が終わると、電断復帰時の更新処理は終了する。
また、上記では、ステップST11でメインRAM203から入力現在状態を取得するものとしたが、情報制御部213は、ベットボタン123が操作されたことを示す情報(ベット操作情報)を直接ベットボタン123から取得するようにしてもよい。この場合、ステップST12において、情報制御部213は、当該ベット操作情報に基づいてメインRAM203の入力前回状態を書き換える。具体的には、ベット操作情報が「ON状態」を示す場合には入力前回状態を「ON状態」とし、ベット操作情報が「OFF状態」を示す場合には入力前回情報を「OFF状態」とする。
図18は、エッジ検出処理の2回目と3回目との間に、ベットボタン123が非押下状態(OFF状態)で電断が発生し、その後、ベットボタン23が押下状態(ON状態)で電断から復帰し、かつ電断復帰時の更新処理が行われた場合について説明する図である。電断から復帰する際にベットボタン123の操作状態が「ON状態」であるため、図18中に矢印Fで示すように、情報制御部213は、メインRAM203における3回目の入力前回状態を「ON状態」に設定する。
電断復帰時の更新処理後に、エッジ検出処理(3回目)が実行される。エッジ検出処理(3回目)は、例えば、電断復帰から1.49ms後に実行される。エッジ検出処理(3回目)において、エッジ検出部211は、メインRAM203から入力現在状態「ON状態」を取得する。次に、エッジ検出部211は、メインRAM203から入力前回状態「ON状態」を取得する。次に、エッジ検出部211は、入力前回状態が「ON状態」であり、かつ、入力現在状態が「ON状態」であるため、ONエッジ検出条件に該当しないと判定する。よって、電断を跨いだ、意図しないONエッジが検出されることはない。
また、図示は省略するが、電断から復帰する際にベットボタン123の操作状態が「OFF状態」である場合には、情報制御部213が、メインRAM203の入力前回状態を「OFF」とする。このため、エッジ検出処理(3回目)において、エッジ検出部211は、メインRAM203から入力現在状態「OFF状態」を取得する。次に、エッジ検出部211は、メインRAM203から入力前回状態「OFF状態」を取得する。次に、エッジ検出部211は、入力前回状態が「OFF状態」であり、かつ、入力現在状態が「OFF状態」であるため、ONエッジ検出条件に該当しないと判定する。
また、図16のステップST1は、メインCPU201が、ベットボタン123の操作が有効化されてから、ベットボタン123の操作が無効化されるまでの間、一定間隔(例えば、1.49ms)毎に、定期処理(タイマー割込み)を行い、入力現在状態の検出、すなわちベットボタン123の操作状態がOFF状態であるかON状態であるかを検出しているといえる。以下、当該検出を定期処理という。また、図16のステップST1〜ステップST4は、メインCPU201が、定期処理において、n−1回目の定期処理タイミング(第1定期処理タイミングとする)でベットボタン23の「OFF状態」を検出し、第1定期処理タイミングの後のn回目の定期処理タイミング(第2定期処理タイミングとする)でベットボタン23の「ON状態」を検出した場合に、この「OFF状態」から「ON状態」への変化に基づきONエッジを検出するといえる。例えば、メインCPU201は、2回目(第1定期処理タイミング)の操作状態が「OFF状態」であり、3回目(第2定期処理タイミング)の操作状態が「ON状態」である場合、この「OFF状態」から「ON状態」への変化に基づきONエッジを検出する。メインCPU201は、ONエッジを検出した場合に、メダルのベットを行う。
また、図18で示した内容は、メインCPU201が、第1定期処理タイミングで「OFF状態」を検出した後、電断が発生し、ベットボタン123が押下されている状態で電断から復帰して、電断復帰後の第2定期処理タイミングで「ON状態」を検出した場合には、第1定期処理タイミングにおける「OFF状態」を「ON状態」に更新することで、ONエッジを検出しないということができる。このため、電断を跨いでの、遊技者が意図しない操作によるONエッジが検出されることはない。
なお、図17では、ステップST12において、電断前の状態に復帰したメインRAM203の入力前回状態を入力現在状態が示す情報で書き換える場合について説明した。ただし、当該入力前回状態は必ずしもバックアップされていることを要するものではなく、仮に入力前回状態がバックアップされていない(復帰できない)場合には、電断から復帰する際に取得した入力現在状態が示す情報を入力前回状態に代入する(書き込む)ようにしてもよい。この場合でも、書き換えを行った場合と同様に、意図しないONエッジの検出を防ぐことができる。
次に、ベットボタン123が「ON状態」で電断が発生し、その後、ベットボタン23が「OFF状態」で当該電断から復帰した場合について説明する。
図19は、2回目のエッジ検出処理で入力前回状態および入力現在状態が「ON状態」であった後、電断が発生し、その後ベットボタン123が「OFF状態」で電断から復帰して、電断復帰時の更新処理が行われた場合について説明する図である。図19に示すように、電断から復帰する際のベットボタン23の操作状態(入力現在状態)は「OFF状態」となっている。このため、電断復帰時の更新処理が行われ、3回目の入力前回状態に「OFF状態」が設定される。これにより、3回目のエッジ検出処理において、入力前回状態および入力現在状態がともに「OFF状態」であるため、例えば、OFFエッジ(立ち下がりエッジ)の意図しない検出を防ぐことができる。なお、実際には、OFFエッジの検出を行わない構成であってもよい。
また、図17では、ステップST12において、入力現在状態が「ON状態」であるか「OFF状態」であるかを問わず入力前回状態を入力現在状態で書き換えるものとしたが、電断復帰時の更新処理の別の例として、入力現在状態が「ON状態」である場合にのみ、当該書き換えを行うようにしてもよい。図10に示すフローチャートを用いて当該別の例について説明する。
まず、情報制御部213は、入力現在状態をメインRAM203から取得する(ステップST21)。次に、情報制御部213は、メインRAM203の入力現在状態が「ON状態」であるか判定する(ステップST22)。
ステップST22において、情報制御部213は、メインRAM203の入力現在状態が「ON状態」であると判定した場合(ステップST22:YES)、情報制御部213は、メインRAM203の入力前回状態を、入力現在状態「ON状態」で書き換える(ステップST23)。すなわち、入力現在状態が示す情報を入力前回状態として設定する。ステップST23によって、「OFF状態」であった入力前回状態が「ON状態」に書き換えられることとなる。ステップST23の処理が終わると、電断復帰時の更新処理を終了する。
一方、ステップST22において、情報制御部213は、メインRAM203の入力現在状態が「ON状態」でないと判定した場合(ステップST22:NO)、電断復帰時の更新処理を終了する。
また、電断復帰時の更新処理において、入力現在状態が「ON状態」であるか「OFF状態」であるかに関わらず、入力前回状態を「ON状態」に設定することとしてもよい。このような構成でも、意図しないONエッジの検出を防ぐことができる。
以上のように、本実施の形態によれば、遊技の制御を行うメイン制御基板200と、遊技媒体をベットするためのベットボタン123とを備え、メイン制御基板200は、ベットボタン123が押下されている状態で電断から復帰した場合に、当該押下に基づく遊技媒体のベットを行わない。このため、ベットボタン123が押下されていない状態で電断し、その後、ベットボタン123が押下された状態で電源が投入された場合に、遊技者の意図しないメダルのベットが実行されるのを防ぐことができる。
また、メイン制御基板200は、一定間隔毎にベットボタン123の操作状態がOFF状態であるかON状態であるかを検出する定期処理を実行し、定期処理において、第1定期処理タイミングでOFF状態を検出し、第1定期処理タイミングの後の第2定期処理タイミングでON状態を検出した場合は、このOFF状態からON状態への変化に基づきONエッジを検出可能であり、ONエッジを検出した場合に遊技媒体のベットを行い、第1定期処理タイミングでOFF状態を検出した後、電断が発生し、ベットボタン23が押下されている状態で電断から復帰して、電断復帰後の第2定期処理タイミングでON状態を検出した場合には、ONエッジを検出しない。このため、処理負荷の大きな増大を招くことなく意図しないONエッジの検出を防ぐことができる。これにより、遊技者の意図しないメダルのベットが実行されるのを防ぐことができる。
また、メイン制御基板200は、ベットボタン123の操作状態を示す情報が所定の条件に該当する場合にONエッジを検出するエッジ検出処理を、一定間隔毎に行うエッジ検出部211と、エッジ検出処理でONエッジが検出された場合に、遊技媒体のベットを行うベット設定部212と、エッジ検出処理で用いられる情報を制御する情報制御部213とを備え、エッジ検出部211は、前回のエッジ検出処理のときのベットボタン123の操作状態に基づいて決定され、現在の前記エッジ検出処理で用いられる入力前回状態と、現在のベットボタン123の操作状態に基づいて決定される入力現在状態とを比較し、入力前回状態が、ベットボタン123が非押下状態であることを示すOFF状態であり、かつ入力現在状態が、ベットボタンが押下状態であることを示すON状態である場合にONエッジを検出し、情報制御部213は、ベットボタン123が押下されている状態で電断から復帰した場合に、当該復帰後のエッジ検出処理で用いられる入力前回状態をON状態に設定することを特徴とする。このため、処理負荷の大きな増大を招くことなく、意図しないONエッジの検出を防ぐことができる。
なお、図17で示した更新処理は、1遊技の終了時(または1遊技の開始時)にも行われる。このため、ベットボタン123の操作が有効化される前から、ベットボタン123が押下操作されていた場合でも、当該押下操作に基づくメダルのベットは行われない。換言すると、ベットボタン123の押下操作が、ベットボタン123の操作が無効化されている期間に開始され、ベットボタン123が押下操作され続けた状態でベットボタン23の操作が有効化された場合であっても、当該押下操作に基づくメダルのベットは行われない。例えば、ベットボタン123の操作が無効化される期間であるメダルの払い出し期間中にベットボタン123の押下操作を開始し、そのままの状態でベットボタン123の操作が有効化された場合であっても、当該押下操作に基づくメダルのベットは行われない。
また、図17で示した更新処理は、エラーからの復帰時に実行されるようにしてもよい。この場合、ベットボタン23の操作が無効化される期間であるエラー期間中にベットボタン123の押下操作を開始し、そのままの状態でベットボタン123の操作が有効化された場合であっても、当該押下操作に基づくメダルのベットは行われない。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、スロットマシンMの遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は、スロットマシンに限らず、パチンコ遊技機等の他の遊技機にも適用できる。
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
52 精算ボタン(精算操作部)
57 操作盤(十字ボタン)(演出設定操作部)
62 演出ボタン(演出操作部)
72 サブ制御基板(制御手段)

Claims (4)

  1. 精算に用いられる精算操作部と、演出に用いられる演出操作部と、演出の設定を含む操作に用いられる演出設定操作部と、演出の実行を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記精算操作部の操作に基づく遊技媒体の払い出し中は、前記演出設定操作部の操作を無効とし、前記演出操作部の操作を有効とすることを特徴とする遊技機。
  2. 精算に用いられる精算操作部と、演出に用いられる演出操作部と、演出の設定を含む操作に用いられる演出設定操作部と、演出の実行を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記精算操作部の操作に基づく遊技媒体の払い出しの完了が報知されている間、前記演出設定操作部の操作を無効とし、前記演出操作部の操作を有効とすることを特徴とする遊技機。
  3. 精算に用いられる精算操作部と、演出に用いられる演出操作部と、演出の設定を含む操作に用いられる演出設定操作部と、演出の実行を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記精算操作部の操作に基づく遊技媒体の払い出し中は、前記演出設定操作部の操作を無効とし、前記払い出しの完了が報知されている間は、前記演出操作部の操作を有効とすることを特徴とする遊技機。
  4. 精算に用いられる精算操作部と、演出に用いられる演出操作部と、演出の設定を含む操作に用いられる演出設定操作部と、演出の実行を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記精算操作部の操作に基づく遊技媒体の払い出し中は、前記演出操作部の操作を有効とし、前記払い出しの完了が報知されている間は、前記演出設定操作部の操作を無効とすることを特徴とする遊技機。
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