以下、本発明の一実施形態である車両システム10について添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
図1は、車両システム10の概略構成図である。
図1に示すように、車両システム10は、撮像装置20、制御部30、灯具ユニット40、レーンキープシステム50、人認識センサ60等を備えている。車両システム10は、自動車等の車両に搭載されている。以下、車両システム10が搭載された車両のことを自車V0という。
撮像装置20、灯具ユニット40及びレーンキープシステム50は、車載ネットワークNWを介して制御部30に接続されている。撮像装置20、灯具ユニット40及びレーンキープシステム50は、制御部30との間で車載ネットワークNWを介して所定プロトコルに従った通信を行う。所定プロトコルは、例えば、CAN(Controller Area Network)である。
撮像装置20は、図示しないが、自車V0前方を撮像するカメラを備える。カメラは、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子で、自車V0前方の路面上の白線や対象物(例えば、歩行者)等を含む画像を周期的に(例えば、30fps)撮像する。撮像装置20は、例えば、自車V0の車室内に設けられ、フロントガラス越しに自車V0前方を撮像する。
制御部30は、例えば、図示しないが、CPU、RAM、ROMを備えるECU(Electronic Control Unit)である。制御部30は、CPUがROMからRAMに読み込まれた所定プログラム(制御プログラム)を実行することで、図1に示すように、白線検出部31、角度算出部32、角度比較部33、検出結果送信部34、人検出部35、灯具ユニット制御部36として機能する。
まず、レーンキープ制御を行うための構成例について説明する。
レーンキープ制御とは、自車V0が走行中の車線から逸脱せず走行中の車線のほぼ中央を走行するように、自車V0に搭載されたステアリングアクチュエータ(図示略)を制御する処理のことである。
レーンキープ制御は、主に、白線検出部31、検出結果送信部34、レーンキープシステム50によって実現される。
白線検出部31は、撮像装置20によって撮像された画像に基づいて、自車V0前方の路面上の白線(例えば、白線の位置)を検出する白線検出処理を実行する。白線検出部31としては、例えば、国際公開第2013/133086号に記載のものを用いることができる。
検出結果送信部34は、白線検出部31によって検出された白線(例えば、白線の位置)を、車載ネットワークNWを介してレーンキープシステム50に送信する。
レーンキープシステム50は、白線検出部31によって検出された白線に基づいて、レーンキープ制御を実行する。具体的には、レーンキープシステム50は、検出結果送信部34から送信される白線(例えば、白線の位置)を受信し、当該受信した白線(例えば、白線の位置)に基づいて、自車V0が走行中の車線から逸脱せず走行中の車線のほぼ中央を走行するように、自車V0に搭載されたステアリングアクチュエータ(図示略)を制御する。レーンキープシステム50としては、例えば、国際公開第2013/133086号、特開2004−310522号公報に記載のものを用いることができる。
次に、レーンキープ制御の一例について、図2及び図5(a)を参照しながら説明する。
図2は、レーンキープ制御の一例を説明するためのフローチャートである。
図2に示す処理は、自車ドライバーがレーンキープ作動スイッチ(図示略)をオンした場合に開始し、レーンキープ作動スイッチをオフした場合に終了する。
以下、図5(a)に示すように、自車V0が直線道路(路面に描かれた二本の白線L1、L2の間の車線Lane)を走行している状況を例にして説明する。図5(a)は、自車V0が直線道路を矢印A方向に走行している状況を表す概略図である。
まず、自車V0のドライバーが車室内に設けられたレーンキープ作動スイッチをオンすると(ステップS10:Yes)、撮像装置20は、自車V0前方を撮像する(ステップS12)。ここでは、撮像装置20は、自車V0前方の路面上の白線L1、L2を含む画像を撮像する。
次に、白線検出部31は、撮像装置20によって撮像された画像に基づいて、自車V0前方の路面上の白線L1、L2(レーンキープ用の白線)を検出する白線検出処理を実行する(ステップS14)。ここでは、白線検出部31は、白線検出処理の結果、自車V0前方の路面上の白線L1、L2(例えば、白線L1、L2の位置)を検出する。
次に、自車V0前方の路面上の白線L1、L2が検出された場合(ステップS16:Yes)、検出結果送信部34は、白線検出部31によって検出された白線L1、L2(例えば、白線L1、L2の位置)を、車載ネットワークNWを介してレーンキープシステム50に送信する(ステップS18)。
次に、レーンキープシステム50は、白線検出部31によって検出された白線L1、L2(例えば、白線L1、L2の位置)に基づいて、レーンキープ制御を実行する(ステップS19)。具体的には、レーンキープシステム50は、検出結果送信部34から送信される白線L1、L2(例えば、白線L1、L2の位置)を受信し、当該受信した白線L1、L2(例えば、白線L1、L2の位置)に基づいて、自車V0が走行中の車線Laneから逸脱せず走行中の車線Laneのほぼ中央を走行するように、自車V0に搭載されたステアリングアクチュエータ(図示略)を制御する。
上記ステップS12〜S19は、撮像装置20が1フレーム分の画像を撮像するごとに実行される。
以上のようにしてレーンキープ制御が実行される。
次に、マーキングランプを実現するための構成例について説明する。
マーキングランプとは、自車V0前方の対象物(例えば、歩行者)が検出された場合、当該対象物と自車V0との間の路面上を照射して、自車V0前方の路面上に自車V0から当該検出された対象物に向かって延びる直線パターン(以下、路面強調標示ともいう)を形成するランプのことである。路面強調標示は、例えば、幅20cm程度かつ白色の直線パターンである。路面強調標示は、実線であってもよいし、点線であってもよいし、破線であってもよい。また、路面強調標示は、白色に限らず、他の色(例えば、黄色)であってもよい。図5(b)中の符号P1、P2が示す直線、及び、図6中の符号P3、P4が示す直線が路面強調標示の一例である。以下、路面強調標示P1と記載する。P2〜P4等についても同様である。
以下、対象物が歩行者である場合を例に説明する。なお、対象物は歩行者に限らず、自転車等の移動体であってもよいし、路上に設置された障害物等の固定物であってもよい。
マーキングランプは、主に、人検出部35、灯具ユニット制御部36、灯具ユニット40、人認識センサ60によって実現される。
人検出部35は、人認識センサ60からの検出信号に基づいて、自車V0前方の歩行者(歩行者の位置等)を検出する歩行者検出処理を実行する。人検出部35、人認識センサ60としては、公知のものを用いることができる。
灯具ユニット制御部36は、人検出部35によって検出された歩行者と自車V0との間の路面上を照射して自車V0から当該検出された歩行者に向かって延びる路面強調標示が形成されるように灯具ユニット40を制御する。
灯具ユニット40は、灯具ユニット制御部36からの制御に従って、人検出部35によって検出された歩行者と自車V0との間の路面上を照射して自車V0から当該検出された歩行者に向かって延びる路面強調標示を形成可能な配光可変型の灯具ユニットであればよく、その構成はどのようなものであってもよい。
灯具ユニット40は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を備えた灯具ユニットであってもよいし、DMD(Digital Mirror Device)を備えた灯具ユニットであってもよいし、マトリックス状に配置された複数光源を備えたダイレクトプロジェクション型(直射型ともいう)の灯具ユニットであってもよいし、その他の構成の灯具ユニットであってもよい。
MEMSを備えた灯具ユニットとしては、例えば、特開2015−38885号公報に記載のものを用いることができる。DMDを備えた灯具ユニットとしては、例えば、特開2017−206094号公報に記載のものを用いることができる。マトリックス状に配置された複数光源を備えたダイレクトプロジェクション型(直射型ともいう)の灯具ユニットとしては、例えば、特開2009−218211号公報に記載のものを用いることができる。
次に、マーキングランプの動作の一例について、図3及び図5(b)を参照しながら説明する。
図3は、マーキングランプの動作の一例を説明するためのフローチャートである。
図3に示す処理は、自車ドライバーがマーキングランプ作動スイッチ(図示略)をオンした場合に開始し、マーキングランプ作動スイッチをオフした場合に終了する。
以下、図5(b)に示すように、直線道路(路面に描かれた二本の白線L1、L2の間の車線Lane)を走行している自車V0の前方に歩行者Bが出現した状況を例にして説明する。図5(b)は、自車V0が路面強調標示P1、P2を形成している状況を表す概略図である。
まず、自車V0のドライバーが車室内に設けられたマーキングランプ作動スイッチをオンすると(ステップS20:Yes)、人検出部35は、人認識センサ60からの検出信号に基づいて、自車V0前方の歩行者Bを検出する歩行者検出処理を実行する(ステップS22)。ここでは、人検出部35は、歩行者検出処理の結果、自車V0前方の歩行者Bを検出する。
次に、歩行者Bが検出された場合(ステップS24:Yes)、灯具ユニット制御部36は、人検出部35によって検出された歩行者Bと自車V0との間の路面上を照射して自車V0から当該検出された歩行者Bに向かって延びる路面強調標示が形成されるように灯具ユニット40を制御する(ステップS26)。
例えば、図5(b)中、点線で描いた自車V0において、人認識センサ60からの検出信号に基づいて、人検出部35が歩行者Bを検出したとする。
この場合、灯具ユニット制御部36は、人検出部35によって検出された歩行者Bと自車V0との間の路面上を照射して自車V0から当該検出された歩行者Bに向かって延びる路面強調標示P1が形成されるように灯具ユニット40を制御する。これにより、灯具ユニット40は、灯具ユニット制御部36からの制御に従って、人検出部35によって検出された歩行者Bと自車V0との間の路面上を照射して自車V0から当該検出された歩行者Bに向かって延びる路面強調標示P1を形成する。
また例えば、図5(b)中、実線で描いた自車V0において、人認識センサ60からの検出信号に基づいて、人検出部35が歩行者Bを検出したとする。
この場合、灯具ユニット制御部36は、人検出部35によって検出された歩行者Bと自車V0との間の路面上を照射して自車V0から当該検出された歩行者Bに向かって延びる路面強調標示P2が形成されるように灯具ユニット40を制御する。これにより、灯具ユニット40は、灯具ユニット制御部36からの制御に従って、人検出部35によって検出された歩行者Bと自車V0との間の路面上を照射して自車V0から当該検出された歩行者Bに向かって延びる路面強調標示P2を形成する。
上記ステップS22〜S26は、マーキングランプ作動スイッチがオフされるまで繰り返し実行される。
路面強調標示の、基準線(例えば、ステップS14で検出された白線L1又はL2。以下、基準線L2という。)に対する角度は、自車V0と歩行者Bとの間の距離が近づくに従って大きくなる。
例えば、図5(b)に示すように、路面強調標示P1の、基準線L2に対する角度はαとなる。これに対して、路面強調標示P2の、基準線L2に対する角度はβ(β>α)となる。
次に、レーンキープシステム50がレーンキープ制御を実行中に自車V0前方の路面上に路面強調標示が形成された場合の問題点について説明する。
本発明者が検討したところ、レーンキープシステム50がレーンキープ制御を実行中に自車V0前方の路面上に路面強調標示が形成された場合、白線検出部31が当該路面強調標示を白線として検出するため、レーンキープ制御が正常に行われない、という問題があることが判明した。
次に、この問題を解決するための構成例について説明する。
この問題は、主に、角度算出部32、角度比較部33によって解決される。
角度算出部32は、レーンキープシステム50がレーンキープ制御を実行中に、撮像装置20によって撮像された第1画像F(t−1)に基づいて、白線検出部31がレーンキープ制御に用いられている白線以外の第1類似線(例えば、図5(b)中の路面強調標示P1)を検出した場合、当該第1類似線の、基準線L2に対する第1角度(例えば、図5(b)中の角度α)を算出する。
また、角度算出部32は、レーンキープシステム50がレーンキープ制御を実行中に、撮像装置20によって撮像された第1画像F(t−1)より後に撮像された第2画像F(t)に基づいて、白線検出部31がレーンキープ制御に用いられている白線以外の第2類似線(例えば、図5(b)中の路面強調標示P2)を検出した場合、当該第2類似線の、基準線L2に対する第2角度(例えば、図5(b)中の角度β)を算出する。なお、第1画像F(t−1)、第2画像F(t)は、フレームと呼ばれることもある。
具体的には、第1角度及び第2角度は、次のようにして算出することができる。
例えば、図5(b)中、点線で描いた自車V0において、撮像装置20が路面強調標示P1を含む画像F(t−1)を撮像し、当該画像F(t−1)に基づいて、白線検出部31が路面強調標示P1を検出したとする。
この場合、路面強調標示P1の、基準線L2に対する第1角度αは、次の式で算出することができる。但し、Dは自車V0と歩行者Bとの距離、Hは自車V0と歩行者Bとの間隔である。なお、D、Hは、撮像装置20によって撮像された画像に基づいて検出してもよいし、他のセンサからのセンサ信号に基づいて検出してもよい。
また例えば、図5(b)中、実線で描いた自車V0において、撮像装置20が路面強調標示P2を含む画像F(t)を撮像し、当該画像F(t)に基づいて、白線検出部31が路面強調標示P2を検出したとする。
この場合、路面強調標示P2の、基準線L2に対する第2角度βは、次の式で算出することができる。但し、Vfは画像F(t−1)が撮像されてから次の画像F(t)が撮像されるまでの間に自車V0が進行した距離、Sは画像F(t−1)が撮像されてから次の画像F(t)が撮像されるまでの間に歩行者Bが進行した距離である。なお、Vf、Sは、撮像装置20によって撮像された画像に基づいて検出してもよいし、他のセンサからのセンサ信号に基づいて検出してもよい。
また例えば、図6中、点線で描いた自車V0において、撮像装置20が対向車V1から照射される光によって自車V0前方の路面上に形成された路面強調標示P3を含む画像F(t−1)を撮像し、当該画像F(t−1)に基づいて、白線検出部31が路面強調標示P3を検出したとする。
この場合、路面強調標示P3の、基準線L2に対する第1角度γは、次の式で算出することができる。但し、X1は類似線認識距離、つまり、自車V0と、路面強調標示P3と基準線L2との交点と、の距離、hは自車V0と白線L2との間隔である。なお、X1、hは、撮像装置20によって撮像された画像に基づいて検出してもよいし、他のセンサからのセンサ信号に基づいて検出してもよい。
また例えば、図6中、実線で描いた自車V0において、撮像装置20が対向車V1から照射される光によって自車V0前方の路面上に形成された路面強調標示P4を検出したとする。
この場合、路面強調標示P4の、基準線L2に対する第2角度εは、次の式で算出することができる。
角度比較部33は、角度算出部32によって算出された第1角度αと第2角度βと(又は第1角度γと第2角度εと)を比較する。
次に、レーンキープシステム50がレーンキープ制御を実行中に自車V0前方の路面上に路面強調標示が形成された場合の動作例1について、図4、図5(b)を参照しながら説明する。
図4は、レーンキープシステム50がレーンキープ制御を実行中に自車V0前方の路面上に路面強調標示が形成された場合の動作例について説明するためのフローチャートである。
まず、図5(b)中、点線で描いた自車V0において、撮像装置20が自車V0前方を撮像する。ここでは、撮像装置20は、自車V0(灯具ユニット40)から照射される光によって自車V0前方の路面上に形成された路面強調標示P1を含む第1画像F(t−1)を撮像する。
次に、白線検出部31は、撮像装置20によって撮像された第1画像F(t−1)に基づいて、レーンキープ制御に用いられている白線L1、L2以外の第1類似線を検出する類似線検出処理を実行する(ステップS32)。ここでは、白線検出部31は、類似線検出処理の結果、第1類似線として路面強調標示P1を検出する。
次に、第1類似線(路面強調標示P1)が検出された場合(ステップS34:Yes)、角度算出部32は、ステップS32で検出された第1類似線(路面強調標示P1)の、基準線L2に対する第1角度αを算出する(ステップS36)。
次に、図5(b)中、実線で描いた自車V0において、撮像装置20が自車V0前方を撮像する。ここでは、撮像装置20は、自車V0(灯具ユニット40)から照射される光によって自車V0前方の路面上に形成された路面強調標示P2を含む第2画像F(t)を撮像する。
次に、白線検出部31は、撮像装置20によって撮像された第2画像F(t)に基づいて、レーンキープ制御に用いられている白線L1、L2以外の第2類似線を検出する類似線検出処理を実行する(ステップS38)。ここでは、白線検出部31は、類似線検出処理の結果、第2類似線として路面強調標示P2を検出する。
次に、第2類似線(路面強調標示P2)が検出された場合(ステップS40:Yes)、角度算出部32は、ステップS38で検出された第2類似線(路面強調標示P2)の、基準線L2に対する第2角度βを算出する(ステップS42)。
次に、角度比較部33は、角度算出部32によって算出された第1角度αと第2角度βとを比較する(ステップS44)。
その結果、第1角度αと第2角度βが異なる場合(ステップS46:Yes)、例えば、第1角度αと第2角度βとの差が予め定められた角度を超える場合、白線検出部31は、類似線(路面強調標示P1、P2)を白線として検出しない(ステップS48)。この場合、検出結果送信部34は、類似線(路面強調標示P1、P2)の位置をレーンキープシステム50に送信しない。
一方、第1角度αと第2角度βが相違しない場合(ステップS46:No)、例えば、第1角度αと第2角度βとの差が予め定められた角度以下の場合(自車V0が動いていない又は非常に遅い速度で走行している場合)、白線検出部31は、類似線(路面強調標示P1、P2)を白線として検出する(ステップS50)。
次に、レーンキープシステムの再演算(例えば、ステップS14〜S19と同様の処理)を実行する(ステップS52)。具体的には、まず、白線検出部31は、S14で検出された自車V0前方の路面上の白線L1、L2及びS50で白線として検出された類似線のうち、レーンキープ用の白線(例えば、白線L1、L2)を検出する白線検出処理を実行する(ステップS14に相当)。
次に、自車V0前方の路面上の白線L1、L2が検出された場合(ステップS16:Yes)、検出結果送信部34は、白線検出部31によって検出された白線L1、L2(例えば、白線L1、L2の位置)を、車載ネットワークNWを介してレーンキープシステム50に送信する(ステップS18)。
次に、レーンキープシステム50は、白線検出部31によって検出された白線L1、L2(例えば、白線L1、L2の位置)に基づいて、レーンキープ制御を実行する(ステップS19)。具体的には、レーンキープシステム50は、検出結果送信部34から送信される白線L1、L2(例えば、白線L1、L2の位置)を受信し、当該受信した白線L1、L2(例えば、白線L1、L2の位置)に基づいて、自車V0が走行中の車線Laneから逸脱せず走行中の車線Laneのほぼ中央を走行するように、自車V0に搭載されたステアリングアクチュエータ(図示略)を制御する。
本動作例1によれば、自車V0前方の路面上に形成された直線パターン(路面強調標示P1、P2)が白線として検出されるのを抑制することができる。
これは、レーンキープシステム50がレーンキープ制御を実行中に検出された第1類似線(路面強調標示P1)の、基準線L2に対する第1角度αと、第2類似線(路面強調標示P2)の、基準線L2に対する第2角度βとが異なる場合、白線検出部31は、第1類似線及び第2類似線(路面強調標示P1、P2)を白線として検出しないことによるものである。
次に、レーンキープシステム50がレーンキープ制御を実行中に自車V0前方の路面上に路面強調標示が形成された場合の動作例2について、図4、図6を参照しながら説明する。
まず、図6中、点線で描いた自車V0において、撮像装置20が自車V0前方を撮像する。ここでは、撮像装置20は、対向車V1から照射される光によって自車V0前方の路面上に形成された路面強調標示P3を含む第1画像F(t−1)を撮像する。
次に、白線検出部31は、撮像装置20によって撮像された第1画像F(t−1)に基づいて、レーンキープ制御に用いられている白線L1、L2以外の第1類似線を検出する類似線検出処理を実行する(ステップS32)。ここでは、白線検出部31は、類似線検出処理の結果、第1類似線として路面強調標示P3を検出する。
次に、第1類似線(路面強調標示P3)が検出された場合(ステップS34:Yes)、角度算出部32は、ステップS32で検出された第1類似線(路面強調標示P3)の、基準線L2に対する第1角度γを算出する(ステップS36)。
次に、図6中、実線で描いた自車V0において、撮像装置20が自車V0前方を撮像する。ここでは、撮像装置20は、対向車V1から照射される光によって自車V0前方の路面上に形成された路面強調標示P4含む第2画像F(t)を撮像する。
次に、白線検出部31は、撮像装置20によって撮像された第2画像F(t)に基づいて、レーンキープ制御に用いられている白線L1、L2以外の第2類似線を検出する類似線検出処理を実行する(ステップS38)。ここでは、白線検出部31は、類似線検出処理の結果、第2類似線として路面強調標示P4を検出する。
次に、第2類似線(路面強調標示P4)が検出された場合(ステップS40:Yes)、角度算出部32は、ステップS38で検出された第2類似線(路面強調標示P4)の、基準線L2に対する第2角度εを算出する(ステップS42)。
次に、角度比較部33は、角度算出部32によって算出された第1角度γと第2角度εとを比較する(ステップS44)。
その結果、第1角度γと第2角度εが異なる場合(ステップS46:Yes)、例えば、第1角度γと第2角度εとの差が予め定められた角度を超える場合、白線検出部31は、類似線(路面強調標示P3、P4)を白線として検出しない(ステップS48)。この場合、検出結果送信部34は、類似線(路面強調標示P3、P4)の位置をレーンキープシステム50に送信しない。
一方、第1角度γと第2角度εが相違しない場合(ステップS46:No)、例えば、第1角度γと第2角度εとの差が予め定められた角度以下の場合、白線検出部31は、類似線(路面強調標示P3、P4)を白線として検出する(ステップS50)。
次に、レーンキープシステムの再演算(例えば、ステップS14〜S19と同様の処理)を実行する(ステップS52)。具体的には、まず、白線検出部31は、S14で検出された自車V0前方の路面上の白線L1、L2及びS50で白線として検出された類似線のうち、レーンキープ用の白線(例えば、白線L1、L2)を検出する白線検出処理を実行する(ステップS14に相当)。
次に、自車V0前方の路面上の白線L1、L2が検出された場合(ステップS16:Yes)、検出結果送信部34は、白線検出部31によって検出された白線L1、L2(例えば、白線L1、L2の位置)を、車載ネットワークNWを介してレーンキープシステム50に送信する(ステップS18)。
次に、レーンキープシステム50は、白線検出部31によって検出された白線L1、L2(例えば、白線L1、L2の位置)に基づいて、レーンキープ制御を実行する(ステップS19)。具体的には、レーンキープシステム50は、検出結果送信部34から送信される白線L1、L2(例えば、白線L1、L2の位置)を受信し、当該受信した白線L1、L2(例えば、白線L1、L2の位置)に基づいて、自車V0が走行中の車線Laneから逸脱せず走行中の車線Laneのほぼ中央を走行するように、自車V0に搭載されたステアリングアクチュエータ(図示略)を制御する。
本動作例2によれば、自車V0前方の路面上に形成された直線パターン(路面強調標示P3、P4)が白線として検出されるのを抑制することができる。
これは、レーンキープシステム50がレーンキープ制御を実行中に検出された第1類似線(路面強調標示P3)の、基準線L2に対する第1角度γと、第2類似線(路面強調標示P4)の、基準線L2に対する第2角度εとが異なる場合、白線検出部31は、第1類似線及び第2類似線(路面強調標示P3、P4)を白線として検出しないことによるものである。
以上説明したように、本実施形態によれば、自車V0前方の路面上に形成された直線パターン(例えば、路面強調標示P1〜P4)が白線として検出されるのを抑制することができる車両システム10を提供することができる。
次に、変形例について説明する。
上記実施形態では、角度算出部32によって算出される角度の基準となる基準線が白線(例えば、ステップS14で検出された白線L1又はL2)である例について説明した(図5(a)に示すように、自車V0が直線路を走行している場合)が、これに限らない。
例えば、図7に示すように、自車V0がカーブを走行している場合、角度算出部32によって算出される角度の基準となる基準線は自車V0中心を通り、かつ、カーブに対して接する接線L3、L4であってもよい。図7は、自車V0がカーブを走行している場合の基準線を説明するための図である。具体的には、図7中、点線で描いた自車V0において、角度算出部32は、自車V0(灯具ユニット40)から照射される光によって自車V0前方の路面上に形成された路面強調標示P5の、基準線(自車V0を通り、かつ、カーブに対して接する接線L3)に対する第1角度αを算出する。また、図7中、実線で描いた自車V0において、角度算出部32は、自車V0(灯具ユニット40)から照射される光によって自車V0前方の路面上に形成された路面強調標示P6の、基準線(自車V0を通り、かつ、カーブに対して接する接線L4)に対する第1角度βを算出する。
そして、第1角度αと第2角度βが異なる場合(ステップS46:Yes)、例えば、第1角度αと第2角度βとの差が予め定められた角度を超える場合、白線検出部31は、類似線(路面強調標示P5、P6)を白線として検出しない(ステップS48)。
また、上記実施形態では、白線検出部31が、類似線として、第1類似線及び第2類似線の2つの類似線(例えば、路面強調標示P1、P2)を検出する例について説明したが、これに限らない。例えば、白線検出部31は、類似線として、3つ以上の類似線を検出してもよい。
次に、図8を参照しながら、3つの類似線を検出する例について説明する。
図8は、3つの類似線を検出する例を説明するための概略図である。
図8中、点線で描いた自車V0において、白線検出部31は、レーンキープ制御に用いられている白線L1、L2以外の第1類似線として自車V0(灯具ユニット40)から照射される光によって自車V0前方の路面上に形成された路面強調標示P7を検出する。また、角度算出部32は、第1類似線(路面強調標示P7)の、基準線L2に対する第1角度αを算出する。
また、図8中、実線で描いた自車V0において、白線検出部31は、レーンキープ制御に用いられている白線L1、L2以外の第2類似線として自車V0(灯具ユニット40)から照射される光によって自車V0前方の路面上に形成された路面強調標示P8を検出し、第3類似線として対向車V1から照射される光によって自車V0前方の路面上に形成された路面強調標示P9を検出する。また、角度算出部32は、第2類似線(路面強調標示P8)の、基準線L2に対する第2角度β、及び、第3類似線(路面強調標示P9)の、基準線L2に対する第3角度γを算出する。
そして、角度比較部33は、角度算出部32によって算出された第1角度αと第2角度βと第3角度γを比較する。その結果、角度αと角度βが異なり、かつ、角度αと角度γが異なる場合、白線検出部31は、類似線(路面強調標示P7、P8、P9)を白線として検出しない。
本変形例によれば、3つの類似線が検出された場合であっても、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
次に、図9を参照しながら、4つの類似線を検出する例について説明する。
図9は、4つの類似線を検出する例を説明するための概略図である。
図9中、点線で描いた自車V0において、白線検出部31は、レーンキープ制御に用いられている白線L1、L2以外の第1類似線として自車V0(灯具ユニット40)から照射される光によって自車V0前方の路面上に形成された路面強調標示P10を検出し、第2類似線として対向車V1から照射される光によって自車V0前方の路面上に形成された路面強調標示P12を検出する。また、角度算出部32は、第1類似線(路面強調標示P10)の、基準線L2に対する第1角度α1、及び、第2類似線(路面強調標示P12)の、基準線L2に対する第2角度γ1を算出する。
また、図9中、実線で描いた自車V0において、白線検出部31は、レーンキープ制御に用いられている白線L1、L2以外の第3類似線として自車V0から照射される光によって自車V0前方の路面上に形成された路面強調標示P11を検出し、第4類似線として対向車V1から照射される光によって自車V0前方の路面上に形成された路面強調標示P13を検出する。また、角度算出部32は、第3類似線(路面強調標示P11)の、基準線L2に対する第3角度α2、及び、第4類似線(路面強調標示P13)の、基準線L2に対する第4角度γ2を算出する。
そして、角度比較部33は、角度算出部32によって算出された第1角度α1と第2角度γ1と第3角度α2と第4角度γ2を比較する。その結果、角度α1と角度α2が異なり、かつ、角度α1と角度γ2が異なる場合、白線検出部31は、類似線(路面強調標示P10、P11、P12、P13)を白線として検出しない。
なお、角度α1=角度γ1(つまり、路面強調標示P10とP12が平行)で、角度α1と角度α2が異なり、かつ、角度α1と角度γ2が異なる場合、白線検出部31は、類似線(路面強調標示P10、P11、P12、P13)を白線として検出しないようにしてもよい。
本変形例によれば、4つの類似線が検出された場合であっても、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
上記各実施形態で示した各数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値を用いることができるのは無論である。
上記各実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。上記各実施形態の記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。