JP2020016845A - フォトマスクおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】狭パターン化されても、静電破壊発生を防止する。【解決手段】透明基板2と、透明基板の表面に形成されクロムを主成分とする遮光層3Bから形成された遮光パターン3と、遮光パターンのない透光領域2Aに少なくとも形成された帯電防止層6と、を有するフォトマスク1で、帯電防止層が、クロムを含む。【選択図】図1

Description

本発明はフォトマスクおよびその製造方法に関し、特に、帯電防止に用いて好適な技術に関する。
FPD(flat panel display,フラットパネルディスプレイ)の製造等に用いられる大板用のフォトマスクは、ガラス基板上にクロム等の金属を含む遮光膜や半透過膜を成膜したマスクブランクスにパターニングプロセスを施すことで、所望のパターンが形成されたバイナリマスクとして形成される。
このように製造されたフォトマスクは、透明基板の露出した遮光パターンの配置されていない透光領域と、透明基板にクロムを含む遮光層が積層された遮光領域と、が隣接して配置される。
このようなフォトマスクでは、フォトマスク中に静電気が蓄積されて、部分的に静電破壊が発生することがあり、これが問題になっている。フォトマスク中に静電気が蓄積されるのは、フォトマスクの製造プロセス中やフォトマスクの洗浄中あるいはフォトマスクの搬送中等が考えられる。
近年、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイのいずれにおいてもパネルの高精細化が大きく進行しており、それに伴いフォトマスクの微細化も進展している。その結果、フォトマスクが微細化されることで孤立したパターンの間の距離が小さくなるために、静電破壊の発生確率が高くなるという問題が生じている。
さらに、FPD等の大型化にともない、フォトマスクが大板化してその面積が大きくなることにより、静電破壊の発生数そのものが増大するという問題が生じている。
このような問題を解決するため、フォトマスクを構成する遮光膜や半透過膜の下部あるいは上部に透明導電膜を形成することで、マスクにおいて孤立パターンを形成しないという技術が、特許文献1および特許文献2に記載されている。
特開2008−241921号公報 特開2009−086383号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の技術では、フォトマスクの形成工程あるいは洗浄工程において、用いられる酸溶液あるいはアルカリ溶液により、透明導電膜がエッチングされてなくなることで導電性が低下して静電破壊が発生してしまうという問題があった。
これを防止しようとして、酸溶液あるいはアルカリ溶液によってなくならないように、透明導電膜の膜厚を増大させた場合、透光領域における光学特性に影響を与えてしまうため、フォトマスクとして好適に使用できない場合があるという問題があった。
さらに、近年では、上述したFPD等の大型化にともない、大板化して面積が大きくなったマスクにおけるパーティクル発生を確実に防止するためには、強い洗浄力が必要なため、洗浄処理におけるエッチングによって透明導電膜がほとんどなくなってしまう。このため、静電破壊防止に必要な導電性は全く得られない。
つまり、透明導電膜による静電破壊防止は、実質的に効果がない技術となっている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
1.フォトマスクにおける静電破壊の発生を防止すること。
2.フォトマスクにおける光学特性の低下を防止すること。
3.パターン微細化に対応して、静電破壊の発生を防止すること。
4.強化された洗浄に対応して、静電破壊の発生を防止すること。
本願発明者らは、鋭意検討の結果、洗浄工程における耐薬性を有し、フォトマスクの透過率に影響を与えない導電膜を少なくとも透光領域に形成することで、静電破壊の発生率を抑制できることを見出した。
つまり、パターン形成後のフォトマスクに、透光領域に形成しても透過率が低下せず、洗浄工程における耐薬性を有し、静電破壊を防止可能な導電性を有する帯電防止層を形成することにより上記課題が解決可能であることを知見した。
さらに、本願発明者らは、鋭意検討の結果、狭マスクパターンである場合に、マスクパターンどうしの対向する面積を増大して、対向するパターン側面の間で形成される静電容量を増大することで、静電破壊の発生率を抑制できることを見出した。
具体的には、本発明のフォトマスクは、透明基板と、
該透明基板の表面に形成されクロムを主成分とする遮光層から形成された遮光パターンと、
前記遮光パターンのない透光領域に少なくとも形成された帯電防止層と、
を有し、
前記帯電防止層が、クロムを含むことにより上記課題を解決した。
本発明のフォトマスクは、前記帯電防止層の膜厚が、1.0〜2.5nmの範囲に設定されることが好ましい。
また、本発明のフォトマスクは、前記帯電防止層の波長405nmの透過光に対する透過率が、80%以上に設定される手段を採用することもできる。
また、本発明のフォトマスクは、前記帯電防止層のシート抵抗が、1MΩ/sqより小さく設定されることができる。
また、本発明のフォトマスクは、前記帯電防止層が、クロムに加えて酸素を含むことができる。
また、本発明のフォトマスクは、前記帯電防止層が、クロムに加えて炭素を含むことができる。
また、本発明のフォトマスクは、前記帯電防止層が、クロムに加えて窒素を含むことができる。
また、本発明のフォトマスクの製造方法は、上記のいずれか記載のフォトマスクの製造方法であって、
前記透明基板の表面に前記遮光層を形成する遮光層形成工程と、
前記遮光層から前記遮光パターンを形成するパターン形成工程と、
前記パターン形成工程後に前記帯電防止層を形成する帯電防止層形成工程と、
を有することが好ましい。
本発明のフォトマスクの製造方法においては、前記遮光層の膜厚が、135nm以上に設定されることができる。
具体的には、本発明のフォトマスクは、透明基板と、
該透明基板の表面に形成されクロムを主成分とする遮光層から形成された遮光パターンと、
前記遮光パターンのない透光領域に少なくとも形成された帯電防止層と、
を有し、
前記帯電防止層が、クロムを含むことにより、透明基板に離間して形成されている遮光パターンどうしを、透光領域に形成された帯電防止層によって電気的に互いに接続して、離間した遮光パターンの間における静電電位を等しくすることができる。これにより、電位差が発生して、フォトマスクの遮光パターンが静電破壊することを防止できる。
また、クロムを含む帯電防止層によって、離間した遮光パターンを電気的に接続することにより、フォトマスクの洗浄工程において洗浄液によって帯電防止層がなくなってしまい、離間した遮光パターンどうしが電気的に接続されなくなり、静電破壊が発生することを防止できる。
なお、帯電防止層は、透光領域だけでなく遮蔽領域にも形成されていてもよい。
本発明のフォトマスクは、前記帯電防止層の膜厚が、1.0〜2.5nmの範囲に設定されることにより、帯電防止層の形成された透光領域において、透過する透過光の透過率が低減してしまうことを防止できる。
同時に、透光領域に形成された帯電防止層によって電気的に互いに接続して、離間した遮光パターンの間における静電電位を等しくするために必要な導電性を有することができる。
さらに、透光領域において帯電防止層の充分な耐薬性を維持し、フォトマスクの洗浄工程において洗浄液によって帯電防止層がなくなってしまい、離間した遮光パターンどうしが電気的に接続されなくなり、静電破壊が発生することを防止できる。
また、本発明のフォトマスクは、前記帯電防止層の波長405nmの透過光に対する透過率が、80%以上に設定されることにより、帯電防止層の形成された透光領域において、透過する透過光の透過率が低減してしまうことを防止できる。
また、本発明のフォトマスクは、前記帯電防止層のシート抵抗が、1MΩ/sqより小さく設定されることにより、透光領域に形成された帯電防止層によって電気的に互いに接続して、離間した遮光パターンの間における静電電位を等しくするために必要な導電性を有することができる。
また、本発明のフォトマスクは、前記帯電防止層が、クロムに加えて酸素を含むことにより、帯電防止層における充分な透過率を維持するとともに、帯電防止層の充分な耐薬性を維持することができる。
また、本発明のフォトマスクは、前記帯電防止層が、クロムに加えて炭素を含むことにより、帯電防止層における充分な導電率を維持するとともに、帯電防止層の充分な耐薬性を維持することができる。
また、本発明のフォトマスクは、前記帯電防止層が、クロムに加えて窒素を含むことにより、帯電防止層における充分な透過率を維持するとともに、帯電防止層の充分な耐薬性および充分な耐酸化性を維持することができる。
また、本発明のフォトマスクの製造方法は、上記のいずれか記載のフォトマスクの製造方法であって、
前記透明基板の表面に前記遮光層を形成する遮光層形成工程と、
前記遮光層から前記遮光パターンを形成するパターン形成工程と、
前記パターン形成工程後に前記帯電防止層を形成する帯電防止層形成工程と、
を有することにより、遮光パターンの形成された透明基板に帯電防止層を形成して、離間して形成されている遮光パターンどうしを、透光領域に形成された帯電防止層によって電気的に互いに接続して、離間した遮光パターンの間における静電電位の等しいフォトマスクを製造することができる。これにより、離間している遮光パターンの間で電位差が発生して、フォトマスクの遮光パターンが静電破壊することを防止できる。
本発明のフォトマスクの製造方法においては、前記遮光層の膜厚が、135nm以上に設定されることにより、透光領域を介して離間して形成された遮光パターンどうしにおいて、透光領域に露出して対向した帯電防止層の側面の面積を増大して、透光領域に対向した帯電防止層の側面の間で形成された静電容量を大きくすることができる。これにより、挟パターン化により、透光領域を介して離間した遮光パターン側面の間の距離が減少した状態であっても、離間した遮光パターンの間に帯電量が、帯電防止層の側面どうしによって形成された静電容量に対して過帯電となり、放電してしまうことを防止できる。これにより、離間している遮光パターンの間で電位差が発生しても、遮光パターンが静電破壊することを防止できる。
本発明によれば、充分な透過率と導電率と耐薬性とを有する帯電防止層を有して、挟パターン化、および、高洗浄力の洗浄液に対応可能で、静電破壊の発生を防止できるという効果を奏することが可能となる。
本発明に係るフォトマスクスの第1実施形態を示す断面図である。 本発明に係るフォトマスクスの製造方法の第1実施形態におけるマスクブランクスを示す断面図である。 本発明に係るフォトマスクスの製造方法の第1実施形態を示すフローチャートである。 本発明に係るフォトマスクスの製造方法の第1実施形態における成膜装置を示す模式図である。 本発明に係るフォトマスクスの製造方法の第1実施形態における製造工程を示す断面図である。 本発明に係るフォトマスクスの第2実施形態を示す断面図である。 本発明に係るフォトマスクスの第3実施形態を示す断面図である。 本発明に係るフォトマスクスの第3実施形態における静電容量を説明する断面図である。 フォトマスクスにおける静電容量を説明する断面図である。 本発明の実施例としての遮光パターンを示す平面図である。 本発明の実施例としての帯電防止層におけるシート抵抗と膜厚との関係を示すグラフである。 本発明の実施例としての帯電防止層における透過率と膜厚との関係を示すグラフである。
以下、本発明に係るフォトマスクスおよびその製造方法の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態におけるフォトマスクスを示す断面図であり、図2は、本実施形態におけるフォトマスクスを製造するマスクブランクスを示す断面図であり、図において、符号1は、フォトマスクである。
本実施形態に係るフォトマスク1は、図1に示すように、ガラス基板(透明基板)2に積層された遮光層3Bにパターン形成された遮光パターン3と、遮光層3Bが除去されてガラス基板2の露出した透光領域2Aと、これら遮光パターン3および透光領域2Aに積層された帯電防止層6と、を有する。
本実施形態に係るフォトマスク1は、図2に示すように、後述するように、ガラス基板(透明基板)2に遮光層3Bが積層されたマスクブランク1Bから製造される。
透明基板2としては、透明性および光学的等方性に優れた材料が用いられ、例えば、石英ガラス基板を用いることができる。透明基板2の大きさは特に制限されず、当該マスクを用いて露光する基板(例えばLCD(液晶ディスプレイ)、プラズマディスプレイ、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイなどのFPD用基板等)に応じて適宜選定される。本実施形態では、一辺100mm程度から、一辺2000mm以上の矩形基板に適用可能であり、さらに、厚み数mmの基板や、厚み10mm以上の基板も用いることができる。
また、透明基板2の表面を研磨することで、透明基板2のフラットネスを低減するようにしてもよい。透明基板2のフラットネスは、例えば、20μm以下とすることができる。これにより、マスクの焦点深度が深くなり、微細かつ高精度なパターン形成に大きく貢献することが可能となる。さらにフラットネスは10μm以下と、小さい方が良好である。
遮光層3Bは、Cr(クロム)を主成分とするものであり、さらに、C(炭素)およびN(窒素)を含むものとされる。さらに、遮光層3Bが厚み方向に異なる組成を有することもでき、この場合、遮光層3Bとして、Cr単体、並びにCrの酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、炭化窒化物および酸化炭化窒化物から選択される1つ、または、2種以上を積層して構成することもできる。
遮光層3Bにおいては、後述するように、所定の光学特性および抵抗率が得られるようにその厚み、および、Cr,N,C,O等の組成比(atm%)が設定される。
遮光層3Bにおいては、透明基板2から厚さ方向に離間する部分が組成の異なる中間層とされることもできる。
この中間層は、厚さ方向における遮光層3Bの透明基板2側と同様に、Cr(クロム)を含有するものであり、さらに、C(炭素)を含むものとされる。中間層においては、後述するように、遮光層3Bおよび反射防止層よりも高い炭素含有率(炭素濃度)となるように設定されてもよい。具体的には、炭素含有率(炭素濃度)が14.5atm%以上とされてよく、遮光層3Bおよび反射防止層における炭素含有率(炭素濃度)の2倍以上とされることができる。
遮光層3Bにおいては、透明基板2から厚さ方向に離間した最表面側となる部分が組成の異なる反射防止層とされることもできる。
反射防止層は、厚さ方向における遮光層3Bの透明基板2側と同様に、O(酸素)を含有するクロム酸化膜とされるが、さらに、N(窒素)を含有することができる。反射防止層の膜厚は、露光工程においてマスクとして用いられる際の露光波長、および、露光波長に規定される必要な光学特性、反射率、等により設定される。例えば、厚み25nm程度として設定されることができる。同時に、その反射率を設定するために、酸素含有率も所定範囲とされることが必要である。具体的には、酸素含有率が30atm%程度、あるいはそれ以上の酸素含有率となるように設定される。
本実施形態のフォトマスク1は、例えばFPD用ガラス基板に対するパターニング用のフォトマスクとされ、フォトマスク1を製造する際に、マスクブランク1Bを適用することができる。
また、本実施形態のマスクブランク1Bは、遮光層3Bの膜厚が135nm以上、好ましくは、150nm以上、さらに好ましくは200nm以上とされる。
また、本実施形態のマスクブランク1Bは、遮光層3Bのシート抵抗が10Ω/sq程度となるように設定されている。このシート抵抗は、遮光層3Bの膜厚によって設定される。
帯電防止層6は、Cr(クロム)を主成分とするものであり、さらに、O(酸素)、C(炭素)およびN(窒素)を含むものとされる。帯電防止層6は、Crの酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、炭化窒化物および酸化炭化窒化物から選択される1つとして構成することもできる。
帯電防止層6におけるCr,O,C,Nの組成比は、次の膜厚、透過率、シート抵抗が所定の範囲となるように設定される。
なお、帯電防止層6におけるCr,O,C,Nの組成比は、
Cr;23.8−26.5%、
O;43.3−44.9%、
N;18.0−21.2%、
C;10.1−12.2%
とすることができる。
帯電防止層6の膜厚は、1.0〜2.5nmの範囲に設定される。帯電防止層6においては、その波長405nmの透過光に対する透過率が80%以上に設定される。帯電防止層6のシート抵抗が、1MΩ/sqより小さく設定される。
帯電防止層6は、透光領域2Aにおいて、両側の遮光パターン3,3を電気的に接続していればよく、必要な光学特性を満たしていれば、遮光パターン3,3の上側である遮光領域には積層されていなくてもよい。
以下、本実施形態におけるフォトマスクの製造方法について、図面に基づいて説明する。
図3は、本実施形態におけるフォトマスクの製造装置を示す模式図であり、図4は、本実施形態におけるフォトマスクの製造装置を示す模式図である。
本実施形態におけるフォトマスクの製造方法は、図3に示すように、ガラス基板2の表面に遮光層3Bを形成する遮光層形成工程S1と、遮光層3Bから遮光パターン3を形成するパターン形成工程S2と、パターン形成工程後に帯電防止層6を形成する帯電防止層形成工程S3と、を有する。
本実施形態におけるマスクブランク1Bは、図3に示す遮光層形成工程S1において、図4に示す製造装置により製造される。
図4に示す製造装置S10は、インターバック式のスパッタリング装置とされ、ロード室S11、アンロード室S16と、ロード室S11に密閉手段S17を介して接続されるとともに、アンロード室S11に密閉手段S18を介して接続された成膜室(真空処理室)S12とを有するものとされる。
ロード室S11には、外部から搬入されたガラス基板2を成膜室S12へと搬送する搬送手段S11aと、この室内を粗真空引きするロータリーポンプ等の排気手段S11fが設けられるとともに、アンロード室S16には、成膜室S12から成膜の完了したガラス基板2を外部へと搬送する搬送手段S16aと、この室内を粗真空引きするロータリーポンプ等の排気手段S16fが設けられる。
成膜室S12には、基板保持手段S12aと、3つの成膜処理に対応した手段として3段の成膜手段S13,S14,S15が設けられている。
基板保持手段S12aは、搬送手段S11aによって搬送されてきたガラス基板2を、成膜中にターゲットS12bと対向するようにガラス基板11を保持するとともに、ガラス基板2をロード・アンロード室S11からの搬入およびロード・アンロード室S11へ搬出可能とされている。
成膜室S12のロード室S11側位置には、3段の成膜手段S13,S14,S15のうち1段目の成膜材料を供給する成膜手段S13として、ターゲットS13bを有するカソード電極(バッキングプレート)S13cと、バッキングプレートS13cに負電位のスパッタ電圧を印加する電源S13dと、成膜室S12内でカソード電極(バッキングプレート)S13c付近に重点的にガスを導入するガス導入手段S13eと、成膜室S12内でカソード電極(バッキングプレート)S13c付近を重点的に高真空引きするターボ分子ポンプ等の高真空排気手段S13fと、が設けられている。
また、成膜室S12のロード室S11とアンロード室S16との中間位置には、3段の成膜手段13,S14,S15のうち2段目の成膜材料を供給する成膜手段1S4として、ターゲットS14bを有するカソード電極(バッキングプレート)S14cと、バッキングプレートS14cに負電位のスパッタ電圧を印加する電源S14dと、成膜室S12内でカソード電極(バッキングプレート)S14c付近に重点的にガスを導入するガス導入手段S14eと、成膜室S12内でカソード電極(バッキングプレート)S14c付近を重点的に高真空引きするターボ分子ポンプ等の高真空排気手段S14fと、が設けられている。
さらに、成膜室S12のアンロード室S16側位置には、3段の成膜手段S13,S14,S15のうち3段目の成膜材料を供給する成膜手段S15として、ターゲットS15bを有するカソード電極(バッキングプレート)S15cと、バッキングプレートS15cに負電位のスパッタ電圧を印加する電源S15dと、成膜室S12内でカソード電極(バッキングプレート)S15c付近に重点的にガスを導入するガス導入手段S15eと、成膜室S12内でカソード電極(バッキングプレート)S15c付近を重点的に高真空引きするターボ分子ポンプ等の高真空排気手段S15fと、が設けられている。
成膜室S12には、カソード電極(バッキングプレート)S13c,S14c,S15cの付近において、ガス導入手段S13e,S14e,S15eから供給されたガスが、隣接する成膜手段S13,S14,S15に混入しないように、ガス流れを抑制するガス防壁S12gが設けられる。これらガス防壁S12gは、基板保持手段S12aがそれぞれ隣接する成膜手段S13,S14,S15間を移動可能なようにされている。
成膜室S12において、それぞれの3段の成膜手段S13,S14,S15は、ガラス基板2に順に成膜するために必要な組成・条件を有するものとされる。
本実施形態において、成膜手段S13はガラス基板2に接する遮光層3Bの成膜に対応しており、成膜手段S14は厚さ方向中間層となる遮光層3Bの成膜に対応しており、成膜手段S15はガラス基板2から厚さ方向に最も離れた反射防止層となる遮光層3Bの成膜に対応している。
具体的には、成膜手段S13においては、ターゲットS13bが、ガラス基板2に遮光層3Bを成膜するために必要な組成として、クロムを有する材料からなるものとされる。
同時に、成膜手段S13においては、ガス導入手段S13eから供給されるガスとして、遮光層3Bの成膜に対応して、プロセスガスが炭素、窒素、酸素などを含有し、アルゴン等のスパッタガスとともに、所定のガス分圧として条件設定され、また、成膜条件にあわせて高真空排気手段S13fからの排気がおこなわれる。
また、成膜手段S13においては、電源S13dからバッキングプレートS13cに印加されるスパッタ電圧が、遮光層3Bの成膜に対応して設定される。
また、成膜手段S14においては、ターゲットS14bが、成膜手段S13において成膜された遮光層3B上に中間層となる遮光層3Bを成膜するために必要な組成として、クロムを有する材料からなるものとされる。
同時に、成膜手段S14においては、ガス導入手段S14eから供給されるガスとして、中間層となる遮光層3Bの成膜に対応して、プロセスガスが炭素、窒素、酸素などを含有し、アルゴン等のスパッタガスとともに、所定のガス分圧として設定され、また、成膜条件にあわせて高真空排気手段S14fからの排気がおこなわれる。
また、成膜手段S14においては、電源S14dからバッキングプレートS14cに印加されるスパッタ電圧が、中間層となる遮光層3Bの成膜に対応して設定される。
また、成膜手段S15においては、ターゲットS15bが、成膜手段S14において成膜された中間層となる遮光層3B上に反射防止層となる遮光層3Bを成膜するために必要な組成として、クロムを有する材料からなるものとされる。
同時に、成膜手段S15においては、ガス導入手段S15eから供給されるガスとして、反射防止層となる遮光層3Bの成膜に対応して、プロセスガスが炭素、窒素、酸素などを含有し、アルゴン等のスパッタガスとともに、所定のガス分圧として設定され、また、成膜条件にあわせて高真空排気手段S15fからの排気がおこなわれる。
また、成膜手段S15においては、電源S15dからバッキングプレートS15cに印加されるスパッタ電圧が、反射防止層となる遮光層3Bの成膜に対応して設定される。
図4に示す製造装置S10においては、ロード室S11から搬送手段S11aによって搬入したガラス基板2に対して、成膜室(真空処理室)S12において基板保持手段S12aによって搬送しながら3段のスパッタリング成膜をおこなった後、アンロード室S16から成膜の終了したガラス基板2を搬送手段S16aによって外部に搬出する。
図3に示す遮光層形成工程S1においては、成膜手段S13において、ガス導入手段S13eから成膜室S12のバッキングプレートS13c付近にスパッタガスと反応ガスとを供給し、外部の電源からバッキングプレート(カソード電極)S13cにスパッタ電圧を印加する。また、マグネトロン磁気回路によりターゲットS13b上に所定の磁場を形成してもよい。成膜室S12内のバッキングプレートS13c付近でプラズマにより励起されたスパッタガスのイオンが、カソード電極S13cのターゲットS13bに衝突して成膜材料の粒子を飛び出させる。そして、飛び出した粒子と反応ガスとが結合した後、ガラス基板2に付着することにより、ガラス基板2の表面に所定の組成で遮光層3Bが形成される。
同様に、成膜手段S14において、ガス導入手段S14eから成膜室S12のバッキングプレートS14c付近にスパッタガスと反応ガスとを供給し、外部の電源からバッキングプレート(カソード電極)S14cにスパッタ電圧を印加する。また、マグネトロン磁気回路によりターゲットS14b上に所定の磁場を形成してもよい。成膜室S12内のバッキングプレートS14c付近でプラズマにより励起されたスパッタガスのイオンが、カソード電極S14cのターゲットS14bに衝突して成膜材料の粒子を飛び出させる。そして、飛び出した粒子と反応ガスとが結合した後、ガラス基板2に付着することにより、ガラス基板2の表面に所定の組成で中間層となる遮光層3Bが形成される。
同様に、成膜手段S15において、ガス導入手段S15eから成膜室S12のバッキングプレートS15c付近にスパッタガスと反応ガスとを供給し、外部の電源からバッキングプレート(カソード電極)S15cにスパッタ電圧を印加する。また、マグネトロン磁気回路によりターゲットS15b上に所定の磁場を形成してもよい。成膜室S12内のバッキングプレートS15c付近でプラズマにより励起されたスパッタガスのイオンが、カソード電極S15cのターゲットS15bに衝突して成膜材料の粒子を飛び出させる。そして、飛び出した粒子と反応ガスとが結合した後、ガラス基板2に付着することにより、ガラス基板2の表面に所定の組成で反射防止層となる遮光層3Bが形成される。
この際、遮光層3Bの成膜で、成膜厚さに対応して、各ガス導入手段S13e,14e,15eから異なる量の炭素含有ガス、窒素ガス、酸素含有ガスを供給してその分圧を制御するように切り替えて、遮光層3B、中間層、反射防止層に対応して厚さ方向に異なる組成を有するように設定した範囲内にする。
ここで、炭素含有ガスとしては、CO(二酸化炭素)、CH4(メタン)、C(エタン)、CO(一酸化炭素)等を挙げることができる。酸素含有ガスとしては、CO(二酸化炭素)、O(酸素)、NO(一酸化二窒素)、NO(一酸化窒素)等を挙げることができる。
なお、遮光層3B、中間層、反射防止層の成膜で、必要であればターゲットS13b,S14b,S15bを交換することもできる。
さらに、これら遮光層3B、中間層、反射防止層の成膜に加え、他の膜を積層する場合には、対応するターゲット、ガス等のスパッタ条件としてスパッタリングにより成膜するか、他の成膜方法によって該当膜を積層して、図2に示すように、本実施形態のフォトマスク1とするマスクブランク1Bを製造する。
さらに、窒素、酸素、などの膜内組成比に対応して、それぞれのガス分圧を設定して、所定の膜を成膜することになる。
上記の製造装置S10においては、成膜手段S13〜S15として、3段の成膜室を有する構成としたが、この構成に限られるものではなく、例えば、成膜手段S13が1段のみ、あるいは、他の段数の成膜手段を有する構成とすることも可能である。
さらに、後述する帯電防止層6の成膜に特化した成膜手段を連続して有することでもできる。
次に、パターン形成工程S2および帯電防止層形成工程S3として、本実施形態のフォトマスク(バイナリマスク)1をマスクブランク1Bから製造する製造方法について説明する。
図5は、本実施形態におけるフォトマスクスの製造工程を示す断面図である。
図3に示すパターン形成工程S2として、マスクブランク1Bの最外面上にフォトレジスト層を形成する。フォトレジスト層は、ポジ型でもよいしネガ型でもよい。フォトレジスト層としては、液状レジストが用いられる。
続いて、フォトレジスト層を露光及び現像することで、遮光層3Bよりも外側にレジストパターンが形成される。レジストパターンは、遮光層3Bのエッチングマスクとして機能し、遮光層3Bのエッチングパターンに応じて適宜形状が定められる。一例として、透光領域2Aにおいては、形成する遮光パターンの開口幅寸法に対応した開口幅を有する形状に設定される。
次いで、このレジストパターン越しにエッチング液を用いて遮光層3Bをウェットエッチングして遮光パターン3を形成する。エッチング液としては、硝酸セリウム第2アンモニウムを含むエッチング液を用いることができ、例えば、硝酸や過塩素酸等の酸を含有する硝酸セリウム第2アンモニウムを用いることが好ましい。
これにより、図5に示すように、透光領域2Aと、この透光領域2Aによって分断された遮光パターン3とが、ガラス基板2表面に形成されたフォトマスク1Aとなる。
次いで、図3に示す帯電防止層形成工程S3においては、遮光層形成工程S1における遮光層3Bと同様に、製造装置S10によって帯電防止層6を形成する。
図3に示す帯電防止層形成工程S3においては、成膜手段S13において、ガス導入手段S13eから成膜室S12のバッキングプレートS13c付近にスパッタガスと反応ガスとを供給し、外部の電源からバッキングプレート(カソード電極)S13cにスパッタ電圧を印加する。また、マグネトロン磁気回路によりターゲットS13b上に所定の磁場を形成してもよい。成膜室S12内のバッキングプレートS13c付近でプラズマにより励起されたスパッタガスのイオンが、カソード電極S13cのターゲットS13bに衝突して成膜材料の粒子を飛び出させる。そして、飛び出した粒子と反応ガスとが結合した後、ガラス基板2に付着することにより、ガラス基板2の表面に所定の組成で帯電防止層6が形成される。
ここで、帯電防止層6の膜厚は、極めて小さく設定されているため、製造装置S10による成膜工程において、雰囲気ガスを設定することによって帯電防止層6を所定の組成として形成してもよい。
また、製造装置S10による成膜工程において、上記とは異なる雰囲気ガスとして設定することによって形成した帯電防止層6を、例えば、酸素ガス、大気、二酸化炭素、一酸化炭素、一酸化窒素、一酸化二窒素、亜酸化窒素とされる酸化ガスなどの所定の雰囲気中に移動して酸化させ、所定の組成とする後焼き工程を有する製造方法として形成してもよい。この場合、製造装置S10による成膜工程において、含有する酸素の少ない雰囲気ガスとして設定することができる。
あるいは、帯電防止層6を、蒸着、イオンプレーティング、化学気層蒸着法、原子層成膜法といった方法により、形成することもできる。
これにより、図1に示すように、ガラス基板2表面に形成された透光領域2Aと遮光パターン3とが、帯電防止層6で覆われたフォトマスク1となる。
なお、図4においては、フォトマスク1、フォトマスク1Aおよび帯電防止層6は図示していない。
本実施形態においては、分断された遮光パターン3の間に位置する透光領域2Aにおいて、ガラス基板2の露出した表面に帯電防止層6を形成して、遮光パターン3を帯電防止層6が接続した状態とすることができる。したがって、ガラス基板2の表面に離間して形成されている遮光パターン3,3どうしを、透光領域2Aに形成された帯電防止層6によって電気的に互いに接続でき、離間した遮光パターン3,3の間における静電電位を等しくすることができる。これにより、遮光パターン3,3に電位差が発生して、フォトマスク1が静電破壊することを防止できる。
また、クロムを含む帯電防止層6を透光領域2Aに形成したことで、離間した遮光パターン3,3を電気的に接続することができ、さらに、フォトマスク1の洗浄工程においても洗浄液によっても透光領域2Aの帯電防止層6がなくなることがなく、透光領域2Aによって分断された遮光パターン3,3どうしが帯電防止層6によって電気的に接続された状態を維持して、静電破壊が発生することを防止できる。
また、本実施形態においては、帯電防止層6を上記の膜厚範囲に設定したことにより、帯電防止層6の形成された透光領域2Aにおいて、透過する透過光の透過率が低下することを防止して、かつ、静電破壊を防止できる。同時に、透光領域2Aに形成された帯電防止層6が、離間した遮光パターン3,3を電気的に互いに接続し、遮光パターン3,3の間における静電電位を等しくするために必要な導電性を有することができる。さらに、透光領域2Aにおいて帯電防止層6の充分な耐薬性を有する程度の膜厚とされ、フォトマスク1の洗浄工程において、洗浄液によって帯電防止層6がなくならず、離間した遮光パターン3,3どうしの電気的な接続を維持し、静電破壊が発生することを防止できる。
帯電防止層6において、波長405nmの透過光に対する透過率が上述した範囲に設定されることにより、透光領域2Aにおいて透過する透過光の透過率が低減してしまうことを防止できる。
また、帯電防止層6において、シート抵抗が条規の範囲に設定されることにより、透光領域2Aに形成された帯電防止層6によって離間した遮光パターン3,3どうしを電気的に互いに接続して、遮光パターン3,3の間における静電電位を等しくするために必要な導電性を有することができる。
また、帯電防止層6が、クロムに加えて酸素を含むことにより、帯電防止層6における充分な透過率を維持するとともに、帯電防止層6の充分な耐薬性を維持することができる。
また、帯電防止層6が、クロムに加えて炭素を含むことにより、帯電防止層6における充分な導電率を維持するとともに、帯電防止層6の充分な耐薬性を維持することができる。
また、帯電防止層6が、クロムに加えて窒素を含むことにより、帯電防止層6における充分な透過率を維持するとともに、帯電防止層6の充分な耐薬性および充分な耐酸化性を維持することができる。
これにより、フォトマスク1の製造プロセス中やフォトマスク1の洗浄中あるいはフォトマスク1の搬送中等において、フォトマスク1中に静電気が蓄積されて部分的に静電破壊することを防止できる。
以下、本発明に係るフォトマスクの第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図6は、本実施形態におけるフォトマスクを示す断面図である。
本実施形態において、上述した第1実施形態と異なるのは、帯電防止層6に関する点であり、これ以外の上述した第1実施形態と対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態においては、図6に示すように、帯電防止層6が、透光領域2Aの両側となる遮光パターン3の側面には、形成されていない。
この形態であっても、透光領域2Aに形成された帯電防止層6によって離間した遮光パターン3,3どうしを電気的に互いに接続して、遮光パターン3,3の間における静電電位を等しくするために必要な導電性を有することができる。
本実施形態の帯電防止層6は、透光領域2Aにおいて、両側の遮光パターン3,3の間を電気的に接続されていればよい。このため、本実施形態の帯電防止層6は、第1実施形態の帯電防止層6に比べて、カバレッジ性が低くてもよい。なお、本実施形態において、透光領域2Aに形成された帯電防止層6の透過率、シート抵抗(導電率)および耐薬性は、第1実施形態の帯電防止層6と同程度に設定される。
本実施形態においても、第1実施形態と同等の効果を奏することができる。
さらに、カバレッジ性の悪い成膜条件を適用したり、カバレッジ性の低い成膜法を適用することも可能になるという効果を奏することができる。
以下、本発明に係るフォトマスクの第3実施形態を、図面に基づいて説明する。
図7は、本実施形態におけるフォトマスクを示す断面図である。
本実施形態において上述した第1および第2実施形態と異なるのは帯電防止層が設けられていない点である。
本実施形態のフォトマスク1は、図7に示すように、ガラス基板(透明基板)2に積層された遮光層3Bにパターン形成された遮光パターン3と、遮光層3Bが除去されてガラス基板2の露出した透光領域2Aと、を有する。
本実施形態に係るフォトマスク1は、第1実施形態で示した図2に示すように、ガラス基板(透明基板)2に遮光層3Bが積層されたマスクブランク1Bから製造される。
透明基板2としては、透明性および光学的等方性に優れた材料が用いられ、例えば、石英ガラス基板を用いることができる。透明基板2の大きさは特に制限されず、当該マスクを用いて露光する基板(例えばLCD(液晶ディスプレイ)、プラズマディスプレイ、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイなどのFPD用基板等)に応じて適宜選定される。本実施形態では、一辺100mm程度から、一辺2000mm以上の矩形基板に適用可能であり、さらに、厚み数mmの基板や、厚み10mm以上の基板も用いることができる。
また、透明基板2の表面を研磨することで、透明基板2のフラットネスを低減するようにしてもよい。透明基板2のフラットネスは、例えば、20μm以下とすることができる。これにより、マスクの焦点深度が深くなり、微細かつ高精度なパターン形成に大きく貢献することが可能となる。さらにフラットネスは10μm以下と、小さい方が良好である。
遮光層3Bは、Cr(クロム)を主成分とするものであり、さらに、C(炭素)およびN(窒素)を含むものとされる。さらに、遮光層3Bが厚み方向に異なる組成を有することもでき、この場合、遮光層3Bとして、Cr単体、並びにCrの酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、炭化窒化物および酸化炭化窒化物から選択される1つ、または、2種以上を積層して構成することもできる。
遮光層3Bにおいては、後述するように、所定の光学特性および抵抗率が得られるようにその厚み、および、Cr,N,C,O等の組成比(atm%)が設定される。
遮光層3Bにおいては、透明基板2から厚さ方向に離間する部分が組成の異なる中間層とされることもできる。
この中間層は、厚さ方向における遮光層3Bの透明基板2側と同様に、Cr(クロム)を含有するものであり、さらに、C(炭素)を含むものとされる。中間層においては、後述するように、遮光層3Bおよび反射防止層よりも高い炭素含有率(炭素濃度)となるように設定されてもよい。具体的には、炭素含有率(炭素濃度)が14.5atm%以上とされてよく、遮光層3Bおよび反射防止層における炭素含有率(炭素濃度)の2倍以上とされることができる。
遮光層3Bにおいては、透明基板2から厚さ方向に離間した最表面側となる部分が組成の異なる反射防止層とされることもできる。
反射防止層は、厚さ方向における遮光層3Bの透明基板2側と同様に、O(酸素)を含有するクロム酸化膜とされるが、さらに、N(窒素)を含有することができる。反射防止層の膜厚は、露光工程においてマスクとして用いられる際の露光波長、および、露光波長に規定される必要な光学特性、反射率、等により設定される。例えば、厚み25nm程度として設定されることができる。同時に、その反射率を設定するために、酸素含有率も所定範囲とされることが必要である。具体的には、酸素含有率が30atm%程度、あるいはそれ以上の酸素含有率となるように設定される。
本実施形態のフォトマスク1は、例えばFPD用ガラス基板に対するパターニング用のフォトマスクとされ、フォトマスク1を製造する際に、マスクブランク1Bを適用することができる。
また、本実施形態のマスクブランク1Bは、遮光層3Bの膜厚が135nm以上とされる。
また、本実施形態のマスクブランク1Bは、遮光層3Bのシート抵抗が10Ω/sq程度となるように設定されている。このシート抵抗は、遮光層3Bの膜厚によって設定される。
本実施形態においては、図7に示すように、遮光パターン3,3の膜厚T3が透光領域2Aにおける水平方向距離(ガラス基板2の幅方向距離)T2Aに対して、一定値以上となるように設定される。
具体的には、遮光パターン3,3の膜厚T3が135nm以上とされる。また、透光領域2Aにおける水平方向距離(ガラス基板2の幅方向距離)T2Aが、4.0μmより大きく設定される。
したがって、
膜厚T3/スペースT2A ≧ 33.75×10−3
とされる。
また、遮光パターン3,3の光学濃度が5.0以上に設定される。遮光パターン3,3のシート抵抗値は10.5Ω/sqより小さく設定される。
以下、本実施形態におけるフォトマスクの製造方法について、図面に基づいて説明する。
本実施形態におけるフォトマスクの製造方法は、第1実施形態で示した図3に示すように、ガラス基板2の表面に遮光層3Bを形成する遮光層形成工程S1と、遮光層3Bから遮光パターン3を形成するパターン形成工程S2と、を有する。
本実施形態におけるマスクブランク1Bは、第1実施形態で示した図3に示す遮光層形成工程S1において、第1実施形態で示した図4に示す製造装置により製造される。
第1実施形態で示した図4に示す製造装置S10は、インターバック式のスパッタリング装置とされ、ロード室S11、アンロード室S16と、ロード室S11に密閉手段S17を介して接続されるとともに、アンロード室S11に密閉手段S18を介して接続された成膜室(真空処理室)S12とを有するものとされる。
ロード室S11には、外部から搬入されたガラス基板2を成膜室S12へと搬送する搬送手段S11aと、この室内を粗真空引きするロータリーポンプ等の排気手段S11fが設けられるとともに、アンロード室S16には、成膜室S12から成膜の完了したガラス基板2を外部へと搬送する搬送手段S16aと、この室内を粗真空引きするロータリーポンプ等の排気手段S16fが設けられる。
成膜室S12には、基板保持手段S12aと、3つの成膜処理に対応した手段として3段の成膜手段S13,S14,S15が設けられている。
基板保持手段S12aは、搬送手段S11aによって搬送されてきたガラス基板2を、成膜中にターゲットS12bと対向するようにガラス基板11を保持するとともに、ガラス基板2をロード・アンロード室S11からの搬入およびロード・アンロード室S11へ搬出可能とされている。
成膜室S12のロード室S11側位置には、3段の成膜手段S13,S14,S15のうち1段目の成膜材料を供給する成膜手段S13として、ターゲットS13bを有するカソード電極(バッキングプレート)S13cと、バッキングプレートS13cに負電位のスパッタ電圧を印加する電源S13dと、成膜室S12内でカソード電極(バッキングプレート)S13c付近に重点的にガスを導入するガス導入手段S13eと、成膜室S12内でカソード電極(バッキングプレート)S13c付近を重点的に高真空引きするターボ分子ポンプ等の高真空排気手段S13fと、が設けられている。
また、成膜室S12のロード室S11とアンロード室S16との中間位置には、3段の成膜手段13,S14,S15のうち2段目の成膜材料を供給する成膜手段1S4として、ターゲットS14bを有するカソード電極(バッキングプレート)S14cと、バッキングプレートS14cに負電位のスパッタ電圧を印加する電源S14dと、成膜室S12内でカソード電極(バッキングプレート)S14c付近に重点的にガスを導入するガス導入手段S14eと、成膜室S12内でカソード電極(バッキングプレート)S14c付近を重点的に高真空引きするターボ分子ポンプ等の高真空排気手段S14fと、が設けられている。
さらに、成膜室S12のアンロード室S16側位置には、3段の成膜手段S13,S14,S15のうち3段目の成膜材料を供給する成膜手段S15として、ターゲットS15bを有するカソード電極(バッキングプレート)S15cと、バッキングプレートS15cに負電位のスパッタ電圧を印加する電源S15dと、成膜室S12内でカソード電極(バッキングプレート)S15c付近に重点的にガスを導入するガス導入手段S15eと、成膜室S12内でカソード電極(バッキングプレート)S15c付近を重点的に高真空引きするターボ分子ポンプ等の高真空排気手段S15fと、が設けられている。
成膜室S12には、カソード電極(バッキングプレート)S13c,S14,S15cの付近において、ガス導入手段S13e,S14e,S15eから供給されたガスが、隣接する成膜手段S13,S14,S15に混入しないように、ガス流れを抑制するガス防壁S12gが設けられる。これらガス防壁S12gは、基板保持手段S12aがそれぞれ隣接する成膜手段S13,S14,S15間を移動可能なようにされている。
成膜室S12において、それぞれの3段の成膜手段S13,S14,S15は、ガラス基板2に順に成膜するために必要な組成・条件を有するものとされる。
本実施形態において、成膜手段S13はガラス基板2に接する遮光層3Bの成膜に対応しており、成膜手段S14は厚さ方向中間層となる遮光層3Bの成膜に対応しており、成膜手段S15はガラス基板2から厚さ方向に最も離れた反射防止層となる遮光層3Bの成膜に対応している。
具体的には、成膜手段S13においては、ターゲットS13bが、ガラス基板2に遮光層3Bを成膜するために必要な組成として、クロムを有する材料からなるものとされる。
同時に、成膜手段S13においては、ガス導入手段S13eから供給されるガスとして、遮光層3Bの成膜に対応して、プロセスガスが炭素、窒素、酸素などを含有し、アルゴン等のスパッタガスとともに、所定のガス分圧として条件設定され、また、成膜条件にあわせて高真空排気手段S13fからの排気がおこなわれる。
また、成膜手段S13においては、電源S13dからバッキングプレートS13cに印加されるスパッタ電圧が、遮光層3Bの成膜に対応して設定される。
また、成膜手段S14においては、ターゲットS14bが、成膜手段S13において成膜された遮光層3B上に中間層となる遮光層3Bを成膜するために必要な組成として、クロムを有する材料からなるものとされる。
同時に、成膜手段S14においては、ガス導入手段S14eから供給されるガスとして、中間層となる遮光層3Bの成膜に対応して、プロセスガスが炭素、窒素、酸素などを含有し、アルゴン等のスパッタガスとともに、所定のガス分圧として設定され、また、成膜条件にあわせて高真空排気手段S14fからの排気がおこなわれる。
また、成膜手段S14においては、電源S14dからバッキングプレートS14cに印加されるスパッタ電圧が、中間層となる遮光層3Bの成膜に対応して設定される。
また、成膜手段S15においては、ターゲットS15bが、成膜手段S14において成膜された中間層となる遮光層3B上に反射防止層となる遮光層3Bを成膜するために必要な組成として、クロムを有する材料からなるものとされる。
同時に、成膜手段S15においては、ガス導入手段S15eから供給されるガスとして、反射防止層となる遮光層3Bの成膜に対応して、プロセスガスが炭素、窒素、酸素などを含有し、アルゴン等のスパッタガスとともに、所定のガス分圧として設定され、また、成膜条件にあわせて高真空排気手段S15fからの排気がおこなわれる。
また、成膜手段S15においては、電源S15dからバッキングプレートS15cに印加されるスパッタ電圧が、反射防止層となる遮光層3Bの成膜に対応して設定される。
第1実施形態で示した図4に示す製造装置S10においては、ロード室S11から搬送手段S11aによって搬入したガラス基板2に対して、成膜室(真空処理室)S12において基板保持手段S12aによって搬送しながら3段のスパッタリング成膜をおこなった後、アンロード室S16から成膜の終了したガラス基板2を搬送手段S16aによって外部に搬出する。
第1実施形態で示した図3に示す遮光層形成工程S1においては、成膜手段S13において、ガス導入手段S13eから成膜室S12のバッキングプレートS13c付近にスパッタガスと反応ガスとを供給し、外部の電源からバッキングプレート(カソード電極)S13cにスパッタ電圧を印加する。また、マグネトロン磁気回路によりターゲットS13b上に所定の磁場を形成してもよい。成膜室S12内のバッキングプレートS13c付近でプラズマにより励起されたスパッタガスのイオンが、カソード電極S13cのターゲットS13bに衝突して成膜材料の粒子を飛び出させる。そして、飛び出した粒子と反応ガスとが結合した後、ガラス基板2に付着することにより、ガラス基板2の表面に所定の組成で遮光層3Bが形成される。
同様に、成膜手段S14において、ガス導入手段S14eから成膜室S12のバッキングプレートS14c付近にスパッタガスと反応ガスとを供給し、外部の電源からバッキングプレート(カソード電極)S14cにスパッタ電圧を印加する。また、マグネトロン磁気回路によりターゲットS14b上に所定の磁場を形成してもよい。成膜室S12内のバッキングプレートS14c付近でプラズマにより励起されたスパッタガスのイオンが、カソード電極S14cのターゲットS14bに衝突して成膜材料の粒子を飛び出させる。そして、飛び出した粒子と反応ガスとが結合した後、ガラス基板2に付着することにより、ガラス基板2の表面に所定の組成で中間層となる遮光層3Bが形成される。
同様に、成膜手段S15において、ガス導入手段S15eから成膜室S12のバッキングプレートS15c付近にスパッタガスと反応ガスとを供給し、外部の電源からバッキングプレート(カソード電極)S15cにスパッタ電圧を印加する。また、マグネトロン磁気回路によりターゲットS15b上に所定の磁場を形成してもよい。成膜室S12内のバッキングプレートS15c付近でプラズマにより励起されたスパッタガスのイオンが、カソード電極S15cのターゲットS15bに衝突して成膜材料の粒子を飛び出させる。そして、飛び出した粒子と反応ガスとが結合した後、ガラス基板2に付着することにより、ガラス基板2の表面に所定の組成で反射防止層となる遮光層3Bが形成される。
この際、遮光層3Bの成膜で、成膜厚さに対応して、各ガス導入手段S13e,14e,15eから異なる量の炭素含有ガス、窒素ガス、酸素含有ガスを供給してその分圧を制御するように切り替えて、遮光層3B、中間層、反射防止層に対応して厚さ方向に異なる組成を有するように設定した範囲内にする。
ここで、炭素含有ガスとしては、CO(二酸化炭素)、CH4(メタン)、C(エタン)、CO(一酸化炭素)等を挙げることができる。酸素含有ガスとしては、CO(二酸化炭素)、O(酸素)、NO(一酸化二窒素)、NO(一酸化窒素)等を挙げることができる。
なお、遮光層3B、中間層、反射防止層の成膜で、必要であればターゲットS13b,S14b,S15bを交換することもできる。
さらに、これら遮光層3B、中間層、反射防止層の成膜に加え、他の膜を積層する場合には、対応するターゲット、ガス等のスパッタ条件としてスパッタリングにより成膜するか、他の成膜方法によって該当膜を積層して、図2に示すように、本実施形態のフォトマスク1とするマスクブランク1Bを製造する。
さらに、窒素、酸素、などの膜内組成比に対応して、それぞれのガス分圧を設定して、所定の膜を成膜することになる。
次に、パターン形成工程S2および帯電防止層形成工程S3として、本実施形態のフォトマスク(バイナリマスク)1をマスクブランク1Bから製造する製造方法について説明する。
第1実施形態で示した図3に示すパターン形成工程S2として、マスクブランク1Bの最外面上にフォトレジスト層を形成する。フォトレジスト層は、ポジ型でもよいしネガ型でもよい。フォトレジスト層としては、液状レジストが用いられる。
続いて、フォトレジスト層を露光及び現像することで、遮光層3Bよりも外側にレジストパターンが形成される。レジストパターンは、遮光層3Bのエッチングマスクとして機能し、遮光層3Bのエッチングパターンに応じて適宜形状が定められる。一例として、透光領域2Aにおいては、形成する遮光パターンの開口幅寸法に対応した開口幅を有する形状に設定される。
次いで、このレジストパターン越しにエッチング液を用いて遮光層3Bをウェットエッチングして遮光パターン3を形成する。エッチング液としては、硝酸セリウム第2アンモニウムを含むエッチング液を用いることができ、例えば、硝酸や過塩素酸等の酸を含有する硝酸セリウム第2アンモニウムを用いることが好ましい。
これにより、図7に示すように、透光領域2Aと、この透光領域2Aによって分断された遮光パターン3とが、ガラス基板2表面に形成されたフォトマスク1となる。
以下、本実施形態のフォトマスク1における、遮光パターン3,3の厚膜化による帯電防止効果について説明する。
図8は、本実施形態におけるフォトマスクにおける静電容量を説明する断面図である。図9は、フォトマスクスにおける静電容量を説明する断面図である。
フォトマスク1においては、ガラス基板2の表面上に、透光領域2Aの両側となる位置に遮光パターン3,3の側壁が立設している。
図8に示すように、本実施形態におけるフォトマスク1では、透光領域2Aの両側で対向する遮光パターン3の側壁および遮光パターン3の側壁の間における静電容量(配線間容量)は、これら遮光パターン3の側壁の対向する面積に応じて規定される。したがって、対向する遮光パターン3の側壁の面積が大きいほど静電容量は大きくなる。また、これら対向する遮光パターン3の側壁と遮光パターン3の側壁との距離が小さくて近いほど、静電容量(配線間容量)は大きくなる。
このため、挟パターン化したフォトマスク1においては、スペースT2Aが小さくなるが、同時に、挟パターン化によって、遮光パターン3の側壁の幅寸法(ガラス基板2の表面と平行な方向の寸法)が小さくなるため、対向する遮光パターン3の側壁の面積が小さくなる。
ここで、図9に示すように、挟パターン化したフォトマスク1aにおいて、遮光パターン3aの側壁の膜厚T3が小さいと、対向する遮光パターン3aの側壁の面積が小さいため、小さくなった遮光パターン3aの側壁の幅寸法(ガラス基板2の表面と平行な方向の寸法)に対応して、挟パターン化したフォトマスクにいては、対向する遮光パターン3aの側壁の間における静電容量(配線間容量)が減少して低容量化してしまう。
このため、挟パターン化する前のフォトマスク1に比べて、対向する遮光パターン3aの側壁の間で、放電せずに電荷を保持できる帯電量が小さくなってしまう。これにより、挟パターン化したフォトマスクでは、挟パターン化する前のフォトマスク1に比べて、静電気放電ESDが発生して、静電破壊しやすくなる。
これに対し、図8に示すように、遮光パターン3の側壁の膜厚T3を大きくすると、対向する遮光パターン3の側壁の面積も大きくなるため、挟パターン化したフォトマスク1における静電容量(配線間容量)を大きくして、対向する遮光パターン3の側壁の間で放電せずに電荷を保持できる帯電量を大きくすることができる。
したがって、本実施形態におけるフォトマスク1では、遮光パターン3の膜厚を厚膜化することで配線間容量が大きくなるために、静電破壊が発生しにくくなると考えられる。
これにより、本実施形態におけるフォトマスク1では、静電破壊防止効果を向上することができる。
なお、上述した第1および第2実施形態においては、本実施形態の遮光パターン3と同じように膜厚およびシート抵抗を設定することで、さらに、静電破壊防止効果を奏することが可能となる。
以下、本発明にかかる実施例を説明する。
まず、本発明における遮光パターン3厚さ設定の具体的な効果を調べた例について説明する。
図10は、本発明の実施例としての遮光パターンを示す平面図である。
<実験例1>
フォトマスクの帯電防止効果を調べるために、図10に示す遮光パターン3を形成した。 ここで用いた遮光パターン3のラインの幅T3pは12μmであり、ラインの長さT3qは1000μmである。また、スペースT2Aは1.5μmから5μmまで0.5μmステップで大きくした遮光パターン3を用いた。
最初に、フォトマスクを形成するための遮光パターン3の膜厚を変化させてフォトマスクA,B,Cとし、これらの帯電防止効果を調べた。
フォトマスクを形成する遮光パターン3の膜厚を、
フォトマスクA;105nm
フォトマスクB;135nm
フォトマスクC;225nm
と変化させた。
この時、光学濃度は表1に示すように、それぞれ3.2,5.0,7.0となった。また、フォトマスクA,B,Cにおけるシート抵抗値は、それぞれ18.2,10.5,6.1Ω/sqとなった。
表1に、フォトマスクA、B、Cと遮光パターン3の膜厚および光学濃度およびシート抵抗の関係を示す。
Figure 2020016845
この3種類の遮光パターン3を用いてフォトマスクを形成し、静電気発生装置を用いて5kVでマスクを帯電させて静電破壊テストを実施した。その後、それぞれのフォトマスクにおける遮光パターン3の静電破壊状況を顕微鏡で調べた。
この静電破壊テストの結果を表2に示す。
Figure 2020016845
フォトマスクを形成する遮光パターン3の膜厚が105nmである場合には、4.0μmより小さいスペースT2Aの場合に静電気放電ESDが発生して、静電破壊が発生している。一方、135,225nmの場合には3.0μmより小さいスペースT2Aの場合に静電気放電ESDが発生して、静電破壊が発生している。この結果は遮光パターン3の膜厚を135nm以上に厚くすることで静電破壊の発生を抑制できることを示している。
フォトマスクを形成する遮光パターン3の厚さが厚くなると、遮光パターン3の間に形成される容量が大きくなる。したがって、静電気放電ESDの発生による静電破壊を抑制するためには、遮光パターン3の膜厚を一定以上に厚膜化することが効果を有することがわかった。
遮光パターン3の膜厚を一定以上に厚膜化することで、帯電防止効果が向上する原理については、図8,図9に示すように、遮光パターン3の膜厚が厚膜化することで配線間容量が大きくなるために、静電破壊が発生しにくくなったものと考えられる。
<実験例2>
さらに、フォトマスクにおける帯電防止効果を向上するために、図1に示す通り、フォトマスク1における遮光パターン3を形成した後に、遮光パターン3に比べて薄いロムニウム膜である帯電防止層6を形成する構造を用いた際の効果を検証した。
フォトマスク1における遮光パターン3を形成した後に、a〜eとして膜厚の異なる帯電防止層6を形成した。
形成した帯電防止層a〜eの透過率とシート抵抗と膜厚の関係を表3に示す。
これらの帯電防止層a〜eの透過率とシート抵抗の関係を図11に示す。
Figure 2020016845
ここで透過率は波長405nmにおける値を示している。
透過率が高くなるとシート抵抗は大きくなる傾向にあるが、帯電防止層dにおいては、シート抵抗が1MΩ/sq以下で、透過率87.52%の高い透過率が得られている。
また、帯電防止層aにおいては、透過率80.88%で、シート抵抗が10kΩ以下の低い抵抗値が得られている。
この結果から、適切な透過率を選択すれば、十分な帯電防止層として機能すると考えられる。
これまでクロムニウム膜は遮光膜、位相シフト膜、ハーフトーン膜として用いられてきたが、鋭意検討の結果、適切な成膜条件を選択することで高い透過率を有し、導電性の優れた帯電防止層6として用いることができることがわかった。さらに、クロムニウム膜は酸やアルカリ溶液に対しても強い薬液耐性を有するために、帯電防止層6を形成することで、マスク作製工程で用いる洗浄工程等においても透過率と導電率の変化を抑制することができる。
また、高い透過率と高い導電率を得るためには成膜条件を適切に選択することが重要である。
また、帯電防止層a〜eにおける透過率と膜厚の関係を図12に示す。
この結果から、帯電防止層a〜eにおける膜厚が小さくなるほど、透過率は増加する傾向にあることがわかる。
したがって、クロムニウム膜を用いて80%以上90%以下の透過率を有する帯電防止層を得るためには、クロムニウム膜の膜厚を0.90〜2.15nm間で制御する必要があることがわかる。
さらに、帯電防止層a〜eの組成分析を行った結果を表4に示す。
また、表において、それぞれの数値は、各成分元素の原子濃度%を示す。
Figure 2020016845
これらの結果から、形成した帯電防止層a〜eには、クロムニウムの他に炭素、酸素、窒素を含有することがわかる。これらの元素を膜中に有することで、安定な電気伝導性が得られているものと考えられる。
<実験例3>
実験例2における帯電防止層a〜eを、実験例1における膜厚の異なる遮光パターンを形成したフォトマスクA,B,Cの上に形成した。
これらのフォトマスクにおいて、実験例1に記載した方法と同様の方法で、帯電防止効果を評価した。
帯電防止層aをフォトマスクA,B,Cの上部に形成したESD試験の結果を表5に示す。表5において、A+aは、フォトマスクAに帯電防止層aを形成していることを意味する。同様に、表5において、B+aは、フォトマスクBに帯電防止層aを形成していることを意味する。同様に、表5において、C+aは、フォトマスクCに帯電防止層aを形成していることを意味する。
また、表において、スペースとは、遮光パターン3の間隔、スペースT2Aの寸法を示している。表において、丸印はESD無し、バツ印はESD有りを示す。
Figure 2020016845
これらの結果から、帯電防止層aを形成しない場合と比較して、帯電防止層aを形成することによって、静電気放電ESDが発生しないスペースT2A間隔がいずれのフォトマスクにおいても狭くなっていることがわかる。したがって、帯電防止層aを形成することで帯電防止効果が向上していることがわかる。
同様に、帯電防止層bをフォトマスクA,B,Cの上部に形成したESD試験の結果を表6に示す。表6において、A+bは、フォトマスクAに帯電防止層bを形成していることを意味する。同様に、表6において、B+bは、フォトマスクBに帯電防止層bを形成していることを意味する。同様に、表6において、C+bは、フォトマスクCに帯電防止層bを形成していることを意味する。
また、表において、スペースとは、遮光パターン3の間隔、スペースT2Aの寸法を示している。表において、丸印はESD無し、バツ印はESD有りを示す。
Figure 2020016845
これらの結果から、帯電防止層bを形成しない場合と比較して、帯電防止層bを形成することによって、静電気放電ESDが発生しないスペースT2A間隔がいずれのフォトマスクにおいても狭くなっていることがわかる。したがって、帯電防止層bを形成することで帯電防止効果が向上していることがわかる。
同様に、帯電防止層cをフォトマスクA,B,Cの上部に形成したESD試験の結果を表7に示す。表7において、A+cは、フォトマスクAに帯電防止層cを形成していることを意味する。同様に、表7において、B+cは、フォトマスクBに帯電防止層cを形成していることを意味する。同様に、表7において、C+cは、フォトマスクCに帯電防止層cを形成していることを意味する。
また、表において、スペースとは、遮光パターン3の間隔、スペースT2Aの寸法を示している。表において、丸印はESD無し、バツ印はESD有りを示す。
Figure 2020016845
これらの結果から、帯電防止層cを形成しない場合と比較して、帯電防止層cを形成することによって、静電気放電ESDが発生しないスペースT2A間隔がいずれのフォトマスクにおいても狭くなっていることがわかる。したがって、帯電防止層cを形成することで帯電防止効果が向上していることがわかる。
同様に、帯電防止層dをフォトマスクA,B,Cの上部に形成したESD試験の結果を表8に示す。表8において、A+dは、フォトマスクAに帯電防止層dを形成していることを意味する。同様に、表8において、B+dは、フォトマスクBに帯電防止層dを形成していることを意味する。同様に、表8において、C+dは、フォトマスクCに帯電防止層dを形成していることを意味する。
また、表において、スペースとは、遮光パターン3の間隔、スペースT2Aの寸法を示している。表において、丸印はESD無し、バツ印はESD有りを示す。
Figure 2020016845
これらの結果から、帯電防止層dを形成しない場合と比較して、帯電防止層dを形成することによって、静電気放電ESDが発生しないスペースT2A間隔がいずれのフォトマスクにおいても狭くなっていることがわかる。したがって、帯電防止層dを形成することで帯電防止効果が向上していることがわかる。
同様に、帯電防止層eをフォトマスクA,B,Cの上部に形成したESD試験の結果を表9に示す。表9において、A+eは、フォトマスクAに帯電防止層eを形成していることを意味する。同様に、表9において、B+eは、フォトマスクBに帯電防止層eを形成していることを意味する。同様に、表9において、C+eは、フォトマスクCに帯電防止層eを形成していることを意味する。
また、表において、スペースとは、遮光パターン3の間隔、スペースT2Aの寸法を示している。表において、丸印はESD無し、バツ印はESD有りを示す。
Figure 2020016845
これらの結果から、帯電防止層eをフォトマスクA,B,Cの上部に形成した場合においては、帯電防止効果の向上は見られないことがわかる。
したがって、フォトマスク上に帯電防止層を形成して帯電防止効果を高める場合には、シート抵抗が1M/sq以下の薄膜を形成する必要があることがわかった。
特に、帯電防止層dを用いた場合においては87.52%の高い透過率を得るとともに帯電防止効果を有することが可能になることがわかる。
<実験例4>
上記の実験例3における帯電防止層a〜eを、実験例1におけるフォトマスクA〜Cに積層したフォトマスクにおいて、それぞれ、洗浄工程における洗浄液に対する耐薬性を検証した。
ここで、実験例3と同様に、帯電防止層a〜eをフォトマスクA,B,Cの上部に形成したフォトマスクに対して、以下の洗浄液としての薬液からいずれか選択してその条件を設定し、洗浄をおこなった。
薬液;硫酸
・濃度:Conc
・処理温度:100℃
・処理時間:10分
水酸化カリウム
・濃度:5wt%
・処理温度:40℃
・処理時間:10分
水酸化ナトリウム
・濃度:5wt%
・処理温度:40℃
・処理時間:10分
これらの洗浄をおこなった帯電防止層a〜eをフォトマスクA,B,Cの上部に形成したものに対して、実験例3と同様のESD試験をおこなった。
この結果、帯電防止層a〜eをフォトマスクA,B,Cの上部に形成したものは、いずれも実験例3におけるESD試験と同等の結果を得た。
これらの結果から、帯電防止層a〜dを形成しない場合と比較して、帯電防止層a〜dを形成することによって、洗浄処理後においても、静電気放電ESDが発生しないスペースT2A間隔がいずれのフォトマスクにおいても狭くなっていることがわかる。したがって、帯電防止層a〜dを形成することで帯電防止効果が向上していることがわかる。
また、帯電防止層eをフォトマスクA,B,Cの上部に形成した場合においては、洗浄処理後においても、帯電防止効果の向上は見られないことがわかる。
したがって、フォトマスク上に帯電防止層を形成することで、洗浄処理後においても、高い帯電防止効果を有することがわかった。
本発明の活用例として、フォトマスク以外の金属パターンの静電破壊防止方法を挙げることができる。
1…フォトマスク
1B…マスクブランクス
2…ガラス基板(透明基板)
2A…透光領域
3…遮光パターン
3B…遮光層
6…帯電防止層

Claims (9)

  1. 透明基板と、
    該透明基板の表面に形成されクロムを主成分とする遮光層から形成された遮光パターンと、
    前記遮光パターンのない透光領域に少なくとも形成された帯電防止層と、
    を有し、
    前記帯電防止層が、クロムを含むことを特徴とするフォトマスク。
  2. 前記帯電防止層の膜厚が、1.0〜2.5nmの範囲に設定されることを特徴とする請求項1記載のフォトマスク。
  3. 前記帯電防止層の波長405nmの透過光に対する透過率が、80%以上に設定されることを特徴とする請求項1または2記載のフォトマスク。
  4. 前記帯電防止層のシート抵抗が、1MΩ/sqより小さく設定されることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載のフォトマスク。
  5. 前記帯電防止層が、クロムに加えて酸素を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか記載のフォトマスク。
  6. 前記帯電防止層が、クロムに加えて炭素を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか記載のフォトマスク。
  7. 前記帯電防止層が、クロムに加えて窒素を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか記載のフォトマスク。
  8. 請求項1から7のいずれか記載のフォトマスクの製造方法であって、
    前記透明基板の表面に前記遮光層を形成する遮光層形成工程と、
    前記遮光層から前記遮光パターンを形成するパターン形成工程と、
    前記パターン形成工程後に前記帯電防止層を形成する帯電防止層形成工程と、
    を有することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
  9. 前記遮光層の膜厚が、135nm以上に設定されることを特徴とする請求項8記載のフォトマスクの製造方法。
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